平成9年6月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(谷 洋一議員の質疑及び一般質問)
県議会の活動
午後一時四分再開
○副議長(下川俊樹君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○副議長(下川俊樹君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
17番谷 洋一君。
〔谷 洋一君、登壇〕(拍手)
○谷 洋一君 私は、ふるさと東牟婁地方の活性化の観点から、南紀熊野体験博の成功に向けての諸問題、救急医療問題、吉野熊野地域振興協議会の具体的方向の三点についてお尋ねいたします。
まず、南紀熊野体験博についてお尋ねいたします。
熊野地域の振興は焦眉の急を要する問題でありますが、紀南地域全体の活性化の起爆剤として、かねてから西口知事が提唱されていた南紀活性化イベントと呼ばれていたものがついに「南紀熊野体験博」という形で具体化されたことは、まことに喜ばしいことであると感じています。
先ごろ、私のところにも南紀熊野体験博の基本計画書を送っていただきましたが、この基本計画書によりますと、「開催の目的と意義」として、「『ジャパンエキスポ 南紀熊野体験博 リゾートピアわかやま99』は、『世界リゾート博』の成功を受け継いで、さらにすすんで現実体験としてのリゾートライフを提案し、実証し、実現することを開催の目的とする。 また同時に、ジャパンエキスポの認定のもとに、南紀熊野地域の豊かなリゾート資源の高度な活用を図り、活力に富んだ個性豊かな地域経済社会の構築の実現をめざす」とあります。まさにこのことが、私がかねてから主張してきた点なのでございます。
過疎化や高齢化の進行に悩む熊野地域──その熊野地域の活性化について、私は昨年六月議会においても質問し、昨今の全国的な自然志向、アウトドア志向は願ってもない天の時であり、熊野独自のすばらしい自然や歴史という地の利を生かし、地域の温かい人の和を形づくることが必要だということをお話しさせていただきました。そういった条件を十分に踏まえたすばらしい博覧会が実行されるよう、東牟婁・西牟婁地域の住民はもとより、多くの県民が大いに期待し、注目するところであります。
そこでまず、この博覧会を熊野地域の振興という観点からどのような位置づけをしておられるのか、基本的な認識について知事のご所見をお伺いしたいと思います。
次に、体験博の具体的な問題について幾つかお伺いしたいと思います。
まず一点目として、基本計画書を読んで、ある程度私なりに博覧会のグランドデザインというか概要については理解しているつもりですが、改めて、どんな特徴を持つ博覧会であるのか、説明をお願いしたいと思います。
二点目は、他府県との連携についてであります。ご承知のとおり、南紀熊野地域は奈良県や三重県と隣接しており、基本計画書においても、関連広域地域として奈良県や三重県の名前が挙がっております。また去る六月一日には、和歌山県、奈良県、三重県の三県が集まって、吉野熊野地域の活性化を図るため吉野熊野地域振興協議会が設立されましたが、これらの県との連携は具体的にどうなっているのか、お伺いいたします。
三点目は、現在の進捗状況についてであります。今回の体験博は平成十一年四月から実施される予定であるとのことですので、計算いたしますと、既に残された期間は一年九カ月程度しかございません。非常に切迫した状況であると考えられますが、県及び市町村の取り組み等、現在の進捗状況はどうなっているのか。
以上三点につきまして、生活文化部長の答弁をお願いしたいと思います。
それから最後に、地域住民からの提言を一つ披露したいと思います。
基本計画書によりますと、今回の体験博について、「個別イベントの企画、実施に南紀熊野のそれぞれの地域の住民が主導して企画、プロデュース、運営を行うことを基本とする」とされております。いわゆる住民主導の考え方であります。私も、地域の活性化を目的とするならば、住民主導による地域の盛り上がりが非常に重要ではないかと考えており、そういった地域の盛り上がりの中から沸き上がってくる住民のアイデア等を吸い上げて博覧会のイベント等に反映させることが大切ではないかと考えています。
