平成5年9月 和歌山県議会定例会会議録 第7号(全文)
県議会の活動
議 事 日 程 第七号 平成五年十月十五日(金曜日)
午前十時開議
第一 議案第百十二号から議案第百三十三号まで、及び報第七号、並びに請願五件(委員長報告・同質疑・討論・表決)
第二 各常任委員会及び議会運営委員会閉会中継続審査の件
第三 議案第百三十四号(特別委員会設置・付託・委員選任)
第四 各特別委員会閉会中継続審査の件
第五 意見書・決議案
会議に付した事件
一 議案第百十二号から議案第百三十三号まで、及び報第七号、並びに請願五件(委員長報告・同質疑・討論・表決)
二 各常任委員会及び議会運営委員会閉会中継続審査の件
三 議案第百三十四号(特別委員会設置・付託・委員選任)
四 各特別委員会閉会中継続審査の件
五 意見書案
出 席 議 員(四十五人)
1 番 小 川 武
2 番 吉 井 和 視
3 番 井 出 益 弘
4 番 和 田 正 一
5 番 町 田 亘
6 番 尾 崎 吉 弘
7 番 岡 本 保
8 番 藁 科 義 清
9 番 向 井 嘉久藏
10 番 佐 田 頴 一
11 番 阪 部 菊 雄
12 番 堀 本 隆 男
13 番 平 越 孝 哉
14 番 富 田 豊
15 番 門 三佐博
16 番 西 本 長 弘
17 番 高 瀬 勝 助
18 番 上 野 哲 弘
19 番 宇治田 栄 蔵
20 番 尾 崎 要 二
21 番 中 村 利 男
22 番 木 下 義 夫
23 番 山 本 一
24 番 馬 頭 哲 弥
25 番 鶴 田 至 弘
26 番 飯 田 敬 文
27 番 村 岡 キミ子
28 番 松 本 貞 次
29 番 下 川 俊 樹
30 番 石 田 真 敏
31 番 宗 正 彦
32 番 橋 本 進
33 番 浜 田 真 輔
34 番 冨 安 民 浩
35 番 上野山 親 主
36 番 中 村 裕 一
37 番 和 田 正 人
38 番 大 江 康 弘
39 番 中 西 雄 幸
40 番 木 下 秀 男
42 番 森 正 樹
43 番 野見山 海
44 番 新 田 和 弘
46 番 森 本 明 雄
47 番 浜 口 矩 一
欠 席 議 員(一人)
45 番 浜 本 収
〔備 考〕
41 番 欠 員
説明のため出席した者
知 事 仮 谷 志 良
副知事 西 口 勇
出納長 梅 田 善 彦
知事公室長 中 西 伸 雄
総務部長 木 村 良 樹
企画部長 佐 武 廸 生
民生部長 南 出 紀 男
保健環境部長 江 口 弘 久
商工労働部長 吉 井 清 純
農林水産部長 野 見 典 展
土木部長 山 田 功
企業局長 高 瀬 芳 彦
以下各部次長・財政課長
教育委員会委員 上 野 寛
教育長 西 川 時千代
以下教育次長
公安委員会委員長
西 本 貫 一
警察本部長 西 川 徹 矢
以下各部長
人事委員会委員長
水 谷 舜 介
人事委員会事務局長
代表監査委員 天 谷 一 郎
監査委員事務局長
選挙管理委員会委員長職務代理者
谷 口 庄 一
選挙管理委員会書記長
地方労働委員会事務局長
職務のため出席した事務局職員
事務局長 梅 本 信 夫
次 長 中 村 彰
議事課長 中 西 俊 二
議事課副課長 佐 竹 欣 司
議事班長 松 谷 秋 男
議事課主事 長 尾 照 雄
議事課主事 松 本 浩 典
総務課長 川 端 孝 治
調査課長 岡 山 哲 夫
(速記担当者)
議事課主査 吉 川 欽 二
議事課主査 鎌 田 繁
議事課速記技師 中 尾 祐 一
議事課速記技師 保 田 良 春
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午前十時二分開議
○議長(宗 正彦君) これより本日の会議を開きます。
○議長(宗 正彦君) 議事の都合により休憩いたします。
午前十時三分休憩
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午後一時三分再開
○議長(宗 正彦君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
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○議長(宗 正彦君) 日程第一、議案第百十二号から議案第百三十三号まで、知事専決処分報告報第七号、並びに今期定例会の請願二件及び継続審査中の請願三件、計五件を一括して議題とし、順次、各常任委員会委員長の報告を求めます。
建設委員会委員長吉井和視君。
〔吉井和視君、登壇〕(拍手)
○建設委員会委員長(吉井和視君) 建設委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案十件、知事専決処分報告一件であります。
当委員会は、十月十二日、第五委員会室において、土木部、企業局の順に当局から付託案件についての説明を聴取した後、審議を行いました。
当委員会における各委員の質疑、意見及び要望の主なものは、次のとおりであります。
土木部関係では、経済企画庁発表の生活大国五か年計画では、豊かさを実感できる国民生活実現のため、社会資本の整備充実が基本的な方向であり、公共投資基本計画で一九九一年から二〇〇〇年までに四百三十兆円の社会資本整備を行うと示されている、ここで社会資本とは何かとの再認識が必要であり、それを踏まえた上での本県の状況はどうか、また県としての二〇〇〇年、二〇一〇年の政策はどうかとただしたのに対し、県としての計算は行っていないが、長期総合計画の中で目標を置き、計画を進めているとの答弁がありました。
次に、生活大国となるためにも、本県としては特に公共下水道を含めた社会資本整備が急務であり、都市基盤整備が必要ではないかとただしたのに対し、本県では特に下水道がおくれており、努力していく必要があるが、一方で、安全確保のための治水治山や、活性化や交流のための高速道路の推進、地域間の道路整備等も急がれるところであるとの答弁がありました。
さらに、県民が豊かさを感じられる社会資本整備のための予算獲得に全力を尽くしてほしいとの要望がありました。
次に、一般競争入札と指名競争入札の利点と欠点をただしたのに対し、一般競争入札は競争性、透明性では利点があり、不適格業者の排除等に欠点がある、また指名競争入札は、工事の確実性に利点があるが、透明性で見直す点があり、議論しているとの答弁がありました。
さらに、本県登録業者数及び本県での工事の談合や活動の実態はないのかとただしたのに対し、登録業者数は約六千社で、最近談合はないと信じている、業者のモラルを高めるため業界指導を行ってきたが、さらに指導を強めるとともに、発注側の実施すべきこととして発注、契約方法の見直しを行っているとの答弁がありました。
