平成9年9月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(木下善之議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

○副議長(阪部菊雄君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 2番木下善之君。
 〔木下善之君、登壇〕(拍手)
○木下善之君 議長の許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。
 まず最初に、産業廃棄物についてでございます。昨日、向井先輩議員より質問なされましてそれぞれの答弁をいただいておりますが、重大な問題であるだけに、幾つか関連もございますので、私からも質問をいたしてまいりたいと思います。
 まず最初に、日本工業所の一日も早い完全解決をということでございます。
 橋本市菖蒲谷近隣の日本工業所の産業廃棄物中間処理場の解決については大変苦慮されているところでありますが、西口知事の英断により、本年五月一日より産廃の持ち込み禁止、焼却中止、さらに七月より産廃の堆積物持ち出し、おおむね二万立方メートルの三分の一相当量、トラックにして約六百三十台を九月末までとし、現在その作業に取り組んでいるところでございます。幾らか進んでいることは結構でございます。残り三分の二相当量については、財源確保の面もあろうと思うが、相手方と話し合いを持たれ、第二次持ち出し計画をぜひ検討されるよう切望し、県民がひとしく幸せをつかめるために、一日も早い改善解決に向け、西口知事のよろしい答弁をお願いするところであります。
 次の五点について、生活文化部長にお尋ねをいたします。
 ダイオキシン及び水質検査の問題でございます。
 昨日の向井議員、けさほどの中山議員からも話がございました。本年六月、日本工業所と思われる現場下流で、民間の研究機関で行った水質検査において排出基準を上回る鉛が検出された事実は、ただ単に鉛だけの問題でないと受けとめております。また、ダイオキシンの問題は、我々も幾らかの認識はあったものの、ことしに入り全国的にクローズアップされただけに、事の重大さをさらに深めたところであります。ダイオキシンの主な発生源とされる廃棄物焼却炉の排出による法的規制が本年十二月より施行されるようになっているが、主にごみの焼却過程で発生し、大気中に放出され、特に塩化ビニール系の燃焼が多く発生し、温度は八百度以上の燃焼ではほとんど発生されないと言われてございます。一方、土壌中あるいは溶解して流れ出る水のダイオキシンの測定は大変難しいと昨日の答弁でお聞きしてございますが、分析が十分確立され、他府県に先駆けて実施されることを強く申し入れておきます。
 なお、厚生省の排ガス測定マニュアルを見てみると、大変難しいようで、三十ページにわたる分析手順を書いておりますが、内容からして、分析日数、経費等がいかほどかかるのか、参考までにお尋ねをいたしておきます。
 また、水質検査は実施すると昨日の答弁でございましたが、住民が不安感を持たないためにも適切な検査をされるよう、これまた強く要望をいたしておきます。
 次に、日本工業所の現場管理のことでございます。
 七月以降、産廃の持ち出しを開始するにつけ、県は過去において保健所を窓口としていたが、七月以降の持ち出しについて社団法人和歌山県産業廃棄物協会が現場管理と聞くがそうであったのか、地元の声として、入るときは満載し、持ち帰るときは大変少ないと言っているがどうであったのか、伺いたい。多額の経費を伴う搬出であります。昨日も答弁がありましたが、再度確認の意味で伺っておきたいのであります。
 次に、持ち込み停止以降、五百台以上の残土をなぜ入れたのか、またふるいかすの処理についてお尋ねをいたします。
 五月から七月にかけ、焼却を中止させる条件とも言える残土を五百台以上投入したことについては、私も再三担当課へ申し入れた件であります。南斜面の堰堤を構築するためと言われているが、現場の土でなぜできないのか、土の下に相当量の産廃の分別に伴うふるいかすが堆積している上へ五百台の土を入れている現状では、全部持ち出しとなると大変なことであります。現在、分別されていないものが残り一万四千立方メートル程度で、これは西口知事にお願いして今年度中にでも持ち出し願いたいとしているが、分別した土と称するふるいかすの堆積物は、恐らく相当量があると考えられます。これは、管理型施設の設置により水処理をするか、持ち出しを行うか、あるいは安全であると言われるのか、この点についても再度確認をいたしておきます。
