平成11年2月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(神出政巳議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

○議長(下川俊樹君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 25番神出政巳君。
  〔神出政巳君、登壇〕(拍手)
○神出政巳君 おはようございます。
 議長のお許しを得ましたので、通告に基づき、順次ご質問申し上げます。
 冒頭、会派を代表し、先輩・同僚議員の皆様初め、知事初め当局の方々によるこの四年間のご交誼に対し、衷心より感謝し、厚く御礼申し上げます。四月の統一選には再選を果たし、元気に相まみえたいものであります。何とぞ、ご高配よろしくお願い申し上げます。
 さて、私どもは市議会議員を体験し、いろいろな経過の中、まさか務めさせていただけるとは思っていなかった県議会議員として、支持者の声を背に、歴史と伝統ある県議会にお送りいただき、県政に参画させていただきました。光陰矢のごとし、あっという間の四年間で、どれだけの活動をできたかは内心じくじたる思いであります。そして、同じ地方自治、地方行政とはいっても、県政と市政では大きく違っていました。県政は、国の機関委任事務、法定受託事務のウエートが大きく、予算を見ましても歳入部分では依存財源が大部分を占め、和歌山県においては三割自治すら厳しい状況にあることを実感しました。しかし反面、県民の預貯金残高が高いことも一つのかすかな頼りにできることもわかりました。
 以下、一期四年間を総括し、議案等への質疑並びに一般質問をさせていただきます。
 まず、知事にお尋ねします。
 予算関係では、国のいわゆる十五カ月予算という考え方に沿い、十一年度に実施すべき投資事業の一部を積極的に十年度の補正予算に前倒し計上し、総事業量の確保に最大限努めるとともに、年度間の切れ目のない事業執行に配慮したということであります。国会においては、政府予算案がスムーズに審議されているようであります。本県では、十一年度当初予算の一部、単独投資の三〇%相当額、百三十二億円について十年度に前倒しして二月補正で措置ということでありますが、十年度二月補正で計上することと十一年度当初で計上することとどう違うのか、二月であれば余り違わないのではないかと思いますけれども、煩雑な事務作業にかえてでもメリットがあるのか、二十日余りの繰り上げによる執行メリット、政府の財源支援等期待できるのか、お尋ねします。
 また、十年度二月補正、十一年度当初予算の内訳を見ると、市町村が最も要望する普通建設補助が大幅に減額されています。知事は常々、用地さえ協力してくれれば積極的に支援すると言明されております。用地がうまくいき、継続的に予算が必要な事業に対しては、十一年度の九月、十二月に補正を組み、追加されるのか否か、お尋ねします。
 次に、元気予算(県勢活性化)に八十億円計上されています。厳しい財政状況の中、要求限度額を設定せず、景気対策等に対応されていますけれども、どういう検討経過で計上されたのか、お尋ねします。
 あわせ、一昨年、職員から久しぶりに政策提案を募っておられましたが、今年度分にはそういったものを反映されているのか、お尋ねします。
 次に財源確保について、基金が大幅に減少する中、積み立てをするために県債を初めて発行されているわけでありますが、県債残高が予算規模を超えることについてはどのようにお考えなのか。
 また、県債残高の増加による歳出の公債費が年々増加し、景気低迷がこのまま続き、県税収入が伸びないとすれば、数年のうちに公債費が八百億円台となり、県税収入と変わらない額となってくるわけであります。このことに対してはどのようにお考えなのか、お尋ねします。
 続いて、ことし一月に策定された平成十一年度から十五年度を実施期間とする西口県政二度目の新たな行革大綱についてお尋ねします。
 まず、重点項目の事務事業の見直しについて八項目挙げられておりますが、事務事業の評価については触れられておりませんので、具体的にどのようにチェックされるのか、お尋ねします。
