平成8年6月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(玉置公良議員の質疑及び一般質問)
県議会の活動
午後一時四分再開
○副議長(木下秀男君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○副議長(木下秀男君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
25番玉置公良君。
〔玉置公良君、登壇〕(拍手)
○玉置公良君 議長のお許しを得まして、まず最初に教育問題を取り上げて質問をしてまいります。
教育問題は初めてでございますが、私自身の体験をもとに、特に高校中途退学者問題とその対応策について教育委員会の見解を求めていきたいと思います。
戦後、日本が豊かになるにつれて高校進学率は急上昇し、一九六五年に七〇%を突破した進学率は一九九五年三月には九六・七%に達し、ほぼ全入に近い高校進学状況が生まれています。教育の普及が日本の社会の発展に大きな力となり得たことは喜ばしいことでありますが、反面、学歴偏重、偏差値教育という社会風潮を生み、これがさまざまな教育弊害をもたらしております。高校中途退学者問題も、その一つであります。
全国の高校中退者は、九〇年の十二万四千人をピークに、九一年には約十一万三千人と減少し、九三年は九万四千人余りにまで下がりましたが、九四年には九万六千四百一人と、四年ぶりに増加傾向にあります。多少の増減はあるものの、ここ十年間平均して十万人の生徒が学校をやめていくということは、千人規模の高校が年間百校消えている計算になります。
さて、私の住んでいる田辺・西牟婁地方の県立高校で昨年度百名を超える大量の中途退学者を出した高校があると聞いておりますが、県全体で一体何人ぐらいの生徒が中途退学をし、あるいは留年をしているのか。まず、その実態についてお伺いをしたいと思います。
さらに、地域的な偏りや、普通高校とそのほかの高校との間での比率はどうかという点についてもお伺いをしたいと思います。
私の友人の子供が、他府県の大学進学を目的とした有名私立高校に入学しました。私立高校ですから、当然、その学校独自の教育方針や校則があります。入学式の日も、学校から、その内容と校則違反した場合の退学処分や謹慎処分についても説明をされたようであります。私の友人は、よく言えば子供を自由に、別の言葉で言えば甘やかして育ててきたので、無事卒業できるかどうか大変心配していました。友人が心配していたとおり、子供は学校の校則に順応できなかったそうです。かつてこんな生徒はいなかったと古い先生に言わせたほど校則に違反することが多く、当然、何回かの自宅謹慎もあったと聞いております。また、教科においても未習得単位があり、保護者である友人を大変心配させておりました。
何回か学校との面談もあり、心配になった友人は学校の役職の先生に退学処分の可能性について尋ねました。そのとき、先生がこんな話をされたと言います。「生徒は学校の客ではない。学校の構成員である。学校のルールに適応しないからといって、生徒を退学させて解決ということにはならない。退学させて社会に出しても、学校で適応できない者がそこで適応できるということはないだろう。学校内で適応できない生徒が社会に出たら、本人はもちろん、周りの人も大変困るでしょう。本人が人生の選択として退学を望むなら別だが、学校側から本人に退学を求めることはない。私たち教師が生徒を審査して、この学校に入学させたのである。入学させることに学校が同意をした以上、よほどの行為がない限り、引っ張っていってでも卒業させなければならない。その義務が私たちにある」、そう答えたと言います。
ちなみに、この学校では、問題行動のある生徒に対して、担任はもちろんのこと、生徒指導、学年主任の範囲にとどまらず、教科担当の何人もの先生が保護者と連絡をとり、厳しい中にも温かみのある指導をしてくれたと友人は言っていました。そして、その生徒は今、大学生として希望を持って社会に出る準備をしています。
私は、この高校の生徒指導や退学ということについての先生の基本的な考えに深く感動を覚えるものでありますが、留年、退学についての県教育委員会の基本的な考え方をお伺いしたいと思います。
学校に適応できない生徒を抱えた先生方の苦労もわかりますが、留年させたり退学させたりすることが子供たちの未来に希望を持たせることになるのかどうか。また、地域住民が大量に留年や中途退学者を出す学校を信頼し、安心して子供を入学させることができるかどうか。また逆に、学校が地域住民の信頼を培うことになるのかどうか。私としては大いに疑問を持つところでございますが、この点もあわせて見解をお伺いしたいと思います。
私は、高校中途退学者の問題には二つの課題があると考えています。一つは、中途退学者の数をどう抑えるかという課題です。もう一つは、高校に適応できないで中途退学していく生徒の新しい進路をどう保障していくかという課題です。
