平成11年12月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(金田 眞議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 三十四番金田 眞君。
  〔金田 眞君、登壇〕(拍手)
○金田 眞君 議長のお許しを得ましたので、一般質問を行います。
 まず、第一項目のコンピューター西暦二〇〇〇年問題と危機管理についてお尋ねいたします。
 「和歌山県コンピューター西暦二〇〇〇年問題危機管理計画書」によれば、計画の目的は「コンピューター西暦二〇〇〇年問題に起因する何らかの問題が発生した場合に、その及ぼす影響を最小限に抑え、和歌山県の業務の遂行及び県民の生活の安全を確保するため、関係機関等と協力、連携のもと、あらかじめ講ずべき対策を定める」としております。
 計画に従う期間として、一九九九年八月十九日からを危機管理計画に従って行動する期間とし、一九九九年から二〇〇〇年へ移行する十二月三十一日から一月四日の期間と、そして二〇〇〇年二月二十八日から三月一日のうるう年の動作確認のとき、さらに一九九九年度から二〇〇〇年度への移行時の動作確認をする三月三十一日から四月三日までの期間を主な行動予定としております。
 計画の全体像では、県行政の運営に直接影響する「行政における問題」と、特に社会経済の基盤となる電力、水道、交通、通信などの生活・生産基盤に生じた問題によって県民生活に影響を与える「地域における問題」の二つに分けられております。
 十月二十九日の高度情報通信社会推進本部の決定では、「二〇〇〇年問題については、金融、エネルギー、情報通信、交通、医療といった影響の大きい重要分野等において官民をあげた徹底した未然防止や危機管理等の対応が進み(中略)日常生活に深刻な影響を与えるようなサービスの停止等大きな混乱は生じないと考えます。しかしながら、日常生活で時には経験するような小規模或いは短期的な不都合を含め、万一の場合に備えて国民の皆様一人一人が念のための準備を行うことは重要なことです」としております。
 こうした中で、二〇〇〇年問題に対するカウントダウンが進み、国民の関心が高まる中において、いたずらに危機感を募らせて社会全体をパニック状態に陥らせたり、住民に戸惑いや不安を抱かせてはならないと思います。しかし、最悪のシナリオを想定して準備を整えることは大切なことであり、県民が混乱しないためにも正確な情報を把握し、情報を公開し提供するなど、最後の一瞬まで粘り強く対策を続けることは必要だと思います。
 すべての危機管理に対して謙虚に取り組む姿勢が大切でありますが、新聞の記事などでは、自治体によっては積極的に準備する自治体とじっと過ぎ去るのを待つ自治体があるとか、関西はのんびりとしており広報も簡単なものしか出していない、これに対して関東ではPRを着々と進め、点検表の配布や説明会を開催しているなどとの報道もされておりました。こうした中で、私はやはり和歌山県は関西的な状態になっているのではないかと感じている次第であります。
 さて、まず最初に、和歌山県のこの二〇〇〇年問題など危機管理に関する取り組み姿勢や現在までの到達状況について、本部長である副知事の見解をお尋ねいたします。
 次に、企画部長にお尋ねいたしますが、二〇〇〇年問題のために人、時間、お金などが費やされているわけですが、どのような実態、規模になっているでしょうか。
 また、コンピューターのシステム修正と模擬テストの実施状況はどのようになっているか、お知らせください。
 また、チェックはほとんど完了したと思いますが、今後の危機管理体制の強化が求められるところであり、万一のときの対応にやはり不安は残ります。そうした不安に追い打ちをかけるように、過日の新聞記事では和歌山県は県庁のネットワークシステムの対応がおくれていたと報道されていましたが、なぜおくれたのか、その原因を明らかにしてください。
 厚生省はこの六日、救命救急センターなどすべての重点医療機関で対応が完了したと発表しましたが、県民の命にかかわる問題として、民間を含めた医療機関の対応状況はどのようになっていますか。
 同時に、中小企業の皆さんへの対応や市町村との連携については心配ありませんか、お尋ねいたします。
 そして、二〇〇〇年問題については、欠陥商品を売りつけられたのではないかとしてメーカーの責任を問う声もありますが、アフターサービスや補償など、メーカーの対応はどのようになっておりますか。