 次に、定員及び給与の見直しについては定員管理計画に沿うとあり、定員削減、職員数の抑制をうたっておられますが、定員の見直しについては具体的にどのようにして取り組まれるのか、考え方をお尋ねします。
 給与の見直しについても、昭和五十一年二月定例会において、当時の自民党県議団の代表質問として故妙中正一氏が、民間企業人、税金を納める人の立場から、故仮谷志良前知事の初の予算議会で知事に厳しく迫っておられます。
 近年、高知県は、世論、住民の声ということで思い切った給与見直しを行いました。西口知事は、職員定員削減という最も厳しい行政判断も大変だったと推測しますが、まずきちっと職務職階制にし、やる気のある職員の士気を鼓舞してはいかがでしょうか。
 高知県に倣った試算では、職員の生涯給において約一千万円、和歌山県全体ではならして年間で約五十億円の削減となり、歳出における義務的経費の最もウエートの大きい人件費の増加が多少なりとも食いとめられるのではないかと思っています。給与体系についても、あわせ答弁願います。
 次に南紀熊野体験博について、二点要望したいと思います。
 県内外からの入り込み客に対し、紀南の雄大な自然、文化、歴史を体験していただき、もてなすということが肝要でありますが、最も危惧するのは交通渋滞対策と食事のことであります。
 さきの質問者の方々と多少重なりますが、まず交通渋滞対策であります。
 先日、議長代理として知事と同席させていただいたビッグ愛での保育研究会でも体験しましたが、道路事情ばかりでなく、主催者と施設管理者の配慮不足で、会場近くまで来ているのになかなか自動車が会場内に駐車できない、式典が終わっても自動車内に閉じ込められているということがありました。式典後、管理責任者に改善策を指示しましたが、言いわけばかりで、結局、頭のかたい現実を理解できない公務員の一面を感じ、帰ってまいりました。
 また、日曜日などに白浜付近でゴルフをすれば、紀北に帰るのに自動車であれば三、四時間はかかるというのが常であります。マリーナでのリゾート博のときのような交差点改良や交通整理、駐車スペース確保、シャトルバス運行など、的確な対応策を要望しておきます。
 そして、和歌山、紀南の評価を大きく左右し、再度来訪しようかどうかを決定するのが食事であります。食費、宿泊費とともに、特に海の幸を期待して来られるお客様に対し、飲食関係の方々には徹底していただきたいと要望しておきます。よろしくお願い申し上げます。
 続きまして、副知事にお尋ねします。
 自治省と地方勤務を幾度も体験されておるわけでありますが、地方自治、地方分権への今後、とりわけ地方が最も要望している自主財源の確保についてお考えをお尋ねします。
 地方財政制度の現状分析と財源移転制度の適正化という観点から、特に国税・地方税の改革、地方交付税制度、国庫補助負担金のあり方について、今後の制度改革の方向性に対し所見をお聞かせください。
 続きまして総務部長に、議案第四十七号、議案第六十六号に関連して外部監査についてお尋ねします。
 一昨年、本県におきましても清算はしたのでありますが、地方公共団体の公費支出をめぐって不適正な、つまり空出張、空会議等による裏金づくりや官官接待、公共工事の入札をめぐる収賄事件等が全国各地で明らかになり、社会問題にまで発展しました。また、このような事件が表面化したのは、監査委員や地方議会の指摘ではなく主として市民オンブズマンの活動等によるものであったことから、地方公共団体における自浄能力、監査制度のあり方等について改めて改革の必要性が問われてきています。
 言うまでもなく、このような不正を正すものとしての地方公共団体の監査制度としては、監査委員制度、補助金に係る会計検査院検査、行政監察局の監督、及び上級官庁からの指導監督などがありますが、現行の監査委員制度については、自治体行政の公正で効率的な運営を確保する上で重要な役割を果たしているものの、当該団体の組織に属する者による監査であるという点において、監査機能の独立性、専門性の確保という観点からはおのずから制約があることは否定できません。一方、地方分権の進展に伴って国からの補助金が削減されるに従って、会計検査院、行政監察局、及び上級官庁などによる地方公共団体に対する検査及び指導監督の機会が大幅に減るため、各地方公共団体が責任ある行政主体として、住民の信頼を得て、公正かつ効率的な行政運営を行っていくためには、監査委員による監査に加え、外部監査などを導入することにより、従来より強力な監査実施体制を確立していくことが必要とのことで、今回、地方自治法の改正により包括外部監査制度を導入するということであります。
