平成8年6月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(吉井和視議員の質疑及び一般質問)
県議会の活動
午前十時二分開議
○議長(橋本 進君) これより本日の会議を開きます。
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○議長(橋本 進君) この際、報告いたします。
過日提出のあった議案第八十八号は職員に関する条例改正案でありますので、地方公務員法第五条第二項の規定により人事委員会の意見を徴しましたところ、次のとおり回答がありました。
職員に回答文を朗読させます。
〔職員朗読〕・
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和人委第107号
平成8年6月27日
和歌山県議会議長 橋 本 進 殿
和歌山県人事委員会委員長 若 林 弘 澄
職員に関する条例の制定に係る意見について
平成8年6月25日付け和議会第93号で意見を求められた標記のことについて、地方公務員法第8条第1項第3号の規定により下記のとおり回答します。
記
議案第88号 和歌山県退職年金及び退職一時金に関する特別取扱条例等の一部を改正する条例
意 見
上記条例案については、適当であると認めます。
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【日程第一 議案第八十六号から議案第九十七号まで、及び報第一号から報第五号まで】
【日程第二 一般質問】
○議長(橋本 進君) 次に日程第一、議案第八十六号から議案第九十七号まで、及び知事専決処分報告報第一号から報第五号までを一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
4番吉井和視君。
〔吉井和視君、登壇〕(拍手)
○吉井和視君 皆さん、おはようございます。六月議会のトップバッターで質問させていただく機会を得ましたこと、大変光栄に存じます。ありがとうございます。ちょうど私も十回目の記念すべき一般質問ということで、一生懸命務めさせていただきます。
それでは、まず初めに県内の景気対策について質問をさせていただきます。
景気の回復に期待感が強まる中、主要な民間調査機関の八年度経済見通しが二十六日発表されました。ほとんど政府経済見通しの二・五%よりわずかに上回る成長率を予測いたしております。経済企画庁の発表でも、本年一月から三月までの国内総生産の成長率が二十三年ぶりに三%の大台に乗ったことから、景気は緩やかながら着実に回復の動きを続けているとの判断であります。バブル崩壊後の不況期より繰り返して行ってきた政府の大型経済対策から四年が経過し、ようやく数カ月連続で緩やかな回復基調ということになってきたようです。
しかし一方、県内に目を向けると、ことしの一月から三月における企業の倒産件数が昨年度の同時期と比較して減少しておりますが、まだ高い数値であると聞いております。また雇用状況についても、一部には回復傾向が見受けられますが、厳しい状況が続いております。県民のほとんどが景気の回復が実感できないような状況であります。
そこで知事に、最近の県内の景気状況と今後の対策についてお伺いいたします。
このように景気が緩やかに回復しつつあるという状況のもとでありますが、まだまだ明るさが見えてくるのが実感できない現状であります。四月二十三日に中小企業庁が発表した平成八年度版の「中小企業白書」によると、日本経済の構造変化の中で中小企業は厳しい状況に置かれているが、今後の日本経済の再建を図っていく上で中小企業の躍進が不可欠であると、中小企業の日本経済における役割が大きく期待されております。昨年四月に中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法もでき、中小企業に対する新しい支援策が課題となってきております。
そこで、県内の中小企業に対する支援策について、県はどのように考えているのか、またどのような企業支援を行っているのかをお尋ねしたいと思います。
また、県内の中小企業の育成を図っていくためには人材の確保が重大なポイントであります。優秀な人材のUターンについても重点を置く必要があります。
そこで、現在どのような対策を実施しているのか、また今後の対策についてお伺いいたします。
また、有効求人倍率がまだまだ低位で推移する中で、雇用の確保に対する今後の取り組みについてもお伺いいたします。
以上、景気対策についての質問であります。
続いて、紀伊半島三県知事会議について質問させていただきます。
