平成6年9月 和歌山県議会定例会会議録 第7号(全文)


県議会の活動

議 事 日 程 第七号 平成六年十月十四日(金曜日)
  午前十時開議
  第一 議案第八十九号から議案第百十五号まで、議案第百二十号、及び報第七号、並びに請願二十二件(委員長報告・同質疑・討論・表決)
  第二 各常任委員会及び議会運営委員会閉会中継続審査の件
  第三 議案第百十六号(特別委員会設置・付託・委員選任)
  第四 各特別委員会閉会中継続審査の件
  第五 意見書・決議案
会議に付した事件
  第一 議案第八十九号から議案第百十五号まで、議案第百二十号、及び報第七号、並びに請願二十二件(委員長報告・同質疑・討論・表決)
  第二 各常任委員会及び議会運営委員会閉会中継続審査の件
  第三 議案第百十六号(特別委員会設置・付託・委員選任)
  第四 各特別委員会閉会中継続審査の件
  第五 意見書案
出 席 議 員(四十一人)
 1  番  小  川 武
 2  番  吉  井  和  視
 3  番  井  出  益  弘
 4  番  和  田  正  一
 5  番  町  田 亘
 6  番  尾  崎  吉  弘
 8  番  藁  科  義  清
 9  番  向  井 嘉久藏  
 10  番  佐  田  頴  一
 11  番  阪  部  菊  雄
 12  番  堀  本  隆  男
 13  番  平  越  孝  哉
 14  番  富  田 豊
 15  番  門  三佐博  
 16  番  西  本  長  弘
 17  番  高  瀬  勝  助
 18  番  上  野  哲  弘
 19  番 宇治田  栄  蔵
 20  番  尾  崎  要  二
 21  番  中  村  利  男
 23  番  山  本 一
 24  番  馬  頭  哲  弥
 25  番  鶴  田  至  弘
 26  番  飯  田  敬  文
 27  番  村  岡 キミ子  
 28  番  松  本  貞  次
 31  番  宗 正  彦
 32  番  橋  本 進
 33  番  浜  田  真  輔
 34  番  冨  安  民  浩
 35  番 上野山  親  主
 36  番  中  村  裕  一
 37  番  和  田  正  人
 38  番  大  江  康  弘
 40  番  木  下  秀  男
 42  番  森 正  樹
 43  番 野見山   海
 44  番  新  田  和  弘
 45  番  浜  本 収
 46  番  森  本  明  雄
 47  番  浜  口  矩  一
欠 席 議 員(三人)
 7  番  岡  本 保
 29  番  下  川  俊  樹
 39  番  中  西  雄  幸
 〔備 考〕
 22  番  欠  員
 30  番  欠  員
 41  番  欠  員
説明のため出席した者
 知 事 仮  谷  志  良
 副知事 西  口 勇
 出納長 梅  田  善  彦
 知事公室長 中  西  伸  雄
 総務部長  木  村  良  樹
 企画部長  宮  市  武  彦
 民生部長  南  出  紀  男
 保健環境部長  江  口  弘  久
 商工労働部長  中  山  次  郎
 農林水産部長  野  見  典  展
 土木部長  山  根  一  男
 企業局長  高  瀬  芳  彦
  以下各部次長・財政課長 
 教育委員会委員 山  本 昭
 教育長 西  川 時千代  
  以下教育次長
 公安委員会委員長
 西  本  貫  一
 警察本部長 西  川  徹  矢
  以下各部長
 人事委員会委員長
 水  谷  舜  介
  人事委員会事務局長
 代表監査委員  天  谷  一  郎
  監査委員事務局長
 選挙管理委員会委員長
 鈴  木  俊  男
  選挙管理委員会書記長
  地方労働委員会事務局長
職務のため出席した事務局職員
 事務局長  岩  垣 孝
 次  長  中  西  俊  二
 議事課長  松  田  捷  穂
 議事課副課長  佐  竹  欣  司
 議事班長  松  谷  秋  男
 議事課主事 長  尾  照  雄
 議事課主事 松  本  浩  典
 総務課長  岡  山  哲  夫
 調査課長  柏  木 衛
 (速記担当者)
 議事課主任 吉  川  欽  二
 議事課主査 鎌  田 繁
 議事課速記技師 保  田  良  春
  ──────────────────
  午前十時三分開議
○議長(平越孝哉君) これより本日の会議を開きます。
○議長(平越孝哉君) 議事の都合により休憩いたします。
  午前十時四分休憩
  ──────────────────
  午後二時二十六分再開
○議長(平越孝哉君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
  ──────────────────
○議長(平越孝哉君) 日程第一、議案第八十九号から議案第百十五号まで及び議案第百二十号、知事専決処分報告報第七号、並びに今期定例会の請願八件及び継続審査中の請願十四件、計二十二件を一括して議題とし、順次、各常任委員会委員長の報告を求めます。
 文教委員会委員長堀本隆男君。
  〔堀本隆男君、登壇〕(拍手)
○文教委員会委員長(堀本隆男君) 文教委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表及び請願文書表に記載のとおり、議案三件、請願継続審査分十一件であります。
 委員会は、十月十一日、第六委員会室において開催し、当局から付託案件等について詳細な説明を聴取した後、審議に入りました。
 委員会における各委員の質疑、意見及び要望等、主なものは次のとおりであります。
 まず初めに、国民体育大会夏季大会におけるジュニア(小・中・高校生)の活躍が目覚ましく、六十点中五十四点だと聞いている、スポーツ振興基金の問題も含めて経済的にもいろんな意味でも強化するためには大きな経費を伴っていくと思う、また、国体だけを特定化するのではなくて、ジュニアに対するこれからのスポーツ向上における体力づくりということをも大きな柱とする中で、これからの教育行政の中でどのように生かされていくのかとただしたのに対し、スポーツ県和歌山の基盤を担うのがジュニアスポーツの振興であると考えている、学校における運動部活動、その推進をいかに図るか、学校教育活動全体の中でいかに位置づけられるか、このようなことがジュニアスポーツ振興の中で大きなかぎを握っているとの答弁がありました。
 委員からは、夏季大会が終了した時点での成績はどうであったか、ジュニアが育ってきている割に県外流出していくようなことが多々あると思うが、それに対する対応等はどうか、また本県の選手強化費はどのくらいかとただしたのに対し、夏季大会が終了した時点での成績は三十四位、去年は四十五位であった、秋季大会についてもこのジュニアの勢いをかりて好成績につなげていきたい、選手の県外流出については指導者の熱意と中・高一貫指導、拠点校づくり、推薦入学制度で対応してきているところである、また本県の選手強化費は八千万円であるとの答弁がありました。
 委員からは、世界リゾート博が大成功したという中で、和歌山県もやればできるんだということが本会議でも意見として出されていたが、文武両道とはいえ、国体だけではなしにスポーツ振興にも努力をしてもらいたいとの要望や、和歌山県ここにありと示すことが人の流出をも含めてカムバックしてもらえるのではないかとの意見がありました。
 関連して委員からは、紀三井寺公園の競技施設等について、一般質問の中でも質疑を行ったが、スポーツ施設の充実について各競技団体等から本県の競技施設についての意見を聴取してほしい、例えば水泳では、今日では三百六十五日練習しなければ勝てない、屋内の五十メートルプールが必要だとか、野球ではナイター施設が必要だというように、施設の課題が多いと思う、調査し意見を集約してもらいたいとの要望があり、スポーツ振興審議会より整備充実について答申を得ているので、関係部局とも協議していきたいとの答弁がありました。
 次に、来年和歌山で開催される第五回全国産業教育フェアは、小・中・高校生を含めて県の産業教育の充実、発展のために重要なことである、教育面の中で第五回ということで大きな画期的な内容もあろうかと思うので、過去の経緯と大会の開催概要についてどうか、また、世界リゾート博の大成功は体験型である、こうした体験型のさまざまな取り組みが人間教育で大事な部分だと思う、過去の全国産業教育フェアの実績は三万から八万人である、どれくらいの参加人数の目標を目指しているのかとただしたのに対し、産業教育の活性化、振興に資することを目的に平成三年に千葉県で第一回が開催され、その後、静岡県、富山県と開催され、本年は京都府で開催される、本県では平成七年十一月十六日から十八日の三日間の開催を予定している、この大会は単に高校生の産業、教育の学習成果を発表するだけではなしに、小・中学生の参加はもとより企業、一般県民の参加も得て伝統産業、地場産業を紹介するとともに、和歌山県の特色やよさをアピールし、明るく活気に満ちた体験的なフェアにしていきたい、参加人数は、フェアの前に産業教育ウイークを設定しプレイベントを開催する等、十万人を超えることを目指していきたいとの答弁がありました。
 関連して委員からは、産業教育フェアの会場が和歌山市に集中しているが、紀南地方でもこうした大会が開催できるよう取り組んでほしいとの要望や、生徒に夢を与えながら来年の成功を目指して頑張るよう意見がありました。
