平成10年9月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(大沢広太郎議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午前十時三分開議
○議長(下川俊樹君) これより本日の会議を開きます。
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  【日程第一 議案第百八号から議案第百三十七号まで】
  【日程第二 一般質問】
○議長(下川俊樹君) 日程第一、議案第百八号から議案第百三十七号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 1番大沢広太郎君。
  〔大沢広太郎君、登壇〕(拍手)
○大沢広太郎君 おはようございます。
 議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして質問をさせていただきます。
 紀伊水道における中型まき網漁業の操業についてであります。
 この質問に当たっては、昭和五十六年十二月議会と平成四年十二月議会、さらに平成五年七月の三回にわたり先輩議員がこの問題について質問をされておりますが、県当局の前向きなご努力も実らず、今日まで一向に問題の解決が図られず、和歌山県のまき網漁業者にとって非常に不利な厳しい現状を見かね、改めて質問をさせていただきたいと思います。
 現在、我が国は深刻な経済不況下にありますが、その中でも本県の水産業界においても水産物価格の低迷等の影響を少なからず受け、漁家経営また漁協経営は従来にも増して厳しいものとなっております。
 私の地元であります田辺漁業協同組合は、一本釣り、まき網漁業を主とする県下でも代表的な組合であることは周知のことと存じます。当漁協における平成九年度の水揚げ量は五千八百トン、水揚げ高は十四億五千万円余りであります。漁種別に見ますと、まき網漁業の水揚げ量は五千二百トンと全水揚げ量の八九%を占め、また水揚げ高も八億三千万円で全水揚げ高の五八%を占め、当漁業を維持する上で重要な漁業種類であることは申すまでもありません。また、当組合の正組合員四百十八名のうち百三十七名がまき網漁業に従事しており、当組合においては組合員の生活の支えともなっておるのが現状であります。
 和歌山県の中型まき網漁業の歴史は古く、昭和七年の日ノ岬漁業に始まり、昭和十年、三和漁業、昭和三十六年、田辺の陽明丸、昌勢丸、昭和三十七年、木下丸と続き、全盛期は三十数統のまき網船が船団を組んで紀伊水道を漁場として操業していたわけであります。
 ところが、昭和五十六年、徳島県が突然線引きをし、和歌山県に対して操業自粛を申し入れてきたのであります。つまり、五十年余り入会漁場として操業していた地域を、徳島の一本釣り漁業からの主張が強いという理由で、徳島と和歌山の中間ぐらいの線、正確には兵庫県淡路諭鶴羽山と沼島東端に見通し線を引き、この線から西側に入らないよう一方的に決めつけ、徳島県の取締船を使って停船命令をし、違反操業と決めつけ、罰金また五十日停泊命令など、強行手段に訴えてきたのであります。
 その後、平成五年三月には、田辺漁協の共漁丸が拿捕されたのを機に正式に法廷に訴えたところ不起訴処分になり、和歌山県側の正当性が認められる結果になったわけであります。しかし、漁業不振や乗組員の高齢化問題など、まき網漁業も淘汰され、現在では日高地区で三カ統、田辺で五カ統、計八カ統となった次第であります。
 以上、田辺漁協におけるまき網漁業の重要性を十分ご理解いただいた上で、紀伊水道における本県のまき網漁業と徳島県の一本釣り漁業との漁業紛争についてお尋ねをしたいと思います。
 昨年の十二月十六日に、本県のまき網漁業船団が紀伊水道西側海域において操業中、徳島県の一本釣り漁業者多数に取り囲まれ、兵庫県の淡路諭鶴羽山頂と沼島東端見通し線以西の海域は徳島県海域であると主張し、即刻操業を中止し、また漁獲しようとしている魚を放棄して当該線上より東側海域に出るよう威嚇され、身の危険を感じた和歌山県船団は、まき込んでいた魚を放棄させられ、操業中止に追い込まれており、また本年二月二十七日には、田辺漁協の五カ統のまき網船団が当該線上より西側で操業中、徳島県の一本釣り漁船八十隻余りが取り囲み、ジュースや缶詰、また火炎瓶のような火のついたものを投げつけて操業を妨害し、さらに漁船に不法侵入してロープを切断しようとしたことなど、昨年の事例より増して強い威嚇を受け、操業の中止を余儀なくされております。
 この問題は、先日、田辺市議会の一般質問で取り上げられ、怒りを込めて質問に立った宮田議員に対し、脇中市長は「漁業区域に関しましては県の所管でございますので、和歌山・徳島の両県におきまして円満解決に向けて調整が図られるよう県当局へもお願いしたいと思っております」との答弁であり、一市町村ではどうにもならないと、県のご尽力に期待する答弁となっております。
