平成10年12月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(松本泰造議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

○議長(下川俊樹君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 20番松本泰造君。
  〔松本泰造君、登壇〕(拍手)
○松本泰造君 皆さん、おはようございます。
 議長のお許しを得て、通告順に従い、一般質問をさせていただきます。
 まず初めに、元気なふるさとづくりのための新年度予算編成についてであります。
 西口知事におかれましては、先月をもって知事就任以来、満三年を経過され、この間、健康に恵まれ、県勢発展のため、日夜全力投球で頑張ってこられました。就任以来、西口知事は、機会あるたびに県民に対し、ふるさと和歌山のよさを誇りにしようと訴え続けてこられました。しかしながら、極めて残念なことに、最近における和歌山県は暗いニュースばかりが連続して発信され、県民みんなが暗うつな状況下にさらされており、和歌山のイメージは最悪の状況にあり、県民並びに県出身者の気分的な落ち込みムードは極めて深刻であります。
 例えば、県外を旅行したある老夫婦は、和歌山県から旅行に来たとはよう言わんかったとこぼし、県外で企業活動に励んでおる営業マンは、何か偏見を持たれているような肩身の狭い思いが続いていると嘆き、就職活動をしている青年が、和歌山出身と言うと不利になるような気持ちに襲われると不安感を訴える。こんな話は枚挙にいとまがありません。このままでは、県民の誇りと自信が消滅し、県外からは和歌山への偏見がますます増幅されていくのではないかと危惧するところであります。しかしながら、和歌山県民のほとんどが、ふるさとの恵みに感謝をし、まじめに働き、精いっぱい努力しているわけでありまして、こんなに暗く、つらい年は一日も早く過ぎ去り、明るく元気な気持ちで県外のお客さんをお迎えし、南紀熊野体験博を大成功させたいと思うのは、決して私一人ではないと思います。
 そこで、発想の転換では定評のある西口知事、和歌山県民の元気と明るさ、自信と誇りをよみがえらせるためにも、財政状況が大変厳しい折、また先行き不透明な中ではありますけれども、県勢の活性化と県民に元気と勇気を持たせるべく、知事の英断を持って積極的に各種施策に取り組んでいただきたいところであります。まさに、ピンチをどうチャンスに変えるかであります。
 こうした中、県は先般、来年度予算編成方針を発表しました。県財政課によると、来年度の財政見通しは長引く不況の影響で税収増が見込めない上、九五年度以降の大型景気対策で発行した起債の元利償還が本格的に始まるなど、本年度末に三百五十億円ある見込みの基金残高は来年度中に底をつく見通しの中にあっても景気対策特別枠を設定して機動的対応を検討するなど柔軟に対応する一方、県勢の活性化を目指し、今回初めて「元気予算」と名づけて各種新規事業を開拓するとのことであります。また、今年度に引き続き、各部の枠を超えた事業間の連携を進め、県内二時間道路ネットワーク、情報化の推進など七つのテーマについて、プロジェクトの効率化、効果的推進を図る見地から組織横断型予算を継続的に編成するとのことであります。
 そこで、次の二点について質問をさせていただきます。
 まず一点は、「元気予算」について、その内容と期待する点についてであります。
 第二点目は、前年度から実施している組織横断型予算の効果について。
 以上、二点について西口知事のご所見を賜りたく存じます。
 次に通告の二番目、新学習指導要領案と教育現場の改革についてであります。
 平成十四年度からスタートする完全週休二日制時代の指針となる小中学校の学習指導要領案が先月文部省から発表されました。今回の大きな特徴は、ゆとりの中で生きる力をはぐくむことが目標として掲げられている点であり、一方のテーマであるゆとりでは、授業内容を従来より三割削減し、教師の創意工夫による総合的学習の時間を週二時間新設して、読み、書き、計算を中心とした基礎、基本を繰り返し教え、確実に身につけさせ、中学、高校では能力や関心に応じて選択の幅を広げるとあり、もう一方のテーマである生きる力では、教育の枠を超えて新設された総合的な学習の時間で、知識だけではなく、知識を得る方法、それを生かす方法などをこの時間に指導するとあり、具体的な内容については各学校に任せるとあります。
