平成7年2月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(飯田敬文議員の質疑及び一般質問)
県議会の活動
午前十時五分開議
○議長(平越孝哉君) これより本日の会議を開きます。
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○議長(平越孝哉君) 日程第一、議案第一号から議案第八十二号まで、並びに知事専決処分報告報第一号から報第三号までを一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
26番飯田敬文君。
〔飯田敬文君、登壇〕(拍手)
○飯田敬文君 おはようございます。お許しをいただきましたので、早速質問をさせていただきます。
初めに、先月の十七日早朝に兵庫県南部地域を直撃いたしました阪神・淡路大震災、私たち近畿の同胞県といたしまして、また地震県和歌山県にとっても大きな衝撃が走ったわけでございます。亡くなられた皆様に対し深く哀悼の意をささげると同時に、被災された皆様に重ねてお見舞いを申し上げるところでございます。被災された皆様に対しては慰める言葉もございませんが、ただ悲しんでばかりおれない現状がそこにあることも事実でございます。一刻も早い、住民の満足のいく復興が遂げられますよう、心から祈ってやみません。我が和歌山県も、地震県としていつ突然の震災に遭遇するやもしれません。
そこで、阪神・淡路大震災を教訓といたしまして、我が県が、我が町ができ得る防災計画の見直しを実行することが私たちに課せられた使命であると認識した上で、これより質問をさせていただきたいと思います。
冒頭でもお話をいたしましたとおり、阪神地域は壊滅的な打撃を受けました。中でも神戸港の被害額は数兆円とも言われており、港湾機能は完全に麻痺をいたしております。神戸港は、全国港湾荷受けでコンテナ貨物取り扱いでは約三○%を占め、関西圏においても綿花や衣類、日用品などを中心とする原材料や商品が諸外国より着岸し、私たちの生活に密着した港であります。また、港湾機能は五万トンの船舶が出入りし、交通量も一日約三百隻を超える超過密港湾であります。コンテナ輸送が中心である現在の物流形態に合わせた高規格道路を有しております。この神戸港が震災の影響を受けたわけであります。
我が和歌山県においても、神戸の港湾荷受けなどの停止により少なからず影響を受けたと聞いております。その和歌山県における影響の実態を把握するとともに、この機会をとらえ、近畿圏の国際港湾機能を神戸港集中ではなく大阪湾各地へ分散することが極めて重要ではないかと考えておるわけであります。和歌山県もその一端を担えるというよりは、その中心的役割を果たせる国際港湾基地を早急に整備していく必要があると思います。私は、国際港湾機能を持った拠点として和歌山下津港が最適であるように思っております。
平成七年度の主要事業の中に、海の交通網整備の和歌山下津港港頭地区再開発事業の予算が計上されております。聞くところによりますと、残念ながら、この事業は港湾そのものの開発ではなく、港頭地区の都市開発が主眼であると伺っておるわけであります。私が申し上げております国際港湾機能を持った和歌山が中心的役割を担える基地づくりを視点に、この再開発事業を進めていただきたいと要望をいたすところであります。
和歌山市下津港の船舶の発着状況と港湾能力をお聞きし、あわせて再編整備、再開発について、知事の所見及び取り組みについてお伺いをいたします。
また、国際港湾として整備が完成されたとき、コンテナ輸送を行う際、近畿一円に対する物流環状ルートとして最大コンテナの通行可能な幅員二十メートルから三十メートル、四車線の道路整備がなければ意味がないわけであります。今まで述べてまいりました、和歌山県が他府県におくれることなく大阪湾経済圏域の中においてイニシアチブを発揮するためには、和歌山下津港整備とそれにつながる県独自の施策による基幹道路の建設が必要であります。この基幹道路整備は関西国際空港の関連施設整備大綱の中に必ずあるべきはずなのに、阪神高速道路湾岸線の関西国際空港から和歌山市延長が当初から計画されていなかったことは、まことに残念でなりません。私には全く理解できないことであります。
