平成11年9月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(井出益弘議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 三十九番井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕(拍手)
○井出益弘君 議長よりお許しをいただきました。
 大江議員の弁舌さわやかな一番をお聞きして、非常に思いやりのあるご質問をされたと思います。
 私は反面、西口知事がこの一期、命がけで体力の限り頑張ってこられたいろんなこと、我々も一緒になって難しいところに一生懸命取り組んでおられることについて、この場をおかりして知事さんからお答えいただくのも、PRの意味もあって、これまた思いやりかと思います。すばらしい前向きのご答弁をいただけることを確信して、質問をさせていただくものであります。
 まず、道路交通網整備についてであります。県都和歌山市における道路整備の現状と今後の取り組みについて、お伺いします。
 和歌山市は、太平洋国土軸となる京奈和自動車道、紀淡連絡道路と大都市関西圏から紀伊半島を南北に縦断する近畿自動車道紀勢線が交差する結節点であり、将来、人、物の一大拠点となる要素を十分に持っています。このように交通の結節点として将来有望な地域である和歌山市内の交通の状況は、国道四十二号の海南・有田方面からの車による紀三井寺交差点付近、また貴志川・和歌山東部地域からの交通によるJR交差部、さらに近年住宅開発等により人口のふえている和歌山市北部や紀の川流域の岩出町、橋本市からの交通により紀の川右岸部において、朝夕慢性的な交通停滞を引き起こしており、経済的にも大きな損失をこうむっているのであります。これらの交通停滞は、紀の川に橋が少ないこと、また紀の川右岸部の道路整備が進んでいないことが原因であると考えられます。
 現在、建設省により第二阪和国道の和歌山北バイパスの整備及び国道二十四号線の和歌山バイパスの四車線化が進められているが、これらを早期に完成させることが、交通停滞をなくし、和歌山市の発展に大きく役立つことと考えます。
 しかし、人口四十万人規模で県都である和歌山市の交通基盤整備を考えるとき、鉄道の高架事業や高規格道路タイプの和歌山市外周の環状道路建設に着手する必要があることは明白であります。
 鉄道の高架事業につきましては、その必要性と調査について、本年二月、総務委員会において私が、和歌山市河西地区は人口が過去十五年で一五%も伸びているにもかかわらず社会資本整備は非常におくれている、紀ノ川駅周辺における連続立体交差事業を土木部のみならず企画部としても推進すべきではないかとただしたのに対し、河西地区の街路網整備については、平成六年度に土木部が中心となって調査を行っており、その中で連続立体交差事業の検討も行っている、課題として、補助事業採択基準に該当するためには、まず第一に周辺地域において土地区画整理事業等の面的整備事業が行われる必要があること、第二に道路オーバーで都市計画決定されている西脇山口線と南海本線との交差部の都市計画決定の変更をしなければならないことの問題が挙げられている、数多くの地権者が関係することもあり多くの問題が伴うものと思うが、本地域の良好な市街地の形成には鉄道の高架が効果的であることから、交通政策の観点から土木部に働きかける等、適切に対応していきたいと、交通政策課長や企画部長より県の考えをお答えいただきました。鉄道の高架事業について和歌山市の現状を見るとき、対応が遅過ぎたのではとも思いますが、今からでも全力で取り組めば何とかなる、いや、何とかせねばならないと私は考えます。
 とりわけ紀の川北岸側については、今なら高架事業が可能であります。紀ノ川駅の連続立体交差事業については、今後、第二阪和国道が開通し、和歌山市の玄関口となる楠見、野崎地区は当然、今以上に頻繁な交通状態になると考えられます。楠見地区・人口二万一千五百五十二人、野崎地区・人口一万八千七百九十一人──これは本年九月一日現在であります──四万人を超す超密集地域が鉄道により分断されているため、線路の向かい側に行くには大変な回り道となります。その幹線道として県道粉河加太線、そして将来、善明寺湊線が都市計画街路として計画されていますが、後者の善明寺湊線は第二阪和国道へのアクセス道路となる重要幹線の一つであります。
 しかし、これらが永久に鉄道の踏切のある平面交差では、交通基盤整備として幾ら立派な道を多く建設しても、地域を分断しているまま、つまり市街地の密集地で鉄道高架に着手しなければ、都市環境整備、交通基盤整備としては未来を考えた対応策とはならないと考えます。鉄道高架事業の必要性と今後の南海紀ノ川駅連続立体交差事業について、取り組みを知事にお伺いいたします。