 次に、新学習指導要領で注目されているのは、国歌と国旗の教育を充実させようという点であります。有馬文部大臣は、「日本人が外国の国歌、国旗に無礼なことがないようにするためには、自分の国の国歌、国旗に愛着を持つようにしなければならない」と述べられております。事実、長野オリンピックでは、国歌が吹奏されているときも帽子をとらない日本の金メダリストがいて、外国人からもひんしゅくを買いました。また、本年夏、フランスで開催されたワールドカップでは、建国七年目のクロアチア選手団が、試合前に一人一人が胸を張って自国の国旗に向かい、誇らしげに国歌を斉唱する姿に反して、日本選手団のうち口を開いて国歌を斉唱していたのはわずかに二人、テレビ中継を通じて国際大会の場で日本選手団が恥をさらした場面が思い出されます。国際化時代であるからこそ、家庭を愛し、地域やふるさとを愛し、国を愛する心を持ち、それを誇りとする国際感覚を備えた人間を育てることこそ人間形成の基本であろうと思います。
 そこで、今回の学習指導要領改訂に関連して、県教育委員会に対し、何点か質問をさせていただきます。
 まず、ゆとりについてであります。
 今から二十年前にもゆとり重視の観点から、それまでの授業内容を三割削減されましたが、そのとき以来、塾通いが隆盛になり、基礎学力の低下や受験競争の加熱化、そして近年、公立学校では教育困難校がふえ、授業が成立しない学校崩壊現象が広がり、不登校児童が十万人を超えるなどの現実の中で、果たしてゆとりが現在の教育現場にスムーズに導入可能であるのかどうか。
 第二点目に、内容のゆとりとともに施設面のゆとりについてであります。
 少子化社会の中で、生徒数が減少して学級数が減少していく傾向は田舎ほど深刻であり、四十人学級に対する問題意識も高まりつつあります。中央教育審議会答申では、都道府県単位で学級編制の弾力的な運用を認める方向が示されているところでありますけれども、こうした点をもあわせ、教室のゆとりについても取り組む必要があるのではないかと思いますが、教育委員会の見解をお尋ねいたします。
 次に、生きる力の醸成についてであります。
 生きる力の指導の成否は、一にかかって教員の力量にあると言われております。幅広い研修や教員の創意工夫、やる気、人間的なぬくもり、教員の率先垂範姿勢等が強く求められるものと思われますが、こうした教員づくりについて今後どのような対策を講じていくのか、また文部省は指導内容を学校に任せるとのことでありますけれども、学校間格差の防止をどうするのか、ご答弁をいただきたいと思います。
 最後に、国歌と国旗の問題について質問をいたします。
 平成元年の指導要領に基づき、今回の学習指導要領案では、国歌の指導が地域や学校によってばらつきがある状況を踏まえ、今回は小学校のいずれの学年においても音楽の授業での指導が明確化されるなど、学校現場での指導を充実させるとしていますが、単に歌を教えるという姿勢だけでは健全な国家精神は醸成できません。現在、県内の教育現場の中で「君が代」と日の丸がどの程度導入され、健全な環境の中で国際意識の高揚が図られつつあるのか、今後この問題をどう根づかせていくのか、お伺いをいたします。
 続いて通告の三番目、紀伊水道産水産物の積極的PRについてであります。
 本県では、水産業に対する施策として、沿岸海域の生産力向上のため、魚礁の設置や藻場造成、漁港の整備、新技術による養殖業の推進、さらには漁業経営の体質強化、情報普及体制や試験研究体制の確立、労働環境の整備、そして流通体制の強化等々、多岐にわたる取り組みがなされ、多額の社会資本が投入されてまいりました。現今の水産業を取り巻く情勢は、漁獲量減少に伴う漁業所得の低迷、漁業就労者の高齢化や後継者問題、流通面の問題点、輸入水産物や他地域産品との競争激化など大変厳しい状況下にあることは十分承知しているところでありますが、本県の漁業経営体のほとんどが個人経営体であり、沿岸漁業が八八%を占めている現況下にかんがみ、本県の水産行政に一つの提言をしたいと思います。
