平成6年9月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(佐田頴一議員の質疑及び一般質問)
県議会の活動
○副議長(富田 豊君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
10番佐田頴一君。
〔佐田頴一君、登壇〕(拍手)
○佐田頴一君 ただいま議長よりお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。ふなれな上、言葉足らずの点も多々あると思いますが、知事及び県当局の皆さんの率直なご答弁をいただけるものと期待していますので、よろしくお願いをいたします。それでは、質問に入らせていただきます。
まず最初に、リゾート博の跡地利用計画と和泉葛城山系のリゾート開発についてであります。
仮谷知事は初春の記者会見で、ことしは世界リゾート博と関西国際空港の二つの翼が羽ばたく年であることを強調されました。七月十六日に開幕した世界リゾート博は、予想をはるかに上回る人気で、当初予想されていた入場者数百五十万人が二百九十八万人の大台に乗り、入場者の好調な伸びで、訪れた多くの人々が海と自然との触れ合いの中でよい思い出を残し、新たな出会いや交流が生まれたことと思います。知事を初め多くの関係者の努力のたまもので、明るい希望に満ちた和歌山県づくりの第一歩が船出できたことは大変うれしく思います。無限の可能性を秘めた和歌山県のすばらしさを、この博覧会を通じ国内外にアピールできたことは大変意義があったことと思われます。ご苦労さまでした。
しかし、今後は閉幕後の跡地利用の問題について特に関心を持たざるを得ません。
そこでまず第一に、マリーナシティの計画では、その跡地にヨットハーバー、リゾートホテル、マンションなどが建設されると聞いているが、バブルの崩壊もあり跡地利用が計画的に推進されないのではないかと心配しております。今後の跡地利用計画について詳細に説明してほしいと思いますが、既に各議員より質問があり回答がなされていますので答弁は結構ですけれども、その目標に向かって早期にこれらの施設を整備し、国際的なリゾート都市としての和歌山マリーナシティの完成を図られるよう頑張ってほしいと思います。
第二に、和歌山県には海、山、川のすばらしい豊かな自然がまだまだ残っています。世界リゾート博の成功は、みんなが力を合わせ団結さえすれば、いかなる大事業でもなし遂げられるという自信を植えつけました。和歌山県の活性化、和歌山県を変えるときは今しかありません。
そこで、次の目標課題としてのリゾート開発は、ぜひとも紀の川地域の山間地の葛城山系内に計画し、推進してほしいものです。ここは、大阪泉南、泉北地方から近く、大阪市内から一時間以内で山頂まで来られるという非常に交通の便利のよいところであります。最近、粉河町ではハイランドパークを、県においては紀泉高原スカイラインを完成し、祝祭日など大勢の人たちでにぎわっているところであり、国と大阪府で国定公園化の話も進められています。大都市に近く、少し道路を整備すれば短時間で登れ、雄大な紀の川を見おろせ、関西空港も目の下に、大阪、神戸の夜景を楽しみ、遠く淡路島、四国の山々を眺められる、この葛城山系の景勝地を利用せずに放置する方はなく、我が和歌山県にとって大阪に最も近い数少ない場所として最後の宝物となる開発地域であると考えられます。大阪側の北斜面はブナ林や森林のまま自然公園として残し、太陽のよく当たる和歌山側の南斜面はリゾート地域として開発するものです。自然を取り入れた神戸、六甲山地域のような第二の六甲山の町を葛城山系につくっていただきたいのです。岩出町は泉南市に、打田町は泉佐野市に、粉河町は貝塚市に、那賀町は岸和田市に、かつらぎ町は和泉市に、高野口町、橋本市は河内長野市に府県境で結ばれています。阪和協調の大事業はこれしかないと考えますが、和歌山県の考えを聞かせてほしいと思います。
かつて大橋知事がこの地に学園都市構想を取り上げたことがありますが、結果的には京都、大阪、奈良県にまたがる千五百ヘクタールの、既に四万人が住む二十一世紀の未来都市、現在の関西文化学術研究都市に行ってしまった経過があります。和歌山県が二十一世紀に生き残る道として選択したリゾート立県については、バブルの崩壊や社会経済情勢の変化があるとはいえ、基本的にはこの路線を維持していくため、新空港が開港したこの機会に再度葛城山系を取り上げ、国の開発公団などに働きかけて、和歌山県活性化のため二十一世紀に羽ばたく新しい町づくりに挑戦するつもりはないかどうか、企画部長にお尋ねいたします。
次に、関西新空港開港に伴う受け皿対策についてであります。
関空から世界へと、九月四日午前零時、関西国際空港が開港しました。国内初の二十四時間空港となる世界で初めての本格的海上空港で、昭和五十三年五月、新東京国際空港の成田から十六年ぶりであり、構想から二十五年、泉州沖埋め立てから七年余り、一兆五千億の巨費を投じ、規模、能力とも成田空港と肩を並べるこの空港は、国際線で週三百四十便、国内便で一日六十七便就航する西の玄関口の誕生となります。アジアのハブ空港として人や物や情報の流れを変え、東京一極集中からの脱却の転機となるばかりか、この公害のないすばらしい空港の開港は、和歌山県に間違いなく新しい時代の幕あけと新たな飛躍の機会を与えて、和歌山と世界を結ぶ新しい窓口となり、経済、文化に新鮮なインパクトを与え、国際化への第一歩を踏み出すことになりました。しかし、空港は開港されても、手をこまねているだけでは繁栄と発展を呼び込むことはできません。特に、紀泉葛城山脈を背にした和歌山県側では手放しで喜んでいる状態ではないような気がします。