 そこで、現在ある監査委員による監査との絡みについてどのような関係になるのかご説明をいただき、また監査は法人ではなく何ゆえ個人となっているのか、監査人をどう絞ったのか、契約の金額も何ゆえ二千万円を上限とする額になっているのか、お尋ねします。
 続きまして、土木部長にお尋ねします。
 公共事業における地権者に接する機会も多く、そのときに常々言われることがあります。それは、買収予定地が水路、里道等に接している場合に、買収に当たって買収予定地と水路等の境界について立ち会いをするが、境界線の根拠が明確でなく納得できないということであります。
 そこで、水路、里道等の境界を決定する法的根拠、境界を決定する具体的な基準についてどのように取り扱っておられるのか、お尋ねします。
 最後に、教育長にお尋ねします。
 きょう三月一日は、県下公立高校のほとんどが卒業式を行っています。今、現在進行中であると思います。私は、ちょうど三十年前の卒業であります。しかし、残念なことに受験で上京していましたので、きょうと同じく出席できませんでした。四年前から、県議会議員を務めさせていただくおかげで毎年母校の卒業式に出席させていただき、大変うれしく思っています。反面、かつての校舎の面影はすっかり変わってしまっていますし、恩師や同級生の姿がないのが中途半端な卒業をした者にとっては複雑な思いであります。また、卒業式の式典の雰囲気が、一月の成人式と同じく、世の移り変わりというか、何か年代のずれというものも感じます。
 母より優しい小学校卒の父が、家業を休んでくれ、幾つかの大学受験に同行してくれ、平成天皇が皇太子時代のころ、結婚記念の皇居前の噴水の前で待ち合わせて帰ってきたのが三十年前の私と父のきょうの思い出であります。ちょうど、そのころは七〇年安保改定の一年前ということで大学も荒れており、一月十八日には東大の安田講堂が落ち、この年のみ東大の受験がなかったという特別な年で、当時の受験生は大変な影響を受けました。前の年の暮れには東芝府中工場のボーナス三億円強奪事件が起き、未解決のまま三十年が過ぎ、今日に至ったという時代背景でありました。
 少し前置きが長くなりましたが、以下、議案第五十八号和歌山県立学校等職員定数条例の一部を改正する条例に関連して、数点お尋ねします。
 先ほど述べた新たな行革大綱の定員管理計画、約五百名削減に沿ったもので、児童生徒数及び学級数の変動等に伴い、職員の定数を改正、適正配置するということであります。盲聾、養護学校関係は三十三名増員、他は百十二名削減、合わせて今回は七十九名の削減となっています。今後五年間で五百名削減はどのように実施されるのか、お尋ねします。
 既に大阪府では教育改革プログラムを策定し、高等学校においては全日制学校の再編統合を三期に分け、一期分についてはことしの夏にも校名を挙げ取り組むということであります。学級崩壊対策では、小学担任の弾力化、合同授業、交換授業の導入、就学前の幼稚園では親にも家庭教育の必要性を訴えるということであります。
 このことに関して、本県では二月二十五日正午、県立高校初めほとんどの公立高校の入学者選抜の出願を締め切りました。昨年の二月定例会でも質問させていただきましたが、今春も職業科、総合学科を除き、応募の著しく少ない全日制高校があります。今後、全日制高校の活性化についてどのように考えているのか、お尋ねします。
 また近年、新聞、テレビ等、マスコミで報道される学級崩壊やいじめ、登校拒否等の現象が県下でも同様に起こってきております。学級崩壊に関して、小学校ですら幼児期からの塾通いの影響で学業成績はかつてのような正規曲線分布ではなく「二こぶラクダ」という、できない子、できる子、また落ちつきのない子、落ちつきのある子のグループに二極分化されているようであります。したがいまして、一律に少人数学級を目指すよりは、授業の理解できる子、著しく理解できない子、普通に授業を受けられる子、受けられない子を分けて指導するというようなクラス編制の弾力化をしてはいかがかと思いますが、お答えをいただきたいと思います。