そこで、中途退学者の数をどう減らすかという問題についてですが、ことし二月十五日の朝日新聞夕刊では、文部省が行った中途退学者の調査によりますと、中途退学の理由は就職や転校などの進路変更が四三・三%と最も多く、次いで学校生活や授業になじめず通学意欲をなくした学校生活・学業不適応が二六・九%で、学業不信が八・八%、家庭の事情が五・六%となっています。こうした事情の背景には、昔は経済的理由が主な原因だったが、今日では偏差値教育による学校格差の拡大と不本意入学が挙げられると思います。
多くの生徒にとって高校は、学びたいからではなく、仕方なく入る学校になっていると思います。これは、我が国の教育制度が、高度経済成長期に新しい時代に対応して職業学科を細分化、多様化してきましたが、今日の新しい技術革新や産業構造の変化の中で職業学科の人気がなくなり、生徒や父母や時代の要望とかけ離れてしまった結果であろうと私は思います。我が国の教育界もそうした認識に立ち、高校の制度的な大改革期に入っており、偏差値序列にはまり込んだ既存の普通科、職業科高校の枠を超えて総合学科を設立するなど努力の跡が見受けられますが、まだまだ十分とは言えないと思います。
本県でも、総合学科のほかに、自然科学学科、国際学科などさまざまな学科が設立されていますが、生徒や父母の希望は多様化しております。希望学科と定員枠についても、生徒の実態とかけ離れているのではないかと心配をしております。
私は、中学生が、あるいは父母が、どういう学科にどんな割合で希望しているか、一度実態把握のためアンケートをとってみることが大切ではないかと思いますが、教育長の見解を伺いたいと思います。
次に、中途退学者の新しい進路をどう保障するか、中途退学者の受け皿をどうするかという問題です。
高校を中退したが不景気で働くところがない、自分に合った新しい学校もなかなか見つからないといった、行き場のない生徒が多いように聞いています。
今春、私は紀南の県立高校を中退した生徒の保護者から相談を受けまして、その生徒の新しい進路を探したわけですが、進路変更には大変困難な問題がございます。この生徒の場合、全国の高校中退者を多数受け入れている愛知県の私立黄柳野高校への編入を希望したのでありますが、わかるまで学べる学校、人間教育を進める学校として大変人気が高く、入学希望者が定員をはるかに超えるため、入学ができない事態となりました。そこで定時制高校への編入を試みましたが、既に退学をしているということでうまくいかず、本人も保護者の方も途方に暮れるということがありました。幸い、関係者の尽力により通信制高校で学ぶ機会を得ましたが、本人も両親も退学するだけでも大変なストレスを抱えるのに、スムーズな進路変更ができないということで大変苦しみました。この生徒の苦しみは、この生徒だけの苦しみのみでなく、多くの中途退学者も同じような苦しみを抱えているのではないかと考えます。この体験から私は、中途退学者に対する進路変更への支援体制、つまり受け皿づくりの面でまだまだおくれているという実感を持ちましたし、早急に対策を考えなければならないと思っています。
九二年十二月に、文部省の学校不適応対策調査研究協力会議が最終報告をまとめております。これによると、中途退学者の数だけを抑え込もうとするこれまでの方針を見直し、積極的な進路変更の支援や、中退後も復学などがしやすい、やり直しのきくシステムづくりなど、新しい方向を打ち出しております。恐らく文部省もこの方向に沿って指導しているものと考えられますが、本県における高校中途退学者の現状とその対応策についてどんな方針を持たれているのか、お伺いいたしたいと思います。
例えば、高校中途退学者の退学後の進路状況を十分追跡調査されているのかどうか。今日、中途退学者が就職をするにしても、就職氷河期の中で大変困難な問題を抱えています。他校に転校するのも大変難しく、行き場のない青年たちが相当数いるのではないかと思われますが、実態を把握されているかどうか、お伺いをしたいと思います。
私は、その対応策として、二つの点について提案をしたいと思います。
その一つは、現在紀の川高校と青陵高校に設置されているような、昼間つまり昼間定時制高校を充実させたり、ふやす必要があるのではないかということです。
平成八年度入学試験における出願数は、紀の川高校が定員三十名に対して四十八名、青陵高校が定員六十名に対して九十五名あり、定員を大きく上回っています。なぜこんなに人気があるのかと言いますと、昼間定時制高校ということで自然な生活リズムがつくれる、また一日の学習量が少なく負担が軽い、単位制で自分のペースで学習ができる、しかも三年で卒業ができる可能性がある、午後のアルバイトや求職活動ができる、こうしたことから不登校の生徒やカリキュラムのぎっしり詰まった全日制高校で適応できない生徒にとっても大変適した学校であると私は思います。
そこで、昼間定時制高校を紀南地方にも設置できないものか、お伺いいたします。
次に、中途退学者を抱えた父兄が困ることは、とりあえずどうしたらよいのかということであります。そこで、少なくとも退学者の多い三月の時期だけでも教育委員会が主催をした高校中途退学者電話相談所の開設を提案したいと考えますが、教育長の見解を伺いたいと思います。