 次に、越境に関する指導要綱が生かされているかということでございます。
 平成九年六月十六日から施行されているが、他の業者から橋本市内へ入っておるのではないか、橋本市は今、産廃銀座とも言われており、その実態について調査されたのか。出ていく産廃、入ってくる産廃、夜間、早朝にも入ってくるというさまざまな実態であります。産業廃棄物の越境に関する指導要綱が生かされているのか、伺いたいのであります。
 次に、本県の今後の産業廃棄物処理対策であります。
 今後は、国の改正による産業廃棄物処理法、県の指導要綱等を踏まえ、また地域産業廃棄物適正処理連絡会議の上で適正な処理対策を行うよう万全を期していただきたい。今後、それぞれの地域で発生する産業廃棄物は、その地域において行政サイドで、あるいは公社で適正処理に向けて推進すべきであります。府県間で広域的に取り組むべき必要な点で、奈良県西吉野村奥谷の産廃富士も見させていただきましたが、数万トンからの廃棄堆積物が分解し、流れ出る水は紀の川であります。下流域は六十万人余の飲料水となっており、現在では全く放置の状態で、解決の見通しは立っていないと言っている。菖蒲谷も同じであるが、これらの原点を調査され、山と積まれてからではなく、投棄の初期段階でその火を消すため、関係地域の監視体制の強化策も重要な未然防止の一つと言えるのではなかろうか。
 以上、今後の本県における産廃の未然防止を含めた処理対策について伺っておきますが、まずは日本工業所の産廃をおさめることが急務であることを重ねて申し上げておきます。
 次に、道路交通網の整備促進について。
 まず、市脇・清水間の架橋促進についてでございます。
 本問題は、国道三百七十一号橋本バイパスの延伸として、東西に国道二十四号と交差し、紀の川左岸には国道三百七十号とさらに交差する結節点と位置づけされる紀の川架橋であります。西口知事のご熱意で、京奈和自動車道橋本道路、国道三百七十一号橋本バイパスの両線は、平成十七年完成を目途に急ピッチで用地買収等、また一部今年度内に工事着手と聞き及んでおり、拠点都市地域にふさわしく、産業振興の上で大きな意義を持つものと期待いたしております。
 一方、本題である市脇・清水間の架橋は、国道三百七十一号高野山バイパス構想の玄関口をなす位置にあって、橋本市及び近隣町村、関係団体等全組織を挙げ、二十年近い長きにわたり促進運動を展開しているだけに、また本県の将来展望からも大変重要であると私どもも受けとめておるところであります。とりわけ、国道二十四号線の交通渋滞の緩和策にも大きく寄与するものと考えてございます。
 振り返りますと、大橋知事時代に話が出まして、仮谷前知事の当初ごろに市を中心に促進協議会の組織が生まれました。今日、西口知事にこのことが引き継がれておるところであります。この架橋は、県の重要課題と位置づけられ、平成六年から七年に県独自のボーリング調査を経て、国と設計協議、河川協議を重ねていると聞き及んでおります。協議が終わると事業認可を待つところまで来ていると判断いたしますが、一日も早い事業化を望むところであり、土木部長の答弁を求めます。
 次に、国道三百七十一号高野山バイパスについて。
 平成七年に本ルートの県計画案について説明を受けました。紀伊丹生川ダムの水没に係るためのルート変更バイパスであります。昭和五十五年、高野龍神スカイラインが開通したことにより、龍神方面以南の観光客は十倍増と聞かされましたが、一方、高野山、九度山の現道は一部改良されているが、三十年前と余り変わっていなくて狭隘であります。
 ご承知のとおり、国道三百七十一号は中紀を経て串本へ通ずる本県東部の幹線であり、この地域はすばらしい景勝地や歴史を秘めた名所旧跡が多く、有形無形の資源を掘り起こすことは、本県観光に新風を吹き込み、古い伝統を持つ新しい観光地として、施設観光主体から行動体験型観光へと新たな魅力づくりを行うことにより本県東部の中山間地域に活力を与え、バランスのとれた県勢浮揚に大きくつながるものと考えたとき、紀伊丹生川ダム関連ではあるが、高野山への国道三百七十一号バイパスの早期事業化について土木部長の見解を聞かせていただきたいのであります。
