平成7年6月 和歌山県議会定例会会議録 第7号(全文)


県議会の活動

議 事 日 程 第七号 平成七年七月五日(水曜日)
     午前十時開議
 第一 議案第八十五号から議案第百一号まで、及び請願六件(委員長報告・同質疑・討論・表決)
 第二 各常任委員会及び議会運営委員会閉会中継続審査の件
 第三 議案第百二号及び議案第百三号(質疑・委員会付託省略・表決)
 第四 各特別委員会閉会中継続審査の件
 第五 意見書・決議案
会議に付した事件
 一 議案第八十五号から議案第百一号まで、及び請願六件(委員長報告・同質疑・討論・表決)
 二 各常任委員会及び議会運営委員会閉会中継続審査の件
 三 議案第百二号及び議案第百三号(質疑・委員会付託省略・表決)
 四 各特別委員会閉会中継続審査の件
 五 意見書案
出 席 議 員(四十六人)
 1 番 大 沢 広太郎
 2 番 木 下 善 之
 3 番 小 川   武
 4 番 吉 井 和 視
 5 番 下 川 俊 樹
 6 番 井 出 益 弘
 7 番 藁 科 義 清
 8 番 門   三佐博
 9 番 永 井 佑 治
 10 番 新 島   雄
 11 番 向 井 嘉久藏
 12 番 佐 田 頴 一
 13 番 和 田 正 一
 14 番 阪 部 菊 雄
 15 番 西 本 長 弘
 16 番 馬 頭 哲 弥
 17 番 長 坂 隆 司
 18 番 井 谷   勲
 19 番 高 瀬 勝 助
 20 番 上 野 哲 弘
 21 番 堀 本 隆 男
 22 番 宇治田 栄 蔵
 23 番 宗   正 彦
 24 番 橋 本   進
 25 番 谷   洋 一
 26 番 玉 置 公 良
 27 番 東 山 昭 久
 28 番 尾 崎 要 二
 29 番 野見山   海
 30 番 木 下 秀 男
 31 番 町 田   亘
 32 番 中 山   豊
 33 番 山 下 直 也
 34 番 鶴 田 至 弘
 35 番 森   正 樹
 36 番 村 岡 キミ子
 37 番 新 田 和 弘
 38 番 平 越 孝 哉
 39 番 森 本 明 雄
 40 番 神 出 政 巳
 41 番 松 本 泰 造
 42 番 冨 安 民 浩
 43 番 飯 田 敬 文
 45 番 松 本 貞 次
 46 番 大 江 康 弘
 47 番 和 田 正 人
欠 席 議 員(一人)
 44 番 中 村 裕 一
説明のため出席した者
 知 事 仮 谷 志 良
 副知事 梅 田 善 彦
 出納長 中 西 伸 雄
 知事公室長 野 見 典 展
 総務部長 木 村 良 樹
 企画部長 藤 谷 茂 樹
 民生部長 木 村 栄 行
 保健環境部長 江 口 弘 久
 商工労働部長 中 山 次 郎
 農林水産部長 日 根 紀 男
 土木部長 山 根 一 男
 企業局長 中 村 協 二
  以下各部次長・財政課長 
 教育委員会委員長職務代行者
    山 本   昭
 教育長 西 川 時千代
  以下教育次長
 公安委員会委員長
    西 本 貫 一
 警察本部長 西 川 徹 矢
  以下各部長
 人事委員会委員長職務代理者
    宮 崎 静 治
  人事委員会事務局長
 代表監査委員 天 谷 一 郎
  監査委員事務局長
 選挙管理委員会委員長
    谷 口 庄 一
  選挙管理委員会書記長
  地方労働委員会事務局長
職務のため出席した事務局職員
 事務局長 岩 垣   孝
 次 長 中 西 俊 二
 議事課長 松 田 捷 穂
 議事課副課長 佐 竹 欣 司
 議事班長 松 谷 秋 男
 議事課主査 山 本 保 誠
 議事課主事 長 尾 照 雄
 総務課長 岡 山 哲 夫
 総務課主事 嶋 岡 真 志
 総務課主事 土 井 昌 紀
 調査課長 柏 木   衛
 調査課調査員 中 野 傳 治
 調査課調査員 西 田   理
 (速記担当者)
 議事課主任 吉 川 欽 二
 議事課主査 鎌 田   繁
 議事課速記技師 中 尾 祐 一
 議事課速記技師 保 田 良 春
  ─────────────────────
 午前十時三分開議
○議長(橋本 進君) これより本日の会議を開きます。
○議長(橋本 進君) 議事の都合により休憩いたします。
 午前十時四分休憩
  ─────────────────────
 午後二時三十四分再開
○議長(橋本 進君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
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 【日程第一 議案第八十五号から議案第百一号まで、及び請願六件】
○議長(橋本 進君) 日程第一、議案第八十五号から議案第百一号まで、並びに今期定例会の請願六件をあわせ一括して議題とし、順次、各常任委員会委員長の報告を求めます。
 建設委員会委員長尾崎要二君。
 〔尾崎要二君、登壇〕(拍手)
○建設委員会委員長(尾崎要二君) 建設委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表のとおり、議案四件、請願一件であります。
 当委員会は、六月三十日、第五委員会室において、土木部、企業局の順に、当局から付託案件についての説明を聴取した後、審議を行いました。
 当委員会における各委員の質疑、意見及び要望の主なものは、次のとおりであります。
 土木部関係で、まず道路関係について、道路公社の高野龍神スカイラインの経営状況について行財政改革が取り上げられ、県もこれに取り組んでいく中でどう経営努力をしていくのか、現在も経営改善の努力はされているが大変な状況であると思われるので、国の方で無利子貸し付けや交付税で対応できる制度はないのか、一方、利用促進のための関連道路の整備はどのように考えているのか、加えて、京阪神からの観光客を対象にしたいわゆる大阪から橋本を経由してスカイラインにというような道路整備についてはどのように考えているのかとただしたのに対し、昭和五十五年の供用開始以来、国道三百七十一号等関連道路整備を初め、沿道の整備に努力してきたところであり、沿道町村の協力のもと、サマーフェスティバルの開催、コスモス園の整備、花壇の整備、ごまさんスカイタワー、護摩壇山ワイルドライフの誘致等を行うとともに、PRにも力を入れてきた、今年度は、供用十五周年に当たりランランランキャンペーンを考えており、利用促進に努めている、利用状況については、供用開始時との比較では、交通量で約一・六倍、収益では約二・二倍となっている、しかしながら当初計画交通量とはバブル崩壊等もあり相当の差がある、政府、民間資金の償還が完了するまで経営状況はかなり厳しいものと考える、また関連道路として、龍神村内の国道三百七十一号の整備は完了しており、これに続く白浜までの整備も現在二カ所で工事を行っており、一カ所については今年中に完了する、高野山側の旧高野山有料道路及び四百八十号等についても鋭意整備に努めている、一方このスカイラインは観光道路としてのポテンシャルを有しており、現在大阪高野山道路として地域高規格道路の計画が進行しており、それに引き続き高野龍神スカイライン、さらに三百七十一号、田辺龍神線と一つの観光軸として将来非常に大きな役割を果たすものと考えるので今後も利用促進に努力してまいりたいとの答弁がありました。
 次に、紀の川大堰に関連して、左岸堤防の道路改良と現在混雑している水道道との交差点、また地蔵ノ辻交差点での渋滞対策についてただしたのに対し、大堰の管理棟が現道付近に建設されるため、現道区間四百四十メートルを建設省と費用負担を行い事業中であり、水道道とはほぼ直角となる、大堰の管理棟にあわせて信号の設置を公安委員会にお願いするとともに歩道の整備も実施する、また地蔵ノ辻交差点については市道六十谷手平線の改良にあわせてスムーズになるよう考えていくとの答弁がありました。
 また、湊神前線に関連する和歌山橋本線の吉礼・口須佐工区の続きの計画をただしたのに対し、吉礼・口須佐工区は現道に接続することにしているが、森小手穂地内の交通センター付近のクランク改良は地元の了解が得られず計画が中断しているとの答弁がありました。
 次に、国道四百八十号線の平道路のトンネルの位置等についての説明、また大阪府側が平成七年度事業採択されていないが進捗状況はどうかとただしたのに対し、平成六年度から地元調整に入り、今年度から詳細設計をし、地元へおろし、一部用地補償に着手する、大阪府側の百七十号まで公共事業の採択になっていないが、単独事業で調査しており、公共採択については平成八年度に要望すると聞いているとの答弁がありました。
 また、紀北東道路の都市計画決定が本年度中にされると聞いているが時期はいつかとただしたのに対し、できるだけ早期に都市計画決定の方向で考えているが、インターの位置、形状等が課題である、本年度中の都市計画決定を目途に努力するとの答弁がありました。
 また、国道二十四号の打田町黒土地内のバイパスとの交差部の渋滞状況と今後の計画についてただしたのに対し、国道二十四号のバイパスとして京奈和自動車道も計画されており、周辺の道路網、整備手法等を考えながら関係町とも協議してまいりたいとの答弁がありました。
 次に、高速道路の森小手穂ランプについては、以前本会議でも要望したが、那賀郡内の人たちの利便性も高まることから再度検討していただきたいとの要望がありました。