 この項の最後に、二〇〇〇年問題への対応といえばコンピューターの対策と思われがちな面もありますが、行政にとって何よりも大切なことは、県の危機管理計画書においても地域における問題、すなわち県民の日常生活にかかわることが何よりも大切だと思います。しかし、そのことについて、家庭においての点検や対応について周知が不十分であると思われます。県民の皆さんの中にある、具体的にどのようにしたらいいのかという疑問や不安に具体的に答えていくことが求められると思いますが、いかがでしょうか。そのためには、情報を正確、的確に伝える広報活動が重要であると考えます。今後、年末に向けて情報も多くなると予想されますが、県はどのような広報活動を行っていく計画ですか、お尋ねをしてこの項を終わります。
 第二項目の、土地開発公社の長期の土地保有と財政圧迫の問題について質問をいたします。
 和歌山県土地開発公社の資産の大部分を占めているのは、流動資産である公有用地、完成用地、未成土地でありますが、その保有地の状況はことしの三月末で、面積で約二百四十六ヘクタール、簿価で約七百三十六億円です。そのうち、事業開始から五年以上経過している完成土地、未成土地は二百二十九ヘクタールで全体の九三%、金額にすれば六百四十八億円で全体の八八%であります。
 ちなみに、全国市民オンブズマンの資料で見ますと、和歌山県の塩漬け土地保有度は面積で全国第六位、金額にすれば四位、塩漬けの割合では何と七〇・七%で全国一位となっております。また、この五年以上保有している土地の百二十七億円が金利分であり、この利子負担額でも全国第四位と群を抜いている状況であります。
 こうしたことから、公社が長期保有している土地は売るに売れない不良債権化した土地になってしまっているのではありませんか。そのことは、実質的に債務超過、倒産状態になっているのではないかと思いますが、いかがですか、お考えをお尋ねいたします。
 次に、九月議会において土地開発公社の経営悪化の最大の根源はコスモパーク加太の事業の失敗ではないかと指摘し、いろいろな面から反省と教訓を酌み取ることが必要ではないかと提起しました。そして、次に進む上からも総括が行われるべきではないかと質問いたしましたが、答弁がありませんでした。それで、再質問、再々質問でなぜ答弁ができないのかと質問いたしましたが、それにもご答弁をいただくことはできませんでした。
 コスモパーク加太造成については、現在までの開発事業投資額五百六十八億円だけでなく、今後十年間で見込まれている利子八十億円、そして新たに土地区画整備として百七十億円、そして県の事業として幹線道路などの三十二億円を合わせると八百五十億円以上ともなる事業になろうとしております。当然、一九八五年のコスモパーク加太開発構想から一九九七年の新たな土地整備計画策定までの第一期工事を総括して、そこから教訓や反省を引き出して検討を加えた上で第二期工事とも言える土地区画整備にかかることが順当なやり方だと思いますから、総括を求めているわけであります。九月議会のような答弁では納得できませんので改めて質問をいたしますが、どのような総括をなさったのですか。また、総括を行っていないのなら、また行わないのなら、なぜそうなのかの理由を明らかにしてください。
 巨額の県費を投入して進められたこの事業は、約三百二十三億円の赤字を生み出した土砂売り渡し価格問題や大手十四社の企業が撤退するなど、土砂採取跡地利用計画、公社に事業を持たせた手法など、その見通しの甘さは私どもも指摘してまいりました。第一期工事の加太開発構想の失敗についてバブルの崩壊を免罪符にするのではなくて、県は県民に対してその責任を明らかにすべきではありませんか。同時に、企業もその責任を問われるのは当然だと思いますが、いかがお考えでしょうか、この点についてもお尋ねをいたします。
 土地開発公社の抱える借金六百五十三億円のうち、百十六億円余りは県の貸付金です。もちろん、事業完了の時点で公社が県に金利も含めて返済することになっていますが、現時点では無利子の貸し付けで返済のめどが立っていないから空約束になる心配があります。
 例えば、コスモパーク加太では「コスモパーク加太土地利用計画」の「計画策定にあたって」によれば、「この構想を進めるために、昭和六十一年以降土地区画整理事業調査等を行い、また進出意欲をもつ民間企業を含め、官民によるコスモパーク加太開発推進機構を設置し、官民共同で土地利用計画等の検討を進めてきた。 しかし、バブル経済崩壊による社会経済の大きな変化の中で、民間の開発意欲が冷え込み、官民共同による計画から行政主導による計画へと平成六年三月に方向転換をしてきた」とされておりますが、民間が手を引くということは、当面成功への見通しがないことを意味するものだと思います。同計画書でも述べているとおり、当面厳しい情勢が続くとしていることからも、今貸している公社の金利負担分約八十二億円、今後の見込み金利分八十億円も返してもらえないのではないかという不安を否定できるのでしょうか。