次に、現在検討されている制限つき一般競争入札について、地元業者の育成と受注機会を与えるためにも、単なる一般競争入札制度の検討だけでなく、指名競争入札制度も含め、総合的な検討が必要ではないかとただしたのに対し、制限つき一般競争入札について、制限等、具体的な内容の検討をしているところであるが、一方で、県内業者の育成やバランスのとれた工事量の発注において利点がある従来の指名競争入札制度について、そのあり方に関する論議をしているとの答弁がありました。
また、公共事業の上半期目標契約率八〇%としているが、その波及効果と建設資材の需要動向はどうかとただしたのに対し、県としては早く工事を発注するよう努めているが、公共事業のみの景気に対する波及効果についてつかむのは難しい、また建設資材の需要動向は低調であり、相当時間がかかる見込みであるとの答弁がありました。
次に、美術館、博物館、図書館の建設による波及効果はどうかとただしたのに対し、建築、電気、機械整備について、それぞれ分離発注を行い、県内業者に発注する等、下請雇用面で効果があったと考えているとの答弁がありました。
さらに、円高が厳しい現在、公共事業に対する県民の期待は大きく、土木部として波及効果のある事業展開に十分留意すべきであるとの要望がありました。
次に道路関係について、湯浅御坊道路の完成見通しと御坊から南部間の整備計画区間の施行命令の時期をただしたのに対し、湯浅御坊道路は建設省において工事中であり、完成時期は明らかにされていないが、平成七年度末ごろと考えられる、また御坊から南部間の施行命令時期についても国として明らかにしていないとの答弁がありました。
また、田辺バイパスの早期整備についてただしたのに対し、稲成地区は来年三月供用の予定であり、稲成─芳養間については平成五年度から調査の予定であるとの答弁がありました。
また、国道四百二十四号の道路整備についてただしたのに対し、白馬トンネルが来春供用の予定であり、大型バスの通行のためにも補正予算で待避所の設置等に取り組むとの答弁がありました。
さらに、観光立県でもあり、休日交通量を加味した道路網整備をするようとの強い要望がありました。
次に河川関係では、和歌川整備に駐車場を含んだ公園づくりが必要でないかとただしたのに対し、和歌川緑地整備については、市街地の貴重な空間でもあり、利用者のための駐車場整備も十分配慮してまいりたいとの答弁がありました。
続いて、切目川ダムの進捗状況についてただしたのに対し、現在計画調査を実施中であるが、現地調査は一部地元関係者の理解が得られないため実施できない状況にあるが、大規模事業については議論を重ねることが大切であり、これを熟成期間と考えており、地元の理解を得て進めてまいりたいとの答弁がありました。
また、津波シンポジウムを開催したことによる県のメリットは何かとただしたのに対し、世界十九カ国、百四十人が参加し、連日新聞等で報道され、津波に対する認識が深められるとともに、研究者から貴重なアドバイスをいただいたことであるとの答弁がありました。
さらに、河川の環境整備事業も大切であるが、危険箇所の改修はより基本的な事業であり、予算づけに際し、優先順位をよく検討されたいとの要望がありました。
次に、日高港湾整備の着工時期と地元負担金軽減についてただしたのに対し、現在、地元に対して漁業交渉に入るための準備中であり、早期着工に努力する、地元負担金軽減については、他府県の状況や県の他事業とのバランスを勘案の上、財政当局と協議してまいりたいとの答弁がありましたが、県単港湾改良の地元負担金が四〇%と、ほかと比較し非常に高いので、今後検討するようにとの要望がありました。
また、南紀新白浜空港のポートセールスについてただしたのに対し、二年後の完成を控え、まだ具体的な計画は立っていないとの答弁があり、県主導で積極的に利用を促進するとともに、近距離国際便の乗り入れも含めてセールスするようにとの要望がありました。
次に都市計画関係では、JR紀三井寺駅から県立医科大学予定地に動く歩道を備えた県道の建設についてただしたのに対し、県立医科大学の開設時期とされている平成十一年を目途に、和歌山市と、事業主体、幅員、都市計画決定等、検討中であるとの答弁がありました。
また、片男波公園整備と観海閣、妙見公園及びあしべ旅館跡地整備についてどう考えるのかとただしたのに対し、片男波公園は平成六年度完成予定であり、その後、引き続いて観海閣を含む妹背山や妙見山等の周辺整備に着手するとともに、あしべ旅館跡地については、和歌浦廻線の整備ともあわせ研究してまいりたいとの答弁がありました。
また、都市計画街路の東西線、和歌山港鳴神山口線、南港山東線、湊神前線の三本のうち、一本でも早期完成できないかとただしたのに対し、和歌山市内の街路事業はすべて重要と考えているが、特に和歌山港鳴神山口線の三年坂についてはリゾート博までに完成するよう努力したい、湊神前線については借家人対策として住宅建設も計画中で、地権者にも説明して事業を進めているが、早期完成に努めてまいりたいとの答弁がありました。
次に企業局関係では、企業局の事業及び関係法律についての説明があった後、企業会計の利益についてただしたのに対し、地方公営企業法第三条で民間企業のように営利を目的とするものではないとされているが、企業会計は独立採算性を基本としており、利益の発生は考えられ、この場合、繰越欠損金に充て、残額を減債積立金等に積み立てた後、新しい事業の投資等に活用するが、事業によっては一般会計に繰り出すこともあるとの答弁がありました。
次に、桃山第二工業用地造成事業の収支と今後の事業展開についてただしたのに対し、平成四年度決算で約二十二億円の利益となっている、今後は、御坊第一、御坊第二工業用地造成事業及び雑賀崎の埋立造成事業の実施、また日高港湾、木材港について検討していきたいとの答弁がありました。
さらに、現在実施している企業局の事業の範囲を限定せず、公益性と経済性の追求にも努めるようにとの要望がありました。
このほか、「道路予算拡大に関する意見書」、「平成五年度災害の早期復旧と治水関係事業の推進に関する意見書」提出について議員提案があり、これについては後ほど意見書案が提案される運びとなっておりますので、よろしくお願い申し上げます。
以上、慎重審議の結果、採決に入りましたが、当委員会に付託されました議案十件は、いずれも賛成全員をもって可決すべきものと決しました。
また、知事専決処分報告一件は賛成全員をもって承認すべきものと決しました。
以上をもちまして、建設委員会の報告を終わります。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(宗 正彦君) 農林水産委員会委員長冨安民浩君。
〔冨安民浩君、登壇〕(拍手)
○農林水産委員会委員長(冨安民浩君) 農林水産委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案六件であります。