 また、大分県、富山県における高速道路整備の手法についてただしたのに対し、両県ともかなりの部分を補助事業等で行い、事業の促進のために有料道路、道路公社の手法を採用したものであるとの答弁がありました。
 また、県道田辺龍神線の奇絶峡付近の改良計画と進捗状況についてただしたのに対し、今年度で六千万円を予算計上しており、地元の了解も得て、現在、設計のための調査測量を行っている、本年度ボーリング調査、用地測量まで行い、一部用地交渉に入る予定であるとの答弁がありました。
 河川関係では、紀の川北側道路の渋滞解消策として、河川敷内におけるアンダーでの立体交差計画をただしたのに対し、河川管理の立場からは慎重に考える必要があるが、市内の交通渋滞対策の必要性は認識しているので実現の方法について検討していきたい、基本的には東西幹線道路等の整備を進めなければならないが、緊急に対策が必要な箇所について点検するとともに、建設省にもさらに趣旨を伝えていきたいとの答弁がありました。
 次に、左会津川の防災ダムの必要性についてただしたのに対し、防災、水資源開発の観点で田辺市を中心に要望があり、地元説明会なども開催したが、反対もあり構想段階でとどまっている、現在、左会津川全体のマスタープランを作成中であり、防災面からも地元の状況を聞きながら検討していきたいとの答弁がありました。
 都市計画関係では、紀の川大堰事業に関連する都市計画道路六十谷手平線の状況についてただしたのに対し、和歌山市施行の六十谷手平線は、現在整備を進めている第二阪和国道と一緒に事業を行っており、鉄道のJR紀勢本線和歌山駅・和歌山市駅間を立体化する計画でJR西日本と調整中であり、紀の川大堰完成時期に合わせて完成できるよう努力したいとの答弁がありました。
 次に、湊神前線の進捗状況についてただしたのに対し、残区間の三菱電機より国体道路まで約五百メートルについては、現在事業中の二工区の事業見通しがつき次第、事業化に向け関係機関と調整してまいりたいとの答弁がありました。
 また、第二阪和国道にアクセスする関連道路についてただしたのに対し、第二阪和国道は次期道路整備五箇年計画期間内に供用と聞いている、これに関するアクセス道路として県事業で西脇山口線を進めており、第二阪和国道の完成時期に合わせ平成十三年度ないし十四年度を目途に供用するようにしたいとの答弁がありました。
 次に、南港山東線の三葛の進捗状況と今後についてただしたのに対し、JR紀勢線との交差区間である国体道路より県道和歌山海南線に至る二百七十一メートルについて立体交差すべく事業を進めており、全体事業費約三十七億円で進捗率は平成六年度末で四一・五%であり、用地補償の進捗率は七三%である、用地交渉に目途が立てば、JR紀勢線との立体交差の工法協議など平成八年度中を目途に本工事に着手し、平成十一年度を目途にできるだけ早期に供用してまいりたいとの答弁がありました。
 住宅関係では、住宅建設に係る障害者への配慮についてただしたのに対し、原則として新設、建てかえともに一階へ障害者住宅を建設することとしている、また入居者が不幸にして障害者になられた場合は、例えば四階から一階へ改造等を行い、入居がえの配慮を行っているとの答弁がありました。
 次に土木部全体の問題として、土木行政を推進していく上において、現行法制度が制定された当時とでは社会環境が大きく変わってきているものもある、公共事業を推進していくためにも、現状に即した法改正等にも新しい感覚で積極的に取り組んでほしいとの強い要望がありました。
 また工事現場において、特に切り土の場合、相当な延長を切り取った後、擁壁等の施行を行っている現場が見受けられる、降雨時であれば非常に危険であるし、手戻り等に大変な経費がかかるので、十分な指導監督を願いたいとの要望がありました。
 企業局関係では、大新公園地下駐車場について以前より健全経営のための検討を要望しているが、どのような検討がなされているのかとただしたのに対し、営業時間の延長、定期券の導入等を検討中であり、またPRパンフレットの作成や現場見学も計画しており、営業開始前からPR活動を積極的に実施してまいりたいとの答弁があり、関連して、営業開始までにソフト面、サービス面の検討を加え、利用しやすく経営の安定した駐車場にしていただきたいとの要望がありました。
 次に、工業用水道事業の配水管専用敷地が生活用道路として使用されていることについてただしたのに対し、現在、配水管の改良工事を順次実施しており、ある程度整備が済むと生活用道路として利用されている箇所については関係者と協議して道路管理者に移管できるよう努力してまいりたいとの答弁がありました。
 また土地造成事業について、紀北地方での事業が多いが、紀南地方においても過疎対策や若者の定住化等、地元活性化のため土地造成事業を実施し、企業誘致の基盤整備を図るべきでないかとただしたのに対し、本県は企業用地が少なく企業誘致のための用地造成を行ってきた、現在、バブル崩壊の影響もあり企業立地は極めて難しいが、今後の方向として紀南地方にも土地造成事業を検討していかなければならないと考えているとの答弁がありました。
 このほか、「港湾・空港関係五箇年計画の策定及び平成八年度予算の確保に関する意見書」の提出について提案があり、これについては後ほど意見書案が提案される運びとなっておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
 以上、慎重審議の結果、採決に入りましたが、当委員会に付託されました議案四件は、いずれも賛成全員をもって可決すべきものと決しました。
 また、請願につきましては、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、新規分議請第一号は継続審査を要するものと決した次第であります。
 以上をもちまして、建設委員会の報告を終わります。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(橋本 進君) 農林水産委員会委員長松本貞次君。
 〔松本貞次君、登壇〕(拍手)
○農林水産委員会委員長(松本貞次君) 農林水産委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案二件であります。
 当委員会は、六月三十日、第四委員会室で開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、審議に入りました。
 各委員の質疑、意見及び要望等の主なものは、次のとおりであります。
 まず、ウルグアイ・ラウンド国内対策への取り組み関係では、事業実施に当たり県の市町村等に対する指導と具体的な事業内容についてただしたのに対し、市町村、農協を初めとした関係機関や直接農業者に対する説明会を開催し、事業に対する理解を深めている、事業の実施に当たっては、農家等の要望を十分聞き、地域の実情に見合った事業実施に努め、初年度分として平成六年度二月補正予算で五十億一千二百万円、平成七年度当初予算で十二億七千三百万円、合計六十二億八千五百万円を農林水産部として予算化しているとの答弁がありました。
 また、六カ年にわたるウルグアイ・ラウンド国内対策について、その具体的な計画についてただしたのに対し、公共事業の農業農村整備事業については、国の指導もあり、現在、全体の計画を策定中であるが、その他の事業についても計画づくりを考えていきたいとの答弁がありました。
 これに関連して、農業農村整備事業の具体的な内容とその取り組みについてただしたのに対し、ウルグアイ・ラウンド対策に関連し、今後六カ年に三兆五千五百億円の事業が実施されることになっており、自由化に関連する畑地の整備や中山間地域の活性化を図ることを柱に、畑地総合整備事業、土地改良総合整備事業、中山間総合整備事業等の主要事業とかんがい排水事業、農道整備事業、集落排水事業等の関連事業について重点的に予算措置をし、事業効果の早期発現を図ることにしているとの答弁がありました。
 次に、事業実施に当たり地元負担金の軽減についてただしたのに対し、県営の事業については地方財政法の規定により議会の議決をいただき市町村からの負担金を徴収している、なお市町村負担の問題については、おのおのの地域の実情も異なる中で一律の指導は困難であるとの答弁がありました。
 このほか、厳しい農業、農村の現実を見るとき、憂郷の心を持ち、将来の農業を考え、農業農村若齢化運動が必要である、農業に誇りを持った若い後継者をどう育てるのかとただしたのに対し、農村から若者が少なくなったのは戦後の経済優先施策が背景にあったが、現在、物から心の時代へと変化する中で農業、農村が見直されつつある、しかし、現実に若者が定住するためには生活基盤である所得の確保が重要であり、国では新政策において勤労者並みの所得の確保等を目標として掲げている、本県でも若者が夢を持って農業に取り組めるように、こうした将来の目標や姿を今回策定した二十一世紀農業振興計画に示し、その目標実現のため積極的な努力を行ってまいりたいとの答弁がありました。