 加太の開発のみならず、土地開発公社の債務について、公社が経営破綻すれば公社の債務は県の負担になり、それはすなわち県民の負担になるのではありませんか。県は今後の土地開発公社の長期保有の土地対策と経営の健全化に関して早急に対策を講じる必要があると思いますので、当局の考え方をお示しください。
 最後の項目の、県道あけぼの広角線改良事業について質問をいたします。
 昭和六十二年に都市計画道路として決定され、昭和六十三年度から県事業として整備改修が進められているこの路線は、海岸部を通行することにより、市街地中心部に集中する交通の分散化を図り、交通混雑の解消と円滑な交通の確保を図るものとして、地元では早期実現を待ち望んでおります。特に、ジャスコが出店したこともあって市街地中心部を通過する交通量は増加する一方であり、朝夕の慢性的な渋滞だけではなく、土日や祭日も熊野大橋から三輪崎方面に向かう交通の混雑緩和が早急に求められているところであります。
 県当局も、その重要性から、一昨年から補助事業としてその推進をしていただいているところでありますが、今後も順調に事業が促進されることを願って、現在の到達状況と今後の計画の取り組みなどについてお尋ねをいたします。
 次に、この県道あけぼの広角線にかかわる用地取得の方法とその後の管理のあり方についてお尋ねをいたします。九月議会でも取り上げましたが、産業廃棄物の処理場の問題であります。
 第一種中高層住宅専用地域である新宮市清水元において、現在建設業者が産業廃棄物の自社処理を行っており、ことし中間処理業の申請をしていることから、産業廃棄物処理中間処理場及び自家処理場の建設に反対する住民運動が展開されているところであります。その隣接地である建設業者が所有する新宮市字松山の二千百二十六平方メートルが、県道あけぼの広角線の用地として九八年三月三日に県に買収されております。
 しかし、残念ながら、土地を売っておきながら、その建設業者は現在もその用地を通路として使用しているだけではなく、産業廃棄物処理場の一部として使用しており、周辺住民からは、なぜ県は住民に騒音やばいじんなどで迷惑をかけているものに手をかすのかと訴えもあり、行政に対する不信の声まで上がっております。
 こうした行為は許されないことだと思いますが、なぜこういう事態になったのか。早急に塀などの構造物を撤去させるべきではありませんか。また、なぜその用地取得だけが近隣住民には説明もされていない時期に急いで行われたのか、お教えください。
 以上で、私の第一回目の質問とさせていただきます。ありがとうございました。
○議長(下川俊樹君) ただいまの金田眞君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 副知事高瀬芳彦君。
  〔高瀬芳彦君、登壇〕
○副知事(高瀬芳彦君) 金田議員にお答えいたします。
 和歌山県コンピューター西暦二〇〇〇年問題対策本部の見解に関する質問でございます。
 コンピューター西暦二〇〇〇年問題については、年内に対策が完了しなければ県民生活に何らかの支障が生じる可能性がございます。システムの修正、模擬テスト等、対応を迅速に、かつ徹底して行うことが必要です。ただ、対策に万全を期するとはいえ、想定しなかった事態が生じる等、何らかの障害が生じる可能性は皆無とは言えず、そのための備えとして、県としては危機管理計画を定めておくことが必要でございます。
 また、県民の方々も、日常生活において身の回りの電化製品のチェック、日ごろの災害への備えの見直し等、無理なく事前の対応をしていただくとともに、万一の事態が生じても冷静に対処していただけるよう県として広報に努めることが必要であると考えます。
 以上の見地から、県といたしましては本年六月にコンピューター西暦二〇〇〇年問題対策本部を設置し、システムの修正、模擬テスト等、事前対策を進めてまいりました。また、万一事態が生じた場合の対応の手順を示した危機管理計画第一版を八月に、十一月三十日に年末年始の待機体制を盛り込んだ第二版を対策本部として決定したところでございます。
 さらに、県民への広報といたしましては、対応の進捗状況の公表、県の広報紙「県民の友」、テレビ・ラジオの広報番組、インターネットホームページ等を通じた情報提供、啓発活動を行っております。年末年始には対策本部において正確な情報を迅速に県民に提供できるよう、危機管理計画の中で連絡体制を定めているところでございます。