 そこで、徳島県の一本釣り漁業者が徳島県海域と主張している兵庫県の淡路諭鶴羽山頂と沼島東端見通し線は、過去の質疑、答弁の中で、昭和二十四年の漁業法改正後、現在は存在していないと伺っていますが、現在でも変わりはないのかどうか、知事のご所見をお伺いいたしたいと思います。
 次に、農林水産部長にお尋ねをいたします。
 徳島県が主張する境界線が存在しないのであれば法的にも何ら問題のない海域での操業に対して、徳島県の一本釣り漁船八十隻余りがジュースや缶詰や火炎瓶のようなものを投げつけたりする一連の集団的な操業妨害について、県当局はどのように受けとめ、対処してきたのか、見解をお伺いしたいと思います。
 次に、南紀熊野体験博について。
 先日、私が住む田辺市で、県道芳養清川線の上芳養工区が完成し、地元出身の西口知事や壇上におられる下川議長も出席され、竣工式が行われました。この道路は、日高郡南部川村清川地区と田辺上芳養地区を結ぶ道路として、従来の県道のコースより時間も大幅に短縮され、地元民待望の道路として喜ばれております。
 また、来年四月から半年間にわたって開かれるジャパンエキスポ・南紀熊野体験博リゾートピアわかやま99では、大勢の行楽客がマイカーなどを利用することは間違いありません。この上芳養バイパスのように、南紀熊野体験博に向けて紀南地方では数多くの道路整備が進められています。
 国道四十二号では、田辺市から上富田町六・九キロを結ぶ田辺バイパスには今年度十六億円が投じられ、整備が進められているほか、新庄地区と秋津高架橋の整備では、四車線化が今年度末の完成を目指して急ピッチで進められていると聞いております。このほか、補助国道、いわゆる三けた国道については、国道三百十一号では上富田町岩田地区の二・八キロで進められている上富田二工区や、中辺路町の小広から野中までの五・五キロの中辺路五工区、本宮の武住から中辺路町の小広までの四・四キロの本宮一工区、また国道四百二十四号では、龍神村小家谷工区、延長三・二キロも急ピッチで工事が行われております。
 一方、県道関係では、田辺龍神線の田辺市秋津川工区や田辺白浜線の田辺市内ノ浦工区と堅田工区、それに龍神中辺路線の中辺路町水上・栗栖川工区が主な工事区間として挙げられております。
 そこで、お聞きしたいのは、現在工事中の国道百六十八号、熊野川本宮工区も含めて、先ほど述べました各工区では、熊野体験博に向けて今年度末完成や来年度末完成予定とされていますが、利便性の向上や交通の円滑化という点から供用開始を早める計画はあるのかについて、土木部長にお聞きいたしたいと思います。
 また、西口知事が唱えている県内二時間交通体系の道路整備推進策への取り組みについて、知事のご所見を賜りたいと思います。
 次に、先日、九月十七日に南紀熊野体験博のイベントの概要が発表されました。熊野古道を舞台にした十万人がウオークするテーマイベントの十万人の熊野詣を初め、歩いたり、マリンスポーツを楽しんだりする体験型イベントが中心のほか、紀南十六市町村が自然や伝統芸能をPR、また田辺市と那智勝浦町にはシンボルパークが設けられ、開会式やテーマ館の設置、また、さまざまなイベントが展開されると聞いております。私は、このイベント開催地の地元の一人といたしまして、イベント成功に向けて質問をさせていただきます。
 そこで、一番問題となるのは、田辺市を中心に生じている交通渋滞の解消についてであります。この博覧会は自然を生かした体験型イベントが数多く催され、土曜、日曜、祝日には大勢行楽客が訪れるのは必至であり、国道四十二号線を中心に大きな交通渋滞が生じるものと予想されます。また、開催期間もゴールデンウイークやお盆休み、それに夏休みを挟んだ百四十四日にわたっており、期間中、田辺市を中心に慢性的な交通渋滞が懸念されるわけであります。警察本部交通部のデータでは、ことしのゴールデンウイークの期間中の五月四日の振りかえ休日の渋滞が最も大きく、南行きは海南湯浅道路で十七キロ、国道四十二号では南部町山内で十一キロ、田辺市稲成町で六キロ、また北行きも同じ四日が最大で、海南湯浅道路二十一キロ、南部町八キロ、田辺市六キロなどとなっています。
 ここで最も大事なことは、田辺市を初めとする国道四十二号線などでの地元住民の生活道路が確保できなくなるという心配です。特に、田辺市の稲成から芳養にかけて、土曜、日曜はもちろんのこと、平日の通勤時間帯を中心に渋滞が生じております。特に土・日は、この渋滞であふれた車両が県道湊田辺線や文里湊線などに迂回し、市内の繁華街や細い路地にまで入り込み、道に迷ったドライバー等を地元の人たちが道案内をする光景もしばしば見受けられるのが現状であります。