五月八日、那智勝浦町で三重県、奈良県、本県とで紀伊半島知事会議が開催されたと聞いております。その会議の中、太平洋新国土軸の構築等、総合交通体系の整備、災害時の協力体制、広域観光振興、紀伊半島振興計画に位置づけられた広域連携プロジェクト等について意見交換を行ったという知事の提案説明を受けたところであります。三県知事会議に関連して質問させていただくわけであります。
よくよく考えてみると、奈良は大和政権という日本最初の統一国家の中心であり、三重県は伊勢神宮、伊勢参りということで発展した県であり、和歌山は熊野もうでという日本及び日本人の精神のよりどころとしての地域であります。そしてまた、日本の聖域でもあるわけであります。紀伊半島は、本来、日本の中心となるべき地域であるわけであります。それが、近代、東京一極集中のあおりで国土軸から外れ、近代的な産業の振興という面で他の地域におくれをとったのであります。その中で、これから三県で何を考え、どういう視点で取り組んでいくのかが重要であります。第二国土軸における三県の交通体系の整備等については今後強力に推進すべき事項でありますが、もっと紀伊半島が未来に夢を持ち、二十一世紀の歴史をつくっていくような、紀伊半島が日本の中心になるようなことを提案していただきたいと思うわけであります。三県による広域連携プロジェクトを具体的に推進する中で、将来三県が一つになることを視野に入れて取り組むかどうかについても、知事間で話し合っていっていただきたい重要なテーマであると思います。そして、紀伊半島が遷都の候補地に手を挙げて──というのは、最近、遷都問題が非常に重要視されてクローズアップされております。そういうことで、二十一世紀の都づくりに取り組むような夢のあることについても取り組んでいただきたいと考えております。
そこで、知事にお伺いいたします。今なぜ三県の知事会議を開催したのか、またどういう視点で半島振興策に取り組むのかをお伺いいたします。
続いて、電源立地及び関西電力の御坊第二火力発電所の関連について質問をさせていただきます。
私は、前の議会で電源立地について、次期長期総合計画の中でどのように位置づけるのか、そしてまた地域振興として立地政策と同時に近畿圏における県の役割、それに伴う県益の確保ということについて知事にお伺いいたしました。知事からは、国のエネルギー政策の動向を見きわめながら地域振興の立場で対応していきたいとの答弁があったところであります。今回は、具体的なことについてお伺いいたします。
関西電力が計画している御坊第二火力発電所についてであります。
私は、国のエネルギー政策と電力会社の事業計画は一致しているはずであると思います。そのことを前提に質問をさせていただきます。
先日、御坊市の市長選挙があり、柏木市長が再選されました。関電が計画している御坊第二火力発電所を推進しておられる現市長が再選されたことで、関西電力も正式に建設の申し入れを御坊市に対して行われることになると思います。
今回、関西電力が計画している火力発電所は、第一火電の隣接に百十ヘクタールを埋め立てて、そこに建設する予定であります。現在の第一火電の二・五倍の四百四十万キロワットの発電規模のもので、合わせると日本一の規模になると聞いております。立地の御坊市及び周辺の町村には、地元経済浮揚と地元活性化の絶好のチャンスであろうと思います。御坊市へは数百億円の固定資産税と御坊市及び隣接町村に百数十億円の電源交付金が落ちるのであります。また、建設費一兆数千億円という巨費を投じて行う事業であるため、県内における景気の波及効果は莫大なものになろうと思います。
既に、御坊市議会において、平成六年三月二十五日、この第二火力発電所の誘致を決議し、また御坊市長は環境影響調査の同意をし、平成六年十二月から関西電力が一年にわたりこの調査を実施したと聞いております。
そこで私は、御坊第二火力発電所における環境問題について気になりますので、今回質問をさせていただきます。
火力発電所は全国で次々に建設され、その環境保全対策技術は世界的にも最高水準のものと聞いております。海南の発電所、御坊発電所ができて、つい最近まで公害問題は発生しませんでした。しかし、ここに来て梅衰弱問題を契機に、火力発電所増設等による大気環境問題が取りざたされております。県議会でも、馬頭議員、野見山議員、大沢議員から、田辺市周辺の被害等の原因もこの発電所に関係があるのではないかという質問もありました。また、ことし三月には田辺市議会において、梅枯れの原因が解明されるまで第二火力発電所は慎重にという意見書を採択し、さらにまた南部川村議会も、ことし四月に梅生育の原因が解明されるまで第二火力発電所の建設は慎重にという同趣旨の意見書を国、県、御坊市に送ったようであります。また意見書には、第二火電が使用計画にある新燃料オリマルジョンの公害性等についての疑念も出されております。だから私は、こういう発電所の集中立地を軽々に考えていくわけにはいかないと思うのであります。
