平成7年2月 和歌山県議会定例会会議録 第1号(全文)


県議会の活動

議 事 日 程 第一号 平成七年二月二十日(月曜日)
 午前十時開会・開議
 第一 会議録署名議員の指名
 第二 会期決定の件
 第三 議案第一号から議案第八十号まで、及び報第一号から報第三号まで(知事説明)
会議に付した事件
 一 会議録署名議員の指名
 二 会期決定の件
 三 議案第一号から議案第八十号まで、及び報第一号から報第三号まで(知事説明)
 四 意見書案
 五 休会決定の件
出 席 議 員(四十二人)
 1 番 小 川 武
 2 番 吉 井 和 視
 3 番 井 出 益 弘
 4 番 和 田 正 一
 5 番 町 田 亘
 6 番 尾 崎 吉 弘
 7 番 岡 本 保
 8 番 藁 科 義 清
 9 番 向 井 嘉久藏 
 10 番 佐 田 頴 一
 11 番 阪 部 菊 雄
 12 番 堀 本 隆 男
 13 番 平 越 孝 哉
 14 番 富 田 豊
 15 番 門 三佐博 
 16 番 西 本 長 弘
 17 番 高 瀬 勝 助
 18 番 上 野 哲 弘
 19 番 宇治田  栄 蔵
 20 番 尾 崎 要 二
 21 番 中 村 利 男
 23 番 山 本 一
 24 番 馬 頭 哲 弥
 25 番 鶴 田 至 弘
 26 番 飯 田 敬 文
 27 番 村 岡 キミ子  
 28 番 松 本 貞 次
 29 番 下 川 俊 樹
 31 番 宗 正 彦
 32 番 橋 本 進
 33 番 浜 田 真 輔
 34 番 冨 安 民 浩
 35 番 上野山 親 主
 36 番 中 村 裕 一
 37 番 和 田 正 人
 38 番 大 江 康 弘
 40 番 木 下 秀 男
 42 番 森 正 樹
 43 番 野見山  海
 44 番 新 田 和 弘
 45 番 浜 本 収
 46 番 森 本 明 雄
欠 席 議 員(一人)
 39 番 中 西 雄 幸
 〔備 考〕
 22 番 欠 員
 30 番 欠 員
 41 番 欠 員
 47 番 欠 員
説明のため出席した者
 知 事 仮 谷 志 良
 副知事 梅 田 善 彦
 出納長 中 西 伸 雄
 知事公室長 野 見 典 展
 総務部長 木 村 良 樹
 企画部長 宮 市 武 彦
 民生部長 南 出 紀 男
 保健環境部長 江 口 弘 久
 商工労働部長 中 山 次 郎
 農林水産部長 日 根 紀 男
 土木部長 山 根 一 男
 企業局長 中 村 協 二
 以下各部次長・財政課長 
 教育委員会委員長職務代行者
  山 本 昭
 教育長 西 川 時千代 
 以下教育次長
 公安委員会委員長
  西 本 貫 一
 警察本部長 西 川 徹 矢
 以下各部長
 人事委員会委員長職務代行者
  宮 崎 静 治
 人事委員会事務局長
 代表監査委員 天 谷 一 郎
 監査委員事務局長
 選挙管理委員会委員長
  鈴 木 俊 男
 選挙管理委員会書記長
 地方労働委員会事務局長
職務のため出席した事務局職員
 事務局長 岩 垣 孝
 次 長 中 西 俊 二
 議事課長 松 田 捷 穂
 議事課副課長 佐 竹 欣 司
 議事班長 松 谷 秋 男
 議事課主事 長 尾 照 雄
 議事課主事 松 本 浩 典
 総務課長 岡 山 哲 夫
 調査課長 柏 木 衛
 (速記担当者)
 議事課主任 吉 川 欽 二
 議事課主査 鎌 田 繁
 議事課速記技師 保 田 良 春
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 午前十時五分開会・開議
○議長(平越孝哉君) ただいまから、平成七年二月定例会を開会いたします。
○議長(平越孝哉君) これより本日の会議を開きます。
○議長(平越孝哉君) ただいまから、このたびの阪神・淡路大震災により犠牲となられました多くの方々のご冥福をお祈りいたしますとともに、被災地域の一日も早い復興を願って、黙祷をささげたいと存じます。
 全員、ご起立願います。
 〔全員起立〕
○議長(平越孝哉君) 黙祷。
 〔全員黙祷〕
○議長(平越孝哉君) 黙祷を終わります。
 ご着席を願います。
○議長(平越孝哉君) この際、暫時休憩いたします。
 午前十時七分休憩
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 午前十一時七分再開
○議長(平越孝哉君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
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○議長(平越孝哉君) 日程第一、会議録署名議員の指名を行います。
 今期定例会の会議録署名議員は、7番岡本保君、24番馬頭哲弥君、42番森正樹君の三君を指名いたします。