 次に、紀伊丹生川ダム建設についてお尋ねいたします。
 まず、当初計画どおり進められるのかどうかということでございます。
 ダム建設は、雨が多く、また山の多い日本の国土にとっては大変重要な施設であると受けとめ、それぞれの地域にあっては、治水、利水等の機能を果たす上で当然と考えます。しかしながら、国が財政構造改革を今後積極的に進める中で水を治められない地域も相当数に上り、大変な事態となりつつあります。建設省は、全国で建設を計画している三百八十余のダムのうち、六ダムが中止、十二ダムが休止、およそ七十ダムが延期あるいは凍結とされておりますが、残りの事業についても来年度以降、第二次、第三次の中止や休止や凍結に切りかえることもあり得るとしているようであります。
 さて紀伊丹生川ダムは、大阪への分水を含む治水、利水の多目的ダムとして平成元年に実施計画調査に入り、概要調査あるいは現時点までのボーリング調査等により、重力式コンクリートダム、堰堤の高さ百四十四メートル、有効貯水量五千四百七十万立方メートル余りと聞き及んでおりますが、申し上げたように、社会経済情勢の変化等において、紀伊丹生川ダムは当初計画どおり進められるのか、具体性について伺います。
 また、審議委員会の設置と本会の開催計画についてでありますが、今後どう取り組まれるのか。
 以上、二点について、土木部長にお伺いをいたしておきます。
 次に、地元水没地域の同意と水源地域整備計画の具体策でありますが、県は今年度において、水没関係住民に対し具体的説明が行えるよう水源地域整備計画案の策定をいたしたいとしているが、どう示していこうとされるのか、企画部長にお伺いいたします。
 次に、地域医療体制の確立についてであります。
 まず一番として、医大本院の内部体制整備について。
 近年の保健医療を取り巻く環境は、人生八十年時代と言われる高齢化社会を迎え、一方、がん、心臓病、脳卒中などの成人病の増加等、疾病構造の変化、医学の進歩による医療の高度化など、大きく変化しております。国民医療費が年々増大する中で、国は医療機関の増設については今後抑制の方向を示すとともに、健康保険法の改正による社会保険本人負担の引き上げ、老人医療の一部負担の引き上げなど、医療を取り巻く環境は一段と厳しくなってまいりました。県においては、地域保健医療計画に基づき、二十一世紀に向け万全を期し、適切な医療計画を確立してまいらねばなりません。
 現在、県立医科大学附属病院が紀三井寺において建設途上であり、平成十一年春に完成移転と聞かされるが、本県医療の中枢的役割を果たすものとして期待をかけているところであります。建物だけは立派であると言われることのないように、内部体制について今から十分検討され、県民に信頼され、期待にこたえられる最先端の医療機関であるよう切望するところであるが、内部体制の整備についてどう検討されようとしているのか、県立医科大学長に伺います。
 次に、橋本医療圏における医療体制の充実について。
 県の地域保健医療計画では、橋本市及び伊都郡の各市町村で二次医療圏として橋本地域医療圏を形成しており、二次医療圏は、地域の概況、医療の現況、生活経済圏等の定住圏域など総合的に勘案しており、おのずから圏域の医療計画に基づき必要病床数が定められ、改築での増床はその圏域の枠内での増床が認められるところであります。
 橋本医療圏の必要病床数は八百九十七床、既存病床数は八百二十五床となっております。既存病床数の内訳は、国保橋本市民病院二百五十五床と県立医科大学附属病院紀北分院の一般病床で百九十床が圏域における基幹病院として位置づけられております。
 この医療圏における将来人口は、平成八年十万五千五百人、開発等により十年後の二〇〇六年には二七%増の十三万三千七百人、十五年後の二〇一一年には三五%増の十四万二千七百人と推計されております。一方、患者の流出でありますが、患者調査から、圏域で入院患者のうち五二・四%が受療され、四七・六%が主に大阪、奈良の医療圏外へ流出されており、流出の主なものでは、神経系、血液免疫障害、その他の疾患となっております。
 さて、お尋ねしたいことは、紀北分院は建設後四十年以上経過し、橋本医療圏の西部に位置して立派にその役割を果たしているところであるけれども、施設等、近代医療としてはいささか古くなっていると考えております。また国保橋本市民病院も、三十有余年経過し、駐車場を初め全体が手狭であり、加えて人口急増と相まって入院の部屋待ちが一カ月以上もかかるという現状から、やむなく圏外へ流出することがあって市民に多大の迷惑をかけております。現在、市民病院の基本構想の中で整備計画が立てられ、議会において改築の整備特別委員会が設置されたやに聞き及んでおります。