先日、テレビ報道によりますと、年間八千人余りの中途退学者を出すお隣の大阪府では中途退学者に対する電話相談を既に始められていますし、民間では、岡山県の私塾経営をされている真鍋照雄さんが一九九一年二月ごろから中途退学者の悩みを聞く全国ネットを組織して高校中途退学者一一〇番を開設し、高校生の希望に沿った進路はどれか、具体的に中途退学者を受け入れる高校を紹介したり、大学入学者検定試験の指導、通信制高校への志願方法などを教えております。どうか、本県におかれましても、高校中途退学者が相談できる場所を設けていただきたいと思います。
以上、高校中途退学者とその対応策について質問してまいりましたが、教育とは奥の深いもので、まだまだ私自身もわからない点が多くあります。来年高校受験を控える子供を持つ親としても、今後とも機会をとらえて教育問題について質問していくことにしまして、高校中退者問題とその対応策の質問を終わりたいと思います。
続きまして、すばらしい自然環境を有する本県における観光立県推進の施策についてお伺いします。
前置きは省きまして、私は、一昨年開港した関西国際空港のインパクトを生かした、外国人も含めた観光客の誘致活動がこれからの観光立県和歌山のあり方に重要な意味を持ってくると考えています。
大阪市は、二〇〇八年のオリンピック開催の誘致活動に名乗りを上げ、これまでに国際化という観点から先進的な取り組みをされています。そこで、オリンピックが大阪市を中心に開かれますと、我が和歌山県には果たして外国人も含めた観光客の誘致を大きく図ることができるのでしょうか。
関西国際空港から和歌山への交通ルートを見てみますと、JR、南海とも日根野駅や泉佐野駅での乗りかえが必要であり、直接乗り入れる列車はありません。また、関西国際空港と和歌山市や那賀地方と結ぶリムジンバスはあるものの、西日本有数の温泉地白浜や勝浦、それに霊場高野山へと通じる路線バスは、今のところ一本も走っていません。
以前、本会議の一般質問で、我が会派の野見山代表を初め先輩議員の皆さんが日根野駅などでの列車のスイッチバック方式等について質問され、いずれも当時の企画部長が、技術的に可能であり検討していると答弁をされていますが、何年たってもこの方式は実現していません。関係者に聞いてみますと、この方式を採用する以前に関西国際空港から県内への利用客は少ないとのことで実現には至っていないとの話ですが、このコメントは本末転倒と言えると思います。また、鶏が先か卵が先かということで現行でのJRの採算面だけを考えているのはおかしく、行楽客を招致するためには施策を講じないと人は寄りつきません。
私は、スイッチバック方式よりも、和歌山側から関西国際空港へと乗り入れる路線を確保するのが観光振興促進のためにも不可欠なものと考えております。この路線の新設に向けてはかなりの投資や時間が必要だと思われますが、県とJR西日本の職員交流もあることから、実現に向けて真剣に、正面から取り組んでいただきたいと思います。
また、これに向けての当面の施策として、日根野駅、泉佐野駅でのスイッチバック方式も代替策として考えてもよいのではないかと思います。
さらに、日根野駅での方式が困難な場合は、泉佐野駅とその付近での新線路の導入等を促進され、以前運行されていた南海から国鉄への「きのくに」号の乗り入れのように、関西国際空港を起点に南海和歌山市駅からJR紀和駅、和歌山駅を結んで紀中、紀南へと通じる新路線の設置も検討されてはいかがなものか、お伺いをしたいと思います。
このほか、京都からの関空特急「はるか」は新大阪と天王寺には停車しますが、日根野には停車いたしません。南海の関空特急「ラピート」は、関西国際空港直通「α」と、新今宮、堺、岸和田、泉佐野に停車する「β」の二種類が運行されています。そこで、JRの「はるか」を「ラピートβ」のように日根野駅に停車する便も設けてもらうほか、JRの場合は、今月末から紀勢線で運行される新型特急「オーシャンアロー」号や特急くろしお号の特急券で「はるか」にも乗車できる、距離の度数による併用型特急券の発行についてJRに働きかけてはいかがなものか、お伺いをしたいと思います。
また南海においても、特急「サザン」と「ラピート」が同じように併用できる特急券、例えば、乗車券は別ですが、和歌山市から特急券五百円で関西国際空港まで使えるといったシステムを採用してはいかがなものでしょうか。
次に路線バスでありますが、この春、湯浅御坊道路が御坊市まで開通しました。この開通を利用しないというのは、何のための道路であるかわかりません。
関西国際空港から白浜や勝浦、高野山等を結ぶリムジンバスが必要不可欠と思われますが、県におかれてはこれからの運行計画はあるのか、また今後どう対応していくのか、お伺いをしたいと思います。
また、大阪駅から紀伊田辺、紀伊勝浦、新宮を結ぶJRの夜行バスがことし三月から運行されていますが、この夜行バスは一日一便しかなく、昼間の便の導入も検討していただきたいと思います。
この秋には、りんくうタウン駅のすぐそばに全日空ホテルなどの入った超高層ビルもオープンしますが、このビルにもこのバスを停車させますと、関西国際空港と県内観光地も比較的スムーズに結ばれます。また、停車地点も白浜、串本等をふやしていただきたいほか、新宮、勝浦、串本、白浜、田辺間どこでも乗車できるようにしていただき、観光振興の推進を図られたいと思います。
