平成11年9月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(原 日出夫議員の質疑及び一般質問)
県議会の活動
午後一時三分再開
○副議長(宇治田栄蔵君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
質疑及び一般質問を続行いたします。
十八番原 日出夫君。
〔原 日出夫君、登壇〕(拍手)
○原 日出夫君 それでは、議長の許可を得まして早速質問したいと思います。
私の今議会の質問は、一つ目は、梅の生育不良の原因解明を県行政と関係市町村、生産農家と力を合わせて解明していこうという課題です。二つ目は、それに関係してではありますが、梅研究センターの設置こそ梅立ち枯れ原因究明の早道、西口知事二期目の重点施策として知事の決意を伺いたいということです。三つ目は、南紀熊野体験博百四十四日間が終わってすぐですが、私は丸二年間直接かかわった一人として、近く県として総括する上での参考意見として問題提起したいと思っています。四つ目は、個性を伸ばす高校教育について質問したいと思います。
早速ですが、「梅の生育不良の原因を県行政、関係市町村、生産農家が力を合わせて解明するために」をテーマに、県当局にご質問いたします。
その前に、六月議会でお願いした副知事の現地踏査について、足早ではありましたが実現していただきましたことについて、壇上をおかりしてお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。
生産農家は、今、だれかにすがりたい思いです。副知事が見えてくれたことで、県当局はこれを機にさらに原因解明のため積極的に対応してくれると期待しています。
なお、二つ目の「梅研究センター設置こそ梅立ち枯れ原因究明の早道、西口知事二期目の重点政策として知事の決意を伺いたい」については、私は、一回目の質問に対する当局の見解を聞いた上で再質問の中で提言させていただき、知事の所見をお聞きしたいと思っておりますので、ご了承ください。
ことし十一年七月末の梅の生育不良の調査結果を見て、現場を歩いてきた以上にこの数字の大きさと広がりに、事態の深刻さに胸の痛い思いをしています。田辺市だけを見てみますと、ことしの新規だけでも一万八千八百七十八本で、昨年の一万二千百五十二本を大きく上回り、被害面積は二百七十一・六三ヘクタールと、全体千二百八十一ヘクタールの二一・二%が被害を受けてきている実態であります。これまでの被害総本数は八万一千四百九十本で、被害額に換算すると約二十五億、これは一本当たりの生産額を三万円とした場合の概算でありますが、このような状況に立ち至っております。
梅生育不良については、田辺市では昭和六十一年ごろ秋津川の一部の園で発症が報告され、その後平成二年ごろより被害が顕著に拡大し始め、現在でも新たな地域で拡大が続いております。被害の発症については、当初は上芳養、秋津川、上秋津等の標高の高い山間地が中心でありましたが、最近では稲成、長野、三栖地域などの平たん地にまで発症が拡大しています。また、周辺町村とりわけ南部川村、南部町においてはその被害が拡大しており、深刻な状況となっております。
今年度の生育不良発症の傾向は、春先より新規発症が確認され始め、特に五月の連休明けには一気に拡大しました。また、収穫直前まで健全であっても急激な衰弱に陥った木も多く、例年と比較した場合、特徴としては急性の生育不良が増加したように見受けられます。地区別では特に上芳養地区、三栖地区が増加しており、過去に発症が認識されていなかった園地での発症も相当ふえてきております。また、当初より被害のひどかった秋津川については依然として発症しており、被害率はもう七一%にも及んでいる状況であります。
和歌山県は梅の生産量、生産額は日本一であり、既に六百億円産業で、ことしは七百億円産業になると言われております。しかし、生産農家の現状の認識は、これ以上に毎年梅の立ち枯れが発症するなら梅産業自体立ち枯れし、一般商品の購買力、雇用、金融、建設、燃料、資材、運送、旅行、飲食、サービス業、公共事業など、すべてが枯れてくるのではないかと心配しております。生産、加工、流通、販売の梅産業が立ち行かなくなるのは目に見えています。梅日本一の和歌山にとって唯一の地場産業であり、基幹産業が冷えるとしたら、住友の合理化計画以上のものであります。まさに、和歌山県の浮沈にかかわります。和歌山県行政の責任は大変重いものがあると考えます。
そこで、梅の生育不良の原因解明を県行政と関係市町村、生産農家と力を合わせて解明していくために、私は六月議会において、梅の生育不良に対する県の取り組みとその問題点、並びにこれからの解決の方向を提起してまいりました。そこで今回、次の点について当局の見解を求めたいと思います。
まず一点目は、平成十年十一月の中間報告とフローチャート、平成十一年五月のうめ対策研究会の報告とりわけ県の栽培管理マニュアルについて、県はこれだけに固執せず、生産農家、研究会以外の学者の考え方を含め、広くあらゆる調査に試行錯誤して研究と実証をすべきであることを申し上げたところ、副知事及び農林水産部長は、より総合的な幅広い視野で今後研究に取り組んでまいりたいとのことであった。県行政として具体的に、今までより幅広い課題研究についてどんな方針をお持ちなのでしょうか。
