平成7年9月 和歌山県議会定例会会議録 第7号(全文)


県議会の活動

議 事 日 程 第七号 平成七年十月三日(火曜日)
     午前十時開議
 第一 議案第百四号から議案第百三十六号まで、及び請願四件
 (委員長報告・同質疑・討論・表決)
 第二 各常任委員会及び議会運営委員会閉会中継続審査の件
 第三 議案第百三十七号(特別委員会設置・付託・委員選任)
 第四 各特別委員会閉会中継続審査の件
 第五 議案第百三十八号から議案第百四十六号まで(質疑・委員会付託省略・表決)
 第六 意見書・決議案
会議に付した事件
 一 議案第百四号から議案第百三十六号まで、及び請願四件
 (委員長報告・同質疑・討論・表決)
 二 各常任委員会及び議会運営委員会閉会中継続審査の件
 三 議案第百三十七号(特別委員会設置・付託・委員選任)
 四 各特別委員会閉会中継続審査の件
 五 議案第百三十八号から議案第百四十六号まで(質疑・委員会付託省略・表決)
 六 意見書・決議案
出 席 議 員(四十七人)
 1 番 大 沢 広太郎
 2 番 木 下 善 之
 3 番 小 川   武
 4 番 吉 井 和 視
 5 番 下 川 俊 樹
 6 番 井 出 益 弘
 7 番 藁 科 義 清
 8 番 門   三佐博
 9 番 永 井 佑 治
 10 番 新 島   雄
 11 番 向 井 嘉久藏
 12 番 佐 田 頴 一
 13 番 和 田 正 一
 14 番 阪 部 菊 雄
 15 番 西 本 長 弘
 16 番 馬 頭 哲 弥
 17 番 長 坂 隆 司
 18 番 井 谷   勲
 19 番 高 瀬 勝 助
 20 番 上 野 哲 弘
 21 番 堀 本 隆 男
 22 番 宇治田 栄 蔵
 23 番 宗   正 彦
 24 番 橋 本   進
 25 番 谷   洋 一
 26 番 玉 置 公 良
 27 番 東 山 昭 久
 28 番 尾 崎 要 二
 29 番 野見山   海
 30 番 木 下 秀 男
 31 番 町 田   亘
 32 番 中 山   豊
 33 番 山 下 直 也
 34 番 鶴 田 至 弘
 35 番 森   正 樹
 36 番 村 岡 キミ子
 37 番 新 田 和 弘
 38 番 平 越 孝 哉
 39 番 森 本 明 雄
 40 番 神 出 政 巳
 41 番 松 本 泰 造
 42 番 冨 安 民 浩
 43 番 飯 田 敬 文
 44 番 中 村 裕 一
 45 番 松 本 貞 次
 46 番 大 江 康 弘
 47 番 和 田 正 人
欠 席 議 員(なし)
説明のため出席した者
 知 事 仮 谷 志 良
 副知事 梅 田 善 彦
 出納長 中 西 伸 雄
 知事公室長 野 見 典 展
 総務部長 木 村 良 樹
 企画部長 藤 谷 茂 樹
 民生部長 木 村 栄 行
 保健環境部長 鈴 木 英 明
 商工労働部長 中 山 次 郎
 農林水産部長 日 根 紀 男
 土木部長 山 根 一 男
 企業局長 中 村 協 二
  以下各部次長・財政課長 
 教育委員会委員長
    岩 崎 正 夫
 教育長 西 川 時千代
  以下教育次長
 公安委員会委員 中 尾 公 彦
 警察本部長 青 山 幸 恭
  以下各部長
 人事委員会委員長
    若 林 弘 澄
  人事委員会事務局長
 代表監査委員 天 谷 一 郎
  監査委員事務局長
 選挙管理委員会委員長
    谷 口 庄 一
  選挙管理委員会書記長
  地方労働委員会事務局長
職務のため出席した事務局職員
 事務局長 岩 垣   孝
 次 長 中 西 俊 二
 議事課長 松 田 捷 穂
 議事課副課長 佐 竹 欣 司
 議事班長 松 谷 秋 男
 議事課主査 山 本 保 誠
 議事課主事 長 尾 照 雄
 総務課長 岡 山 哲 夫
 総務課主査 田 尻 潤 嗣
 総務課主事 土 井 昌 紀
 調査課長 柏 木   衛
 調査課調査員 岩 井 晴 男
 調査課調査員 島 本 憲 一
 (速記担当者)
 議事課主任 吉 川 欽 二
 議事課主査 鎌 田   繁
 議事課速記技師 中 尾 祐 一
 議事課速記技師 保 田 良 春
  ─────────────────────
 午前十時三分開議
○議長(橋本 進君) これより本日の会議を開きます。
○議長(橋本 進君) 議事の都合により休憩いたします。
 午前十時四分休憩
  ─────────────────────
 午後二時六分再開
○議長(橋本 進君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
  ─────────────────────
 【日程第一 議案第百四号から議案第百三十六号まで、及び請願四件】
○議長(橋本 進君) 日程第一、議案第百四号から議案第百三十六号まで、並びに今期定例会の請願二件及び継続審査中の請願二件、計四件を一括して議題とし、順次、各常任委員会委員長の報告を求めます。
 建設委員会委員長尾崎要二君。
 〔尾崎要二君、登壇〕(拍手)
○建設委員会委員長(尾崎要二君) 建設委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表のとおり、議案九件、請願一件であります。
 当委員会は、九月二十九日、第五委員会室において、企業局、土木部の順に、当局から付託案件についての説明を聴取した後、審議を行いました。
 当委員会における各委員の質疑、意見及び要望の主なものは、次のとおりであります。
 企業局関係では、紀の川工業用水事業において、漏水の原因となる古い送水管の整備、特に生活用道路になっている管路部分の送水管の取りかえの必要性をただしたのに対し、送水管は埋設後三十年余りを経過しており、専用管路においては一般の生活用道路としての利用が多く、公道並みの通行量となっているところもあり、送水管の更新が必要となっている、平成七年度から五カ年計画で和歌山支線の更新工事を実施し、漏水を防ぎ、工業用水の安定供給と道路状況の改善を図りたいとの答弁がありました。
 次に、雑賀崎地区都市再開発用地の周辺は和歌浦の観光地であるが、進出企業の建築物と景観との調和に配慮されているのか、またどのような業種の企業が進出するのかとただしたのに対し、企業の建物等建設に当たっては、周囲の景観との調和を図るため、建築条件等、地元関係者との調整を終えている、進出企業については現在二十一企業が内定しており、金属機械器具製造業であるとの答弁がありました。
 これに関連して、当事業は本県の地場産業振興のため、技術の育成、異業種交流、物流等がモデルとなるよう、また今後の開発については分譲価格を低くする努力、分譲規模等の柔軟な考え方、異業種交流のできる方法等、関係機関と十分協議しながら進めてほしいとの要望がありました。
 土木部関係では、まず道路関係について、府県間道路の整備状況並びに京奈和自動車道の供用時期についてただしたのに対し、府県間道路は六路線を位置づけており、懸命に努力している、京奈和自動車道は、紀淡海峡連絡道路も含め太平洋新国土軸の一翼を担うものであり、今後とも事業促進を働きかけてまいりたい、このうち橋本道路については次年度事業の大幅な拡大が見込まれるが、今後用地買収を促進するとともに、できるだけ早く供用開始ができるよう努力してまいりたいとの答弁がありました。
 また、国道三百七十一号、四百八十号及び県道泉佐野岩出線のトンネルの整備見込みについてただしたのに対し、三百七十一号線は四車線計画であり、現在、用地の進捗率は三○%程度で、今後トンネル取り合わせ部分も含め用地買収の促進を図るとともに、できるだけ早く着手できるよう、また四百八十号線は各地区で地元説明会等を行っており、本年度は仮称滝トンネルの調査等を、次年度から本格的に用地買収を行う予定である、大阪府側は府県界トンネルまでに二カ所のトンネルがあり、工事用道路の問題もあり、丈量図等できた時点で協議していくとともに、これらの整備促進に努めてまいりたいとの答弁があり、委員から、トンネルを通すことで経済効果が大きいので、紀の川利水協定と和歌山県の発展策の一つとして両面から事業促進のため努力していただきたいとの要望がありました。
 その他、高野町富貴地内の道路整備状況、県道高野天川線の改良計画、また県道温川田辺線上万呂地内の狭隘区間の解消についての質疑がありました。
 次に、阪和自動車道が大阪側に比べて和歌山側は道路照明が少ないと思うがとただしたのに対し、照明基準はクリアしており、また予算的にも難しい面があったが、今年度、日本道路公団において雄山トンネルから紀の川サービスエリア間に約百十基の照明を来年五月ごろまでに設置の予定で、残り区間についても今後検討の上、設置していく予定と聞いているとの答弁がありました。
 紀の川大堰に関連して、左岸堤防の道路改修に伴い、現在、周辺住民が利用している自動車道路はどうなるか、またつけかえ部分以外、紀の川左岸、地蔵ノ辻から六十谷橋までの歩道計画についてただしたのに対し、県道有功天王線は国道二十四号から六十谷橋までの間について、市道の交差部、民家への乗り入れ部を除き、一応ガードレール等で分離した歩道を設置しているが、国道交差点部で地蔵尊があり、この移転が困難なため、歩道が一部狭小となっている、より歩行者の安全を図るため、既設歩道部の路面の補修及び段差修正を行ってまいりたい、また紀の川堤防沿いの小段を利用した歩道を車道まで上げての改修については、今後、都市計画道路の整備ともあわせて検討してまいりたいとの答弁があり、委員から、堤防に沿ったところは管理棟つけかえ部と同じように歩道整備を行うようにとの要望がありました。
 次に、中央分離帯のカットの考え方についてただしたのに対し、中央分離帯は交通安全上連続していることが望ましいが、長く連続させると交差点でUターンをする車が多くなるなど危険を伴うこともあるので、周辺の土地利用を勘案し設置している、市内では市道などの道路と交差する箇所が多く、沿道の土地利用の観点から中央分離帯を多く切らざるを得ないのが現状であるとの答弁があり、委員から、分離帯は切り過ぎのように思われるので、今後検討をとの要望がありました。
 次に、街路を新設するとき一本の道路で県事業と市事業に分けて施行しているが、その区分の仕方についてただしたのに対し、県道となるような道路は県事業で、市道となるような道路は市事業として事業調整を図り施行している、道路管理の面から、県道認定については地方的な幹線道路網を構成し、拠点と拠点を結ぶよう認定することとしている、しかし、その後のバイパス事業等による新設道路の設置により一部管理区分が一般の人たちにわかりにくくなっている箇所もあるので、管理者間の調整が整う箇所から見直しを検討してまいりたいとの答弁がありました。
 過年度未登記対策について、土木部内においてプロジェクトをつくり登記の推進を図ってはとただしたのに対し、未登記問題は長年の懸案事項であり、以前から解消に努めているところである、原因としては大半は公図の混乱によるものであり、昨年十月に県公共嘱託登記土地家屋調査士協会と覚書を交わし、単価契約により業務委託を行えるよう事務の簡素化を図るとともに、ことし四月から各土木事務所に登記事務担当を配置し登記事務の強化を図っている、また部分的な公図訂正では対応し切れない地域においては企画部土地対策課に対し地籍調査の推進をお願いしているが、ご指摘のプロジェクトについては検討してまいりたいとの答弁がありました。