 本県では農業面で、特に和歌山のミカン、和歌山の柿、和歌山の梅など、農協連とタイアップしての宣伝を毎年大々的に実施し、果樹王国和歌山をアピールし、名実ともに効果を上げてきたところであります。特にことしは、温州ミカンの果肉に強い発がん抑制物資のベータクリプトキサンチンが含まれているとの宣伝が行き届き、消費も順調で、昨年比平均一・五倍以上の高値圏で推移していることは、大変喜ばしい限りであります。
 ところで、こうした宣伝努力は水産面でどの程度行われてきているのかという点についてであります。例えば、豊後水道における関サバや関アジがブランド化されて、サバやアジの相場が関を基準にして決まるとさえ言われており、巧妙に大分県の一村一品運動が魚の世界においても健全に発展している事実があります。瀬戸内海の干満の差による急流と豊富なプランクトンの海域でとれる魚のおいしさを宣伝定着させておるわけであります。
 ところで、漁場の立地条件は豊後も紀伊水道も全く同じであり、紀伊水道に面する和歌山県海域で水揚げされる魚も、決して豊後のそれに引けをとるものではありません。しかも、市場に近い利点を生かして、和歌山県のきれいな海、紀伊水道の魚のおいしさ、新鮮さを市場や消費者に認識させるために、漁連とタイアップしての大々的な宣伝を継続実施することが魚価の安定向上と水産業従事者の生活向上をもたらすものと確信するのでありますけれども、農林水産部長の見解を賜りたく存じます。
 次に通告の四番目、国道四十二号渋滞解消と海南湯浅道路についてであります。
 国道四十二号海南・有田市間の渋滞解消問題については、昨日、尾崎議員さんから海南・下津間四車線化計画の推進を強く要望されたところであり、国道四十二号渋滞解消は、海南市、有田市、下津町等、地域住民にとっては長年にわたる懸案事項であります。引き続き当局のご尽力を賜りますよう、私からも重ねて強く要望申し上げる次第であります。
 さて、和歌山県内では、先般来、相次いで高速道路の起工式がとり行われましたが、せっかくの高速道路、有料道路をできるだけ多くの県民に利用してもらい、県勢発展の動脈として活用されることを期待するものであります。海南湯浅道路にしてもしかりであります。そして、それがひいては国道四十二号の渋滞解消にも寄与するものと考えます。
 そこで、次の二点について質問をいたします。
 まず第一点目は、本年六月議会においても、海南・吉備間の整備計画、事業化に向けての調査を積極的に進めているとの答弁がありましたが、その後の状況並びに見通しについて答弁を求めます。
 二点目に、平成九年九月議会で、通勤者割引等について土木部長より、「地方を中心とした有料道路の利用を促進するため、建設省において特定区間を高い頻度で利用する通勤者等を対象として割引制度導入の検討が行われているところであります。県といたしましても、その動向を見ながら海南湯浅道路にこの割引制度が適用されるよう要望してまいりたい」との答弁をいただきましたが、その後の取り組み等について土木部長より答弁を求めます。
 最後に通告の五番目、感染症対策新法に伴う医療機関の指定についてであります。
 明治三十年(一八九七年)に制定された現行の伝染病予防法は、制定以来百年を経過し、この間、我が国の感染症を取り巻く状況は大きく変化をしてきており、近年はエボラ出血熱、エイズ、O157感染症等の出現など、医学、医療の進歩、衛生水準の向上、国民の健康、衛生意識の向上、人権の尊重及び行政の公正透明化への要請、国際交流の活発化や航空機による大量輸送の進展等によって、現在における感染症の脅威と状況の変化を踏まえ、国では感染症の発生、拡大に備えた事前対応型行政の構築、感染症類型と医療体制の再整理、患者等の人権尊重に配慮した入院手続の整備、感染症蔓延防止に資する必要十分な消毒等の措置の整備、検疫体制、動物に由来する感染症対策の整備等を盛り込んで、平成十一年四月一日から感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律が施行の運びとなっているようであります。この新法施行に伴い、本県では第二種感染症指定医療機関として、和歌山医療圏六床、那賀、橋本、有田、御坊、田辺、新宮の各医療圏に各四床の感染症患者用ベッドを確保すべく、有田圏域では有田市立病院を候補として考えているようであります。