開港日に「新時代、喜べぬ地元」というタイトルで泉南地方の様子が出ておりましたが、開港日を祝う垂れ幕や看板すら見られず、泉佐野市では、空港利用者はただ通過するだけ、繁栄するのは大企業の進出している空港島の商店街だけと、何の祝賀行事もしないまま冷ややかな空気で迎えています。空港建設の始まった七年前、地元の将来にバラ色の夢を描いていた。人口が急増し、外国人客も町の中を行き交い、商店街は活性化するはずだったが期待は全く裏切られたと言われ、空港へのアクセスは大阪市内と電車で直結し、地元タクシーの利用者はほとんどなく、市の中心地に計画されたホテルや百貨店の建設は中止、開港を当て込んだ工業団地は閑散としたままであり、人出も空港島の新しい職場に奪われて苦労するばかり、この結果、喜べぬ地元となっております。
まして、和歌山県への影響はどうなっているのだろうか。泉南との比較は、私の勉強不足かもしれませんが、日本航空の宿舎以外、具体的な事業は未整備のまま放置され、新空港に伴う受け皿対策についての方策は示されていないと考えます。
そこでまず第一に、関空開港により和歌山県はどう変わったのか、またこれからどう変わろうとしているのかという点であります。和歌山県に最大の経済的発展が見込まれると言われてきました。その要因については、観光客の増加、新しい産業や企業の進出、雇用の増加、関連交通網の整備が進められ、新空港効果による和歌山県発展の起爆剤となるためのもろもろの計画が準備されていたことと思うが、県の積極的な対応の中身を知りたいと思います。
第二に、「関空に巨大な胃袋誕生、農業にもチャンス」と、近畿農業情報をまとめて近畿農政局が提言しています。すなわち、関西空港は近畿農業にとってビッグビジネスのチャンスとして定め、同空港の利用者は年間約六千八百五十万人と予想、この巨大な胃袋を当て込んだ外食産業は地場の新鮮な野菜を求めており、供給ルートの確立が産地の振興につながると分析している。外食の中心となる機内食は、現在大阪空港で一日約一万二千食であるが、関西空港では二万ないし三万五千食と試算している。さらに、ターミナルビルには約三十店の外食産業が進出しており、外食の需要は大阪空港を大きく上回ることは間違いないと言われています。また、空港周辺に必要な花木の需要もあり、農政局は、今後は野菜を中心に産地体制を整備するとともに、販売ルートの確立に向けた取り組みが重要と結論づけています。二年前までは盛んに臨空農業のPRを聞いたが、飛行機が飛び立つ今になって何の音さたも聞けないのが残念であります。和歌山県の臨空農業への取り組みについて、将来のことも含めてその対策を聞かせてほしいと思います。
次に、農業問題について質問したいと思います。
今、農業を取り巻く環境は非常に厳しい状況にあります。昨年は、長雨・低温による果実、米の凶作から、今年は一転して暑い夏、中山間地の水稲や果実を中心とした農作物の干ばつ被害で、昨年に引き続き農家に大きな打撃を与えています。今は、二十一世紀に向けて、より収益性の高い農業を実現していくための農業の実態に見合う農業政策がなく、農家の不安は払拭されていないし、農業の将来について悲観的な見通しが多い中、希望が持てる農業の具体的な施策を展開してほしいと希望している農家が多いのであります。
我が和歌山県においても、農業立県として進むためには、今ほど農業問題に関心を持ち、農業の健全な育成のための施策を講じなければならない時期はないと思えてなりません。農業が国境のない輸入自由化の国際社会の中でどう生き延びていくのか、試練のときが到来しているのであります。現在、優良農地は都市化による虫食い侵食、労働力不足による裏作の放棄、担い手がないための耕作地の放棄、コスト高の不採算農作物の増加、兼業化、農道や池の荒廃、高齢化、後継者の不在、混住化による用水路と排水路の問題などいろいろな問題点が起きていますし、その解消の方法さえも立っていないのが現状であります。温暖な気候や京阪神の大都市圏に隣接した地の利を考え合わせれば、農作物の供給基地としての位置づけは一層高まると予想されますが、農業県として二十一世紀に向かうためには、よほど力を入れなければ農業に安らぎと潤いのある農山村を構築していくことは大変難しく、それゆえに我々に課せられた責務もまた重大であります。
特に私の住む紀の川流域は、県下最大の農業地帯であるとともに、都市化、混住化が急速に進展している地域であり、今後、豊かな実りと活力あふるる農村像をどう構築していくのか、大きな課題であります。
そこでまず、二十一世紀に向けて魅力ある農業の実現を図るための第一点として、紀北地域の特性を生かした収益性の高い農業の実現にどう取り組んで指導しているのかということであります。関西国際空港の開港など、新しい需要動向に向けた施設園芸タウンづくりを進めると聞いたが現在どうなっているのか、お伺いいたしたい。
