平成6年9月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(全文)


県議会の活動

議 事 日 程 第五号 平成六年十月七日(金曜日)
  午前十時開議
  第一 議案第百十七号から議案第百二十号まで(知事説明・質疑・一部表決・委員会付託)
  第二 議案第八十九号から議案第百十六号まで、及び報第七号(質疑・委員会付託)
  第三 一般質問
  第四 請願付託
会議に付した事件
 一 議案第百十七号から議案第百二十号まで(知事説明・質疑・一部表決・委員会付託)
 二 議案第八十九号から議案第百十六号まで、及び報第七号(質疑・委員会付託)
 三 一般質問
 四 請願付託
 五 休会の決定
出 席 議 員(四十二人)
 1  番  小  川 武
 2  番  吉  井  和  視
 3  番  井  出  益  弘
 4  番  和  田  正  一
 5  番  町  田 亘
 6  番  尾  崎  吉  弘
 7  番  岡  本 保
 8  番  藁  科  義  清
 9  番  向  井 嘉久藏  
 10  番  佐  田  頴  一
 11  番  阪  部  菊  雄
 12  番  堀  本  隆  男
 13  番  平  越  孝  哉
 14  番  富  田 豊
 15  番  門  三佐博  
 16  番  西  本  長  弘
 17  番  高  瀬  勝  助
 18  番  上  野  哲  弘
 19  番 宇治田  栄  蔵
 20  番  尾  崎  要  二
 21  番  中  村  利  男
 23  番  山  本 一
 24  番  馬  頭  哲  弥
 25  番  鶴  田  至  弘
 26  番  飯  田  敬  文
 27  番  村  岡 キミ子  
 28  番  松  本  貞  次
 31  番  宗 正  彦
 32  番  橋  本 進
 33  番  浜  田  真  輔
 34  番  冨  安  民  浩
 35  番 上野山  親  主
 36  番  中  村  裕  一
 37  番  和  田  正  人
 38  番  大  江  康  弘
 40  番  木  下  秀  男
 42  番  森 正  樹
 43  番 野見山   海
 44  番  新  田  和  弘
 45  番  浜  本 収
 46  番  森  本  明  雄
 47  番  浜  口  矩  一
欠 席 議 員(二人)
 29  番  下  川  俊  樹
 39  番  中  西  雄  幸
 〔備 考〕
 22  番  欠  員
 30  番  欠  員
 41  番  欠  員
説明のため出席した者
 知 事 仮  谷  志  良
 副知事 西  口 勇
 出納長 梅  田  善  彦
 知事公室長 中  西  伸  雄
 総務部長  木  村  良  樹
 企画部長  宮  市  武  彦
 民生部長  南  出  紀  男
 保健環境部長  江  口  弘  久
 商工労働部長  中  山  次  郎
 農林水産部長  野  見  典  展
 土木部長  山  根  一  男
 企業局長  高  瀬  芳  彦
  以下各部次長・財政課長 
 教育委員会委員長
 岩  崎  正  夫
 教育長 西  川 時千代  
  以下教育次長
 公安委員会委員 高  垣 宏
 警察本部長 西  川  徹  矢
  以下各部長
 人事委員会委員長
 水  谷  舜  介
  人事委員会事務局長
 代表監査委員  天  谷  一  郎
  監査委員事務局長
 選挙管理委員会委員長職務代理者
  谷  口  庄  一
  地方労働委員会事務局長
職務のため出席した事務局職員
 事務局長  岩  垣 孝
 次  長  中  西  俊  二
 議事課長  松  田  捷  穂
 議事課副課長  佐  竹  欣  司
 議事班長  松  谷  秋  男
 議事課主事 長  尾  照  雄
 議事課主事 松  本  浩  典
 総務課長  岡  山  哲  夫
 総務課主査 田  尻  潤  嗣
 総務課主事 土  井  昌  紀
 調査課長  柏  木 衛
 調査課調査員  岩  井  晴  男
 調査課調査員  中  野  傳  治
 (速記担当者)
 議事課主任 吉  川  欽  二
 議事課主査 鎌  田 繁
 議事課速記技師 保  田  良  春
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  午前十時五分開議
○議長(平越孝哉君) これより本日の会議を開きます。
○議長(平越孝哉君) この際、報告いたします。
 知事から、議案の追加提出がありました。
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  財第143号 
 平成6年10月7日
 和歌山県議会議長  平 越 孝 哉 殿
  和歌山県知事  仮 谷 志 良
 和歌山県議会平成6年9月定例会追加議案の提出について
 地方自治法第96条の規定に基づく議決事件について、次のとおり議案を提出します。
 記
 議案第117号  和歌山県公安委員会の委員の任命につき同意を求めるについて
 議案第118号  和歌山県教育委員会の委員の任命につき同意を求めるについて
 議案第119号  和歌山県収用委員会の委員の任命につき同意を求めるについて
 議案第120号  訴訟の提起について
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○議長(平越孝哉君) 日程第一、ただいま報告の議案第百十七号から議案第百二十号までを一括して議題といたします。
 議案はお手元に配付しておりますので、まず知事の説明を求めます。
 知事仮谷志良君。
  〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) ただいま上程されました議案についてご説明申し上げます。
 まず議案第百十七号は、県公安委員会の委員西本貫一君が本年十月十二日をもって任期満了となりますので、引き続きこれが委員に任命いたしたいと存じ、同意をお願いするものであり、議案第百十八号は、県教育委員会の委員中西玉子君が本年十月十四日をもって任期満了となりますので、その後任として吉田裕君をこれが委員に任命いたしたいと存じ、同意をお願いするものであり、議案第百十九号は、県収用委員会の委員山中静君が本年十月十八日をもって任期満了となりますので、引き続きこれが委員に任命いたしたいと存じ、同意をお願いするものであります。
 次に議案第百二十号は、和歌山地方裁判所損害賠償請求事件の判決に対して控訴するため議決をお願いするものであります。
 何とぞ、ご審議の上、ご賛同賜りますようお願い申し上げます。
○議長(平越孝哉君) 以上で、知事の説明が終わりました。
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○議長(平越孝哉君) 次に日程第二、議案第八十九号から議案第百十六号まで、並びに知事専決処分報告報第七号をあわせ一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第三、一般質問を行います。
 36番中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕(拍手)
○中村裕一君 おはようございます。
 私は、御坊市、日高郡のみならず、まさに県民の悲願であります日高港についてお伺いしておきたいと思います。
 去る八月十日付の新聞報道によりますと、「注目の日高港湾白紙に」「反対三十一・賛成十八」「三尾漁協が臨時総会で否決」「宙に浮いた御坊、美浜の同意決議」との見出しで、昭和五十八年に国の重要港湾の指定を受け、ようやく動き出そうとした日高港湾が瀬戸際で白紙に戻されたと報じられております。
 もとより、日高港の整備につきましては、この県議会におきましても高度経済成長期のころより先輩の皆さんがその必要性を論じ、仮谷県政の主要施策の一つとして地元御坊市、美浜町ともども懸命に取り組んでこられたところであります。さきの二月定例会におきましても、「近畿圏の海の玄関である本県も、和歌山下津港や日高港の整備を通じて海運王国日本の復活に貢献したい。とりわけ日高港の整備については、大阪湾諸港との機能分担を図りつつ、県中部地域の経済活動を支援するため、外内貿易機能の整備と地域産業の基盤整備を図る。そのため、地元の御坊市や美浜町の協力を願って漁業関係者と調整を進めており、今後とも努力を重ね、できるだけ早い時期に着手できるよう努める」との力強いご答弁もいただいておりました。