当委員会は、十月十二日、第四委員会室で開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、審議に入りました。
各委員の質疑、意見及び要望等の主なものは、次のとおりであります。
まず農業関係では、ミカン生産者に対する改植指導とその振興方針についてただしたのに対し、消費者ニーズに即した高品質ミカンの生産拡大を図るため、老木園や低位生産園を中心に宮本早生、上野早生等優良系統への改植更新を推進し、十一月から十二月になる出荷ピークを分散し、平準化等、長期的な安定供給が図られるよう計画的な改植の指導を行っているとの答弁がありました。
また、果実基金制度とミカンジュースの販路についてただしたのに対し、果実基金は生果の安定供給と価格安定のため加工用原料への価格補てんを行う制度であり、通常補てんでは国が二分の一、県が四分の一、生産者が四分の一を負担している、平成五年産温州ミカンでは一万九千トンを果汁加工用に予定している、ミカンジュースは現在二年分の在庫があり、本年も千九百トンのジュースが生産される予定であるが、ブラジル等からも低価格のオレンジが輸入されていることから、高品質の新製品による販路拡大に努力しているところであるとの答弁がありました。
次に、関西国際空港の開港を来年に控えており、これに関連した質疑も多く出されました。
まず、付加価値の高い施設園芸の推進について、その販売等も含めてただしたのに対し、施設園芸タウンづくりを推進しており、現在八十五ヘクタールの施設団地が形成され、付加価値の高いものとして、トマトの養液栽培、イチゴ、イチジク、カーネーション、バラ等の栽培が行われている、販売については、市場供給を初め県農協連の特需センターで個性化商品を扱ったり、花卉市場の統合大型化に対応し、花卉流通センターの機能強化等、推進していくとの答弁がありました。
また、関空並びにリゾート博への県内産緑化木の供給状況についてただしたのに対し、空港島緑化事業の最初であるビル周辺やキャニオン部の造園事業に関して働きかけており、明るい見通しを持っている、また大阪湾岸道路沿線緑地帯へ公害に強いアベリア等の納入や近畿自動車道堺岸和田線の緑地帯等に納入実績がある、リゾート博に関しても積極的に働きかけを行っているとの答弁がありました。
続いて、関空開港に対応して県産ジュースの販路拡大を目指しているが、大都市での消費拡大推進はどうか、また本県の花卉産業への影響はどうかとただしたのに対し、現在、県産ジュースは大阪空港出発の六社に既に機内食用として納入しており、今後、大都市等での消費拡大推進についても、県と県農協連で組織する県青果・果汁消費拡大推進協議会を中心に消費拡大に努めていく、また花卉について、現状では円高に伴う輸入増もあり、厳しい面もあるが、花卉需要は今後も伸びることが期待されることから、消費拡大のための花のイベント等も実施しながら供給体制づくりに積極的に取り組んでいくとの答弁がありました。
また、南紀白浜空港のジェット化が進められているが、その対応はどうかとただしたのに対し、空輸機能を生かした販路拡大等は地域の活性化に極めて重要であると考えており、特に紀南地方の温暖な気候を生かし、花卉、野菜を中心に、採算のとれる品目を選定しながら高品質で周年供給できる産地の育成に取り組んでおり、鮮度保持のための輸送手段も含め、新南紀白浜空港利用促進部会において検討していくとの答弁がありました。
次に、傾斜地果樹園の基盤整備についてただしたのに対し、果樹栽培管理の低コスト、省力化を図ることは重要な課題であるため、果樹生産流通合理化促進対策事業等を活用し、傾斜地果樹園の土地基盤整備や機械化等の促進に取り組んでいるとの答弁がありました。
続いて、土づくりの重要性についてただしたのに対し、農業生産の振興を図る上で土づくりは最も大切と考えており、これまでも土づくり運動を展開するとともに堆肥製造施設の設置も行ってきている、また昨年から農薬、化学肥料に留意した環境保全型農業に取り組んでおり、今後も積極的に進めていくとの答弁がありました。
また、農業用廃ビニール等の処理について、資源の再利用に重点を置いた取り組みについてただしたのに対し、施設園芸の振興とともに廃ビニール等の処理は重要な課題であり、現在、農協等で組織する県施設園芸協会が主体となり、年間約二千トンの廃ビニールのうち三百トン程度を業者委託により処理している、今後とも廃ビニールの適正な処理について農家に対する啓発を続けるとともに、恒久的で安定的な処理体制を構築するため、県、市町村、農協、関係業界が一体となって積極的に取り組んでまいりたいとの答弁がありました。
次に、紀の川地区広域農道の用地買収に伴う価格差の問題についてただしたのに対し、昭和四十五年に紀の川地区広域農道用地補償基準単価を定め、基準に従って用地買収を行ってきた、道路沿いの用地については、鑑定価格を参考に広域農道建設推進協議会と協議して価格を決定し、買収を行ってきたとの答弁がありました。
次に、建物等近代化施設の補助率アップについてただしたのに対し、財政上の問題でもあり、今後関係部局と協議をするなど、取り組みを進めてまいりたいとの答弁がありました。
続いて、飲雑用水等、生活関連施設に関する補助事業の負担軽減についてただしたのに対し、県としても、農家経営の厳しさ、市町村の厳しい財政状況を踏まえ、努力してまいりたいとの答弁がありました。
また、畜産に関して、その範囲を限定せず、牛、豚、鶏以外にもっともうかる畜産を目指せないかとただしたのに対し、広い視野に立って柔軟な発想で検討してまいりたいとの答弁がありました。
次に林業山村関係では、まず仮称「森林交付税の創設促進連盟」の最近の動きと森林の効用をどうPRするのかただしたのに対し、調査研究及び組織拡充のため、それぞれ学識経験者も加わった専門委員会が組織されており、交付税の理論構築や加盟の促進についての話し合いがなされている、森林の効用については、森林を国民共通の公共財としてとらえ、各種の広報活動ができるよう国へ要望してきており、今後さらに森林のPRに努めていく旨の答弁がありました。
続いて、林業労働問題についての質疑があり、山で働きたい都市からの希望者の受け入れ態勢と住宅対策としてログハウスの利活用についてただしたのに対し、林業従事者の住宅対策として助成制度を検討している、なお、住宅用としてのログハウスの利活用については、本県でも既に販売され、実績を有しているが、住宅用として利用するにはなお課題が残されており、今後十分検討していく旨の答弁がありました。