消費時代を迎えた中で、観光地での日帰り客と宿泊客との一日に落とす消費額は五倍前後違うと言われていますが、この宿泊客、特に長期滞在客をターゲットとした県内の観光地のハード、ソフト面での受け入れ体制も不十分なところがあると言えます。
そこで、グルメブームの中、県内特産の農林水産物を見直すのも観光振興の一つであると私は思います。
我が郷土白浜町では、先日、白浜の調理師さんらでつくる白浜料理研究会の皆さんが料理の鉄人・道場六三郎さんを招いて、これからの観光地白浜における旅館やホテルでの料理のあり方を研究されました。これはグルメ時代、グルメ観光のあり方を先取りしたもので、こういった活動は、行政も含めて、官民一体となってこれからの観光振興のためにも取り組まなければならないと思います。
高齢化社会の中で高齢者も含めた長期滞在型リゾートのあり方や、子供から大人まで急速に利用人口が拡大をしてきたファミコンなど、ハイテクゲーム機材をヒットさせているセガや任天堂などに働きかけ、これらのゲーム機材を一堂に集めた大セガランドや大任天堂ランドのような施設の誘致にも取り組まれてはいかがなものか、県の考えをお伺いいたします。
観光立県振興策の最後の項目についてであります。
去る三月二十三日にJR難波駅が新しくオープンしました。この駅ビルはOCAT──大阪シティー・エア・ターミナルビルと呼ばれ、国際ターミナル機能を備えており、関西国際空港での国際線のチェックイン、つまり搭乗手続や手荷物の手続ができ、利用客は手ぶらで空港まで行けるほか、ショッピングや観光情報の発信ができるなど、これからのリゾート時代にマッチした施設であります。このCATは京都や神戸にも計画されています。
そこで、県内最大の観光地白浜にもこのCATを導入されてはいかがなものか、お伺いいたします。
この導入に当たっては、乗客の利用頻度など、航空会社との協議が先決であります。また、南紀白浜空港との兼ね合いも含め、さきに述べましたように鶏が先か卵が先かという点も踏まえて考えていただきたいと思います。
以上、幾つかの提案をしてまいりましたが、最後に、和歌山県の観光を考えるとき、関西国際空港からの県内観光地への行楽客の誘致も大きな一つの課題であると思います。県当局の答弁を求めるとともに、観光立県に向けての推進策についての知事の所見をお伺いして、私の観光についての質問を終わります。
最後になりましたけれども、特別養護老人ホームの整備と許認可について質問いたします。
私は、高齢者福祉の充実は県民の切実な願いであり、県としても積極的に取り組みを進めていくべきであると考えております。西口知事におかれても福祉の充実に積極的に取り組まれていることについては、私としても敬意を表しているところでございます。特に特別養護老人ホームの整備は、多くの県民が待ち望んでいるものであります。県の老人保健福祉計画での目標三千床は既に達成されたと聞いていますが、県内には多くの待機者がいる現状や特別養護老人ホームのない地域もあります。
私は、県民がひとしく高齢者福祉サービスを受けられるよう、特別養護老人ホームを地域の中核として整備を進めていくべきだと考えておりまして、このことについては昨年の六月県議会でも訴えてまいりました。こういった中で昨年の十二月に、有田市に一カ所と白浜町に一カ所整備されると聞いております。
そこで、県当局にお尋ねします。
昨年度はどういった市町村から何件の申請があったのかについて、また数多くの申請の中からこの二カ所に決定されたいきさつについてお伺いをしたいと思います。
また、昨年十一月に白浜町内の社会福祉法人の事業者から白浜町役場に対して、県から特別養護老人ホームの国庫内示通知をいただいたとの報告が突然行われ、町の幹部らは全く寝耳に水だったので大変困惑したと聞いております。この点について、県は申請者と市町村との協議等についてどのような指導を行っているのか。さらに、県や事業者は市町村に対し、国庫内示をおろす段階までの意見調整や事前協議はどうだったのか。特に、この時点での財政計画書はどうなっていたのか。部長にお伺いしたいと思います。
本来は、県や地元自治体及び事業者が共通理解を持ちながら進めるべきものであります。町の関係者がなぜ困惑したかでありますが、施設建設に当たっては、町としての責任や役割について大きなウエートを占めているからであります。施設入所の措置をする責任は、市町村の役割であります。施設自身が利用者を独自に集めることはできないのであって、施設入所は市町村が決定することになっています。また、市町村が老人保健福祉計画を策定し、在宅サービスの供給量や施設サービスの量などを決め、財政措置がとられています。このことと無関係に施設ができますと、市町村の財政は混乱します。だからこそ、施設の建設に当たっては市町村との意見調整、事前協議が不可欠なのであります。
また、翌月の十二月には、この社会福祉法人の理事長名で、町議会議長あてに一億円の助成を白浜町に求める請願の文書が出されました。しかし、この一億円もの助成金は地方自治体にとって財政を圧迫することから、町議会の中でも継続案件として扱うなどとしたところであります。ことし五月に入ってこの理事長から、請願書の文中の「補助願い額一億円」という字句を削除したい旨の文書が出されました。しかし、現在も継続扱いしているということであります。