先ほども述べましたように、この博覧会は多くの県民が注目するところであり、特に直接対象地域である東牟婁地域等の住民の期待は大きく、早くも私のところに地元の方々からさまざまな提言、要望が寄せられております。その中で特に検討していただいてはと思われるものがございました。それは、シンボルパークとして予定されている那智勝浦町体育文化会館の多目的アリーナにおいて、南紀熊野体験博のテーマを明快に、しかもダイナミックに表現するために大型特殊映像システムを設置して、それによるシミュレーター体験というものを設定してはどうかという提言であります。
一九七〇年に大阪万国博で初の試みとして行われた仮設シアターにおける体験映像シミュレーターは、その後の東京の宇宙博、筑波の科学博等で大きな注目を浴び、特殊撮影、特殊映写技術の進歩と相まって、今や博覧会になくてはならない出し物の一つとなっています。世界リゾート博におけるドーム映像「水と大地のうた」の空中撮影による臨場感あふれる映像は、今でも私たちの脳裏に鮮明に焼きついています。
古来より先人たちが究極の信仰を求めて訪れた熊野三山、数多くの人たちに踏み締められコケむした熊野古道、日本一の高さを誇る那智の滝、静寂の瀞八丁、黒潮躍る熊野灘のほか、熊野の地には数え切れないほどのロマンあふれるリゾート資源がいっぱいです。これらの資源が高度な特殊撮影技術やコンピューターグラフィックスを組み合わせた映像におさめられ、さらに立体映写等の最先端技術を駆使した視覚表現システムで巨大スクリーンに再現できたら、これはまさにこの博覧会のテーマである「こころにリゾート実感」そのものであり、訪れた人々は臨場感あふれる、リアルでダイナミックな映像に魅了され、当地方のすばらしさをきっと隅々まで体感し、満喫していただけるのではないでしょうか。さらに、体験博終了後においても町づくり事業の中核的な施設として活用することができると考えますが、いかがでしょうか。一考されるよう提案いたします。
続きまして、紀南地域における救急医療等の充実についてお尋ねします。
この問題につきましては、昨年の六月議会においてもお尋ねし、「圏域内における医療機関の機能分担と連携を進めていくためにも、地域の実情やご要望をお聞きしながら必要な協力を行い、新宮・東牟婁地域の県民の皆様が安心して住み続けられる医療体制の実現に努めてまいりたい」との部長答弁がありましたが、先日、新宮市の三月議会において市民病院の蜂伏地区への移転が決まったところであり、ぜひこの機会に新宮医療圏における広域的な地域医療のあり方について関係者が幅広く議論を行うべきではないかと考え、今回、再度お尋ねする次第です。
新宮医療圏においては、医療機関の数や病床数などで見ると、単位人口当たりでは県平均を上回る値でありながら、私たち地域住民の間には、医療サービスが不足をしているという現実の感覚があるのも事実であります。これは、心筋梗塞や脳卒中等の救急患者に対する高度な医療が当地域には不足しているというところから来ているのではないかと思われます。
そこで、新宮医療圏を含む紀南における救急医療体制の整備について県は基本的にどのように考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
また、近年の医学の進歩により医療の高度化・専門化が進む中で、個々の病院があらゆる医療ニーズにこたえられるように整備することは極めて困難なことであるということについては、私も理解しているつもりであります。国保直営の串本病院が、国保古座川病院が、那智勝浦町立温泉病院が、それぞれに地域の医療ニーズのすべてに対応しようとしても、それには無理が生じるでしょう。また財政面では、これら町営の病院は建物が老朽化し、経営面でも、町の一般会計から多額の繰入金を受け入れて何とか運営を続けているという厳しい状況もあります。
いずれにいたしましても、人間にとって最も大事な命の問題です。東牟婁の住民は、病気になったらどうなるのかという不安に駆られ、県の医療行政に大きな期待を寄せているところです。新宮市民病院の整備内容が今まさに決定されようとしているこの時期に、これら町営の病院がそれぞれにどう機能分担して高度医療、専門医療に対応すべきか、地域医療の体制整備をどう図るべきか、関係者が一丸となって議論、検討を行う必要があります。
この際に危惧していますのは、この問題は広域的に調整が図られなければならない問題であるがゆえに、県が積極的に指導または調整に乗り出さなければなかなかその検討も進まないのではないかということであります。この点について県当局はどう考えておられるのか。
以上、紀南地域における病院間の連携促進、救急医療体制の整備に関して、福祉保健部長の答弁をお願いします。
最後に、吉野熊野地域振興協議会についてお尋ねします。