果樹では、桃、柿などのハウス栽培、野菜では裏作野菜と組み合わせたトマトやミツバなどの軟弱野菜の栽培、イチゴの低温処理早出し栽培など、花ではバラ栽培、果実はミカンやハッサクから柿、桃への転換が急激に進められたが、高収益農業に転じられたのかどうか、収益面において農家の経営改善に大きく寄与しているのかどうか、お聞きしたいと思います。
第二点として、あすの農業を担う人材の育成と後継者問題についてであります。
農業から若者が流出し続けているのは、その労働の割に低収入の農業に問題があり、農家及び農業の後継者を見出すことが難しいのは、割の合わない農業につかず、農家の娘さんは農家に嫁がないし、子供は、少子化時代、教育は大学まで進み、どうしても農業に戻らないのが現況であります。しかし、農業は続けていかなければなりません。
国は、よく農業後継者と中核農業者の育成確保や新規参入者の就農の促進を図るための支援強化対策を推進すると言うが、どんな対策があるのか、その中身をまず聞きたい。
今、那賀郡内で農業を担っている人は六十歳以上の人が大半で、平成二年の調査では、那賀郡で六十歳以上は四八%、五十歳から五十九歳は二二%、四十歳から四十九歳は一四%、十六歳から三十九歳は一六%で、実に五十歳以上の占める割合は七○%にも達しています。十年後、二十年後の担い手をどうするのか、後継者や担い手の育成に対する県の支援対策をお伺いしたい。
既に他府県では、地域農業の発展の指導的役割を果たす後継者を育成するための農業後継者育成の基金制度などを創設しています。他府県の実施内容と和歌山県の創設に対する考え方を説明してほしいと思います。
第三点として、加工原料用温州ミカンの価格安定対策の果汁価格の補てんについてであります。
昭和六十三年特別対策事業として、キロ当たり三十八円を最高に、毎年段階的に引き下げられ、平成七年度でその補てんが終了し、平成八年度の目標取引価格はキロ当たり十四円七十銭に近づけ、平成八年度以降については一般対策事業の通常補てんのみのキロ当たり八円四十銭だけとなります。今後の価格設定と県独自の加工原料に対する補てんについて、その考えをお聞きしたい。特に、本年は雨が少ないため小粒のミカンが多く、ジュース用ミカンが多量となると予想されるが、購入数量の制限についてもお教え願いたい。
第四点として、猛暑と水不足による農作物の干ばつ被害については、村岡議員と重複いたしますが、私からも質問していきたいと思います。
農作物の干ばつ被害が、九月八日までに全国で七百四十億円に上り、西日本を中心に水稲、果実、野菜など多くに発生していると農林水産省が発表されたが、今夏の降雨状況は梅雨期だけを比較しても、平年の降雨量三百三十五ミリに対し本年は八十ミリであり、平年比二四%という状況で、和歌山地方気象台観測史上始まって以来の事態となっています。和歌山県も渇水対策本部を設置し、広域的な利水調整を初め、農業用水と工業用水の取水制限を行い、上水道の給水も節水に対する取り組みが行われましたが、かんきつ産地の多くは中山間地域に展開しているため全く降雨はなく、水をポリタンクで運び、散水する程度しかできなかったのが現況であり、その結果、米、ミカン、ブドウ、野菜などが枯死したり、実が落ちたり、商品として販売できない商品価値のない農作物が続出しました。九月二十二日現在、県では、柿、ミカンを中心に七十二億一千万円の被害と発表したが実害はもっと多く、私の那賀町でも六億円、和歌山県下で百億円以上の損害をこうむったのではないかと言われています。
そこでお尋ねいたしますが、これらの農産物被害に対する助成について本県はどう考えているのか、お伺いしたい。既に他府県では、九月の一般会計補正予算に盛り込まれたところもあるが、その助成の中身についてもお聞かせいただきたい。
一、天災融資法の適用を受けられるよう、国庫補助の採択、激甚地指定を国に働きかけてほしい。
二、ポリタンクやポンプなどの給水用資材の購入費の補助。
三、枯れ木や葉焼けが目立つ果樹園での植えかえ補助。
四、給水車両への燃料費の補助。
五、野菜の生育不良、品質低下、果樹の落下、果実肥大不良による通常価格の大幅下落による農家経済を救済する借入金の利子補給について。
特に、これらに対し補助金を早急に検討していただき、農家に力づけをしてやってほしいものです。
第五点として、紀の川左岸・那賀地区の広域農道新規計画についてお尋ねします。
紀の川北岸丘陵地帯を通る橋本市─岩出町間の紀の川広域農道は、知事初め県当局の格別のご高配と指導のもとに、多年の懸案であった道路が完成し、農業振興や地域の振興に、あるいは国道二十四号線のバイパスとして多面的な役割を果たしています。
しかし一方、紀の川南岸は北岸に比べ基盤整備が立ちおくれ、農業面では龍門山を中心に開かれた広大な農地に東西に通ずる道路がなく、営農や集荷前に大変困難を来し、地域の発展をも停滞させているのが現状であります。平成二年七月、今から四年前に紀の川左岸にも大型農道をと、私の町長時代、那賀郡町村会で陳情を申し上げたことがありますが、まだ採択までこぎつけていないのが現況であります。前にも申し上げたとおり、農業も二十一世紀を目前に多様化と競争と変革が求められている中で、那賀地方の基幹産業である農業のなお一層の発展を図るためにも、紀の川南北両岸のバランスのとれた農業基盤整備を行うことが地域農業の躍進を目指す上でも重要であり、緊急な課題でもあります。