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○議長(平越孝哉君) 次に日程第二、会期決定の件を議題といたします。
 お諮りいたします。今期定例会の会期は、本日から三月十日までの十九日間といたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平越孝哉君) ご異議なしと認めます。よって、今期定例会の会期は本日から三月十日までの十九日間と決定いたしました。
○議長(平越孝哉君) 次に、諸般の報告をいたします。
 お手元に配付のとおり、知事から地方自治法第二百二十一条第三項の規定に定める法人の経営状況を説明する書類の提出が、監査委員から監査の結果報告及び現金出納検査結果の報告がありました。
 以上、報告いたします。
○議長(平越孝哉君) 次に、今期定例会に提出されました議案等は、お手元に配付のとおり、議案第一号から議案第八十号まで、並びに知事専決処分報告報第一号から報第三号までの計八十三件であります。
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   財第215号 
   平成7年2月20日
 和歌山県議会議長 平 越 孝 哉 殿
 和歌山県知事 仮 谷 志 良
 和歌山県議会平成7年2月定例会議案の提出について
 地方自治法第96条の規定に基づく議決事件について、次のとおり議案を提出します。
 議案第 1号 平成7年度和歌山県一般会計予算
 議案第 2号 平成7年度和歌山県農業改良資金特別会計予算
 議案第 3号 平成7年度和歌山県林業改善資金特別会計予算
 議案第 4号 平成7年度和歌山県沿岸漁業改善資金特別会計予算
 議案第 5号 平成7年度和歌山県中小企業近代化資金特別会計予算
 議案第 6号 平成7年度和歌山県母子寡婦福祉資金特別会計予算
 議案第 7号 平成7年度和歌山県東京事務所宿舎特別会計予算
 議案第 8号 平成7年度和歌山県職員住宅特別会計予算
 議案第 9号 平成7年度和歌山県物品調達特別会計予算
 議案第10号 平成7年度和歌山県立医科大学特別会計予算
 議案第11号 平成7年度和歌山県印刷事業特別会計予算
 議案第12号 平成7年度和歌山県営競輪事業特別会計予算
 議案第13号 平成7年度和歌山県営港湾施設管理特別会計予算
 議案第14号 平成7年度和歌山県流域下水道事業特別会計予算
 議案第15号 平成7年度和歌山県市町村振興資金特別会計予算
 議案第16号 平成7年度和歌山県自動車税等証紙特別会計予算
 議案第17号 平成7年度和歌山県用地取得事業特別会計予算
 議案第18号 平成7年度和歌山県立五稜病院事業会計予算
 議案第19号 平成7年度和歌山県電気事業会計予算
 議案第20号 平成7年度和歌山県工業用水道事業会計予算
 議案第21号 平成7年度和歌山県土地造成事業会計予算
 議案第22号 平成7年度和歌山県駐車場事業会計予算
 議案第23号 平成6年度和歌山県一般会計補正予算
 議案第24号 平成6年度和歌山県農業改良資金特別会計補正予算
 議案第25号 平成6年度和歌山県林業改善資金特別会計補正予算
 議案第26号 平成6年度和歌山県沿岸漁業改善資金特別会計補正予算
 議案第27号 平成6年度和歌山県中小企業近代化資金特別会計補正予算
 議案第28号 平成6年度和歌山県東京事務所宿舎特別会計補正予算
 議案第29号 平成6年度和歌山県職員住宅特別会計補正予算
 議案第30号 平成6年度和歌山県物品調達特別会計補正予算
 議案第31号 平成6年度和歌山県立医科大学特別会計補正予算
 議案第32号 平成6年度和歌山県印刷事業特別会計補正予算
 議案第33号 平成6年度和歌山県営競輪事業特別会計補正予算
 議案第34号 平成6年度和歌山県営港湾施設管理特別会計補正予算
 議案第35号 平成6年度和歌山県流域下水道事業特別会計補正予算
 議案第36号 平成6年度和歌山県市町村振興資金特別会計補正予算
 議案第37号 平成6年度和歌山県自動車税等証紙特別会計補正予算
 議案第38号 平成6年度和歌山県用地取得事業特別会計補正予算
 議案第39号 平成6年度和歌山県立五稜病院事業会計補正予算
 議案第40号 平成6年度和歌山県電気事業会計補正予算
 議案第41号 平成6年度和歌山県土地造成事業会計補正予算
 議案第42号 平成6年度和歌山県駐車場事業会計補正予算
 議案第43号 和歌山県民文化会館設置および管理条例の一部を改正する条例
 議案第44号 和歌山県立わかやま館設置及び管理条例の一部を改正する条例
 議案第45号 和歌山県職員定数条例の一部を改正する条例
 議案第46号 職員等の旅費に関する条例の一部を改正する条例