そこで、その法人が昨年十二月に県に提出した施設整備費県負担金の交付申請書によりますと──ここに持っておりますけれども──県への申請額は三億二千百万円余りとなっておりまして、この福祉法人の収支予算書では収入が七億六千二百七十二万円余りで、このうち国及び県の補助金のほかは、町から一億円の助成金──市のみしか記載されていませんが、田辺市と思われる市から三千万円の助成金を見込んで記載しています。ここでも問題となるのは、知事あてに出された申請書の中で、白浜町の町議会で助成金支出の議決もされていないにもかかわらず一億円の助成が記載されている点に県当局は疑問を抱かなかったのかということです。また、さらに田辺市の助成金については、田辺市議会ではこの点について審議されていないと聞いておりますが、県当局はこのようなずさんな収支予算書にチェックや指導をしたのかについて部長にお伺いをいたしたいと思います。
あわせて、社会福祉法人の監督官庁としてこの問題についてどのように考えているのか、今後どのように対処していくのか、お伺いをしたいと思います。
さて、私はさきの六月議会の一般質問で老人ホームの増設を熱っぽく訴えましたが、本会議場での県当局の答弁は、ベッド数三千床の整備目標がほぼ達成され、新たな設置は現状では難しいとの旨の答えでありました。そこで、十二月の厚生常任委員会の席上、なぜ答弁とは正反対の行政施策を展開し、特別養護老人ホームの新設を認可したのか、またこの場所の事業者に特定した理由等をただしたところ、国の緊急景気対策として急に要請があり新設法人で対応した、白浜町と有田市で整備するとの納得のいかない答弁でありました。またさらに、町など関係者との事前協議がなかった点についてただしたところ、決定を早急にする必要があり、事業者との協議を先行させてしまった、当然、関係者との事前協議は必要だったと考える、今後は手順を踏んで進めたい、ご迷惑をかけたことについておわびするとの答弁があったわけですが、いきさつなど具体的な答弁はなく、おわびで済ますといった不透明な格好となりました。
このように、地元の自治体や関係者が知らないところで、県当局と申請事業者がいわば密室協議と疑われても仕方のないような格好で物事が決まった点について、私を含め、多くの方も納得できないのであります。これでは、社会福祉事業を監督する立場にある県行政に、社会福祉に情熱を燃やす数多くの事業者や施設を待ち焦がれている地域の方たちにとっても失望感が強いのであります。
私は、最初に申し上げたとおり、決して特別養護老人ホームの整備を行うなとは言っておりません。むしろ、県民の期待にこたえて充実させていくべきだと考えております。
西口知事は、開かれた県政として、県民との対話や女性一〇〇人委員会の設置など、積極的に取り組まれておりますが、今回の件は最も県民のわからないところで物事が決まったのではないでしょうか。知事におかれましては、今回の不透明な出来事にどう対処されるのか、見解を求めたいと思います。
また、私は、特別養護老人ホームの建設認可について、県民が納得できるガラス張りの県政へと変えていかなくてはならないと思いますが、今後、特別養護老人ホームを初めとする社会福祉施設の整備についての基本的な姿勢と具体的な事務手続等についてのあり方を明らかにしていただくことを求めて、質問を終わりたいと思います。
○副議長(木下秀男君) ただいまの玉置公良君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事西口 勇君。
〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 玉置議員にお答えをいたします。
まず、今後の県の観光立県に向けての推進策についてのお尋ねでございます。
近年、価値観の多様化あるいは自由時間の増大に伴いまして、心の豊かさとゆとりのある生活に対する国民の欲求が高まってきております。私といたしましては、観光が地域活性化の重要な柱の一つであるという認識の上に立って、二十一世紀に向けた観光振興計画により、豊かな自然あるいは歴史・文化資源を生かし、本県の特色や個性を発揮して、心の豊かさが享受できる観光を目指してまいりたいと考えております。
このためにはまず交通の利便性が重要でございますので、関西国際空港の開港、高速道路の国土軸直結、あるいは湯浅御坊道路の開通、さらに南紀白浜空港のジェット化、県内道路網の整備等々、交通基盤の整備を進めてきたところでございます。
さらに、最近のアウトドア、自然志向を初めとするさまざまなニーズにこたえるために特色ある観光地づくり、あるいは新しいイベントの創出などを行いまして、地域のホスピタリティー向上を図りながら積極的な観光行政を展開し、全国に本県をアピールしてまいりたいと考えております。
また、議員からお話のございました、新しいタイプのアミューズメント施設の誘致、あるいは地元の食材を使ったグルメを観光客に提供していくということも一つの方策であろうと思います。これからの観光振興を図る上で参考としてまいりたいと考えております。