 次に、紀の川グリーンベルト構想の前提となる不法占用対策についてただしたのに対し、対象区域は九カ所あり、当初居住している世帯が二百九十四世帯、五百五十六棟あったが、現在三十世帯、四十棟、非居住の建物は当初二百六十一世帯、三百七十一棟あったが、現在十四世帯、二十二棟である、現在の居住者は高齢の方、一人住まいの方が多く、今後は個々について状況を見ながら対応策を検討してまいりたいとの答弁がありました。
 次に、和歌山下津港のコンテナ航路が就航したが、将来的には釜山航路だけでは不十分と考える、今後の展望についてただしたのに対し、現在、釜山航路二航路が開設されたところであり、和歌山県の貨物は釜山のみに限らず、中国、東南アジア、北米向けもあるので、今後、順次ポートセールスを行い、和歌山下津港の航路網の拡充に努めてまいりたいとの答弁があり、和雑貨産業も好調な産業であり、これを育てる意味でも和歌山下津港のポートセールスに頑張ってほしいとの要望がありました。
 また、日高港港湾整備について地元の理解を得るべく、さらに努力するようにとの強い要望がありました。
 都市計画関係では、紀の川リバーサイドグリーンベルト構想の施設整備におけるラグビー専用球場、ソフトボール場、ボーイスカウト利用多目的広場等の設置計画についてただしたのに対し、現在、事業手法を含め計画の策定を進めており、ソフトボール場やボーイスカウトが利用できるような多目的広場は設置する方向で検討している、ボーイスカウト等が利用できる水洗トイレの設置は、河川敷であるので常設は難しいが、仮設の事例があるので検討したい、ラグビー専用球場については、ポールが洪水時の支障となるため常設は難しい、多目的広場でのラグビーの練習は可能だと思われるので、管理面でも利用できるよう努めたいとの答弁がありました。
 なお、施設整備については種々要望があると思うので十分検討してほしいとの要望がありました。
 次に、都市内幹線道路網整備の促進を図る用地先行取得や買収等の申し出に対する対応についてただしたのに対し、用地先行取得については、既に事業化している路線での用地国債の活用、長期低利の資金貸し付けを受け、将来、補助事業として再取得できる都市開発資金の制度、また県の公社による先行取得等さまざまな制度を活用し、より効果的な事業の促進を図りたいとの答弁がありました。
 また、湊神前線の進捗状況をただしたのに対し、今年度当初の全体事業費で見ると五割程度の進捗である、残る用地関係について現在用地交渉を鋭意進めており、できるだけ八年度に用地交渉を終え、一部工事に着手したいとの答弁がありました。
 下水道関係では、河西の終末処理場の状況についてただしたのに対し、平成五年度に用地買収を済ませ、平成六年度から沈砂池・ポンプ棟の建設に着手しており、平成七年度は水処理施設の基礎工事を実施することとしている、一部供用開始は平成十二年三月を予定しているとの答弁がありました。
 また、なぜ下水道がおくれているのか、その原因はどこにあるのかとただしたのに対し、現在二市十二町で事業を行っており、徐々にではあるが着手市町村がふえてきている、下水道事業は、処理場の用地確保の難しさと多額の費用を要するのでなかなか着手に踏み切れない、県もおくれている下水道を援助するため、平成七年度より市町村が行う管渠工事の一部に県費補助、また平成二年度より下水道基本計画策定費に補助する制度を設けている、今後とも未着手市町村に対し着手するよう働きかけてまいりたいとの答弁がありました。
 住宅関係では、特定公共賃貸住宅の件数並びに運営内容、高額所得者の住みかえ対象者、家賃設定額の適否、また家賃の軽減措置の具体的内容についてただしたのに対し、ニューかわなが団地で十九戸、宮前駅前団地で六戸設置されており、従来であれば県営住宅に入居できない方でも年収一千万円弱ぐらいの方にも対応できる、また現在著しく高額な方はいないが、収入基準をオーバーしている方は存在している、家賃設定額については、法律の限度額の範囲内で和歌山市内の市場家賃を勘案し上限額として設定している、また所得により軽減措置を講じており、当初、家賃額を毎年五%上昇させ、設定家賃額になるまで軽減措置を行うとの答弁がありました。
 次に、住宅宅地審議会の答申の中での公営住宅の見直し、特に家賃設定のあり方についてただしたのに対し、建設省において県営住宅の立地している条件、年数、規模、利便性等を勘案して、新たな家賃の設定について検討されており、都市部と郡部の住宅では同じ規模でも家賃に格差が出てくるものと思われるとの答弁がありました。
 このほか、「道路予算拡大並びに第六次特定交通安全施設等整備事業五箇年計画に関する意見書」、「第六次海岸事業五箇年計画の策定と平成八年度予算の確保に関する意見書」、「治水・砂防関係事業の推進に関する意見書」の提出について提案があり、これについては後ほど意見書案が提案される運びとなっておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 以上、慎重審議の結果、採決に入りましたが、当委員会に付託されました議案九件は、いずれも賛成全員をもって可決すべきものと決しました。
 また、請願につきましては、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、継続分議請第一号は継続審査を要するものと決した次第であります。
 以上をもちまして、建設委員会の報告を終わります。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(橋本 進君) 文教委員会委員長阪部菊雄君。
 〔阪部菊雄君、登壇〕(拍手)
○文教委員会委員長(阪部菊雄君) 文教委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表及び請願文書表に記載のとおり、議案二件、請願新規受理分二件、前会からの継続審査分一件であります。
 委員会は、九月二十九日、第六委員会室において開催し、当局から付託案件等について詳細な説明を聴取した後、審議に入りました。
 委員会における各委員の質疑、意見、要望等の主なものは、次のとおりであります。
 まず初めに、県立自然博物館の充実強化については、本会議において答弁を求めたところであるが、さらに具体的な意見として、森林部門のところにパノラマで県内の野鳥の映像を映しながら鳴き声を流す立体的な施設装置を設置し、自然認識の一里塚となるような取り組みについて自然博物館協議会の中で協議してもらいたいとただしたのに対し、自然博物館の限られた施設の中で機能が十分発揮できるよう工夫して取り組んでいきたいが、非常に難しいと思われる、しかし自然博物館協議会の中で展示内容等を含め協議されるよう努めてまいりたいとの答弁がありました。
 次に、各県立学校及び県立体育館の空調設備についてただしたのに対し、特殊教育諸学校については既に空調設備を設置している、高等学校についても、事務室、保健室、進路指導室には既に設置しているが、コンピューター室等については機器設備保守等の観点から設置を図っているところである、また学校開放を積極的に推進していく中で他の施設にも順次設置を図っていきたいと考えているが、教室全体を整備することについては今後の研究課題といたしたい、さらに県立体育館については、二巡目の国体を展望し、また県スポーツ振興審議会の答申を踏まえて総合的に検討していきたいとの答弁がありました。委員からは、私立学校との環境面の格差をなくすためにも、早期に空調設備の充実を図ってほしいとの要望がありました。
 次に、最近の高校生は体育嫌いの傾向があり、体育の単位がとれない生徒がふえていると聞いているが、実態を把握しているのか、対応策等はどうかとただしたのに対し、高等学校における体育授業の目的は、生徒がみずからの運動やスポーツの楽しさを味わい、将来にわたり運動を実践する能力を身につけさせるとともに、たくましい体力を身につけさせることなどの育成を目指しているところである、本県では実態調査はしていないが、平成元年度の学習指導要領の改訂に伴い、選択制授業が実施される中で、生徒がみずからの興味や関心により運動種目を選択できるようになり、一層、体育の楽しさや喜びを体得できる方向へ進んでいる、本県における高等学校の選択授業実施率は九一%となっており、県教育委員会としてはできるだけ選択制の授業を広げようと各学校を指導しているとの答弁がありました。
 次に、紀北養護学校のマンモス化に伴っての施設の充実や養護学校の新設に係る進捗状況はどうなっているのかとただしたのに対し、紀北養護学校の校舎等の改修工事を行いながら施設の充実に努めているところであるが、和歌山市を中心とした肢体不自由児の教育の充実を図るために養護学校新設の調査費を計上しており、現在、学校の規模、通学区域、通学ルートを含めた適地等について調査中であり、できるだけ早く新設が実現できるよう努力していきたいとの答弁がありました。
 次に、二十一世紀を創る人づくり推進協議会において、委員各位から人材育成について幅広く提言がなされており、その中でも特に教員の資質に関する意見が多く出されている、子供たちの教育条件を改善し、充実した教育を行うためには、教員の資質向上を図る総合教育センターの早期建設が望まれるが、その後の状況はどうかとただしたのに対し、二十一世紀を創る人づくり推進協議会において、委員から子供たちの教育の質を上げていくためには教員の資質が大事であると提言されたことについては厳しく受けとめているところである、そうした中で総合教育センターの建設については調査費を計上し、用地問題を含め鋭意検討を進めているところである、今後とも委員会の力添えをいただき努力してまいりたいとの答弁がありました。
 関連して委員から、本会議において道徳問題について取り上げられ、若い世代が道徳については今のままではだめだとの警鐘を鳴らしてくれたが、このことは教育者の思想、発言が子供たちの教育に大きなウエートがあるんだということを教員は認識してもらいたいとの意見がありました。
 次に、委員会調査の基本的なことにかかわって、本委員会もまた教育委員会としても数多くの陳情を受けているところであるが、特に委員会の県内調査先での要望等については本委員会としても実現に向けて努力し、次の年度にはある程度要望が実現されてもよいのではないかと思う、教育委員会としても財政当局に対して努力しているところであるが、文教委員会としてもバックアップをしていくことが大事であるということを委員長に要望しておくとの意見がありました。
 このほか、沖縄における米軍兵士の少女暴行事件についての所見、官官接待についての質疑がありました。
 以上が、当委員会における審査の概要であります。
 当委員会に付託されました議案第百四号並びに議案第百十九号は、全会一致をもって可決すべきものと決しました。
 また、請願三件につきましては、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、継続審査すべきものと決しました。
 以上をもって、文教委員会の報告といたします。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(橋本 進君) 総務委員会委員長和田正一君。
 〔和田正一君、登壇〕(拍手)
○総務委員会委員長(和田正一君) 総務委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案十六件であります。
 当委員会は、九月二十九日及び十月二日の二日間、第一委員会室において開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、審議を行いました。