 議案第47号 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
 議案第48号 職員の勤務時間、休暇等に関する条例
 議案第49号 和歌山県退職年金及退職一時金ニ関スル条例等の一部を改正する条例の一部を改正する条例
 議案第50号 和歌山県税条例の一部を改正する条例
 議案第51号 和歌山県議会棟等建設基金の設置、管理及び処分に関する条例の一部を改正する条例
 議案第52号 和歌山県地域改善対策進学奨励金等貸与条例の一部を改正する条例
 議案第53号 和歌山県営競輪施設整備基金の設置、管理及び処分に関する条例
 議案第54号 和歌山県ふるさと自然公園国民休養地設置及び管理条例
 議案第55号 改良普及員資格試験条例の一部を改正する条例
 議案第56号 和歌山県国営土地改良事業負担金徴収条例の一部を改正する条例
 議案第57号 和歌山県浜の宮ビーチ設置及び管理条例の一部を改正する条例
 議案第58号 和歌山県マリーナ条例
 議案第59号 和歌山県屋外広告物条例の一部を改正する条例
 議案第60号 和歌山県建築基準法施行条例の一部を改正する条例
 議案第61号 和歌山県立学校等職員定数条例の一部を改正する条例
 議案第62号 和歌山県地方警察職員定員条例の一部を改正する条例
 議案第63号 警察職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
 議案第64号 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例の一部を改正する条例
 議案第65号 和歌山県使用料及び手数料条例の一部を改正する条例
 議案第66号 平成7年度建設事業施行に伴う市町村負担金について
 議案第67号 平成6年度建設事業施行に伴う市町村負担金について
 議案第68号 国営土地改良事業の施行に伴う市町村負担金について
 議案第69号 当せん金付証票の発売について
 議案第70号 一級河川の指定について
 議案第71号 訴訟の提起について
 議案第72号 工事請負契約の締結について
 議案第73号 工事請負契約の締結について
 議案第74号 工事請負契約の締結について
 議案第75号 工事請負契約の締結について
 議案第76号 工事請負契約の締結について
 議案第77号 工事請負契約の締結について
 議案第78号 工事請負契約の締結について
 議案第79号 工事請負変更契約の締結について
 議案第80号 工事委託変更契約の締結について
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   財第215号 
   平成7年2月20日
 和歌山県議会議長 平 越 孝 哉 殿
 和歌山県知事 仮 谷 志 良
 知事専決処分について報告
 平成6年度和歌山県一般会計補正予算等について、早急に措置する必要が生じたが、臨時県議会を招集する暇がなかったので、やむを得ず地方自治法第179条第1項の規定により専決処分した。
 よって、同法同条第3項の規定により、報第1号から報第3号をもってこれを報告し、その承認を求めます。
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○議長(平越孝哉君) 日程第三、ただいま報告いたしました議案第一号から議案第八十号まで、並びに知事専決処分報告報第一号から報第三号までを一括して議題といたします。
 まず、知事から提案理由の説明を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 平成七年度予算案を初め諸議案についてご審議をお願いするため二月定例会を招集いたしましたところ、議員各位には何かとお忙しい中をご参集いただき、厚く御礼申し上げます。
 ただいま上程されました諸議案について提案理由をご説明するに先立ち、県政の運営について私の所信を申し述べたいと存じます。
 まず、去る一月十七日未明に発生し、戦後最大の災害となった阪神・淡路大震災によりお亡くなりになられた方々とそのご遺族に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様方に心からお見舞いを申し上げます。
 昭和二十一年の南海道地震、昭和二十八年の大水害など数々の災害の恐ろしさ、苦しさを経験してきた本県としても、一月十七日午後には早速救援対策本部を設置して消防隊員を派遣し、翌日には毛布を送るなど迅速な対応をとるとともに、その後も県民の皆様方のご協力を得ながら、毎日、海上、陸上の両面から救援物資の輸送や医師及び土木技術者等職員の派遣など、種々の救援対策に取り組んできたところであります。今後も、被災者の皆様方が一日も早く平静な生活に戻れるよう、国及び兵庫県の要請等を踏まえ、時期を失することなく、総力を挙げて対応してまいる所存であります。