 また、教職員初め管理職の資質向上、研修の充実についてお尋ねします。
 教育研修センターでの研修の際には、教職員としてどこが適正か不適正かをチェックして指導すべきであると思いますし、現在実施されている民間企業への交流人事もなお一層推進されてはと思います。今後、学校の自由化、弾力化、そして管理職を初め教職員の資質向上を図ることが何よりも大切なことと考えます。現場の小学校や中学校で、やる気のある校長先生の話では、五時になっても帰りたくない先生、何でも一緒にやろうかという若い覇気のある先生が欲しいということであります。
 フランスで実施している初任約五年間を講師として勤務させる制度、インターン制度など試みる考えはないのか、お尋ねします。
 議案に関して、職業意識、プロ意識を持ち、子供に学力をつけることを第一義とする教職員養成を訴え、以上で第一問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。
○議長(下川俊樹君) ただいまの神出政巳君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
  〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 神出議員にお答えをいたします。
 まず、予算関連であります。
 投資的事業につきましては、いわゆる十五カ月予算ベースで対前年度当初比四・四%増の事業量を確保したところであり、まずはその着実な実施に向けて取り組むことにより景気浮揚を図っていくことが重要と考えてございます。一方で、議員の懸念されるような、いわゆる息切れといった状況が現実に予想される場合には、国においても追加的な対応の検討に入ることになると思われますので、今後の動向を十分注視してまいりたいと考えてございます。
 次に、元気予算についてでございます。
 県勢の活性化につきましては、現下の経済情勢を踏まえながら、これまでも精いっぱいの対応を図ってきたところでございますけれども、今後なお一層の飛躍を図るため、新たな政策展開につなげていくための種をまき、芽を出していくことも大変重要なことだと考えてございます。こういった観点から、十一年度当初予算におきましては、従来の予算要求限度枠にとらわれることなく、柔軟かつ斬新な発想による新規事業等の積極的な掘り起こしを図ることといたしました。
 また、職員からの政策提案につきましては、例えばタウンモビリティモデル事業、ちょっとわかりにくいと思いますけれども、高齢者の方々などに不自由なくショッピングや観光を楽しんでいただくために電動スクーターを貸し出ししようという職員提案であります。そういうすばらしいアイデアと思われるものにつきましては、県政にできる限り反映さすために、昨年に引き続き積極的に予算化を図ったところでございます。
 こうした取り組みによりまして、きのくにベンチャーランドなどの新産業の創出、育成支援等の産業活性化対策のほか、スポーツの振興、特に今議会でもお話のございました本県の成績アップを図るためのスポーツの振興策や環境対策など、広い意味での県勢活性化につながると期待される事業を積極的に開拓して施策に盛り込んだところでございます。これらの事業につきましては、景気低迷や昨年からの本県の暗いイメージを払拭いたしまして、県民の皆さんとともに元気を出してすばらしい和歌山のふるさとづくりを進めたいと考え、「元気予算」と名づけたところでございます。
 次に、県債残高及び公債費についてでございます。
 一般会計における平成十一年度末の県債残高は六千三百二十五億円に達する見通しでございます。公債費につきましては、平成十一年度の償還額が約七百億円に対しまして、平成十四年度には約八百億円の償還が見込まれるわけでございます。しかしながら、目下の急務は現下の不況から一日も早く脱却をして景気の回復を図ることであるとの認識のもとに、厳しい財政事情の中でぎりぎりの財政運営を行うために県債を活用したところでございまして、現下の経済情勢からはやむを得ざる措置としてご理解をいただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、県債残高及び公債費の増大に伴う財政上の問題につきましては強く認識をしておるところでございまして、今後とも財政運営に著しい支障が生じることのないような努力をしてまいりたいと考えております。