 各委員の質疑、意見及び要望等の主なるものは、次のとおりであります。
 まず医科大学関係では、移転整備に伴う新規機材や備品の購入予定についてただしたのに対し、現在、現有備品のリストアップと並行して新規機器、備品等の調査を行っており、今後これらを取りまとめ予算化の協議を行い、移転時までに備品の整備ができるように進めたいとの答弁がありました。
 次に、今回の使用料及び手数料条例の改正による増収額についてただしたのに対し、入学金で七十数万円、入学考査手数料で六十数万円を見込んでいるとの答弁がありました。これに対して、大学全体から見れば小さな額ではあるが、学生にとっては大きな負担となるので、学生の立場で考えてはどうかとただしたのに対し、現在まで国立大学に準じていろいろなことを決定してきた経緯があり、よほどの理由がないとこれを変えることは困難であると考えるので今後も検討してまいりたいとの答弁がありました。これに対し、思い切って大学の自主的な判断で従来の考え方から脱却するように要望がありました。
 知事公室関係では、パスポートセンターの移転準備の進捗と県民への広報についてただしたのに対し、現在、パスポート発給窓口は県庁国際交流課と海草県事務所を除いた各県事務所総務課の七カ所であるが、発給件数が昨年八月以来大幅に増加しており、県民の利便性を高め、事務の効率化を図るため、県庁国際交流課の窓口を十一月十三日に和歌山ステーションビルへ移転することとして、現在移転準備を順調に進めている、また窓口移転に対する広報については、九月七日に報道機関へ資料提供をするとともに、市町村を初め関係機関へのポスター配布、さらに九月二十二日よりテレビスポット放送を開始している、今後も「県民の友」十、十一月号への掲載やテレビ、ラジオのスポット放送、電光ニュースの利用などを予定し、いろいろな機会をとらまえて広報を実施し、遺漏のないよう周知徹底を図ってまいりたいとの答弁がありました。
 続いて、十月四日にフロリダ州と姉妹友好提携の調印を行うが、その後の予定についてただしたのに対し、議会の日程とも調整しながら、来年早々にも答礼団という形で訪問したいと考えており、今後の交流についてはフロリダ州側と相談しながら進めてまいりたいとの答弁がありました。
 これに関連して、世界に名の通ったフロリダ州であるので、魅力あるイベントをぜひ和歌山で開催することを働きかけるように要望がありました。
 このほか、コミュニティーFM放送について、秋田県の新聞広告について、現知事の勇退と新知事の迎え入れの準備などについても説明を求めました。
 企画部関係では、紀淡海峡ルートに係る地元の取り組み、及び今後の見通しについてただしたのに対し、第十一次道路整備五箇年計画での位置づけ、地域高規格道路としての認定、平成五年度からの現地踏査、今年二月の海上ボーリング調査、また学識経験者による紀淡連絡道路調査委員会での技術的に十分可能であるとの意見、地元経済界による紀淡連絡道路建設フォーラムの設立など着実に前進している、今後のスケジュールは、今回の補正予算において平成十年度事業着手に向けての事業化調査へ切りかえるための予算をお願いしており、今後、環境現況調査や事業主体、事業手法等の検討を深め、事業化の運びとなるとの答弁がありました。
 これに関連して、紀淡海峡ルートにおける他府県の取り組み状況についてただしたのに対し、本県、大阪府、兵庫県、徳島県、奈良県、香川県、高知県と九経済団体で紀淡海峡交流会議を構成し、また愛知県から長崎県に至る十七府県、八経済団体で太平洋新国土軸構想推進協議会を設け、広がりをもって実現化に取り組んでいるとの答弁がありました。
 次に、燦黒潮リゾート構想の進捗状況についてただしたのに対し、平成二年十二月に構想が承認され、現在までに投資額で当初見込みの約四千五百億円に対して一八%に当たる約八百億円の投資があった、民間事業で見ると全体で約四十四事業があり、そのうち協議中から供用中のものは十五事業で約三○%となるとの答弁がありました。
 また、わかやま学研究支援事業についてただしたのに対し、この事業は大学と地域の連携を強め、大学などの持つ高度な知的資源を地域活性化に結びつけるという趣旨で本年度からスタートしたものである、先進的かつユニークな事業ということで好評を得て三十件の応募があり、有識者による審査を経て十件を採択した、募集についてはマスメディアへの資料提供と各大学へ出向き説明を行うなど周知徹底を図った、また課題研究のテーマについてはタイムリーなテーマでの研究を期待して「防災」と設定した、助成額は、初年度でもあり、かつ三十件という多数の応募があったので、できるだけ多くの研究を採択支援したいとの考えから、審査会とも相談の上、申請者にも納得いただける形で決定したが、今後も事業予算の確保に努めてまいりたいとの答弁がありました。これに対して、すばらしい事業であるので、ぜひ継続し充実に努めるよう要望がありました。
 続いて、大阪分水の開始は平成十二年となっているが、紀伊丹生川ダムがおくれている現状から分水開始は難しいのではないかとその進捗状況をただしたのに対し、協定により平成十二年を目標にしているが、分水開始は紀の川大堰が平成十一年度に完成し、そして紀伊丹生川ダムの完成が基本と考えている、ダムの状況は水没予定地域の地域整備への関心が高く、国と県が一体となって協議しているところである、道路のルートについては関係市町村と協議中であり、早期に地元合意が得られるよう鋭意努力していきたいとの答弁がありました。これに対して、紀北地域には関西国際空港の波及効果が必要であり、平成十二年の目標に間に合うよう強力に推進するよう要望がありました。
 次に、紀勢本線の高速化事業の現状についてただしたのに対し、JR西日本から事業計画案の提示を受けたところであるが、さらなるスピードアップなど利便性の向上が図られるよう、JR西日本などと最終的な詰めの協議を進めているところである、県としては速やかに協議を終え、本年度中に事業着手を図りたいと考えているとの答弁がありました。
 また、紀勢本線の紀伊田辺駅以南の複線化についても説明を求めました。
 このほか地籍調査事業について、未実施市町村に対し支援ができないか、コスモパーク加太のアクセス道路、及び今後の基盤整備に係る費用などについても活発な質疑がなされました。
 総務部関係では、食糧費の集計は把握していないとのことであるが、全体を掌握しないと改善の方向も見出せないのではないかとただしたところ、食糧費については各課ごとに予算要求がされており、それをこれからの段階で積み上げることは考えていない、来年度の予算要求もあり、節の中身ごとに査定していく中で全国の動向を見ながら前向きに取り組んでいきたいとの答弁がありました。さらに、宮城県のような全廃の動きに対してはどう考えるのかとただしたところ、各県の知事の考え方、その他の事情に応じて対応していると考えている、本県もそれらの県の情報を真剣に収集し今後の対応を決めていきたいとの答弁がありました。これに対し、和歌山県が平均的なところへ合わせようとするのでは自主性がないとただしたところ、他府県に合わせるのではなく、どのような対応が和歌山県の県益にとって一番よいか、また住民にも理解を求めることができるかを考えている、戦後五十年、いろいろな事業をしながら国との情報交換をし今まで本県が発展してきた実情も踏まえながら見直しを行ってまいりたいとの答弁がありました。
 次に、国の経済対策についての評価をただしたところ、九月二十日に発表され、思い切った内需拡大、資産価値の下落に伴う諸問題を含め、現在直面している課題の克服、経済構造改革の一層の推進の三点に重点を置いた総額十四兆二千二百億円の過去最高の経済対策であり、これは日本経済全体に、また和歌山県においても足踏み状態が続く中で史上最大規模の対策が出されたことは、時宜にかなったものと考えているとの答弁がありました。
 また、都市重点配分では地方への配分は薄くならないのかとただしたのに対し、県の受けとめ方としては、都市的なものにだけ重点を置いているのではなく、公共事業においては従来型のものも含まれており、国土基盤整備に非常に重要である、今後、二十一世紀に向けた構造改善については和歌山県としても積極的に取り組んでいかなければならないと答弁がありました。
 これに関連して、串本町のように漁業や農業が年々衰退している地域においては建設業も仕事が減少しているので、総合的な視点に立った査定の実施について要望がありました。
 次に、中小企業者に対する優遇税制について県の対応をただしたのに対し、中小企業者を含む法人課税のあり方の問題については、平成五年十一月の政府税制調査会の中間答申の基本方針である、課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げるとの方向で今後国などにおいて論議されるものと思われるので、その動向を注意深く見守りたい、なお中小企業者に対する現行税制による優遇措置としては、資本金一億円以下の中小法人に対する法人税の軽減税率の適用のほか、中小企業者の機械等の特別償却等の租税特別措置があると答弁がありました。
 続いて職員の選挙活動について、本会議での村岡キミ子議員の質問における調査の件についてただしたのに対し、九月二十八日に主管課長会議を開催し、この件についての確認を行ったところ、職制に基づいて所属職員に指示をした事実がないこと、次に、所属としては職員が政治活動に参加していることを把握しているのか確認を行ったところ、おのおのの事由により年次休暇を取得することもあり、その具体的な事由まで把握しているものではなく、また勤務時間外であればなおさら把握するに至っていないとの答弁がありました。
 次に、職員組合に対してもその事実の確認を行ったところ、組合員に依頼したことはおおむね新聞報道と同じであるが、しかしこれは組合が推薦をしている趣旨について協力依頼したものであり、その趣旨に賛同した職員が自発的に行ったものとの報告があった旨の答弁がありました。県としては、個人の政治活動は尊重するとしても、職員については地方公務員法などで政治的行為が制限されているものもあり、法に逸脱することのないよう職員組合に強く申し入れを行ったとの答弁がありました。これに対して、答弁には実態と異なる部分もあり、四課からそのような事実を直接聞いている、単に事実がなかったというだけでは済まされない、県職員の名誉にもかかわることでもあるので毅然とした態度をとるように要望がありました。
 このほか、七月の豪雨による災害復旧について、消防団活性化事業について、特色ある教育活動事業についても活発な意見、要望がありました。
 以上のような審議の結果、採決に入りましたが、当委員会に付託されました議案のうち議案第百二十二号については、賛成多数をもって原案どおり可決すべきものと決し、その他の議案については、賛成全員をもって原案どおり可決すべきものと決しました。
 以上をもちまして、総務委員会の報告を終わります。何とぞ、適切なご決定をお願いいたします。
○議長(橋本 進君) 経済警察委員会委員長吉井和視君。
 〔吉井和視君、登壇〕(拍手)
○経済警察委員会委員長(吉井和視君) 経済警察委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案四件であります。
 当委員会は、九月二十九日、第三委員会室で開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、審議に入りました。
 各委員の質疑、意見並びに要望等の主なものは、次のとおりであります。