 次に、以前から私は、混雑している市内中心部を通らない高規格環状道路の早期建設なくして和歌山市の将来、さらには和歌山県の発展はないと考えていますが、基本的な社会資本である道路を整備すれば人や物が和歌山市内を循環することとなり、地域が潤い、元気な和歌山市を創造することとなると考えます。
 西口知事は既に、和歌山県長期総合計画の第一次中期実施計画の中で和歌山環状道路の調査促進と早期取り組みを明記されてあり、和歌山市民初め、日常茶飯事の交通停滞に半ばあきらめて通勤・通行している県民は、これにより将来和歌山市内へ往来する交通の分散が可能となると、早期実現を目指した西口知事の行政手腕に大きく期待されている県民が大多数でありますことを、この場でお伝えしておきます。和歌山環状道路の今後の取り組みについて、知事のお考えをお伺いします。
 また、紀の川大堰の関連事業であるJR鉄橋のつけかえに伴うJR六十谷駅から紀の川間の鉄道高架または立体交差計画案について、南港山東線によるJR紀勢線のアンダー部分の早期整備によりさらに交通がスムーズになると考え、立体交差事業に昨年着手していただいて大変喜んでいたのですが、着手後間もなく工事がストップしてしまい、一年以上も現場工事がとまっています。南港山東線は県民が待望している道路だけに、どうなっているのかとよく聞かれますが、これらに関する現状と今後の取り組みについて土木部長に答弁を求めます。
 最後に、第二阪和国道の一部である和歌山北バイパス、また国道二十四号和歌山バイパス、紀州大橋の四車線化について、それぞれ現在の進捗状況と今後の取り組みを土木部長にお伺いいたします。
 二番目に、産業廃棄物についてであります。
 県内に、産業廃棄物の中間処理をしている場所がかなり多く点在しています。和歌山市内にもあります。県当局も知っていると思いますが、その場所周辺地域では、悪臭、粉じん、騒音、振動、水質等の多くの問題により紛争が絶えません。自然環境豊かな本県でこの種の問題が頻繁に報道され、そのたびに抜本的解決に向かって行政で考えて取り組む必要があると、再三県へ私も提言してまいりましたが、和歌山市は中核都市だから県は関与しないというわけではないと思いますけれども、余りにも行政としての取り組みがおくれていると感じます。
 知事が、産業廃棄物は県外より持ち込まない、持ち出さない、県内で処理をするとの基本的なお考えを示されています。しかし、県内で発生したものは県内で処理をする、その現状は決して適正とは思えません。県内、市内のこの種の点在している処理基地、処理場の問題、苦情を抜本的に解決するには、行政がまず適正な場所、つまりリサイクル基地、中間処理基地等の確保について踏み出さなければ、業者の指導、取り締まりだけでは解決いたしません。
 先日、佐田議員も焼却方法について話されていましたが、技術革新とともに炉の処理機能が改善されてきているため、厚生省においても助成基準の見直し等を検討中であり、必ずしも大型の焼却炉を必要としなくなりそうです。また、リサイクルや環境対策として、今後、焼却してもダイオキシン等有害物が発生しない、そして溶解された鉄、アルミ、銅などが回収されインゴットとして再利用可能な溶鉱炉方式の焼却炉も実用化されてきています。将来のことを考えますと、焼却炉設置管理義務者の市町村に対してもこうした施設について十分調査研究されるよう、将来展望を踏まえた指導的取り組みが必要であると考えます。
 質問をいたします。
 一、産業廃棄物の現状について、まず県内産業廃棄物の実態、中間処理・最終処分場をいかに把握しているのか。その場所、種類、量の概要等。
 二、その実態は適切に処理、処分されているのか。
 産業廃棄物の将来構想について、リサイクル基地、中間処理基地の確保について、また溶解、焼却等、処理方法について。
 これは、生活文化部長に答弁を求めます。
 三番目に、外国人受け入れについて。
 我が国の社会、経済、教育等、各分野における国際化の進展等を背景として我が国を訪れる外国人の数は増加の基調にあり、在留外国人による入管法上の申請案件が飛躍的に増加したため、大量在留外国人時代にふさわしい在留管理のあり方について検討していた法務省入国管理局が、審査窓口への増員、申請書様式の簡素化などに加え、申請取り次ぎ制度を採用することとなってきています。
 施行規則によれば、在留資格の変更許可、在留期間の更新許可などの各種申請を行おうとする外国人は、原則としてみずから地方入国管理局等に出頭して申請書類を提出しなければならないこととされておりますが、これは申請人の同一性と申請意思を確認するため、また、申請内容に関連して不明な点があれば質問したり、不備な点の補正を指示したりするため、さらに申請の結果を申請人本人に確実に伝えるためなど、外国人の入国在留の適正な管理のために申請人の出頭が必要であるとの考えに基づくものであります。