 最後に、新たな行革大綱に関連してのご質問であります。
 今回の大綱は、新しい地方の時代に行政の質の向上を図るために、一つは責任領域の見直し、二つ目に運営体制、運営方法の見直しを基本的視点として策定をしたところでございます。これらを踏まえまして、予算編成過程において事務事業の見直しを図ったところでありますが、具体的には、民間委託による方がより効果的な実施を図り得るもの、また組織横断的な調整を行うことによって事務事業の総合的、効率的な実施を図り得るもの、このような項目を具体的な視点として一事業ずつ検討しておるところでございます。平成十一年度当初予算におきましては、制度の見直し等により百八十五件、七億円程度の整理合理化を図ったところでございます。
 また、定員及び給与の見直しについてでございますけれども、定員につきましては、事務事業のなお一層の整理合理化を行い、民間的な手法なども積極的に取り入れながら行ってまいります。
 給与につきましては、議員ご指摘のとおり、職務や個人の能力と実績が評価される給与体系が求められております。これらの動向を踏まえまして、世代間、職種間における給与の適正な配分方法等にも配慮しながら、一層の給与の適正化を進めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 副知事山下 茂君。
  〔山下 茂君、登壇〕
○副知事(山下 茂君) 自主財源の確保の問題についてお答えをいたします。
 地方分権を推進してまいりますためには、地方公共団体の自主性、自律性を高める見地から、国と地方の役割分担の見直しや機関委任事務制度の廃止等を進めると同時に、国と地方公共団体の財政関係につきましても基本的な見直しを行う必要がございます。
 まず地方税につきましては、地方公共団体の財政面における自己決定権と自己責任をより拡充するという観点から、国と地方の税源配分のあり方につきまして、地方税を充実させる方向での抜本的な検討をするとともに、税源の偏在性が少なく、税収の安定性を備えた地方税体系を構築することが不可欠であると考えます。
 次に地方交付税につきましては、税源の地域間での偏在を是正するとともに、一定水準の地方行政運営を保障する上で、その財政調整機能は極めて重要でございまして、地域の実情に即した地方公共団体の自主的、主体的な財政運営が可能となるように、地方交付税の算定に当たって地方の意見をより一層的確に反映させることが必要だと考えます。
 さらに国庫補助負担金につきましては、既に地方公共団体の事務として同化・定着しているもの等につきましては一般財源化を進めるとともに、国の過度の関与等によって地方公共団体の自主的、自律的な行政運営が損なわれることのないように、統合・メニュー化などを図っていく必要があると考えます。
 今後、地方分権が推進されていく中で、本県のように自主財源の乏しい団体にありましては、地方公共団体の自主性、自律性を高めながら、個性豊かで活力に満ちた地域社会を創造していくためには、国と地方公共団体の財政関係の抜本的な見直しを行いまして、地方税、地方交付税等の地方一般財源の充実確保を強く求めていかなければならないと考える次第でございます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 総務部長藤谷茂樹君。
  〔藤谷茂樹君、登壇〕
○総務部長(藤谷茂樹君) 神出議員にお答え申し上げます。
 十一年度当初予算につきましては、年度間の切れ目のない事業執行に配慮して十五カ月予算を編成したところでございますが、このように二月補正に前倒しをして計上することによりまして、早い段階から設計等の準備にかかれるとともに、前払い金等の早期支払いが可能となるほか、一般財源が限られている中で、起債を最大限に活用することで事業規模を確保することができたところでございます。
 次に、外部監査制度についてでございます。