紀伊半島南部に位置する吉野熊野地域は、その独特な立地環境と風土により、古来からの伝統が脈々と受け継がれてまいりました。今議会冒頭に西口知事もお話しになりましたように、熊野は日本人の文化的、精神的なよりどころとして風格を備えた地域であり、また同時に自然、文化、歴史など固有のすぐれた資源を有している地域でもあります。しかしその一方で、本地域は日本最大の半島の南端に位置する厳しい地理、地形から他の地域と比較して人口の減少が著しく、過疎・高齢化が進展している状況にあります。産業面においても、かつて主要産業として隆盛を見た林業は、木材価格の低迷や外国製品の参入により衰退を余儀なくされ、農業、工業の集積も乏しく、押しなべて社会経済活動は低迷していると言わざるを得ません。
こうした厳しい課題に対応すべく、西口知事を先頭にして県行政としてもこれまで、南紀熊野体験博、熊野地域活性化計画、熊野学研究センターなど、夢のある施策やさまざまな取り組みを展開されてまいりました。特に、昭和五十六年以来八回を経過した三県知事会議については、そのほとんどがこの周辺地域で開催されてまいりました。その中で、交通体系、観光振興等各種施策について、三重、奈良、和歌山三県の知事が活発な意見交換をし、内外に提案されてきたところであります。さらに、昨年は知事同士の議論の場もあり、実際に三県共同による調査事業を実施し、人づくり、リレーイベント等具体的な提案をするなど、新たな展開も芽生えつつあります。
こうした流れの中、一つの成果として、去る六月一日、吉野熊野地域振興協議会が設立されたのであります。この協議会は、「奈良・三重・和歌山の三県境が接し、特に半島性が強い吉野・熊野地域について、奈良県・三重県・和歌山県の三県が協力して総合的・広域的な振興事業に取り組み、地域の活性化に寄与することを目的とする」となっております。また組織として、東牟婁振興局長を会長に、副会長として三重県県民局長、監事に奈良県企画部長、そこへ三県の地域振興局長を加えた協議会があり、その事務局を東牟婁県事務所内に置き、地域行政室長が事務局長を兼務し、本県はもとより三重県から専属の職員が配置されるなど、まさに地域に根差した実働的な協議会であると承知しております。さらに、その事業内容は、一、広域的に行う熊野体験博と連携したイベント等に関する事業、二、地域資源の利活用に関する事業、三、地域間の連携・調整に関する事業などとなっております。
もとより熊野地域、吉野地域は奈良、三重、和歌山の三県境に接しつつ、歴史的、文化的にも密接にかかわりを持ちながら経過してきたところであります。そして、今も同じ課題を持ち、同じような苦しみを分かち合っております。今回、議論を超え、県境を越えてさらに一歩踏み出した本格的な協議会が発足したことは、この地域にとって大変意義深い一歩であると確信する次第であります。
現在、熊野地域では毎年百五十万人を上回る観光宿泊客が訪れており、素材としての熊野は、徐々にではありますが、広く全国に浸透しつつあると言えます。長期的な視野に立って各種の施策展開の現状と余暇活用へと向かう時代の流れを考え合わせれば、今後、当地はかつてなかったような活気を帯びてくるのではないかと考えています。
活性化に向けた土壌は、まさに調いつつあると言えるでしょう。二十一世紀まであと三年足らず。内外で大きな変化が叫ばれて久しいものがありますが、我が国の行く末を見きわめるような明確な答えは出ておりません。しかし熊野地域においては、現況とそれを取り巻く状況を顧みるとき、地域の未来がうっすらと見えてきているのではないかと考えております。そして、この数年間は、その未来へ向けて歴史的な変化を遂げなければならないときであると考えております。私たちは、厳しい現状と課題の解決に向けて、これからが正念場であることを肝に銘じなければなりません。
そうした時期に設立されたこの協議会には、地域からも大きな期待が寄せられております。今回設立した協議会の趣旨を果たすことが熊野の未来につながるのであれば、私たちは今こそ懸命に動かなければならない。県と市町村、行政と民間、その垣根を超えて一人一人が未来のため、ふるさとのため何ができるのか、何をすればよいのか懸命に考え、動き始めなければならないと考えております。
そこで、このたび設立された吉野熊野地域振興協議会は、長期的にはいかなるビジョンを持って、今後当面は具体的に何をしていこうとするのか、企画部長の答弁をお願いしたいと思います。