 次に農業の振興について質疑があり、まず梅の生育不良問題に対しての農林水産部の取り組みと成果についてただしたのに対し、梅の生育不良は昭和六十年ごろから見られ、平成二年ごろから増加してきたので、果樹園芸試験場及び暖地園芸センターで研究を開始した、その後、発生園の実態調査の結果に基づき土壌の酸性矯正、乾燥防止、着果調節対策を平成四年に定め、生育不良の発生に対応してきたが、完全におさまらず、昨年は干ばつによって発生が多く見られた、また昨年の七月、被害樹の根からシュードモナス菌を発見し、現在、京都大学の指導を得ながら果樹園芸試験場で細菌の発病性試験と並行して現地で防除対策試験を実施している、今後、原因の早期究明に向け積極的に努力していくとの答弁がありました。
 また、本県農業振興における試験研究機関の充実強化についてただしたのに対し、試験研究は重要と考えており、試験場の体制整備を図ってまいりたいとの答弁がありました。これに関連して、県の加工を含む梅の生産額は相当あり、重要な産業となっているので、これらの研究を行う梅の研究所を農協、市、県による第三セクターで設置する必要があるとの要望がありました。
 続いて、農協合併の現状についてただしたのに対し、農協中央会では県下八農協構想のもと広域合併を推進している、現在、紀の里農業協同組合とわかやま農業協同組合が合併により発足しており、今後、県としてもできるだけ早期に農協合併の実現を図るため、広域合併を取り巻く各種の環境条件の整備などについて支援していくことが必要であると考えているとの答弁がありました。
 また、普及組織体制見直しの効果と普及センターの充実についてただしたのに対し、昨年の四月に市町村駐在制から広域体制に見直しを行い、これまでの地域分担から機能分担方式に変わり、高度な経営、技術指導等に対応できる専門活動の充実に努めている、新分野の普及課題に対しても集中的な指導ができる体制が整っており、今後さらに県農政推進の先端組織として期待にこたえられるよう努力してまいりたいとの答弁がありました。
 次に、管理安全型産廃土砂等を活用した農地開発、基盤づくりについてただしたのに対し、これら土砂等は基本的には事業者が処理することとなっており、農地造成の盛り土材として活用するについては、下流住民の合意やその他解決すべき課題もあると思われ、今後検討していくとの答弁がありました。
 また、機内食への食材、ジュースの供給の現状についてただしたのに対し、ジュースの供給については現在百四キロリットルを供給しており、今後も機内食へのジュースや食材の供給については、生産者団体とともに卸売市場等関係機関を通じ食材会社に積極的に働きかけていくとの答弁がありました。
 さらに、県産農産物の消費宣伝のため新幹線沿線の野立て看板の追加設置についてただしたのに対し、新幹線沿線の野立て看板の設置については、平成六年度にミカン、柿、梅等を設置している、本年度は県産農産物PR促進対策事業を創設し、追加設置に向け事業主体と協議をしているところであるとの答弁がありました。
 続いて、ミカン加工原料用果実に対する価格差補てんについてただしたのに対し、昭和六十三年のオレンジ果汁の自由化関連として、従来の補てん単価の上乗せとして特別補てん事業が実施された、この補てんは平成六年産で終了するが、通常の価格補てんは従来どおり実施される、また平成七年度から、詳細は未定だが、ウルグアイ・ラウンド対策の一環として新たに市場への出荷が集中する十一月から十二月の生果の一部を加工に仕向ける事業が実施できるようになるとの答弁がありました。
 さらに、「みかんの日」についてどのように推進していくのかとただしたのに対し、平成七年度の事業費は二百万円であり、今年度は七月から行事を予定しており、特に十一月から十二月は消費拡大を中心に考えているとの答弁がありました。
 次に、生産農家の米の販売についてただしたのに対し、現行の食糧管理法下では一部特別栽培米を除いて消費者に直接販売することはできない、本年十一月から施行される新食糧法の政省令が現在定まっていないが、計画流通米以外の米は国へ届け出をすることにより自由に販売できることになるとの答弁がありました。
 また、昨年度の渇水対策のその後についてただしたのに対し、渇水対策として平成七年度、新たに県単独事業として高商品性果樹生産促進対策事業を実施することにしており、この事業で簡易かん水施設等が設置でき、現在、希望を取りまとめているとの答弁がありました。
 このほか、稲作経営状況と休耕田の現状、新宮市高田の発電計画についての質疑がありました。
 次に林業の振興について質疑があり、まず木材加工品をつくる場合にバックアップする補助制度があるのかとただしたのに対し、ふるさと産品の加工については、地域の特色を生かした産品の振興を図るために山村地域に限って補助制度があるとの答弁がありました。
 また、地域資源としての水を活用する方策はどうかとただしたのに対し、地域の銘水をふるさと産品として位置づけ、取り組むことも重要であるとの答弁がありました。
 さらに、治山事業に係る保安林の指定と解除についてただしたのに対し、保安林の指定の期間については、指定されれば永久に指定されるが、公益上の理由等が発生した場合にあっては解除することができるとの答弁がありました。またこれに関連して、保安林による制約のため地域振興が阻害されているのではないか、それゆえ保安林の見直しを考えることもこれからの課題ではないかとの要望がありました。
 次に水産業の振興についての質疑があり、まず生活基盤の整備、特に漁業後継者対策として住環境の整備対策についてただしたのに対し、漁業後継者については厳しい条件にあり高齢化が進んでいる、しかし収入の多い漁業をやっているところでは後継者がふえているので、魅力ある漁業にするための施策を進めていきたい、また住宅対策については、地域の開発計画や漁港計画に組み入れられるようにしていきたいとの答弁がありました。
 さらに、漁業構造改善事業の適用についてただしたのに対し、個人的施設の整備にはこの事業での適用は難しく、漁業近代化資金の融資を活用してほしいとの答弁がありました。
 次に、魚礁整備等、つくり育てる漁業の推進についてただしたのに対し、つくり育てる漁業の推進が必要であり、生産基盤の整備とタイ、ヒラメの放流など栽培漁業の推進を図っている、これまで魚礁設置は重点的に実施してきたが、今後、重要なところはもっと大規模にやっていきたいとの答弁がありました。
 さらに、魚礁の設置方法の見直しについてただしたのに対し、今後、資源を復元しやすいような環境づくり、魚のすみやすい環境づくりを基本に、漁獲しやすい魚礁、稚魚のすみやすい魚礁など漁業資源をふやす魚礁づくりを進めていきたいとの答弁がありました。
 以上のような審議の結果、当委員会に付託されました議案二件は、賛成全員をもって原案どおり可決すべきものと決しました。
 以上をもちまして、農林水産委員会の報告を終わります。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(橋本 進君) 経済警察委員会委員長吉井和視君。
 〔吉井和視君、登壇〕(拍手)
○経済警察委員会委員長(吉井和視君) 経済警察委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案一件であります。
 当委員会は、六月三十日、第三委員会室で開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、審議に入りました。
 各委員の質疑、意見並びに要望等の主なものは、次のとおりであります。
 まず公安委員会関係では、財団法人和歌山県暴力団追放県民センターの運営状況について、金利の低下等でその運営が厳しいと思うがどうかなどとただしたのに対し、暴追センターの運営については基金の利息と一般の寄附金で賄っている、設立当初五%の利息を見込んでいたが金利の低下により事業運営にも厳しいものがある、今後必要があれば財政当局と協議してまいりたい、また基本財産は原則として取り崩さないこととしているとの答弁がありました。
 次に、オウム真理教に関係して、県内で凶悪事件の発生する心配はないのかとただしたのに対し、県内でのオウム関連施設は和歌山市内にある和歌山支部一カ所であり、現在の支部の活動状況を見ると県内で凶悪事件が発生する可能性は少ないと考えているとの答弁がありました。関連して委員から、本県は山が多く、山中に不審な建物もあると聞くが、そういった建物の中にオウム真理教関係の建物があるのかとただしたのに対し、サリン事件などの指名手配被疑者の追跡捜査を通じて県内全域において捜査を行っているが、現在のところ和歌山支部のほかにオウム真理教の活動拠点となっている施設は把握していないとの答弁がありました。
 次に、新聞報道がされた元和歌山市職員の公金不正支出などに関する内部告発についての警察の今後の対応についてただしたのに対し、新聞等で報道されていることは承知している、警察はあらゆる情報の収集に努めている、違法行為があれば捜査をするというのが警察の基本であり、常にこの原則に沿って仕事を進めているとの答弁がありました。
 次に、マナーの悪い中・高校生の自転車通学に対する交通指導についてただしたのに対し、毎月一日を「こども安全の日」、十五日を「近畿交通安全デー」、「交通弱者にやさしい日」として早朝から警察官を街頭に出し指導に当たっているほか、種々の施策を実施している、今後とも学校等と連携を図りつつ自転車通学生のマナーの向上に努めていきたいとの答弁がありました。委員から、世界リゾート博が成功した陰の功労者は警察による交通対策と心得ている、その警察の実力を自転車通学生の指導面でも生かし、警察官による格段の交通指導を願いたいとの要望がありました。