 次に、NHK大河ドラマ「吉宗」について、本会議の一般質問の中でも質疑がなされていたが、特に和歌山と吉宗は切り離せない関係があると思う、教育という立場の中でどういうかかわりを持っているか、どういう人物であるか、本県からは多くの歴史的人物が出ているが、我々の育った時代には教科書で学ぶ程度でなかなかきめ細かく勉強する機会はなかった、できるだけ歴史的事実に基づいてわかりやすく、小学校、中学校、高校というレベルに応じた教材をつくり教えてもらいたいがどうかとただしたのに対し、吉宗を初め、郷土和歌山とかかわりのある歴史的人物についての学習は、歴史等の授業、道徳教育等の中で教材として取り上げて扱っている、今後とも郷土の人物や歴史、文化について学習を深めるよう各学校を指導していきたいとの答弁がありました。委員からは、本県から出た有名人についての学習を進めるよう要望がありました。
 次に、八月十三日の毎日新聞に戦争について百五十九名の高校生のアンケートが掲載されていた、その結果は、「一、戦争や平和について関心があるか」との問いに対し、「ある」・「少しある」が六八%、「二、戦争や平和について学ぶ機会が十分あるか」との問いに対し、「ある」が二五%であった、高校生が議論できる機会が大切ではないか、今の日本の立場、世界に対する日本の責任とか世界の中での日本を学習していくことが大切だと思うがどうかとただしたのに対し、中学校では社会科における憲法や公民の中で学習している、特に高校では、社会科の授業や校内討論集会などで同和問題、人権問題、平和問題等について学習する機会も多い、平和を維持するために何が大事かという視点から議論させ考えさせたい、教員が指導する上で配慮しなければならないのは、自分の考えを生徒に押しつけてしまうことなく、事実に即し客観的な立場から、平和を維持するためにどのような役割を果たすべきか生徒たちに伝えていくよう各学校を指導していきたいとの答弁がありました。
 次に、来春の就職生徒の状況はどうなっているか、養護学校高等部を卒業する生徒の進路状況についてはどうかとただしたのに対し、就職生徒の現状は厳しいものがあり、求人状況は九月末現在において例年より三十数%少なく、内定状況においても十数%低くなっている、厳しいということで大阪、和歌山において就職懇談会を持ち、県内外の企業主に対して格段の配慮をお願いしたところである、また養護学校卒業生徒の進路については、県心身障害生徒進路対策協議会で学校や企業などと進路に関する幅広い情報の交換や総合的な対策を協議し、適切な進路の確保に努めているところであるとの答弁がありました。
 委員からは、養護学校卒業生徒の就職困難な子供たちに対しては寄宿舎等において就職できるまで面倒を見るような配慮が要るのではないかとただしたのに対し、民生部所管で新しく建設されている授産施設等もある、今後さらに民生部とも連携し取り組んでいきたいとの答弁がありました。
 次に、教員採用検査における受検者数及び合格者数についてどうであったか、また和歌山大学出身者の状況についてはどうであったのかとただしたのに対し、去年実施した教員採用候補者選考検査では八百八十三名の受検者があり、七十四名が合格した、競争率は十一・九倍となっている、和歌山大学出身者の受検者は百三十七名で、うち二十九名が合格し、全合格者に占める和歌山大学の割合は約四〇%であったとの答弁がありました。関連して委員からは、教員の新規採用に際し、指導力に特技等をも加味して採用するよう意見がありました。
 次に、県民文化会館一階の旧美術館・県民ギャラリーで展示されている県民の権威ある県展を新近代美術館で実施できないかとただしたのに対し、新近代美術館のあり方について近代美術館協議会の中で協議いただき、新美術館はミュージアム施設として、県民創作発表の場は旧美術館で実施するとの方針に伴い、平成六年度の県展については美術館予算から文化財課予算に切りかえて実行委員会で運営をしたところであり、県民の参加のあり方について今後検討していきたいとの答弁がありました。委員からは、県民に開かれた美術館として県民が参加できるような美術館であってほしいとの要望がありました。
 次に、高校受験について海南・海草地方で状況を調べてみると、生徒の九〇%は普通科志望であり、職業学科への志望が少なくなってきている、職業学科はもっと評価されてもよいと思うが、このことについてどう判断するか、また職業高校のよさを中学校の教員は生徒に指導しているのかとただしたのに対し、平成六年度の高校への進学状況は、普通科六九%、職業科二九%で、おおむね七対三となっている、普通科志向が続いているが、産業教育フェア等において職業教育の魅力を中学生に広く紹介し、職業高校のよさを理解させる取り組みを進めるとともに、中学校においてきめ細かい進路指導が大切であるので指導していきたいとの答弁がありました。
 次に、学校週五日制の月二回実施についてどのように取り組んでいくのかとその決意についてただしたのに対し、学校週五日制の月二回実施の実験校十四校園の取り組みについて、十一月末から十二月にかけて県内三ブロックで報告会を開催する予定である、ここで出される成果と課題等について十分検討するとともに、アンケート調査の結果では障害のある児童生徒の保護者の賛成は必ずしも高くなっていない、月二回以上の実施については、障害のある児童生徒、留守家庭の児童生徒等への配慮が大事であると考えるので慎重に対処したいとの答弁がありました。
 次に、今の高校生は目的意識を持って行動していないと思う、教員は子供のよさを見つけ特徴を伸ばしてやるのも仕事だ、教育者と子供の連携を深めながら個性を伸ばすとともに精神面の交流をどのように持つかが重要である、教員がサラリーマン化し子供との間に垣根ができていないか、また家庭の教育力が低下している中で保護者への啓発も必要ではないかとただしたのに対し、子供たちとの常日ごろの人間関係を大事にしなければならない、子供と一緒に遊び、家庭へも入っていくことで子供のよさが見えてくる、九六%の子供が進学するという現実の中で、子供を一面的にとらえるのではなく多面的に子供をとらえ、意思の疎通を欠いた指導とならないよう努めなければならない、懸命に頑張っている教員の指導するクラブが成果を上げている事実がある、一生懸命やっている教員を大切にしたいとの答弁がありました。
 委員からは、地域に根差した特色ある活力に満ちた学校づくりをしてもらいたい、また、教育者の考え方や指導理念が子供に影響することの大切さを理解するとともに、指導について原点に目を向けてもらいたいとの要望がありました。
 次に校歌について、中学生や高校生になると卒業式や入学式での校歌を歌う声がダウンする、指導してはどうかとただしたのに対し、校歌については、自分の学校に誇りを持てる指導を行うとともに、連帯感を深める上でも重要であり、各学校を指導していきたいとの答弁がありました。
 このほか、三ない運動の見直し時期について、校則の内容について、平成七年度県立高等学校募集定員発表時期について、生徒の早朝のクラブ活動のためのシャワー室の設置や職員室への空調設備の整備について、熊野古道整備をさらに進めることについて、質疑、意見、要望等がありました。
 以上が、当委員会における審査の概要であります。
 当委員会に付託されました議案第八十九号、第九十四号及び第百三号は、全会一致をもって可決すべきものと決しました。
 また、請願十一件につきましては、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、議請第三十四号から議請第四十三号まで及び議請第四十六号は、さらに継続審査すべきものと決しました。
 以上をもって、文教委員会の報告といたします。何とぞ、適切なご決定をお願いいたします。
○議長(平越孝哉君) 建設委員会委員長向井嘉久藏君。
  〔向井嘉久藏君、登壇〕(拍手)
○建設委員会委員長(向井嘉久藏君) 建設委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表のとおり、議案九件、請願一件であります。
 当委員会は、十月十一日、第五委員会室において、企業局、土木部の順に当局から付託案件についての説明を聴取した後、審議を行いました。
 当委員会における各委員の質疑、意見及び要望の主なものは、次のとおりであります。
 企業局関係では、大新公園地下駐車場整備に当たっては、和歌山市営けやき大通り地下駐車場及び城北公園地下駐車場の利用状況が悪いとの報道もあり、採算面の観点から完成後の具体的な管理運営面をただしたのに対し、供用開始当初から業務成績を上げるため、完成までに駐車場案内システム、案内標識等を整備し、利用しやすい駐車場にしたい、なお定期券の導入、営業時間等についても考えていきたい、また、完成後の管理運営については直営方式、委託方式等が考えられるが、営業開始までに最も有効な方式を検討していきたいとの答弁がありました。
 次に、御坊第二工業用地造成事業の完成予定日、造成地の処分、総事業費についてただしたのに対し、本体の造成工事については平成七年三月末完成予定であり、その造成地については商工労働部を中心に企業誘致活動に積極的に取り組んでおり、現在、数社から進出について問い合わせがある、また平成六年度事業計画では総事業費は約六十億円であるが、最終的には若干変動するとの答弁がありました。
 次に土木部関係で、まず道路関係について、都市計画道路紀の川駅西庄線として整備を進めている河合橋かけかえ工事の進捗状況について、当初計画、工期、予算、また現在の工事遅延の原因、完成予定についてただしたのに対し、当初計画は延長七百五メートル、うち橋梁部九十メートル、幅員十八メートルの改良工事であり、平成五年度完成予定で全体事業費は二十六億円であった、しかし平成四年度からの橋梁部着手に伴い仮設橋が必要になり、その橋台部のスクラップ置き場、作業倉庫等の不法占拠物件の撤去に約一年間を要し、一方、付近住民からの工事の振動による苦情によりこれらの対応に時間を要し工期が遅延したものであり、今後施工業者に対する督促も含め対応し、平成八年度供用開始予定との答弁がありました。なお、当工事のため西脇山口線への交通量が増加しているので、早期に完成させるようにとの強い要望がありました。