平成七年度の主要施策に和歌山都市圏幹線道路マスタープラン策定がございますが、このプランを大きく展開させ、国際貨物基地下津港をつくり上げると同時に、和歌山下津港から住友金属西防埋立地を経てコスモパーク加太を通り、関西空港や大阪泉南地域と一体となり、近畿圏域の核となる道路整備を推進すべきであると考えておるわけであります。このためには、阪神高速道路湾岸線の和歌山下津港への延長が極めて重要であると思っております。また、この道路が完成いたしますと、コスモパーク加太に国際都市機能の動脈が流れ、今まで私が訴えてまいりました国際会議場や国際競技場などの誘致の起爆剤となり、広くアジア経済圏の中心としての和歌山ができ上がるわけであります。コスモパーク加太の利用計画を視野に入れつつ、和歌山下津港を中心とした国際港づくりの一環として、近畿圏域の基幹道路の建設について、土木部長にお伺いをいたしたいと思います。
次に、昨年の渇水を踏まえた県の水需要の見通しと利水計画についてお聞きをいたしたいと思います。
昨年は、四月から八月にかけて記録的な少雨でありました。全国的な異常渇水が起き、紀の川流域においても農作物に干ばつ被害や河川からの取水制限により、企業の操業短縮などのやむなきに至ったところであります。戦後最悪と言われている現在の経済不況の中、立ち上がりを見せていた経済に大きな打撃を与えました。現在も、農作物に干ばつの影響が残っております。
紀の川においては、古くから奈良県の大和平野への流域外導水や紀伊平野における干ばつの解消のために、個別にいろいろと事業の計画がなされたと聞いておるわけであります。しかし、戦後に両県の主穀倉地帯である大和平野、紀伊平野における農業の生産性向上のため、国により十津川紀の川総合開発事業が計画され、昭和二十五年に我が県と奈良県との間で、紀の川における農業用水を主とした開発についてプルニエ協定なるものが交わされたと聞いております。古来より、水に対する私たち人間の意識は、いつも生存と隣り合わせで進行してまいりました。紀の川を取り巻いて多くの事件が発生しております。渇水時に水を求め、下流の農民が上流の農民と大乱闘を起こしたことが何度もあったと聞き及んでいるわけであります。水は、本当に大切な資源であると考えております。
また、この大切な紀の川の水を大阪府へ分水することについて、阪和両府県で調印されております。私は、大阪府への分水については基本的に賛成するものでありますが、しかし渇水対策、さらに県益の発展のため、また景気浮揚にとって一番重要な企業誘致に係る工業用水の確保などを考えるとき、将来の水需要の見通しをわずか十数年後に置いているというところに、渇水に対する利水計画に不安を感じずにはいられないわけであります。県当局の水需要の見通しは現在の実績と比較してなお余裕があると聞いておりますが、過去において、また昨年のような渇水をだれが予測し得たでしょうか、このたびの阪神大震災をだれが予想し得たでしょうか。まさに、自然、天災は我々人間の英知を大きく上回るものであります。いつ昨年のような渇水に見舞われるかもしれないことを考え合わせると、県の水需要の見通しについて危惧いたしておるのは私一人ではないと思います。何度も申し上げますが、水は大切な資源であります。まさに、血の一滴であります。将来の水需要については、長期にわたる見通しをするとともに、昨年のような渇水が起きても取り返しがつかないことにならないような利水計画が必要と考えますが、企画部長の見解をお伺いいたしたいと思います。
次に、前回の質問の折に、地域特性に合った文化、経済を十分に発揮できる地方分権型行政システムが必要であると訴えてまいったところであります。
私は、地方分権を進めるためには、県内各地方をおおよそ十五万人規模の都市に分類し、それぞれに都市機能を持たせるべきであると考えております。そこでは、職場、住居、遊び、学問、研究機能の整備形成を図り、単に都市にとどまらず、複数の市町村から成る圏域を対象とする活力低下と東京への一極集中を打破するため、地方の自主性と創意工夫を生かし、自主的成長を目指すべきであると考えております。そのために地方拠点都市整備法がありますが、私はかねがね、私の住むふるさと那賀郡は一つであると訴えてまいったところであります。この考えに合わせたように、政府も地方分権を推進し始めたところであります。また和歌山県議会においても、二月県議会の冒頭で「地方分権の推進に関する意見書」を議決し、政府に陳情したところであります。