聞くところによると、大気への影響は発電所地点から二十キロ、三十キロエリアが最も大きいと聞いております。三十キロであれば、私の住んでいる有田郡全域がそのエリアの中に入るわけであります。下津町もそのエリアに入ります。海南市と御坊市の中間地で、両サイドから受ける大気への影響は非常に大きいものであろうと思われます。また、企業発電として東燃、和歌山石油精製の発電も計画されているようで、さらに環境が悪化するおそれが考えられます。
現在、御坊第二火力発電計画をめぐって、田辺、南部地方で梅問題が取りざたされておりますが、有田地方においてもミカン農家の不安が増大してきており、表面化するのは時間の問題であります。湯浅町においても、関西電力から説明会があったように聞いております。今後、地元同意が終わり、海南、御坊発電所の稼働実績をもとに、発電所計画による影響について十分な審査をされ、県益と地域振興の立場で県は建設に向けての判断をされることになろうと思います。
しかし、ここで申し上げたいのは環境影響を審査する場合のよりどころについてであります。当然、環境アセスメントでは数字で判断されるわけで、事業者がそれなりの環境保全対策を講じ、環境基準を十分クリアした建設計画を提出するわけで、その限りにおいては数値的に問題なしという結論が出るわけであります。
しかし、私が言いたいのは、目に見えない部分、数字ではあらわせない部分に対する農民の不安感であります。化学的専門用語に「閾値」という言葉があります。これは、生物の変化すなわち障害を起こすために必要な最小の刺激の量というもので、生体反応が起こり始める瞬間の数値であります。農作物が水不足等、他の要因で閾値の限界まで達していた場合、この煙のわずかな量が複合汚染の要因となって農作物に障害が出るおそれがあるということは十分考えられるわけであります。どんなわずかな濃度であっても複合汚染の要因となることは十分考えられるわけであります。だからといって、一概に発電所建設事業者だけにその対策を講じさせればよいのかと疑問に思うのであります。大気汚染の元凶は、主として自動車の排気ガスにあると言われております。この移動汚染源がどんどん流入してきている現状を見たとき、やはり広域的なエリアで、しかも永続的に環境保全対策を講じていく必要性を感じるのであります。また、その主体を県が行っていかなければならないと思います。
そこで、この御坊火力発電所計画について何点かお伺いいたします。
今、知事は、この御坊第二火力発電所計画についてどのように考えておられるのか。また、地域経済の浮揚、地域振興の立場で推進する場合、立地市及び隣接地はもちろんのこと、半径三十キロメートル以内の周辺地域の意見を集約すべきだと考えますが、知事のお考えをお伺いいたします。
次に大気環境保全対策について、目に見えない、数字で明確にあらわせられないレベルの濃度に住民が不安を抱くことについて、県はどのように対処するのか。
また、発電所の建設には、関係十二省庁から成る電源開発調整審議会の意見を経て電源開発計画が策定されるわけで、その際に知事の意見が求められ、知事は地元の意見を聴取した上で建設可否の回答をされるわけであります。私は、こうした地元及び周辺町村の意見集約にはかなりの労力がかかると考えられます。聞くところによると、この九月にも建設申し入れが行われると言いますが、県はどのような体制で臨まれるのか。綿密な対応が必要であり、担当チームを設置すべきではないかと思います。どのように取り組むのか、お伺いいたします。
次に、電源三法による交付金についてであります。立地地点とその隣接地に交付されるようになっておりますが、環境影響調査をもとにもっと地域を拡大していくべきではないかと考えます。発電用施設周辺地域整備法に基づき、周辺地域の整備計画は知事の総合的な判断によると聞いております。従来にない思い切った判断により、もっと広域的な整備計画を期待するものであります。お考えをお伺いいたします。
続きまして、ため池問題について質問させていただきます。
最近、ため池の改修についての相談が私のところにもよくあります。老朽化し危険であるため改修したいのですが、改修に伴う自己負担額が多いのですぐにできない場合が多いようであります。国五○%、県三○%、残り二○%が地元負担ということで、市町村か受益者負担ということになるわけであります。