さらに、大型林道整備の将来展望についてただしたのに対し、国では森林山村対策としてふるさと林道緊急整備事業が平成五年度に創設され、本県では那智勝浦町から中辺路町に至る紀南縦貫林道に着手した、今後の計画として、古座川町と日置川町を結ぶ林道の改修計画を検討している、なお、林道開設に当たっては、関係部局とも連携を保ちながら、国道、県道の迂回路の役割も果たせるような林道整備を進めていきたいとの答弁がありました。
また、林道整備の現状と今後の整備方向についてただしたのに対し、現在、林道密度ヘクタール当たり三・七メートルであるが、平成十五年ヘクタール当たり七・三メートルを目標に整備に力を入れていきたいとの答弁がありました。
次に、仮称「地方圏及び農山漁村地域若者定住促進法」制定への取り組みについてただしたのに対し、農林水産部長会議等の場を通じて国に対し働きかけており、こうした中、平成五年度予算で自治、林野、国土の三省庁により一千八百億円の森林山村対策がなされている、今後とも引き続き国等に対し、都市機能も備えた農山村づくりの方策について強く働きかけてまいりたいとの答弁がありました。
なお、このほか、分収育林と緑のオーナー制度との違い、県の分収育林の現状等についての質疑もありました。
次に水産関係では、水産業の重点事業についてただしたのに対し、漁礁の設置、増殖場の造成、放流等漁業生産基盤を整備するほか、漁協の経営も厳しいことから、漁協事業基盤強化総合対策事業を実施する中で、信用部門の統合、漁協の合併に取り組んでいる旨の答弁がありました。
続いて、棒受け網漁業の問題についてただしたのに対し、漁業調整規則を改正する方向で海区漁業調整委員会と協議を済ませ、現在、国との協議を進めており、速やかに規則の改正を行いたいとの答弁がありました。
また、中間育成施設の整備についてただしたのに対し、資源管理は重要であり、種苗生産については県及び栽培漁業協会で、中間育成については漁業者みずから取り組むこととしている、なお、大規模かつ広域的な中間育成施設の設置については助成しているとの答弁がありました。
このほか、これまで別々に開催していた水産業まつりと農林業まつりを合同で開催してはどうか、また遊漁船の漁港使用料の徴収率やそれぞれの自治体管理と県管理漁港との料金格差が生じていないのか等の質疑があったほか、漁業者と遊漁者とのトラブルがないよう、さらにまき網問題の早期解決に向けて一層の努力を願いたい旨の要望のほか、農業生産基盤の整備促進や農業改良普及所の充実強化、フライト農産物についてのふさわしいネーミング等の要望もあり、最近注目されている紀州備長炭についても効用等のPRをもっと積極的に行われるようなど、多くの要望がありました。
以上のような審議の結果、当委員会に付託されました議案六件は賛成全員をもって原案どおり可決すべきものと決しました。
以上をもちまして、農林水産委員会の報告を終わります。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(宗 正彦君) 文教委員会委員長高瀬勝助君。
〔高瀬勝助君、登壇〕(拍手)
○文教委員会委員長(高瀬勝助君) 文教委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
当委員会に付託されました案件は、議案付託表及び請願文書表に記載のとおり、議案二件、請願二件であります。
委員会は、十月十二日及び十四日の両日、第六委員会室において開催し、当局から付託案件等について詳細な説明を聴取した後、審議に入りました。
委員会における各委員の質疑、意見及び要望等、主なものは次のとおりであります。
まず初めに入学式、卒業式における教員の出席状況について、私の知る範囲で一年生の担任、校長、教頭、教務主任だけの出席で入学式を行った学校があったが、県下の状況はどうか、また入学式、卒業式は全員出席して祝うべき重要な学校行事であると考えるがどうかとただされたのに対し、業務の都合で一部の教員が式に出席していない学校もあったが、その後の指導で式への出席状況はおおむね良好であり、また高校では特別な役割を除き全員出席となっている、入学式、卒業式は生徒にとって重要な節目の行事であることから、市町村の教育長と十分話し合ってまいりたいとの答弁がありました。
次に、小学校において、放課後、校庭で遊んではいけないというような指導がなされていると聞く、和歌山市内では授業が終わるとすぐ下校するよう指導がなされている、都市部では遊び場が少なく、学校は児童が遊ぶ適当で安全な場所と考えるが、放課後の校庭使用は認めていないのかとただされたのに対し、現在、児童の遊び時間が減少していることから、学校教育指導の方針と重点の中で遊びの指導をするよう指示している、それぞれの学校で下校時間を定め、その範囲内で遊ばせるようにしている、冬季は午後四時、夏季は午後四時三十分の下校時間としているところが多い、異なる年齢層の子供たちが校庭で遊ぶことは非常に大切であり、遊びながら成長していくものと考えている、またその安全に対して学校は責任を持つべきものと考えており、今後も指導してまいりたいとの答弁がありました。
委員からは、下校時間は適切であると考えるが、授業終了後、一たん下校し、その後、友人と連れ立って再び学校へ来て遊ばないよう指導していると聞くが、下校時間内であれば遊べるよう、また小学校における放課後の校庭使用状況を調査し、報告するよう要望がありました。
次に、現在建設中の新近代美術館の役割について、新近代美術館では県展を開催しないのか、展示スペースはないのか、スポーツでも全国大会にはメーン会場はある、県の美術展として最高の展覧会に入選するすぐれた作品を新館で展示したいという要求は当然のことだという声もあるが、県教育委員会としての基本方針はどうかとただされたのに対し、新近代美術館を建設するに当たって新美術館建設検討委員会から答申をいただいたその中で、ミュージアムとして世界各国からの著名な作家の作品や全国規模の展覧会を開催することにして、県民の芸術鑑賞の場として広く活用されるようにという観点で設計されている、新近代美術館の開館時はミュージアムとしてスタートいたしたい、現在の美術館は県民の創作発表の場として運営できるよう検討してまいりたいとの答弁がありました。
これに対し委員からは、少なくとも県展は新美術館で開催できるよう検討されたいとの要望がありました。
次に、部活動を高校入試の評価の対象とすることから、中学校における運動部活動の推進と指導者の研修についてただされたのに対し、運動部活動は学校教育活動において重要な役割を果たすものと考えており、積極的に推進するため、中・高の優秀なスポーツクラブを指定する事業を実施するなど、生徒の自主性が伸ばせるよう熱意ある取り組みの促進に努めてまいりたい、また指導者の研修については、指導力や部活動への意識を高めるため、運動部活動指導者研修事業や、専門的な指導者のいない運動部に対しては指導者を派遣する運動部活動指導者派遣事業を実施しているとの答弁がありました。