次に、社会福祉施設の整備についてであります。
全国より十年高齢化が進んでいる本県におきましては、特別養護老人ホームへの入所待機者も依然多いわけであります。過疎地での介護力の不足、さらには介護が非常に困難な痴呆性の高齢者に対する強化策として、今後も引き続いて施設の整備が必要であるという認識を持っておりまして、平成八年度でも百五十床の整備を行うこととしてございます。
さきの二月議会で申し上げましたけれども、一応三千床の目標を達成いたしました。また、特別養護老人ホーム整備アクションプランを立てるんだということも申し上げたと思いますけれども、その整備条件としては、一つ目に県老人保健福祉計画未達成圏域の対策、二つ目には過疎振興対策、三つ目には圏域別の入所待機者の対策、四つ目には先駆的な特別養護老人ホームの対策、この四点を優先的に整備するとともに、痴呆性老人対策や在宅福祉支援のための整備も念頭に置きながら今後の整備を行っていきたいと考えてございます。
今後、社会福祉施設としての特別養護老人ホームの整備につきましては、議員からご指摘があった点も含めまして、担当部局において、設置希望者あるいは関係市町村とも十分な協議を行いながら、例えば老人保健施設の整備で実施をしている整備充実委員会というのがございますけれども、そのような場で推薦をいただくなど、今後の選定のあり方についても改善をしてまいりたいと考えております。
他の問題につきましては、担当部長から答弁いたします。
○副議長(木下秀男君) 企画部長藤谷茂樹君。
〔藤谷茂樹君、登壇〕
○企画部長(藤谷茂樹君) 玉置議員にお答えいたします。
和歌山から関西国際空港へ乗り入れる線路の新設につきましては、鉄道事業者より和歌山県側の旅客需要が少ないと言われる中、莫大な投資を伴う工事を必要とするため、現状では困難と言われてございます。
スイッチバック方式で直通乗り入れを実現させることにつきましては、関西国際空港の開港前から県としても強く要望してまいりました。その結果、JR西日本の和歌山方面からの列車と関空行き列車の同一ホーム乗りかえ等、利便性の向上に一定の成果がなされたところでございます。
県といたしましては、今後も空港利用者の利便性の向上を図るため、JR西日本の直通列車の運行、すべてのくろしお号の日根野駅停車や南海の直通列車運行に不可欠である泉佐野駅の連続立体交差事業の推進等につきまして、二期工事の内容が具体化される過程の中で、国や事業者等に対する積極的な働きかけを行ってまいりたいと考えてございます。
なお、議員ご提言の、関西国際空港から南海の泉佐野駅、和歌山市駅、JR紀和駅を経由してJR和歌山駅から紀勢本線に乗り入れることにつきましては、南海電鉄の車両幅がJR西日本の車両幅より小さいことや旅客需要の問題などにより、現状では難しい問題があると思われますが、今後検討課題としていただけるよう鉄道事業者に要望してまいりたいと存じます。
また、特急「はるか」の日根野駅停車につきましては、議員ご指摘のとおり、県民からの要望が強いことは承知しておりますが、JR西日本では「はるか」を京阪神から関西国際空港への高速鉄道アクセスと位置づけており、特急くろしお号の新大阪・京都乗り入れの拡大を行っている中、くろしお号を利用していただきたいとのことであります。県といたしましては、便数の増加を図る観点から、JR西日本に対し、「はるか」の停車について要望してまいりたいと思います。
関西国際空港から白浜等へのリムジンバス運行につきましては、関西国際空港のインパクトを県土全体で享受するという観点から、県内各地からの関空アクセスを充実させることは重要であると考えており、バス事業者に対しその充実に向けて働きかけてきたところ、新宮、白浜から関西国際空港へのリムジンバスの運行、あるいは新宮から大阪方面へ現在運行されているJR西日本の夜行バスを串本に停車させることについて積極的に検討されているところであると伺っておりますので、引き続き働きかけを強めてまいりたいと存じます。
「ラピート」や「サザン」といった異種特急間の共通特急券の発行、その他の観光地からのリムジンバス路線の開設、新宮から大阪方面へのJR西日本バスの昼間における運行、りんくうタウン駅への停車等につきましては、旅客需要の問題等があると事業者から聞いておりますが、県といたしましては、地元の要望を踏まえ、適切に対応してまいりたいと考えております。
白浜へのシティー・エア・ターミナルいわゆるCAT設置についてでございますが、関西国際空港関連として、大阪市に二カ所、神戸市、京都市にそれぞれ一カ所設置されてございまして、ターミナルの設置・運営は鉄道事業者など交通事業者が主体となり、搭乗手続は航空会社が担当するという形態をとっております。
CAT開設につきましては、関西圏の四つのCATの利用状況が開業前の予測を下回っていることも勘案しますと、事業者にとっても採算性が大きな課題であろうと思われますが、今後研究してまいりたいと存じます。
以上でございます。
○副議長(木下秀男君) 商工労働部長日根紀男君。
〔日根紀男君、登壇〕