 以上のように、橋本医療圏の中で中核公立病院がいずれも改築の時期に迫られており、圏域に民間医療法人の八十ないし百五十床の施設三カ所、町立高野山病院を含め六つの病院がありますが、余り特色もなく同等レベルであることも流出患者続出の原因でなかろうかとも思われます。
 最後に、県において紀北分院の将来構想検討委員会を設置されて、紀北分院の将来について検討を始められたと聞き及んでおりますが、国保橋本市民病院も現在改築の整備計画が進められており、公立病院の役割を果たす橋本医療圏の医療体制の整備充実についてどうお考えなのか。将来を展望しての橋本医療圏にふさわしい公立の統合等による五百床相当の高度の拠点病院と位置づけの上、今後検討されるのか、その決断の時期が迫られていると考えます。
 そこで、橋本医療圏の整備充実について西口知事の所見をお伺いいたすものであります。
 以上で、私の第一回目の一般質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
○副議長(阪部菊雄君) ただいまの木下善之君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事西口 勇君。
 〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 木下善之議員にお答えをいたします。
 日本工業所の問題については、議員のお話にもございましたとおり、県としても懸命の努力をしているにもかかわりませず、いまだ完全解決に至っていない状況でございまして、大変苦慮しているところでございます。
 地元住民の皆さんのご要望におこたえするためには、法律の範囲内での措置では限界があることも事実でございまして、今後も引き続き粘り強く事業者及び橋本市と協議をしながら、残りの三分の二の廃棄物の処理とともに解決の道を探っていきたいと考えてございます。
 それから、橋本医療圏における医療体制の充実の問題でございます。
 橋本医療圏では、二次医療圏として入院医療を必要とする者に対して、その医療圏の中で満たされるように医療供給体制の整備を図っていく必要があり、同時に診療機能の分担あるいは高度化により地域の患者のニーズにこたえていかなければならないと考えておるわけでございます。
 公立病院には、一般医療のほか高度医療あるいは救急医療など、民間では対応が困難な不採算医療の役割を担わなければならない使命もあるわけでございます。現在、橋本市民病院においても県立医科大学附属病院紀北分院においても将来の整備に係る検討委員会が設置されており、その検討が進められているわけでございまして、私も十分承知をしているところであります。ただ、県といたしましては、こうした公立病院の今後の果たす役割について、橋本市を初め地元皆さんのご意見をお聞きしながら、ともに研究をしてまいりたいと考えております。
 以上であります。
○副議長(阪部菊雄君) 生活文化部長中村協二君。
 〔中村協二君、登壇〕
○生活文化部長(中村協二君) 木下善之議員にお答えを申し上げます。
 産業廃棄物の問題のうち、まずダイオキシン及び水質検査についてでございます。
 土壌及び水に含まれているダイオキシンの測定については、試料採取方法や分析方法が確立されておりませんが、煙突から出るガス中の測定方法については既に示されており、分析時間については試料を採取してから結果が出るまで約二カ月、経費については一回約百万円と聞いてございます。
 次に、日本工業所の現場管理についてお答えを申し上げます。
 七月以降の産業廃棄物の一部排出については、保健所の監視に加えて、社団法人和歌山県産業廃棄物協会に監理をお願いいたしております。搬出量については、マニフェストを集計することにより行っておりますが、保管中の廃棄物の減少状況について保健所等の立入調査でも確認いたしてございます。
 次に、五百台以上の残土を入れさせた理由及びふるいかすの処理策についてでございます。