 ところで、有田地方では、一市五町の有田広域圏一部事務組合において、五年前に二億数千万円を投じて現行の伝染病予防法の基準に基づく隔離病棟十床を有田市立病院の敷地内に建設し、現在もその起債を返還中であります。ところが、今回の法改正により隔離病棟については制度が廃止され、県は市立病院の一般病棟内に独立した病床とトイレや洗面所、排水施設、面会所を確保の条件つきで感染症医療機関指定の受け入れを求めているようであります。有田市立病院としては、現隔離病棟を活用しての受け入れならやぶさかでないが、現隔離病棟を廃止してでも新法の基準に従うのは広域圏一部事務組合としては承服しかねるとのことであります。
 ついては、次の二点について質問と要望をいたします。
 第一点は、財政の効率化が叫ばれる今日、新法による指定条件を弾力的に運用し、現設備を活用しての指定受け入れは全く不可能であるのか。
 第二点目に、国の法律改正により地方の自治体病院に感染症患者受け入れを指定する以上、施設整備に当たっては国または県において補助金制度を設けるべきではないのか、福祉保健部長より答弁を求めます。
 以上で、演壇からの質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
○議長(下川俊樹君) ただいまの松本泰造君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
  〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 松本泰造議員にお答えをいたします。
 まず、平成十一年度予算編成に係る新規活性化事業、いわゆる「元気予算」についてでございます。
 県勢の活性化につきましては、これまでも数次にわたる経済対策を実施いたしまして、現下の経済情勢を踏まえながら精いっぱいの対応を図ってまいったところでございます。同時に、二十一世紀に向けて県勢の一層の飛躍を期していくためには、新たな政策展開につなげていくための種をまき、芽を出していくことも大変重要なことであろうと考えております。
 私は、これまで「二十一世紀の故郷(くに)づくり」は新しい感覚と発想でということを提唱してまいったわけでありますが、「元気予算」は、まさにこのことを予算の場においても生かしていきたいという考え方から、ソフト事業を中心に、いわゆるシーリングの枠にとらわれることなく要求できる道を開くことによりまして、柔軟かつ新鮮な発想による新規事業の積極的な発掘をねらったものでございます。この「元気予算」を契機にいたしまして、県政の将来展望について活発な議論が行われることを期待してございまして、新しい発想の芽を大事に育て、厳しい財政事情の中にあっても新時代に活路を開けるような予算づくりを心がけてまいりたいと考えてございます。議員お話しのように、大変暗い事情の中で新しい元気を出すということも、気分転換も大変必要であろうと思いますので、そういうことをも目指していきたいと考えてございます。
 次に、平成十年度予算から導入をいたしました組織横断型予算編成手法についてでございます。
 これは、いわゆる縦割り行政の弊害を是正するという観点から、総合的な視点に立って、部局の壁を超えた事業間連携が行われることを促進しようというものでございまして、テーマとして指定した主要な行政課題の実現に向けまして、部局ごとのプロジェクトが有機的に結合され、効果的、効率的に推進されることをねらったものでございます。
 その効果についてでございますけれども、例えば、県内二時間道路ネットワーク構想については、国道、県道、農林道等のネットワーク化による基幹ルートの設定を行う、あるいは戦略的な整備路線への予算の重点化配分を図ったわけであります。また生活排水対策におきましては、汚水処理に対する複数の部局がございますので、そういった各部局の関連施策を総合的に連携実施するための取り組みを進めたわけでありまして、一定の成果を上げたものと考えております。このような試みがその効果を十分に発揮するためには、ある程度の期間、継続して実施していく必要があろうと思いますので、今後とも創意工夫を凝らしながら行政の効率化に努めて成果を上げてまいりたいと考えておるわけであります。