 まず、外部監査と現行の監査委員制度との関係についてでございますが、毎年度実施される包括外部監査におきましては、外部監査人は自治法に定められた監査委員の広範な監査権限のうち、財務に関して特定のテーマを選び監査を行うこととなっております。監査委員は、議会の同意を得て長に選任される地方公共団体の執行機関として監査に関して住民に対し責任を有しており、外部監査制度の導入により、一定の場合には外部監査人が監査を行うものの、地方公共団体の監査全般を行うものとしての位置づけは変わっておらず、外部監査契約に基づく監査に関しましても、その監査結果報告の受理、公表等は監査委員が行うこととなってございます。
 次に、外部監査人を個人とし、法人を含めないこととされた理由でございますが、外部監査契約を締結できる者は自治法第二百五十二条の二十八に限定列挙されており、公認会計士、弁護士等の自然人に限られております。これは、外部監査は監査委員が行う監査の一部を外部の者に行わせるものであることから、監査委員と同様に法人ではなく個人が行うべきこととされたものであると承知してございます。
 次に、今議会に契約議案として提出しております契約の相手方たる外部監査人の選定についてでございますが、包括外部監査は先ほど申し上げましたように地方公共団体の財務に関し監査するものであることから、財務関係の監査に関して高度な専門性と豊富な経験を有する者として公認会計士がふさわしいと判断したものでございます。具体的な人選に当たりましては、事務打ち合わせ等の便宜上、県内に事務所を置き、本県を中心に活動していることを基準として、外部監査に関する研修を履修した者の中から公認会計士協会からご推薦いただき、決定させていただいた次第でございます。
 また、包括外部監査契約の契約金額につきましては、自治省から示された地方交付税の措置額、他府県の状況等を勘案して算定したものでございます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 土木部長長沢小太郎君。
  〔長沢小太郎君、登壇〕
○土木部長(長沢小太郎君) 神出議員にお答えいたします。
 水路、里道等の建設省所管国有財産の境界確定は、財産管理者の知事と隣接地所有者の合意により確定する一種の私的契約でございます。
 そこで、隣接地所有者との境界協議に当たっては、その土地の沿革等を調査し、付近の地形、地物をしんしゃくし、利害関係者の意見を聞いた上で、双方の合意し得る公正妥当な境界を見出すよう努めております。しかしながら、水路、里道等の法定外公共物につきましては、できた当初と状況が変化している場合などでは、さきに述べた方法ではその境界を見出すことが困難であります。そこで、境界確定事務の停滞をできるだけ避けるため、実態に即した標準的な最小幅員を想定し、ほかに明確な証拠がない場合は、その幅員を確保する形で境界確定のための協議を行うといった取り扱いが行われておりますが、この方法はそれぞれの地域で定着していると考えてございます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 教育問題四点についてお答えいたします。
 教職員定数の推移につきましては、本県では平成十一年度から五カ年間に児童生徒数が約一万二千人減ることに伴い、教職員定数も五百名程度減少すると見込んでおります。今後、国の定数改善の動向も見ながら、指導方法の改善等に関する定数の確保を図り、適正な教職員配置を進めてまいる考えであります。
 次に、全日制高等学校のあり方についてでございますが、平成元年度以降、これまで全日制高校二十二校に二十八学科の特色ある専門学科の新設改編を行うとともに、和歌山高校、有田中央高校へ総合学科を設置してまいりました。さらに、幅広い学校間連携やコース制の導入を実施するなど活性化に取り組んできたところでございます。今後、生徒数が減少していく中で、再編等その対応策を考えるとともに、生徒、保護者の多様なニーズや地域社会の期待に一層こたえてまいりたいと存じます。そのため、普通科の充実を図る単位制の導入、特色ある学科の設置等について検討し、魅力ある学校づくりに向けて指導するとともに、教育委員会といたしましても支援体制をとってまいる所存でございます。
 次に、クラス編制の弾力化についてお答えします。