 そもそも、天然の良港でもないところに港をつくろうというのですから、どだい無理な話かもしれません。港の話が出た当時、来訪した運輸省の原田昇左右審議官が黒潮打ち寄せ砕け散る波を見て「ほほう」とうなったという話さえ聞いております。およそこんなところに港ができるとは、だれも思わなかったに違いありません。しかしながら、高速道路もない。飛行場もない。特急電車もとまらない。あるのは多少の平野と目の前の海だけ。だからこそ、海へかけたのでありましょう。大げさな言い方かもしれませんが、当時の御坊には海と熱意しかなかったのです。
 それでも、熱意とは恐ろしいものです。近畿でほとんど最下位の財政力しかなかった御坊市が、大枚百万円をはたいて調査費を計上したのであります。まさにこのときが日高港の始まりでありました。この熱意にほだされた運輸省第三港湾建設局の竹内良夫局長が、国費で、しかも瀬戸内の環境調査の名目で建設が可能かどうかの技術的な調査をしてくださったと聞いております。それから約十年、昭和五十八年、日高港は立派な計画をもって重要港湾に昇格したのであります。
 しかし、それ以降でもまだ課題はあり、私が御坊市議に選ばれた昭和六十二年ごろでも、地元負担金の軽減や埋め立て事業主体の問題など。もちろん交渉にさえ入っておりませんでしたが、漁業補償も難しいと言われておりました。こうした困難な課題を一つずつ解決してこられたのは仮谷知事のご英断、県当局の真剣な取り組み、地元の熱意にあったことは論をまちませんが、やはり根底には、せっかく六百二十キロの海岸線を持ちながら港らしい港は和歌山下津、新宮しかないという、この共通の認識があったからではないでしょうか。重要港湾まで十年、それからまた十年と、まさに努力の積み重ねでありました。
 今日、時代背景も変わり、高速のインターまで十分、関西空港、ジェット化される白浜空港へそれぞれ六十分のちょうどよいところへ港をつくるのであります。今まさに着工前夜と思われましたが、まことに厳しい状況に追い込まれてしまいました。しかし、まだまだ試合は終わったわけではありません。ちょうど野球で言うなら、九回表に押し出しで同点に追いつかれ、いよいよこれから九回裏の攻撃が始まる、そんなところではないでしょうか。
 そこで、私からは一点のみ、日高港湾整備の現況についていかにお考えか、また今後の方針についてお答えいただき、私の質問とさせていただきます。
○議長(平越孝哉君) ただいまの中村裕一君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
  〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 中村議員にお答え申し上げます。
 日高港湾整備についての現況と今後の方針についてでございました。
 ただいま経過についてるる話がございましたが、日高港と申しますと、紀伊水道の入口にもなるわけでございます。ただ、話ございましたように、太平洋に面しておったゆえに、果たして港湾ができるかという問題もあったわけでございますけれども、鹿島の港湾整備ができて、日本の港湾事業のやり方にも大きな変化を来したわけでございます。そうした荒海に対して新しい港湾を整備していくということが御坊市並びに地元の皆さんや県としての考え方であり、また国においてもその点も認めていただいて、着工していただいておるわけでございます。
 港湾としての重要な地点であるし、また高速道路が南伸しておりまして、現在、御坊市において工業立地の問題が取り上げられて、近く企業も誘致発表の段階に立ち至っているわけでございます。また、御坊・田辺拠点都市としての地位ということもございまして、非常に重要でございまして、このプロジェクトはなお一層積極的に進めなければならない事業であると思っております。
 話ございましたように、三尾漁業協同組合の同意を得られなかったことは非常に残念に思ってございまして、御坊市、美浜町長さん初め関係の皆さんに厄介になりながら、残念に思っております。
 しかしながら、先ほども申しましたように、この事業は非常に重要な事業でございますので、三尾漁業協同組合の言っている点についてなお私たちも十分調査を進めなければならないし、そしてまた大局的な立場に立っていただかなければならないわけでございます。そうした面について、なお一層地元の了解について努力してまいりたいと思ってございまして、なお一層のご支援をお願い申し上げたいと思っておる次第でございます。私たちも努力することをお誓い申し上げ、答弁にさせていただきます。
○議長(平越孝哉君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平越孝哉君) 以上で、中村裕一君の質問が終了いたしました。
○議長(平越孝哉君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 45番浜本 収君。
  〔浜本 収君、登壇〕(拍手)
○浜本 収君 通告に従って質問をいたします。
 第一点は、被爆者援護法の制定について知事の見解を求めます。
 ご承知のように、我が国は来年、人類史上初めての被爆国として五十周年という歴史的な節目を迎えます。この節目にこそ、被爆者団体などが悲願にしてきた国家補償に基づく被爆者援護法の成立を図ることは、戦後処理の一つとして私たちに問われている使命だと私は思います。
 一九四五年八月六日と九日に広島、長崎に原爆が投下され、その年の末までに亡くなられた方は約三十万人、幸いにして生き延びることのできた生存被爆者は現在三十四万人と言われています。しかし、現在でもがんはふえ続け、がんにかかった被爆者や身寄りのない被爆孤老など、大きな悩みを抱えております。韓国人被爆者に対する救援や被爆二世、三世への対策も必要になっています。
 このような現状を改善するためには、国家補償の原則に基づく原爆被爆者援護法の制定が急がれなければなりません。今、広島や長崎でも、国家補償に基づく被爆者援護法の制定を求める運動はかつてない高まりを見せております。ご承知のように、ことし三月には、広島の七つの被爆者団体が党派や民族の壁を越えて国家補償に基づく被爆者援護法の制定を求める合同組織を発足させ、統一集会を開いたのであります。
 この背景の一つには原爆で亡くなった人々の五十回忌があったが、五十回忌のことし八月六日までに原爆による死没者と遺族に国が償うための援護法を実現してほしいという声がより高まり、国が起こした戦争によって原爆の惨禍を受けた死亡者と被爆者に対して国が責任をとり補償することで再び原爆の被爆者をつくらないあかしと誓いにしてほしい、そしてその誓いを亡くなった人々の墓前に報告したいという願いが、援護法を求める人々の願いともなったのであります。五十回忌までの実現の願いは満たされなかったが、来年の被爆五十年までにはぜひ実現してほしいと、高齢化した被爆者たちはその実現を待ち続けているのであります。被爆五十周年という歴史的な節目に、人類史上初めての被爆国として、国の責任で起こした戦争によって起きた被爆者を国家補償に基づき援護していくということは、けだし当然の理であろうと私は思います。
 原水禁和歌山県民会議はこれまで、国家補償の原則に基づく原爆被爆者援護法の制定に賛同してほしいとして、和歌山市初め県下五十市町村のうち四十三の首長の賛同署名を国に提出したが、一方、全国自治体の七四%すなわち二千四百五十七の地方議会も、国家補償に基づく被爆者援護法の制定を決議しているところであります。また、県内の被爆者手帳の交付者五百十六名も、この援護法の制定に期待を寄せているのであります。
 戦後五十年、かつての日本軍国主義のアジア侵略への反省と戦後処理が問われているとき、また未来に向けて非核、不戦による国際貢献を目指す日本の次の世代に対しても、いつまでも負の遺産を残すことのないようにすることが私たちの務めではないでしょうか。原爆被爆者援護法の制定についての知事の見解を求めた次第であります。
 次に、南紀新白浜空港の跡地利用の進め方についてご質問をいたします。
 去る九月十一日、南紀白浜空港跡地利用についての白浜空港フォーラムが、白浜・田辺青年会議所の若い皆様方の熱意のもとに現空港の広場で行われました。コーディネーターには慶応大学の草野教授が、またパネリストとして県土木部長、二階、野田両代議士、田辺市長、白浜町長が参加され、それぞれの方の意見が開陳され、盛況の中に自由討議が行われたのでありますが、案内状をいただいた私も炎天下、およそ三百余名の参加者の皆様とともに、ある種の期待を持って参加したのであります。
 せっかくのいい試みだけに、この跡地利用という投げかけに対していいアイデアなり方向が示されるのかなと内心思っていたのでありますが、「跡地の利用は紀南の活性化と新空港の需要増につながるようにすべきだ」とか「跡地利用懇話会を設置し検討していく」といった、ごく一般的なお話がされただけで、つまり今後の進め方や有効な跡地利用の必要性がそれぞれの立場で話されるだけに会は終始したのであります。