政府は、今国会提出予定の地方分権推進法案の取りまとめ作業を開始し、総務、自治両省庁を中心に、地方分権推進委員会に独立した事務局を設置して地方分権の実効性を確保し、短期間のうちに集中して進めようとしております。野中自治大臣は、地方分権の後退は許さないと、不退転の決意表明をされているところでありますが、昨今の新聞紙上、事業官庁等いろいろなことを考え合わせるならば、規制緩和、行政改革なども含めて大きな反発が予想されているところでございます。しかしながら、地方分権の波が確実に広がってきておる今日、不退転の決意でこれに臨んでいただきたいと考えるわけであります。地方分権を推進し、二十一世紀に向けた和歌山県の都市機能のあり方が今こそ求められていると思うのであります。
私のふるさと那賀郡を顧みますと、那賀郡の活性化は都市機能を持った地域づくり、都市計画が今こそ必要であると思っております。打田、岩出、那賀、粉河、貴志川、桃山の六町の協力と協調で、より効果のある計画が考えられるわけでございます。具体的には、那賀郡を一つの地域、ゾーンとして考え、那賀郡全体の構想を策定し、その上で各町に合った具体的な都市計画をしていかなければなりません。
先ごろ私の経験したことでございますけれども、研究学園都市、企業城下町として推進している打田町の中心部に、モーテル建設という事態が持ち上がりました。地域の住民はもとより、打田町行政並びに議会において条例化も定めて大きな反対運動を推進してきたところでございますが、残念ながらこれに対する有効な手段、方法、手だてはないわけであります。私は、少なくともこうしたことを許さないためにも、きちっとした都市計画づくりが必要であると痛感したところでございます。
例えば、近畿大学の総合大学化、学術研究地域の建設、那賀郡の基幹産業である農業、集約された工業団地地域、住みよい住宅地域、ハイキング、スカイロード、遊歩道、多目的運動場のスポーツレクリエーション地域などをつくり、全域的な都市計画を早急に進めていかなければなりません。さらに、紀の川流域下水道や国保那賀病院の推進、改築、ごみ焼却場の建設、毎回の質問でも訴えてまいりました京奈和自動車道路の和歌山市側からの同時着工が重要であると考えております。
今まで述べてまいりました事柄は、乱開発を防止した都市機能を有する地域づくりを目指したものであり、地方分権の推進に大きくつながり、地方公共団体の自主性及び自律性を高め、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を図ることを基本とした地方分権の推進に関する法律案の基本理念に沿った重要施策であり、積極的な取り組みを要望するところであります。都市機能を持った地域づくりについて、土木部長の見解をお伺いしたいと思います。
さて、人に優しい生活環境づくりの一つとして提言をいたしました葛城山系ふるさと林道緊急整備の中に紀泉スカイラインの予算が計上されたことは、和歌山県の環境づくりに対する強い気持ちのあらわれとして感謝を申し上げるところであります。しかし、まだこの計画では打田町から那賀町までの限られた間だけであります。打田町から以西の計画ができておりませんし、また世界に一番近い町としての文化と歴史を国際的にアピールする国際会議場等の設置、そういった計画がまだまだなされておらないところでございます。早期に計画されることを望みたいと思います。
最後に、近畿大学が打田町に創設されて、若く優秀な人材が私たちの和歌山県にも来ていただける状況になったと喜んでおるわけでございますけれども、残念ながらまだまだ県外に流出しており、こういった現状では和歌山の発展は望めないと思うわけであります。若者が学び、集う、そして学生の街、若者の街としての町づくりを完成させなければなりません。