二つ目は、原因究明をしていく上で、県行政と市町村行政、梅生産農家の協力体制で原因究明を進めること、そのための体制の確立が必要であることを提起しました。県当局や関係者にはまことに失礼ですが、農林水産部、果樹園芸センター、暖地園芸センターでは、梅に関する専門的知識や経験、実践の蓄積が浅いのであります。数十年の梅づくりの生産農家、梅の研究普及に努め、みずから生産農家としての篤農家の方たち、梅の立ち枯れ以降涙ぐましい努力や研究をしながら生産している農家の人たち、またその人たちと一緒に実践研究しているJAの指導員、この人たちが今の時点では梅に関する専門家なのであります。この人たちに頼り、この人たちとともに県行政が研究実践、学んでいく姿勢と体制にならない限り、展望は開けないと私は思います。
県行政は、私が言いました一つ目の研究課題を含めたこの立場に立つのか、立てるのか、お聞きしたいと思います。
三つ目は、梅の立ち枯れと山桜、桜の立ち枯れの原因実証について、研究会、学者の見解でなく、県の見解として改めてその原因を述べられたいと思います。
その一つは、県林業センターの平成十年度県下における山桜の衰弱及び枯死被害の見られる林分は、田辺市で九一%、川辺町で八五%、南部川村では五七%と発表され、その要因は、平成六年、七年の干ばつ、土壌の浅い場所などは水分ストレスの影響、桜は日光を受けて育つ植物で、カシやシイなどの広葉樹で光が遮られて生存競争に敗れたと説明しております。これは、科学的実証の上での県の見解なのかどうかお聞きしたい。
その二つは、梅の立ち枯れについて、県の主体的な立場での原因は今まで──先ほど言いました平成十年と十一年の研究会の発表、マニュアル等──の見解に変わりはないのでしょうか。
三つ目は、南部川村うめ21研究センターでは、梅生育不良の研究で、最初は病虫害があると思い、樹体、枝葉、細根、土壌など全部徹底分析したが、直接原因となる病原体や害虫は発見されなかったこと、また県の中間報告に対する疑念も強いことから、うめ21研究センターの研究データも提供していると聞いておりますが、どう活用されているでしょうか。田辺市など、JA紀南を中心とした梅生育障害対策研究会の調査報告などについて県はどのように活用されているのでしょうか。まずお聞きしたいと思います。これについては農林水産部長のご答弁をお願いしたいと思います。
次に、一昨日の十九日に百四十四日間の長いイベントが終わったわけでありますが、県当局初めこれに携わった関係者の皆さんには大変ご苦労だったと思います。この場をおかりして感謝と敬意をあらわしたいと思います。本当にご苦労さまでした。
南紀熊野体験博実行委員会の中で平成九年十月に作成された「実施計画書」には、その開催目的として、「「ひと」と「自然」が共生し、現代人の疲れたこころとからだを癒し、充たし、新たな活力を生み出す、二十一世紀にふさわしい新しいリゾートライフを提案する」と同時に、「南紀熊野地域の豊かなリゾート資源の高度な活用を図り、活力に富んだ個性豊かな地域経済社会の実現を目指すとともに二十一世紀へ向けた飛躍のステップとする」としています。また、基本方針としては、「イベントの広域・複合展開」、「住民主導を基本とする」、「統一的構成をとる」という三つの基本的な方針を設け、従来にない広域オープンエリアにおける住民主導によるイベントが最も重要なものとして位置づけております。これらの大きな命題を具体的に展開していく上でも、また展開してきた中でも大変な事業であったことは事実です。初めての命題とこれを実行する人たちの初めての体験、地域の自然、文化、歴史、地域産業を再発見、再構築して市町村地域の活性化を目指すことや、十六市町村がイベントによっては提携し、市町村の区域を超えた広域ネットワークづくりを目指すことに大きな課題があったと思います。そのため、県と市町村、民間との関係がともに今までの枠を外さないことにはこの南紀熊野体験博のコンセプトに基づく成功はないと考えていました。
私は南紀熊野体験博をテーマに挙げさせていただいたのは、十九日に閉幕して間もなく具体的な総括を求めるために取り上げたものではありません。県当局はこの体験博をあらゆる角度から総括されて今後に生かしてくださるという前提で、私は以下の点について総括会の参考にしていただくための提言として申し上げますので、ご理解いただきたいと思います。
南紀熊野体験博百四十四日間を終えて、体験博のコンセプトを高く評価しながら、かつて経験しなかった非囲い込み型オープンエリア方式のイベント実施の結果を総括的にどう見ますか。例えば一つは、全体的に見てイベントは成功であったのでしょうか。二つ目は、地域の自然、文化、歴史、地場産業を再発見し、内外に情報発信するリゾート体験イベントはどうだったでしょうか。三つ目は、集客を中心にしたミニリゾート博的内容になったシンボルパークはこれでよかったのでしょうか。四つ目は、テーマイベントについてどう評価しているのでしょうか、ということであります。
大きい二つ目は、南紀熊野体験博を通じての教訓と課題であります。
企画段階での問題点を少し提起だけしておきたいと思います。