 私は、せっかく一生懸命に討議を積み重ね、我がことのように取り組んでいただいた主催者の方々に心から感謝をした次第でありますが、以下、次の諸点について若干の意見を述べ、質問をいたします。
 一、なぜこの会に県議会を代表する議長なり空港議連の会長なりの出席が求められなかったのか。それは主催者が決めたことだと言って済ませることなのか。事前に主催者の皆さんと話し合ってその出席を求めるといった提言なり方法がとれなかったのかどうか、少し疑問に思ったので尋ねた次第であります。お答えによっては再質問をいたします。
 二、討議の内容なり各パネラーの意見に賛否の批判を持つことは自由だが、もし万が一、私があの壇上で意見を述べよと問われたとしたらどう答えただろうかと自問自答もし、現時点でパネラーの方々がそのものずばりの答えを行うのは無理からぬことだとの感想を私は持ったが、既にメンバーが発表された跡地利用懇話会の内容なり進め方、めど等についてぜひ答えられたいのであります。この懇話会の協力委員にも、県会の代表者はどなたも入ってございません。ですから、最初に申し上げたように、主催者が勝手にそうするのは自由でありますが、そういうことに対する提言をそのときも怠っておるやに思う。その考え方が後に、懇話会の中に県議会の代表者が入っていないと。これは、私は大変不思議に思ったのであります。
 執行者と議会はおのずから別である、議会をそんなところへ入れることはという理論は、私も承知をしてございます。しかし、過去におけるいろんなこの種の審議会等には、かなり県議会の代表者が参加をいたしております。医大の跡地の問題のときには、今海南市長になられております石田さんが総務委員長であり、私が当時厚生委員長をさせていただいておりました関係で、あの会議には何回となく審議委員の一人として参加をいたしました。今後そういう立場でこの懇話会を進めていくのか、あるいはこの際もう切って捨てていくという立場でやっていくのか。
 答弁のすり合わせをずっと聞いておりますと──「すり合わせ」と言うと失礼でありますけれども──いろんなご意見がなされます。「いや、決してそんなことはありません」と言います。「専門家の方を懇話会の委員にたくさん入れているんです」と、こういう話をなされておりました。県議会には専門家は一人もございません。だからこの人たちをほったんか、こうも思いますし、何かその辺に統一した理論がないような気がして、私は甚だ不愉快であります。
 本会の席上、田辺市の脇中市長は「五十ヘクタールの土地をまとめて利用できる機会は、紀南地方ではもう二度とない。若い人や婦人、一般市民の意見も十分に聞いて、その利用を検討してほしい。空港までのアクセス道路の整備や、飛行機を十分利用できる、軽く小さく付加価値の高い商品をつくれる産業を育成することが重要なテーマだ。市町村の行政区画の枠を越えた活用方法をも検討していかなければならない」との意見開陳がなされましたが、この意見を受けたコーディネーター草野教授は「跡地利用の決め方が大変気にかかる」として、懇話会のあり方の全きことに期待されていたが、これらの指摘も踏まえて、今後の懇話会のあり方について答えられたいのであります。
 また、以前、企画部では跡地利用の件については庁内にワーキングを設け、白浜町内外の関係者の意見等も聴取しながら取り組んでいくとの方向を示されたが、懇話会との関係はどうなっていくのか、お答えを願いたいと思います。
 三、以前も当議場でも、あるいは属していた総務委員会でも何回か申し上げましたが、跡地の総面積は約五十ヘクタール、うち県有地は三十三ヘクタール、町有地は約十四ヘクタールだが、この町有地の扱いはどうなさるつもりなのか、あわせて答えられたいのであります。私有地でなくて大変幸せだったと思います。しかし、約五十ヘクタールのうち十四ヘクタールが白浜の町有地である。そのことを、何か既成の五十ヘクタールの中で物を考えて、これをどうする、あれをどうすると。人の土地があるんじゃと言うんや。そういうことについて行政的にきちっとして早く解決すべきではないかということを申し上げたことがあるんですが、「あんた、白浜の町長だったとしたら──何か、なりたがってるみたいやけど、そうじゃないんで──どうですか」と。わしやったら、高く買うてもらう。今の町長さんなり白浜の人はどう考えているか知らんけれども、私だったら県に高く買い上げてもらう。なぜかと言うと、白浜町の空港は町の財政を大変圧迫している。少しでもそれに補てんをしていきたいから、私だったらそうするだろうなと申し上げたことがあるんです。そのことの可否論は別といたしまして、そういう点についてはけじめをつけ、きちんとしていくのが行政のあるべき態度ではないか。白浜空港は平成七年度の早い段階で完成するといった方針との関係で、この跡地利用の結論なりその執行の早からんことを念じながら質問とした次第であります。
 次に、有害鳥獣駆除対策についてご質問をいたします。
 県林業課による平成五年度の有害鳥獣駆除状況調査によれば、猿による県下二十七市町村の被害届による被害金額は二千九百六十二万円、シカによる県下二十三市町村のそれは四千五百九十一万円、イノシシによる県下三十三市町村のそれは四千百五十一万五千円であります。また、平成六年四月からこの八月三十一日までの調査では、猿による県下二十七市町村の被害届による被害金額は一千百八十八万二千円、雄ジカによる県下二十市町村のそれは二千二百七十六万六千円、イノシシによる県下二十市町村のそれは六百八十六万八千円であります。
 六月の上旬、私は白浜町の農業地帯である富田地区、通称「谷」と呼ばれている地区でありますが、そこの方からぜひシカによる被害状況を見てほしいとの誘いを受け、西牟婁県事務所の係の方と現地に出かけましたが、田植えの完了した後の稲がシカに食い荒らされ、田んぼにはシカの足跡が残っている状態を見せつけられたのであります。
 ちなみに、当地区は農家戸数三十五戸、面積約十町歩の農村だが、猿、シカ、イノシシ等が年間無差別に出没し、水稲、野菜、花、ミカン、柿等を食い荒らし、その日の午後にも私は白昼公然と六匹の雌ジカがハウスの花を食い荒らすところに遭遇しましたが、夜は二メートルばかりの防御さくを飛び越えてさっさと稲を食べるなど、住民はその対策に苦慮しているのが現状であります。
 雌ジカは特に保護されているだけに、住民はただシカを追うだけ、見ているだけで、どうにもならない。直接これを捕獲することができないのか。「シカの保護が大事なのか、米が大事なのか」「もっとこのことに的確な方策が立てられないのか」「災害等による被害は共済制度の適用である程度カバーできるが、これらの有害鳥獣からの被害は届けるだけでどうにもならない」といったさまざまな意見が田んぼのあぜ道で十人ばかり集まってきて、お互いにそれこそ炎天下で私を挟んで討論をされておりました。
 私は答えるすべもなく、ただ黙って聞いておったんですが、農民の方々は大変詳しい。条例がどうだ、何がどうだと、いろんな話を現地で教えていただきました。県事務所の係の方も大変熱心な方ではございました。しかし、答えるといっても、ちょっと答えたらぱっとやられるから答えにくいというか、そういう場面に私は遭遇したのであります。
 私たち地方の県会議員は、特にそういう問題が常にあります。現地へ行く。みんなが寄ってくる。「選挙頼むで」というわけにはいかん。そこでいろんな話がなされる。わからんことがある。わからんことがあるから聞いていく。そして、その聞いて学んだことを私は今、この議場で訴えておるのであります。野外ミニ集会での場のことをここで取り上げておるのでありますが、そういう意見が交わされます。
 話を変えます。熊野川町の町営森林浴エリア──「瀞の里」と言うんですか──では、十年ほど前に六百本のクリを植栽したが、このクリを目当てに数多くの猿が集まるようになり、町が収穫する前に子連れの猿が集団で姿を見せ、木に登り、枝ごと折って持ち帰るので被害はふえるばかり。そこで、町の商工課はクリ取りの参加者を町民から募って猿からの被害を少なくしようとのことであります。「猿に負けるな」というスローガンか何かを掲げておったようであります。
 また、猿軍団にかかしが効果があるようだとして、中辺路町の山寺の和尚さんが手づくりのかかしをクリ林につくったり、また猿カニ合戦にちなんで農作物を食い荒らす猿対策にカニの絵を田畑に設置するなど。「カニの絵が秋風に揺れている」といった地方紙の記事に私は驚いたりもしましたが、これは事実であります。
 こういった有害鳥獣駆除の対策はどうなっているのか。また、有害鳥獣駆除事業のための県の補助制度はどうなっているのか。また、先ほど述べたように天災等の被害は共済制度である程度防げるが、有害鳥獣による被害への補償はどうなっているのか。また、平成五年度の被害届による補償額はどのくらいか。それは被害総額の何%に当たるのか。今後のより効果ある対策に期待し、質問といたした次第であります。
 四つ目、世界リゾート博後の観光政策とリゾート形成についてと題して、以下数点、質問をいたします。