 申請取り次ぎ制度は、前述の目的が他の方法で満たされる場合には本人出頭の原則を部分的に免除しようとするもので、一定の企業、学校、行政書士、申請取り次ぎ対象公益法人等による申請の取り次ぎを認めるとともに、これら機関等を通じて所属する外国人の在留につき適正な指導を行おうとするものであります。
 法務省も規制緩和に向けた強い社会的要請を受け、平成十一年三月に改定されました規制緩和推進三カ年計画(一九九八年より二〇〇〇年度)の中で、在留期間の見直しとして、今まで最短在留期間六カ月のものがほとんど一年となり、興業ビザは三十日ものであったのが六カ月に改められたり、留学生や技能研修生などについては資格外活動として許可を受ければアルバイトや報酬を受けて働くことが認められてきています。ワーキングホリデー等も認められ、学生などが旅費をアルバイトでカバーしながら旅行できる、つまり日本においても外国人が働きながら学校を卒業できるようなことに、規制緩和や文化、技術、国際化の方針として変革を遂げてきているようであります。
 これらの事象により、それぞれの都道府県でも、外国人が健康で安全に在留でき、在留の目的が達成できるように受け入れ体制の充実に取り組んでいます。アルバイトのあっせんセンターや在留外国人にミーティング開催の世話をしたり、諸手続のアドバイス、他にホームシック対策等、さまざまな受け入れ対策をされているようであります。
 本県にも、いろいろな活躍ができる場所として、このたびビッグ愛に国際交流センターが設置され、わかやま二十一世紀計画の中に国際社会や本県を訪れる外国人に対して情報提供の充実をすると取り組みが明記されていますが、関空が近くにあり、しかも自然環境豊かな和歌山県の国際交流センターが実質的に活用、活躍していただけるような運営をしていただくよう期待するものであります。
 最近、失踪・不法残留者が増加するという問題が発生している中、研修生、技能実習生の失踪者数は、平成五年に全国で一名であったのが、六年には百三十五名、七年では二百九十一名、八年で五百九名、平成九年には七百五十三名と増加しています。法務省入国管理局の資料によると、ほとんどの在留者が許可(在留資格外許可)を取れば合法的にかなりの時間働くことが可能です。許可を取らずに就労すると違法となります。しかし、外国人の在留者が日本の法律についてよく知らず、事件、事故の発生原因となっているケースも多いようです。今こそ日本が、私たちが、世界のために、外国人のために、何ができるかを考え、実行しなければならないときに来ていると考えます。外国人受け入れの現状と今後の取り組みについて、生活文化部長に答弁を求めます。
 四番目に、海や河川の放置艇等対策についてであります。
 港湾や河川区域における放置艇は、ご承知のとおり、車ではたを通るだけでも随分見かけます。本県は典型的な海洋県であり、また水の美しい河川も数多くあります。したがって、水に親しむレクリエーションや海洋スポーツが盛んに行われ、同時に海水浴場やレジャー施設等も多数整備されてきており、特に近年の自然志向的なレジャーの流行等により、釣りやキャンプなどのレジャーを楽しむ多くの人々が海や河川を訪れています。
 一方、海や川の現状を見ますと、和歌山市周辺の港湾及び河川等の至るところで数多くの小型船舶や廃棄寸前の船が放置されたままになっており、中には沈没した船が無残な状態で放置されたままになっています。また、同様に河川敷においても大量の廃棄された車両等が野ざらし状態にあります。このような状況は、自然環境や景観を損ない、海や河川を訪れ利用する人々に多くの悪影響を与えるとともに、台風などによる洪水や高潮、津波等の防災対策を初め、水質汚濁防止や有害駆除、さらには港湾、河川の秩序ある使用を進めていく上で大きな障害となるものであります。
 こうした問題を解決するため、また貴重な自然資源である海や河川を守るために、景観と調和した環境保全の整備に努め、安全で快適な沿岸環境の整備について、法的な対策等も含め、早期に対応する必要があると考えます。
 一、海や河川の放置艇等の実態について、いかに把握されているのか。
 二、問題点の解消策について。
 以上二点、土木部長にご答弁をお願いします。
 最後に、これは質問ではありませんが、百四十四日間の熊博の大成功、本当にうれしく思います。知事初め、担当された県関係者、また県警察、市町村、協力関係者の皆様の労を心からねぎらいたいと思います。これは、すぐには波及効果として出ないものもあります。また、道の駅など、大変喜ばれ、大きく反響のあるものもあります。将来、熊博をやったことが必ず、和歌山県のPRとしての大きな成果がいろんな形で出てくると思います。実行に当たって、大変ご心配やご苦労もあったかと思いますけれども、知事さん初め関係の皆さんに心から感謝とお祝いを申し上げて、私の一回目の質問といたします。
 どうもご清聴ありがとうございました。