熊博って一体何なの、市町村は何をしたらいいの、十六市町村の県民はどうかかわったらいいの──これは大変なことでした。担当する人たちは、あらゆる角度から地域を再発見し構築する中で、体験イベント、地域イベント、地域の物産の再発見と掘り起こしなど、官民が知恵を出し合って協力してきました。そういう意識で取り組んできたが、当初、県の推進局とプロデューサーが目指してきたのは南紀リゾート博的なものであった。一方、西牟婁・東牟婁振興局サイドでは、市町村や民間団体では、方向がより熊野体験博のコンセプトに沿ったものと考えていました。こうなるためにはかなりの時間を要したため、最後まで、南紀リゾート博なのか熊野体験博なのか結論が出ないまま来たことが幾つかの課題になったと思われる。熊博の結果から見ても、多くの来場者が望んでいたのは熊野博であったことは、各種イベントの実績から見ても明らかであります。
総合プロデューサーが一貫した南紀熊野体験博の理念を追求し切ったかが大きな問題になっています。会期中に直接対象地域で行われているイベントはすべて熊野博のイベントであるとプロデューサーが定義したことによって、博覧会そのものの焦点がメニューの多さでぼかされてしまったと思われる。むしろ、熊野の文化や歴史、自然を生かした博覧会にふさわしいものだけを厳選して熊野博のイベントと位置づけるべきではなかったかと思います。余りにも広域的、同時多発的なイベント開催が来訪者を惑わせたこと、実行委員会職員ですらイベントの多さでもってどこで何が行われているかわからない状況に陥ったことも事実であります。むしろ、市町村ブロックの特異性を生かしたものに集中分担することや、市町村のリレーイベント形式で時期を調整したり各市町村の役割分担を明確にした組み立てをした方が来訪者にも担当者にもわかりやすい熊野博になっていたと考えるわけであります。
次に、広報戦略に問題点はなかったのかということであります。これは、詳しくは言いません。
次に、県実行委員会(県推進本部)と市町村実行委員会との関係からの教訓でありますが、テーマイベント、体験イベント、地域イベントを企画実践していく中で、各地域のイベント内容の情報交換、協力体制を取り合うため、並びに体験博を成功させるため、県実行委員会及び総合プロデューサーと関係する地域実行委員会が県と地域間の連携を図りながら、民間の方たちを含めて連絡協議会を組織して実践していく必要があったのではないかというふうに考えます。
大きい三つ目ですが、地域イベントでは関係市町村のネットワークができているものの、継続について、体験イベントで成功したメニューをどう今後継続させ、全国へ発信させていくかどうか、南紀熊野体験博後をどうするか、県当局は以下の点についてどのようにお考えでしょうか。ここでは、熊野体験博後をどうしていくのかということであります。
一つは、十六市町村がそれぞれの歴史、文化、自然を生かしたイベントを実施してきたが、その投資効果は百四十四日間の結果でなくスタートとして位置づけ、南紀熊野体験博後も地域を主体にした重要イベントを地域の活性化への役割として位置づけるべきであります。これを県としてどう支援していくのでしょうか。
二つ目は、県実行委員会主催のテーマイベント、特に十万人の熊野詣は熊野古道を全国にアピールし、大勢の来訪者を迎え、意義のあるイベントでありましたが、南紀熊野体験博後も継続していくのか。また、歴史文化遺産である熊野古道の保存整備も含め、関連市町村との連携をどう図っていくのでしょうか。
南紀熊野体験博は「いやす」、「みたす」、「よみがえる」をキャッチフレーズとし、自然との共生をテーマに情報発信してきました。このかけがえのない財産である南紀熊野の自然を二十一世紀に継承し、保全していくための具体的施策をどう考えるのでしょうか。生活文化部長の答弁を求めますが、知事におかれても、所見がありましたらお願いしたいと思います。
次に、個性を伸ばす高校教育についてであります。
和歌山県は、先駆けて文部省の方針に基づく教育を実践されております。私は、文教委員長神出議員の指導を得て、和歌山高校総合学科を見学してまいりました。私が年がいもなくまず感動したのは教師と生徒が一緒になっていること、生徒自身自分の将来を見詰めて選択科目を選び、自分が選んできた学校、自分が選んだ科目という自覚と教師の指導の姿を見たとき、これからの教育にこのような場が与えられるならばと思うと、中学校の教師も父兄も生徒も何か救われるような感激を受けました。
紀南の中学校教育の現状と課題の中で、中学生の生活の現状はゆとりのない生活──学校での生活、塾や自宅などでの勉強にかなりの時間をとられ、ゆとりのない忙しい生活を送っています。テレビなどのマスメディアとの接触にかなりの時間をとり、疑似体験や間接体験が多くなる一方で、生活体験、自然体験が不足し、家事の時間も少ない状況であります。社会性の不足や倫理観の問題、社会ルールの問題、自立のおくれ、健康・体力の問題というものを抱えております。しかし、その中学校教育を目指しつつも中学校教育に避けられない高等学校入学者選抜については、選抜方法の多様化や評価尺度の多元化、推薦入学の改善など、さまざまな改善が進められてはいますが、いまだ狭い意味での学力の評価に重点が置かれており、入学高校、学科の序列での悩みや問題を中学校や父兄、生徒は深刻に受けとめています。