 県観光課が九月五日に発表したことしの夏、七月、八月の県内主要観光地の人出状況は、宿泊客、日帰り客合わせて四百八十八万二千六百五十三人、昨年同期に比べて四八・一%の大幅増で、昭和五十九年に調査を始めて以来、伸び率、人数ともに最高を記録した。しかし、那智勝浦町と白浜町の宿泊客は、冷夏の影響で大幅減だった昨年をも下回った。和歌山市はリゾート博の効果で宿泊客、日帰り客ともに大幅に増加し、宿泊客は約五割増加、日帰り客は昨年の二倍を超え、ここ十年来で最高の人出となった。また、高野町もリゾート博への行き帰りの客が目立ち一一・二%増、龍神村も二・九%増を示した。しかし、何回も繰り返しますが、那智勝浦町の八月の宿泊客は約七%減少し、白浜町は約三%の減少を示した。
 七%だとか、三%だとか、あるいはアドベンチャーワールドではどれだけとか、そういう資料がございますが、これは金額にしてみると、民間にとっては大変なことであります。「三%」と言えば、「ああ、三%ぐらいか」ということにはなりますけれども、金額にすると大変なことであります。
 先ほど述べたように、県全体ではことしの夏の県内主要観光地人出状況は昨年比四八%増を示す一方、紀南地方では不振ぶりが目立ったが、それはリゾート博と伊勢志摩スペイン村など大型テーマパーク等の影響がもたらしたものと考えられます。したがって、部分的にはリゾート博の効果は県全域に及ばなかったという見方もあり得るが、リゾート博は成功裏のうちに閉幕し、その成功は関西国際空港の開港と連動しつつ、今後の県の観光、リゾートの発展を促進するものと私も思うのであります。
 そこで、私は以下数点、観光政策とリゾート形成について質問をいたします。
 一、県観光課は、平成六年以降二十一世紀に向けて、今後の観光振興の方向と施策を明らかにするために和歌山県観光振興計画策定事業として本年度一千三百万を計上しているが、世界リゾート博後の観光振興のあり方を構築する上で時宜に適した極めて重要な取り組みであります。計画策定の基本方針と現状の進捗状況を明らかにされたいのであります。また、企画部を中心に進めている燦黒潮リゾート構想の推進状況と内陸地域リゾート形成促進の現状等、あわせて答えられたいのであります。
 私は以前本会議で、県と上富田町がいわゆるグリーンツーリズムの考えを導入した新しいタイプのリゾート形成を進めることについて質問を行ったが、県企画部は、隣接する白浜温泉には年間三百五十万の観光客が訪れる、したがって、この農村型リゾートと連動させることで白浜の観光客もふえ、また上富田町の活性化にもつながるとの認識を示したが──これは合うていると思いますが──その後の進捗状況が見えてこない。上富田町へ時々行っても、そういう話は町民の中で、全くと言っていいのでしょうか、聞かれない。この四月ですか、新聞ではもう間もなくできそうなことを大きく載せていただいておりましたが、ミニ集会でそういう話をしても、みんな「それ、どこの話な」というような顔をする。こういう現状であります。それはなぜなのか、その点についても明らかにされたいのであります。
 二、今、私は商工労働部と企画部のそれぞれの計画策定やリゾート形成促進の現状についてお尋ねをしたが、現在、企画部と商工労働部に分離して対策されている観光とリゾートを一体的な施策体系として確立し本県の観光行政を推進する上で、この際、観光部の設置をぜひ検討すべしと思うが、見解を求めるものであります。
 三、今期九月定例議会に、NHK大河ドラマ「八代将軍吉宗」が平成七年一月から放映されるに伴い、観光の振興のため、和歌山県のPRと県下各地への誘客を図るための全国キャラバン・シンポジウム等を実施するとして一億五千万が計上されているところだが、私はこの大河ドラマが、世界リゾート博を行った、そして見事に成功させた和歌山県を全国に大きく宣伝するであろうことに期待するものであります。
 以前私は、和歌山を売り出すための一つの方法として、県出身の歌手・坂本冬美さんに歌を歌ってもらうようにしてはと提言したこともあったが、今回の大河ドラマは、今日の宣伝のあり方の一つとしてテレビ、マスコミの果たす役割は極めて有効かつ重要なものであるだけに、期待を寄せ、また時宜に適したものと思うが、ロケ地に指定されている舞台を持つ県下各市町村との協力体制はどうなっているのか、伺っておくものであります。
 四、観光を語る場合、人は必ず自然、歴史、文化といった視点と、その観光地で見る、遊ぶ、食べる、泊まる、土産、接遇、交通の便・不便等々の出会いの上で観光地の評価を行うが、県は県内のそれぞれの観光地の長所や欠陥、つまり特徴を正確に把握し、その短所は短所で補い、すぐれた点についてはすぐれた点を伸ばしていく、そういった指導を強めていくといった、より踏み込んだ行政指導を該当地との相互協力の上に立って高めていくという方策が必要ではないかと思うが、所見を伺うものであります。
 今、県内の観光地の長所や短所つまり特徴を正確に把握してその指導を強めていくという行政指導を行う必要を述べたが、この七月十五日の朝、私は那智の火祭がカラーで全国紙の一面いっぱいに掲載された記事を見ました。七月十四日はまさに那智の火祭が行われた日であるから、七月十五日の朝刊はそのすばらしさを一面に掲載したのであります。また七月十四日は、ご承知かと思いますが、世界的にはフランス革命を記念したパリ祭の日でもあります。もちろんパリ祭は、その日もそうであったように、毎年新聞で取り上げられておりますが、那智の火祭はパリ祭と同じように全国紙に掲載されたのであります。
 「那智の火祭 真夏を焦がし」と鳥羽一郎が絶叫する「熊野灘」は今多くの人々に歌われていますが、那智の火祭はその歴史と伝統に裏打ちされた熊野の宝であります。そんな高い評価を受けているこの那智の火祭は、まさにこの地方における観光地としての最大の特徴であり、長所であります。そういったものを今後大きく取り上げていく。そして物心──よく聞いてください──物心両面にわたって、頼まれなくても支援をしていく。これは、日本の新聞の一面に載せられておる。記者の感覚はすばらしいと思います。それほどいいものだという認識の上に立って、そういうものに対して県がより積極的に援助をしていく。そんな効果のある、いわば指導、宣伝を強めていく方策を私は特に望みます。
 以上をもって、私の質問を終わります。最後の話は、最初提出したあれには書いておりませんでしたので、お答えいただく必要がないかと思います。どうもありがとうございます。
○議長(平越孝哉君) ただいまの浜本収君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
  〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 浜本議員にお答え申し上げます。
 被爆者援護法の制定についてでございますが、現在、連立与党内に戦後五十年問題のプロジェクトチームが発足し、その中で被爆者援護法について協議検討がなされていると伺ってございまして、早期に結論が出されることを期待しているところでございます。
 県としては、従来から全国知事会を通じまして、被爆者に対する制度の改善、被爆者及び遺家族の実態に即した援護対策の確立を要望しているところでございます。
 今後、国の検討結果を踏まえ、被爆者対策に取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(平越孝哉君) 土木部長山根一男君。
  〔山根一男君、登壇〕
○土木部長(山根一男君) 浜本議員にお答えいたします。
 南紀新白浜空港の跡地利用の進め方についてのご質問、二点についてでございます。
 まず、白浜空港フォーラムについてでございます。
 議員ご指摘のフォーラムについては、「空港を核としたまちづくり」をテーマとして、白浜・田辺青年会議所により開催されたものでございます。フォーラムの内容、メンバー等については主催者サイドで決定されたものでございますが、県に対してもパネラーとしての依頼があり、こうした地元の熱意にこたえるため出席したところでございます。このように地元の皆様が空港に対して関心を持っていただくことは、ありがたいことであると思っております。
 しかしながら、新空港建設には今日に至るまで空港議員連盟を初め多くの皆様に大変なご支援、ご協力を賜っており、今後、同様の催しが企画された場合、主催者側に対してこうした方々の参加をお願いするなど、幅広いご意見をいただけるよう努力することは非常に大切なことだと考えております。
 県としては、ポートセールスなど新空港の利用促進などのため精いっぱい取り組んでまいりますが、今後とも新空港建設促進議員連盟の皆様方の全面的なご支援、ご指導をお願い申し上げる次第でございます。
 次に、跡地の町有地をどうするのかについてでございます。
 白浜空港の跡地利用については現在検討が進められているところでございますが、町有地の扱いについては、その検討状況を踏まえて適切に対応していくことになります。なお、所有者である白浜町の意向は、当然のことながら尊重さるべきものと考えております。