 次に、現在の到達の状況についてでございますが、県や県内市町村のシステム修正や模擬テスト等の事前の対策については、現時点でほぼ終了しております。
 また、今後の取り組みにつきましては、引き続き県民への広報に努めるとともに、年末年始の要警戒期間に向けて危機管理計画に基づき情報収集や情報提供が迅速に、かつ正確に行うことができるよう、関係機関との連絡調整を図ってまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 企画部長安居 要君。
  〔安居 要君、登壇〕
○企画部長(安居 要君) まず、一点目の二〇〇〇年問題への対応でございます。
 その中で、二〇〇〇年問題に対応する費用、時間、人員についてのご質問でございますが、二〇〇〇年問題への対応は、機器の更新やシステム機能の追加時等に合わせてシステム修正等を実施することが多いため、二〇〇〇年問題のみに要した経費や時間、人員をすべて算出することは困難でございますが、例えば情報システム課設置の大型コンピューターについては、二〇〇〇年対応などのシステム修正のために、平成九年度と十年度と合わせて三千五百万円余りを支出してございます。また、年末年始に待機する人員は最大時で四百名程度を予定してございます。
 次に、庁内の模擬テストなどの実施状況でございますが、県が保有するシステム、県内消防本部が保有する主要システム、県内重点医療機関が保有するシステムについては、システム修正、模擬テスト、危機管理計画の策定がともに完了してございます。
 県内市町村が保有するシステムについては、十一月末現在で九九%以上が完了しており、今月中旬にはすべて完了する予定となってございます。
 次に、庁内ネットワークの件でございますが、二〇〇〇年問題に対する修正プログラムは各ソフトメーカーから数度にわたり提供されてございます。このため、本県の修正作業につきましては、修正プログラムの最終版の提供を待って今月初めに処理を終えたところでございます。
 次に、市町村との連携についてでございますが、本年五月に対策本部の設置及び危機管理計画の策定を要請し、定期的にシステムの修正等の状況把握に努めてきたところでございます。今後は、年末年始の連絡待機体制をより充実したものとするため、各市町村で実際に待機していただく方を対象に十二月中旬ごろ連絡体制等の説明会を開催する等、市町村との連携を図ってまいりたいと考えてございます。
 次に、中小企業への対応状況につきましては、昨年八月に県産業情報センターに二〇〇〇年問題相談窓口を設置し、問い合わせや相談に応じるとともに、商工会議所及び商工会の経営指導員を通じ、きめの細かい啓発活動も行ってまいりました。また、年末年始も相談窓口を開設し、中小企業者の問い合わせ等に応じてまいります。
 民間医療機関の対応状況についてでございますが、問題発生を予防する観点から、マイクロチップの交換やプログラムの修正等が必要な医療機器、医療情報システム、一般・医療設備等の修正及び模擬テストの実施、また万一障害が発生した場合の危機管理計画を策定するよう、直接及び関係団体を通じて継続的に指導してまいりました。中でも、救命救急センター、災害拠点病院、ICU等を有する病院を重点医療機関として選定するとともに、透析実施診療所、救急告示診療所を含め、適切な対応を求めてきたところでございます。また、在宅で人工呼吸器などの医療用具を使用している患者を有する病院につきましては、患者の完全な把握、医療用具の安全確認、本人、家族に対する越年時の対応を十分行うよう指導してございます。
 次に、県が導入している各種コンピューターシステムの製造メーカーとの関連等についてでございますが、各メーカーからは二〇〇〇年問題に対応するための情報が随時提供されており、それをもとにシステム修正等の作業を行っております。修正後のシステムが誤作動を起こす可能性は小さいと考えておりますが、今後も各メーカー等と連携をとりながら、より万全を期するよう対応してまいります。
 次に、県民への広報と情報の提供についてでございますが、年末に向け、県民への広報、啓発活動を引き続き行ってまいりたいと考えております。年末年始の要警戒期間は県対策本部事務局で県民からの問い合わせにお答えするとともに、対策本部が収集した情報を広く知っていただくため、県民への情報提供を行ってまいりたいと考えてございます。
 二点目の、土地開発公社に関連するご質問にお答えいたします。