○商工労働部長(日根紀男君) 観光立県推進のための諸施策についてのうち、関西国際空港から県内観光地への行楽客の誘致策についてお答えいたします。
県では、現在、心のふるさとキャンペーンを展開いたしまして、自然や歴史、文化といった本県の魅力のPRや各種イベントを実施し、国内外の観光客の誘致に取り組んでいるところでございます。
特に関西国際空港につきましては、昨年一千六百五十万人もの利用者があり、議員お話しのように、空港のインパクトを生かした、外国人も含めた観光客の誘致活動が重要であると認識してございます。このため、空港内におきまして、近畿府県などとともに共同で、観光案内所の設置や旅行会社による旅行商品の開発、また大型マルチビジョンや大型写真パネルの設置、あるいは空港駅広場での観光展の開催など、本県への誘客に努めているところでございます。
今後とも、創意工夫を凝らした効果的な観光客の誘致策を展開してまいる所存でございます。
以上でございます。
○副議長(木下秀男君) 福祉保健部長鈴木英明君。
〔鈴木英明君、登壇〕
○福祉保健部長(鈴木英明君) 特別養護老人ホームの整備と認可についてお答えをいたします。
特別養護老人ホームの整備につきましては、平成五年に策定した県老人保健福祉計画の目標を達成すべく鋭意努力をしてまいった結果、平成七年度当初予算でほぼ目標を達成できました。しかしながら、入所待機者が依然多いなど、県内の状況を見たとき目標量以上の整備が必要と認識をしていたところ、国との協議においては常に目標量以上の整備について難色を示される状況であり、平成七年六月議会時点においては、目標である三千床以上の整備は困難と考えていたところでございます。その後、国の方から平成七年度の景気対策としてさらなる整備の話があり、目標量以上の整備が可能との判断から二施設の整備を決定したところであります。
当時の整備要望は、口頭によるものも含めて県下で三十カ所、田辺・西牟婁圏域で五カ所があり、この二施設を選定した経緯につきましては、用地の確保、既存法人、入所待機者対策、さらに圏域での整備状況や痴呆性老人対策を考慮して白浜町と有田市での二施設を選定したところであります。
特別養護老人ホームを整備するに当たっては、市町村事業であるデイサービスなどの在宅福祉部門もあわせて整備することとしているため、関係市町村の支援が必要不可欠でございます。こうしたことから、整備計画書を県に提出する場合に関係市町村の意見書を添付させるとともに資金計画についても明らかにするよう、設置要望者に対し以前から指導を行っているところであります。
しかし、今回の選定に当たり、国から平成七年九月末に照会があり、早急な回答を求められたため時間的な余裕がなく、目標量以上の整備を優先するとの判断から、やむなく関係市町村との調整や資金計画の審査等の事務手続を省略して決定し、さらにその後、国庫内示以降においても事業者や市町村との調整を行い得なかった次第であります。また、事業者よりの提出書類につきましても、市町村との間で十分話し合われたものではなく、これらについてはまことに申し訳なく思っているところでございます。
今後は、関係市町村と十分な意見調整を行うとともに、関係者のご理解を得て円滑な特別養護老人ホームの整備が行えるよう努力してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○副議長(木下秀男君) 教育長西川時千代君。
〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) 高校生の中退問題など、五点についてお答えいたします。
高校生の中途退学及び留年の実態につきましては、平成六年度の県立高校における中途退学者数は、全日制で五百三十九名、在籍生徒数に対する比率は一・六%、定時制で百二十八名、一〇・八%となっており、留年については、全日制で二百二十二名、〇・七%、定時制で四十六名、三・九%となってございます。
全日制高校における地域別の中退者の比率は、和歌山市を含む紀北地域は一・八%、紀中地域は一・四%、田辺・西牟婁を含む紀南地域は一・五%となっており、さらに学科別では、普通科一・三%、専門学科二・三%でございます。
高校は、入学を許可した以上、一人一人の長所を見出し、生徒の持てる力を最大限に伸ばし、学業を全うさせることが使命であると考えます。そのため、温かみのあるきめ細かな指導を行うことは高校教育に携わる者として当然の責務であります。
各学校においても、中途退学対策委員会の設置、家庭訪問による保護者との連携、補習授業の実施などに努めておりますが、今後一層生徒や保護者の願いを真摯に受けとめ、教職員が一丸となって努力することが大切であります。
ご指摘のあった中退者の多い高校につきましては、事態を重視し、校長から詳しく事情の報告を求めるとともに、公教育の使命を再認識させるため、校長会で具体的な事例として取り上げ、厳しく指導したところであります。今後とも、こうした基本姿勢で対処してまいる所存であります。
また、留年についても各校の進級規定の弾力化を図り、できるだけ留年が出ないよう、他府県と比べても緩やかな規定を設け、配慮しているところであります。しかしながら、ここ数年、中途退学者の率が横ばい状態にあることに対して、教育委員会としても厳しく受けとめてございます。