 次に、船尾黒江線黒江地区の線形不良箇所の進捗状況についてただしたのに対し、幅員十一メートルで都市計画決定されているが、用地交渉が難航している、しかし暫定施工なら用地買収に応じてもよいということで、今年度中に家屋調査に入る予定であるとの答弁がありました。
 また、和歌山海南線の漏水の激しい城山トンネルの改良についてただしたのに対し、工法については調査するが、民家が密集しているため海南市の協力が必要であり、今後、事業方法も含め海南市とも協議をしていきたいとの答弁がありました。
 次に、紀南地方国道四十二号線迂回路についてただしたのに対し、昨年、広角道路が供用開始し、引き続き昨年から四十二号線の迂回路となる那智勝浦道路に着手しており、本格的な用地買収は平成七年度からの予定である、また三百十一号線の整備促進も大きな意味で四十二号線の迂回路の一環と考えているとの答弁がありました。
 また、新宮港と関連して紀伊半島縦貫道路の計画予定をただしたのに対し、高速道路としての位置づけは現在のところされていないが、地域高規格道路の指定を受けるべく奈良県とともに要望しているとの答弁がありました。
 次に、国道バイパス完成時の旧道処理についてただしたのに対し、沿道の集落が大きく、道路網間隔等から考えて規模の大きいものは県道とし小規模なものについては市町村道として認定することにしているとの答弁がありました。
 また、建設省における歴史街道整備事業についてただしたのに対し、企画部において紀の国歴史文化街道調査が進められており、また建設省においても平成七年度新規事業として歴史街道整備事業を行うべく、現在大蔵省と折衝が行われているとの答弁がありました。
 次に港湾関係では、フェニックス計画の積み出し基地へのアクセス計画について県の考えをただしたのに対し、大阪湾フェニックスでの廃棄物処理については、現在の西防埋立地での処分が平成八年で終了するため保健環境部が中心になって検討しているところであるが、フェニックスでの廃棄物処理は海上輸送が前提となっているため積み出し基地が必要となる、これを西防埋立地の一部を利用する方向で検討中と聞いている、一方、この積み出し基地への搬入ルートについては、今しばらくは現状の搬入ルート、すなわち国道二十六号線から土入川仮橋を通り住金の用地内を経由し搬入するルートを想定し、その後は臨港道路として計画している紀の川右岸線を利用したいと聞いている、臨港道路の紀の川右岸線は重要課題として取り組んでいるものであるが、こうした要請にもこたえるため早期に整備する必要があると考えている、その進捗状況は、両端部での取りつけ方法等について最後の詰めが残っているが、全体的なルートや構想等についてはほぼ案を固めているところであり、今後、公共事業採択のめどを得た上、早急に地元説明会等を行いたいとの答弁がありました。なお、このことについて、適切な時期にできるだけ早く地元説明会を行うようにとの要望がありました。
 また、和歌山下津港海南港区の冷水浦の埋立整備構想の現在の進捗状況をただしたのに対し、和歌山下津港海南港区の冷水浦において埋立整備構想があることは承知しているが、具体的に海南市等からの要望等は受けていない、なお、和歌山下津港の港湾計画は平成七年ごろをめどに見直し中であり、地元要望を踏まえて港湾計画に位置づけ、取り組むことを検討したいとの答弁がありました。
 次に日高港港湾整備に関連して、埋め立て同意を否決した漁業協同組合への今後の対応をただしたのに対し、県としてはこれまでも地元の要望を踏まえてさまざまな対策を検討してきたところであるが、今後さらによく意見を聞いて理解を得るように努めていきたいとの答弁がありました。
 次に住宅関係では、きのくに住宅マスタープラン策定事業の内容及び住宅建設五箇年計画との整合性、またこのような総合的な住宅施策についてまとめたものは過去にあったのかとただしたのに対し、きのくに住宅マスタープランは本県における体系的、総合的な住宅施策の推進を図るため地域の特性や実情に応じた住宅施策の目標、施策の基本的な方向をまとめるものであり、今年度と来年度の二カ年で仕上げたいと考えており、市町村の人口や住宅、住環境に係る指標等から地域ごとの住宅施策の方向性を示すとともに、市町村も主体性をもって取り組んでいけるような指針となるものができればと思っており、土木部内はもちろん企画部、民生部等とも協議しながら、また学識経験者、関係団体等の意見もいただきながら取り組みたい、また第六期五箇年計画が平成七年度で終了し、八年度からは第七期五箇年計画を立てていきたいと考えており、昨年度には住宅需要実態調査、住宅統計調査が実施されており、その結果もまとまるので、これらを含めたものを基礎資料としてマスタープランをまとめていくものであり、過去に同種のものはないとの答弁がありました。
 なお、これについて、最低居住水準や持ち家比率など各種の住宅指標から考えて現在の県の住宅状況は満足できるものではない、衣食に比べ充足度が低いと考えられる住宅及び住環境の整備は今後最重要と考えられるこの時期に住宅マスタープランを策定することは意義のあることだと思うので、県の状況を十分に踏まえるとともに、広く意見を求め、実のあるマスタープランになるようにとの強い要望がありました。
 次に土木部全体の問題として、さきの北海道奥尻島、釧路沖地震、また長雨、台風による各地の被害等を見るとき、本県は特に地形的にも災害が予想されるため、地震等に関連した公共施設の予防保全、また危険箇所の把握等、耐震防災施策についてただしたのに対し、道路関係では、地震箇所調査は平成三年五月の建設省通達に基づき、橋梁五百七十カ所、トンネル二十九カ所、横断歩道橋十九カ所、高盛土箇所二十三カ所の点検調査を行っており、平成四年度からは震災対策事業として橋梁十六カ所と六カ所のトンネル補強対策工事を行っている、今後も危険度の高い箇所から対策を行っていくとともに、そのほかの箇所についても引き続き点検調査を継続して行うとの答弁がありました。
 河川関係では、水門、矢板護岸、橋梁等、重要構造物は耐震構造で実施している、堤防についてはその構造上、土砂等で急ぎ復旧可能となっており、その時点で対応できるものと考えている、また津波に対しても、高潮、波浪に対処するための防潮堤、水門等で相当の効果があると考えている、現在、湯浅広港において津波対策を検討中であり、その結果を受け関係する河川の調査を進めてまいりたい、なお津波対策については、四省庁の海岸事業を所掌する課によって構成される和歌山県海岸保全行政事務連絡協議会の中で話し合っていきたいとの答弁がありました。
 港湾関係では、主に耐震バースの整備、津波対策の二つの側面で取り組んでいる、港湾施設については通常の耐震設計を行っているが、耐震バースの整備は耐震性を一段と高めた岸壁を整備し、大地震時等の輸送や避難の拠点として利用しようというものであり、和歌山下津港、日高港及び新宮港の三港で各一バース計画している、このうち和歌山下津港の西浜地区マイナス十二メートル岸壁については既に直轄事業により整備中であり、今年度末に概成する予定である、津波対策については防波堤や防潮堤を整備するものであり、これまで文里港においてチリ地震津波後に防波堤を整備している、そのほかの港においては高潮対策として防潮堤や水門等を整備してきており、これらが津波に対しても相当の効果を発揮していると考えているが、さらに万全を期するため、現在、新たな対策の必要性等について調査しているところである、この調査は当面、湯浅広港を対象として行っているが、今後、順次、他の港へ広げていく予定であるとの答弁がありました。
 砂防関係では、土砂、地すべり、がけ崩れが考えられるが、県内の危険箇所は平成四年度の調査で土石流危険渓流千六百十一渓流、地すべり危険箇所四百八十六カ所、急傾斜地崩壊危険箇所二千二百四カ所、合計四千三百一カ所となっており、これらの危険箇所についてはそれぞれ砂防、地すべり、急傾斜地崩壊対策事業において鋭意対策を行っているが、その整備率はまだ低い状況にある、このため、対策工事のみならず、ソフト対策として平成六年度に危険箇所マップを土木事務所管内ごとに作成し、関係住民の方々に配布して警戒避難の啓蒙に努めている、また地震、雨量情報を迅速に把握し警戒避難体制の整備を図るため、平成六年度より総合土砂災害対策情報システムにも新たに着手しているとの答弁がありました。
 建築関係では、建築基準法に基づいて防災の指導を行ってきている、基本的な考え方は大地震に対する耐震安全性の確保と震後火災に対する安全性の確保であり、法に基づいて基準が定められている、したがって建築基準法施行後の建築物については十分安全性が保たれていると認識している、しかしながら建築基準法施行前に既に市街地を形成されていた部分については必ずしも防災性能が十分とは言えず、建てかえ等に際して順次基準に適合するよう指導してきている、またこのような市街地においては個々の建築では対応が困難な場合もあるので、面的な市街地整備手法の適用についても市町村等を指導してきているとの答弁がありました。
 このほか、「道路予算拡大に関する意見書」、「公共投資の渇水対策・治水事業、砂防事業及び急傾斜地崩壊対策事業への重点配分を求める意見書」、「港湾・空港関係予算の拡大に関する意見書」の提出について提案があり、これについては後ほど意見書案が提案される運びとなっておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 以上、慎重審査の結果、採決に入りましたが、当委員会に付託されました議案九件は、いずれも賛成全員をもって可決すべきものと決しました。
 また、請願につきましては、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、新規分議請第五十一号は継続審査を要するものと決した次第であります。