 公社の保有土地の状況でございますが、完成土地につきましては、借入金がなく、簿価につきましても路線価格等を下回っております。また、事業継続中の未成土地につきましても、事業執行額より借入金が少なく、平成十一年三月末現在では土地造成事業会計において資産額が負債額を上回っており、債務超過ではないと考えてございます。
 次に、コスモパーク加太の総括についてでございます。
 コスモパーク加太計画は、関西国際空港第一期埋め立て用土砂採取跡地及びその周辺を一体的に整備し、複合都市機能を形成する計画でございます。当初、民間活力を導入し、民間企業を中心としたコスモパーク加太開発推進機構を中心に構想を進めてまいりました。当時としては、市場の需要にも合致した合理的な方策であったと考えますが、予想を超えた社会経済状況の変化により、民間の設備投資意欲の減退や土地価格の下落等、さまざまな要因の中で民間主導の事業推進が困難となったことは厳しく受けとめてございます。
 この間、加太開発整備事業の一環として位置づけられている土砂採取については、関西国際空港の第一期工事に大いに貢献したものと考えており、また、土砂採取に係る収支の差については加太開発整備事業の土地粗造成費用に相当するものと考えてございます。
 これらの経過を踏まえ、一方、紀淡連絡道路や加太・岬スカイラインの構想、都市計画道路である西脇山口線の整備の促進等、多くのプロジェクトの推進によるコスモパーク加太の立地可能性の高まりの中で、和歌山県、和歌山市及び県土地開発公社の三者で構成する加太地域開発整備推進協議会が土地利用計画を策定したものです。現在は、その実現に向け努力しているところであります。
 次に、コスモパーク加太計画と企業の責任についてでございますが、和歌山県、和歌山市、県土地開発公社及び参画希望企業で構成するコスモパーク加太開発推進機構で整備の構想を検討した経緯がございますが、その実現が困難な状況となったことはまことに残念なことと考えてございます。今後は、加太開発地域整備推進協議会が策定した土地利用計画の事業推進の中で、企業誘致等について強く協力を要請してまいります。
 次に、議員お尋ねの公社の経営の健全化等につきましては、現下の経済情勢は依然として厳しい状況でありますが、公共用地先行取得事業については関係部局と連携を図りつつ一層の拡大を図っているところであり、また土地造成事業については、路線価格等を参考とした分譲単価等の見直しや積極的なPRを展開することなどにより分譲に努めるよう指導等を行っているところでございます。
 さらに、公社の人員の適正化等による組織のスリム化、あるいは事務事業の見直しを含めた合理化等を含め、公社の健全化に向けての計画について現在検討を行っているところであり、中長期的な視点に立った取り組みを進め、健全な経営に努めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) ご質問の三点目、県道あけぼの広角線改良事業について、その一点目、現状と今後の事業計画についてお答えします。
 県道あけぼの広角線のバイパス事業につきましては、昭和六十三年度に事業着手し、平成九年度までに国道四十二号取りつけ部六百八十メートル区間において用地取得が概成し、一部工事を実施しております。残る千三百四十メーター区間については、平成十年度に補助事業に採択され、一部用地取得を進めるとともに、国立公園内及び保安林区域内を通過するため、環境庁及び林野庁と認可についての協議を行っているところでございます。今後、早期にこの協議を終え、用地取得に努力してまいります。
 次に、二点目の用地取得とその後の管理のあり方についてお答えします。
 議員ご質問の事業用地につきましては、平成十年三月に取得したものであり、地権者に対し、買収残地への通行のための用地については工事完了までの間、使用を許可しております。
 ご指摘の点につきましては、一部建設用資材の置き場としての使用があり、関係者に対して通知、指導を行うとともに、早急な撤去に着手させたところであります。今後はこのようなことのないよう、取得用地の管理を徹底してまいります。
 本事業の用地取得は、昭和六十三年度から予算に対応して順次進めておりますが、国立公園内の国有林及び公図訂正が必要な箇所を除いて了解をいただけるところから取得してきたものであり、当該土地だけを急いで買収したものではございません。
 なお、事業期間が長期となっておりますので、今後とも事業計画、進捗状況について、関係地権者等に説明し、ご理解をいただくよう努めてまいります。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 三十四番金田 眞君。