現在、県内には五千九百二十六カ所のため池があり、国と市町村の所有ため池は全体の七六%であります。そして、全体の八六%のため池を集落の水利組合が管理している状況であります。不必要とされるため池もありますが、農業用水、治水、防火用水、自然環境の保全という役割を有しておるわけであります。
例えば、吉備町に平池というため池があります。平池は日本でも有数の野鳥の宝庫で、この自然環境を守ってほしいという要請が各方面からあります。しかし、このため池も老朽化し、早急に改修が必要となってきております。単に農業用水だけのものではないわけであります。農業用水のためだけであるならば、広さは三分の一程度もあれば十分であります。
ため池のほとんどは江戸時代につくられたものと聞いております。先祖が労力と時間をかけてつくったもので、汗と血の遺産であります。現在、稲作が急減したため不要となったため池が多くでき、これを埋め立てて工場にしたり、テニスコート、ゲートボール場、公園等をつくって利活用をしているところがありますが、私はできるだけ先人が苦労してつくったため池をつぶさずに、将来の食糧供給能力の確保のためにもぜひとも保存していきたいと考えるものであります。
今、米の自由化で食糧については心配ないようであります。しかし、いつ何どき食糧不足、食糧危機がやってくるかわかりません。地球人口は、二百年前の農耕時代は二億人から四億人であったのが、今では五十億人を超えております。五十年後には百億人に達するという見込みも出ております。そのときのためにも、ぜひともため池を水を張ったまま、貯水状態のまま保存しておきたいものであります。
聞くところによると、県内のため池五千九百カ所のうち、改修が必要と思われるところが二千七百十カ所、下流部に民家や公共施設があり水防活動が必要とされる、重要水防箇所と言われる危険な箇所は二百二十四カ所あると報告されております。これら危険と思われるため池を早急に改修する計画を立ててほしいと思うのであります。今後、県はどのような計画で取り組むのか。
そしてこれからの考え方は、ため池の受益者は農業用水を利用する者だけではなく、現在そして未来の住民であるという観点から、地元負担については自治体が責任を持って事業実施できるよう制度改正等に取り組んでいただきたいと考えます。
以上、質問をさせていただきまして、第一回目の一般質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
○議長(橋本 進君) ただいまの吉井和視君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事西口 勇君。
〔西口 勇君、登壇〕
○知事(西口 勇君) 吉井議員にお答えをいたします。
まず、県内の景気状況と今後の対策についてでございます。
県内景気については、鉱工業生産指数が対前年同月比で十カ月連続してマイナスとなってございまして、依然として厳しい状況にございます。しかし、個人消費と雇用の一部には回復傾向が見受けられる状況となってございます。このような県内景気の厳しい状況を踏まえて、中小企業に対する金融対策等の一層の充実を行ってまいりたいと考えております。
さらに、従来の循環型の経済が行き詰まり、大きな構造転換期を迎えている現在、県といたしましては、工業技術センター、産業情報センターの充実強化、さらに先日落成したリサーチラボを中心とした企業集積等を中心に、ベンチャー企業などの創造的企業の育成、技術力の向上、企業の情報化、国際化などを促進して、和歌山の資源と創意を生かした地域産業の振興を図ってまいりたいと考えております。
次に、紀伊半島知事会議についてでございます。
昨年、私も含めて紀伊半島三県は知事選挙を経て新しい体制で取り組むことになり、また昨年十二月に策定した紀伊地域半島振興計画では、半島地域の振興のためには県域を超えた広域的な連携が必要としておるわけでありまして、そういうことから本議会の冒頭説明で申し上げた紀伊半島知事会議を開催したところでございます。
今後の半島振興に取り組む視点といたしましては、三重県、奈良県との県境の壁を超えた広域的事業を推進する紀伊半島広域交流圏、また紀伊半島に住む方々も、訪れる方々もそれぞれ豊かさを実感できる紀伊半島快適環境圏の形成を目指すものでございます。そのために、議員のお話にもございましたけれども、紀伊半島が有している豊富な歴史文化資源の活用を図りまして、例えば、日本の原郷熊野地方を文化情報の発信基地として今後三県が相互に協力し、半島性の脱却を目指して地域振興を図ってまいりたいと考えてございます。