幸い、伊都郡内では紀の川左岸広域農道の事業が始まり、二工区に分かれて採択され、既に工事が着工されております。このままでは伊都郡内の工区のみで終了してしまうおそれがあると懸念していますので、ぜひ那賀郡まで早急に延長できるように計画を進めていただき、平成七年度には事業の採択だけでもいただけるよう強く国に働きかけてほしいと思いますが、県の見通しをお聞かせください。
以上五点、農林水産部長にお尋ねいたします。
次に高齢者対策について、知事及び民生部長にお尋ねいたします。 我が国は人生八十年の長寿社会が到来し、人口の高齢化が急速に進んでいます。六十五歳以上の人口は、平成五年度で総人口に対し一三・五%、平成三十二年には二五・五%の超高齢者社会になると言われているが、和歌山県の高齢者人口比率は全国平均を大きく上回り、平成十二年度には六十五歳以上の人口は二○%を超えると予想され、全国平均より十年先行していると聞かされています。このため県は、全国に先駆けて平成四年、県の指導により県下市町村に対し福祉計画を作成させ、その目標を積み上げて和歌山県老人保健福祉計画を平成五年五月に策定されました。この保健福祉計画の内容は、いつでも、どこでも、だれでも気軽に必要なサービスを受けられるようなシステムの構築を目指したものであり、家事や介護をするホームヘルパー、要介護のお年寄りに入浴や昼食や趣味を楽しんでもらうデイサービスセンター、短期間施設で預かって家族を疲れから解放するショートステイ、さらには在宅介護支援センター、特別養護老人ホーム、ケアハウス、老人保健施設、高齢者生活福祉センターなど、広範囲に及んでいます。市町村は、この目標達成のためその具体的実施に向かって全力を挙げて取り組んでいますが、県としても県民みんなが長寿を喜び合える喜の国いきいき長寿社会を実現するために、在宅福祉サービスの充実や計画的な施設整備などの実現に取り組んでいかれることが最大の課題であると考えます。そこで、お尋ねします。
第一に、高齢者保健福祉推進十か年戦略(ゴールドプラン)を十年間にわたり年次別に計画実施していくためには、今の市町村では大変な事業であります。まず財政負担をどうするのか、これを実施するための人材の確保、さらに実施体制の充実など、多くの課題解決に頭を抱えています。今後、県下市町村に対し、高齢者対策の窓口の一元化や福祉事務所と保健所を統合した総合保健福祉センターのような機構改革、市町村への財政援助も含めてどのように指導していくつもりなのか、お伺いしたいと思います。
第二に、厚生省が在宅三本柱と呼んでいるホームヘルパー、デイサービス、ショートステイ、この三つのサービスの総量を受け手の高齢者百人当たりに換算して計算したところ、都道府県別では大きな差があり、よい県では鹿児島県が第一位で、宮崎、長崎、青森、熊本、岩手と続いている。反対にだめな県は、下から埼玉、栃木、茨城、千葉、静岡、大阪の順になっています。最低の埼玉県のお年寄りが受けるサービスは、鹿児島県の四分の一にすぎないことになります。和歌山県の福祉の内容はどの程度に位置しているのか、お伺いしたいと思います。
第三に、私たちの家族が今住んでいる町で安心して年をとれるだろうか。各市町村で描いた未来への福祉計画を見て、余りにも格差があるのに驚く。そして、この計画のでき、ふできと予算のつけ方で住民の老後は天国にも地獄にもなると言われています。介護が必要な身になったとき、家族に犠牲を強いることなく自宅で暮らし続けられる計画になっているのだろうか。じっくり確かめ、単なる市町村の積み上げでなく、不安な計画があるなら市町村に対し再検討を指導してほしいと思います。県と県、町村と町村が切磋琢磨し合い、お互いに学び合って格差の生じないよう、どの市町村に行っても同じサービスが受けられるような体制づくりを指導してほしいものです。県当局のご所見をお伺いします。
次に、障害者福祉施策についてお聞きします。
昭和五十六年の国際障害者年とそれに続く国連・障害者の十年は、障害者自身の自立への努力と国及び県の福祉施策の充実と相まって、障害者にとって住みよい町づくりが着実に前進していることは、まことに喜びにたえないところであります。国においては、平成五年十二月、従前の心身障害者対策基本法が装いを新たにした障害者基本法となり、障害者の基本理念や施策の基本方針が明らかにされており、また昨年二月には障害者に係る新長期計画が策定され、障害者福祉施策の充実を図ろうとしております。また一方、県においても本年三月、今後十年間の施策を目途とした紀の国障害者プランが策定され、今後はこの計画をもとにして障害者福祉施策の充実を図ろうとしております。
こうした国及び県の取り組みに対し障害者は、安心して生活できる福祉社会の実現が大きく前進するものと熱い期待を持っているものと思います。政治のかなめは民生の安定にあることは論をまたないところでありますが、紀の国障害者プランは、まさに障害者の生活安定を目指すものとして大きく評価できるものと思います。障害者の福祉施策は、紀の国障害者プランで示されるとおり多岐にわたりますが、要はこのプランを着実に、かつ効果的に実行することがこの計画を策定した県の大きな責任であると思いますので、次の事項についてお尋ねをいたします。