委員からは、教科指導はもちろんのこと、クラブ指導のできる特別教育活動に配慮した人材の採用や現職教員の研修、また事故発生時の責任問題等についても十分配慮するよう意見がありました。
次にチームティーチングについて、文部省は習熟度に格差ができやすい学科について平成十年を目途に増員していくとのことであるが、本県では小学校十一校、中学校六校、計十七校で行われていると聞くが、どのような問題点があるのか、習熟度は一年程度では効果の上がるものではないと思うが、今後の見通しはどうかとただされたのに対し、現在十七校で十八名を加配している、初年度のため多少ふなれな点もあったが、クラスを二グループに分けるなど、それぞれ工夫している、問題点として、複数のため教員間の連携や効果を見通した指導方法が完成していないなど、これからも研究していく必要がある、基本的には一年のものであるが、効果を上げるため、できるだけ継続しての実施が望ましいと考える、来年度以降もより多く配当されるよう努力したいとの答弁がありました。
委員からは、新しい体制づくり及び僻地小規模校における加配措置についての要望がありました。
次に、PTA等から指摘のある問題教員に対する速やかな教育委員会の対応がいかにあるべきか、また校内体制(チェック機能)をどうつくるのかとただされたのに対し、教員の指導力や意欲の問題であり、基本的には校長が十分指導監督する必要があると考えている、また、校内での教職員相互の連携をより一層図るよう指導してまいりたい、教員の資質の向上を図るべき研修については、採用時の初任者研修に加えて、教職経験六年目、十一年目の研修を重ねて指導するとともに、病気等の教員に対しても今後その対応を十分検討していきたいとの答弁がありました。
関連して委員からは、教員らしからぬ服装をした者が見受けられるが、子供に範を示すべき立場にあり、教員としての自覚を促す指導を行うよう要望がありました。
次に、県立高校における学科の改編にかかわって、平成元年から十四校十七学科で改編されている、ことしも四校で新設、改編が発表されている、県教育委員会の考えもあると思うが、学科改編の完成年度の目途はどうなっているのか、また工業科での改編計画はおくれていないのかとただされたのに対し、庁内に検討委員会を設置しており、平成十年度までを見通した中長期的な計画を策定して、総合学科や全日制の単位制も含め、高等学校の制度の変わる中で特色ある学校づくりを推進しているところである、職業科において、特に工業科については電子機械科や建設工学科、生産システム科など改編してきたところであり、今後も検討していくことにしているとの答弁がありました。
関連して委員からは、高校教育の活性化すなわち公立高校の活性化を学科の改編により図ろうとしているのかとただされたのに対し、一人一人の個性を生かし伸ばす観点で学科の新設や改編を進めているが、地域のニーズや諸条件を検討しながら進めていきたい、意見を厳しく受けとめ、さらに各学校の特色を出せるよう取り組んでいきたいとの答弁がありました。
委員からは、普通科における推薦入学の実施について意見があり、普通科における推薦入学については、今後、高校教育検討委員会の中で検討していきたいとの答弁がありました。
次に、業者テストの廃止に伴い、中学校関係者が困惑している、特に現場での進路指導が難しく、かつ高校の不合格者数がふえるのではないかとの心配がある、このままでは進路指導が教員主導から塾主導になると懸念する、業者テストで生徒の学力を把握してきたが、今後はどう対応するのか、また観点別学習状況やボランティア活動などについて範囲や評価がどうなるのか、さらに高校によってはその評価が異なることにならないかとただされたのに対し、学習指導要領に準拠して作成された各学校のテスト問題で生徒の学力が把握され、指導要領に基づいた学習指導がなされている、各学校の評価については、中学校にあっては調査書作成委員会を、高校にあっては検討委員会を設けて検討することになっており、学校間で大きな違いが出てくるとは考えていないとの答弁がありました。
委員からは、各学校においては模擬テストも実施されるなど、対応がなされているようだが、今後は受験の複数化をあわせて検討、研究してほしいとの要望がありました。
このほか、海南高校における制服問題にかかわる校則について、県の行事に係る開館記念式典のあり方について、友好姉妹都市提携に係る国際化への取り組みと郷土学習推進について、高校サッカーの全国大会における成績について、競技スポーツへの理解、認識、幅広い受け入れについて、高校募集定員の確保と学級増について、定時制・通信制モデル校の紀の川高校の施設、設備の整備等について、それぞれ質疑、意見、要望等がありました。
以上が、当委員会における審査の概要であります。
当委員会に付託されました議案第百十二号、議案第百三十一号は、全会一致をもって可決すべきものと決しました。
また請願につきましては、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、新規審査分議請第三十二号は採択すべきものと決し、継続審査分議請第十一号は請願者から取下願があり、これを承認することに決した次第であります。
以上をもって、文教委員会の報告といたします。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(宗 正彦君) 総務委員会委員長井出益弘君。
〔井出益弘君、登壇〕(拍手)
○総務委員会委員長(井出益弘君) 総務委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案五件、請願審査継続分一件であります。
当委員会は、十月十二日及び十四日の二日間、第一委員会室において開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、審議を行いました。
各委員の質疑、意見及び要望等の主なものは、次のとおりであります。
まず医科大学関係では、和歌山県使用料及び手数料条例の一部を改正する条例案に関して、入学金の引き上げについてただしたのに対し、本学の入学金の値上げについては、従来から国立大学に準じて値上げをしてきており、今回も国立大学と同様な値上げをお願いしたい、またそれに伴う歳入の増加額は約二百十万円となるとの答弁がありました。
次に、学部の実施設計を平成六年度から七年度にかけて取りまとめる計画であるが、五年度から学部の実施設計も並行して行えないのかとただしたのに対し、附属病院の建設に約三年半かかることや設計が複雑であること等から、まず附属病院の実施設計を行い、その後に学部の実施設計にかかる予定であり、スケジュール的にも十分間に合う計画であるとの答弁がありました。