 以上をもちまして、建設委員会の報告を終わります。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(平越孝哉君) 総務委員会委員長阪部菊雄君。
  〔阪部菊雄君、登壇〕(拍手)
○総務委員会委員長(阪部菊雄君) 総務委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表及び請願文書表に記載のとおり、議案九件、知事専決処分報告一件、請願新規審査分一件、請願継続審査分一件であります。
 当委員会は、十月十一日及び十月十三日の二日間、第一委員会室において開催し、当局から付託案件についての説明を聴取した後、審議を行いました。
 各委員の質疑、意見及び要望等の主なものは、次のとおりであります。
 まず医科大学関係では、移転整備に伴う患者サービスの向上のうち、待ち時間の短縮については具体的にどの程度の実現がされるのかとただしたのに対し、受付待ちについてはコンピューター化及び予約診療制の導入を図ることにしているが、予約診療制については全面的に導入するのではなく、予約なしの診察もできるよう今後運営方法について検討していきたい、また入院待ちについては、手術室の増室、中央検査部門の充実によって短縮が図られるとの答弁がありました。
 続いて、形成外科についての現在の対応についてただしたのに対し、皮膚及びその他については皮膚科で、顔面については口腔外科で対応し、手足等については整形外科でも対応できるとの答弁がありました。また、同規模の他府県の医大で形成外科の診療科を設置している大学はあるのかとただしたのに対し、設置しているところがあるが、都市部の大学では患者が集まるが地方では難しい面があるため、本学では各科に専門的な人材を養成するよう指導しているとの答弁がありました。これに関して、形成外科はこれから必要となるため、将来に向けて検討するよう要望がありました。
 このほか、看護婦養成のための修学資金及び地域の診療所への医師派遣について説明を求めました。
 知事公室関係では、世界リゾート博後のわかやま館の活用についてただしたのに対し、再オープンは来年一月からと考えている、和歌山県のすばらしい自然、文化、歴史を紹介する施設として維持管理し、当面は博覧会期間中の施設をそのまま利用するが、より幅広く利用していただけるような施設とするため今後検討していきたいとの答弁がありました。
 また、運営に当たっての職員数や見学者の見通し、入館料金等についてただしたのに対し、職員については館長以下数名の職員とコンパニオンの採用を考えている、見学者の見通しについては、ポルトヨーロッパが十一月三日に再オープンして年間百五十万人から二百万人の観客を見込んでいることから、できるだけ多くの人がわかやま館に足を運んでいただける施設として整備するとともに、入館料金についても有料になる見込みとの答弁がありました。
 これに関連して、他府県の類似施設はひっそりしているが、わかやま館がそうならないよう、またポルトヨーロッパの附属館のようにならないよう十分検討するよう要望がありました。これに対して、世界リゾート博の記念館的な活用も考えているが、今後、内容を検討する等の中でご意見等をいただきたいとの答弁がありました。
 このほか、南方熊楠記念館の予算の内容について説明を求めました。 企画部関係では、鉄道整備について、紀勢本線の説明だけでなく和歌山線についても説明すべきであるとただしたのに対し、九月四日のダイヤ改正以降、粉河─和歌山間で試験的に快速電車が運行されており、本会議の答弁のとおり、今後、地域振興課の紀の川臨空都市圏整備構想策定調査における紀の川地域の交通体系のあり方等の中で検討していくとの答弁がありました。
 続いて、紀勢本線の整備については、県の言う「地元の熱意や市町村の盛り上がり」とは具体的にどういうものかとただしたのに対し、他府県の事例を見ると、期成同盟会や市民会議といったような団体の設置が必要と思われるとの答弁がありました。
 さらに、本県においてそのような鉄道整備を推進する団体の設立の動きはあるのか、また紀勢本線高速化構想基礎調査の結果、紀勢本線のスピードーアップに必要な整備箇所が具体的に明らかになってきたのかとただしたのに対し、本年九月一日の鉄道フォーラムでは地元の市町村から後援をいただき、具体的に団体設立という取り組みを進めるべきという意見をいただいており、市町村でその動きがあると伺っている、そして基礎調査の結果、駅周辺の曲線改良やポイントを改良することによりスピードアップを図っていくとの答弁がありました。これに関連して、鉄道整備を推進する団体の設立に対しては県も積極的に取り組むよう要望がありました。
 続いて、コスモパーク加太計画の構想発表の時期はいつか、また推進機構は解散したのかとただしたのに対し、早期に発表すべく努力したい、またコスモパーク加太計画は民間主導から行政主導に切りかえたが上物整備等については推進機構のご支援をお願いしてまいりたいとの考えで存続させるとの答弁がありました。
 また、国土庁が入った調査とは国サイドの機構をつくるのか、本会議でも運動公園との意見があるが、国立運動公園等、国サイドの施設はつくらないのか、また本調査の実施に当たっては議会の提案も踏まえて推進機構のメンバーと連携していくのか、あるいは行政だけで検討していくのかとただしたのに対し、県が調査するのを国が支援してくれるのであって、国の機構をつくるのではない、施設については幅広く中核施設を絞り込むための整理を行いたい、そして一方には時間をかけて取り組めとの意見もあるが、借入金額等も踏まえ早期に計画を詰めていく必要があると考えているとの答弁がありました。これに関して、コンサルタントの調査に依存することなく、今までの行政の知恵も生かされるよう要望がありました。
 また、西防波堤沖埋立地利用計画検討委員会について、地域連携軸について、マリーナシティのリゾート整備の今後についても説明を求めました。
 総務部関係では、県印刷所の現状と存続の必要性についてただしたのに対し、建物は老朽化しているが機械設備は更新しており、収入も平成三年度からは増加しているが、人件費等の問題があるため、毎年度一般会計から繰り入れている等、非常に厳しい状況であり、平成五年度は約四千三百万円の繰り入れとなっている、今後は関係各課と将来のあり方について十分検討していきたいとの答弁がありました。これに対して、官営工場等の民営化が進んでいる中、県印刷所についても適切な判断が行えるよう検討課題とするよう要望がありました。
 続いて救急救命士の養成についてただしたのに対し、当初計画では平成六年度末までに十二名の養成を予定していたが、増員要望や政令市にお願いした結果、全員合格すれば十七名が養成される見通しであること、また救急二課程教育についても、救急一課程修了者八百三十名のうち六百九十三名の希望者があり、平成五年度までに百八十五名が修了しており、残りは平成九年度末までに年間約百二十名が修了することになっているとの答弁がありました。
 これに関連して、救急救命士の活動には医師の協力が必要であるが、所管する部局が総務部と保健環境部に分かれているため、両部局の協力をお願いするとともに、地方行政の力だけでは困難なため、国の支援について総務部長からお願いしてほしいとの要望もありました。
 次いで、議案第百六号のうち、なぎ看護学校の入学金が県内と県外とに区分している根拠についてただしたのに対し、県内生は一万円、県外生は二万円で、これは県立高等看護学院と同一扱いにしたが、これはある程度限られた利用者であり、施設の整備や運営に係る県費負担に県民の税金が充当されていることから区分しているとの答弁がありました。これに対して、県立医大の入学金に比べて安くしているのは看護婦確保という考えから設定したものと思われるが、県外生も県内生も同額として卒業後に県内の病院にとどまる施策をとることが大切ではないかとの意見が出されました。
 また、使用料及び手数料条例の一部を改正する条例が知事専決処分されているが、条例改正の内容、専決した理由、なぜ議会を招集する暇がなかったのかをただしたのに対し、国においては平成六年六月二十三日に健康保険法が改正され、これを受けた平成六年八月五日、厚生省告示に基づく入院時の食事療養費に自己負担をお願いするものである、今回の改正は国において十分審議され可決されたものであり、全国一斉に実施に移す制度であり、施行が平成六年十月一日であることから、入院患者への周知徹底を図る上からも、部内で検討した結果、議会を招集する暇がないと判断したもので、他府県の状況も参考にしながら本県として知事専決はやむを得なかったものとの答弁がありました。
 さらに、国の改正により県費助成を行う県があるが、本県の考えはどうかとただしたのに対し、国の改正が入院と在宅等との費用負担の公平化を図るものであることから、本県としては厚生省告示に基づく条例改正を行うものであるとの答弁がありました。
 続いて、平成七年度予算編成の基本方針についてただしたのに対し、財政状況は県税収入が平成三年度から三年間連続して前年度を下回るという厳しい状況であり、平成七年度についても景気の動向や地方交付税の状況にもよるが全体として歳入面は相当厳しいことが予想される、一方、歳出面では関空開港後、世界リゾート博開催後の節目の年でもあり、県勢活性化のための施策に重点的、優先的に配分していきたいとの答弁がありました。これに関連して、県財政も厳しいが県民生活も苦しいので、県民生活を守るという考えで予算編成に当たるよう要望がありました。
 このほか、中学卒業者の減少による私立学校の経営難と国庫補助金の大幅削減の是正を国に対して強く訴えるため、「私学助成制度の充実強化に関する意見書」の提出について議員提案があり、これについて後ほど意見書案が提案される運びになっておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 以上のような審議の結果、採決に入りましたが、当委員会に付託されました議案のうち、議案第八十九号及び議案第百六号については賛成多数をもって原案どおり可決すべきものと決し、その他の議案については賛成全員をもって原案どおり可決すべきものと決し、知事専決処分報告報第七号については賛成多数をもって承認すべきものと決しました。