 残土の搬入については、事業者において堰堤の整備、土間のぬかるみ対策のために入れたものでございます。また、選別後の土砂は現場で埋め立てておりますが、選別し切れなかった若干の廃棄物が混入しているものの、基本的には昨年六月、七月時点において悪臭やハエの対策のためにかぶせた土砂がふるい分けられたものと認識してございます。なお、若干混入している廃棄物の影響があるとすれば水質検査に反映されるものと考えてございます。
 次に、越境に関する指導要綱が生かされているのかというご質問でございます。
 現在、県内の産業廃棄物処分業者が処分をしている他府県からの産業廃棄物については、越境移動要綱施行時点で既に契約のあったもののみで新規の搬入は認めてございませんが、現在、橋本市内で要綱に違反する疑いのある件については目下指導中でございます。
 次に、本県の今後の産業廃棄物処理対策についてでございます。
 産業廃棄物処理に関する県の考え方は、産業廃棄物処理計画に示しているとおりでございまして、県内で発生した産業廃棄物は県内で処理することを基本姿勢といたしてございます。また監視体制については、地方機関である保健所の体制の充実、市町村を初め警察、他部局との連携の強化などの対応を行ってきたところでございます。一方、廃棄物処理法の改正によって、処理施設を設置する際には、環境影響調査を行うとともに関係市町村の意見を聞くことを義務づけるなど、施設の立地地域の意向を重視する方向に転換することとなってございます。
 今後とも、産業廃棄物の適正処理はもとより、処理施設の立地問題など、諸課題の解決に向けて積極的に取り組んでまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○副議長(阪部菊雄君) 土木部長長沢小太郎君。
 〔長沢小太郎君、登壇〕
○土木部長(長沢小太郎君) 木下議員のご質問にお答えいたします。
 まず最初に、道路交通網の整備促進についてのご質問でございます。
 市脇・清水間の架橋でございますけれども、国道三百七十一号の市脇・清水間架橋については、早期整備に向け、架橋にかかわる基礎調査として、交通量予測調査、ボーリング調査等を実施してきており、現在、橋梁の予備設計を行っているところです。これらの調査をもとに、平面二車線の現都市計画決定を基本に関係機関と調整を進めており、来年度新規事業採択に向け、国に要望を行っているところであります。
 次に、同じく国道三百七十一号の高野山バイパスについては、平成六年十二月に地域高規格道路として候補路線の指定を建設省より受け、現在、紀伊丹生川ダムの関連として関係市及び町と協議しながらルート検討等を行っております。今後、紀伊丹生川ダム事業と調整を図りながら、地域高規格道路として早期整備が図れるよう努力してまいります。
 次に、紀伊丹生川ダムの建設についてのご質問でございます。
 ダム事業については、議員ご指摘のように、全国的に非常に厳しい状況にあると承知してございます。紀伊丹生川ダムは、議員ご発言の中止等のダムの中には含まれておらず、今までどおり調査を進めると建設省より聞いております。
 この紀伊丹生川ダムの建設については、今後、知事、議会の代表、水没関係自治体の首長、議長、学識経験者等から成るダム事業審議委員会の意見を聞き、建設省近畿地方建設局長が判断することになります。ダムの諸元については、現時点までの調査結果では、重力式コンクリートダム、ダム高百四十四メートル、有効貯水容量五千四百七十万立方メートルと聞いております。
 財政構造改革会議の方針もあり、新規建設着手は極めて厳しい状況ではありますが、県といたしましては、今後とも審議委員会の動向を見ながら、関係部局とともに建設省に早期建設着手を働きかけてまいります。このダム事業審議委員会については、早期開催を知事初め関係機関とともに国に働きかけておりましたが、建設省近畿地方建設局では開催に必要な技術レポートの策定を鋭意進め、このたびその策定作業が完了したと聞いており、県といたしましても近々開催されるものと考えております。
 以上でございます。
○副議長(阪部菊雄君) 企画部長藤谷茂樹君。
 〔藤谷茂樹君、登壇〕
○企画部長(藤谷茂樹君) 木下善之議員にお答え申し上げます。
 紀伊丹生川ダムに関する水源地域の整備については、一、ダム建設に伴う影響の緩和を図ること、二、水没関係住民の生活再建を促進すること、三、水源地域の活性化を図ることを目的として取り組んでまいる考えでございまして、これまで水源地域整備の骨格となるつけかえ道路や工事用道路及び土捨て場等について関係市町や水没関係住民の方々に県としての考え方を説明し、ダム建設についてのご理解を得られるよう努めてきたところでございます。