そこで私は、本来、中高一貫教育──子供たちが心身の成長や変化の著しい多感な時期にある中等教育のあり方の改善策の一つとして、中学校教育と高等学校教育とを入学者選抜を課することなく接続し、六年間の一貫した教育を行うことが望ましいと考えます。しかし、それは現実的に難しい状況の中で、中学校段階から高等学校段階へ進むにつれてますます多様化する生徒の能力、適性、興味、関心に対応し、さまざまな教科・科目の中から生徒の主体的な選択を可能にするという観点からいけば、高等学校に総合学科を設置することはそれらの期待にこたえるものと思います。
そこで、私は県教育委員会にお尋ねします。
県教育委員会は、個性を伸ばす高校教育を充実させるため、平成元年から平成十一年まで個性を伸ばすための学科改編に努力され、既に三十八校中延べ二十三校で二十九の学科改編を実践し、全日制三十四校で延べ二十二校が二十八の学科改編を実施されています。この努力を高く評価したいと思いますが、この学科改編によって高校教育の内容にどのような変化や効果があったのでしょうか。また、生徒の動向はどうでしょうか。とりわけ、総合学科を平成六年に一校、平成九年に一校を新設されました。この総合学科の高校教育の果たしている役割、効果はどうでしょうか。
次に、先ほども述べたように、中学生は、自分の将来や自分の特性に確たる目的を持つにはまだ十分でない発達段階だと思います。紀南に総合学科の設置を願う中学校や父兄の期待にこたえていただけないでしょうか。教育長の所見をお伺いします。
なお、定時制昼間部の紀南への設置についても要望したいと思います。
以上で、第一回目の質問を終わらせていただきます。
○副議長(宇治田栄蔵君) ただいまの原日出夫議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事西口 勇君。
〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 原議員のご質問にお答えをいたしたいと思います。
南紀熊野体験博は我が国でも初めてのオープンエリア方式で開催をし、熊野の魅力を全国に打ち出すことができました。また、地域の資源をさまざまなイベントとしてつくり上げ実施したことは、まさに住民参加の博覧会であったと、高い評価をいただいているところでございます。今後は、こうした成果を生かしていかに博覧会後の活性化を図っていくのかが地域の重要な課題であるととらえております。
そこで、博覧会の開催を通して地域に芽生えたさまざまな地域おこしについて、市町村の自主的な取り組みを尊重しながら、熊野古道や世界押し花会議といった広域的な取り組みについても、博覧会の開催効果を地域に定着させ、継続させ、地域の活性化に資するといった考え方に基づいて、県としても今後関係市町村と協議しながら検討を続けてまいりたいと考えております。
○副議長(宇治田栄蔵君) 農林水産部長島本隆生君。
〔島本隆生君、登壇〕
○農林水産部長(島本隆生君) 原議員の、梅の生育不良の原因解明に関してのご質問にお答えいたします。
まず、梅の生育不良に対する幅広い研究課題についてであります。
総合的な視点から研究を進める必要があると考えてございまして、これまで実施している暴露実証試験や栽培管理試験などに加え、今後は梅の養水分吸収等生理生態や土壌環境面での研究を強化することとしてございます。
さらに、六月県議会でもご質問のありました樹体の成分分析につきましては、かねてから和歌山県うめ対策研究会の委員など専門家の中で議論してまいってございまして、由来の特定は困難と言われておりますが、土壌と樹体内の成分の比較など、実施可能な課題については取り組む方向で検討をしてまいりたいと考えてございます。
次に、梅問題に係る関係者の協調体制についてでございます。
これまで、県、市町村、農協や生産農家も参画している地域対策協議会などの協力のもと、試験研究や現地実証に取り組んできたところでございます。
今後とも、原因究明のための試験研究や、今議会でお願いしているうめ総合実証園の設置・運営に当たりましては、生産農家や農協はもとより、関係機関とより一層の連携を図りながら取り組んでまいりたいと存じます。
次に、山桜の枯死に関する県の見解でございます。
県林業センターがまとめた「ヤマザクラ等の衰弱、枯死に関する調査結果」につきましては、これまで山桜が集団で見られる八百八十四の林分について調査を行い、約二七%に当たる二百三十四カ所で衰弱や枯死が見られました。
平成六年、七年の干ばつや水分ストレス並びに広葉樹の被圧など、その幾つかの要因につきましては、これら被害の発生した林分や被害木について追跡調査や現地調査を行ってまいりました。その中で、土壌の状況や樹木の生理生態的な特質、気象や病害虫などのデータをもとに、国の研究機関である森林総合研究所の協力を得ながら、これまで培ってきた研究や技術の上に立って総合的に判断をしたものでございます。
今後とも、定点観測による被害の推移や原因究明等の調査を引き続き実施してまいりたいと考えてございます。
次に、生育不良に対する県の見解についてでございます。
梅の生育不良対策試験については、大気環境、気象、栽培、土壌及び病理面の視点から取り組んでいるところでございます。さきの中間報告や第五回の県うめ対策研究会での報告につきましては、暖地園芸センターや普及センターのこれまでの試験結果を踏まえ、委員の専門分野からの指導助言や評価を通じてまとめたものであり、現段階における県の見解でございます。