前回の質問でも提言させていただいたように、JR和泉砂川駅とJR下井阪駅──私は国分寺の名にちなんで「紀伊国分寺駅」と名称変更を要望しておるわけでございますけれども──この十三キロ間を鉄道で結び、大学駅を設けて、それを中心とした学生の街をつくり上げるとともに、先端技術開発、国際交易、情報通信の三機能と文化施設を備えた二十四時間活動する町づくりを、関西国際空港の全体整備構想と相まって進めるべきだと考えておるわけであります。
また、県内に働ける企業を積極的に誘致し、那賀郡が和歌山県の機関車として発展することが県全体の浮揚につながるものと確信しているところでございます。和歌山県の地方拠点都市づくりを踏まえた企業誘致等に対する考え方をお伺いいたしまして、私の第一回目の質問を終わらせていただきたいと思います。
ご清聴ありがとうございました。
○議長(平越孝哉君) ただいまの飯田敬文君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事仮谷志良君。
〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 飯田議員にお答え申し上げます。
国際機能を持った和歌山県の港湾の拠点づくりということでございます。
お話ございましたように、阪神・淡路大震災によりまして神戸港は壊滅的な打撃をこうむったわけでございます。それに伴いまして、神戸港の日本の港湾に占める比重、また関西における比重がいかに大きかったかということ、そしてまた港湾の重要性を再認識したわけでございます。また本県においても、地場産業、観光等に大きな影響を受けておるわけでございます。こうした実情を踏まえて、港湾の機能というもの、和歌山下津港の重要性ということを再認識したわけでございますし、一般の皆さんもそう感じられたことと思います。
そうした意味から、大阪湾のハブ港湾として和歌山下津港の存在価値を高めていかなければなりません。そのためには、外航のコンテナ等も扱える形、また国内輸送のコンテナ等については現在万トンバースで取り扱われておりますけれども、なお一層そうした面において国際港としての価値を高めていくべく努力してまいりたいと存じておるわけでございます。また、話ございました道路等についても、十分配慮していかなければならないと思っております。
次に、那賀郡は一つの観点から、都市計画の重要性のお話があったわけでございます。
豊かな自然環境を持った那賀地域でございます。また、大阪に隣接している地域でもございまして、人口の増加も激しいわけでございます。昨年、関西国際空港が開港いたしました。そしてまた、京奈和自動車道の計画が進展しつつあるわけでございます。そうした国土軸の進展等とも相まって、開発ポテンシャルには非常に強いものがあるわけでございまして、今後の飛躍発展を図っていかなければならない重要な地域でございます。また、話ございました地方分権の観点からも、非常に重要な課題であると思っております。こうした那賀郡の発展のためには、紀の川の臨空都市としての発展、そしてまた発展性の調査、大阪府と連携を図る府県間道路、生活改善を図るための流域下水道整備等が非常に重要でございます。
そうした諸問題がございまして、これらを解決するためには都市計画の推進が最も重要かと思うわけでございます。都市計画を推進する上においても、市街化区域、調整区域等に対する住民の皆さんの関心をなお一層高めていかなければならないと思うわけでございます。郡全体の計画をつくるとともに、市町村も計画をする、その前に住民に那賀郡の重要性、都市計画の必要性を知ってもらう等、積極的に進めてまいりたいと思っております。今後とも、関係町と十分な連携を図りつつ進めてまいりたいと考えております。
○議長(平越孝哉君) 土木部長山根一男君。
〔山根一男君、登壇〕
○土木部長(山根一男君) 二十一世紀を開く県土づくりについてのご質問、三点についてお答えいたします。
まず、国際港湾機能を持った拠点づくりについてでございます。
議員ご指摘のとおり、神戸港の被災により、外国貿易、特にコンテナ輸送の面で本県にも大きな影響が生じているものと考えております。
平成五年の調査によりますと、本県の輸出入コンテナ貨物の四七%、約三十四万トンが神戸港で取り扱われてございます。品目別に見ると、輸出では機械機器類や化学製品、輸入については繊維製品や化学染色材料などが主なものとなっておりますので、特にこれらの貨物と関連のある産業において影響が大きいものと考えております。