 以上でございます。
○議長(平越孝哉君) 企画部長宮市武彦君。
  〔宮市武彦君、登壇〕
○企画部長(宮市武彦君) 浜本議員にお答えいたします。
 白浜空港の跡地利用懇話会の内容と進め方についてでございます。
 まず、南紀白浜空港跡地利用懇話会の内容、あり方についてでございますが、懇話会は、地域開発、観光産業及び空港関連の実務家や学識経験者など八名の委員と土木部長、商工労働部長、そして私企画部長並びに白浜町長の四名の協力委員で構成してございます。この懇話会においては、各委員の専門的知識と経験に基づき、長期的観点から、新空港と相乗効果をもたらすとともに地域全体の活性化につながるような跡地利用策の提言、アドバイスをいただくことを考えてございます。
 次に、懇話会の進め方、めどについてでございますが、県としては、今後の議論の進展状況に応じて適切に懇話会を進めていき、ここでの提言等を踏まえ、七年度以降、基本構想策定の検討を進めてまいりたいと考えてございます。
 次に、庁内関係各課室によるワーキングと懇話会との関係でございますが、県から懇話会に参加している協力委員は庁内ワーキングの代表でございます。協力委員は、資料の作成や種々の調査などを行うとともに、懇話会において委員の求めに応じ意見を述べることになっております。庁内ワーキングは協力委員を補佐してございます。
 今後とも、白浜町を初め、地元関係市町村と協力しながら白浜空港の跡地利用を考えてまいりたいと思ってございます。
 次に、燦黒潮リゾート構想の推進状況と農村型リゾートの進捗状況でございます。
 燦黒潮リゾート構想の推進状況でございますが、七十五プロジェクトのうち、協議中も含めて進展の見られるものは三十九プロジェクトで、進捗率は五二%となってございます。白浜町のコガノイ・ベイ・ホテル、南部町千里海岸の紀州南部ロイヤルホテル、リゾート博が開かれた和歌山マリーナシティのクラブハウス、フィッシャーマンズワーフなどが完成した主な施設でございます。
 次に農村型リゾートについてでございますが、県においては市町村と共同で平成二年度から内陸地域リゾート形成促進調査を実施してございまして、現在、調査済み九町村中六町村で進展をしており、主なものには熊野川町のオートキャンプ場や中辺路町のアートサロンなどがございます。上富田町については四年度に調査を実施してございまして、計画に位置づけられている総合スポーツ施設や富田川の堤防沿いの遊歩道、コスモス園、文化会館等が現在整備中でございます。
 以上でございます。
○議長(平越孝哉君) 農林水産部長野見典展君。
  〔野見典展君、登壇〕
○農林水産部長(野見典展君) 浜本議員にお答えをいたします。
 有害鳥獣駆除対策についてでございますが、議員お話しのとおり、シカ、イノシシ、猿などによる被害は主な生息地の紀南地方で多く発生してございます。
 有害鳥獣駆除対策については、地元関係者の申請に基づき、現地を調査の上、許可を行い、駆除を実施しているところでございます。また、被害を未然に防止するため市町村が行う電気さくや捕獲おりなどの設置に対し助成し、特に猿については臨機応変に対処するため許可の期間を長くするとともに、駆除に対し補助を行っているところでございます。
 次に有害鳥獣の被害による共済制度でございますが、強制加入の水稲共済とミカン、梅などの果樹に対する任意加入の果樹共済とがあり、被害状況に応じ共済金が支払われることになってございます。平成五年度については、届け出があった共済対象被害額は三百七十万円の九五%、三百五十二万円が支払いされてございます。任意加入については、加入率が低いため、今後なお一層共済制度のPRに努めてまいりたいと存じます。
 さらに、野生鳥獣の保護と農林水産業の振興との調和を図りながら、より効果的な駆除の方策や補助制度の充実を検討してまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(平越孝哉君) 商工労働部長中山次郎君。
  〔中山次郎君、登壇〕
○商工労働部長(中山次郎君) 世界リゾート博後の観光政策とリゾート形成についての四点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、県観光振興計画策定の基本方針と進捗状況についてでございます。
 この計画は、世界リゾート博の開催や関西国際空港の開港を受けて、二十一世紀に向けて本県が取り組むべき観光振興の方向とその施策を明らかにしようとするものでございます。計画の内容は、これからの観光に対応するため、地域資源の見直しと新たな資源の掘り起こしを行い、多方面の皆様の意見を取り入れながら、今後の課題とソフト面、施設面、両面における具体的施策を盛り込み、県内の観光関連事業者、市町村、県が一丸となって取り組めるものとしたいと考えてございます。
 現在、策定作業を鋭意進めているところでございますが、計画策定に当たっては、燦黒潮リゾート構想など観光振興に関連する構想、計画と整合を図りながら、年度内には策定を完了したいと考えてございます。
 次に、観光部の設置についてでございます。
 観光部という新たな部を設置することは、地方自治法で部の数に制約もございまして難しいものと考えてございますが、近年の観光については、今までの単に観光地をめぐる観光から長期滞在型観光へと変化してございまして、観光形態も多様化してございます。このような時代の中で、本県においても燦黒潮リゾート構想などによるリゾート構想が各地で推進されており、これからは本県の観光振興や地域づくりに極めて重要な役割を有するものであると認識してございます。
 議員ご指摘のとおり、今後の観光行政推進については、観光施設や地域整備などのハード整備や観光宣伝等のソフト面の施策の実施に当たり、企画部を初め関係部局が一体となった総合的な取り組みにより推進していかなければならないと考えてございます。今後も、より一層連携のとれた観光行政の推進に努力してまいる所存でございます。
 次に、大河ドラマ「吉宗」と市町村との協力体制についてでございます。
 議員ご指摘のように、NHK大河ドラマ「八代将軍吉宗」が平成七年一月から放送されるこの機会を絶好の機会としてとらえ、本県観光地のさまざまなPR活動を展開し、県下各地へ誘客を図ることとしてございます。
 本ドラマは、NHKがかつてない強力な体制のもとに制作を進められているようでございまして、ジェームス三木さんが脚本を書き、吉宗役に西田敏行さん、その守り役に本県出身の小林稔侍さん等が出演し、和歌山城のほか、高野山、紀の川、長保寺、煙樹海岸、白浜、那智の滝等、県内各地がドラマで紹介されることになってございます。このロケについては、エキストラの出演など地元市町村の積極的なご協力をいただき、本県での撮影も円滑に終了したところでございます。
 また、本議会でお願いしている全国主要都市における観光PRキャラバンにも、市町村の参加について働きかけていきたいと考えてございます。さらに今後、県としても県下各地において吉宗にちなんだイベントを市町村ともども実施し、県内全域の盛り上げを図り、県と市町村が一体となって観光PRに努力し、誘客に努めてまいりたいと考えてございます。
 最後に今後の観光行政についてでございますが、近年のライフスタイルの多様化により、観光地に多種多様な観光目的や魅力を求められるようになってきてございます。世界リゾート博においても、自然やさまざまな体験型イベントなど、来場者それぞれが自分なりの楽しみ方ができたことが好評の一因と考えてございます。
 県内を見ましても、こうした観光ニーズに対応して特色ある観光づくりを行っている地域が数多くございます。漁業と結びつけた参加体験型観光、心の時代にふさわしく歴史、文化と観光、また新しいスポーツを観光に生かしている地域等もございますが、このようにほかでは味わえない特色を出すことが求められてございます。そのためには、世界リゾート博で得たノウハウを生かすなど、それぞれの地域がみずからの発想で地域の資源や産業と観光を結びつけた特色ある観光づくりを行う必要がありますし、県としてもPRや先駆的なイベントを実施するなど、地域と相携えて魅力ある観光地づくりの推進に努めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(平越孝哉君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 45番浜本 収君。
○浜本 収君 私は、観光についてのご答弁は主題に合ったいいご答弁だったとは思いますが、何か、観光というものを産業としてとらえていくというような視点が足らないんじゃないかという気がしてならないんです。観光を産業としてとらえて、それを旺盛にすることによって、そういう観光産業をより高めていく。