以上で、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○副議長(下川俊樹君) ただいまの谷洋一君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事西口 勇君。
〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 谷議員にお答えをいたします。
南紀熊野体験博に関する所見ということであります。
私はかねがね申し上げておるわけでありますけれども、豊かな歴史文化をはぐくんできた和歌山県、それは古くから日本人の安らぎの地であり、心のふるさとであったわけで、このことを私たちはもっと認識し、誇りを持たなければならない、そのように思っております。
本県が安らぎやいやしの最適地、すなわちこの体験博の基本テーマとしている「こころにリゾート実感」のできる地域であることを全国、さらには海外に広く情報発信をしていきたいと考えておるわけであります。
議員のご意見にもございましたように、全国的な自然志向、アウトドア志向と相まって、本県の持つ豊かな自然や歴史、文化といった地域資源はその価値をますます高めてきつつあると思います。そうした流れを受けて県といたしましては、本年、第二回全国アウトドアスポーツフェア、さらに平成十年度には第一回シオフアジア子どもフェスティバル、仮称でございますが紀伊半島フィッシングフェスティバル98、また先日、平成十一年度の本県での開催が決定した地域伝統芸能全国フェスティバルといったフェスティバルであるとか、紀伊半島の一体的な振興の観点から奈良、三重の三県共同で開催をする紀伊半島民俗芸能サミット、さらに南紀熊野体験博に呼応した紀伊半島リレーイベントの実施が予定をされておりまして、それぞれの地域の盛り上がりや期待、関心度が大変高まっておるわけでございます。
そうした中で、南紀熊野体験博により生み出される地域の担い手あるいは新たな地域産業などといった地域活力の高まりを博覧会終了後も継続をし、定着をさせることがさらに地域振興につながるものだと考えております。極めて重要なことだと思いますので、議員の一層のご協力をお願い申し上げます。
以上であります。
○副議長(下川俊樹君) 生活文化部長中村協二君。
〔中村協二君、登壇〕
○生活文化部長(中村協二君) 谷議員の南紀熊野体験博についての四点のご質問にお答えをいたします。
まず、特徴についてでございます。
南紀熊野体験博は、一カ所に会場を定めて入場客を囲い込む従来の博覧会と異なりまして、南紀熊野地域を中心とする広域エリアでの展開を基本といたしております。具体的には、この体験博を象徴し、そこへ行けばこの博覧会の全体像がわかり、各地域で行われているイベントへの参加意欲をかき立てられるような場所として、田辺市の新庄総合公園と那智勝浦海岸の二カ所にシンボルパークを設置いたします。また、体験博の基本テーマである「こころにリゾート実感」を具体的にあらわす空間として、中辺路町から本宮町に至る熊野古道沿いをシンボル空間と位置づけておりまして、こうした広域展開が最大の特徴でございます。
また、この地域のすばらしい自然、熊野古道や熊野三山に代表される歴史文化、地域の伝統行事等、地域のすべての資源を活用し、訪れた人々に実際の体験を通してこの地域のすばらしさを実感していただこうと考えてございます。したがいまして、体験博の中では、十万人のアリの熊野もうでのような大がかりなイベントにも増して、地域の皆さんが主体的に企画立案し運営していくイベント、例えば地域の人が豊かな経験を生かして釣りや山歩きなどのリーダーあるいはガイドを務めるといった体験型のイベントを重要視しておりまして、このことも特徴の一つと考えてございます。
二番目は、他府県との連携についてでございます。
ご承知のとおり、基本計画において三重県、奈良県は関連広域地域とされておりまして、さきの紀伊半島知事会議においても、南紀熊野体験博を紀伊半島全体のイベントとして位置づけることに両県知事の理解を得たところでございます。これを受けて平成十年度に、先ほど知事からも話がありました、三県共同で紀伊半島フィッシングフェスティバルを開催いたします。また、十一年度には南紀熊野体験博とそれに呼応したイベントが各県で計画されておりまして、熊野古道などの三県に共通した財産を生かしながら、相互のイベント実施、広報協力等、具体的な連携を図っていきたいと考えてございます。
三点目、進捗状況についてでございます。