一、紀の国障害者プランの実現に向けての県の決意。
二、紀の国障害者プランは、やや具体的計画に欠けていると思うが、実施段階において年次別あるいは前期、後期に分けて具体的計画を立て実施していくことを考えておられるかどうか。
三、障害者の社会的参加の大きな隘路の一つは、道路、建物、交通等、物理的な障壁によって行動の自由が制限されていることであるが、こうしたことを解消するために条例等を制定し、積極的に施策を推進する考えはないかどうか。
四、障害者行政は、民生部だけでなく総合行政として実施していくことが肝要であると思う。部局によってはそうしたことを十分理解していただいているか、また今後さらに職員研修等を強化し、理解を深めていく必要がないかどうかであります。
最後に、道路問題について一つだけ要望しておきたいと思います。
前回、粉河町の中心地から鞆淵地区へのトンネル構想をお願いしたが、余りよい返事をいただけなかったような気がします。そこでこの考えをさらに延長し、那賀郡、海草郡、伊都郡、すなわち三郡を通る、粉河、鞆淵、毛原、長谷宮、花園村、高野、龍神に通ずる道路の新設改良をぜひ新たに計画していただきたいということであります。
完成すると、自動車で花園村から粉河町まで三十分、粉河町から関空まで三十分、大阪市まで一時間三十分、南へは龍神スカイラインに直結し、紀中、紀南へと延びる奥地開発についても大変重要な道路となると思います。この考えによって、既に地元の三地区ではこの運動を今急速に進められていますが、今後の見通しや進め方について県の考え方をお教えいただきたいと思います。
また、この道路をいち早く完成さすためには、老朽化した竜門橋の取りかえがまず第一の課題であると考えます。紀の川を渡る橋で、和歌山市から橋本市までの紀北地区において一番狭く古いのは竜門橋であります。隣の那賀町でも打田町でも知事さんの努力により立派な橋がかけられ、地域の皆さんが大変喜んでおりますが、どういうわけかこの竜門橋だけが取り残されているような気がします。地元粉河町竜門地区でも大変不思議がっています。私の知る限りでは、既に県が何度か現地入りして現況を視察していると聞いているが、何とか早く新橋に取りかえられないものか、土木部長にお尋ねいたします。
以上が私の一般質問の内容でありますが、県民に直接報告できるようなすばらしいお返事をお聞かせいただきたいと思います。ご清聴ありがとうございました。
○副議長(富田 豊君) ただいまの佐田頴一君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事仮谷志良君。
〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 佐田議員にお答え申し上げます。
高齢者対策、障害者福祉対策についてでございます。
私は、県政の最重要事項として福祉行政を進めておるわけでございます。本県は福祉予算が全国の中でも上位にあることを誇りに思っておるわけでございます。人生八十年時代を迎えて、今日の我が国の繁栄に貢献されてきた高齢者の皆さんが本当に長生きしてよかったと思える社会づくりをすることが最も大切なことだと考えておるわけでございます。こうしたことから県においては、話ございましたように、平成五年五月に和歌山県老人保健福祉計画を策定いたしました。
重点的に申しますと、特別養護老人ホーム等の施設の整備、在宅福祉対策、生きがい対策、医療、年金対策などがあるわけでございます。在宅福祉で申し上げますと、ホームヘルパーを例にとれば、昭和六十三年時点で百九十四人だったものが平成六年三月現在では六百六十一人に、デイサービスセンターについては、三カ所だったものが四十五カ所に、特別養護老人ホームについても、千九百九十五床だったものが二千六百七十五床にまで充実してまいったわけでございます。しかし、依然として現在のサービス水準と二○○○年の目標にはまだ大きな開きがあるわけでございます。これを完成させるのは、市町村ともども大変なことでございます。財源的にも非常に厳しいわけでございます。だから、十分連携をとりながら、県民の皆さんが満足できる福祉社会の実現に向けて着実に取り組んでまいる所存でございます。村岡議員から話のございました医療費の給食費の負担についても、福祉社会を建設するために、またいろいろな在宅福祉をなお一層進めるために検討された結果でもございます。
次に、障害者福祉対策についてでございます。
国連・障害者の十年を契機に積極的な取り組みの結果、在宅対策の充実を初め、社会参加の促進や障害者施設の整備、及び養護学校三校の新設など、各分野において着実な成果を上げてきたところでございます。なお、今年度は全国で初めての精神障害者福祉工場の建設や重度障害者雇用企業の設立、及び授産施設の整備に着手しているところでございます。
本年三月に策定した紀の国障害者プランは、これまでの成果を踏まえて二十一世紀に向けて完全参加と平等を目標に、平成六年度から十年間にわたる障害者対策の推進方向を明らかにしたものでございます。今後、このプランに基づいて市町村等と緊密な連携をとりながら、福祉、保健、医療、教育、雇用、生活環境等、総合的かつ体系的な施策の推進に取り組むことによって、障害を持つ方々にとって住みよい社会づくりに邁進していきたい決意でございます。