 例えば、一億から二億のお金をかけて熊野古道に道路等の整備を行った。これは画期的なことでありますが、その投資──これは熊野古道との関係で少しドライな言い方でありますけれども──その投資したことと、そこの地域の物産なりがそのことと連動して盛んになるというような姿は余り見られないなと思うんです。
 というのは、夏に行ってみると、古道の道端には缶がいっぱいほられてある。せっかくつくったところに、来た人が飲んだコーヒーの缶などをほって回る。そしてそれを、高原というところの人々が日課のように集め回って処分している。限界もありますけれども、一生懸命なさっている。まさにボランティアですね。しかし、そのことによって中辺路町なりその付近の住民が潤う「産業」としては──もっと平たく言うと、もうけやなあかんと思うんです。生活と密着しないとだめや。だから何でもしたらええんやとは申し上げませんけれども。
 いつか、岩手県の花巻へ行ったことがございます。有名な宮沢賢治の記念館があります。できた当初は、いわゆる歴史的な宮沢賢治をたたえるそういう記念館であった。しかし、行ってごらんなさい。今は観光の名物になっております。結果としてそうなっているんですけれども、全国の人々を集める観光の名物になっておる。
 いま一つ申し上げます。最初に述べた長崎に、長崎医大の教授であった永井隆先生が住んでおられた小さな家があります。「この子を残して」や、歌にもなった「長崎の鐘」で余りにも有名でありますけれども、バスがそこを通ると、ここがそうだと必ずバスガイドさんがそのいわく因縁を説明されます。そして、「『長崎の鐘』を歌おう」とやって、乗っているみんなが大きな声で歌います。涙したという人もある。そうして旅の印象に強烈に訴えるんです。永井隆さんは、そういうつもりでそんなことをしたのではございません。しかし、結果としてそうなっている。そういうことは、あながち否定すべきことではないし、文化を冒涜するものでもありません。
 そういう視点で──那智の火祭を取り上げたのも、そういうことについて怠りはないと思いますけれども、せっかく我々の熊野の自然、歴史が生んだこの那智の火祭が、繰り返しますけれども、パリ祭と同じように全国紙に載る。ちょっと大げさですけれども、それほどすごいなという評価を、県民が思っている以上によその人はしているわけです。
 そういうことに、県が有効適切に対応していく。物心両面と申し上げましたが、そういう点について一生懸命にその市町村を励ましていって、観光の長所をずっと高めていく。そういう観光産業としてとらえる視点から、私はそのことを特に強調しておきたいのであります。
 白浜空港の跡地問題については、今後多くの議論を起こしていくものと思います。ただ、紹介申し上げましたように、今後の進め方として、特に脇中市長さんが「一般の方々あるいは婦人といった方々のご意見も十分聞いて」ということを言われましたけれども、これはと思っておったら、中央から来られたその人が直ちにそれに飛びついた。そして──きょうは、原稿には書いてございませんし、そんなこと言うのはちょっと嫌やなと私は思ったんですが、その方はこう言いました。「従来の懇話会というのは金ばっかり使って、余り成功した例はない」と。そんな言い方はちょっとなと思ったんですけれども、そういう言い方をしていた。しかし、言わんとすることはわかるような気もするんです。
 だから、脇中さんがそう言ったことに直ちに飛びついていくということは、脇中さんの言われていることが合っているなという感覚で、私もそう思いました。今後の進め方のあれとして、そういうことを視野に入れた立場で組織し、そういう立場でこのことをぜひとも成功させてほしいと申し上げます。要望といたします。
 あと零分であります。終わります。
○議長(平越孝哉君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で浜本収君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
○議長(平越孝哉君) この際、暫時休憩いたします。
  午前十一時十七分休憩
  ──────────────────
  午後一時六分再開
○議長(平越孝哉君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○議長(平越孝哉君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 11番阪部菊雄君。
  〔阪部菊雄君、登壇〕(拍手)
○阪部菊雄君 議長のお許しを得ましたので、質問をさせていただきます。私はアンカーでございます。連日、議員各位からご高説を承り、感銘いたしているところでございます。各位、大変お疲れでございましょうけれども、最終でございますので、しばらくのおつき合いをお願い申し上げる次第であります。
 議員各位からお話がありましたように、世界リゾート博の予想外の大成功は、まことにご同慶にたえません。また九月四日、世界を結ぶ関西国際空港の開港など、私も仮谷知事、県職の皆さん、さらに各種団体等の各位に、心から最大限の感謝と賛辞を表する次第であります。
 さて、ご承知のとおり、国会も九月三十日、衆参両院で本会議が開会され、村山総理の所信演説を行い、行政改革断行などの決意表明がございました。しかし、副議長ポストを要求する衆議院新統一会派・改革は、与党が譲歩しなかったということで反発し、旧改革の会などの六議員を除く百八十一名が本会議を欠席しております。まことに嘆かわしいこの実態、何を改革しようとするのでありましょうか。国民にとって、全く不可解な出来事であります。しかしまあ、幸い四日に正常化されました。当然のことであります。
 いよいよ本論に入りたいと思います。コスモパーク加太計画について、尾崎要二議員より詳細にして大胆なご提言がございましたが、私も少し質問させていただきたいと思います。
 ご承知のとおり、その概要、目的は、加太地区の関西国際空港埋立用土砂採取跡地を中心とした二百六十・六ヘクタールの土地を活用して、自然環境と調和のとれた研究開発、リゾート、住宅等の機能を持つ国際的な複合都市・コスモパーク加太を建設して、和歌山県及び和歌山市の経済活性化に寄与する計画であると明記されております。この開発に積極的に参加された構成機関は、県市関係を除く十三の企業でございます。皆さん、お名前をお忘れであったらいけませんので、念のために申し上げたいと思います。有名な住友商事、住友金属工業、さらに有名な住友銀行、住友信託銀行、住友生命保険、ウェスティン・ホテル・カンパニー(外資系)、鹿島建設、紀陽銀行、積水化学工業、積水ハウス、大和ハウス工業、株式会社林原、三井不動産、以上でございます。バブル経済が崩壊し、これらの企業すべてがこの計画から見事に撤退しております。
 私は、平成三年九月二十日の一般質問で、この二百六十・六ヘクタールを、最初の目的を大幅に変更して和歌山県総合運動公園を計画してはどうかとご提言申し上げました。さらにまた、たくさんの議員からも同じようなご提言がございました。そのときの知事のご答弁は、紀三井寺公園も昭和三十九年のもので老朽化も進んでおり、利用者から施設充実の要請もあり、次の国体といった全国大会の開催の見通しも考えに入れて、また現在の紀三井寺公園の再開発も含めて検討しなければならないと申されました。また、平成四年九月定例会の一般質問で、加太計画を大幅に見直して総合運動公園をと、知事に再度質問いたしたわけでございます。そうして私は言葉を続けて、今後の二十年、否百年後を展望し、大いなる遺産を子孫に残しましょうと知事に呼びかけたのでございます。平成五年九月議会でも、再々度企画部長に提言しました。今、既に構成機関も消滅に近く、これの計画の再検討を行政主導型で積極的に進められるとのこと、まことにすばらしいご決断でございます。
 本年、夏季国体が愛知県でありまして、私も参加いたしました。その壮大ですばらしいスポーツ施設を拝見しました。知事も秋季国体の団長として参加されるわけでありますので、ひとつ十二分にごらんになっていただきたいと思います。さらにまた、新潟県鳥屋野潟公園総合スポーツゾーン計画をご研究いただきたいと思います。今度、総務委員会で視察に参りますけれども。議員の各位には、お手元に資料を渡しております。お読みいただければありがたいんですが、これを見ますと、総合スポーツゾーンが九十三ヘクタールと書いてあります。極めて壮大なものであります。
 本県は関空の至近距離にあり、知事さん、世界的な総合スポーツ公園をつくろうではありませんか。やればできる。世界リゾート博は、四十六都道府県をびっくりさせたではありませんか。「なせば成る、なさねば成らぬ何事も、成らぬは人のなさぬなりけり」という言葉がございます。また、第十二回広島アジア大会がこの二日に開幕し、史上最多の七千三百人余、四十二カ国から選手が出場し、感動と熱気にあふれております。どうぞひとつ、広島も大いに参考にしていただきたいと思います。そうして、コスモパーク加太にこうした立派な施設をぜひつくりたいと思いますが、知事さんいかがでございましょうか。