 まず商工労働部関係では、ハローワーク和歌山が発行した求人情報誌に掲載した大阪府下の職業安定所で受け付けた企業の求人内容に不適当な表現があったことについて、行政としてのチェック体制等と今後の対応についてただしたのに対し、ハローワーク和歌山が発行した求人情報誌に不適切な求人内容がそのまま掲載されていたのは事実である、このことは職業選択の自由を阻害するおそれがある問題と厳粛に受けとめている一方、日ごろ基本的人権尊重の精神に基づいて就職の機会均等の確保を図るため、事業主に対し啓発、指導に努めている行政機関として深く反省している、この問題は県下の職業安定所だけでなく全国の職業安定所の問題であると受けとめ、再発防止対策として、第一にチェック体制の確立、第二に職員の人権意識の高揚を図ること、第三に公正な採用、選考についての周知、啓発の三点を掲げ、事業主に対し求人説明会等あらゆる機会を通じて啓発の充実に努めるなど、より一層事業主に対する人権意識の高揚に努めたいとの答弁がありました。
 このほか、木津信用組合の経営破綻による県内企業への影響と県の対応についての質疑がありました。
 次に、本年一月の阪神・淡路大震災から半年以上が経過した中で、その間の急激な円高等による経済情勢の変化もあったが、地場産業の回復の兆しはあるのかとただしたのに対し、大震災当初、県内地場産業十八産地のうち十産地に影響が出ているとの調査結果であった、半年経過した現在、影響が残っている産地としては、特に皮革関係で多少影響を受けているとの状態である、また円高と大震災が複合して産業に影響を与えている中で、本年一月から八月の間で前年と比較して生産額が増加した業種が二業種、現状維持が二業種、減少した業種が十四業種となっており、大震災と円高によりかなり地場産業に影響が出ている状況であるとの答弁がありました。
 次に、円高の影響による県内企業の海外移転状況についてただしたのに対し、県内企業の海外進出には、独自に工場進出するもの、合弁による進出及び業務・技術提携によるもの等の幾つかの形態がある、産地組合が調査したところでは、三十五社が何らかの形で海外進出しており、最も多いのが中国であり、それ以外にヨーロッパ、東南アジア等にも進出している状況であるとの答弁がありました。
 次に、国の機関委任事務である信用組合の指導監督について、事故が起こったときに県がその責任だけを負わなければならない権限のない指導監督権を国に返上するぐらいの意欲を持って国と折衝してはどうか、これについての県の見解についてただしたのに対し、信用組合の指導監督は国の機関委任事務であるが、金融の一元化という観点から、指導監督は国でトータル的に行うのがベターであると考えており、多くの府県もまたこの考え方である、去る九月二十七日に発表された金融制度調査会の中間報告においても、ディスクロージャーの問題等さまざまな問題が議論されているが、指導監督権の問題や経営破綻処理の費用負担の問題等は今後詰めていくこととなっている、いずれにしても、本県としては信用組合の機関委任事務は再検討の時期との考えを持っているとの答弁がありました。
 次に、長引く不況下での就職状況は非常に厳しく、特に新卒者の就職問題は社会問題化している状況であるが、新規学校卒業者の就職状況の現状とその対応についてただしたのに対し、新規高等学校卒業者対象の求人受理状況は、県外からの求人及び県内での求人の倍率は七月末現在二・七二倍で、前年に比べ求人数で二六%の減少、県内求人で二五%の減少となっており、求人倍率についても○・五%下回っている、こうした中、新卒者の採用意欲のある企業等の求人情報を収集し、就職希望者に提供することにより、就職機会の増大を図るのを初め、未充足となっている企業並びに高等学校進路指導担当教員等が一堂に会して求人説明を内容とする新規高等学校求人説明会を開催するなど、新たなる求人の確保に努めることとしているとの答弁がありました。
 このほか、和歌山県信用組合に関し、一日も早く再建するという観点から、現在実施している再建支援資金の融資について、もっと思い切って低利にすべきではないかとの要望がありました。
 公安委員会関係では、警察職員の増員並びに資機材の整備計画、死体処理手当についてただしたのに対し、警察官の定数は政令で定められており、これをもとにして条例で定めることとなっているので国に増員を要求している、資機材の整備については化学物質対応の資機材も含め、財政事情を考慮しながら年度計画により計画的に整備していきたい、また死体処理手当についてはその都度増額していただいており、現在、死体の損傷程度により千百円から二千二百円となっているとの答弁がありました。
 次に、旅田市長の市議会発言に関連して、東警察署の刑事に激励の電話をもらったと発言したことについて、本会議で事実を確認していないと答弁しているが、市長は虚偽の発言をして警察を利用しているのではないか、警察はこの発言を見過ごすのか、市長に事実を確認すべきでないかとただしたのに対し、激励の電話を受けたという内容の報道は承知しているが、電話をしたという者の確認には至っていない、厳正公平な立場を堅持しているという警察の立場を本会議で明らかにしているところであり、県民の理解を得られると考えている、警察は職務の遂行に当たっては不偏不党かつ公平中正な立場を堅持しており、県民の疑惑を招くような言動はあり得ないものと確信しており、また警察は警察の立場で対応しているとの答弁がありました。
 関連して委員から、旅田市長は市議会という公的な場で警察の友人に激励されたと発言していることについて、警察としてはそのような事実を確認するに至っていないとの答弁があったが、このような発言をそのままにせず、旅田市長本人に確認するなど何らかの対応をしなければ、県民の間では旅田市長の発言が正しいということになってしまう、警察として今後何らかの対応を考えてもらいたいとの要望がありました。
 また、同じく市長発言等に関連して、警察の暴力団対策に対する基本的な考え方はどうか、現在、問題となっているビデオが市長と暴力団組長の会談にかかわるものであることを承知しているか、ビデオの日付は八年前だが、会談の中で市長が今後のつき合いを約束するところがあるが知っているか、同席の暴力団幹部の現在の動向を把握しているかとただしたのに対し、暴力団対策は県警察運営の最重点課題の一つとして掲げ、暴力団を社会から根絶するため、暴力団の取り締まり、暴力団の排除活動、暴対法の適正な運用を三本柱として積極的に推進している、ビデオについては新聞等で報道されている範囲内で内容について承知している、同席の暴力団幹部については、報道により組員がいたことは承知しているが現在の動向は把握していないとの答弁がありました。
 さらに、市長は市議会で昨年秋ごろからビデオを脅迫めいた形で売り込みに来たと答弁していることを知っているか、そのような届け出があったかどうか、警察の対応はどうか、市長は先頭に立つべき立場にありながら脅迫を受けて届け出をしなかったのは残念である、市長は暴追センターの副会長になっているが充て職ならそれでよいのか、八年前、山口組と一和会が抗争事件を起こしていた時期であるが、その時期に暴力団と市長が交際していたことをどう思うか、市長は当初の答弁から方向転換してきているが、市長と暴力団の関係についてどう考えるのかとただしたのに対し、九月八日の市議会本会議での市長の答弁の内容は十分承知している、このことについて現時点ではそのような届け出は受理していない、届け出のない場合の対応については、直接、生命身体に危害が及ぶか危害が及ぶおそれがあるといったようなものについては、たとえ被害者から届け出がない場合であっても捜査するのが常識である、ただ脅迫のような事案については、被害者の意思を尊重し、届け出を待って捜査するのが警察としての通常の対応である、しかし警察は暴力排除活動を推進しており、暴力団等から被害を受けたような場合、届け出をするよう啓発している、暴追センターのことについては、旅田市長は副会長になっている、本会議で本部長が答弁したとおり、副会長には警察本部長のほか、県民の代表として県議会議長、自治体の代表として県市長会会長及び町村会会長を委嘱している、一般的に言って暴力団を容認したり利用することが好ましくないことは当然のことである、暴力団との交際については、旅田市長が事実関係を否定しているようであるのでコメントは差し控えたいとの答弁がありました。
 次に、九月二十三日、湯浅町において発生した殺人事件について捜査の見通し等についてただしたのに対し、捜査中でもあり詳細は差し控えるが、即日、刑事部長以下七十名体制で捜査本部を設置して鋭意捜査中である、現場付近の聞き込み捜査、捜索、被害者の身辺調査、周辺の空き巣事件等の洗い直し等の捜査を実施しているとの答弁がありました。
 関連して委員から、殺人事件は県民の信頼を得るためにも全力を挙げて犯人を検挙してもらいたいとの要望がありました。
 また、電話や手紙等による嫌がらせ事案についての対応についてただしたのに対し、最近、嫌がらせ電話がふえており、相談も受けている、対応としては事案の内容に応じてケース・バイ・ケースで対応しているとの答弁がありました。
 次に、県下における暴走族の実態とその対策についてただしたのに対し、暴走族対策については、取り締まりだけでなく青少年問題を含めた社会問題として根源的な対策が必要であることから、交通、刑事、少年等、各部門との連携を初め、関係機関、団体、家庭、学校等と緊密な連携をとりながら総合的な対策を推進している、暴走族グループについては、平成六年中四グループ三十七人の解明、解体し、本年は五グループ四十七人を共同危険行為等の禁止違反で検挙し解体したが、依然として二輪車の単発的な爆音、爆走が見られることから、今後とも暴走行為を行う可能性のある者約百五十人の行動を引き続き監視しているところであるとの答弁がありました。
 以上のとおり、慎重審査の後、採決の結果、当委員会に付託されました議案第百四号、第百八号、第百二十号及び第百二十一号は、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上で、経済警察委員会の報告といたします。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(橋本 進君) 厚生委員会委員長森 正樹君。
 〔森 正樹君、登壇〕(拍手)
○厚生委員会委員長(森 正樹君) 厚生常任委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案二件であります。
 委員会は、九月二十九日、第二委員会室で開催し、民生部、保健環境部の順に当局から付託案件についての説明を聴取した後、審議に入りました。
 委員会における各委員の質疑、意見及び要望の主なものは、次のとおりであります。
 民生部関係では、まず第百十二号和歌山県心身障害者扶養共済制度条例の一部を改正する条例についてさらに詳しく説明を求め、資金運用利率の影響等により、なぜ現行保険料の掛金が二倍に上がるのか、また国から制度改正の通知はいつあったのかとただしたのに対し、障害者を持つ保護者の相互扶助の精神に基づいた保険で、保護者が死亡または重度障害となったとき障害者に終身年金を支給する制度で、昭和四十五年から実施され、昭和六十一年に保険料引き上げの改正を行ったが抜本的な改正には至っていなかった、近年、障害者の死亡率の改善や資金運用利率の悪化等により年金財政が圧迫され、平成二年から単年度収支が赤字となり、このままの保険制度では平成十年には年金財政が枯渇する状態である、この制度を安定化させ年金支給を確実にするため保険料の引き上げをお願いするとともに、今回、初めて国と県でこれまでの保険金不足分を補い、抜本的な改正を行うものである、また現在、保険金不足額の一千二百億円を国、県で補い、平成八年一月から改定保険料で運用するため、三年にわたり段階的に約二倍に引き上げられる、また通知については正式文書は今年の六月にあり、制度改正の事前説明は今年の二月と四月の二回にわたり行われたとの答弁がありました。