このほか、附属病院における医療用備品、薬剤の購入方法についてただしたのに対し、高額医療機器については、機種選定委員会を設置して各メーカーに条件を提示し、メーカー側からの説明を聞いて機種決定を行い、入札をしている、薬剤についてもほぼ同様に行っているとの答弁がありました。
知事公室関係では、フォレストシティ事業を推進している開発事業者の違法行為等に関し、このような企業が県のプロジェクトに参画することについて説明を求めたのに対し、事業としては関係各部がそれぞれ対応し、チェックをしている段階であり、現時点ではこれを論評する立場でないが、燦黒潮リゾート構想の事業については推進していかねばならないとの答弁がありました。
次に、姉妹提携交流推進事業に関し、本年度中にフロリダ州へ職員を派遣し、姉妹提携の協議を進めるとともに、世界リゾート博への参加協力についてただしたのに対し、できるだけ早い機会を見つけて訪問し、種々協議するとともに、世界リゾート博への参加についても話を進めていきたいとの答弁がありました。
次に、世界リゾート博の前売り入場券の各自治体、自治会、企業へのあっせん枚数と購入申込状況をただしたのに対し、市町村へは二十一万九千二百枚をあっせんし、購入申し込みは九月末現在で二十六万九千三百四十枚となっている、なお、企業別、自治会別の枚数については、市町村によってはこれらを含めて一括して申し込みをしているところもあり、現段階で個別に仕分けはしていないが、企業、各種団体を合わせた申込枚数は約三十七万枚となっているとの答弁がありました。
さらに、ゼネコンに入場券等を依頼するということについては、行政として一定の自粛をすべきではないかとただしたのに対し、企業については、ゼネコンに限らず、県内において営業活動をしている企業にお願いしており、県との取引関係の有無にかかわらず、本県において開催される世界リゾート博に協力してもらうという立場でお願いしているとの答弁がありました。
続いて、世界リゾート博は県にとっても県益ある事業であるが、基盤整備工事、物産販売等の県内業者の活用の仕方についてただしたのに対し、物販、飲食等の営業参加及びパビリオン等、ハードの建設における業者の選定については、協会の方針として、県内業者でできるものは県内業者を活用することを基本に進めているとの答弁がありました。
また、宿泊体制についての見通しをただしたのに対し、入場目標者数百五十万人に対して、民間調査機関によると宿泊者予測は一日平均一千三百人となり、和歌山市周辺の旅館、ホテルの収容能力は約六千人余りであるので一応対応できるということになるが、来場者がすべて和歌山市に泊まるということではなしに、むしろ広域的に宿泊していただけるよう旅行エージェントに対し働きかけているとの答弁がありました。
企画部関係では、フォレストシティ計画の今後の展望とその見通し、及び地検の捜査を受けた開発事業者が燦黒潮リゾート構想でも中心的なフォレストシティ計画を進めていくことについてどうかとただしたのに対し、フォレストシティ計画の見通しについては、現在捜査中なので答弁は差し控えたい、また燦黒潮リゾート構想は開発事業者を特定したものではなく、開発事業者については個別法により審査されるとの答弁がありました。
次に、ミニ新幹線導入に伴う経済波及効果に関する調査についてただしたのに対し、この調査は、大阪の泉南地域から本県新宮までの間について高速化を図った場合、どういった効果が出てくるかということについて専門の調査機関に依頼しており、平成五年度、和歌山県と大阪府が共同で調査を実施し、予算は両府県五百万円ずつ、計一千万円であるとの答弁がありました。
これに関連して、鉄道高速化への取り組みについてただしたのに対し、運輸省の指導のもと、運輸経済研究センターにおいて平成五年度、六年度の二カ年をかけて調査していただいている、また紀勢線の時間短縮を図る上で短期的に整備可能な方策についても、本県単独でJR西日本の協力をいただきながら調査を進めており、鉄道の高速化について、新型車両の導入の問題も含め、今後もJRに働きかけていきたいとの答弁がありました。
さらに、リゾート博開催期間中の交通対策についてただしたのに対し、市内中心部の交通混雑緩和のため、国、鉄道、バス事業者など、関係機関で構成する世界リゾート博交通対策連絡協議会を設置し、パーク・アンド・ライド方式の導入や海上輸送など、現在具体的な交通輸送計画を策定しているとの答弁がありました。
次に、コスモパーク加太の土地利用計画に関し、町づくりにはまずテーマを持つことであり、テーマを具体的に絞り込まないと、大きなテーマだけでは計画が見えてこないのではないか、また採算性ばかりに重点を置かずに議員の意見も取り入れた再検討をしているのかとただしたのに対し、コスモパークはリゾート、研究、住宅という三つのコンセプトを基本にしているが、現在、公共的利用も含め、土地利用計画を再検討している、また推進機構でも、議会からの種々のご提言も踏まえ、再検討していただいているとの答弁がありました。
このほか、関空の全体構想調査費の負担割合、国土利用計画法と個別法の位置づけ、地価抑制策としての土地取引届け出制の実効性についても意見、要望がありました。
土地開発公社関係では、川辺橋周辺での用地取得の状況や事業の進捗についてただしたのに対し、紀の川グリーンベルト構想に基づいて土地開発公社が用地買収を行っているのは川辺橋左岸の見取畑地区の十・三ヘクタールであり、地権者は二十八名である、現在は単価交渉に入っているが、見通しとしては、地元の同意が得られるものと考えているとの答弁がありました。
続いて、加太開発事業の内訳について説明を求めたのに対し、平成四年度末執行累計として一千三十九億余円を執行し、現在は約七十一億円で調節池工事等を継続しているほか、五十二年からプロパー事業として実施してきた土地造成事業会計での用地取得がある、また県借入金は二十五億余円で、利息は償還時に協議をすることとなっているが、当面の運用は無利子である、その他、加太開発事業における銀行借入金は二百十二億余円であるとの答弁がありました。
総務部関係では、医科大学移転整備に関連して、入院や手術待ちの患者対策については最新の情報、データをとって実施設計を作成すべきではないかとただしたのに対し、現状分析や福島県立医科大学を参考にしながら、実施設計作成の段階では最新の大阪大学、大阪市立大学等の情報を得ながら最善の方法で計画しているとの答弁がありました。
さらに、マリーナシティ、和歌公園等の整備に伴い、交通量が増加するところに医科大学ができれば大変な交通渋滞が予想されるが、その対策をどう考えているのか、また駐車場は何台確保できるのかとただしたのに対し、医科大学へは一日延べ五千人と予測し、国体道路からのアクセス道路の整備を考えている、また駐車場については、国道四十二号線側で立体駐車場とするなど、全体で九百五十台を計画しているとの答弁がありました。