 また、請願につきましては、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、請願新規審査分議請第五十二号については採択すべきものと決しました。また、議請第四十五号はなお継続審査を要するものと決した次第であります。
 以上をもちまして、総務委員会の報告を終わります。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(平越孝哉君) 厚生委員会委員長新田和弘君。
  〔新田和弘君、登壇〕(拍手)
○厚生委員会委員長(新田和弘君) 厚生委員会における審査の経過及び結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表及び請願文書表に記載のとおり、議案三件、請願四件であります。
 委員会は、十月十一日、第二委員会室で開催し、保健環境部、民生部の順に当局から付託案件についての説明を聴取した後、審議を行いました。
 委員会における各委員の質疑、意見及び要望の主なものは、次のとおりであります。
 保健環境部関係では、まず県立なぎ看護学校設置及び管理条例における入学金の県内外の格差について、昨年の県内視察時に県として広い視野に立ち格差をなくすよう提言してきた、提言については真摯に対応してもらいたいとただしたのに対し、県立なぎ看護学校の入学金については県内外生一万円の格差がある、平成八年度看護短大設置に伴い看護学校の入学金等について検討していきたい、また県内外の視察における委員からの指摘については今後十分検討してまいりたいとの答弁があり、委員の意見が反映される視察としていただきたいとの要望がありました。
 次に、県立なぎ看護学校については、周囲は環境はよいが通学するのに不便である、バス会社に対して交通の便について積極的な働きかけを行うよう、また寮の設置について検討を行うようにとただしたのに対し、バス会社に対する働きかけはしていきたいと考えている、寮については設置する考えはないが、下宿等についてはアパート等を調査して、依頼があれば対処してまいりたいとの答弁がありました。
 次に、健康保険法の一部改正による入院給食費の負担については重要な問題と認識しているが、入院時食事療養費に係る条例の改正を知事専決処分とし臨時議会を開かなかった理由についてただしたのに対し、総務委員会に付託された案件であるが、十月一日に法施行ということであり、急を要したため専決処分とさせていただいたものと聞いている、なお、ご指摘のようにリゾート博の開催中であったが、近畿府県においても知事専決処分とした事例があったと承知している、保健環境部においては五稜病院等の関係から事前に各厚生委員に説明を行ったとの答弁があり、関連して、入院給食費の負担は付添婦制度を廃止し在宅介護を多くするということであるが、看護婦は現在の需給計画で済むのかとただしたのに対し、看護婦の確保は県立なぎ看護学校、県立医科大学看護短期大学部の設置により充足を図っているところである、今後は状況を見ながら県立高等看護学院将来構想検討委員会等でも定員について検討してまいりたいとの答弁がありました。
 続いて、病院経営と付添婦の廃止に関して、地域医療を安定的に供給する体制はこれでよいのか、また施設整備に対する支援施策はどうかとただしたのに対し、病院経営は悪化している状況にあり、現在施策等種々検討中である、また今回の改正は十月一日に開始したばかりであり、改正の影響等、注意深く見守りながらその円滑な実施に取り組んでまいりたいとの答弁がありました。関連して、県民の健康、福祉は極めて重要であるという視点に立ち、事後対策のみでなく真剣に対応する姿勢についての要望がありました。
 次に、五稜病院整備委員会における検討状況についてただしたのに対し、本年度当初予算により経営分析を行い、十月末にはその結果がまとまる予定である、今後は機能付加や規模の問題等、ソフト面について検討を進めてまいりたいとの答弁がありました。
 次に、産業廃棄物については西防の後はフェニックス計画で対応と聞いている、焼却しなければ埋め立てられないものは焼却し、その灰を持っていくとのことであるが、焼却しなければならないものについてどのように把握しているのか、また海を埋め立てるばかりではいけないので内陸に処分する場所があれば適切に対応されたいとただしたのに対し、焼却等の中間処理については平成十年度を目途に施設整備をすべく事前調査中である、焼却しなければならないものは現在のところ海洋投入が年間五万トン、県外への持ち出しが二十三万トンと推計している、県内で発生したものは県内で処理できるよう努力しており、建築廃材については土木部でもリサイクルの努力が進められており、建設業協会にも協力を依頼している、内陸の処分場については環境保全公社が調査し四カ所の候補地を選定したが、地元市町村の協力が得られていない状況であるとの答弁があり、関連して、産業廃棄物についてはできるだけ処理しやすいよう格別の指導を行うようにとの要望がありました。
 次に、カイロプラクティックに対する県の取り組みについて、法的整備により規制ないしは指導を図るべきであるとただしたのに対し、あんま、マッサージに類似しているが規定する法令はなく自由に行われており、人体に危害のない限り法的な規制を受けていない、県は厚生省からの通達に従って指導を行っており、「県民の友」十一月号により啓発を行う予定である、法制化については関係団体からの要望等もあり厚生省に要望した経緯がある、また指導については、NTTの電話帳に記載する等、確認できるものについて保健所を通じ文書、訪問等により指導を行っており、指導件数は現在六十六件であるとの答弁がありました。
 民生部関係では、まず入院給食費の患者負担について、病院が入院時の患者負担六百円を徴収して病院が何をしなければならないのか、適時適温をするための施設の改善、食堂を設置するための援助等、施設等への支援策はどのようなものかとただしたのに対し、入院時の食事の改善については診療報酬上でいろいろな手当てがある、その他にも公的な補助があり、食堂だけについても国において公的補助等について検討していると聞いているとの答弁がありました。
 これに関連して、新しくつくる場合や改造する部分にはそれなりの補助があるが、改造費の中で賄えるのか、支援策についてもっと国へ意見を上げてほしいとただしたのに対し、入院の部屋について今年の四月から入院環境料という形で診療報酬上措置がされてきたところであるが、支援策についてはその都度働きかけていきたいとの答弁がありました。
 さらに、健康保険法の一部改正によって患者負担は今後どうなっていくのか、全部とは言わないが、県ができる部分があるのではないか、県政として思いやりのある部分を示してほしい、また議会に十分な説明もなく専決処分にしている実態をきっちり把握し、整理して再検討してほしいとただしたのに対し、今回の改正については入院時の食事だけではなく、重要問題となっている付き添い看護の解消などもあり、改正事項の円滑な実施を含め、今後とも努力してまいりたいとの答弁がありました。
 次に、付き添い看護の問題について、行政は数字的に見ていくだけで後追いの事後処理しかしない、今回の改正では付き添い看護が解消されるが、基準看護以外の病院は本当に雇える条件になるのか、また付添婦の一日八時間労働体制による三人交代制は可能かどうか、また、年齢的に見てほとんどが五十歳以上であるが、病院はこういう人たちを雇うかどうかとただしたのに対し、付き添い看護の問題については今回の制度改正の中で重要な事項であるが、マンパワーの確保等、大変難しい問題を抱えている、その他、看護を行っている病院についても説明会を開いている、診療報酬体系の中で新看護体系として付き添いの方も診療報酬上評価されることとなっているが、いろいろな問題を含めて協議検討を行い、積極的に取り組んでいきたいとの答弁がありました。
 次に、新生寮で焼け出された人の現況はどうかとただしたのに対し、現在、親類の家に住んでいるのが一世帯、県営住宅が三世帯、民間住宅で三世帯などであるとの答弁がありました。
 続いて、精神薄弱者福祉施策の充実及び保護者負担についてただしたのに対し、障害者福祉施設については地域的に集中している状況にあるが、県全体の障害者福祉計画をいかに進めていくかという中で充実を図ってまいりたい、また保護者負担については過重なものとならないように努めてまいりたいとの答弁がありました。
 以上が、厚生委員会における審査の概要であります。
 採決の結果、付託されました議案三件は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決しました。
 また、請願につきましては、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、新規分議請第五十号は採択と決し、新規分議請第五十四号並びに継続審査分議請第四十四号は不採択と決し、継続審査分議請第四十八号はなお継続審査を要するものと決した次第であります。
 以上をもちまして、厚生委員会の報告を終わります。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(平越孝哉君) 農林水産委員会委員長和田正一君。
  〔和田正一君、登壇〕(拍手)
○農林水産委員会委員長(和田正一君) 農林水産委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案四件、請願四件であります。