さらに、今後の半島地域の振興にとって欠かすことのできない太平洋新国土軸の問題については、新しい全国総合開発計画に明確に位置づけていただくことがぜひとも必要でございまして、今月十九日に、ちょうど全国知事会議の翌日でありますけれども、三県知事がそろって国に対して強く要望を行うことを予定いたしております。今後とも、三県の協力のもとに、活力にあふれた紀伊半島の実現に努力をしてまいりたいと考えております。
次に御坊第二火力発電所については、御坊市による誘致の推進及び御坊市議会の誘致決議を受けて、平成六年十二月から事業者による環境影響調査が行われてまいったわけであります。本年二月で現況調査が終了し、現在は予測及び評価が行われているところでございます。この秋にも環境影響調査書が取りまとめられ、国、県、関係市町村に提出される予定と聞いておるところでございます。
現在、県に対して周辺市町村議会から、ご質問にございましたような、この電源立地による環境面の影響についての意見書もいただいておるところでございます。私といたしましては、こうしたことも十分念頭に置き、従来から申し上げている電源立地の基本的な考え方に基づいて、地域振興の立場から対応していきたいと考えております。
また、周辺地域の意見集約についてでございます。事業者から環境影響調査書が提出されると、立地の御坊市及び隣接四町において縦覧され、事業者により御坊市において説明会が実施されることになっております。県といたしましては、周辺地域への影響についても慎重かつ十分に審査を行い、また議員からお話のございました地域経済の浮揚、地域振興の観点からも検討を行ってまいりたいと考えてございます。
また、整備法に基づく整備計画についてでございますけれども、発電用施設周辺地域整備法の目的は、電気の安定供給の確保が国民生活と経済活動にとって極めて重要であるということから、国が発電用施設の周辺地域における公共用施設の整備を促進するものでございます。この法律の第四条では、立地及び隣接市町村の区域について整備計画を作成することが基本となってございます。したがって、私といたしましては、法の趣旨に沿った整備計画を策定することになろうと考えてございます。
以上でございますが、他の問題は担当部長からお答えをいたします。
○議長(橋本 進君) 商工労働部長日根紀男君。
〔日根紀男君、登壇〕
○商工労働部長(日根紀男君) 景気対策の三点についてお答えいたします。
まず、中小企業への支援策についてであります。
本県の地域産業の活性化にとって、地場産業などの中小企業の果たす役割はまことに大きいものと考えております。しかしながら、経済の国際化、生活者ニーズの多様化など、本県中小企業を取り巻く社会経済環境はまことに厳しく、その円滑な対応への支援が必要であります。このため、先ほど知事の答弁にもございましたが、融資枠の拡大、信用保証料の引き下げなどの金融対策の充実、工業技術センター等の機能の強化による企業の研究開発機能、技術の向上を図るとともに、県産業情報センターによる企業の情報化、新分野進出、ベンチャー企業などの創造的企業の育成、人材の確保、香港駐在員を派遣する国際化への対応など、中小企業支援策を着実に推進してまいる所存でございます。
次に、人材の確保策についてであります。
本県にとって、次代を担う若年層を中心とした人材の確保は重要な課題であります。また、県外の大学等への進学者や県外に就職している人たちも本県への就職を希望するなど、ふるさと志向が年々高まってきております。こうした希望にこたえるとともに県内企業が必要とする労働力を確保していくために、平成二年度から人材Uターン促進事業を実施しておりまして、県内企業を紹介する情報誌「ウイル」を発刊、提供し、また個別面談方式による企業説明会Uターンフェアを、昨年度も和歌山市ほか三市において開催しているところでございます。さらに、本年度新たに職業選択に係る意識の改革、県内産業の理解を深める目的で、去る六月二十六日、大学等県内就職セミナーを和歌山市において開催したところでございます。今後とも、人材の確保に積極的に取り組む所存でございます。
最後に、雇用の確保についてであります。
議員のご指摘のように、有効求人倍率が平成八年五月現在で○・六七倍となっており、依然として厳しい状況が続いてございます。このため、県下公共職業安定所いわゆるハローワークを挙げて求人の確保に当たっているところでございますが、特に本年一月より特別求人開拓推進員を設置するなど、一層雇用の確保に努めているところでございます。さらに、県に設置している景気雇用対策本部といたしましても、県内企業を直接訪問して求人の確保に努めることといたしてございます。