○議長(下川俊樹君) ただいまの井出益弘君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
  〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 井出議員にお答えをいたします。
 南海本線の紀ノ川駅付近の鉄道を連続立体交差とする構想についてでございますが、将来の駅周辺の町づくりの中で論議をしていく必要がございまして、今後、周辺の土地区画整理事業など、市の意向も見きわめながら、連続立体事業については県、市が連携して取り組んでいかなければならないと考えてございます。
 また、和歌山環状道路につきましては、和歌山市内の骨格となる道路でございまして、昨年の六月に地域高規格道路に指定されたところでございます。今年度から建設省、県、市が協力して、環状道路の機能及び経済効果等についての調査を進めることになりましたので、今後構想の具体化を図れるよう努力してまいりたい、そのように考えてございます。
○議長(下川俊樹君) 土木部長大山耕二君。
  〔大山耕二君、登壇〕
○土木部長(大山耕二君) 鉄道高架に関する事業のうち、JR阪和線と県道小豆島船所線との交差につきましては、紀の川大堰の建設に関連して建設省においてJR紀の川橋梁の改築について検討が行われており、今後この具体化にあわせ、交差計画を検討してまいります。
 南港山東線につきましては、昨年から工事中断を余儀なくされ、今年に入り関係者との調停を進めてまいりましたが、残念ながら、和解には至りませんでした。しかしながら、本工事の重要性にかんがみ、九月末からの本格工事再開に向け、既に矢板等資材の搬入や騒音、振動等の観測機器の設置を行ったところであります。今後は、事業の推進に懸命の努力をしてまいります。
 和歌山北バイパスにつきましては、平成十一年七月現在、用地買収の約九割が終わっており、工事についても陸上部高架橋の下部工事がほぼ概成し、現在、粟地区高架橋の上部工事が進められております。さらに、紀の川にかかる仮称新南海橋につきましても、下部工九基のうち五基が既に完成し、残る四基の工事発注が本年八月になされております。今後とも、県議会の皆様方のご協力を得ながら、和歌山北バイパスの早期完成を国に強く働きかけていくとともに、残る府県境部の早期具体化についても国に強く働きかけてまいります。
 また、この事業の一環として和歌山駅から市駅間の鉄道を高架にする計画であり、現在、和歌山市、建設省、県の三者でJR西日本とたび重なる協議を行っており、今後、和歌山北バイパスの供用に間に合うよう努力をしてまいります。
 次に、国道二十四号和歌山バイパスの紀州大橋を含む二車線区間四キロメートルのうち、和歌山市永穂から小豆島間の一・五キロメートルにつきましては、建設省において平成十年度より四車線化の工事に着手しております。この区間につきましては、順次供用を開始しながら、九月末には完成供用がなされると聞いております。また、紀州大橋を含む残り二・五キロメートル区間の四車線化につきましても、今後とも早期に整備されるよう強く国に働きかけてまいります。
 続きまして、大きな項目の四点目の海や河川の放置艇対策等についてお答え申し上げます。
 平成八年度の全国一斉調査時点において、県下の河川、港湾等の公共用水域に約五千三百そうの放置艇が確認されており、現在、これらの放置艇による種々の社会問題が顕在化しております。
 このため、県といたしましては、放置艇問題を早期に解消すべく、係留・保管施設として大規模収容施設の和歌山マリーナシティや小型船舶を対象としたPBS(プレジャーボートスポット)の整備を進めてきたところでありますが、民間のマリーナを含めても放置艇の絶対数に対して充足している状況にはないため、今後も係留・保管施設の整備と並行して暫定的な許可係留等についても今後の課題として検討していきたいと考えております。
 また、今年度より向こう三カ年間、国より交付される緊急地域雇用特別交付金を活用し、県内の最新の放置艇の実態調査等を実施し、さらに河川内の沈廃船や廃車で治水上及び利水上支障のあるものについては、緊急性の高いものから除去すべく、所要額を本議会に上程しているところであります。
 以上のように、種々事業を進めることとしておりますけれども、放置艇の解消を図るためには公共用水域の秩序ある適正な使用を図るための何らかの規制措置も必要と考えておりまして、具体的には県内プレジャーボートの登録届け出制の導入や係留重点禁止区域の設定等も考えております。また、これらの問題を河川、港湾等の関係者が一堂に会し総合的に検討するため、近く和歌山県プレジャーボート対策協議会を設立すべく準備しているところでございます。