 これに関する意見として、制度運営上、改正はわからないではないが何らかの意思表示をしたい、そこで要望書の提出を考えていただきたいとの提案があり、厚生常任委員会として今般の制度改正に対し、委員長名で「心身障害者扶養保険制度の改正に関する要望書」を厚生大臣、社会福祉医療事業団理事長に提出することを決定いたしました。
 このほか、二万円の年金額では保護者や加入者にとって魅力ある制度か、もっと魅力ある保険にする必要がある、本県には精神薄弱児者四千人、身障者二万人もいる中で、この保険に加入している者が六百人しかいないのは現制度が親の期待にこたえていないのではないか、国際障害者年からいろいろな施策が進められているが、障害者や親はグループホームや福祉工場など就業や自立につながるものを求めており、その方向で施策を考えるようにとの要望がありました。
 さらに、障害者扶養保険制度の改正に関し障害者の声を聞いているか、また障害者施設は認可法人の施設もあるが、いろいろな障害の程度に応じ身近な地域に小規模作業所を求める声が多い、県が実施している小規模作業所に対する補助金は全国的に見てどの程度か、また近畿での状況をただしたのに対し、全国育成会から各県の育成会へ改正内容は通知されている、県内の加入者に対しては議案成立後周知し、ご理解を得てまいりたい、また法定施設は障害種別ごとに設ける必要があるなど制約もあり、地域の中で関係者等が一体となって運営している小規模作業所はそれなりのメリットがある、小規模作業所に対する補助金は、十人規模で全国が四百二十三万円、本県は四百二十六万円、十九人規模で全国が五百七十万円、本県は五百九十万円であり中間的な位置にある、近畿での状況は、近畿の各府県が全国的にも高い水準にあるところから本県は最下位であるとの答弁がありました。
 次に災害救助備蓄について、どのような物資をどの程度備蓄しているのか、また最近、兵庫県におけるひとり暮らしの高齢者の孤独死が報道されている、兵庫県はひとり暮らしの高齢者をボランティアの人が訪問する、ベルを取りつけるなどさまざまな対策をしているにもかかわらず孤独死のニュースを聞くが、本県におけるひとり暮らしの高齢者対策はどうなっているのかとただしたのに対し、災害救助備蓄物資として、毛布五千枚、食料三千食を備蓄しているが、さきの阪神・淡路大震災を教訓として、ポリシートについても雨の際、屋根に敷くなど重宝されたと聞いており、今回の補正予算分を合わせると毛布一万枚、食料一万食、ポリシート一千枚を備蓄することにしている、新地域防災計画にあわせて再度、備蓄物資の種類及び数量について見直しを行う、また県内にひとり暮らしの高齢者は二万五千人余りである、その対策として、民生委員や地域住民の方がひとり暮らしの高齢者宅を訪問するなど地域ベースでの取り組みがなされるほか、ホームヘルパーによる制度内外の訪問、緊急通報システムの整備、警察における一声かけ運動、及びヤクルトなど民間企業の取り組みに対する市町村からの補助等が行われているとの答弁がありました。
 これに関連して、阪神・淡路大震災の際、和歌山県と兵庫県とが海でつながっており、船便で送った水が一番喜ばれたと聞いており、救援物資で一番必要であったのは水や女性の生理用品、老人の衛生関係製品やトイレなどであったことから、これからの備蓄物資について検討をするよう、また本県で災害が起こったとき、被災者の方々が困らないような配慮をするよう、またこのほか県営住宅雄湊団地には障害者用住宅が一戸しかない、今後県営住宅を新設する場合、障害者用戸数の増設を図るよう障害福祉課から土木部へ申し出るようにとの要望がありました。
 次に、引揚者住宅の土地は国のものであるのかどうか、その跡地利用の計画、また中央児童相談所の撤去後の跡地の利用計画をただしたのに対し、和歌山新生寮で八千八百二十七平方メートル、和歌山厚生住宅で一千六百四十六平方メートルあり、いずれも国有地である、跡地利用については鋭意入居者の住みかえを進めており、その転居状況を見ながら検討していく予定である、また中央児童相談所の跡地は面積で一千二百二十九平方メートルであり独自の開発利用が困難である、隣接の紀の国会館から売却の要望が来ているが、教職員の福利施設である同会館は会議、結婚式等に県民にも広く利用されていることから、そこへの売却も含めて検討中との答弁がありました。
 これに関連して、引揚者住宅の跡地については、県が管理してきた実績を踏まえ、県民の利用に供するため国から譲り受けるよう、また今後管財課とも有効利用について考えるよう要望がありました。
 続いて、国連五十周年記念女性団体補助はどのような事業内容かと説明を求めたのに対し、十月二十四日に外務省と国連五十周年記念国内委員会が共催で日本武道館で八千人規模の集いが開催され、県内の女性団体の長で構成する女性会議の皆さん二十五名の方に参加いただき、その後、報告集会を予定しているとの答弁がありました。
 これに関連して、参加者は各種団体の長に任せることなく、若い人を含め幅広い人材の中から人選するよう、またこのほか本会議において本委員会の調査先であった紀北青年の家については充実していく旨の答弁がありましたが、まだまだ改修が必要であるので、本委員会の総意として早急に斬新な改築をするよう強い要望がありました。
 次に、県内には八百人近くの特別養護老人ホーム入所待機者がおり、県老人保健福祉計画による三千床では対応できない、在宅介護や老人保健施設によるサービスにも限界があり、国に対して計画枠を見直すよう要望していくべきである、また県老人保健福祉計画による三千床という枠そのものの見直し、またこれに関連して、県議会として特別養護老人ホームの整備促進について意見書を出すこととしたいとして当局の見解をただしたのに対し、政府要望の機会をとらえ、新ゴールドプランによる目標年度以降分の前倒しとして特別養護老人ホームの整備を進めていけるよう要望している、また現在の高齢者福祉は在宅福祉を中心に進められている、一朝一夕に在宅福祉が充実、普及するわけではなく、特別養護老人ホームの整備の推進について国と協議する、また国において、平成七年度二次補正予算に対し、既に採択を得ている特別養護老人ホームの建設がより早く進むよう積極的に協議を行っているとの答弁がありました。
 次に、介護保険の問題が取りざたされてきているが、公的保険と言いながら、受けられる部分と負担増につながる利用料がプラスされる部分とがある、結論は出ていないが今後どんな方向で進んでいくのかとただしたのに対し、介護保険は今厚生省の各審議会で検討されており、都道府県のどの部局で担当するかわからないが、承知している範囲では、老人保健福祉審議会から七月二十六日に中間報告が出され、八月四日の医療保険審議会からの中間取りまとめでは、老人保健福祉審議会での検討を踏まえて新介護システムによる費用負担など具体的な内容を検討していくとのことであり、介護システムの法案は来年の春ごろを予定していると聞いているとの答弁がありました。
 入院給食の問題も、国会で十分審議がなされず、また国民がほとんど知らない間に決まった、介護保険も国民がほとんど中身を知らない間に決まってしまうおそれがある、国民が十分知る期間や国民に中身を十分知らせるため行政側に積極的な対策をとるよう要望がありました。
 続いて保健環境部関係では、まず古座保健所の存廃を現時点でどう考えているのかとただしたのに対し、昨年七月に地域保健法が施行され、同年十二月に告示された地域保健対策の推進に関する基本的な指針では、保健所の所管区域は平成八年度末までに二次医療圏または老人保健福祉圏と一致させることを求められているところであり、本県としては、地域の実情に十分留意しながら、県医師会を初めとする関係団体や学識経験者等で構成する検討委員会を設置し、意見をいただきながら慎重に対処してまいりたいとの答弁がありました。
 次に、法人化を目指している田辺市の団体が精神障害者のための精神障害者援護寮及び授産施設を計画中であるが、精神障害者援護寮の国の基準は四人部屋となっている、プライバシー保護からも個室が望ましいが負担がふえる、県は補助基準の見直しをできないのか、これに関連して、法人化を目指す中、精神障害者の家族が資金集めに苦労している、これとともに従来の家族会活動も並行していかねばならない状況にある、家族会の支援について県単独でも補助等を考えてはどうかとただしたのに対し、現在、社会福祉法人一麦会に一カ所精神障害者援護寮があり一人部屋である、県独自での対応は困難であるが、建設資金の利子補給等により支援していく、また家族会への補助については今後検討してまいりたいとの答弁がありました。
 続いて、県の精神障害者通院患者リハビリテーション事業は余り知られていないのではないか、もっと啓発に努めるべきである、これに関して、受け入れ事業所への訓練委託費は一日二千円、一カ月十六日限度で、六カ月の委託期間を三年を限度として更新することができるものとされている、今年度から県単独で通所者のための傷害保険制度が新しく加えられたと承知しているが、一日一人当たり二千円のところへ上乗せできれば受け入れ企業にもお願いしやすいがどう考えるかとただしたのに対し、地域精神保健福祉対策促進事業によりパンフレット等を作成し啓発を推進するとともに、協力事業所の拡充を図っていく、また受け入れ事業所の助成については、今年度から傷害保険制度を創設したことにより五事業所から八事業所にふえた、この事業は国の補助事業であり、補助金単価の増額については国に要望していくとの答弁がありました。
 このほか老人性痴呆疾患センターについては、今年九月に五稜病院に設置されたが、既に昨年、紀南病院に設置されているセンターの利用状況、問題、課題等、また精神保健福祉法第三十二条の通院医療費の自己負担について県下の市町村助成の状況をただしたのに対し、平成六年度の実績は、取り扱い件数八十一件、うち男性が五十件、女性が三十一件、田辺保健所管内が六十四件、その他十七件であり、さらにより多く利用していただくための啓発に努めてまいりたい、また通院医療費の助成については、現在市町村で独自に補助を行っているのは六町村であるとの答弁がありました。
 次に、なぎ看護学校などへの遠距離通学者に対し、県がアパート経営者と契約し一定の補助をするなど低額の宿舎を提供することを検討してみてはどうかとただしたのに対し、現在県で宿舎を建設する計画はなく、またアパート経営者と契約することについても検討していない、ただ学校周辺にアパートを建設したいという話は聞いているとの答弁がありました。これに関連して、ぜひ検討するよう要望がありました。
 以上のほか、保健環境部の食糧費、特例許可老人病院、紀南の医療廃棄物の処理問題についても意見、要望がありました。
 このほか、「特別養護老人ホームの整備拡充に関する意見書」の提出について提案があり、これについては後ほど意見書案が提出される運びとなっておりますので、どうぞよろしくご賛同賜りますようお願い申し上げます。
 以上のような審議の結果、採決に入りました。当委員会に付託されました議案のうち、議案第百四号については賛成全員をもって原案どおり可決すべきものと決し、議案第百十二号については賛成多数をもって原案どおり可決すべきものと決しました。