 商工労働部関係では、本年一月に発生した阪神・淡路大震災による観光面へのダメージについてただしたのに対し、震災後、県内への観光客の推移にも大きなダメージを受け、一月から三月にかけては一時的にキャンセルも多く出たものの、四月以降はほぼ例年並みに回復してきている、一月から三月にかけての各観光地における観光客の入り込み状況は月によって違うが、例年に比べ高野山では三五から八○%程度、和歌浦では一○から一五%程度、白浜温泉では七○から八○%程度、串本では六○から九○%程度、勝浦温泉では九○%程度となっているとの答弁がありました。
 次に、和歌山県商工信用組合再建に関し、平成六年二月定例会で五十億円融資することが議決され一年余が経過したところであるが、目立って経営が好転したとは思えないが、県信が再建に向け努力した結果についてただしたのに対し、県信の一年間の状況を見ると、九店舗を廃止、四十名の人員の削減を進めるなどリストラを積極的に実施しており、また陣容の充実という観点から、役員については、去る五月二十五日の総代会において社会経済研究所の常務であり紀陽銀行出身の奥野氏を専務に、全国信用組合連合会大阪支店次長の川崎氏を常務に迎えたところである、また平成七年三月末の預金は三千百十九億円で四十五億円の増加となっている、当期利益は当初から欠損となることを想定しており、計画では二十四億円の赤字であったが、金利の低下等により十七億円の赤字となった、いずれにしても厳しい局面であることに変わりがないため、県としては県信に対し今後とも十分指導していくとの答弁がありました。委員からは、県信の経営状況が徐々に好転していくことを期待するが、金融機関としての使命を認識し、一日も早く大きな成果が出てくるよう県信に対し厳しく指導を行うよう要望がありました。
 このほか、本年七月一日施行のPL法について、大企業は海外等への進出により海外でのPL法等の経験もあり対応できるが、中小企業はそういった経験もないため、PL法の認識はあるものの現実は十分対応できていない状況であるため、行政として最大限に支援、指導をしてほしいとの要望がありました。
 次に地場産業の育成等についてただしたのに対し、地場産業の振興策として第一点は融資制度の拡充であり、今年度の融資枠は九百三十八億円で対前年比一四○%と拡充し金融面での支援を充実させている、第二点は、新しい事業展開を行う創造的な企業が重視される中、工業技術センターを中心に中小企業者の技術向上に努める、第三点は、円高等に対応するためアジアとどうつき合うかが課題であることから、中国への海外ミッション派遣、市場調査等を実施する、第四点は、製品をつくるだけでなく、東京を初め海外における物産展等を開催することにより地場産品の販路拡大を図る、これらを主な柱として取り組んでまいりたい、また商工会議所、商工会による指導事業等についても今までどおりきめ細かく実施していくとの答弁がありました。
 続いて、雇用の促進に関し将来に向けた対策についてただしたのに対し、昨年三月に副知事を本部長とする和歌山県景気雇用対策本部を設置し、県内企業に対し雇用対策の効果的かつ円滑な推進を図るよう指導する一方、国の施策である雇用支援トータルプログラムを活用し企業の雇用維持努力を支援するなど雇用の創出に努めている、他方、離職者に対してはハローワークにおいて職業相談を実施し、早期に再就職できるよう求人開拓による求人の確保に努めている、また商工労働部長を初め幹部職員が特別企業訪問を実施し、主要企業に対しては雇用の維持、下請企業への発注などの要請を行い、業種組合に対しては雇用の維持を要請するとともに雇用維持支援のための各種助成金制度の周知徹底を図るほか、景気、雇用情勢の把握に努めている、さらに職業安定課内に雇用相談窓口を設け、企業等からの雇用維持、雇用確保対策等について相談を受けるなど、適切な対策を講じているとの答弁がありました。
 次に、企業誘致に関し、雇用の拡大のためには地場産業の振興を図るとともに、新規立地企業を誘致することも重要と考えるが、現在、分譲可能な工業団地の現況、新規立地企業数及び新規立地企業に対する優遇措置について、また外資系企業誘致への取り組みについてただしたのに対し、現在、分譲可能な工業団地として、県土地開発公社が造成した先端技術産業を誘致の対象としている北勢田工業団地、県企業局が造成した御坊第二工業団地があり、御坊第二工業団地については昨年一社の誘致が決定している、また誘致企業の実績として、昭和五十七年から現在まで六十三社を誘致して四十六社が操業をしており、全体で約二千九百名の雇用を見ている、企業への優遇措置として、新規雇用者数に応じて給付する雇用奨励金、設備投資額に応じて給付する企業立地促進奨励金制度を設けており、特に今年から、先端技術産業並びに試験研究施設については企業立地促進奨励金の給付額を増額し企業の誘致に取り組んでいるとの答弁がありました。また、外資系企業誘致への取り組みについては専門調査機関に調査を委託し、本県に立地する可能性が高い外資系企業を調査しているとの答弁がありました。
 続いて、阪神・淡路大震災の影響による阪神地方から本県への工場移転はあるのかとただしたのに対し、震災後、神戸市長田地区のケミカルシューズ関係が本県との取引も多いことから関係団体等に打診したが、取引関係等の事情から移転は難しいとのことであり、現在まで阪神地区からの工場移転はないとの答弁がありました。
 このほか、倒産企業の跡地への企業誘致の取り組みについて質疑がありました。
 以上のとおり、慎重審査の後、採決の結果、当委員会に付託されました議案第八十五号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上で、経済警察委員会の報告といたします。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(橋本 進君) 厚生委員会委員長森 正樹君。
 〔森 正樹君、登壇〕(拍手)
○厚生委員会委員長(森 正樹君) 厚生委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表のとおり、議案二件であります。
 委員会は、六月三十日、第二委員会室で開催し、保健環境部、民生部の順に当局から付託案件についての説明を聴取した後、審議を行いました。
 委員会における各委員の質問、意見及び要望の主なものは、次のとおりであります。
 保健環境部関係では、まず予防接種法の改正内容についてただしたのに対し、平成六年十月一日から改正法が施行され、従来の「接種を受けなければならない」という接種義務が「努めなければならない」という努力義務に、また対象疾病の見直しによりワイル病等がなくなり、破傷風等が新たに対象となった、さらに集団接種から個別接種の推進救済施策等が主な内容であるとの答弁がありました。
 さらに、従来の集団接種方式から個別接種方式の推進へということだが現状はどうか、また和歌山市内では、新しい接種券を保健所などへとりに行かなければならないことや接種してもらえる医療機関等について周知が徹底的しておらず混乱している、県として混乱しないよう市町村を指導すべきであるとただしたのに対し、県下市町村の予防接種の実施状況は、ほとんどが従来の集団接種の方法で行われているのが現状である、県としては、市町村に対し法改正の周知徹底を図り、混乱しないよう説明会等を通じ指導してきた、予防接種事業は市町村事業であるためすべて一律的な指導はできないが、市町村の実施状況により住民の利便を図っていただける方向で指導するとの答弁がありました。
 これに関連して、接種券を母子健康手帳に入れておけばよいのではないかとただしたのに対し、新しい母子健康手帳を交付する際はセットにして交付されているとの答弁がありました。
 さらに、県議会へ提出された陳情書の「特別養護老人ホーム等の建設について」の課長意見についてただしたのに対し、当陳情書における老人保健施設の設置場所は、県老人保健福祉計画において和歌山、海南、海草圏域となり、当圏域における計画床数は一千二百床となっており、現在、既設及び建設中は九百九十三床で、設置を申し出ているところは五施設、二百七十二床であり、両方合わせると計画床数を満たしているので、当陳情書における老人保健施設の設置は認められない状況であるとの答弁がありました。
 次に、現在、入所待機者が多くいる状況であり、県の老人保健福祉計画の見直しを考えていないのか、また痴呆性老人がふえる中、何か方策があるのかと質疑がありました。これに対し、今後、新たに設置する老人保健施設に痴呆棟(床)設置を指導していく、また老人保健施設の県全体の整備目標三千床のうち、現在十九施設、一千四百四十一床を整備している、整備目標は各圏域ごとに設けて、それぞれ目標に向けて整備を進めており、国に対しても要望しているとの答弁がありました。これに関連して、老人保健福祉施設の計画床数の見直しの要望がありました。
 次に、経営状況がよくないと聞いている串本病院、古座川病院についてどのように考えているのかただしたのに対し、現在、東牟婁県事務所を中心にいろいろな対応策を考えていると聞いている、例えば、串本、古座川病院に加え、那智勝浦町立温泉病院を含め合併についても議論しているとのことである、今後これらの推移を見きわめてまいりたいとの答弁がありました。