続いて、県公館の必要性についてただしたのに対し、近畿府県では本県以外はすべて所有しており、全国でも三十五都道府県が公館または類似施設を有している、他府県では公館と知事公舎が隣接しているところが多く、公館で公の行事を行い、知事公舎で私的な部分の対応をしているが、本県の現在の知事公舎では公の部分の対応が十分できないため以前から検討していたもので、リゾート博の賓客の対応に活用するとともに、今後さらに有効利用を図っていきたいとの答弁がありました。
このほか、今回の固定資産税の評価がえにおいては土地の評価額が大幅に引き上げられるとのことであるが、県は市町村に対しどのように指導しているのかとただしたのに対し、今回は特にいろいろな負担調整措置が講じられており、また市町村に対しては、各市町村の平均価額を指示することにより隣接市町村間の評価の均衡が図られるよう指導しているとの答弁がありました。
これに関連して、住民は評価がえにより固定資産税額が三倍から四倍になるのではないかと不安に思っているので、いろいろなPRに努めてほしいとの要望がありました。
また、身体障害者にかかる自動車税、自動車取得税の減免に三ナンバー車を認めてはどうかとただしたのに対し、今までは三ナンバー車は高級車という理由で対象車種から除外していたが、二千cc程度の車が増加し、必ずしも高級車という考え方もなくなってきているので、他府県の状況等も参考に対処していきたいとの答弁がありました。
以上のような審議の結果、採決に入りましたが、当委員会に付託されました議案のうち、議案第百十二号、第百十七号、第百二十六号、第百二十八号については賛成多数をもって、議案第百二十号については全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決しました。
また請願につきましては、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、議請第十八号は採択すべきものと決しました。
以上をもちまして、総務委員会の報告を終わります。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(宗 正彦君) 厚生委員会委員長村岡キミ子君。
〔村岡キミ子君、登壇〕(拍手)
○厚生委員会委員長(村岡キミ子君) 厚生委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
当委員会に付託されました案件は、議案付託表及び請願文書表に記載のとおり、議案三件、請願二件であります。
委員会は、十月十二日、十三日及び十四日の三日間、第二委員会室で開催し、保健環境部、民生部の順に当局から付託案件についての説明を聴取した後、審議を行いました。
委員会における各委員の質疑、意見及び要望の主なものは、次のとおりであります。
保健環境部関係では、まず五稜病院の問題について、検討すると答えてからかなり年月が経過しているが、現在どのような検討がされているのか、地域、時代のニーズを勘案して病院の位置づけをいつごろをめどに取りまとめるのか、また精神科専門病院あるいは一般病院か、並びに有田地方の医療行政の中での位置づけなど、そのあり方、整備の方針等はいつ決定するのかとただしたのに対し、五稜病院の問題については五稜病院運営検討委員会において検討を重ねてきたが、平成四年度にその報告を取りまとめたところである、その後、人事、財政当局を加えて五稜病院整備委員会を設置し、具体的、現実的な方策について検討を進めているところであるが、精神医療を中核として、老人性痴呆疾患対策、デイケア等も合わせた病院とし、地域の実情も勘案しながら検討をしているところである、また、建物の建てかえなど、時間のかかる問題もあるが、看護体制の確立、作業療法やデイケアの実施など、早急にできるものから取りかかってまいりたいとの答弁がありました。
次に湯浅保健所の移転建てかえについては、開かれた保健行政の観点から言っても地元住民に明らかにしなければならないのではないかとただしたのに対し、現在、有田総合庁舎として、移転整備の計画の一環として保健所も進められているところであり、保健所は、住民の皆様の入りやすさやプライバシーの保護などを考慮して、別棟、二階建ての庁舎を計画している、また地元の皆さんへの周知等について部内で検討させていただきたいとの答弁がありました。
次に、理学療法士、作業療法士の地域保健医療計画での位置づけは、また、この計画書によると本県には養成施設、学校がないとなっているが、医大の建設計画の中で検討できないかとただしたのに対し、地域保健医療計画書六十四ページに今回新しく位置づけした、また医大の建設計画の中では検討されていないし、修学資金の貸与での確保を考えているとの答弁がありました。
次に、民間病院の経営状況がよくないと言われているが、昨今二ないし三年における倒産・休業状況は、またその悪化の原因はとただしたのに対し、昨今、病院の経営状況は苦しくなっており、医療法人の決算状況にもあらわれており、休業中は、新宮医療圏で一病院、和歌山医療圏で無床診療所への転換及び経営者の変更があった、悪化の原因は、一般的な景気状況、医療材料費高騰、その他要因として、紀南地区では病床の利用率の減少などが考えられるとの答弁がありました。
次に、現在の病床数と、医療計画の中で病床数はどうなっているのか、また医師の過剰問題、特に過疎地についての医師問題はどうかとただしたのに対し、二次医療圏ごとに病床数を規定しているが、和歌山医療圏ではオーバーし、有田医療圏はほぼ同数となっている、また医師は過剰の状況であるが、地域の偏在が大きく、辺地には自治医大卒業生で対応しているが、和医大卒の医師派遣にも期待しているとの答弁がありました。
次に、地域医療圏の設定と老人保健福祉計画との整合性についてただしたのに対し、二次医療圏は患者の動向や定住圏域などを総合的に勘定して設定し、圏域の設定については、医療圏、福祉圏それぞれにねらいが違うことから異なっている、また整合性については関係部課と十分調整を行っているとの答弁がありました。
次にエイズと献血について、献血した本人がエイズに感染している場合についてただしたのに対し、使用前の検査で廃棄しているので安心していただきたい、またエイズ検査の結果は本人に通知しないとの答弁があり、そういう人たちをそのままにしておいてよいのかとただしたのに対し、献血に個人の疾病の検査を位置づけるのは難しい、エイズについては、現在、差別、偏見があり、患者との共生を求めている段階で、県としては国の指示に従ってまいりたいとの答弁がありました。