 以上をもちまして、厚生常任委員会の報告を終わります。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(橋本 進君) 農林水産委員会委員長松本貞次君。
 〔松本貞次君、登壇〕(拍手)
○農林水産委員会委員長(松本貞次君) 農林水産委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案八件であります。
 当委員会は、九月二十九日、第四委員会室で開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、審議に入りました。
 各委員の質疑、意見及び要望等の主なものは、次のとおりであります。
 まず農業の振興についての質疑があり、社会情勢が大きな変貌を遂げ、農業、農村の役割はますます増大し、食糧安全保障などが言われる中、国内農業の振興、特に若い担い手の確保対策を中心とした人づくりは重要な課題である、地域の振興にとって農業を初めとする第一次産業全般の活性化が必要であり、二十一世紀に向け働きがいを持って従事できる本県農業の基本的な考え方はどうかとただしたのに対し、農業の振興は県政の大きな柱であり、その推進に積極的に取り組んでいるところであり、特に人づくりや担い手対策については安定した所得の確保を初めとして、文化、教育、医療などの定住環境の整備に総合的に取り組んでいくことが重要と考えているとの答弁がありました。
 また、ウルグアイ・ラウンド対策関連事業を推進していくためには、農家負担の軽減並びに市町村財政の支援措置が必要でないかとただしたのに対し、県の補助率については事業の公共性や受益等を見きわめながら定めており、市町村における市町村と受益者との負担割合は個々の市町村の事情によって異なっていると思われる、ウルグアイ・ラウンド対策に必要な予算については主に国の補正予算により措置されているところであり、これに伴う公共事業の市町村負担については起債及び交付税措置等の財政支援が図られているとの答弁がありました。
 次に用地取得について、地籍調査ができていないため用地買収ができず、国に補助金を返還した事例はこれまでにないのかとただしたのに対し、用地買収ができず補助金を返還した事例はこれまでにはないが、今後危惧されるところである、用地取得を伴う事業については地籍調査が不可欠であり、必要な地域の地籍調査を先行するよう関係市町村に取り組みを強く要請しているところであるとの答弁がありました。
 続いて、新幹線沿線でのPR看板の設置についてただしたのに対し、現在まで滋賀県、岐阜県大垣市等の四カ所に設置している、本年度も景観条例等の問題はあるが、味一ミカン等について設置することとしているとの答弁がありました。
 次に、学校給食へのジュースの供給についてただしたのに対し、本県の学校給食へのジュースの供給はジュースのPRの一環として推進しているとの答弁がありました。
 このほか、平核無のハウス柿の脱渋中における軟化対策についてただしたのに対し、現在、果樹園芸試験場紀北分場を中心に県平核無脱渋研究協議会と連携しながら原因究明等について研究を進めているとの答弁がありました。
 次に林業の振興についての質疑があり、まず森林交付税について創設促進連盟に加入している市町村は対象市町村の何割か、今後とも森林交付税の実現に向けて他府県と連携しながら国、国会に対し積極的に働きかける必要があるのではないかとただしたのに対し、現在加入しているのは五百二十三市町村で山村市町村の約四三%である、促進連盟の会員は市町村に限られているが、全国各県の状況を見てみると、同様の趣旨で取り組んでいる国土保全奨励制度全国研究協議会への参加県は三十八県であり、本県としても林業、山村振興施策に対する財源措置の充実強化に向け積極的に取り組む考えであるとの答弁がありました。
 また、国産材の利用促進を図る上で集成材加工を含めた新用途開発への取り組みはどのようになっているのかとただしたのに対し、国内のJAS認定工場での集成材生産量は三十一万立方メートルであり、和歌山県の加工業者は十九社で年間生産量は約四万一千立方メートルとなっている、今後関係業界とも連携を図りながら研究を進め、県産材の利用推進に努めていきたいとの答弁がありました。
 次に、粗放化する森林の利用面や災害の問題を考え、森林の公有化を推進してはどうかとただしたのに対し、放置森林が見受けられる中で、森林、山村対策の一環として地方単独施策である地域環境保全林整備特別対策事業等により、高野町、本宮町、北山村、中辺路町で取り組んでいる、また県においても護摩壇山森林公園の森林の公有化に取り組んでおり、今後も市町村と協議しながら適正な森林管理に努めていくとの答弁がありました。
 続いて、阪神・淡路大震災において木造住宅が他の建築物より耐震性が低いのではないかとのイメージに対する県の取り組みをただしたのに対し、昭和五十五年の建築基準法改正後の軸組工法や枠組壁工法などの木造建築物は耐震性を有するものとなっている、今回、木造住宅の耐震性に対するイメージアップを図るため、筋交いなどの内部構造材がわかる建物としてモデル木造住宅を和歌山市内に建築することとし、また現地において住宅相談窓口を設置することにしている、さらにモデル住宅の設置とあわせ、耐震性、木のよさ、木の価格など盛り込んだパンフレットを作成し啓発に努めていきたいとの答弁がありました。
 このほか、農林業に対するシカ被害が多い、本県では雌ジカを捕獲していないと聞くが、雌ジカに対する対応はどうかとただしたのに対し、現在、県では雌ジカの有害駆除は認めていない、しかしシカによる被害が増加しているとの指摘もあり野生鳥獣生息調査を実施している、平成八年度末には調査結果が得られる予定であるので、雌ジカの有害駆除について一定の方針を示したいとの答弁がありました。
 次に、近畿大学用地として売却する土地及び研究学園ゾーン構想についてただしたのに対し、今般の売却は広域農道の南側約十五ヘクタールである、大学側は学部、学科増設に伴う用地として、今後北側部分約二十三ヘクタールについても要望されているが、県としては研究学園ゾーン構想の方向に沿ったものとして、将来売却の方向で検討していきたいとの答弁がありました。
 これに関連して、国有林の払い下げについてただしたのに対し、この一連の土地の処分により県民憩いの森を確保するため、隣接する国有林の払い下げを受けるべく検討しているとの答弁がありました。
 続いて、紀南流域以外において間伐の補助金が打ち切られているのかとただしたのに対し、補助金の打ち切りはなく、紀南流域では流域総合間伐対策事業で重点的に実施しており、紀北、紀中流域では一般造林事業により実施しているとの答弁がありました。
 次に試験研究機関の充実についての質疑があり、まず地域の実態に即した試験研究機関の充実強化についてただしたのに対し、農林水産部には十一の試験研究機関があるが、建築後三十年を経過したものが多く老朽化が進んでいる、このため試験研究機関の整備について次長をキャップに検討を進めているところであり、試験場の整備にUR関連対策を仕組めるかどうかも確認しながら計画的な取り組みを行ってまいりたいとの答弁がありました。
 また果樹園芸試験場本館の改築と圃場整備について、この機会に自動かん水等ができる農家のモデルとなるような近代的な農場整備をしてはどうかとただしたのに対し、果樹園芸試験場については本館の改築を含め総合的に整備を進めたいと考えているが、圃場についてはかん水施設等、近代的農業ができるよう検討していきたいとの答弁がありました。
 次に梅の生育不良の研究については、果樹園芸試験場並びに暖地園芸センターにおいて行っているが、田辺に梅の研究所を市、農業協同組合、県による第三セクター方式で設置してはどうかとただしたのに対し、梅専門の研究所の設置については田辺市等と協議の上検討していきたいとの答弁がありました。
 このほか、園地の交換による集団化等、将来の農業振興に向け新しい発想で取り組んでほしいとの要望や、さらに農業の原点に立ち返り、県、農協等、関係者一同が主体性を持ってそれぞれの役割を十分発揮することができるよう、県においてはその環境づくりに努められたいとの要望がありました。
 さらに、本年度県単独新規事業として取り組んでいる作業道緊急整備事業は、地域関係者から好評を得ているので今後も継続して実施されたい、また紀泉高原スカイラインのアクセス道路の通行に支障のある箇所についても早期に整備を進めてほしいとの要望がありました。
 このほか、「第六次海岸事業五箇年計画の策定と平成八年度予算の確保に関する意見書」の提出について提案があり、これについては後ほど意見書案が提案される運びとなっていますので、よろしくお願いいたします。
 以上のような審議の結果、当委員会に付託されました議案八件は、賛成全員をもって原案どおり可決すべきものと決しました。
 以上をもちまして、農林水産委員会の報告を終わります。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(橋本 進君) 以上をもって、各常任委員会委員長の報告が終わりました。
○議長(橋本 進君) これより、委員長の報告に対する質疑に入ります。──質疑なしと認めます。
○議長(橋本 進君) 次に、ただいま議題となっております案件について討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(橋本 進君) ご異議なしと認めます。よって、直ちに採決を行うことに決定いたしました。
○議長(橋本 進君) これより採決に入ります。
 まず、議案第百四号、議案第百十二号、議案第百二十二号、議案第百二十三号を一括して採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は、いずれも原案可決であります。
 本案を委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君は、ご起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(橋本 進君) 起立多数であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
○議長(橋本 進君) 次に、議案第百五号から議案第百十一号まで、議案第百十三号から議案第百二十一号まで、議案第百二十四号から議案第百三十六号までを一括して採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は、いずれも原案可決であります。
 本案を委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君は、ご起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(橋本 進君) 起立全員であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
○議長(橋本 進君) 次に、請願について採決いたします。
 議請第一号、議請第四号、議請第七号、議請第八号を一括して採決いたします。
 本請願に対する委員長の報告は、いずれも継続審査であります。
 本件を委員長の報告のとおり継続審査とすることに賛成の諸君は、ご起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(橋本 進君) 起立全員であります。よって、本件はいずれも継続審査とすることに決定いたしました。