以上でございます。
○議長(橋本 進君) 生活文化部長中村協二君。
〔中村協二君、登壇〕
○生活文化部長(中村協二君) 吉井議員にお答えをいたします。
御坊第二火力発電所計画に係る大気環境保全対策についてでございます。
オリマルジョンを使用燃料とする初めての本格的な発電設備でもありますので、今後、事業者から環境影響調査書が提出された段階で、高性能の脱硫設備等、所要の大気汚染防止設備が適正に計画されているか、また発電所稼働に伴う大気汚染の影響が周辺地域の環境基準の達成に支障を生じないか等について十分に審査を行い、必要に応じ所要の対策や追加調査を講じさせる等、慎重に対応してまいりたいと存じます。
以上でございます。
○議長(橋本 進君) 企画部長藤谷茂樹君。
〔藤谷茂樹君、登壇〕
○企画部長(藤谷茂樹君) 吉井議員ご質問の、御坊第二火力発電所の計画に対応した県の体制についてでございます。
事業者から環境影響調査書が提出された段階から、企画部が事務担当窓口となって、地元の県機関及び庁内の関係部が一体となり、環境影響評価の審査、安全性の検討及び地域の振興等に取り組んでまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
○議長(橋本 進君) 農林水産部長平松俊次君。
〔平松俊次君、登壇〕
○農林水産部長(平松俊次君) ため池の問題についてお答えいたします。
本県におけるため池総数は五千九百カ所余りあります。関係者に対するアンケート調査によりますと、軽微なものを含めて何らかの改修の要望があるため池は二千七百十カ所となってございます。
県では、下流に民家等があり、水防活動が必要な二百二十四カ所を重要水防ため池に指定しており、このうち早期に改修を必要とするものは十六カ所でございますが、現在七地区で事業を実施中であり、残る九地区についても早期に整備する予定としてございます。現在、アンケート調査に引き続き県単独調査として、ため池の実態調査を行っているほか、重要水防ため池についてはパソコンによるデータベース化を図っているところであります。
ため池の改修については、これまでもその促進に努めてまいったところでございますが、今後ともこれらの調査結果を踏まえ、緊急度の高いものから順次整備を進めてまいりたいと考えてございます。
ため池は、農業の基幹施設として重要であるばかりでなく、防災機能や自然環境保全等の公益的機能を有しておりますので、県といたしましても、平成六年度から受益面積五ヘクタール程度の小規模なため池を県営事業として実施することとしたところでございまして、これに伴い、地元負担を四○%から二○%に軽減いたしたところでございます。
なお吉備町の平池については、平成九年度新規地区として国に採択を強く働きかけたいと考えているところでございます。今後とも、市町村及び地元との調整を図りながら整備促進に努めてまいりたいと考えております。
○議長(橋本 進君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
4番吉井和視君。
○吉井和視君 少しだけ要望させていただきます。
御坊火力発電所の問題でありますが、発電用施設の周辺整備法については、知事が整備計画を総合的に判断して計画するということになっています。
私は、こう思うのであります。表現はちょっと間違っておるかもしれませんが、周辺整備法というのは、電力会社が電源三法のうち二法で集めたお金を迷惑料ということで周辺地域に交付金として出すものと考えます。一つは迷惑料だと思います。
そこで、御坊火力発電所が二百メートルの煙突を立てて、今度二つ目の発電所をつくるわけです。これはもう資料も出ておると思いますけれども、一番影響を受けるのが半径二十キロから三十キロというふうに聞いております。そうすると、一番迷惑をこうむるようなところが迷惑料をいただけないで、立地地点である御坊市及びその周辺地域だけが電源三法による交付金をもらうというのは、隣々接地域にとっては不公平ではないかと思うわけであります。そういうことで、知事の裁量によって任されておるところの整備計画を少しでも隣々接まで広めていっていただきたい。例えば、由良町、湯浅町、広川町あたりまで隣々接ということで電源交付金の配付計画に盛り込んでいただきたい、そのことを要望して終わらせていただきます。
以上です。
○議長(橋本 進君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で吉井和視君の質問が終了いたしました。