他の問題は、部長から答弁いたします。
○副議長(富田 豊君) 企画部長宮市武彦君。
〔宮市武彦君、登壇〕
○企画部長(宮市武彦君) 佐田議員にお答えいたします。
和泉葛城山系のリゾート開発についてでございます。
紀の川を中心に東西に延びる紀泉山脈及び龍門山系に囲まれた紀の川流域は、恵まれた自然資源を有し、加えて九月四日に関西国際空港が開港されるなど、その開発ポテンシャルが飛躍的に向上してございます。このため現在、紀の川臨空都市圏整備構想策定事業として、そのリゾート的環境の中に配置すべき機能や開発可能地などを市町村とともに調査いたしてございます。有識者から成る策定委員会に国や公団の参画も得てございますので、議員ご指摘の件についてもその中で検討してまいりたいと考えてございます。
また、大阪府と共同で設置している紀泉地域総合整備推進委員会において共同プロジェクトの研究をしてございます。山系の活用や都市近郊型リゾート整備も含めた整備のあり方などについても検討しているところでございます。この場においても研究してまいりたいと存じます。
以上でございます。
○副議長(富田 豊君) 商工労働部長中山次郎君。
〔中山次郎君、登壇〕
○商工労働部長(中山次郎君) 関西国際空港開港後の和歌山県側の受け皿の対応についての、企業誘致、雇用、観光対策についてお答え申し上げます。
まず、企業誘致についてでございます。
県勢の活性化と雇用の確保を図るため、関西国際空港関連地域整備計画のプロジェクトの一つである紀の川テクノバレー計画において、那賀郡を中心に北勢田を初め工業団地を造成し、また頭脳立地構想に基づいて海南インテリジェントパークを形成するなどして、電気機械、精密機械等の加工組み立て型産業、研究施設及び技術開発型の企業誘致を推進しているところでございます。誘致企業としては、二十五社が進出を決定し、九百五十名の雇用を見てございます。なお、関西国際空港の開港により、今後、空港との利便性、国際化が一層推進するものと思われますので、空港を生かした先端技術産業や研究所等の誘致に向け、関係市町、関係機関とともにさらに努力を行ってまいります。
また雇用対策については、地元労働力の県外流出を防ぎ、地元定着を主眼にしたきのくに人材Uターンフェアや合同就職面接会等を開催し、関係企業が優秀な人材を確保できるように努めてまいります。
次に、観光面についてでございます。
関西国際空港の開港に向けて、従前より国内外での観光展やキャンペーン等を行ってまいりました。開港に当たっては、空港内に観光案内所を設置したり、英語、中国語等の四カ国語で日帰りコースや一泊二日コース等を紹介したパンフレットの作成、配布をし、国内観光客や外国人観光客の誘客に努めてまいっているところでございます。また、世界リゾート博によって関西国際空港と本県が非常に近いことや、自然がすばらしいことが県外から改めて認識されたこともあり、空港見学とリゾート博をパックにした旅行や空港から紀の川筋を経由して高野山に至る団体旅行等の実績もございますので、例えば、空港に近い利点を生かせる紀伊風土記の丘や根来寺、粉河寺など、歴史を味わえるところへの入り込みの増大にも期待を寄せているところでございます。今後も、観光客の動向等に留意しながら、空港で結ばれる国内外へのPR等に力を入れてまいりたいと存じます。
以上でございます。
○副議長(富田 豊君) 農林水産部長野見典展君。
〔野見典展君、登壇〕
○農林水産部長(野見典展君) 佐田議員にお答えをいたします。
関西国際空港開港に伴う受け皿対策についてのご質問のうち、臨空農業と機内食供給の推進についてでございます。
関西国際空港の開港に伴い、空港島や周辺地域への農産物の需要の増加に対応するため、これまで紀の川流域を中心に産地の育成と販路の開拓に取り組んできたところでございます。
その結果、県産農産物については、県農協連合会と和歌山市内の卸売会社が一体となり、機内食会社など三社に対し、既に野菜などの食材が供給されてございます。また県産ジュースについては、関空に新規参入の機内食会社二社を通じ、七航空会社にそれぞれ供給を開始してございます。また県産緑化木の供給については、空港島や周辺地域に対し、既にウバメガシやサザンカ等がこれまでに十一万五千本納入されてございまして、さらに新規受注に向けた交渉を継続してございます。一方、県産物のPRと新たな販路開拓を図るため、空港ターミナルビル内に和歌山県特産品コーナーを開設し、営業を始めてございます。今後とも、関係団体との連携を密にしながら、供給量の拡大や新たな販売ルートの開拓に努めてまいる所存でございます。
次に、農業問題五点のご質問にお答えをいたします。
まず、収益性の高い農業の推進内容についてでございます。
紀北地域を関空開港に伴う農産物需要の増加や泉南地域にかわる生鮮農産物の供給基地として位置づけ、高収益農業を目指し、生産者、関係団体等が一体となり、各種補助事業や制度資金を活用し、施設園芸タウンづくりの推進を図ってきたところでございます。その結果、百二十ヘクタールの計画に対し、平成六年九月現在で八一%に相当する九十七ヘクタールの施設化が図られており、果樹では柿、桃のハウス栽培、野菜ではトマトの養液栽培やミツバ、ホウレンソウの周年栽培、花卉ではバラ、カーネーションの高級切り花栽培等の高収益農業が展開され、経営の改善に寄与しているものと考えてございます。