 なお、多数の皆様方から被災地や被災者の方々への温かいお見舞いとご支援をちょうだいしておりますことに対し、私からも厚く御礼申し上げます。
 また本県におきましても、この大震災を教訓に防災計画の見直しを早い機会に行うとともに、県民の皆様方及び各関係機関とともに防災訓練等を重ね、災害に対する認識を深め、被害を最小限に食いとめるよう措置を講じてまいりたいと考えております。
 さて戦後五十年、半世紀の歳月の流れを経たことし平成七年は、大きな節目の年であります。我が国は、長い平和がもたらしてくれた繁栄の中にあります。この平和と繁栄を享受する私たちが忘れてならないのは、戦後の廃墟、混沌、茫然自失の中から立ち上がり、幾多の変遷を乗り越えて今日の我が国を、そしてふるさと和歌山県を築き上げてきた先達の努力であり、平和の礎となって散華した人々であります。
 今、国際社会では、イデオロギーの対立による東西冷戦時代の終えんとともに、民族や宗教による対立、混乱が顕在化する一方、欧州連合(EU)や世界貿易機関(WTO)による新たなる連携や秩序の形成に向けてさまざまな取り組みが進められております。そして我が国も、経済大国として国際社会において果たすべき役割が問われる中、国内にあっては新しい政治のあり方を求めて政治情勢が日々目まぐるしく動き、行政改革、規制緩和の推進とあわせて、地方自治においても、これまでになく自主性、自律性を高め、地方分権を推進しようといううねりが高まっております。私たちは、今こそ来し方を振り返り、来るべき二十一世紀に向けて新たなる時代の展望を切り開くべき極めて大切な時期であることを認識せねばなりません。
 また、本年は知事五期目の締めくくりの年であり、さらにはあすの和歌山を建設する節目の年でもあります。ふるさと和歌山においても、近年、国際軸、国土軸への直結、幹線道路の整備、福祉や文化施設の整備など二十一世紀への基盤が築かれつつあり、あすの和歌山の姿がかいま見えてきました。そして、昨年の夏には世界リゾート博が大成功に終始し、ふるさとの豊かな魅力と新しいライフスタイルを広く内外に打ち出すとともに、九月四日には待望の二十四時間世界に開かれた関西国際空港の開港により、本格的な国際化時代の幕あけを迎えたのであります。
 ことしは、リゾート博の成功によって得た「やればできる」という自信と関西国際空港の開港に伴うはかり知れない波及効果を県民みんなの財産と受けとめ、県民生活の一層の向上に結びつけてまいらねばなりません。また、NHK大河ドラマ「八代将軍吉宗」の放映も、本県のPR及び活性化の絶好の機会ととらえ、県下各地から和歌山の歴史、文化、自然のすばらしさを全国へアピールいたします。私たちは、既に新たな時代への第一歩を踏み出しました。内外の注目を集め、かつてない飛躍発展の好機を迎えた今、この機会をいかに生かすことができるかが大きく問われる、まさしく正念場であります。
 ともあれ、二十一世紀は目前に迫ってきております。世界リゾート博、関西国際空港という画期的なビッグプロジェクトの実現を迎え、今まさに新しいふるさと和歌山の建設にたゆまぬ歩みを進めてまいらねばなりません。
 まず、京奈和自動車道の促進、太平洋新国土軸、紀淡連絡道路の事業化、高速道路の南伸、大阪湾ベイエリア整備、関西国際空港全体構想などの実現に向け、関西が一体となって広域的に取り組まねばなりません。一方では、県内幹線道路網を初めとする交通体系の整備を進め、県土の均衡ある発展と広域的な物流の展開を図るとともに、各地域での自主的、主体的な個性ある地域づくりについても推進してまいらねばならないと考えております。
 また、本格的な高齢化が進展する中で、県民の健康、福祉については、在宅の福祉、医療対策の充実、少子化に伴う対応など総合的に推進し、高齢化時代における新しい福祉社会のシステム構築に重点を置いてまいらねばなりません。さらには、国際化、情報化の進展、過疎化の進行など、本県を取り巻く諸課題とともに、変化、変革の時代のもとではありますが、新しい時の流れも見出さねばなりません。
 これらの諸課題について、私が掲げております五つの政策目標「のびゆく県土づくり」「すこやかな社会づくり」「やさしい生活環境づくり」「こころ豊かな人づくり」「たくましい産業づくり」を基本に、六年度から始まっている第三次中期実施計画で示した具体的な目標を着実な実行へと進めてまいりたいと存じます。
 国際軸、国土軸との直結により将来への確かな土台が築かれた今、二十一世紀への橋渡し、すなわち新しいふるさと和歌山の建設に出発しなければなりません。地方の魅力を生かした本当の豊かさが求められている現代は、また地方自治の真価が問われている時代でもあります。社会経済情勢の変動が激しい混迷の時代にありまして、あすへの正しい道を選択し、新しい産業が芽生え、すばらしい自然、文化、歴史が花開く明るく豊かな和歌山、潤いとぬくもりのある健やかな地域社会を築いていくために全力を傾注してまいる所存であります。議員各位初め、県民の皆様のご協力をお願い申し上げる次第であります。