まず、主催団体である南紀熊野体験博実行委員会は本年四月二十五日に設立をいたしまして、五月二十一日には第一回の理事会が開催され、基本計画が承認されたところでございます。さらに、六月一日に全庁体制から成る南紀熊野体験博推進本部を設置いたしまして、県としての推進体制を整えたところでございます。一方、西牟婁・東牟婁の市町村につきましては、田辺市、新宮市が県事務所に職員を派遣しているほか、順次推進組織を設置し、活動を始めているところでございます。
なお、実行委員会では、現在、ロゴ、シンボルマークの制作等、広報宣伝活動に取りかかるとともに、県民の皆様方の意見をお聞きしながら、九月末を目途に実施計画を策定する作業を進めているところでございます。
四点目のご提言でございます。
議員ご提言の最先端の映像システムでございますが、これまでの博覧会では立体映像等を使った出展が数多く見受けられまして、博覧会のセールスポイントになっている場合もございます。今回の南紀熊野体験博は、南紀熊野地域を中心に、実際の体験を通してそのすばらしさを知っていただくことを主眼にいたしてございます。
今後、実施計画を策定していく中で地域のすばらしさをいかに知っていただくか、またそのためにはどのような工夫が必要なのか、議員のご提言も含め、検討していきたいと考えてございます。
以上でございます。
○副議長(下川俊樹君) 福祉保健部長小西 悟君。
〔小西 悟君、登壇〕
○福祉保健部長(小西 悟君) 谷議員にお答えをいたします。
紀南地域における救急医療についてでございます。
重症の救急患者に対応する二次救急医療につきましては、休日・夜間における病院群輪番制が中心的な役割を担っておりますが、東牟婁地方においては、当制度が平成四年度から実施されているところでございます。
〔副議長退席、議長着席〕
心筋梗塞、脳卒中などの重篤救急患者に対応する三次救急医療につきましては、厚生省の指導基準が人口百万人に一カ所となっているいわゆる救命救急センターが和歌山市内に設置されてございます。
紀南地方における今後の二次以上の救急医療につきましては、病院群輪番制の区域拡大を促進するとともに、より高次の救急医療が提供できる体制づくりを進めていくことが重要であると考えてございます。
議員ご指摘のように、新宮医療圏における病院連携のあり方についても、早急に検討すべき課題でございます。県といたしましては、平成九年度から医療体制リニューアル事業を創設し、新宮市民病院の移転整備の問題等も含めて、県、地元市町村及び病院関係者等の間で十分に議論を行ってまいりたいと考えてございます。
なお、特に救急医療の整備につきましては、不採算性が強い医療部門であることから、補助制度等の充実について、国に対して要望活動を続けてまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
○議長(町田 亘君) 企画部長藤谷茂樹君。
〔藤谷茂樹君、登壇〕
○企画部長(藤谷茂樹君) 谷議員ご質問の吉野熊野地域振興協議会についてお答え申し上げます。
この協議会は、議員お話しのとおり、「県境が接し、特に半島性が強い吉野・熊野地域について、奈良県・三重県・和歌山県の三県が協力して総合的・広域的な振興事業に取り組み、地域の活性化に寄与することを目的とする」ものであります。
一概に振興事業と申しても非常に幅広いものがございますが、同じ歴史文化を共有し、同じ課題を抱えた地域でありますので、それぞれの地域の魅力や個性を広域的に連携することで活性化への新たな弾みとなる展開を実施していこうとするものであり、本協議会の設立の意義には大変大きなものがあると考えてございます。
当面は、広域的に行う南紀熊野体験博と連携したイベント等に関する事業として、来年、仮称でございますが紀伊半島フィッシングフェスティバル98を開催するため、その準備を進めていきたいと考えてございます。また、地域資源の利活用に関する事業として、古街道、自然・歴史・文化資源の活用調査を国土庁から受託して実施いたします。さらに、吉野熊野の魅力を一層浸透させるため、地域資源のデータベース化と情報発信の手法の検討を進めたいと考えております。このほか、広域的な連携を強めるための事業展開や地域課題の解決に寄与する展開も視野に入れながら事業を進めてまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
○議長(町田 亘君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(町田 亘君) 以上で、谷洋一君の質問が終了いたしました。