次に、南部川村うめ21研究センターの研究データの活用についてでございます。
普及センターや暖地園芸センターも参画し、町村、農協、生産者で組織している南部郷梅対策協議会において検討され、広く活用されてございます。
例えば、暖地園芸センターや普及センターも加わって、南部川村市井川や熊瀬川地区において現地実証試験が実施されてございまして、樹勢回復効果など得られた成果やデータについては栽培管理マニュアルの作成に反映するとともに、農家指導に役立ててございます。
次に、JA紀南を中心とした梅生育障害対策研究会の研究資料の活用についてでございます。
紀南農協と関西電力が設置している梅生育障害対策研究会に県はオブザーバーとして参加をしておりまして、その内容については承知しております。
今後、調査データが公開された段階において十分活用し、梅生育不良の原因究明と対策に役立ててまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
○副議長(宇治田栄蔵君) 生活文化部長大井 光君。
〔大井 光君、登壇〕
○生活文化部長(大井 光君) 原議員ご質問の南紀熊野体験博百四十四日を終えての二点のうち、まずオープンエリア方式のイベント実施の結果を総括的にどう見るかというご質問であります。
この南紀熊野体験博はオープンエリア方式かつ体験型の博覧会であり、地域の人々の創意工夫により生まれたイベントや率先して取り組んでいただいたイベントを初め、従来の囲い込み型の博覧会と比較して多岐にわたるイベントが実施されました。地域の人々に積極的に取り組んでいただいたリゾート体験イベントや地域イベントの実施を通してこの地域の魅力の掘り起こしや再発見がなされ、またその過程で得られたノウハウは今後の地域の活性化や発展に役立っていくことと確信してございます。
テーマイベントの十万人の熊野詣、あるいは黒潮マリンスポーツフェスティバル、黒潮自然ふれあい王国の実施に際しては、南紀熊野体験博実行委員会と関連する県下の市町村が協力して取り組み、その結果、熊野古道や南紀の海が、心の時代とされるこれからの時代に和歌山県が誇り得るすばらしいリゾート資源であることを内外に広くアピールできたと考えてございます。
田辺と那智勝浦シンボルパークは、この体験博の中で全体の情報拠点として位置づけるとともに、地域の人々を初め、来場された大勢の方々に博覧会を楽しんでいただく機能を果たしました。
各イベントを個々に見てまいりますと課題や反省点もございますが、総じて成功であり、南紀熊野地域に象徴される和歌山県が心をいやす、満たす、よみがえらせるこれからの時代のリゾートとして広く認知され、博覧会の所期の目的は達成されたものと考えてございます。
続きまして二点目の、南紀熊野体験博を通じての教訓と課題でございます。
この体験博は新しい試みの博覧会であり、当初想定していなかった課題もございました。
まず、一般の方々にとって博覧会というものは、どうしてもパビリオンがある従来の囲い込み型をイメージするものであり、新しいタイプである体験博のコンセプトが十分に伝わらなかった面がございます。それがイベント実施者や一般住民、来訪者にとって、わかりにくさ、あるいは戸惑いといった形で出たのではないかと考えております。
また、広報展開の難しさもございまして、マス媒体等からの注目やその活用により南紀熊野の魅力や体験博のPRは広く全国に浸透したものと考えますが、この体験博が広域オープンエリア型であり、南紀熊野の随所でさまざまなイベントが数多く実施されたため、それぞれのイベントを広く、きめ細かく広報宣伝することは大変困難でありました。
さらに、この博覧会がジャパンエキスポとして各地域の統一性が求められる反面、地域主導という概念からは各地域の個性を重視しなければならないという二面性を持った構成であったため、当初、県、市町村、地域住民等の役割分担やその調整が非常に難しく、地元の方々の思いや考えを十分に反映できなかった面もありました。その後、お互いに協議を重ねて努力していくことにより地域イベントやリゾート体験イベントといった形で実を結び、南紀熊野体験博の成功につながったわけでございます。
このように県、市町村、さらに地域住民が連携して一つの大きなイベントをつくり上げて成果を上げた今回の経験は、今後の新たな地域づくりに生かされていかなければならないと考えてございます。
以上でございます。
○副議長(宇治田栄蔵君) 教育長小関洋治君。
〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 個性を伸ばす高校教育についてお答えいたします。
まず、専門学科の新設・改編につきましては、高校教育改革の大きな柱と位置づけ、時代と社会の変化や生徒の多様な学習ニーズへの対応、専門性の向上等の観点に立って実施してきております。
こうした専門学科では入学希望者が多く、そこで学ぶ生徒は高い目的意識や学習意欲を持ち、それぞれが身につけた専門性を生かした進路を見つけております。また、学習活動だけでなく、クラブ活動や学級活動など、さまざまな分野においてリーダー的存在として活躍する生徒が多く、各学校の活性化という点でも大きな効果を上げております。