 私の住む田辺の人たちは、熊野博で期間中二百万人もの行楽客が押し寄せると田辺の市内の大渋滞はもっとひどくなるのでは、また生活道路が確保できないのではと、不安を募らせています。県では庁内の推進本部内に交通輸送対策部会を設置し、また南紀熊野体験博実行委員会では交通対策連絡協議会を設置するなどして、JRを初め地元のバス・タクシー会社、それに警察等と協議を続け、公共輸送機関の充実強化や駐車スペースの拡大などを促進していると聞いております。また、輸送計画では、JRの特急の増便や那智駅への臨時停車、紀伊田辺から新宮間の普通列車の運行の増便などを要請しているということです。また、バス輸送では、路線の見直しを初め、国道三百十一号や国道百六十八号の整備促進に伴って、中辺路や本宮を経由する白浜・那智勝浦間の特急バスの運行についても明光バスや熊野交通によって進められているということです。また、警察では、会場や特設駐車場周辺の信号機の整備を進めているほか、渋滞等の交通情報を伝える小型文字情報板の新設、それに違法駐車警告システムの導入などに取り組まれているということであります。
 しかし、我が国では一世帯平均一・五台の車を所有するといった車社会の中で、熊野博の中でのマイカー利用者は大変多いと思われます。そこで、県当局ではこれらの交通混雑の緩和対策についてどのように取り組まれているかについてお伺いをいたします。
 また、田辺新庄シンボルパークでは、神島台市営グラウンドなど、臨時駐車場が設けられるようでありますが、これら臨時駐車場で十分収容し切れるのかどうか、新庄地区の住宅街への不法駐車や、あふれた車両が田辺や白浜のスーパー等の駐車場に放置されたり、はんらんしないかどうか、懸念されるところであります。この駐車場対策についてもあわせてお伺いをいたしたいと思います。
 次に、毒入りカレー事件でありますが、この事件において、谷中自治会長さん初め四人の方のとうとい命が奪われ、六十三名の方々の入院あるいは通院を余儀なくされるという惨事となりました。亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、入院・通院の被害に遭われました皆様方に心からお見舞いを申し上げる次第であります。
 この問題につきましては先輩議員が質問をされておりますが、私は少し視点を変えてお話ししたいと思います。
 七月二十五日の発生以来、きょうで丸二カ月が経過し、捜査員らは連日連夜、休日返上で事件解決に向けて捜査に当たっています。しかし、週刊誌は過去の未検挙事件を取り上げ、和歌山県警は迷宮警察やとか、全く関係のないセクハラ警官の記事を掲載するなど、捜査員の日夜にわたる苦労をそっちのけにした暴挙とも言える記事がはんらんし、残念な思いがしてなりません。
 そうした中、今月二日、連日捜査に当たっていた県警捜査一課の村井警視が、過労のためクモ膜下出血で倒れ、四十七歳の若さで刑事人生を終えました。捜査本部員は、事件発生後十日余りはずっと未明の帰宅となったほか、それ以後も夜十一時前後の帰宅がほとんどで、午前零時を回る帰宅も週一、二回はあるということであります。また、月に四、五回の宿直勤務を行い、その宿直勤務明けも通常の勤務体制で捜査に当たっているということです。第二の村井さんが出てもおかしくないくらいの状況だと聞いております。とはいっても、今回の毒物混入事件は和歌山県警始まって以来、これまでにない最大の事件であり、一日も早い事件解決が強く望まれているのであります。
 そうした中で、捜査員らは事件の解決に向け、休日返上の状態が続き、小さな子供を持つ捜査員は、ことしの夏休み中は子供をどこへも遊びに連れていけなかったほか、家庭での子供との夕食も長い間味わっていません。また、一部で始まった学校の運動会への出席もできないなど、家族を含めて厳しい状況に置かれているのであります。
 私の知り合いの警察官の話によりますと、昔の先輩刑事は「刑事が休むのは死んでからや」とのせりふを吐き、事件解決に向けてのベテラン刑事の執念を感じ取ったとの話が印象的でありました。刑事が銭金で仕事をできないのは当たり前と言えば当たり前のようでありますが、犯人逮捕のときなどに上司や先輩刑事から「よくやった、ご苦労さん」、この一言が勲章のようなもので、この一言が刑事のやりがいと考えているのが現状のようであります。
 しかしながら、このように身を粉にして、しかも家族を犠牲にして働いたことに対し、少しでも苦労に報いるために、超過勤務手当等、給与面での処遇でこたえてやるのが重要であると考えます。したがいまして、県当局及び県警察におかれましては、一日も早い事件の解決に向けて厳しい状況の中で捜査を行っている捜査員等に対しても思いをいたし、超過勤務手当を含め、捜査員を初めとする職員の処遇について本部長のご所見をお伺いいたしたいと思います。
 これで、一回目の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
○議長(下川俊樹君) ただいまの大沢広太郎君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
  〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 大沢議員にお答えをいたします。
 まず、本県と徳島県との漁業調整上の線に関してであります。
 この件につきましては、過去の議会でも何回か答弁されているところでございますけれども、徳島県の主張しているいわゆる慣行線は、昭和二十六年に現行漁業法が施行されたことにより消滅しているものと考えております。したがいまして、当該海域は入会海域であるとの本県の考え方につきましては、現在も変わってございません。
 本県の中型まき網漁業の操業に関する漁業調整上の問題が今もって解決していないことにつきましては大変苦慮しているところでございまして、今後とも両県漁業者が円満な操業ができるように一層の努力をしてまいりたいと考えております。
 次に、南紀熊野体験博に関連して、道路整備などについてであります。
 二十一世紀に向けまして、産業経済の発展あるいは生活交通の確保による県民福祉の向上を図るためには、県内の主な都市間を半日で往復できる、いわゆる二時間行動圏構想の実現がぜひとも必要であると考えてございます。このために、本年二月に策定をいたしました県の長期総合計画にもこれを施策として位置づけまして、平成十年度予算におきましても予算の重点配分など、推進策を大幅に拡充しているところでございます。
 こうした中で、本年、近畿自動車道紀勢線の御坊・南部間、京奈和自動車道の橋本道路、さらに那智勝浦道路と、県内三カ所において高速道路の新規着工がなされるなど、着実な整備に向けて大変明るい展望が開けてきていると考えてございます。
 とりわけ、国道三百十一号の中辺路・本宮間の開通は、念願でございました紀南地域の横断骨格軸を形成いたしまして、これにより西牟婁・東牟婁地域の交通利便性が飛躍的に高まり、二時間行動圏構想の実現に向けて大きく前進するものと考えてございます。今後とも、二十一世紀初頭の構想の実現に向けまして、重点的に幹線道路網の整備促進に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 農林水産部長尾崎武久君。
  〔尾崎武久君、登壇〕
○農林水産部長(尾崎武久君) 大沢議員にお答え申し上げます。
 紀伊水道における中型まき網漁業操業妨害に対する見解とその対処についてでございますが、本県まき網漁業者に対する操業妨害に対しましては、決して許される行為ではないと認識してございまして、まことに遺憾であると考えてございます。
 去る二月二十七日の事案が発生後、直ちに徳島県に対して厳重に抗議を行うとともに、再発防止についての指導等を強く要請したところでございます。
 今後、このような不測の事態が発生した場合は、まき網漁業者みずからが法的手段をとることも考えられますが、このような事案の再発を防止するために、水産庁を含め、両県行政担当者、また両県の関係漁業者間において円満操業のための協議を重ねているところでございます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 土木部長長沢小太郎君。
  〔長沢小太郎君、登壇〕
○土木部長(長沢小太郎君) 大沢議員の南紀熊野体験博における道路整備の問題についてお答えいたします。
 来春開催される南紀熊野体験博に向けて、国道三百十一号、四百二十四号や県道田辺白浜線を初めとして全面的に工事を進捗しており、できる限り工期の短縮を図るとともに、可能な箇所では部分的な供用にも努めているところでございます。
 具体的に申し上げますと、国道三百十一号の中辺路・本宮工区については工事も順調に進んでおり、これまで同様、完成した箇所から順にできるだけ早期に供用したいと考えております。
 県道関係では、龍神中辺路線の水上・栗栖川工区が既に本年八月に供用しておりますし、田辺白浜線の内ノ浦工区、堅田工区についても本年度中の完成に向け努力しているところでございます。
 ご指摘のその他の各工区につきましても、特に狭隘な箇所について事業期間を早めることにより可能な限り多くの区間の本年度内の部分的な供用を図ることにしておりまして、またそのように予定しているところでございます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 生活文化部長大井 光君。
  〔大井 光君、登壇〕
○生活文化部長(大井 光君) 大沢議員のご質問にお答えいたします。
 南紀熊野体験博における交通混雑の緩和対策についてでございますが、県といたしまして、企画部、土木部、県警本部等、一体となって取り組んでいるところでございます。
 まず、道路整備につきましては、国道三百十一号全工区の供用開始や国道四十二号田辺バイパス新庄地区の四車線化の供用開始、県道田辺白浜線の供用開始等に向け取り組んでいるところでございます。また、南紀熊野地域への車両のスムーズな運行を確保するため、国道四百二十四号、三百十一号等、広域幹線ルートを主体に道路案内標識の充実に努めているところでございます。