 これは、もうお答えをいただいておりますので、要望事項にいたしておきます。
 次に、関西国際空港もめでたく開港し、いよいよ全体構想の早期実現に向かって強く政府に要望しなければならない重要な時期でもあります。
 空港整備計画の中に、兵庫のポートアイランド沖合に空港をつくるべく、本年度も三千万円の調査費が計上されております。素人の私の実感としては、これはもう税金のむだ遣いのように思えてなりません。すなわち、直ちに中止すべきだと私は思うのであります。関空へ、神戸から海上では超高速船で約三十分、陸路も約三十分ぐらいと聞いております。海上輸送については、けさの朝日新聞を見ると大変な泣きどころがあるように書いてございますけれども、これも改善されるであろうと思うわけでございます。今、本当に厳しい国家財政の中でありますが、世界のハブ空港として関西国際空港の全体構想の早期実現を図ることこそを本県議会議員はより高い声で叫ぶべきでありましょう。皆さん、私は神戸沖の空港について、もうやめていただきたいという意見を持った男でございます。ご賛同の方は、ひとつ拍手をもっておこたえいただきたいと思います。(拍手)──ありがとうございます。これは知事さんにご答弁をいただこうと思ったんですが、そんな酷なことをいたしますと、知事は近畿の知事会の親分でございますので、ご迷惑をかけたらいけませんので、これはもう要望にいたしておきます。
 それと同時に、皆さん、けさの産経新聞をごらんになりましたか。「新人工島用の土がない 神戸方式ピンチ」。要するに、六甲山の開発に新しい論議を呼んでおります。ポートアイランド沖に計画の神戸空港が約三百ヘクタールだそうでございます。それから、六甲アイランド南が三百五十ヘクタール。これの埋め立てに必要な土がないと書いてあります。うまいぐあいに土がなかった方がいいなと、一人喜んでおるわけでございます。
 さて、平成元年十月六日、私としては第三回目の一般質問で、高騰する気配のある地価対策について質問いたしました。今後、橋本、伊都、那賀地方全域を直ちに監視区域に指定するよう求め、翌年、年初、遅まきながら実現いたしました。四日の尾崎吉弘議員よりいろいろとご提言ございましたが、まさにそのとおりでございます。
 今日、バブル経済崩壊後、土地神話は消滅し、本県において一部規制緩和もいたされております。九月の各新聞紙上には、大阪圏、基準価格三年連続下落、学園都市も当初計画の大幅縮小、沖電気も進出を断念したと書いてありました。また、一九五八年の泉佐野コスモポリス計画も、企業誘致のめどが立たず、府知事への開発許可申請も未提出で、銀行からの借入金が六百億余を超え、一日約七百万円の金利の支払いに四苦八苦しているようでございます。まさに、尾崎吉弘議員ご提言のとおりであります。人ごとではありません。コスモパーク加太計画も同様であり、この際、知事の大英断で一般会計で処理し、金利の低減を図り、一部こうした総合運動公園の用地とすべきではないかと思います。さらに、一連の土地価格の下落から見て、地価監視区域の大幅な解除をすべきであると思います。しかし、これはもう尾崎吉弘議員にお答えいただいておりますので、要望にかえたいと思います。一番しまいになると要望ばかりになりまして、大変難しゅうございます。
 今、まさに日米の厳しい経済問題がございます。そして包括協議も、自動車は物別れになりましたけれども、政府調達の保険分野と板ガラスで原則合意となりました。
 それよりも、我が国の中小企業にとって死活の重要問題、すなわち中国、ASEAN等からの輸入の増大でございます。昭和六十二年九月議会の私の最初の一般質問で、一ドル百四十五円となり、円高倒産、生産基地の中国、東南アジア等への進出で産業の空洞化現象が起こるであろうと指摘いたしたところであります。きょうは、一ドル九十九円八十銭でございます。百円に戻るんかどうか、大変難しい段階になっております。
 そこで、私どものパイル織物も極めて厳しい局面に追い込められていることは、知事さんもご承知のとおりでございます。最近、特に中国よりボア製品の動物玩具、シール生地、綿シーツ、綿両面毛布等の輸入が急速に増大し、その上、円高のためますます加速されつつあります。去る五月十六日、国会の岸本先生の議員会館を訪問し、MFA発動をルール化できないものか調査を依頼いたしましたところ、早速、担当課長に電話されました。翌十七日、通産大臣の諮問機関である繊維産業審議会が開催されるとのことでした。
 MFAとは多国間繊維取り決めであり、ウルグアイ・ラウンド新繊維協定に基づく繊維セーフガード、すなわち緊急輸入制限発動でございます。しかし、これも発動するまでにはいろんな実態調査が必要とされておりますが、商工労働部においてこれらをどこまで理解され、パイル織物等の輸入制限に対処していただけるのか、またその反面、中小企業新分野進出等にどのような指導と推進をされているのか、ご答弁をいただきたいのであります。
 なおまた、パイル織物、編み物産地の伊都、橋本地方の振興について、さらなるご支援をお願い申し上げる次第でございます。
 さて本定例議会に、仮谷知事のご英断とご高配により、高野口、九度山を結ぶ新農道の連結調査費を計上していただき、知事さん、まことにありがとうございました。
 これは、高野口町の広域農道と紀の川南岸で工事中の九度山町広域農道をドッキングさせる新アクセス道であります。これが実現すれば、紀の川河南一帯でとれる農産物等の京阪神方面への搬入が短縮され、紀北一帯での経済効果に多大に寄与するものと思います。地元では、去る七月二十五日、伊都管内広域農道アクセス道路建設促進協議会を設立いたしたところであります。また、多年の念願であった花園村のトンネル構想、高野町の梨子木トンネル等にも特段のご高配を賜り、心から感謝申し上げる次第であります。
 さらにまた、平成二年六月議会において満場一致で議決された議請第八十三号伊都地方に心身障害者更生施設の設置について、橋本、伊都地方の障害者父母の会等の要望にこたえ、かつらぎ町のご厚意により用地も確保いたしました。ぜひ新年度において対処していただくよう、門議員、平越議長、向井議員ともども衷心より知事にご要望申し上げる次第であります。
 また、本定例会に門議員と請願いたしております、かつらぎ町道折登堀越線の県道昇格についても、かたがたよろしくお願い申し上げまして、第一回の質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。
○議長(平越孝哉君) ただいまの阪部菊雄君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 企画部長宮市武彦君。
  〔宮市武彦君、登壇〕
○企画部長(宮市武彦君) 阪部議員にお答えいたします。
 コスモパーク加太に和歌山県総合運動公園を計画してはどうかというご質問でございます。
 尾崎要二議員の質問にもお答えいたしましたように、コスモパーク加太計画については非常に厳しい社会経済の状況下にあるわけでございまして、従来の民間主導型から行政主導で推進してまいらなければならないと考えてございます。ご提言の運動公園については、公共的利用の一つの案として検討してまいりたいと考えてございます。
○議長(平越孝哉君) 商工労働部長中山次郎君。
  〔中山次郎君、登壇〕
○商工労働部長(中山次郎君) パイル織り産地の振興策の、二点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、中国等の輸入増大にMFA発動可能かについてでございます。
 議員お話しのとおり、近年、中国を初めとするアジア諸国から繊維製品の輸入増加は著しく、内需に対する輸入品の比率が平成五年度で五○・八%にまで達し、伊都、橋本地域のパイル織物を初めとする繊維産業が極めて厳しい環境に置かれていることは承知いたしてございます。こうした状況下で、通商産業大臣の諮問機関である繊維産業審議会は、本年五月十七日にMFAに基づく緊急輸入制限措置についての取り扱いに関する提言をまとめてございます。その提言によると、輸入制限措置は国内産業の構造改善の時間的確保の手段として有効な場合に発動するものとし、発動に際しては政策的判断も加味して慎重に検討する必要があるとしてございます。これを受けて通商産業省においては、繊維業界の実態を調査する中で、現在、繊維セーフガード措置発動のための手続などを定める運用指針策定に取り組んでおります。年内にはまとまると聞いてございます。県といたしましても、今後とも国の動向を注意深く見守りながら、総合的な視野から検討し、慎重に対応してまいりたいと考えてございます。
 次に、中小企業新分野進出等の現状についてでございます。