  ─────────────────────
 【日程第二 各常任委員会及び議会運営委員会閉会中継続審査の件】
○議長(橋本 進君) 次に、日程第二に入ります。
 お諮りいたします。お手元に配付しております「継続審査を要する所管事務調査件名表」及び「継続審査を要する担任事務調査件名表」のとおり、各常任委員会及び議会運営委員会に対し閉会中の継続審査として付議することにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(橋本 進君) ご異議なしと認めます。よって、以上のとおり、各常任委員会及び議会運営委員会に対し閉会中の継続審査として付議することに決定いたしました。
  ─────────────────────
 【日程第三 議案第百三十七号】
○議長(橋本 進君) 次に日程第三、議案第百三十七号平成六年度和歌山県公営企業決算の認定についてを議題といたします。
 お諮りいたします。本案については、十二人の委員をもって構成する公営企業決算審査特別委員会を設置し、これに付託の上、閉会中の継続審査とすることにいたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(橋本 進君) ご異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
○議長(橋本 進君) 次に、お諮りいたします。ただいま設置されました公営企業決算審査特別委員会の委員の選任については、委員会条例第五条第一項の規定により、次のとおり指名いたしたいと思います。
 職員にその氏名を朗読させます。
 〔職員朗読〕
  ───────────────────
 公営企業決算審査特別委員会委員
  大 沢 広 太 郎 君
  佐 田 頴 一 君
  阪 部 菊 雄 君
  西 本 長 弘 君
  宇 治 田 栄 蔵 君
  冨 安 民 浩 君
  新 田 和 弘 君
  松 本 貞 次 君
  玉 置 公 良 君
  中 山   豊 君
  神 出 政 巳 君
  高 瀬 勝 助 君
      以 上 十 二 人
  ───────────────────
○議長(橋本 進君) ただいま朗読した諸君を公営企業決算審査特別委員会の委員として指名することにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(橋本 進君) ご異議なしと認めます。よって、ただいま指名いたしました諸君を公営企業決算審査特別委員会の委員に選任することに決定いたしました。
  ─────────────────────
 【日程第四 各特別委員会閉会中継続審査の件】
○議長(橋本 進君) 次に、日程第四に入ります。
 お諮りいたします。同和対策、関西国際空港対策、水資源対策、半島振興過疎対策の各特別委員会については、それぞれの問題をさらに閉会中の継続審査として付議することにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(橋本 進君) ご異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
  ─────────────────────
 【日程第五 議案第百三十八号から議案第百四十六号まで】
○議長(橋本 進君) 次に日程第五、議案第百三十八号から議案第百四十六号までを一括して議題といたします。
 お諮りいたします。本案については、委員会付託等を省略し、これより採決いたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(橋本 進君) ご異議なしと認めます。よって、本案は委員会の付託等を省略し、これより採決することに決定いたしました。
○議長(橋本 進君) 本案について質疑はございませんか。──質疑なしと認めます。
○議長(橋本 進君) この際、申し上げます。
 教育委員会の委員及び公安委員会の委員に係る議案については無記名投票をもって採決を行い、その後、土地利用審査会の委員に係る議案を起立により採決を行うことといたしますので、ご了承願います。
○議長(橋本 進君) これより採決に入ります。
 まず、議案第百三十八号和歌山県教育委員会の委員の任命につき同意を求めるについてを採決いたします。
 この採決は、無記名投票をもって行います。
 議場を閉鎖いたします。
 〔議場閉鎖〕
○議長(橋本 進君) ただいまの出席議員数は、議長を除き四十六人であります。
 投票用紙を配付いたします。
 〔投票用紙配付〕
○議長(橋本 進君) 配付漏れはありませんか。──配付漏れなしと認めます。
 投票箱を改めます。
 〔投票箱点検〕
○議長(橋本 進君) 異状なしと認めます。
 念のため申し上げます。投票は無記名であります。投票用紙に、本県教育委員会の委員に安藤精一君を任命することについて同意することに賛成の諸君は「賛成」と、反対の諸君は「反対」と記載の上、点呼に応じて順次投票を願います。
 点呼いたします。
 〔氏名点呼〕
 〔各員投票〕
○議長(橋本 進君) 投票漏れはありませんか。──投票漏れなしと認めます。
 投票を終了いたします。
 議場の閉鎖を解きます。
 〔議場開鎖〕
○議長(橋本 進君) お諮りいたします。立会人に、13番和田正一君、28番尾崎要二君、39番森本明雄君、44番中村裕一君の四君を指名いたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(橋本 進君) ご異議なしと認めます。よって、立会人に以上の四君を指名いたします。
 なお、この際、白票を無効といたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(橋本 進君) ご異議なしと認めます。よって、白票は無効とすることに決定いたしました。
 これより開票を行います。
 立会人の立ち会いをお願いいたします。
 〔投票点検〕
○議長(橋本 進君) 投票の結果を報告いたします。
 投票総数 四十六票
 うち有効投票 四十二票
  無効投票  四票
 有効投票中
  賛 成 四十二票
  反 対 な し
 以上のとおり、賛成多数であります。よって、議案第百三十八号和歌山県教育委員会の委員に安藤精一君を任命するにつき同意を求めるの件は、これに同意することに決定いたしました。
○議長(橋本 進君) 次に、議案第百三十九号和歌山県公安委員会の委員の任命につき同意を求めるについてを採決いたします。
 この採決は、無記名投票をもって行います。
 議場を閉鎖いたします。
 〔議場閉鎖〕
○議長(橋本 進君) ただいまの出席議員数は、議長を除き四十六人であります。
 投票用紙を配付いたします。
 〔投票用紙配付〕
○議長(橋本 進君) 配付漏れはありませんか。──配付漏れなしと認めます。
 投票箱を改めます。
 〔投票箱点検〕
○議長(橋本 進君) 異状なしと認めます。
 念のため申し上げます。投票は無記名であります。投票用紙に、本県公安委員会の委員に高垣宏君を任命することについて同意することに賛成の諸君は「賛成」と、反対の諸君は「反対」と記載の上、点呼に応じて順次投票を願います。
 点呼いたします。
 〔氏名点呼〕
 〔各員投票〕
○議長(橋本 進君) 投票漏れはありませんか。──投票漏れなしと認めます。
 投票を終了いたします。
 議場の閉鎖を解きます。
 〔議場開鎖〕
○議長(橋本 進君) お諮りいたします。立会人に、13番和田正一君、28番尾崎要二君、39番森本明雄君、44番中村裕一君の四君を指名いたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(橋本 進君) ご異議なしと認めます。よって、立会人に以上の四君を指名いたします。
 なお、この際、白票を無効といたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(橋本 進君) ご異議なしと認めます。よって、白票は無効とすることに決定いたしました。
 これより開票を行います。
 立会人の立ち会いをお願いいたします。
 〔投票点検〕
○議長(橋本 進君) 投票の結果を報告いたします。
 投票総数 四十六票
 うち有効投票 四十三票
  無効投票  三票
 有効投票中
  賛 成 四十三票
  反 対 な し
 以上のとおり、賛成多数であります。よって、議案第百三十九号和歌山県公安委員会の委員に高垣宏君を任命するにつき同意を求めるの件は、これに同意することに決定いたしました。
○議長(橋本 進君) 次に、議案第百四十号を採決いたします。
 本県土地利用審査会の委員に清水正義君を任命するにつき、これに同意することに賛成の諸君は、ご起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(橋本 進君) 起立全員であります。よって、議案第百四十号和歌山県土地利用審査会の委員に清水正義君を任命するにつき同意を求めるの件は、これに同意することに決定いたしました。
○議長(橋本 進君) 次に、議案第百四十一号を採決いたします。
 本県土地利用審査会の委員に谷口しょう二君を任命するにつき、これに同意することに賛成の諸君は、ご起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(橋本 進君) 起立多数であります。よって、議案第百四十一号和歌山県土地利用審査会の委員に谷口しょう二君を任命するにつき同意を求めるの件は、これに同意することに決定いたしました。
○議長(橋本 進君) 次に、議案第百四十二号を採決いたします。
 本県土地利用審査会の委員に西町正信君を任命するにつき、これに同意することに賛成の諸君は、ご起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(橋本 進君) 起立多数であります。よって、議案第百四十二号和歌山県土地利用審査会の委員に西町正信君を任命するにつき同意を求めるの件は、これに同意することに決定いたしました。
○議長(橋本 進君) 次に、議案第百四十三号を採決いたします。
 本県土地利用審査会の委員に水田義一君を任命するにつき、これに同意することに賛成の諸君は、ご起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(橋本 進君) 起立全員であります。よって、議案第百四十三号和歌山県土地利用審査会の委員に水田義一君を任命するにつき同意を求めるの件は、これに同意することに決定いたしました。
○議長(橋本 進君) 次に、議案第百四十四号を採決いたします。
 本県土地利用審査会の委員に谷本正富君を任命するにつき、これに同意することに賛成の諸君は、ご起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(橋本 進君) 起立全員であります。よって、議案第百四十四号和歌山県土地利用審査会の委員に谷本正富君を任命するにつき同意を求めるの件は、これに同意することに決定いたしました。
○議長(橋本 進君) 次に、議案第百四十五号を採決いたします。
 本県土地利用審査会の委員に植松康員君を任命するにつき、これに同意することに賛成の諸君は、ご起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(橋本 進君) 起立全員であります。よって、議案第百四十五号和歌山県土地利用審査会の委員に植松康員君を任命するにつき同意を求めるの件は、これに同意することに決定いたしました。