 以下、予算の具体的内容につきましてご説明申し上げます。
 まず歳入の概況といたしまして、税収については、景気の足取りの不確かなこともあり、全体として伸び悩んでいるなど、厳しい状況が続いております。このような中で、適切な施策の実施により、二十一世紀に向けての県勢の飛躍につなげていくため、平成七年度の予算編成に当たっては、歳出の一層の節減、合理化を進めるとともに、半島振興道路整備事業、ふるさとづくり事業、地方特定道路整備事業など、国の財源措置のある起債の積極的な活用や昨年を大幅に上回る思い切った各種基金の取り崩しにより財源の確保に努め、県民生活の向上につながる施策の積極的な展開を図ることとし、投資重点型の積極予算を編成したところであります。
 以下、各分野における歳出予算の概要についてご説明申し上げます。
 第一の柱は「のびゆく県土づくり」であります。
 まず最初に、県土の均衡ある発展と地域資源の活用はもとより、多様な交流と創造をはぐくむ道路交通網の整備であります。県内幹線自動車道の整備につきましては、湯浅御坊道路では平成七年度中に御坊インターまでの供用を目指し、懸命の工事が進められているところであります。また、昨年路線発表が行われました御坊市から南部町間につきましても、現地測量へと進むところであります。
 さらに、太平洋新国土軸を形成する上で重要な紀淡連絡道路の調査を強力に推進する一方、京奈和自動車道につきましては、奈良県境から高野口町までの橋本道路は既に用地買収を進めており、高野口町から打田町までの紀北東道路は、七年度中に都市計画決定すべく作業を進めてまいります。国道四十二号那智勝浦道路については、早期整備を図るため用地の自主先行に取り組むこととし、高速交通体系の整備を図ってまいります。
 なお、国道四十二号田辺バイパス稲荷─秋津間については平成六年度中に供用される予定であり、広域幹線道路網の整備につきましては、国道三百七十一号、県道泉佐野岩出線を初めとする府県間道路や第二県土軸を形成する国道三百十一号、国道四百二十四号等の整備を促進し、あわせて農林道では紀の里地区並びに紀泉高原スカイラインに着手するなど、農道、林道整備の推進と連携することにより有機的な道路交通体系づくりを推進してまいります。
 鉄道につきましては、関係市町村等と協力し、紀勢本線の高速化と新型車両の導入を図ってまいります。これにより、県民の皆様の利便性、快適性は格段に向上することとなります。
 次に、空の交通網であります。
 いよいよ、平成七年度には南紀白浜空港がジェット化空港として開港いたします。高速、大量輸送に対応できる交通基盤の整備は、観光、リゾート機能の向上、生活、産業基盤の充実、周辺を含めた地域の振興に大きなインパクトを与えるものであります。
 また関西国際空港につきましては、政府予算案において六年度に引き続きボーリング調査費を含む全体構想調査費が認められ、着実に前進しているところであり、今後とも第七次空港整備五箇年計画に全体構想が位置づけられるよう全力を傾けてまいりたいと存じます。さらにヘリ・ネットワークについては、和歌山市内におけるヘリポートの整備調査を行うとともに、ヘリコプターのデモフライトを実施いたします。
 海の交通網につきましては、テクノスーパーライナーの誘致や和歌山下津港の拡充、振興について、今次の災害をも踏まえ、一層努力してまいる所存であります。
 陸・海・空の総合交通体系の整備を重点的に行う一方、県内各地域でそれぞれ個性と特色ある地域づくりをはぐくんでまいります。
 第二の柱は「すこやかな社会づくり」であります。
 県民医療の中核である県立医科大学の移転整備につきましては、平成十年度の完成に向けて本年度は大学施設の建設に着手することといたしており、また看護職員の確保養成を図るための、なぎ看護学校は本年四月に開校し、県立看護短期大学については、本年度中に施設の建設、図書資料等の整備を行い、平成八年四月に開学いたします。
 さて、高齢者社会への対応は喫緊の課題であります。まず、ホームヘルプサービス、ショートステイ、デイサービスといった在宅福祉サービスの一層の拡充を図ることとし、この在宅福祉三本柱の推進を積極的に支援するため、ホームヘルプサービス支援事業等、新たに三つの県単独補助制度を創設いたしております。あわせて、和歌山県老人保健福祉計画に基づき、特別養護老人ホーム、ケアハウス、また県下第一号になる在宅複合施設等の老人福祉施設の整備もなお一層推進してまいります。
 次に障害者対策につきましては、障害者の自立と社会参加の促進を図るため、生活環境の改善に社会全体が幅広く取り組んでいくための福祉のまちづくりの推進や重度身体障害者の住宅改造助成など在宅対策の充実を図ってまいります。