 次に、ドライバーへのきめ細やかな道路情報等の提供についてでございますが、迂回道路の利用促進等を図る道路地図の製作、黒潮ネットワークを使った道の駅でのタッチパネル、インターネットによる道路規制や観光情報の提供などを実施する予定でございます。
 さらに、信号機等の交通基盤整備についてでございますが、平成九年度には田辺、白浜、新宮地域等の交通の分散化、円滑化を図るため小型文字情報板を設置したところであり、平成十年度には田辺新庄シンボルパーク周辺の新設道路や国道三百十一号、三百七十一号等を中心に、南紀熊野地域への誘導ルートの対策として交通信号機や違法駐車抑止システムの設置を予定しているところでございます。
 一方、田辺新庄シンボルパークの駐車場につきましては、駐車場予測に基づいて市営の神島台グラウンドと周辺民有地を場外駐車場として使用できるよう現在調整中でございます。また、会場周辺道路での不法駐車等を排除するため警備員を配置するなどして、周辺地域住民にできるだけご迷惑をかけないよう対応してまいる所存でございます。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 警察本部長米田 壯君。
  〔米田 壯君、登壇〕
○警察本部長(米田 壯君) 大沢議員のご質問にお答えをいたします。
 去る七月二十五日に発生いたしました和歌山市園部における毒物混入事件は犯罪史上まれに見る凶悪犯罪であり、その捜査につきましても、県警察始まって以来とも言える捜査体制で臨んでいるところであります。
 議員ご指摘のとおり、事件発生以来、全力を挙げて捜査や地域安全対策等に取り組んでおり、捜査員はもちろん、地域警察官等、多くの職員にも相当な超過勤務を強いているところであります。
 超過勤務は、本来、予算の範囲内で命ずべきところでありますが、今回の毒物混入事件のような重大突発事件が発生した場合には、その事件の解決を最優先に対応しなければならないなどの警察業務の特殊性から、実績どおりに手当を支給することが困難な実情にあります。なお、このような場合であっても、可能な範囲で超過勤務の実績に応じた支給に配慮をいたしております。
 警察といたしましては、議員のご指摘を踏まえながら、職員の健康管理面や福利厚生面にも配慮しつつ、より適切に対処してまいる所存であります。
 以上でございます。
○議長(下川俊樹君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 1番大沢広太郎君。
○大沢広太郎君 答弁をいただきましたが、数点の要望をさせていただきたいと思います。
 熊野博における道路整備についての答弁で、工事が急ピッチで行われているということが大変よくわかりました。また、渋滞対策については公共交通機関の活用、何よりだと思っております。陸・海・空にわたり、列車、バス、船、飛行機の臨時便の増発を推進していただくとともに、列車利用の促進策として期間中いつでも使えるフリーシーズンパスの発行を検討してはいかがでしょうか。また、土・日等に多くイベントが催されることから、それらのイベントの人出予想を県警等と協議し、交通渋滞の解消に努められてはどうかと思います。
 毒入りカレー事件の件ですが、私が聞いた話では、本県の超勤の支給状況は、警視庁や神奈川県警など人口の多い都道府県警察と比べて半額ぐらいになるのではとのことであります。これは、県の財政力や財政事情に応じて条例により支給されているとのことであり、財政力の豊かな東京などとは格差が生じているということであります。
 不眠不休状態で身を粉にし、家族を犠牲にして捜査に当たっている現状を踏まえ、支給をしてあげてほしいと思います。よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 最後に、中型まき網漁業の操業問題であります。
 地元の漁協では刑事事件として告訴してはどうかとの意見もありますが、組合長らが関係方面に奔走されている中、事態の推移を見守っているというのが実情であります。漁業者同士で血を見るような争いにならないように、行政が未然に防ぐよう努力していただきたいのであります。
 まき網漁業の水揚げを大変左右するものであり、重大な問題であります。田辺のみならず、本県まき網漁業船団が徳島県の一本釣り漁業者の妨害を受けることなく安心して働けるよう、県当局に早期解決を強く要望し、私の質問を終わります。
○議長(下川俊樹君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で大沢広太郎君の質問が終了いたしました。

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