次に、あすの農業を担う人材の育成と後継者問題についてでございます。
まず、お尋ねの国の支援対策についてでございますが、農林水産省農業者大学校の実践教育や都道府県が実施する事業への助成措置など既存の対策に加え、中核農業者に焦点を当てた支援対策として、長期で低利の融資制度が本年度から新たに創設されてございます。また県の施策としては、若者が意欲を持って農業に取り組めるよう、一つ目として、学校教育との連携による就農相談活動、二つ目として、高校生を対象にした農業大学校での体験学習、三つ目として、新規就農者に対する青年農業大学講座の開催、四つ目として、都市と農村の青年によるふれ愛ファーマーズの開催などの環境づくりや、経営開始のための農業改良資金の貸し付け等の支援対策を実施してございます。
なお、議員お話しの後継者育成のための基金については、国の動向や他府県の実施事例をも参考にしながら検討してまいりたいと考えてございます。
次に、加工原料用温州ミカンの価格補てんについてでございます。
オレンジ果汁の輸入自由化対策として、国、県の補助のもと、果実基金事業の一環として昭和六十三年度から特別対策事業として実施しているものであり、議員お話しのとおり、平成七年度をもって終了することとなってございます。しかし、加工原料用温州ミカンの価格低迷の現状にかんがみ、国に対し、全国みかん生産府県知事会議を通じ、平成八年度以降の特別対策事業の継続を強く要望しているところでございます。また、温州ミカンの加工仕向け量については、本年が干ばつの影響により収穫量が減少するものと予想されるため、生産者団体としては小玉果を市場出荷することにより、その仕向け量は当初計画どおりの一万二千トンとしているところでございます。
次に、本年の干ばつ被害の助成についてでございます。
国に対し、天災融資法の発動や農業共済金の早期支払い、並びに揚水機やポリタンクの購入等、干害応急対策事業に対する助成措置について強く要望してまいったところでございます。また明七日には、近畿ブロック知事会として同様の趣旨について要望することになってございます。このほか、議員お話しの事後対策等については、国の助成措置の内容等を見ながら、今後早急に対応策を検討してまいりたいと考えてございます。
また、他府県の取り組みの調査でございますが、近畿では京都府のみが九月補正予算で改植や樹勢回復対策等の事業費を計上する予定と聞いてございます。
最後に、紀の川左岸・那賀地区広域農道の新規採択についてのご質問でございます。
議員所見のとおり、本農道計画は多面的な役割を果たすものと認識してございまして、平成二年度、三年度の二カ年にわたり県単独調査を行い、農道計画を樹立し、関係機関との道路建設協議も終えてございます。今後、紀の里地区の平成七年度採択に向け、知事を先頭に、県議会のお力添えをいただきながら積極的に取り組んでまいります。
以上でございます。
○副議長(富田 豊君) 民生部長南出紀男君。
〔南出紀男君、登壇〕
○民生部長(南出紀男君) 佐田議員の高齢者対策についてのご質問にお答えいたします。
まず一点目の、高齢者保健福祉推進十か年戦略の推進についてでございます。
本格的な高齢社会を目前にして、いかに高齢社会対策を実効あるものにしていくか、議員ご指摘のとおり、高齢社会対策に関する行政サービスについては、いつでも、どこでも、だれでも受けられることを基本としつつ、このことを確保するため、県といたしましては、県下各市町村の実情を見きわめながら国への要望も適宜行い、保健、医療、福祉の連携、財源確保、人材の育成といった課題等について、総合的、計画的に施策の充実に努めてまいりたいと考えてございます。
二点目の、各府県と比較した和歌山県の福祉サービスの度合いについてでございます。
本県の高齢者福祉の内容に係る全国的な順位についてですが、平成六年八月に厚生省から発表された「老人保健福祉マップの概要について」で申し上げますと、いわゆる在宅三本柱であるホームヘルパー、デイサービス、ショートステイの高齢者百人当たり年間利用回数について、平成四年度では四十七都道府県中第十八位となっているところでございます。それぞれの利用率は、ホームヘルパーについては第六位、デイサービス及びショートステイについてはそれぞれ第二十一位となってございます。ちなみに近畿各府県の状況を見てみると、本県はトータルでは一位となっているところであり、ホームヘルパー及びデイサービスについては一位、ショートステイについては四位といった状況でございます。
また、施設サービスのうち特別養護老人ホームについては、知事からも答弁しましたように、目標とする三千床の整備に近づくなど、全国的に見ても高い整備率を誇ってございます。さらに過疎化の進む町村についても、平成二年度より高齢者生活福祉センターを六カ所整備するなど施策の充実に努めてまいりました。県といたしましては、このように在宅福祉サービスと施設福祉サービスを適切に組み合わせながら福祉社会の実現に努めているところでございます。
三点目の、ゴールドプランの市町村計画の再検討についてでございます。