次に、議員ご指摘の総合学科につきましては、生徒一人一人が普通科目と専門科目にわたる幅広い選択科目の中からそれぞれの適性や興味、関心に応じた科目を選択し、自分の進路を視野に入れながら生き生きと学習しております。中途退学者も、以前に比べ、これらの学校では著しく減少してきており、こうしたことは総合学科設置の大きなねらいである、生徒のさまざまな個性に応じた教育の結果であると考えております。
総合学科設置に係る国のプランでは、当面、通学範囲に少なくとも一校整備されることを目標にするとしております。県教育委員会といたしましては、和歌山高校、有田中央高校の成果、地域の状況や学校の主体的な取り組みを考慮しながら、国の方向をも踏まえ、全県的な視野に立って総合学科の設置を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○副議長(宇治田栄蔵君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
十八番原 日出夫君。
○原 日出夫君 一点目の梅の件については、後で再質問したいと思います。
南紀熊野体験博について、ご答弁ありがとうございました。私は個人的には大成功だったと思います。百四十四日間という期間だけの評価にする人たちもたくさんおられますが、内外に情報発信し、体験していただいたことによって、これから毎年効果をじわじわとあらわしていくことも一つの大きな投資的役割ではないかと思っておりますので、私なりの考えを述べておきたいと思います。
次に、総合学科並びに定時制に昼間部をつくってほしいということです。
私、その質問要項を出した後、たまたま西衆議院議員の「高校入試はもういらない!」という本を見せていただいて、まさに中高一貫教育──私たち地域で考えている、中学校の先生方や子供を持つ親の願いがここに集約されているというふうに感じました。また、九月二十日月曜日の朝日新聞、それも全国版の社会面で、和歌山県の県立青陵高校における定時制昼間部での非常にすばらしい活動を紹介されておりました。これについても、地元紀南でも定時制に昼間部を欲しいという願いは、実践を通じて証明されていると思います。教育委員会ではかなり苦労はされると思いますが、知事部局においても、人を育てるという意味ではその投資を怠らないで、積極的に教育の部門に投資していただきたいと考えております。
一点目の、梅についての再質問です。
前回と比べてかなり前進的な、幅広い視野に立って今後研究課題に取り組んでいただくということについては評価したいと思います。
そこで、私なりの考えを述べながら、今後原因究明していく上での参考にしていただければと思っております。
梅の立ち枯れと原因で、問題点といいますか今後考えていただきたいのは、一つは、平成十年、十一年にかけての農林水産部長の、今答弁がありました原因が主たる原因であるのかどうかについては現段階での判断だと理解しておりますので、原因がかなり究明されてくる段階では、それが主たる要因にならないかもしれない。そういう意味での幅広い視野に立ってご検討していただきたいということがあります。
田辺市、南部町、南部川村、印南町、上富田町への立ち枯れの広がりは、被害場所そのものが一定の方向を向いているからとか、標高が高いとか低いとか、風が当たるとか当たらないとか、日が照るとか照らないとか、水があるとかないとか、土の質がよいとか悪いとか、いろんな条件のところで、そういうことに限定されないで、しかも急激に発症している、一気に何十本も枯れているという、今までにないことが起こっているのが事実であります。
せんだっても木下議員さんが、紀北でももう枯れてきているように発言されておりました。だから、今後、全地域的にこの発症が起こってくるのではないかという心配もしております。しかも、県の現段階での見解でいくならば、うめ21研究センターの実証園で数十本だと。私自身現地へ行きまして、三十本を超える梅が立ち枯れをしている事実を見てきました。実際にそこでは、日高の普及員やうめ21研究センターの職員の皆さんが水をやり、もうひどいぐらい大きな強い剪定をし、そして肥料は、つかむとすばらしい肥料をやって土壌をつくっております。そこが少なくとも三十本以上枯れてきているという事実を見るならば、余りにも今までの見解との違い──自分たちが、水も土も、強い剪定もしながら実証してもこの結果が出ているということですから、やはり現場をきちっと認識した上で今後判断していかないと、原因究明の本当の力というか基礎につながっていかないのではないか。
私が六月議会で質問してから三カ月の間でも、各地で起こっている現象でことごとく県の考えが崩されているにもかかわらず、もしこのままその範囲内で押し通すとしたら問題の解決の方向に進まないと考えるわけであります。
私たちは今、梅枯れの原因解明のために取り組んでいますが、県当局と梅生産農家との見解が相違する中での解明のための力の結集ができ切れていない状況を見ますと、歴史的にさかのぼって、松枯れの原因解明の運動の経緯とその成果に県当局と私たちは学ぶ必要があるのではないでしょうか。歴史の過ちを繰り返さないためにも、松枯れの原因解明の歴史を教訓とするなら、今の時点ではっと──私自身も思い当たりましたが、今のままではいけないことに気がつきます。
私は今から問題提起しますが、松枯れ原因は何かの論争をしかけるのではありませんから、誤解のないようにしてください。