 さらに、紀南の三次救急についてどのように考えているか、またヘリコプターによる患者の搬送の状況をただしたのに対し、三次救急に対する地元の要望は強いと思うが、今のところそれに対応できる病院はないと考えている、しかし国立南和歌山病院を、三次とは言わぬまでも二・五次のレベルにおいて整備充実が図られるよう国へ要望している、またヘリコプターによる患者搬送は昨年度に新宮市から二件搬送した、通常は年間一、二件を搬送しているとの答弁がありました。このほか関連して、今後も串本、古座川病院に対し支援を行ってほしいとの要望がありました。
 民生部関係では、まず子ども・障害者相談センターはどの施設を統合するのか、またそれぞれの機能が異なるが、統合施設の機構及び人員はどのようになるのかとただしたのに対し、今回統合する施設は、子供の相談を行う中央児童相談所、身体障害者更生相談所、精神薄弱者更生相談所、それに入所して職業訓練等を行う肢体不自由者更生施設を統合するセンターとし、子供相談課、障害相談課、一時保護課、更生施設を管理運営する指導課、新しく地域との交流、スポーツ・文化活動の振興やセミナー等を担当する交流推進課で構成し、統合によってスリム化する部分はスリム化し、その分専門職を増員して業務の充実を図るとの答弁がありました。
 次に、今年度公布された育児休業等、育児または家族介護を行う労働者の福祉に関する法律には、すべての働く人たちの介護休暇について定められており、四年後に施行されるが、どこまで普及させるかだが、育児休業、介護休業制度の企業への導入状況は十分と言えず、特に中小零細企業では顕著である、この育児休業制度を企業に実現させるためには行政の支援策が必要であるとただしたのに対し、働く女性に関する法制度はいろいろ整備されてきているが、現在は女性の就職難が言われているように現実的にはいろいろな問題があり、いかに法の趣旨を浸透させていくかが大きな課題であると考えている、民生部として、関係機関等と連携を図りながら法の趣旨の理解と協力を求めていくとの答弁がありました。これに関連して、四年後には介護休暇制度が施行されるので、この間、企業に具体的な援助の方策を示さないと実現は困難である、企業努力に頼ることなく、特に小規模の企業へ具体的な支援策を示すよう要望がありました。
 次に、県の老人保健福祉計画では特別養護老人ホームの整備計画を三千床としており、現在、相当数整備が進んでいると聞いているが、現実には県下で約七百名の入所待機者がいる、こうした事態に対する県のビジョンは、また現在の在宅介護制度は二十四時間体制でなく、要介護老人の家族の協力があることが前提条件になっている、特養施設や老人保健施設建設の要望が多いことは充実していない在宅介護制度の現実を反映しているのであり、県はこうした現実を見据えて、施設の増床を含め適切な処遇を講じるべきであるとただしたのに対し、在宅福祉を進めるためには、介護休業制度を含めさまざまな条件が満たされる必要があり、現状では在宅福祉の推進だけで入所待機者七百名全員を処遇できると考えていない、現在、整備中の施設が完成するとほぼ計画の目標数値を満たすことになり、その後の施設整備の問題については、在宅福祉施策の進め方とあわせて国と相談の上検討する、また在宅福祉施策の推進を基本としながら、ひとり暮らし老人や寝たきり老人等、それぞれの福祉ニーズにきめ細かく対応した各種施策を講じるとの答弁がありました。
 また働く女性への支援については、保育所の果たす役割が大きく、その制度についても改善されてきているが、育児休業制度の活用についてはまだまだ活用されていない現状である、県はこの制度の活用についてどのような働きかけをするのかとただしたのに対し、働く女性の支援のため特別保育の充実に力を入れており、また無認可保育についても調査をしている、育児休業制度については、制度の活用が一層図られるよう関係機関と連携して努力するとの答弁がありました。これに関連して、育児休業制度についても、介護休暇制度と同様に県独自の普及策等、具体的な施策について検討されるよう要望がありました。
 このほか、精神的不安に陥っている人たちの対策として、民間だけでは対応が難しいものがあるので相談センターで受け入れてほしいがどういう対応をしているのか、また障害者基本法が一九九三年六月に制定されたが、県として障害者計画の策定はいつどのようにするのか、さらにゴールドプランの見直し計画では、ホームヘルパー二十万人中三万二千人が障害者分と計画されているが、県の計画の現状をただしたのに対し、子ども・障害者相談センターの機能は、現時点では身体障害者、知的障害者の範囲の中で相談を行っていくこととしている、また障害者計画が一九八三年から十年間の第一次長期行動計画を策定し、その後見直しを行い、現在、第二次長期行動計画(紀の国障害者プラン)を策定したところである、考え方として、障害者の主体性、自立性の確立、周囲の方への障害者問題に対する正しい理解と認識の普及、障害の重度化、重複化及び高齢化への対応を基本的方向づけとしている、ホームヘルパーについては、市町村において地域ごとに巡回しており、高齢者を対象、障害者を対象という区分でなく、市町村が動きやすいような形態で運営しているとの答弁がありました。
 以上が、厚生委員会における審査の概要であります。
 採決の結果、付託されました議案二件は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決しました。
 以上をもちまして、厚生委員会の報告を終わります。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(橋本 進君) 総務委員会委員長和田正一君。
 〔和田正一君、登壇〕(拍手)
○総務委員会委員長(和田正一君) 総務委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表及び請願文書表に記載のとおり、議案十一件、請願新規審査分四件であります。
 当委員会は、六月三十日及び七月四日の二日間、第一委員会室において開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、審議を行いました。
 各委員の質疑、意見及び要望等の主なるものは、次のとおりであります。
 まず医科大学関係では、議案第九十八号の財産の取得について、その購入機器の内容、指名競争入札による購入方法、入札場所とその内容についてただしたのに対し、現在の血管撮影装置が購入後二十年を経過したため更新するものである、購入方法としては、県物品調達事務規程に基づき購入要求書を伊都県事務所に提出し、入札等事務処理をしたところであるとの答弁がありました。
 次に知事公室関係では、県は友好提携を結び国際交流の推進を図っているが、市町村レベルの国際交流は財政的に厳しいものがあり、自治省ではこれを支援していこうとしている、県として市町村の国際交流をどう指導していくのかとただしたのに対し、市町村に対して現在のところ直接補助や物的な補助は行っていないが、財団法人和歌山県国際交流協会を通じて講演会への参加などの案内や情報の収集・提供を行っているところであり、財団法人和歌山県国際交流協会や県としてできることから支援していきたいとの答弁がありました。
 また、国民文化祭が各地で取り合いになっているが、県として国に対してどのような取り組みをされているのかとただしたのに対し、国民文化祭は文化庁の所管となっており、教育委員会とともに要望しているが、全国からの要望が非常に強く、十七回目、二〇〇二年までは内定している状況であり、その後のできる限り早い時期に開催できるよう誘致に向けて働きかけてまいりたいとの答弁がありました。
 このほか、ポストリゾート博として本年は吉宗を取り上げているが、来年度以降ポスト吉宗として具体的な考えがあるのかとただしたのに対し、本年、世界リゾート博の一周年記念事業を白浜町白良浜と和歌山マリーナシティで行うとともに、中学生海外研修事業を行うこととしている、来年度以降についても現在庁内で検討しているところであるとの答弁がありました。
 また、これに関連して、白浜空港の新設に伴う空港跡地を利用したミニリゾート博的なものができないか、今後力を入れていただきたいとの要望がありました。
 続いて、フランスの核実験に対して県として平和のためのメッセージを友好提携先であるピレネー・オリアンタル県民に対して発信できないかとただしたのに対し、来る八月十七日より県下の中学生の研修団一行が訪仏するので、その際、県の代表を通じて県民の声をルネ・マルケス知事に伝えたいとの答弁がありました。
 このほか、県政モニターが提言した事柄について、回答後、処理状況をチェックし、信頼関係保持に努めてほしいとの要望がありました。
 次に企画部関係では、県下五十市町村における地籍調査事業の進捗状況と今後どう指導していくかとただしたのに対し、地籍調査は土地行政を進める上で基礎的な資料の整備、公共事業の促進にも役立つもので、現在二十八市町村で実施している、また実施したいと希望している市町村には事前指導を行っており、未着手市町村については今後とも積極的に啓発活動を行ってまいりたいとの答弁がありました。またこの事業に関連して、市町村の財政負担が大きいが、重要な事業であるので積極的に取り組んでいただきたいとの要望がありました。