 このように、放置艇の解消を図るため、以上のような種々の施策を講ずるとともに管理体制を強化してまいる所存でありますが、海洋リゾート立県としての本県の特性等も考慮すると同時に、今後の海洋性レクリエーションの健全な発展を阻害することのないよう十分配慮しつつ進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 生活文化部長大井 光君。
  〔大井 光君、登壇〕
○生活文化部長(大井 光君) 井出益弘議員ご質問の産業廃棄物に関する質問にお答えいたします。
 まず、県内の産業廃棄物処理の実態についてでございます。
 県内における産業廃棄物処理業の県知事の許可のうち、中間処理業につきましては四十二業者で、その主なものは、がれき類の破砕処理が十九件、汚泥の脱水・乾燥が七件、木くず等の焼却が七件、発酵処理が四件の順となってございます。その能力につきましては、一日当たり、がれき類の破砕が約一万三千トン、汚泥の脱水が約二百八十立方メートル、汚泥の乾燥が約三百立方メートル、木くず等の焼却が約四トン、発酵処理が約十六トンなどになってございます。また、最終処分場につきましては安定型最終処分場が八カ所ございまして、その能力は約百二十万立方メートルでございます。
 なお、がれき類の破砕施設につきましては県下一円に設置されており、汚泥の脱水施設につきましては移動式のものが多く、その他の施設につきましては紀南地域にも設置されてございますが、おおむね紀北地域が中心となってございます。
 続きまして、産業廃棄物の現状のうち、その実態は適切に処理処分されているかというご質問でございます。
 随時立入調査等を行い、監視いたしておりますけれども、残念ながら不適正なものがございますので、さらに監視を強め、適正処理するよう強く指導してまいりたいと考えてございます。
 なお、今議会に上程いたしております緊急雇用対策予算を活用いたしまして、廃棄物不法投棄特別監視事業を実施いたしまして、さらに監視の強化を行ってまいりたいと考えてございます。なお、悪質な業者に対しましては、法的措置も含め、厳正に対処してまいりたいと考えてございます。
 続きまして、産業廃棄物処理の将来構想についてでございます。
 近年の住民の環境意識の高まりや廃棄物処理施設周辺において地域紛争が多発している中で、廃棄物処理の適正化を図るため、国において法的整備を進める一方、今後の廃棄物処理の方向について現在検討されているところでございます。
 本県におきましても、本年五月に産業廃棄物の発生の抑制、リサイクルの推進及び公的関与を盛り込んだ第四次和歌山県産業廃棄物処理計画を策定したところでございます。廃棄物処理の適正化を図るためには、事業者のモラルと県民の理解、協力が最も重要であると考えておりますが、処理計画にも定めていますとおり、リサイクルと一定の公的関与が必要であると考えているところでありますので、議員お話しのリサイクルや中間処理基地の確保のため、今後実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
 なお、議員ご質問の新しい処理方法についてでございますが、今後の技術開発の推移を見守りながら情報収集を行い、県内の関係者に情報を提供してまいりたいと考えてございます。
 続きまして、外国人の受け入れについてお答えいたします。
 国際化の進展に伴い、本県を訪れる外国人の方も年々増加の傾向にあり、観光客はもちろん、本県に居住する外国人の登録者数も約六千四百名、国籍は五十カ国以上に上っております。こうした外国人の方が訪れやすく住みやすい町づくりを進めるため、県内の国際交流の拠点といたしまして、和歌山県国際交流センターを昨年十二月に和歌山ビッグ愛に開設したところでございます。
 当センターでは、県内在住外国人の方を含め、県民の方々の国際交流及び国際協力に関する情報を提供したり、国際理解を深めるための習慣、文化等の理解講習や語学教室、外国人に対する日本語教室の開講など、ボランティアの皆さんの協力も得ながら、草の根レベルの国際交流を図っているところでございます。また、生活相談員を配置し、関係機関と連携を図りながら、主に外国人を対象とした生活相談を行っております。
 今後、国際交流や国際協力の活動の拠点として、当センター機能の拡充強化を図り、そのPRに努めてまいりますとともに、外国人の多様なニーズに幅広く対応していくため、入国管理局あるいは警察など行政機関との連携を密にするとともに、行政書士会、弁護士会等の民間公益団体の協力をいただきながら、外国人が安心して生活できる世界に開かれた和歌山づくりを推進してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(下川俊樹君) 以上で、井出益弘君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前十一時三十六分休憩
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