一九七三年ごろから松枯れが進む中、松枯れのひどい兵庫県高砂市民から全国的に解明の運動が広がり、多くの科学者が参加して二十年間続く中で原因が科学的に実証されてきました。
一九七三年(昭和四十八年)の国会審議の中における当時の三木武夫国務大臣の答弁、一九七八年(昭和五十三年)の当時環境庁長官の石原大臣の答弁、それから一九九四年の日本環境学会、一九九六年の日本生態学会シンポジウムを初め、内外の学会、ヨーロッパ、アメリカにおける見解は、松枯れの主要因は大気汚染による松の木の衰弱で、その衰弱した木にマツノマダラカミキリ、マツノザイセンチュウが寄生して枯死させるとしています。とどめを刺したのは寄生虫ですが、ピストルの引き金を引いたのは酸性雨を中心とする大気汚染が主たる要因であるとする考えが、科学的または歴史的に証明されています。国会でも、二人の大臣がこれと相違のないことをきちっと言っているわけであります。にもかかわらず国はまだ素直に認めておらず、地方自治体へは今までの虫因説、松くい虫説をおろしているのです。社会的に究明されてもなおかつ固執しているこの官の態度、姿勢にも、私たちは学んでいかなければならない。
今、梅の立ち枯れの解明の中で出されている幾つかの問題点が、いみじくもこの運動の過程でも同じことが言われております。温度が高いから、雨が降らないから松枯れがふえているんだと。そして、土や木の手入れをしていない、いわゆる管理不足だと。このことも、一九七三年ごろからずっと言われてきた政府のお抱え学者の言い分でありました。しかし、全国の学者、大臣までが、それが原因ではないと言うほど科学的に証明されてきたわけであります。これは、私たちに何を教えているのでしょうか。梅の原因解明で言われていることと同じことが言われております。今私たちはこのことに学ぶべきではないでしょうか。
私たちは、過去の幾つかの問題点について、例を挙げながら学んでいかなければならない。行政当局が、その委託した学者の考えが正しいんだということに非常に固執する余り、環境や医療で過去幾つかの誤りを繰り返しております。
例えば、一九五三年から五九年にかけて水俣病が発生しましたが、工場排水の海への垂れ流しで、魚介類を食べたことによる影響から、そのメチル水銀が原因と判明しても県はなかなかそれに同意しない。しかし、長い年月にわたる裁判の闘いの中で原因がはっきりしてきた。結果がはっきりしてきた。
一九八三年の二月、薬害エイズで問題になった非加熱製剤を厚生省は認可した。この非加熱製剤の投与は、薬害エイズをさらに拡大させた。翌月の一九八三年三月には既にアメリカで一部回収するなど、非加熱製剤の投与の危険性が指摘されていた。にもかかわらず非加熱製剤を認可した厚生省は、その危険性を知りながら十年も対応を改めなかったというのは大きな教訓であります。行政当局と当局側の医師のとった行動がどれほど人の生命にかかわったことかと、私は感じるわけであります。
今、ダイオキシンや環境ホルモン、地球環境、化石燃料の大量使用による大気汚染と地球温暖化、それによる人や動植物の生態系への影響、また環境庁が示す環境ホルモンに疑わしい化学物質は六十七種類と言われ、さらに一千種類以上の化学物質が既に疑われてきております。こういった歴史的教訓から、梅の立ち枯れの原因解明には、私たち行政当局、いわゆる官と生産農家である民とが対立の構図では解決しない。しかも、狭い視野では解決しない。原因解明へ向けて官と民がお互いに力を結集することが解明への大きなパワーにつながると思います。
過去の例を挙げたのは、そういった運動の過程で企業や官が余りにも事実を隠したことによってこういう結果を招いたからです。梅については、原発に賛成か反対か、火力発電所に賛成か反対か、埋め立てに賛成か反対かという論争ではありません。お互いに力を合わせて梅の原因究明をすること。この力を合わせる目的は一緒なんです。ひとつも対立の構図にないわけであります。狭い視野であってはならないんです。そういう意味でも解明の努力をお願いしたいと思います。
最後になりますが、梅研究センターの設置こそ梅立ち枯れ原因究明の早道、西口知事二期目の重点政策として知事の決意を伺いたいわけであります。
南部川村では、村長は広報「みなべがわ」八月号で梅の生育不良への取り組みの見解が掲載されています。あらゆる研究に努力をしているが決め手がない、村独自で別の道を探りたい、費用はかかるが他の経費を節減してでもこの調査に振り向けたいと、村の存亡をかけています。田辺市でも、各組織で研究・実証しているが解明への道がつかめない中で、市長がリーダーシップを発揮して、市が主体性を発揮して解明に努めたいとも述べております。
和歌山県の基幹産業を守るために、経済の中心を失うことにならないように、県が全力を挙げることの重要性は知事が一番理解してくださっているというふうに私は考えます。市町村が独自で頑張る努力を評価しながらも、市、町、村個々の研究を統括する意味からも、これからの梅産業を発展させる意味からも、ぜひ梅の総合研究センターを建設してください。
今、原因究明をしていますが、最も基本的な、梅の木に対する基礎データがないのです。ミカン、カキ、桃、野菜、水稲については研究を尽くされ、新しい品種が次々と出ています。梅については、最も新しい南高梅が出てからでももう既に三十五年たっています。