 続いて、世界都市博覧会の中止に伴い東京都からどのような連絡があったのか、また本県も予算化しているが、今後どのように対処していくのかとただしたのに対し、本年五月三十一日付で東京フロンティア協会長から知事あてに博覧会の中止とおわびの文書が来ており、東京フロンティア協会から職員も来庁し、おわびと経過説明があったとの答弁がありました。また、予算計上している千五百万円については今後の議会で減額をお願いしてまいりたいとの答弁がありました。
 さらに、関西国際空港全体構想の推進について和歌山県としてはどのように対応するのか、基本的な考え方についてただしたのに対し、地元の総論として全体構想は推進し、各団体が受益と負担能力に応じた負担をしていくことを確認している、まず第七次空港整備五箇年計画への二期計画の位置づけが先決であると考えており、事業主体や負担については今後オール関西から成る関西国際空港全体構想推進協議会の場で協議することとなるとの答弁がありました。
 次に、第四次長期計画では二〇〇〇年の人口を百十五万人と見込み、厚生省では二〇一〇年に人口を九十八万九千人と推計している、次の五次長期計画の人口フレームをどの程度見込むのかとただしたのに対し、現在、第五次長期計画策定のため、二〇一〇年までの人口、経済フレームの推計作業に着手している、県の人口は企業誘致や宅地開発などにより平成二年から増加に転じており、第五次長期計画の目標年次である二〇一〇年の人口は関空効果等もあわせて県全体としては明るい見通しを持っておるとの答弁がありました。
 また、これに関連して、最近策定された他府県の長期総合計画において人口減少を容認している県があり、今後和歌山県では現実を直視し、量から質への政策の転換を図っていくようとの要望がありました。
 このほか、さきの議会において県内の市町村民所得統計の整備を要望しているが、その後の経過についてただしたのに対し、昨年四月から年間作業予定並びに作業マニュアルの作成に着手し、各市町村に呼びかけたところ、十九市町村で推計作業を実施している、本年度も引き続き参加市町村の拡大に努めてまいりたいとの答弁がありました。
 また、これに関連して、市町村民所得統計の作成により市町村間の競争意識を生み出し、自市町村の経済構造等についての位置を知ることができる、作成十九市町村をさらにふやしていくよう努力されたいとの要望がありました。
 続いて、財団法人和歌山社会経済研究所の研究体制、受託研究数、運営状況等についてただしたのに対し、研究体制については各団体からの派遣職員十四名、研究所の独自職員四名の計十八名体制で実施している、また平成六年度の受託研究実績は三十六件であり、現在の運営状況は低金利のもとで潤沢とは言えないが、調査受託を中心に努力しているとの答弁がありました。
 次に、県下のヘリネットワークの拠点整備に関する考え方についてただしたのに対し、紀中では南紀白浜空港、紀南では紀南ヘリポートを拠点とし、紀北については和歌山市と提携しながら設置場所の検討を進めているとの答弁がありました。また、これに関連して、ヘリ墜落事故後のヘリネットワークの対応策として事故の原因究明をするなどの調査をし、早期にヘリネットワークを構築するよう要望がありました。
 総務部関係では、まず防災ヘリコプター購入機種の選定に当たり随意契約に至った経過と保管場所についてただしたのに対し、機種選定に当たっては、消防庁の補助基準を満たし導入実績のある四機種を候補として特徴、性能等の比較検討を行い、作業性にすぐれていること、搭載能力が大きいこと、林野火災時の消火能力が高いことなどの理由により機種を決定し、地方自治法施行令の規定に基づき随意契約をすることとした、また、ヘリの保管場所については南紀白浜空港を予定しているが、和歌山市に公共ヘリポートができれば基地を和歌山市に移すことも考えている、なお、ヘリコプターの基地から県内各地への飛行時間は二十分以内で到達可能との答弁がありました。
 このほか、ヘリコプターにはテレビ電送のできる機能を備えているかとただしたのに対し、電送の機能は備えていないが、ビデオで撮影収録し、そのテープを活用することを考えているとの答弁がありました。
 また、災害時に県警のヘリコプターとの併用ができないのかとただしたのに対し、併用は考えていないが、地域防災計画の見直しの中で県警等のヘリコプターと共同で作業できる体制づくりを考えているとの答弁がありました。
 次に、各課よりの人員増を望む声を聞くが、行政改革により人員削減の状況はどうか、また各職場からの人員要望数と配属数をただしたのに対し、知事部局では昭和五十一年度から現在まで四百三十五人の人員削減をしている、また各所属からの要望数は三百名で、新たな行政需要に対する必要な人員について再度各部局とヒアリングを行い、内容を精査して約百名を適正配置したところであり、今後とも各職場の実態に応じた適正な人員配置に努めてまいりたいとの答弁がありました。また、これに関連して、今後の行政改革は県民の期待を裏切らない、人減らしをしない方針で臨んでほしいとの要望がありました。
 続いて、先般の阪神・淡路大震災で問題になった危機管理体制のあり方で、県と和歌山市との連携、県と自衛隊との連携はどうか、また防災計画の見直し状況はどうかとただしたのに対し、県と和歌山市との連携については、県の防災行政無線と有線でのホットラインがあり、平成八年度から二カ年計画で和歌山市独自の防災無線も整備される予定である、また県と自衛隊との連携は、過去から幾多の災害を経験し、その都度、自衛隊とは連携をとりながら対策を講じているところであり、今回の震災以降も対策を講じており、本県は近畿府県で最も自衛隊と連携がとれているものと考えている、防災計画の見直しについては、副知事をキャップとする地域防災計画検討連絡会及び主管課長、関係課長から成る幹事会を設置し、見直しに着手している、緊急点検等実施予定事項と今後の点検検討事項に分け、緊急点検事項については平成七年度中に、委託等の成果が必要なものについては平成八年度中に見直しを行いたい考えであり、去る三月、県防災会議に諮り、内容については承認され、地震部会においても専門的な意見を聞いているとの答弁がありました。
 次に、平成五年度の市町村決算の概要とその特色についてただしたのに対し、平成五年度の県下市町村決算は実質収支で五十八億円の黒字で、一町が赤字となっている、また、経常収支比率、公債費比率の上昇など財政構造の悪化が懸念されるが、一方で単独事業が大幅に伸びているのが特徴であるとの答弁があり、また和歌山市と湯浅町の状況はどうかとただしたのに対し、地方債の残高や経常収支比率などの上昇により財政硬直化が進んでおり、行財政の適正な運営に向け必要な助言指導を行ってまいりたいとの答弁がありました。また、これに関連して、市町村における各種事業の民間委託の推進に関し実態把握等をされたいとの要望がありました。
 次に、地方分権、規制緩和に関しての担当部局についてただしたのに対し、地方分権推進法が成立、推進委員会が発足したところであり、地方分権に関して県に要望事項のアンケートなどが予想されるが、その際に総務部が取りまとめ部局となる、また、規制緩和に関する個々の事項についてはそれぞれの所管課で対応となるとの答弁がありました。また、これに関連して、作業の進行状況を適宜議会に報告してほしいとの要望がありました。
 さらに、和歌山県内のガソリンスタンド設置に係る規制緩和や軽油価格の問題についても質疑がありました。
 このほか、財政が厳しいことから、道路ののり面等、放置している土地を一般財産として売却し、代替地等の購入資金としてはどうかとただしたのに対し、土地については、廃川敷、廃道敷、普通財産、行政財産があり、一部売却しているものもあるが、今後調査の上、検討していきたいとの答弁がありました。
 次に、今回もまた負担金を市町村に課することになるが、この制度を引き下げてほしいとの要望があり、近く見直していく考えがあるかとただしたのに対し、今までも各議員からご指摘をいただいているが、毎年毎年の予算編成の中で個別の事情も踏まえながら必要な見直しについては行っているとの答弁がありました。
 また、これに関連し、市町村道をつくる際の補助金は少額であり、負担金とのバランスが異なるので、その点を研究してほしいとの要望に対し、道路の関係については、事業費の確保、県予算のバランスも考えながら整備をしているが、県と市町村の役割分担の議論もあわせ考えていきたいとの答弁がありました。
 以上のような審議の結果、当委員会に付託されました議案十一件は、賛成全員をもって原案どおり可決すべきものと決しました。
 また、請願につきましては、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、請願新規分のうち、議請第二号、議請第三号は採択と決し、議請第五号、議請第六号は不採択とすべきものと決した次第であります。
 なお、当委員会から「和歌山県内の気象官署の整備・拡充(海底地震計並びに波浪計の設置)に関する意見書案」が提出される運びとなっていますので、よろしくお願いいたします。
 以上をもちまして、総務委員会の報告を終わります。何とぞ、適切なご決定をお願いします。
○議長(橋本 進君) 文教委員会委員長阪部菊雄君。
 〔阪部菊雄君、登壇〕(拍手)
○文教委員会委員長(阪部菊雄君) 文教委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表及び請願文書表に記載のとおり、議案一件、請願新規受理分一件であります。