○議長(橋本 進君) 次に、議案第百四十六号を採決いたします。
 本県土地利用審査会の委員に中小路多加子君を任命するにつき、これに同意することに賛成の諸君は、ご起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(橋本 進君) 起立全員であります。よって、議案第百四十六号和歌山県土地利用審査会の委員に中小路多加子君を任命するにつき同意を求めるの件は、これに同意することに決定いたしました。
  ─────────────────────
 【日程第六 意見書・決議案】
○議長(橋本 進君) 次に、次に日程第六に入ります。
 和議第四号「第六次海岸事業五箇年計画の策定と平成八年度予算の確保に関する意見書案」、和議第五号「道路予算拡大並びに第六次特定交通安全施設等整備事業五箇年計画に関する意見書案」、和議第六号「治水・砂防関係事業の推進に関する意見書案」、和議第七号「水力発電施設周辺地域交付金の交付期間の延長を求める意見書案」、和議第八号「特別養護老人ホームの整備拡充に関する意見書案」、和議第九号「日米地位協定の早期改正を求める意見書案」を一括して採決いたします。
 案文は、お手元に配付しております。
 お諮りいたします。本案については、提出者の趣旨説明等を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(橋本 進君) ご異議なしと認めます。よって、直ちに採決いたします。
 本案を原案のとおり決することにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(橋本 進君) ご異議なしと認めます。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
○議長(橋本 進君) 次に、五期二十年にわたり県勢発展に貢献され、今期をもってご勇退されます仮谷知事に対し、藁科義清君外六名より感謝決議案が提出されておりますので、これを議題といたしたいと思います。
 案文は、お手元に配付しております。
 お諮りいたします。本案については、提出者の趣旨説明等を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(橋本 進君) ご異議なしと認めます。よって、直ちに採決いたします。
 仮谷知事に対する感謝決議案に賛成の諸君は、ご起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(橋本 進君) 起立多数であります。よって、感謝決議案は可決されました。
○議長(橋本 進君) この際、藁科義清君から発言を求められておりますので、これを許可いたします。
 7番藁科義清君。
 〔藁科義清君、登壇〕(拍手)
○藁科義清君 お許しを得まして、一言発言させていただきます。
 仮谷知事には、五期二十年「まごころ県政」を掲げて、清潔で公正、決断と実行、参加と協調の政治姿勢のもと、豊かなふるさと、誇りあるふるさとの実現のため県政推進に全身全霊を打ち込んでこられました。
 当時は、オイルショックや産業構造の変化など、経済の低成長期にあって県財政が非常に厳しい中、本県の発展を拒み続けてきた半島性からの脱却に真っ正面から取り組み、高速道路の延伸、国道、県道、農道、林道といった交通ネットワークの整備面では、半島振興道路、ふるさと道路など、あらゆる手段を講じ、基盤整備に成果を上げてこられたのであります。
 とりわけ、全国知事会において国に訴えた半島振興法の制定は、大きなうねりとなって全国に広まり、半島を抱える地域にとって大きな価値を持つものでありました。
 また、待望久しかった関西国際空港の開港や特急くろしおの新大阪への乗り入れも実現し、南紀白浜空港のジェット化も来年三月完成する運びとなってございます。
 さらに、燦黒潮リゾート構想によりリゾート地としての評価の高まりの中での世界リゾート博の大成功、さらに頭脳立地構想の推進、農業、産業、観光対策など、あすの和歌山をつくる基礎固めを進めてこられ、五期県政では、より豊かなふるさと、そして豊かさを実感できる基盤整備と、あわせて福祉、健康、教育、文化そして生活環境という施策を積極的に進められたのであります。
 また、国土の均衡ある発展を目指し、新たな国土軸の必要性とそれを具体化する紀淡海峡トンネルを提唱されてきましたが、各地で新国土軸形成の議論が活発化しており、仮谷知事の構想はその草分けとなるもので、二十一世紀に向け、その大きなビジョンは政治家としての知事の理念であり、人々に大きな夢を与えています。
 和歌山は今、大きく花開き、実を結ぼうとしていますが、今まさに和歌山の時代が来たのだと言っても過言ではないと私は思うのであります。
 きょうを限りにしてこの場を去られる知事に対しまして、過去二十年間における知事が残された偉大なるご功績に対し感謝を申し上げ、同時にそのご労苦に対しまして心からお礼を申し上げる次第であります。
 どうぞ、知事をおやめになられました後も、ますますご健康で、ご長寿を保たれ、ご多幸にお過ごしくださいますよう、心から念じまして、私の感謝の言葉とさせていただきます。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(橋本 進君) 以上で、藁科義清君の発言が終わりました。
  ─────────────────────
○議長(橋本 進君) 以上で、今期定例会に付議された諸案件の審議はすべて終了いたしました。
 この際、知事より発言を求められておりますので、これを許可いたします。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕(拍手)
○知事(仮谷志良君) 議員各位におかれましては、平成七年度九月補正予算のご承認をいただき、また先ほどは感謝決議までしていただき、衷心より厚く御礼を申し上げます。
 ちょうど一年前の九月県議会最終日、この場で私は、今期を限りに任を退く旨、表明させていただいたところであります。そして迎えた今議会、本日をもって、私が知事として登壇する県議会を終えることとなります。この機会に際し、お許しをいただきまして、議員初め県民の皆さんに一言、感謝とお礼のごあいさつを申し上げたいと存じます。
 この二十年、私は県議会議員の皆さんを初め百八万県民の皆さんの温かいご支援にお支えをいただきながら、県政推進に全身全霊を打ち込んでまいることができました。豊かな自然と歴史文化に恵まれた和歌山県、私たちのふるさとは美しく、たくましく、そして心温まるふるさとであります。私は、この地に生まれ育った者として、その発展に微力を尽くせたことに大きな充実感を持っております。
 思えば、昭和五十年の知事就任当時は、大橋先生の急逝という深い悲しみとオイルショックによる県財政の危機、さらに産業構造の急激な変化など、心の面でも、経済の面でも、そして社会的な面でも乗り越えなければならないものが山積し、多様化する行政需要にいかにこたえていくのか、非常に難しい時期でありました。
 しかし、そうした中でも私は、本県の発展を拒んできた半島性の脱却に真正面から取り組んでまいりました。半島振興法の成立や特急くろしおの新大阪乗り入れ、高速道路の国土軸直結と紀南への延伸、さらには県内三時間交通を実現する幹線道路網の構築、関西国際空港の建設や南紀白浜空港のジェット化、そして県経済を浮揚する六十社に及ぶ企業誘致、長寿社会への対応や医科大学の移転整備、大学・高校の充実、美術館、博物館、図書館の整備など、これまでの道程は決して平たんではありませんでしたが、近年、その取り組みがようやく開花し、新たな基盤が整ってまいったところでございます。
 そして現在、和歌山県は世界リゾート博、関西国際空港の開港、そして吉宗と、内外の注目を浴びて新たな飛躍への道程を着実に歩み始めております。さらに、広域的な交流を通じて太平洋新国土軸や紀淡海峡ルートなど、和歌山新時代に期待が膨らんでいるところであります。しかし、これらの成果は、すべてふるさとの深い魅力と県民の皆さんの郷土を愛する心の結集によるものでございます。そして、議員の皆さんと理解し合い、相ともに県政を進めることができたからであります。私はただ、県民の皆さんにお支えをいただきながら全力を尽くせたことに、この上ない幸せをかみしめております。これまで皆さんからお寄せいただいた真心に対して、また本議会においていただきました温かいお言葉に、感謝の気持ちが胸に迫り、感きわまる思いでございます。本当にありがとうございました。
 この二十年、時代は移り変わってまいりましたが、変わることのないもの、決して変わってはならないものがございます。私は、それは「まごころ」だと確信しております。私は、政治家として「まごころ」を政治信条とし、県民の幸せのために諸施策を推進してまいりました。微力ゆえに十分ではなかったかもしれませんが、皆さん方のご支援をいただいて、全力を尽くして頑張ったという心のさわやかさを持って任を退くことができます。
 しかし、政治は絶えず流動し、県民の期待は限りなく続きます。ましてや、心の豊かさを求める大きな時代の流れの中、二十一世紀を目指して和歌山は大きく飛躍しようとしております。高齢化、情報化、国際化等が一層進み、地方分権のうねりとともに地方自治の果たすべき役割も大きくなってきており、県政はこの機会をいかに県民の未来につなげていくのかが問われておるわけでございます。私たちは、緑深く、水清く、空青き、この地をふるさととする者として、英知を集め、情熱を持って未来を築き続けなければなりません。
 残すところわずかな任期、私はさらに輝くふるさとに夢をはせながら、力の限り県政に尽くし通す所存であります。そして、先人が築いてきたこのすばらしいふるさと和歌山県を、さらに豊かなものとして次代に引き継いでいく努めを、大いなる期待を込めて新しい人に託します。
 百八万県民の皆さん、私たちのふるさとはどこにも負けないくらいすばらしいふるさとであります。自信と誇りを持って進みましょう。そして、議員の皆さん、未来を築くリーダーとして県政をお願いします。
 これまでの、皆さん方のご支援に心から感謝申し上げます。そして、今後も力強い発展を続ける和歌山県政に変わらぬお力添えを心からお願い申し上げ、あいさつとさせていただきます。
 皆さん、本当にどうもありがとうございました。(拍手)
○議長(橋本 進君) 次に、閉会に当たり、一言ごあいさつを申し上げます。
 仮谷知事におかれましては、今期をもってご退任されるとのごあいさつがございました。五期二十年にわたり社会経済状況が大きく変化する激動の時代にあって、厳しい行財政環境のもと、県勢発展のためご尽力を賜りましたことに対し、心から敬意を表する次第であります。
 どうか、今後とも健康に十分ご留意いただき、県政の先達として和歌山県のさらなる飛躍発展のためご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げ、感謝の言葉といたします。ありがとうございました。
 議員並びに関係各位には、連日ご精励をいただき、深く感謝申し上げますとともに、ますますのご活躍を祈念いたします。
○議長(橋本 進君) これをもって、平成七年九月定例会を閉会いたします。
 午後四時十分閉会

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