各市町村では、当該計画の策定に当たっては、国から示された指針を踏まえ、他方、各市町村において高齢者の実態調査を実施した結果とそれぞれの地域の実情をもとに、今世紀中に達成すべき保健、福祉の分野のサービスをどのように実施していくのか、真剣に考えて策定されているところでございます。県といたしましては、この計画の達成に向けて積極的に支援をしてまいりたいと考えてございます。
次に、障害者福祉対策のご質問のうち、一番目の紀の国障害者プランの具体的実施計画についてお答えいたします。
議員ご指摘のとおり、紀の国障害者プランは、障害者の主体性、自立性を確立し、だれもが住みよい平等な社会づくりの推進などについての基本的な考え方を示したものでございます。
民生部といたしましては、本年度内に仮称・県障害者施策実施計画を関係部局等の協力を得て作成いたしたいと考えております。なお、このプランは前期五年で見直しを行うこととしており、常に新たな課題やニーズの多様化などを的確に把握し、実効性の高い計画としてまいる所存でございます。
二点目の、条例等の制度についてでございます。
生活環境の整備を図って障害者の自立と社会経済活動への参加を促進していくことは、ノーマライゼーションの理念を具体化するために重要な課題であると認識してございます。昭和六十一年四月に策定した障害者等の住みよい生活環境整備指針に基づき、障害者の利用に配慮した各種の施設、設備の整備を図ってまいりましたが、さらに施策を進めるため、現在、整備指針の見直しを行ってございます。
また本年九月、いわゆるハートビル法が施行されて、劇場や銀行、ショッピングセンターなど、だれもが利用する建築物等を対象として、高齢者や障害者が利用しやすくするために出入り口のスロープや障害者用トイレなどの整備を誘導することとされたところでございます。県としても、障害者の利用に配慮した施設整備のハード面と、県民の理解を深め協力を得るためのソフト面の両面にわたり施策を推進するため、本年度にモデル市町村において建築物等の整備状況調査を実施することとしてございます。
条例制定については、国の法令との整合性、あるいは既に制定されている府県における施行上の問題点などの検討を行っているところであり、さきに申し上げた調査結果を踏まえながら、今後も全員参加による福祉の町づくりに積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。
最後に、障害者行政は総合行政として取り組むべきではないかというご指摘のとおり、障害者対策は民生部のみならず各部局等において総合的に取り組むことが重要なことでございます。
本県では、昭和五十七年に障害者対策推進本部を設置して、障害者に関する総合的な施策の推進について、関係各部局等の密接な連携を確保し、その円滑かつ効果的な推進に努めてきたところでございます。今後とも、総合的かつ体系的という視点から各部局の理解を求め、協力をいただきながら対処してまいりたいと考えてございます。
なお県職員の研修については、昭和五十六年の国際障害者年を契機とした数度の障害者特別研修の実施、また各職場において研修が実施され、研さんを深めてございます。本年度は紀の国障害者プランの初年度に当たることから、県職員研修所の本科第三部に障害者福祉の科目を設けたところでございます。今後とも、職場研修等を通じて県職員一人一人が人権尊重を基本に、より一層障害者に対する正しい理解と認識を深めるとともに、行政責務を自覚し、障害者福祉の推進に努めてまいります。
以上でございます。
○副議長(富田 豊君) 土木部長山根一男君。
〔山根一男君、登壇〕
○土木部長(山根一男君) 那賀、海草、伊都三郡にまたがる道路の新設改良についてのご質問、二点についてお答えいたします。
まず、粉河町、美里町、花園村に至る直通道路の建設についてでございます。
ご提言の道路については、美里町と花園村の間には町村道長谷花園線があり、それぞれの町村において補助事業として順次整備を進めているところでございます。さらに峠付近については、トンネルを含めたルートの検討、整備手法、事業主体などについて検討を鋭意進めているところでございます。なお、その他の区間については、現在、県道、町道などがなく、また地形的にも険しく、膨大な事業費を要するため早期具体化は困難であると考えておりますが、地元町村とも協議を進めながら将来の検討課題として勉強してまいりたいと考えております。
次に、竜門橋についてでございます。
竜門橋は、昭和二十八年水害により流失したため、昭和二十九年に災害復旧事業で架橋された幅員四・五メートルの橋で、その後、歩道が添架され、現在に至っております。竜門橋については、粉河町の道路網との関係を調整しつつ、位置並びに現橋の取り扱いなどについても検討しているところでございまして、町と十分協議しながら進めてまいりたいと思っております。
以上でございます。
○副議長(富田 豊君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(富田 豊君) 以上で、佐田頴一君の質問が終了いたしました。
これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
○副議長(富田 豊君) 本日は、これをもって散会いたします。
午後三時七分散会