 委員会は、六月三十日、第六委員会室において開催し、当局から付託案件等について詳細な説明を聴取した後、審議に入りました。
 委員会における各委員の質疑、意見及び要望等の主なものは、次のとおりであります。
 まず初めに、最近、教員が忙しくゆとりが持てないでいると聞くが、それは学校週五日制の実施が要因ではないか、現行の学習指導要領では現在の土曜休業二回に対応できないのではないか、いじめや不登校の問題が多発している背景には教員の忙しさや無理な月二回休業とのかかわりがあるのではないかとただしたのに対し、現行の学習指導要領は月一回及び月二回の土曜休業には対応できるものと考え、本県としても月二回の休業にかかわる課題については十四校園の調査研究協力校を指定し、その実践の成果を冊子にまとめて県下三地区で報告会を開催し、各校の指導に生かすよう努めている、全国及び本県の調査研究校の成果を踏まえ月二回の土曜休業までは実施可能であるという判断に基づき行っているものである、また、学校週五日制については、その根底に労働者の週休二日制があることを踏まえつつも、特に子供の教育とかかわって学校運営のあり方等を追求していく観点からとらえることが重要である、学校及び家庭におけるゆとりの時間は大切である、友達との遊びの時間や親子の対話がふえ、みずから学び続ける意欲を持って自分の生活をどう組み立てていくかという視点を含め、学校週五日制のあり方を現在検討しているところである、また、いじめ、不登校の問題は多様で複雑な要因が背景にあると認識している、社会、家庭、子供を取り巻く環境など、個々のケースによってさまざまな問題がある、県教育委員会としては、こうした問題に対して緊急の課題として登校拒否・いじめ問題に関するプロジェクトチームや検討委員会においてより効果的な方策について検討しているとの答弁がありました。
 次に、学校間連携で生徒が交流し成果を上げているが、教員の交流も推進してはどうかとただしたのに対し、和歌山市三校及び田辺・西牟婁地方の五校における学校間連携では、指導教科、生徒指導等について教員が協力し合って取り組んでいる、開かれた学校を目指し、今後、教員の交流についても研究してまいりたいとの答弁がありました。
 次に、高校入学選抜調査書にボランティア活動をしたと記入することになっているが、中学生にはその機会が少ない現状であり、その機会を与えるシステムをどのように取り入れていくのかとただしたのに対し、中学生のボランティア活動の機会を拡大するため、その一つとしてボランティア養成講座を夏休みの四日間実施し、地域でボランティア活動の核となって活動できる子供の養成を図っている、また、知事部局や民間団体等でもサマーボランティアスクールなど多様なボランティアに関する事業が行われており、今後とも関係各課、機関と連携の上、一人でも多くの子供が参加できるよう努めていきたい、我が国ではボランティア精神が家庭や社会で十分に培われているとは言いがたく、学校教育を通じて若者にボランティア精神をはぐくむ必要があると考えている、現在の調査書にはクラブ活動に加えボランティア活動状況等さまざまな活動を記入することとし、高校はこれを総合的に評価しているところであるとの答弁がありました。
 関連して委員からは、推薦の調査書の中にボランティア活動を行ったかどうかということを記載させることはおかしいではないか、本来、ボランティア活動とは他人に認められるために行うものではない、報道等でボランティア活動を取り上げ活動を助長するようなことも見られるが、それを教育の中で行うことには疑義がある、ボランティア活動を行うことが当たり前のこととして学校教育の中で育てていくものであり、推薦の条件として助長するものではない、このやり方は対症療法的であり、もっと原点から対応する必要があるとの意見がありました。
 次に、高校生海外生活体験事業はすばらしい取り組みと考えるが、平成七年度の派遣人数が昨年度の二倍となった理由及び内容についてただしたのに対し、高校生海外生活体験事業については県教育委員会独自の手づくりのプログラムであり、カナダ人の家庭に滞在してカナダの生活や自然を直接肌で知る体験をしている、同時に日本の文化の紹介、語学研修等もする中で、生徒の感動は非常に大きい、こうした海外生活の体験が将来の進路に結びつくケースもあり、本年度から人数枠の拡大を図ったとの答弁がありました。
 次に、高等学校の全日制五百六十二名、定時制百一名の中途退学者の現状についてどのような対応を考えているのかとただしたのに対し、平成六年度の全日制の中途退学者数五百六十二名は前年度より三十七名減となっているが、在籍生徒数が減少していることから割合は変化していない、中途退学の理由は進路変更、学業不振、学校不適応が全体の八二・六%を占める割合になっている、中学校では目的を持った進路選択ができるよう指導するとともに、高校では基礎学力の充実に重点を置き、一人一人を大切にする学習指導を行うよう各校に指導助言しているとの答弁がありました。
 次に、平成七年三月高校卒業者の就職状況についてどのように考えているのかとただしたのに対し、平成七年三月卒業生の就職状況については、不況の中で大変厳しい状況であり、県教育委員会としては県内外の企業を対象にした就職懇談会において求人の要請を行うとともに、学校も企業訪問等を積極的に行い、結果として一〇〇%に近い就職率を達成しているとの答弁がありました。
 次に、社会常識や情熱のある教員の採用についてただしたのに対し、教員の採用については、単に知識、技能にすぐれているばかりではなく、児童生徒への愛情や教育への情熱を持った人材を確保するため、論文、面接を重視し、集団面接や個別面接により教育の情熱に満ちた教員の確保に努めているとの答弁がありました。
 関連して委員からは、小学校に体育専門教員の採用についてただしたのに対し、小学校教員の採用検査においては、鉄棒、マット、中距離の体育実技を実施し、体育にすぐれた人材の確保にも努力しているところであるとの答弁がありました。
 次に、市町村の自治体から県立図書館の蔵書がすぐにわかるという図書館情報オンラインシステムについてただしたのに対し、図書館情報を提供できるシステムとしては学習情報システムがあり、平成三年度には県下の全市町村にネットワーク化しており、現在、県立図書館の全蔵書情報を見ることができるようになっている、今回の事業化を予定しているシステムは双方向性を目指すものであり、県、市町村が相互に検索し合えるより充実したオンラインシステムにしていきたいとの答弁がありました。
 次に、競技力向上対策の成果及び中学校体育連盟主催による大会の選手派遣費についてただしたのに対し、本県において開催された第二十六回黒潮国体では男女総合優勝という輝かしい成果をおさめた、しかし、四十六回大会以降総合成績が四十位台で低迷したため、県としては国民体育大会中長期六カ年計画を策定し、ジュニア選手を中心に強化を図ってきた、平成六年、愛知県で開催された第四十九回大会では男女総合成績三十一位という成績をおさめており、これは強化事業等の推進を図ってきた成果であると考えている、また、中学校体育連盟主催による大会への選手派遣については、近畿大会及び全国大会への派遣費の県費補助を行っているとの答弁がありました。
 このほか、不登校生徒の活動に係る施設使用料、三ない運動推進について教育委員会と高等学校PTA連合会との連携、新設養護学校の建設、自然教育推進事業、私学と公立校の施設整備面での格差の是正等について質疑、意見、要望がありました。
 以上が、当委員会における審査の概要であります。
 当委員会に付託されました議案第九十六号は、全会一致をもって可決すべきものと決しました。
 また、請願一件につきましては、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、継続審査すべきものと決しました。
 以上をもって、文教委員会の報告といたします。何とぞ、適切なご決定をお願いいたします。
○議長(橋本 進君) 以上で、各常任委員会委員長の報告が終わりました。
○議長(橋本 進君) これより、委員長の報告に対する質疑に入ります。──質疑なしと認めます。
○議長(橋本 進君) 次に、ただいま議題となっております案件について討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(橋本 進君) ご異議なしと認めます。よって、直ちに採決を行うことに決定いたしました。
○議長(橋本 進君) これより採決に入ります。
 まず、議案第九十七号を採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は、原案可決であります。
 本案を委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君は、ご起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(橋本 進君) 起立多数であります。よって、本案は原案のとおり可決されました。
○議長(橋本 進君) 次に、議案第八十五号から議案第九十六号まで、及び議案第九十八号から議案第百一号までを一括して採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は、いずれも原案可決であります。