中退者の数を減らすための方策につきましては、生徒を中心とした進路相談の充実、偏差値偏重による進路指導の是正、体験入学の実施など、不本意入学をなくすための努力を続けてきてございます。
次に、中学生や保護者の希望につきましては、中学校長並びに高等学校長から地域の状況を十分に把握し、総合的な判断のもとに、学科の新設や改編を含め、募集定員の決定を行っているところでございます。今後とも議員ご提言の趣旨を踏まえ、さらに実態の把握に努めてまいります。
中途退学者の進路変更への支援体制につきましては、各学校において、就職先のあっせん、他校への編入学等について個々の生徒や家庭と十分相談しながら進路保障に取り組むよう、指導してきているところであります。
退学後の動向につきましては、平成六年度において、全日制で就職が五二・一%、専修学校への進学及び他校への編入学が一四・七%、残りが家事その他で、単位制課程を置く定時制高校への編入学を希望する生徒も増加しております。
中途退学者が定時制課程あるいは通信制課程に編入を希望する場合は、在籍していたもとの学校で既に修得している科目の単位を認定するなど、弾力的な扱いをしてございます。
ご提言いただきました紀南地方への昼間定時制高校の設置につきましては、平成四年度に単位制を導入した三校のうち紀の川高校、青陵高校には昼間部を設置してございますが、南紀高校への設置については今後の課題として総合的に研究してまいりたいと考えます。
また、電話等の相談窓口の設置につきましては、ご紹介いただきました大阪府の例なども参考にしながら、関係機関と連携し、前向きに検討してまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
○副議長(木下秀男君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
25番玉置公良君。
○玉置公良君 時間もございませんから、要点を追って述べたいと思います。
まず、高校中退者の問題でございますけれども、今、教育長から答弁をいただきました。ことし中退をした子供さんが、親と一緒に田辺の職業安定所へ職を探しに行ったそうであります。ところが、会社に入る条件に高校卒業ということが書かれておって、初めて高校を卒業せなあかんということを痛感し、頭を打ったと聞いております。
教育長から大変前向きなご答弁をいただいたわけでありますけれども、今申しましたようなことがなくなっていくように、どうか子供たちの未来に希望を持たせる高校教育をさらに一層充実していただけるよう、お願いをする次第でございます。
また、中途退学者の受け皿づくりについては、一歩踏み込んだご答弁をいただきました。ぜひとも、一日も早く昼間定時制高校の紀南への設置実現をお願いしたいと、強く要望しておきたいと思います。
それと、高校中途退学者の相談所も早く設置してほしいという希望がございます。来年からでも早速実現していただけるよう、あわせて要望しておきたいと思います。
観光面につきましては、時間がございませんから、ただ一言。答弁いただきました感想は、やっぱり取り組みが大変消極的だという気がいたします。例えば、和歌山県が観光立県と言われるようにしていくためには、例えば和歌山市や私の住んでおる白浜町、龍神村にも観光課、観光部というものがありますけれども、せめて、ほかの市や、さらには観光を控えた町村にも独立した観光課といったものをつくっていって──観光協会というのもございますが──県が支援をして観光の受け皿づくりの体制をつくっていただきたい。そのように要望しておきたいと思います。
最後の、老人ホームの整備と認可問題でありますけれども、知事の方から答弁いただいた、今後の選定のあり方を改善するための整備充実委員会の設置の方向が打ち出されました。これについては一定の評価をしたいと思います。この委員会が、透明性を持たせた、県民の納得がいくガラス張りの選定ができるよう、これまた強く要請をしておきたいと思います。
先ほど、部長から認可に至るまでの経緯等の答弁をいただきましたが、私が指摘した不透明さについては答え切れているようには思いません。一番大事な関係市町村との財政計画や意見調整の事前協議を全く行っていないということが明らかになったと思います。
それと、事業者の予算収支書に記載されている町や市の助成金についても、地元議会の了承や同意も取りつけていないといった財政計画について、答弁で改めてずさんさが浮き彫りとなりました。社会福祉法人の監督官庁として再調査や再指導を行うよう、強く要請をしておきたいと思います。
なお、今後の進展いかんでは、常任委員会や、場合によっては会派を初め先輩・同僚議員の皆さん方のご意見もお聞きをしながら、この問題の調査特別委員会の設置等も視野に入れて、開かれた県政の実現に取り組んでまいりたいと思います。
時間もございませんから、以上で私の要望を申し上げて質問を終わりたいと思います。
○副議長(木下秀男君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で玉置公良君の質問が終了いたしました。