 また、少子化社会への対応も重大な課題であります。少子化対策を総合的に推進するため、子育て環境づくり計画策定委員会を設置し、これからの本県の具体的な取り組みを検討するとともに、女性の社会進出の増加に伴う保育時間の延長など保育サービスの充実を図ってまいります。さらには、子供は社会共通の財産という観点から、その健康増進を図るため、乳幼児に係る医療費無料化制度を大幅に拡充し、対象年齢を三歳未満まで引き上げるとともに、世帯の所得制限を撤廃することといたしました。
 同和対策につきましては、地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律も残すところ二カ年となり、法期限内で残された課題を解決するためにも住環境整備等に積極的に取り組み、また同和問題の早期完全解決のため、教育啓発活動や産業就労対策につきましても一層強力に推進してまいります。
 また、本年は戦後五十周年の年でございます。戦争で亡くなられた方々に対し改めて追悼の意をささげ、あわせて戦争や平和について考える機会を持っていただくため平和祈念事業を行うこととしております。
 第三の柱は「やさしい生活環境づくり」であります。
 まず生活排水対策につきましては、紀の川流域下水道の処理場本体下部工事に本年度から着手するとともに、本宮町での過疎代行下水道については平成八年度に供用を開始するところであり、加えて農村、漁村における集落排水の整備や合併処理浄化槽設置についても一層推進することといたしております。
 また、新たな時代に対応した研究所として環境保健センターの整備について基本調査を実施するとともに、産業廃棄物の広域処理を可能とする廃棄物処理センターの設立を促進いたします。
 次に、県民の憩いの場としての公園の整備でありますが、和歌公園片男波地区については本年度で整備が完了し、大新公園につきましては、地下駐車場の建設にあわせ、県民に親しまれる公園として再整備を図ってまいります。
 このほか、海辺や川辺の整備や沿道への植栽など、潤いとゆとりのある町づくりを推進し、県民生活の質の向上に努めてまいります。
 さらに、現下の重要課題として暮らしの安全確保があります。さきの阪神・淡路大震災の状況を踏まえ、地震、津波等に関する情報をいち早く入手し、県民にその情報を伝達するため、緊急情報衛星同報システムの整備を図るとともに、あわせて防災ヘリコプターを導入し、災害や緊急活動に対してこれまで以上に迅速に対応してまいる所存であります。
 また、交通巡視員の警察官への身分切りかえを行い、幅広い県民のニーズにこたえるとともに、警察活動の拠点である警察署の整備を推進し、さらには警察活動の機能向上を図る警察テクニカルセンター(仮称)の建設に着手いたします。
 交通安全対策といたしましては、渋滞を緩和し、快適かつ円滑な交通を確保するための情報の提供や案内とともに、市街地の歩道の段差解消、自発光式道路びょう等を設置することといたしております。
 第四の柱は「こころ豊かな人づくり」であります。
 まず学校教育の充実でありますが、時代や社会の変化に適切に対応し、生徒の多様な学習ニーズにこたえるため、特色ある学校づくりとして今年度新たに橋本高等学校に情報理数科を設置するほか、県立高校にシステム化学科、教養理学科、情報処理科、国際会計科、流通ビジネス科を設置いたします。
 産業教育の充実につきましては、児童生徒の職業意識の向上と主体的な進路が重視されている折から、十一月に第五回全国産業教育フェアを和歌山市において開催いたします。また、和歌山大学に理工系のシステム工学部が創設され、平成八年四月から学生を受け入れることが国の予算において認められました。今後とも、システム工学部のための十分な予算の確保について国へ強く要望してまいりたいと存じます。
 次にスポーツの振興として、橋本運動公園内においては多目的体育館を建設するための実施設計に着手し、新宮東牟婁地方では広域のスポーツ施設を設置するための調査を行うことといたしております。
 国際交流につきましては、関西国際空港の開港により本格的な国際化時代の幕あけを迎えた今、なお一層積極的に推進いたします。まず、中国山東省との友好提携十周年を記念して、恒久記念物の交換や友好訪中団の派遣を行い、一層の友好のきずなを深めるとともに、アメリカ合衆国フロリダ州及びメキシコ合衆国シナロア州との交流につきましては、それぞれ友好提携を締結し、相互の交流を図りたいと存じます。さらに、国際協力の一環として実施している海外技術研修員受け入れ事業につきましては、内容の拡充を図り、移住先諸国を中心に研修員を受け入れてまいりたいと存じます。また、関西国際空港の開港とも相まって年々増加する旅券発給件数に対応するため、交通の便のよいJR和歌山駅ビル四階に旅券事務所を開設し、窓口を充実させ、県民サービスの向上に努めてまいりたいと存じます。