 当委員会は、十月十一日、第四委員会室で開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、審議に入りました。
 各委員の質疑、意見及び要望等の主なものは、次のとおりであります。
 まず農業関係では、本年の記録的な晴天続きによる干ばつ被害に対し質疑が集中しました。
 まず、干ばつ被害農家に対する天災融資法が発動される可能性はどうかとただしたのに対し、現在、需要額等を調査しており、発動される見通しは明るいとの答弁がありました。なおこれに関連して、天災融資法の発動される時期はいつごろかとただしたのに対し、本年十月末か十一月中には発動される見通しであるとの答弁がありました。
 続いて、天災融資法の内容についてどうかとただしたのに対し、発動される条件は、農作物等の平年収穫量の三○%以上の減収、かつ損失額が平年の総収入額の一○%以上であること、また融資対象は種苗、肥料、農機具(十二万以下)等であり、貸付金利は特別被害地域の指定を受ければ三%以内、償還は六年以内で各年元本均等償還、限度額は個人で二百万円(ただし果樹は五百万円)、法人は二千五百万円となっているとの答弁がありました。
 次に、本年産のミカンの作柄に関し全国の生産状況はどうか、また昨年の販売量はどれくらいであったのかとただしたのに対し、八月一日現在の全国生産予想量は百五十一万二千トンであったが、西日本では本年の干ばつによる影響で小玉果が多く、生産量が減少するものと考えられる、ちなみに昨年の販売量は約百三十万トンであったとの答弁がありました。さらに、小玉果の割合はどうか、また価格はどうかとただしたのに対し、本年産ミカンの階級構成は、干ばつの影響でMS果では八○%、SS果では一○%程度と小玉傾向であるが、食味が良好なため現在キロ当たり価格は前年より二割高の三百円で販売されている、なお極小果等については果実の肥大を促進するため摘果の徹底に努めてきたところであるとの答弁がありました。
 続いて、小玉果の販売見通しについてただしたのに対し、関係団体と一体となり、各地域での販売会議や東京、大阪などの市場関係者を含めた販売対策会議を開催し、SSの小玉果の生果販売について強く要請しているところであるとの答弁がありました。
 また、加工原料用果実価格安定対策事業についてただしたのに対し、本事業についてはジュース用等加工原料用果実に対する価格補てん制度であり、国、県、生産者で造成している基金制度である、本事業はあくまでも生果の価格安定のための制度であって、極小果や傷果処理のためではない、なお昨年度は一万九千トンを限度にキログラム当たり十一円の補てんが行われたとの答弁がありました。
 さらに、干ばつにより小玉果が多いが、今年のジュース用加工ミカンの枠はどうかとただしたのに対し、オレンジ・果汁自由化の影響によりブラジルから安価な果汁が輸入されており、一昨年から在庫量が多くなっている、今年のジュース用加工ミカン枠は、果汁の在庫量や本年の生産予想量も考慮し、県果実生産出荷安定基金協会と農業団体等との協議の結果、一万二千トンに決定されたとの答弁がありました。
 また梅の生育不良対策について、他分野の知識を取り入れた原因究明と他品目への転換等の対策を検討されるようただしたのに対し、最近、梅の生育不良樹の根からシュードモナス菌が分離され、現在、京都大学と県果樹園芸試験場で病原性について試験中であり、今後、原因究明に当たっては林業関係者など他分野の技術者の参画を得て取り組んでまいりたい、また生育不良樹については改植を進めるとともに、園地改良や新団地形成についてもあわせて考えていく、なお、こうした園では適地性や経済性を配慮しながら他品目への転換等についても検討してまいりたいとの答弁がありました。
 次に、農村女性の地位向上や能力発揮のための取り組みについてただしたのに対し、農業生産や農家生活の上で重要な役割を担っている農村女性が、農業、農村の担い手として持てる能力を十分発揮できるように環境づくりや意識改革の啓発に取り組んでまいりたいとの答弁がありました。さらに、具体的な取り組み状況はどうかとただしたのに対し、農村女性が持てる能力を十分発揮し活躍できるよう生活改善友の会や婦人農業士の活動促進を図るとともに、農山漁村女性会議や農山漁村婦人の日推進会議、夫婦セミナー等を開催し、休日の設定や給料制の導入、そして女性の視点を生かした経営参画などを推進している、また二十一世紀農山漁村女性ビジョンの策定作業も進めているところであるとの答弁がありました。
 次に林業山村関係では、まず有害鳥獣、特に猿の農作物への被害対策についてただしたのに対し、猿の有害鳥獣駆除としての許可期間については、出没に応じ臨機応変に対処するために最も長い六カ月としているとの答弁がありました。さらに、猿の被害に対しより効果のある対策を研究されるとともに、鳥獣の保護を明確にするため表示板の増設を検討されたい旨の要望がありました。
 また、松くい虫被害の現状と対策についてただしたのに対し、県下の松林面積は森林計画対象として約一万三千ヘクタールあり、このうち千五百ヘクタールについては県計画、地区計画の対象とし、守るべき松林として対処している、なお那智勝浦町里地区の松林は森林計画対象外の松林であるが、松資源保護、観光対策の立場から保全対策を検討していきたいとの答弁がありました。
 続いて、山村振興法の六年度末の法期限切れに関連して、国は地域の厳しい実態を認識されているのか、また山村振興法の内容をどのように充実するよう検討されているのかについてただしたのに対し、現在、国土審議会の山村振興対策特別委員会で検討され、若者の定住促進を初め、各種施策の充実と相当期間の法延長が必要であるとする意見書を国土庁長官に提出されているところであり、本県としても若年層を中心とした経営体の組織化、高性能機械による農林業の振興、若者を定住させるための住宅対策等について国に要望しているとの答弁があり、山村過疎地域における若者定住に向け、国に対し地域の実態が十分理解されるよう努力されたい旨の要望がありました。
 また、紀州「山の日」を国民の祝日にすることについて関係省庁にアピールされたいとの要望に対し、「山の日」の所管は国土庁であるので趣旨に沿うよう働きかけてまいりたい旨の答弁がありました。
 このほか、一次産業の振興を図る観点から、農林水産部を超えた総合的な景気対策、景気浮揚について研究を進めるべきである旨の要望や、今後地方から都市への人口流出がとまり逆流の方向が予想される中で魅力ある農山村づくりのため、生活環境の積極的な整備の推進や紀南地域を中心とした山村過疎対策のなお一層の充実を図られたい、また漁業秩序を守る観点から遊漁船対策に積極的に取り組まれたい、さらに米問題に関連して、食糧の安定供給という立場から国の動向も見ながら慎重に対処されたいとの要望がありました。
 以上のような審議の結果、当委員会に付託されました議案四件は、賛成全員をもって原案どおり可決すべきものと決しました。
 また、請願につきましては、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、議請第五十三号は採択と決し、議請第五十五号、議請第五十六号、議請第五十七号は不採択とすべきものと決した次第であります。
 なお、当委員会で提案のあった「農作物干ばつ対策についての意見書」及び請願採択に伴う「平成七年度漁港漁村整備予算の確保に関する意見書」について、後ほど意見書(案)が提出される運びとなっておりますので、よろしくお願いします。
 以上をもちまして、農林水産委員会の報告を終わります。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(平越孝哉君) 経済警察委員会委員長浜田真輔君。
  〔浜田真輔君、登壇〕(拍手)
○経済警察委員会委員長(浜田真輔君) 経済警察委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案七件であります。
 当委員会は、十月十一日、第三委員会室で開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、審議に入りました。
 各委員の質疑、意見並びに要望等の主なものは、次のとおりであります。
 まず商工労働部、地方労働委員会関係では、設備近代化資金に関して貸付手続が煩雑であるのでもっと簡素化できないかとの声を聞くが、この制度を柔軟に活用できる方法を検討してはどうかとただしたのに対し、資金の一部は国からの貸付金であるため国の基準によって執行されていることもあり、この手続の簡素化について今後とも国に対して働きかけたいとの答弁がありました。関連して委員からは、市中銀行の貸出状況について質疑がありました。
 次に、関西国際空港の開港に伴う本県への波及効果及び経済影響等についてただしたのに対し、民間の調査機関によると、当空港の経済効果は全体で三千億円程度の直接消費の増加があり、うち五%程度が本県へ吸収されたと言われている、また直接的には空港内の三彩コーナーへ三十数社の県産品の出店のほか、個別には五社が出店しており、売り上げの状況は良好であると聞いている、なお農産物の輸入等の物流の動向については、開港後一カ月余りしか経過していないこともあり、関係部局と連携しながら調査を進めたいと考えているとの答弁がありました。
 次に、現在の円高の進行等による経済の空洞化についての所見、並びにこれに対する雇用対策についてただしたのに対し、ジェトロ和歌山経済国際化センターの調査によると、海外へ進出している県内企業はアジアを中心に二十八社となっている、また産業の空洞化は県内雇用の安定の面からも懸念しており、今後これに対する研究を深めるとともに、国における国内企業の技術開発支援、国内雇用安定について法改正等が進められているので、この進捗を見ながら対応したいとの答弁がありました。