梅の生理生態のデータ──梅の木は根から何を吸収して、台木、枝、葉は大気から主に何を吸収してどう育っているのかということについての基礎データが全くないわけであります。自然環境との関係での梅の生理生態、変化といった基礎データを研究しないことには、梅の生育不良対策は困難であります。今までのような改植、土壌改良、客土事業では根本的な解決にはならないし、またその手だてで回復、解明ができておりません。ますます広がっている事実から、どうしてもこの研究が必要です。しかも、データ収拾だけでなく、品種改良や台木の試験、さらに栽培整理、加工まで研究できる施設が梅全国一の和歌山県に建設されるのは当然ではありませんか。厳しい財政事情からでも、箱物は金が要るという考え方ではなく、これが生産性を生み、雇用を生み、地域経済を支え、梅立県和歌山県としての評価が生まれるのです。また、国から派遣されている研究員の方も現場を含めた総合的な研究に取り組めると思いますが、いかがでしょうか。
私たち梅生産農家は今、梅に最も理解のある西口知事にすがる以外ありません。私たちは、本当に西口知事の二期目を期待しています。西口知事しか梅のことを理解できない。この知事を我々は支えながら梅についての理解を深め、どうか私たち梅生産農家、紀南の梅産業、県下の梅産業を発展させるためにこの梅研究センターの設立をぜひ急いでいただきたい。このことに対する知事の決意をお伺いしたいと思います。
終わります。
○副議長(宇治田栄蔵君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
知事西口 勇君。
〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 原議員のお説を拝聴いたしました。大変貴重なご意見を賜りまして、本当にありがとうございます。平常のときなら私の考え方も十分申し上げたいわけでありますけれども、ちょっと体調の関係で一応原稿どおりに言わせていただきたいと思います。
梅産業は、紀南地方はもとより本県の地域経済を担う重要なものと認識をしておりまして、梅の生育不良の問題については、私も本当に心を痛めてございます。
こうしたことから、ご承知であろうと思いますけれども、暖地園芸センターに梅対策チームをつくったり、あるいは研究体制の充実強化などを図ってきたところでございます。
特に、お話ございましたように、本年四月からは国の専門家の派遣を受ける中で、梅の生理生態面を含めて総合的な研究に取り組んできたわけでございます。
今、切実な思いを述べられた議員ご提言の梅の研究センターの設置につきましては、私も同地方の出身ではございますが、今後、試験研究組織のあり方を研究する中で検討をしてまいりたいと考えてございます。
いずれにいたしましても、梅生産農家の不安な心情を察するとき、原因の早期究明と対策の確立が重要でございますので、今後とも議員各位を初め多くの方々のご協力を得ながら、関係者が一丸となって取り組んでまいりたいことを申し述べさせていただいて、答弁にいたします。
○副議長(宇治田栄蔵君) 答弁漏れはありませんか。
〔「農林水産部長」と呼ぶ者あり〕
○副議長(宇治田栄蔵君) 農林水産部長島本隆生君。
〔島本隆生君、登壇〕
○農林水産部長(島本隆生君) 梅の立ち枯れ問題の原因解明についての、力の結集に関するご質問にお答えいたします。
この問題に対する今後の取り組みでございますが、現在、原因の究明に至ってはおりませんが、さまざまな要因が考えられますことから、幅広い視点に立ち、総合的な角度から原因の究明と対策の確立に当たることが重要と考えてございます。
今後とも、日本一の梅産地を守るため、生産者や産地からの情報、ご意見を十分お聞きしながら県議会や国の支援をいただき、試験研究や現地指導の充実強化を図ってまいりたいと存じます。
以上でございます。
○副議長(宇治田栄蔵君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
十八番原 日出夫君。
○原 日出夫君 全体を通じてですが、いろいろ答弁をいただきましてありがとうございます。知事には、一番わかっていただいているということの中で、あえて決意を述べてもらいましたが、私たち生産農家を含め、皆さん一生懸命ともに頑張っていきますので、今後ともご指導をお願いしたいと思います。
梅を通じての県当局と生産農家との関係、南紀熊野体験博を通じての県と市町村、民間との関係で、最後に一つだけ。
知事の出馬あいさつの中でも、県知事自身、県と市町村が一体になって今後県政のために頑張っていかなければならんという決意を述べられておりましたが、私は、今後県がこういう行政課題に取り組む上で、県当局の職員が市町村や民間の上に立つのではなくて、全体の事業を成功させるためのリーダーでもありながらコーディネーターという役割、いわゆるそれをひっつけて力を発揮させていくコーディネーターの役割をぜひ今後とも続けていくならば、かなり能率が上がって行政課題の効率よい実践に取り組んでいけるのではないかということをいろいろ経験を通じて感じましたので、今後ご指導のほどをお願いしたいと思います。
終わります。
○副議長(宇治田栄蔵君) 以上で、原日出夫君の質問が終了いたしました。