次に、和歌山下津港の現況についてでございます。
和歌山下津港は、三市一町にまたがる県下最大の港で、平成五年の取扱貨物量は約四千八百万トン、うち外国貿易が約半分を占めております。入港船舶数は約三万三千隻でございます。公共施設の能力については、現状では一万五千トン級の船舶が接岸できる岸壁が最大でありますが、現在、船舶の大型化に対応するため、より大型の公共岸壁を整備中でございます。また、構想中の港頭地区の再開発についても、旅客船機能の強化や既存施設の沖合展開を含めて考えており、港湾機能の強化につながるものと思っております。
いずれにいたしましても、和歌山下津港は大阪湾内に比べると相当立ちおくれているのが実態であり、今回の地震の教訓も踏まえながら、今後積極的に港湾の整備を進めていきたいと考えております。
次に、近畿圏域の核となる基幹道路建設についてでございます。
現在、大阪湾ベイエリアにおいては大阪湾環状道路計画が推進されており、その一環として阪神高速道路大阪湾岸線を南伸させ、第二阪和国道に接続させる構想について、第十一次道路整備五箇年計画に位置づけられているところでございます。さらに、和歌山市周辺については、コスモパーク加太等の地域整備構想と連動しながら紀淡連絡道路や和歌山環状道路の構想もございまして、和歌山下津港と一体となった道路ネットワークの検討を進めてまいりたいと考えているところです。今後とも、これらの和歌山環状道路や紀淡連絡道路の調査を促進するとともに、第二阪和国道の府県境部や阪神高速道路大阪湾岸線と第二阪和国道との接続等についても、早期具体化に向けて取り組んでまいる所存でございます。
最後に、那賀郡の都市計画についてです。
那賀郡は、近年、岩出町、貴志川町初め開発ポテンシャルが高まっておりまして、人口増の著しい地域でございます。現在、桃山町を除いて都市計画区域の設定がなされておりますが、都市計画道路等の都市施設の計画はされているものの、土地利用計画は未策定であり、市街地のスプロール化の進行している現状も認められるところでございます。
現在、岩出町において市街化区域と市街化調整区域の設定、いわゆる線引きの検討を進めており、土地利用計画の策定を図っているところでございますが、那賀郡の発展のためには将来に禍根を残さない町づくりを都市計画の強化により進めていく必要がございます。しかしながら、土地利用については住民の皆様に直接関係する事柄でありますので、計画的な町づくりについて、住民の方々に必要性を十分にご理解していただくことが前提でございます。さらに、これに基づいた関係町の積極的な取り組みが必要であります。
県といたしましては、こういう観点を踏まえて、広域的な観点から関係町と連携しつつ、都市計画の充実を図るため、連絡調整会議の設置など推進体制を確立し、適切な指導、調整を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(平越孝哉君) 企画部長宮市武彦君。
〔宮市武彦君、登壇〕
○企画部長(宮市武彦君) 飯田議員にお答えいたします。
紀の川流域の水需給計画についてでございます。
昭和六十一年に和歌山県長期総合計画を策定いたしまして、平成十二年度を目標とした予測をしております。その実績を把握するため、毎年、水需給動態調査を実施しているところでございまして、現在の使用実績は目標より下回っている現状でございます。また、上水道の整備に伴って作成する事業計画については、厚生省の指導に基づき、通常その期間が十年から十五年とされてございます。昨年発生した異常渇水については、百六十四年に一度という記録的な渇水でございまして、通常、建設省等が行う水資源開発については、十年に一度という確率を基準にして施設等の建設が行われてございます。
今後の紀の川流域の水需給計画については、本流域における開発状況等、社会的、経済的諸条件を勘案しながら、長期の水需給計画の調整を図るとともに、今回の異常渇水等の経験を踏まえて一層の節水意識の啓発を初め、大滝ダム等の建設促進や農業用水の合理化による水資源開発や水利調整等に努め、安定した水資源の確保に積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