○金田 眞君 再質問いたします。
 二〇〇〇年問題については、トラブルが発生しないことを本当に願っているわけでありますが、特に、職員の皆さん方約四百人が年末年始にトラブルに備えて待機するとのことであり、大変ご苦労さまではございますが、どうかよろしくお願い申し上げます。今後の危機管理についても決してむだになることのないように、期待している次第であります。
 また、県民の皆さんの生活にかかわる対応については、本部長のお話では日ごろの災害への備えの見直しをという程度のことでありますが、やはりまだ若干心配するところではあります。特に、今後の取り組みを詰められて広報活動をより一層強化していただきたいということを要望しておきたいと思います。
 次に、県道あけぼの広角線の改良工事については、来年度においてぜひ大幅な予算を確保されることを心からお願いする次第でございます。
 また、用地取得の方法とその後の管理のあり方については早急な対応をしていただき、本当にありがとうございます。しかし、建設資材の置き場として使用していたと言っておりましたが、それは正確ではなく、塀などをつくって産業廃棄物処理場の一部として使用していたのだと思いますので、この点を指摘しておきます。
 こうしたことが県と業者のなれ合いとも誤解されてしまい、他の地権者に不信感を抱かせたり、地元の人々に事業に対する誤解を与える結果となっております。そのためにもぜひ、あくまでも住民の理解と納得が得られる、住民合意を前提とした事業を積極的に推進されることを心からお願いする次第でございます。
 以上二点は、お願いであります。
 土地開発公社については、企画部長に再度質問をさせていただきます。
 まず最初に塩漬け土地の不良債権化についてですが、確かに不良債権だと言うことはできないと思います。私どもは不良債権化しているのではないか、あるいはそれに近い状態ではないかと思っているわけでありますが、例えば土地造成事業の完成土地において、事業開始年度は昭和五十六年で六十一年に事業完了となっている打田町打田第二の有効面積三千四百八十三平方メートルがいまだそのまま残っていたり、同じ打田町の未成土地であります北勢田についても、昭和五十六年に事業を開始して、有効面積九万平方メートルのうち約一割しか売れていないという状況です。こうしたことを一つ一つ取り上げたら切りがありませんが、こうした状況を見ると、やはり私どもは不良債権に近い状態ではないかと思うわけであります。この点について説明を求めます。
 また、コスモパーク加太についての総括でありますが、ご答弁の内容につきまして、私の理解が非常に不足しているのか知りませんが、私にとっては総括ではなく、これはあくまでも経過報告であり、現在進めている加太地域の土地利用計画の説明の一部だと思いますので、再度総括をお願いしたいし、総括が必要でないのならその理由をお答えください。
 また、企業の責任についてお尋ねをいたしましたが、責任があるともないともお答えがございませんでした。私は少なくとも企業の社会的、道義的責任は追及されても仕方がないと考えますので、この点についても再度ご答弁をお願いして、再質問を終わります。
○議長(下川俊樹君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 企画部長安居 要君。
  〔安居 要君、登壇〕
○企画部長(安居 要君) 再質問についてお答えいたします。
 まず第一点目の塩漬けに関する問題でございますが、ご指摘の打田の二カ所についての質問も含めまして、こういう長期に保有している土地は、宅地用地及び企業用地等についての計画として取り組んできたところでございますが、厳しい経済情勢のもと、その分譲等が当初計画どおり進んでいないということは事実でございます。
 したがいまして、今後は分譲あるいは宅地用地につきまして、路線価格等を参考にした単価の見直しや積極的なPRなどを行うことにより分譲を進めるとともに、特に北勢田等、企業用地等につきましても、社会経済情勢を勘案しながら関係部局と連携を図って分譲促進に積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 二点目のコスモパークの総括についてでございます。