 全国的に子供をめぐってさまざまな課題が生じてきておりますが、今日の教育のあり方については、個性尊重という基本的な認識に立って、子供一人一人の能力、適性に応じた教育の展開を図っていくことが大切であります。こうしたことから、学校教育においては、チームティーチングや選択教科等の導入が子供のよさを生かす上で効果的であると考えております。今後とも、こうした取り組みを積極的に進める中で、学級の枠を超えた弾力的な学習集団の編成を行うなど、子供の能力、適性、興味、関心等に応じた多様な教育を一層推進してまいります。
 次に、教職員の資質向上及び研修の充実についてであります。
 初任者研修を初め、教職経験六年目、十一年目の研修、さらに不登校など今日的な教育課題に対する専門研修を体系的に実施しております。中でも、本年度から教育臨床心理学実践講座を開設し、全校的に心の教育の取り組みを深めることができるよう、校長、教頭に受講を義務づけているところであります。また、教員の視野を広げるために、平成八年度から企業や福祉施設等で長期社会体験研修を実施しているところであり、一層の充実を図ってまいる所存でございます。
 次に、初任者の研修についてであります。
 教員の採用に当たっては、教職に対する情熱や使命感にあふれた個性豊かな人材を確保するため、筆答検査の成績に偏らず、人物を重視した採用選考を実施しております。採用後一年間は、教科や学級を担任しながら、先輩教員の指導のもとに学級経営や教科指導の力を培うための研修を進める一方、福祉施設での実習、情報技術やカウンセリングの基本の習得など、校外での幅広い体験研修等を計画的に実施しております。今後とも、研修内容を一層充実させ、教育公務員としての自覚と資質の向上を図ってまいりたいと考えております。
○議長(下川俊樹君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 25番神出政巳君。
○神出政巳君 知事初め、ご答弁ありがとうございました。以下、要望を申し上げます。
 まず、副知事に。
 今後の地方における自主財源の確保についてお答えいただきました。特に、地方税、地方交付税、国庫補助負担金についてお考えをお伺いいたしました。そのとおりであると、私も思います。地方分権が推進される中、今後とも特に本県のような自主財源の乏しい地方公共団体のあるべき姿、システムづくりについてリードしていただきたく、どうかよろしくお願い申し上げます。
 最後に、西口知事に。
 財政に始まり、行政全般、本当に大変なときであります。先日、総務庁が一月二日付で発表した一九九八年世界青年意識調査の結果によると、日本の若者の項目では、家庭生活への満足度を見ると五一・一%、半数強が満足、やや満足が三五・七%、合わせると満足層は九割近くとなっています。しかし一方、社会の現状に対しては五・八%が満足、二九・四%がやや満足と回答しております。満足層は十年前が五一・三%と半数を超えていましたが、五年前には四三・五%、今回が三五・二%まで落ち込み、他方、不満派は五八・三%に上り、不満の理由としては、学歴による収入や仕事に格差があるというのが五二・五%と最も多くなっています。
 日本の世の中は、物質的には豊かになっています。しかし、各家庭でも大部分そうであると思いますが、家庭の崩壊、親子のきずな、情も薄れつつあるのも確かであります。本当に豊かな人、そうでない人、明らかに二極分化の道をたどっていると思います。二十一世紀を力強く切り開こうとすれば、一つ一つの仕組みを本気で変えていかねばなりません。
 けさの新聞各紙の第一面は、脳死・臓器移植の記事でありました。世の移り変わりのスピードが速くなってきております。私どもも、まめに頑張ります。西口知事におかれましては、何とぞ修羅場では鬼となって執行当局の思い切ったかじ取りをお願い申し上げます。
 以上で、今期の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(下川俊樹君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で神出政巳君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
○議長(下川俊樹君) この際、暫時休憩いたします。
  午前十一時二十二分休憩
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