 以上であります。
○議長(下川俊樹君) 農林水産部長尾崎武久君。
  〔尾崎武久君、登壇〕
○農林水産部長(尾崎武久君) 松本泰造議員ご質問の、紀伊水道産水産物の積極的なPRについてお答え申し上げます。
 本県の水産物につきましては、加太のマダイ、戸坂のハモ、有田地方のシラス干し等は、消費地市場では既にブランド商品として高く評価されてございます。これは、生産者を初め関係者の長年の努力によりブランド化がなされたものでございます。全国一の生産量を誇る箕島産のタチウオや本県産イセエビ等を県内外にPRすることが重要であると認識をしてございます。
 県といたしましては、県漁業協同組合連合会とともに、水産物の消費拡大のため、魚食普及のキャンペーンや各種イベントへの参加を初め、紀州産魚介類の販売促進、また各種広報活動を行ってきたところでございます。今後とも、県漁連等関係機関と連携を図りながら、紀伊水道産魚介類のおいしさ、新鮮さを県内外にあらゆる機会をとらえて積極的にPRしてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 土木部長長沢小太郎君。
  〔長沢小太郎君、登壇〕
○土木部長(長沢小太郎君) 松本泰造議員のご質問にお答えいたします。
 まず一点目の、海南湯浅道路四車線化の施行命令についてのご質問でございます。
 海南・吉備間の四車線化につきましては、道路公団の調査が積極的に進められ、これに県としても協力してきましたけれども、今後、施行命令が早い機会に受けられるよう、より一層努力してまいります。
 次に二点目の、当該区間における通勤車両等を対象にした割引制度についてのご質問でございます。
 一般有料道路の通勤等の割引につきましては、建設省の平成十一年度予算概算要求において、地方都市周辺における通勤などの近距離多頻度利用者のための料金割引制度を導入する、こういった施策が打ち出されているわけでございます。県といたしましても、海南湯浅道路の交通量の増大を図ることにより国道四十二号の渋滞の緩和が図れるよう、割引制度の適用を引き続き要望してまいります。
 なお、現在、和歌山インターチェンジから広川インターチェンジまでの各区間について割引の利用できる和歌山ハイウエークーポンが、和歌山インターチェンジ内にある日本道路公団和歌山管理事務所で発売されております。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 福祉保健部長小西 悟君。
  〔小西 悟君、登壇〕
○福祉保健部長(小西 悟君) 感染症対策新法に伴う医療機関の指定についての二点にお答えをいたします。
 まず、新法による指定条件の弾力的運用についてでございますが、新たに制定された感染症予防法では、患者を集団から隔離するという従来の伝染病予防法における考え方とは異なり、可能な限り一般の病院の一区画において良質かつ適切な感染症医療を提供するものとされております。
 感染症医療を担当する医療機関として、二次医療圏ごとに一カ所の病院を知事が指定する第二種感染症指定医療機関につきましては、この基本的な考え方を踏まえつつ、現行の伝染病院、隔離病舎のうち、厚生大臣の定める基準に適合するものについては隣接する病院と一体化し、その一部として運用できる場合、これを活用することにより指定を受けることが可能であります。
 議員ご質問の有田市立病院につきましては、有田周辺広域圏事務組合隔離病舎を活用して指定を受けることは可能であると考えております。
 次に、第二種感染症指定医療機関に対する補助制度についてでございますが、感染症予防法では、第二種感染症指定医療機関の設置及び運営に要する費用につきましては、国及び都道府県の補助規定が設けられております。
 議員ご質問の第二種感染症指定医療機関の施設整備につきましては、新法に基づいて対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 教育長小関洋治君。
  〔小関洋治君、登壇〕
○教育長(小関洋治君) 初めに、教育におけるゆとりについてであります。