 本案を委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君は、ご起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(橋本 進君) 起立全員であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
○議長(橋本 進君) 次に、請願について採決いたします。
 まず、議請第五号及び議請第六号を一括して採決いたします。
 本請願に対する委員長の報告は、いずれも不採択であります。
 本件を委員長の報告のとおり不採択とすることに賛成の諸君は、ご起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(橋本 進君) 起立多数であります。よって、本件はいずれもこれを不採択とすることに決定いたしました。
○議長(橋本 進君) 次に、ただいま採決いたしました請願を除くその他の請願四件を一括して採決いたします。
 本件は、いずれも委員長の報告のとおり決することにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(橋本 進君) ご異議なしと認めます。よって、本件はいずれも委員長の報告のとおり決定いたしました。
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 【日程第二 各常任委員会及び議会運営委員会閉会中継続審査の件】
○議長(橋本 進君) 次に、日程第二に入ります。
 お諮りいたします。お手元に配付しております「継続審査を要する所管事務調査件名表」及び「継続審査を要する担任事務調査件名表」のとおり、各常任委員会及び議会運営委員会に対し閉会中の継続審査として付議することにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(橋本 進君) ご異議なしと認めます。よって、以上のとおり、各常任委員会及び議会運営委員会に対し閉会中の継続審査として付議することに決定いたしました。
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 【日程第三 議案第百二号及び議案第百三号】
○議長(橋本 進君) 次に日程第三、議案第百二号及び議案第百三号を一括して議題といたします。
 お諮りいたします。本案については、委員会付託等を省略し、これより採決いたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(橋本 進君) ご異議なしと認めます。よって、本案は委員会の付託等を省略し、これより採決することに決定いたしました。
○議長(橋本 進君) 本案について質疑はございませんか。──質疑なしと認めます。
○議長(橋本 進君) これより採決に入ります。
 この際、申し上げます。
 人事委員会の委員に係る議案については無記名投票をもって採決を行い、その後、収用委員会の予備委員に係る議案を起立により採決を行うことといたします。
 まず、議案第百二号和歌山県人事委員会の委員の選任につき同意を求めるについてを採決いたします。
 この採決は、無記名投票をもって行います。
 議場を閉鎖いたします。
 〔議場閉鎖〕
○議長(橋本 進君) ただいまの出席議員数は、議長を除き四十五人であります。
 投票用紙を配付いたします。
 〔投票用紙配付〕
○議長(橋本 進君) 配付漏れはありませんか。──配付漏れなしと認めます。
 投票箱を改めます。
 〔投票箱点検〕
○議長(橋本 進君) 異状なしと認めます。
 念のため申し上げます。投票は無記名であります。投票用紙に、本県人事委員会の委員に若林弘澄君を選任することについて同意することに賛成の諸君は「賛成」と、反対の諸君は「反対」と記載の上、点呼に応じて順次投票を願います。
 点呼いたします。
 〔氏名点呼〕
 〔各員投票〕
○議長(橋本 進君) 投票漏れはありませんか。──投票漏れなしと認めます。
 投票を終了いたします。
 議場の閉鎖を解きます。
 〔議場開鎖〕
○議長(橋本 進君) お諮りいたします。立会人に、6番井出益弘君、22番宇治田栄蔵君、36番村岡キミ子君、45番松本貞次君の四君を指名いたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(橋本 進君) ご異議なしと認めます。よって、立会人に以上の四君を指名いたします。
 なお、この際、白票を無効といたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(橋本 進君) ご異議なしと認めます。よって、白票は無効とすることに決定いたしました。
 これより開票を行います。
 立会人の立ち会いをお願いいたします。
 〔投票点検〕
○議長(橋本 進君) 投票の結果を報告いたします。
 投票総数 四十五票
 うち有効投票 四十二票
  無効投票  三票
 有効投票中
  賛 成 四十二票
  反 対 な し
 以上のとおり、賛成多数であります。よって、議案第百二号和歌山県人事委員会の委員に若林弘澄君を選任するにつき同意を求めるの件は、これに同意することに決定いたしました。
○議長(橋本 進君) 次に、議案第百三号を採決いたします。
 本県収用委員会の予備委員に赤松壽男君を任命するにつき、これに同意することに賛成の諸君は、ご起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(橋本 進君) 起立多数であります。よって、議案第百三号和歌山県収用委員会の予備委員に赤松壽男君を任命するにつき同意を求めるの件は、これに同意することに決定いたしました。
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 【日程第四 各特別委員会閉会中継続審査の件】
○議長(橋本 進君) 次に、日程第四に入ります。
 お諮りいたします。同和対策、関西国際空港対策、水資源対策及び半島振興過疎対策の各特別委員会に付議されたそれぞれの問題について、さらに閉会中の継続審査とすることにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(橋本 進君) ご異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
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 【日程第五 意見書・決議案】
○議長(橋本 進君) 次に、日程第五に入ります。
 まず、和議第一号「港湾・空港関係五箇年計画の策定及び平成八年度予算の確保に関する意見書案」を議題といたします。
 案文は、お手元に配付しております。
 お諮りいたします。本案については、提出者の説明等を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(橋本 進君) ご異議なしと認めます。よって、直ちに採決いたします。
 本案を原案のとおり決することに賛成の諸君は、ご起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(橋本 進君) 起立多数であります。よって、本案は原案のとおり可決されました。
○議長(橋本 進君) 次に、和議第二号「和歌山県内の気象官署の整備・拡充に関する意見書案」、和議第三号「核実験反対、核兵器全面禁止・廃絶を求める意見書案」を一括して議題といたします。
 案文は、お手元に配付しております。
 お諮りいたします。本案については、提出者の説明等を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(橋本 進君) ご異議なしと認めます。よって、直ちに採決いたします。
 本案を原案のとおり決することに賛成の諸君は、ご起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(橋本 進君) 起立全員であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
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○議長(橋本 進君) 以上で、今期定例会に付議された諸案件の審議はすべて終了いたしました。
 なお、この際、お手元に今次の集中豪雨による被害速報を配付しております。これは、本日七月五日午前十時現在であり、被害額につきましても目下集計中とのことであります。亡くなられた方のご冥福をお祈りいたしますとともに、被災された皆様に対し謹んでお見舞い申し上げます。今後、被害の増加も見込まれるようでありますが、当局においては各部局それぞれの立場で、その復旧はもちろん、被害に対し迅速に対処されることを望みます。
○議長(橋本 進君) 連日にわたる各位のご精励に深く感謝申し上げ、これをもって平成七年六月定例会を閉会いたします。
 午後四時十分閉会

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