 第五の柱は「たくましい産業づくり」であります。
 県内企業は依然として厳しい状況が続き、またさきの阪神・淡路大震災の影響を受けている現況も踏まえ、まず融資制度について低利の地震災害対策融資を初め全体の融資枠を大幅に拡大するとともに、新規開業支援資金融資を創設するなど、中小企業金融の拡充を図ってまいります。また、県産業の積極的な国際交流、情報化、デザイン振興への対応とともに、中小企業者の新技術、新製品の開発、新分野への進出に対しても支援を行うことといたしております。
 なお、産業技術の中核的支援施設である工業技術センターにつきましては、研究交流棟、新本館の建設に引き続き、実証棟の建設に着手し、整備の総仕上げを行うことといたしております。
 次に農林水産業の振興でありますが、農業についてはウルグアイ・ラウンド対策の観点を含め、農林道を中心とする道路交通環境の整備充実、新規就農対策、果樹対策、中山間地域対策、国内消費拡大対策等々の施策を推進し、農業の体質強化に向け、積極的に取り組んでまいります。
 さらに、消費者ニーズの多様化や担い手の減少、高齢化等に対応するため、近代的な集出荷施設や機械化による省力生産システムの開発に努め、収益性の高い農業の確立を図ってまいりたいと存じます。また、本県の豊かな森林資源を生かし、森林の持つ多様な機能を活用した森林利用の基本構想を策定するほか、山村地域での若者定住を促進するためU・J・Iターンの住宅整備に取り組むとともに、水産業につきましては、北部栽培漁業センターを完成し、つくり育てる漁業のさらなる振興を図ってまいります。
 他方、リゾート産業の振興でございます。世界リゾート博の成果を踏まえ、紀の国ふれあいリゾートを推進し、豊かな自然の中で地域文化と触れ合うことのできるファミリーリゾート地づくり、すなわち一村一休養施設の整備を図ってまいります。
 以上の施策のほか、世界リゾート博の収益金等を原資として世界リゾート博記念財団(仮称)を設立し、一周年記念イベントの実施を初め、リゾートによる地域振興、国際化時代における人材育成、県内文化の振興等に資する記念事業を展開してまいります。
 また、現在の県庁舎、県議会棟等は老朽化、狭隘化している状況にあり、県民の皆様には多々ご迷惑をおかけしているところから、建設資金の計画的かつ一体的な積み立てを図ってまいりたいと存じます。 以上が、予算案の主な内容であります。
 この結果、平成七年度一般会計の総額は五千四百三十四億円余、実質対前年度六・五%増となったところであります。
 あわせて、ご提案申し上げている特別会計は総額一千百二十五億円余、企業会計は四百三十二億円余となっております。
 次に、平成六年度補正予算の主なものについてご説明申し上げます。
 まず、一般会計の補正総額は九十四億四百余万円の増額となりますが、その主な内容としてはウルグアイ・ラウンド関連対策事業の増額や県債管理基金への積立金等であります。
 また、特別会計では四十九億一千二百余万円の減額となり、企業会計においては十六億七千三百余万円の減額となっております。
 続きまして、条例案件についてご説明申し上げます。
 本議会に提出いたしました条例案件は二十三件でありますが、以下その主なものについてご説明申し上げます。
 まず、議案第四十四号は県立わかやま館の管理運営を財団法人和歌山県文化振興財団に委託するためのものであり、議案第四十五号、第六十一号、第六十二号は、それぞれ県立医科大学事務局、県立学校等の職員、警察職員の定数、定員を定めるものであります。議案第四十七号及び第六十三号は職員及び警察職員の特殊勤務手当等の額を改定するものであり、議案第五十号は地方税法の一部改正に伴い、県民税に係る規定の改正及び地方消費税に係る規定の新設を行うものであり、議案第五十三号は県営競輪事業において施設整備を円滑に行うための基金を設置するものであります。議案第五十八号は海洋性スポーツの振興等を図るため県が管理する港湾にマリーナを設置するためのものであり、議案第六十五号は海浜公園において新たに供用を開始する有料施設の使用料を定めるためのものであります。
 次にその他案件といたしまして、議案第六十六号及び第六十七号は建設事業施行に伴う市町村負担金について、議案第七十二号から第八十号までは工事請負契約及び工事変更契約等について、それぞれ議決をお願いするものであります。
 また、報第一号知事専決処分報告は和歌山海区漁業調整委員会委員補欠選挙及び天災融資法発動に伴うものであり、報第二号は阪神・淡路大震災被災者等支援に伴うものであり、報第三号は職員の公務中における交通事故に伴う損害賠償の額について、それぞれ早期に実施する必要から、やむを得ず地方自治法第百七十九条第一項の規定による専決処分を行い、これを報告し承認を求めるものであります。