○議長(平越孝哉君) 商工労働部長中山次郎君。
〔中山次郎君、登壇〕
○商工労働部長(中山次郎君) 企業誘致についてお答えします。
県勢の活性化と若者の働く場所の確保のため、県政の重要課題として企業誘致を図ってきたところでございます。
とりわけ那賀地域においては、松下電池ほか十七社の企業が進出して、約八百人の雇用を創出してございます。県下でも誘致企業の集積と工業団地づくりが意欲的に図られたところでございまして、企業誘致の牽引的な役割を担ってきたところでございます。また、二十キロ圏内に関西国際空港が開港し、国際化、情報化が進む中、近畿大学の生物理工学部も開学しており、製造業のみならず研究所、情報産業等の誘致にも力を入れているところでございます。
今後は、県の長期計画で南麓サイエンスパークとして位置づけられているように、産・学の集積が地域経済と結びつき波及効果をもたらすよう、雇用の促進や地域産業との交流を進めてまいりたいと考えてございます。
なお、那賀郡、海草郡を含む和歌山地域集積促進地域、いわゆる産業の頭脳部分の集積を図るための中核的業務団地である海南インテリジェントパークに、近畿大学の研究所と情報産業であるトランスコスモス社の誘致が決定して、本日午前中に調印式を行ったところでございます。このことが地域産業の高度化につながるものとして、その周辺地域に対する影響も大きいものと考えてございます。今後なお一層、企業誘致の促進のために努力してまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
○議長(平越孝哉君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
26番飯田敬文君。
○飯田敬文君 先ほどから知事並びに各部長から大変ありがたいお言葉をいただいて、心強く思っているところでございます。
特に、阪神・淡路大震災といったことを踏まえて、和歌山県がこれからさらに大きく飛躍する使命を負っている時期に今こそ立ち至っておるということを確信いたしたところでございます。特に、関西国際空港、和歌山下津港を結び、国際都市として、これからの和歌山が日本における大きな位置を占めていく重要な立場にあることをお互いが確信して、大変心強く思っておるわけでございます。
ただ、私自身、素人考えでございますけれども、高速道路湾岸線が和歌山市までなぜ延びなかったのかということが非常に心残りであります。このことこそが国際都市として日本を引っ張っていける和歌山県の重要なことでなかろうかと思いますので、引き続きご努力を特にお願い申し上げたいと思う次第でございます。
さらに、地方分権ということが今大きな課題として立ちはだかっておるわけでございます。地方分権を推進することこそが、都市計画を立派になし遂げることでもあるし、関西国際空港の全体構想を大きく整備して、我が和歌山県の位置を高めることにもなると思いますので、この地方分権についても、県議会、知事初め皆さん方の絶大な力で大きく推し進めていくことを強く願うものであります。ひとつよろしくお願いを申し上げます。
最後に、企業誘致の問題です。
和歌山県も、不十分でございますけれども、ようやく企業誘致が大きく発展してきたと思うわけでございます。私、打田町に住んでおりまして、近畿大学並びに松下電池の誘致があったわけでございますけれども、近畿大学の町として打田町なり那賀郡が生き生きとした学生の街にまだなっておらないことが非常に残念であるわけでございます。あるいは、松下電池が操業されておりますけれども、雇用対策の面で地元の雇用はどうなのか、関連の地元の企業はどうなのか、こういったことも含めて企業誘致が大きく展開をされなければならない課題を背負っておると思います。ひとつそういった視点も組み入れていただきまして、有利な条件を生かしながら企業誘致の積極的な推進をしていただきたいことを強く要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
以上でございます。
○議長(平越孝哉君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で飯田敬文君の質問が終了いたしました。