 現在、子供たちは物質的な豊かさを享受する一方で、生活面や精神面でゆとりが少なくなっているという指摘がございます。このたび公表された学習指導要領案は、こうしたことを踏まえ、完全学校週五日制のもと、ゆとりの中で特色ある教育を展開し、みずから学び、みずから考える生きる力をはぐくむことをねらいにしております。
 教育委員会といたしましては、体験的な学習や基礎的、基本的な内容を重視しつつ、新しく設けられる総合的な学習の時間を有効に活用することにより、子供たちに真のゆとりを実現させることが大切であると考えております。この趣旨を徹底させるため、今後十分指導してまいる所存であります。
 また、施設面のゆとりにかかわる学級編制についてでございますが、先般出されました中央教育審議会答申において、都道府県や市町村の裁量によって学級編制や教職員配置の弾力化などの見直しを行うことが必要であるとの方向が示されました。しかしながら、国庫負担による教職員定数は従来のままであること、また地方財政が厳しいことなど大きな課題があることから、実施に向けた工夫等について、さまざまな角度から慎重に研究する必要があると考えております。
 次に、議員ご指摘の生きる力を醸成するためには、教員の力量に負うところが大きく、教科の指導力とともに、教育に対する情熱を備えていることが大切であります。今後とも、初任者や教職経験者に対する研修を中心に、社会体験や自然体験を含む幅広い研修を通じてその一層の充実に努めてまいります。また、各学校が互いに刺激し合い、切磋琢磨しながら主体的な学校運営を行うなど、地域や子供の実態に応じた特色ある教育を展開するよう指導してまいります。
 最後に、国旗、国歌の指導についてでありますが、卒業式等における実施状況につきましては、国旗はすべての学校で掲揚しております。国歌につきましてもほとんどの学校で実施しておりますが、一部に指導の不十分なところもございます。
 教育委員会といたしましては、国際社会に生きていく日本人としての資質を養うため、国旗、国歌の意義についての理解、及びそれを尊重する心情と態度、国際協調の精神などについて、一層指導を徹底してまいる所存であります。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 20番松本泰造君。
○松本泰造君 各質問に対する答弁をいただきましたが、二、三点要望を申し上げて終わりたいと思います。
 まず、知事から「元気予算」と組織横断型予算についての答弁をいただきました。
 私は、演壇でも申し上げたとおり大変暗い一九九八年であったと思いますけれども、あと二十日余りで新しい年を迎えるわけであります。平成十一年度も、知事を先頭に県庁の組織一丸となって、元気で明るい和歌山をつくるために強力なリーダーシップを発揮していただきますように、特に年末に当たって要望しておきたいと思います。
 次に、国道四十二号の渋滞解消と海南湯浅道路の件でありますけれども、海南湯浅道路四車線化の施行命令がおりたとしても、トンネルが開通して実際に車が走り出すまでには十年単位の日時がかかると思います。その間、四十二号は依然として渋滞に悩まされることになりますので、四十二号の抜本対策について、できるだけ早い時期にご配慮、ご努力いただきますように要望しておきたいと思います。
 いま一つ、和歌山ハイウエークーポンというのが発売されているという答弁がございましたけれども、こういったことはほとんどの県民が知らんのではないかなと思います。「県民の友」なり、そういったものを通じてもっと宣伝をしていただいて、和歌山県の動脈である高速道路がもっと県民に気安く活用してもらえるようなPRをしていただきますようにお願いを申し上げまして、一般質問を終わります。
 ありがとうございました。
○議長(下川俊樹君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で松本泰造君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
      ─────────────────────
○議長(下川俊樹君) 本日は、これをもって散会いたします。
  午前十一時二十七分散会

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