 次に、下津町商工会への町からの補助金不交付問題についてただしたのに対し、異常な事態と認識しており、関係機関ともども積極的な取り組みを行いたいとの答弁がありました。
 次に、海南インテリジェントパークにおいて地域整備公団が公募を開始したが、現在までの企業の引き合い状況についてただしたのに対し、七月八日に大阪工業会を通じて行った情報産業等の企業への現地説明会、八月二十四日に実施した大阪ターミナルホテルでの企業立地説明会等によりインテリジェントパークのPRに努めてきた結果、立地への強い意向を示している企業は確定的な二社を含め現在九社と交渉中であるほか、アンケート等により十四社が関心を示している状況である、現在なお経済事情が厳しく企業にとっても進出が難しい折ではあるが、今後これらの企業と接触を重ね企業誘致に努力したいとの答弁がありました。関連して委員からは、分譲価格が安価にもかかわらずなかなか企業が進出してこないのは業種が情報化等に限定されているので難しいと思うが、今後も誘致活動に努力するよう意見が出されました。
 次に、本県における倒産の状況、並びに本年四月以降本県経済界が景気の動向についてどのような感触を持っているのかとただしたのに対し、本年一月から八月まで一千万円以上の負債で倒産した件数は六十三件で前年同期に比べ九件の減少となっており、販売不振が主な原因となっている、景気の動向については、家具、木工など住宅関連の特定業種については好調とのことであるが、それ以外の製造業、繊維、和雑貨、漆器などの地場産業は全体的に苦しい状況にある、これはひとえにアジアとどのようなかかわりを持っているかが大きな原因となっており、今後の施策を進める上で重要な課題であると認識している、これに対する対応として、本年度もさまざまな調査を行い、地場産業をどのように振興していくか等を検討し施策を講じたいとの答弁がありました。関連して委員からは、本県における輸出入額について質疑がありました。
 次に、世界リゾート博の開催期間中における和歌山市内の宿泊客の動向、並びに今後の宿泊客を中心とした受け入れ態勢を充実する必要があると考えるがどうかとただしたのに対し、本年七月及び八月の宿泊客の動向は対前年比四九・三%増加した、また今後の受け入れ態勢としては、現在、製造業、情報産業等の誘致を進めているが、今後、ホテル関係の誘致にも視点を当てなければならないと考えており、和歌山市内にはある程度の規模を有したホテルの誘致に向けて努力したいと考えているとの答弁がありました。
 次に、先般行った県内調査で視察した田辺南部海岸県立自然公園内に設置されているトイレのような施設が年間どの程度設置されているのか、また重点的に同様の施設整備を進めることが重要であると考えるがどうかとただしたのに対し、自然公園内については自然公園等施設整備事業で、市町村が行うトイレ整備については観光施設整備補助事業で行っている、また平成四年度から主要観光地公衆トイレ緊急整備事業いわゆるオアシストイレを一基二千五百万円を年二カ所、五カ年で十カ所整備することとしており、国の直轄事業を含め、平成四年度から六年度の三カ年の間に県下二十カ所のグレードの高いトイレを整備する、さらにトイレの質の向上を図るため、市町村の事業でも二、三千万円の事業として整備を考えていきたいとの答弁がありました。関連して委員からは、オアシストイレについてもっと県民にPRするよう要望がありました。
 次に、県下の海水浴場の今夏の状況は全般的に盛況と聞くが、実態はどうかとただしたのに対し、県下二十カ所の主要な海水浴場は全体で四三%余りの増で、串本町の橋杭海水浴場は一三八%と倍以上の伸びとなったとの答弁がありました。
 次に、世界リゾート博の成功要因の一つでもある海の活用を念頭に置いた観光政策を図るべきではないか、また県内に点在する文化資源、歴史資源を活用する方策を考える必要があるのではないかとただしたのに対し、本県の観光は海という要素が大切であり、リゾート博もこの海を取り入れたこと、並びに体験型であったこと等が成功の要因であったと考えている、また最近、アウトドア志向も顕著になっており、新たに海水浴場を設置しようという動きもあるので、今後とも海を活用した観光振興にも努めたい、歴史、文化資源については、現在、県内各地に点として存在しているので、これを面的にどうネットワークしていくかが課題であるので今後とも研究していきたいとの答弁がありました。関連して委員からは、今後の観光施策を考える上で、職員の研さんという意味からも遊学という観点を取り入れるなどの検討をしてはどうかとの意見が出され、歴史、文化資源に関し、県下には華岡青洲や有吉佐和子というような文化、歴史資源がある、これらの再発見という視点が大切であり、今後も活用について検討するよう要望がありました。
 次に、県内地場産業での求人の落ち込みや女子の就職問題など求人について日々報道されているが、本県の来春新規卒業予定者の現状はどうかとただしたのに対し、本年三月一日に和歌山県景気雇用対策本部を設置し、雇用の維持確保に努力しているところであり、去る八月十三日にきのくに人材Uターンフェアを開催したところ、千百十一名の応募者が参加し、その場で一般Uターン者十一名が決定した、またその後、海南市で合同面接会、田辺市でUターンフェアを、紀北四ブロック安定所の合同面接会などを開催した結果、八月末現在で八十三名の一般Uターン者等の決定を見たところである、今後もこれらの施策を充実し、積極的に施策を講じ、新規学卒者対策、並びに県内労働力の確保対策を進めていくとの答弁がありました。
 このほか、企業誘致に関連して、関西国際空港の開港を契機に、本県の立地条件や関西国際空港への利便性を生かしつつ、今後国際的な流れを県経済に取り入れるための企業誘致を行う必要がある、そのための方向性を見出す調査機関等を県全体で検討してはどうかとの意見が出されました。
 次に公安委員会関係では、機動捜査隊の発足の経緯、その体制、同規模県の状況及び発足後の活動実績についてただしたのに対し、発足の経緯については、従来機動捜査隊は刑事部捜査第一課に附置していたが、最近の広域化、スピード化する犯罪に迅速、的確に対応するため所属として発足させた、機動捜査隊の体制については、現在員、隊長以下二十三名の二十四時間体制で覆面パトカー三台を運用している、機動捜査隊が所属として独立しているのは全国で三十二であり、同規模県では奈良県等がある、機動捜査隊の発足後の活動実績は強盗致傷、強姦、その他重要犯罪等四十五件、五十四名を検挙しており、発足前と比べ二・五倍の事件を検挙し、成果を上げているとの答弁がありました。関連して委員からは、犯罪は今後ますます広域化、スピード化し、これらに対する迅速的確な対応が要求されるため、警察庁及び他府県警察と連携を密にし、県民に信頼される機動捜査隊の充実に努めるよう要望がありました。
 次に、犯罪の国際化に対応するための国際関係法令の研究や捜査体制、並びに通訳問題や海外研修についてただしたのに対し、来日外国人の犯罪は増加傾向にあり、本年九月四日、関西国際空港が開港したことから犯罪の国際化に拍車がかかるのではないかと憂慮しているが、県警察としては犯罪の国際化に的確に対処するため、本年四月、刑事部捜査第一課企画指導室に国際捜査を専門的に取り扱う係として、室長以下三名を充て、国際犯罪捜査に関する法令の研究や捜査指導を行わせている、なお国際犯罪の捜査に当たっては、外国警察の窓口である警察庁国際部との緊密な連携を保ち、必要な協力が得られるよう努めている、また通訳の関係については、部内に英語、中国語など四カ国語、十数名を確保しているが、十分とは言えないので、警察部内の学校教養や部外の外国語学校に依頼し、必要な語学教養を実施して語学のできる捜査員の養成に努めている、さらに部外の方々に通訳のボランティアをお願いして、五十数人、十数カ国語の通訳を確保している、海外研修については、毎年、県の予算により警察庁主催による語学研修、視察で数名を派遣しているが、さらに若い人を中心として県独自の海外研修を行うことを検討し、予算要求等も考えていきたいとの答弁がありました。
 以上のとおり慎重審査の後、採決の結果、当委員会に付託されました議案第八十九号、九十号、九十三号、百号、百四号、百五号並びに百二十号は、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上で、経済警察委員会の報告といたします。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(平越孝哉君) 以上をもって、各常任委員会委員長の報告が終わりました。
○議長(平越孝哉君) これより、委員長の報告に対する質疑に入ります。──質疑なしと認めます。
○議長(平越孝哉君) 次に、ただいま議題となっております案件について討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平越孝哉君) ご異議なしと認めます。よって、直ちに採決を行うことに決定いたしました。
○議長(平越孝哉君) まず、議案第八十九号及び議案第百六号を一括して採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は、いずれも原案可決であります。
 本案を委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君はご起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(平越孝哉君) 起立多数であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
○議長(平越孝哉君) 次に、議案第九十号から議案第百五号まで、議案第百七号から議案第百十五号まで、及び議案第百二十号を一括して採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は、いずれも原案可決であります。