 県といたしましては、議員ご指摘のように、本年度において水源地域整備計画原案を策定する予定でございまして、現在、ダム事業審議委員会設置の動向にあわせて準備を進めているところでございます。水源地域整備計画原案の策定に当たっては、関係する橋本市、高野町、九度山町や関係住民の方々の意見をお聞きしながら取り組んでまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(阪部菊雄君) 医科大学学長山本博之君。
 〔山本博之君、登壇〕
○医科大学学長(山本博之君) 医科大学附属病院の整備充実についてでございますが、議員ご指摘のとおり、本学附属病院が高度な医療並びに先端的な医療を提供する特定機能病院として、また地域の中核病院として果たさなければならない役割は大きいものがございます。さらに、新たに設置する生涯研修センターでの通信ネットワークを活用した診療支援等、地域医療機関との連携を一層深めていかなければならないと考えてございます。
 現在、新しい組織や運営等について検討しているところでございますが、その主な課題といたしましては、入院患者にゆとりと安らぎが与えられるような病棟食堂や談話室の設置等の環境づくり、がん患者に対するチーム医療や緩和ケアのための病棟の設置、手術室の増設と充実、リハビリテーション部や救急部門の強化充実、外来患者の診察、検査、会計等の待ち時間を短縮するためのシステムの導入などでございまして、関係機関と積極的に協議しながら、県民に信頼され、期待にこたえられる附属病院を目指しているところでございます。
○副議長(阪部菊雄君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 2番木下善之君。
○木下善之君 それぞれ答弁をいただいたところでございますけれども、少し要望を申し上げておきたいと思います。
 産業廃棄物問題は非常に全国的な問題でございまして三百カ所相当と聞き及んでございますけれども、その中でも香川県の豊島であるとか、岐阜県の御嵩、奈良県の西吉野、そして和歌山県の菖蒲谷近隣、これは五本の指に入るやにも聞いておるわけであります。やはり、地域住民を大変苦しめてございますし、また水質等においても一抹の不安を持っているのは確かであります。本県は、自然環境を売り出しておる県であります。すばらしい自然環境を生かしながら観光立県として今日ある面も確かでございまして、そうした中で産業廃棄物問題が全国ネットで再三放映されておるわけであります。本県の非常に大きなダメージにつながっていくことも確かであります。そうした点から、一日も早く菖蒲谷近隣の日本工業所問題の完全解決に向けて、橋本市とも十分に協議をいただきながら、地域住民もよかったと、そしてまた県も本当によかったなと言われるような喜びの日の来るのを待っておるわけであります。どうかこの点、よろしくお願いを申し上げます。
 もう一つ、橋本医療圏の問題で答弁もいただいてございますけれども、紀北分院の検討委員会、そしてまた橋本市民病院の委員会、それぞれの立場で入っておるのは確かであります。しかし、それぞれの立場のエリアの中で検討されていくということでなかろうかと考えたときに、橋本市の地域医療圏という、ある程度広域的な段階の中での各代表者の皆さん方での検討委員会といいますか、橋本医療圏の未来像はどうあるべきかということを踏まえて、高い次元で検討、メスを入れてみるべきではなかろうかという考えを持っておるわけであります。したがいまして、そうした広域の橋本医療圏域の中での、もう一つ上の段階の検討委員会の設置をぜひいただくことを要望して、私の一般質問は終わります。
 ありがとうございました。
○副議長(阪部菊雄君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で木下善之君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
○副議長(阪部菊雄君) 本日は、これをもって散会いたします。
 午後二時三十三分散会

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