 ご答弁申し上げましたように、このコスモパーク加太構想につきましては長い経緯がございます。その中で、社会経済情勢の変化等により非常に厳しい情勢にあることは事実でございまして、非常に残念には思っている次第でございますが、そういった経過を踏まえまして、私どもといたしましては、先般策定いたしましたコスモパーク加太利用計画等を通じ、あるいはその手法に土地区画整理事業を導入しながら新しく展開を図っていくということで、積極的に推進してまいりたいと考えてございます。
 三点目の企業責任の問題についてでございます。
 これは、当初、官民共同によりコスモパーク加太構想を推進していこうという形の中で推進機構をつくり、官民共同で土地利用計画を策定し検討を進めてまいったところでございますが、ご承知の社会経済情勢のもとで民間の進出意欲の減退等ございまして、その機構が現在機能していないというのは事実でございますけれども、今後、新しいコスモパーク加太利用計画に基づいて進展を図る中で企業にもその進出等について理解を求め、強力に推進してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
 三十四番金田 眞君。
○金田 眞君 まことに申しわけございませんが、コスモパークの総括あるいは企業の責任について、私の質問に対して答えていただいているとは到底思えません。だから当然納得したわけではありませんが、何回お尋ねしてもこうしたことになると思いますので、これで再々質問は終わりたいと思いますが、一言言っておきます。こうした状況で何の反省も総括もされないで事業を進めるやり方は、私は無責任であると思います。最終的に県民にツケを回してしまう結果になってしまうのではないかと、非常に不安を持つところであります。
 さらに──これは質問であります。分譲の問題です。
 先ほども言いました不良債権化していないかという問題ですが、分譲に努めるというふうにご答弁をいただいています。この質問をしますと、何回質問しても「積極的なPRを展開するなど」というような同じ答弁が毎回返ってまいります。
 それで、お尋ねします。先ほど申した打田町の土地などについて、できるだけ詳しく知りたいということで資料をいただきました。分譲を進めていくと言うのなら、教えてください。分譲価格が書かれていない、決まっていないような土地、こんな土地があってどのようにして分譲を進めていくのですか。
 確かに、社会的ないろんな問題がありました。しかし、考えてみてくださいよ。例えば打田町の場合、昭和五十六年から六十一年度内にこの事業は完了しているわけでしょう。そして現在に至るまでゼロですよ、処分の土地は。この間、一体何をしていたのかということですよね。
 分譲価格を決める、これは物を売るときにまず第一番目にしなきゃならないことじゃないですか。そうしたところが余りにも多過ぎるんですよ。だから、これは売るに売れない土地ではないか、不良債権化してしまっているのではないか、不良債権に近いのではないかと心配しているわけです。我々は別に土地開発公社がつぶれたらいいとか、そんなこと思っているんじゃないんです。何とかして経営を健全化していただいて持ち直してもらいたい。そうしなければ、そのツケが県民に回るわけですからね。私ども必死なんですよ。
 そういう意味で、PRを進めるとか、そうした答弁を繰り返しているようでは非常に信用できないんです、悪いけれども。だから、抜本的に早急に対策を立てる必要があると思います。このことについて再度ご答弁をお願いして、再々質問を終わります。
○議長(下川俊樹君) 以上の再々質問に対する当局の答弁を求めます。
 企画部長安居 要君。
  〔安居 要君、登壇〕
○企画部長(安居 要君) 再々質問にお答えいたします。
 ただいまご指摘ございました打田町を初めとする完成土地のいわゆる分譲価格等について、価格が決まっていないじゃないかというご指摘でございます。
 これにつきましては、それぞれの土地の状況等がございます。そしてまた、関係する市町と関係団体との調整等が必要でございますので、現在その整理等については当たっておりますが、分譲価格を正確に幾らということについてはまだ至っておりません。
 何度も申し上げますが、そういったことも整理しながら今後とも推進に努めていくということになると思います。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 答弁漏れはありませんか。──以上で、金田眞君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前十一時二十九分休憩
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