 本案を委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君はご起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(平越孝哉君) 起立全員であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
○議長(平越孝哉君) 次に、地方自治法第百七十九条の規定による知事専決処分報告報第七号を採決いたします。
 本件についての委員長の報告は、承認であります。
 本件を委員長の報告のとおり承認することに賛成の諸君はご起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(平越孝哉君) 起立多数であります。よって、本件はこれを承認することに決定いたしました。
○議長(平越孝哉君) 次に、請願について採決いたします。
 まず、議請第四十六号を採決いたします。
 本請願に対する委員長の報告は、継続審査であります。
 本件を委員長の報告のとおり継続審査とすることに賛成の諸君はご起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(平越孝哉君) 起立多数であります。よって、本件はこれを継続審査とすることに決定いたしました。
○議長(平越孝哉君) 次に、議請第四十四号及び議請第五十四号を一括して採決いたします。
 本請願に対する委員長の報告は、いずれも不採択であります。
 本件を委員長の報告のとおり不採択とすることに賛成の諸君はご起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(平越孝哉君) 起立多数であります。よって、本件はいずれもこれを不採択とすることに決定いたしました。
○議長(平越孝哉君) 次に、議請第五十五号から議請第五十七号までを一括して採決いたします。
 本請願に対する委員長の報告は、いずれも不採択であります。
 本件を委員長の報告のとおり不採択とすることに賛成の諸君はご起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(平越孝哉君) 起立多数であります。よって、本件はいずれもこれを不採択とすることに決定いたしました。
○議長(平越孝哉君) 次に、ただいま採決いたしました請願を除くその他の請願十六件を一括して採決いたします。
 本件はいずれも委員長の報告のとおり決することにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平越孝哉君) ご異議なしと認めます。よって、本件はいずれも委員長の報告のとおり決定いたしました。
  ──────────────────
○議長(平越孝哉君) 次に、日程第二に入ります。
 お諮りいたします。お手元に配付しております「継続審査を要する所管事務調査件名表」及び「継続審査を要する担任事務調査件名表」のとおり、各常任委員会及び議会運営委員会に対し閉会中の継続審査として付議することにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平越孝哉君) ご異議なしと認めます。よって、以上のとおり、各常任委員会及び議会運営委員会に対し閉会中の継続審査として付議することに決定いたしました。
  ──────────────────
○議長(平越孝哉君) 次に日程第三、議案第百十六号平成五年度和歌山県公営企業決算の認定についてを議題といたします。
 お諮りいたします。本案については、十二人の委員をもって構成する公営企業決算審査特別委員会を設置し、これに付託の上、閉会中の継続審査とすることにいたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平越孝哉君) ご異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
○議長(平越孝哉君) 次に、お諮りいたします。ただいま設置されました公営企業決算審査特別委員会の委員の選任については、委員会条例第五条第一項の規定により、次のとおり指名いたしたいと思います。
 職員にその氏名を朗読させます。
  〔職員朗読〕
  ───────────────────
 公営企業決算審査特別委員会委員
 小 川 武  君
 吉 井 和 視  君
 町 田 亘  君
 佐 田 頴 一  君
 馬 頭 哲 弥  君
 宗 正 彦  君
 橋 本 進  君
 冨 安 民 浩  君
 浜 本 収  君
 森 正 樹  君
 飯 田 敬 文  君
 鶴 田 至 弘  君
 以 上 十 二 人
  ───────────────────
○議長(平越孝哉君) ただいま朗読した諸君を公営企業決算審査特別委員会の委員として指名することにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平越孝哉君) ご異議なしと認めます。よって、ただいま指名いたしました諸君を公営企業決算審査特別委員会の委員に選任することに決定いたしました。
  ──────────────────
○議長(平越孝哉君) 次に、日程第四に入ります。
 お諮りいたします。同和対策、関西国際空港対策、水資源対策、半島振興過疎対策の各特別委員会については、それぞれの問題をさらに閉会中の継続審査として付議することにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平越孝哉君) ご異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
  ──────────────────
○議長(平越孝哉君) 次に、日程第五に入ります。
 和議第三十八号「平成七年度漁港漁村整備予算の確保に関する意見書案」、和議第三十九号「農作物干ばつ対策についての意見書案」、和議第四十号「道路予算拡大に関する意見書案」、和議第四十一号「公共投資の渇水対策・治水事業、砂防事業及び急傾斜地崩壊対策事業への重点配分を求める意見書案」、和議第四十二号「港湾・空港関係予算の拡大に関する意見書案」、和議第四十三号「私学助成制度の充実強化に関する意見書案」、和議第四十四号「法律扶助に関する基本法の制定と財政措置の拡充強化を求める意見書案」を一括して議題といたします。
 案文は、お手元に配付しております。
 お諮りいたします。本案については、提出者の説明等を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平越孝哉君) ご異議なしと認めます。よって、直ちに採決いたします。
 本案を原案のとおり決することにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平越孝哉君) ご異議なしと認めます。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
○議長(平越孝哉君) 以上で、今期定例会に付議された諸案件の審議はすべて終了いたしました。
○議長(平越孝哉君) お諮りいたします。この際、知事より発言を求められておりますが、これを許可することにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平越孝哉君) ご異議なしと認めます。よって、これを許可いたします。
 知事仮谷志良君。
  〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 発言の機会をいただきましたことを、まずもって御礼申し上げます。
 さきの議会におきましても私の進退についてご質問のあったところですが、この場をおかりして所信を述べさせていただきたいと思います。
 その質問の際も、「政治家にとって出処進退は一番大事なことであり、私も絶えずそのことを念頭に置いております。今はただ、関西国際空港の開港、世界リゾート博の成功に全力を尽くします」と申し上げました。そして、この夏、かつてない規模で開催した世界リゾート博は、関係の皆さん方のご協力のもとに二百九十万余の人々が入場いただく大成功に終始し、内外に和歌山のすばらしさを大きく打ち出し、県民に「やればできる」という自信と誇りを呼び起こしました。
 また、九月四日には待望の関西国際空港が世界に向けて開港し、新しい和歌山の時代がやってまいりました。さらに、高速道路等交通網の整備、太平洋新国土軸構想の進展など、半島性からの脱却、懸案であった医大の移転整備、和大の工学部設置等々、諸問題にもめどがついてまいりました。これまでの苦労がようやく大輪の花と開き、私たちを、そしてこのふるさとを新たな飛躍に導こうとしております。
 政治に停滞は許されず、絶えず前進を続けねばなりません。いつの時代も、また新たな時代へのスタートであります。私は今、新たな和歌山の時代に夢をはせ、あれを思い、これを思いつつ、今期で任を退く決意をいたしました。大きく変わり行く時代の流れの中で、地方自治の真価が問われている重要な時期であります。県政にはひとときの揺るぎも許されません。私に託された任期の間、私は新たな飛躍に向けて力の限り県政にささげてまいる所存であります。
 変わらぬご支援をお願い申し上げる次第でございます。(拍手)
○議長(平越孝哉君) ただいま、仮谷志良知事からあいさつがございました。
 仮谷知事には、ご自愛の上、今後さらに一層、県勢発展のためご活躍を賜りますようお願い申し上げます。
 議員並びに関係各位の連日のご精励に深く感謝いたします。
○議長(平越孝哉君) これをもって、平成六年九月定例会を閉会いたします。
  午後四時七分閉会

このページの先頭へ