 最後に、法人の経営状況に関する書類を別途提出いたしております。
 以上で、提出議案等に対する私の説明を終わります。何とぞ、ご審議の上、ご賛同賜りますようお願い申し上げます。
○議長(平越孝哉君) 以上で、知事の説明が終わりました。
○議長(平越孝哉君) この際、一月一日就任いたしました職員をご紹介申し上げます。
 まず、知事公室長に就任いたしました野見典展君をご紹介申し上げます。
 知事公室長野見典展君。
 〔野見典展君、登壇〕(拍手)
○知事公室長(野見典展君) 本年一月一日付をもちまして知事公室長を拝命いたしました野見典展でございます。
 もとより微力ではございますが、職責を十分自覚いたし、誠心誠意努力する所存でございます。何とぞ、より一層のご指導、ご鞭撻をお願い申し上げます。どうもありがとうございました。
○議長(平越孝哉君) 次に、農林水産部長に就任いたしました日根紀男君をご紹介申し上げます。
 農林水産部長日根紀男君。
 〔日根紀男君、登壇〕(拍手)
○農林水産部長(日根紀男君) このたび農林水産部長を拝命いたしました日根紀男でございます。
 もとより微力でございますが、職務の重要さを十分認識いたしまして、誠心誠意努力をいたす所存でございます。議員の皆様方には、何とぞご指導、ご鞭撻をいただきますように、よろしくお願いを申し上げます。ありがとうございました。
○議長(平越孝哉君) 次に、企業局長に就任いたしました中村協二君をご紹介申し上げます。
 企業局長中村協二君。
 〔中村協二君、登壇〕(拍手)
○企業局長(中村協二君) 企業局長を拝命いたしました中村でございます。
 もとより微力ではございますが、公営企業を通して県勢発展に貢献できますよう最善の努力をいたしたいと存じます。どうかよろしくご指導、ご鞭撻のほどをお願い申し上げます。
○議長(平越孝哉君) 次に、平成六年十二月十六日、公安委員会委員に任命されました中尾公彦君をご紹介申し上げます。
 公安委員会委員中尾公彦君。
 〔中尾公彦君、登壇〕(拍手)
○公安委員会委員(中尾公彦君) 昨年十二月十六日、和歌山県公安委員会委員に就任いたしました中尾公彦でございます。
 微力ではございますけれども、誠心誠意、職務に精励いたす所存でございますので、よろしくご指導、ご鞭撻のほどをお願い申し上げたいと思います。
 甚だ簡単ではございますけれども、あいさつにかえさせていただきます。どうもありがとうございました。
○議長(平越孝哉君) 次に、事務局長から新任の職員を紹介させます。
○事務局長(岩垣 孝君) ご紹介申し上げます。
 まず知事部局
 審議監・世界リゾート博推進局長事務取扱
  峯  護 君
 審議監 藤 谷 茂 樹 君
 農林水産部次長 山 添 利 夫 君
 次に警察本部
 生活安全部長 岡 本 省 吾 君
 交通部長 廣 田 克 己 君
 警備部長 井 上 勝 君
 〔各員一礼〕(拍手)
○議長(平越孝哉君) この際、お諮りいたします。お手元に配付のとおり、「地方分権の推進に関する意見書案」が提出されております。これを本日の日程に追加し、直ちに議題とすることにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平越孝哉君) ご異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
 和議第四十七号「地方分権の推進に関する意見書案」を議題といたします。
 お諮りいたします。本案については、提出者の説明等を省略いたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平越孝哉君) ご異議なしと認めます。よって、提出者の説明等を省略し、これより採決に入ります。
 本案を原案のとおり決することに賛成の諸君はご起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(平越孝哉君) 起立多数であります。よって、本案は原案のとおり可決されました。
○議長(平越孝哉君) 次に、お諮りいたします。明二十一日から二十四日までを議案調査のため休会といたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平越孝哉君) ご異議なしと認めます。よって、明二十一日から二十四日までを休会とすることに決定いたしました。
○議長(平越孝哉君) 次会は二月二十七日再開し、質疑及び一般質問を日程といたします。
○議長(平越孝哉君) 本日は、これをもって散会いたします。
 午前十一時四十五分散会

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