 平成五年度より、県工業技術センターを支援機関といたしまして、伊都、橋本地域の企業集積の活性化等に取り組むとともに、本年度から新分野進出等の企業に対し支援を行ってございます。なお、伊都、橋本地域については三企業に支援を行うこととしてございます。厳しい環境下にはございますが、今後とも一層繊維産業振興に努めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(平越孝哉君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平越孝哉君) 以上で、阪部菊雄君の質問が終了いたしました。
○議長(平越孝哉君) お諮りいたします。質疑及び一般質問は、以上をもって終結することにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平越孝哉君) ご異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問はこれをもって終結いたします。
○議長(平越孝哉君) この際、お諮りいたします。議案第百十七号から議案第百十九号までの人事案件については、委員会付託等を省略し、本日直ちに採決いたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平越孝哉君) ご異議なしと認めます。よって、以上の人事案件については、委員会の付託等を省略し、これより直ちに採決することに決定いたしました。
○議長(平越孝哉君) 本案について質疑はございませんか。──質疑なしと認めます。
○議長(平越孝哉君) これより採決に入ります。
 この際、申し上げます。
 公安委員会の委員及び教育委員会の委員に係る議案については、順次、無記名投票をもって採決を行い、その後、収用委員会の委員に係る議案については、起立により採決を行うことといたします。
○議長(平越孝哉君) まず、議案第百十七号和歌山県公安委員会委員の任命につき同意を求めるについてを採決いたします。
 この採決は、無記名投票をもって行います。
 議場を閉鎖いたします。
  〔議場閉鎖〕
○議長(平越孝哉君) ただいまの出席議員数は、議長を除き三十九人であります。
 投票用紙を配付いたします。
  〔投票用紙配付〕
○議長(平越孝哉君) 配付漏れはありませんか。──配付漏れなしと認めます。
 投票箱を改めます。
  〔投票箱点検〕
○議長(平越孝哉君) 異状なしと認めます。
 念のため申し上げます。投票は無記名であります。投票用紙に、本県公安委員会の委員に西本貫一君を任命することについて同意することに賛成の諸君は「賛成」と、反対の諸君は「反対」と記載の上、点呼に応じて順次投票を願います。
 点呼いたします。
  〔氏名点呼〕
  〔各員投票〕
○議長(平越孝哉君) 投票漏れはありませんか。──投票漏れなしと認めます。
 投票を終了いたします。
 議場の閉鎖を解きます。
  〔議場開鎖〕
○議長(平越孝哉君) お諮りいたします。立会人に、2番吉井和視君、10番佐田頴一君、38番大江康弘君、44番新田和弘君の四君を指名いたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平越孝哉君) ご異議なしと認めます。よって、立会人に以上の四君を指名いたします。
 なお、この際、白票を無効といたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平越孝哉君) ご異議なしと認めます。よって、白票は無効とすることに決定いたしました。
 これより開票を行います。
 立会人の立ち会いをお願いいたします。
  〔投票点検〕
○議長(平越孝哉君) 先ほど、出席議員数は議長を除き三十九人と申し上げましたが、四十人でありますので訂正をいたします。ご了承をお願いいたします。
○議長(平越孝哉君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数 四十票
 うち有効投票 三十八票
 無効投票 二票
  有効投票中
 賛  成 三十八票
 以上のとおり、賛成多数であります。よって、議案第百十七号和歌山県公安委員会の委員に西本貫一君を任命するにつき同意を求めるの件は、これに同意することに決定いたしました。
○議長(平越孝哉君) 次に、議案第百十八号和歌山県教育委員会の委員の任命につき同意を求めるについてを採決いたします。
 この採決も、無記名投票をもって行います。
 議場を閉鎖いたします。
  〔議場閉鎖〕
○議長(平越孝哉君) ただいまの出席議員数は、議長を除き四十一人であります。
 投票用紙を配付いたします。
  〔投票用紙配付〕
○議長(平越孝哉君) 配付漏れはありませんか。──配付漏れなしと認めます。
 投票箱を改めます。
  〔投票箱点検〕
○議長(平越孝哉君) 異状なしと認めます。
 念のため申し上げます。投票は無記名であります。投票用紙に、本県教育委員会の委員に吉田裕君を任命することについて同意することに賛成の諸君は「賛成」と、反対の諸君は「反対」と記載の上、点呼に応じて順次投票を願います。
 点呼いたします。
  〔氏名点呼〕
  〔各員投票〕
○議長(平越孝哉君) 投票漏れはありませんか。──投票漏れなしと認めます。
 投票を終了いたします。
 議場の閉鎖を解きます。
  〔議場開鎖〕
○議長(平越孝哉君) お諮りいたします。立会人に、2番吉井和視君、10番佐田頴一君、38番大江康弘君、44番新田和弘君の四君を指名いたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平越孝哉君) ご異議なしと認めます。よって、立会人に以上の四君を指名いたします。
 なお、この際、白票を無効といたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平越孝哉君) ご異議なしと認めます。よって、白票は無効とすることに決定いたしました。
 これより開票を行います。
 立会人の立ち会いをお願いいたします。
  〔投票点検〕
○議長(平越孝哉君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数 四十一票
 うち有効投票 三十九票
 無効投票 二票
  有効投票中
 賛  成 三十九票
 以上のとおり、賛成多数であります。よって、議案第百十八号和歌山県教育委員会の委員に吉田裕君を任命するにつき同意を求めるの件は、これに同意することに決定いたしました。
○議長(平越孝哉君) 次に、議案第百十九号を採決いたします。
 本県収用委員会の委員に山中静君を任命するにつき、これに同意することに賛成の諸君はご起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(平越孝哉君) 起立多数であります。よって、議案第百十九号和歌山県収用委員会の委員に山中静君を任命するにつき同意を求めるの件は、これに同意することに決定いたしました。
○議長(平越孝哉君) 次に、議題となった全案件のうち、ただいま議決いたしました議案第百十七号から議案第百十九号まで、及び議案第百十六号平成五年度和歌山県公営企業決算の認定についてを除くその他の案件は、お手元に配付しております議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会にこれを付託いたします。
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○議長(平越孝哉君) 次に日程第四、請願の付託について申し上げます。
 今期定例会の請願については、お手元に配付しております請願文書表のとおり、それぞれ所管の常任委員会にこれを付託いたします。
○議長(平越孝哉君) 次に、お諮りいたします。十月十一日及び十二日は、各常任委員会審査のため休会といたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平越孝哉君) ご異議なしと認めます。よって、十月十一日及び十二日は休会とすることに決定いたしました。
○議長(平越孝哉君) この際、各常任委員会の会場をお知らせいたします。
 職員からこれを申し上げます。
  〔職員朗読〕
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  総務委員会 第一委員会室  
  厚生委員会 第二委員会室  
  経済警察委員会  第三委員会室  
  農林水産委員会  第四委員会室  
  建設委員会 第五委員会室  
  文教委員会 第六委員会室  
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○議長(平越孝哉君) 次会は、十月十三日再開いたします。
○議長(平越孝哉君) 本日は、これをもって散会いたします。
  午後一時五十分散会

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