また、県民へのエイズ不安対策として、エイズについては正しい知識の普及を図ることが重要であり、県民啓発として、和歌山市において十月十六日にエイズ予防セミナー・インわかやまを計画しているところであり、また来年二月には田辺市でエイズ予防セミナーの開催の予定であるとの答弁がありました。
次に、和歌山県下のコカイン汚染の実態についてただしたのに対し、県警の調べによると検挙者は、平成二年は三人、三年は一人、四年はなし、五年は、現在ではなしであるとの答弁がありました。
次に、和歌山環境保全公社の役割と今後の方向についてただしたのに対し、公社の役割は廃棄物の処理処分と廃棄物の処理に関する調査研究である、昭和五十七年度以降行っている西防の埋め立てが平成八年八月に終了するので新しい処分場の候補地調査を行っているが、地元市町村の意向は難しく、小規模処分場についても調査を始めており、廃棄物処理センターの考え方も含め、公社の今後の方向等を検討していくとの答弁がありました。
次に、フェニックス計画への対応についてただしたのに対し、和歌山下津港内に積み出し基地をつくる必要があり、位置について選定中であり、またフェニックスに依存する廃棄物の量等について大阪湾センターと協議中であるとの答弁がありました。
次に、港湾計画の中で、都市問題を解決する機能の一つとして廃棄物処分場を位置づけるという方針となったことについて保健環境部の対応をただしたのに対し、平成五年度に産業廃棄物処理計画を改定すべく調査中であり、このデータなどをもとに土木部とも話し合っていくとの答弁がありました。
次に、他府県に比べリサイクルがおくれているのではないかとただしたのに対し、今年度にごみ減量リサイクル推進協議会を設置し、リサイクルのあり方についての検討を、またシンポジウムの開催など、広く県民に啓発してまいりたいとの答弁がありました。
そのほか、すさみ町から古座保健所へかなりの距離があるが、住民が便利で早いサービスを受けられるよう、行政区分の見直しについて検討し、十二月の委員会で報告されたいとの要望がありました。
次に民生部関係では、まず中国帰国者の定住についてはさまざまな問題があり、特に住宅については、雇用促進住宅には入居できないようであり、県営住宅への入居についてただしたのに対し、中国残留婦人の帰国の問題は、現在の制度では親族あるいは特別身元引受人が必要で、また定住については経済的自立を図る就労の問題、住宅の問題などがあり、特に住宅問題は大きな問題で、県営住宅への入居については早急に土木部長との話し合いを行ってまいりたいとの答弁がありました。
次に、主任児童委員の具体的な活動についてただしたのに対し、主任児童委員は、近年、出生率が低下し、子供の数が減っている中で、子供を生み育てる環境づくりが大切であり、また経済企画庁の国民生活選好度調査では、理想の子供数二・五五人、生む子供の予定数二・〇四人となっており、この格差をなくし、児童福祉の理念を実現するためにも民生・児童委員の方々に一層児童委員としての役割を果たしていただくことを目的としたもので、活動としては、児童福祉全般に絞り、児童福祉に主眼を置いて、児童委員間の連絡調整、情報の収集など、環境づくりの中心的な役割を果たしていただくものである、またこの選任基準として、専門的な知識、経験が必要であるとの答弁がありました。
また、主任児童委員は国の制度であるから県の自主性に欠けるのではないか、その予算及び主任児童委員の定数である百七十二人は県の人口によって決められたものかとただしたのに対し、予算総額は三百九十万円余りで、委員活動費は一人年間五万五千円の四分の一と研修費等で、主任児童委員の定数は単位民協の民生・児童委員数で決定し、定数では百七十一名で、和歌山市からの要望で一名増となっているとの答弁がありました。
また、民生・児童委員だけで活動が不十分ということで新たに主任児童委員を設けるのであれば、連絡調整といってもなかなかスムーズにいかないのではないか、また主任児童委員を設けるのは子供を安心して生める環境づくりならば、モニターで対応できるのではないか、どうして主任児童委員なのかとただしたのに対し、この制度の説明会等で市町村や民生・児童委員からもこういった質問が多くあり、現状では民生・児童委員の活動で手いっぱいであるから、新たに主任児童委員を設けて委員間の潤滑を図っていきたい、また子供を安心して生み育てられる環境を検討していただくために子育て環境づくり推進協議会を設置し、シンポジウムや県民意識調査などを実施する予定で、主任児童委員には地域でこの環境づくりに携わっていただくことになるとの答弁がありました。
また、主任児童委員は五十五歳未満で、単位民協で選出される委員数が複数の場合は女性が半数とあるが、人材があるのか、また人選が困難な状況である場合は年齢制限を外すのか、その場合何歳までと考えているのかとただしたのに対し、市町村等と協議を重ねた中で選任には大変ご苦労をかけていることは十分承知しているが、最大限の努力をいただくことをお願いしている、また、原則は五十五歳であるが、民生・児童委員が六十五歳であるので、最終的には六十五歳までを考えているとの答弁がありました。
次に、社会福祉士及び介護福祉士に関しての修学資金の返還に係る債務の免除についてただしたのに対し、現在、理学療法士などの養成、確保を図るため、それぞれの養成施設に在学する学生に対して修学資金を貸与し、それらに係る返還債務の免除規定はあるが、今回、新たに社会福祉士及び介護福祉士についても同様の規定を定めるものであるとの答弁がありました。
次に、老人保健福祉計画をいつ公表したのか、PR版はつくらないのか、また地域医療計画とのリンケージについてただしたのに対し、平成五年五月に策定し、七月二十七日に記者発表を行い、高齢者福祉月間で取り上げられたり、日のばらつきはあったが、新聞での報道がなされている、ダイジェスト版については今後作成したい、また地域医療計画とは作成の段階で十分リンケージしたとの答弁がありました。
また、長期財政計画との整合性、二〇〇〇年までの福祉計画の対応についてただしたのに対し、福祉計画実現の財政の裏づけについては中期計画の中に含まれているとご理解願いたい、またそれぞれの中期計画の中で対応していくとの答弁がありました。
また、現在の水準、整備の方向に郡市間のばらつきがあり、今後の当局の政策的な考えについてただしたのに対し、福祉圏域の格差を少なくし、均衡のとれたサービスの実施がされるよう調整を行っていくとの答弁がありました。
また、市町村に対する行政指導の実施及び市町村の計画の策定状況についてただしたのに対し、サービスの目標をどう設定するかについて、最低限の必要な目標及び実態調査に基づいたそれぞれの市町村のニーズを加味した計画を策定するよう指導している、現時点では全市町村で完了しているが、県への報告は全部そろっていないとの答弁がありました。
次に、高齢者施設の要望はあるが、厚生省の実態調査で利用者が少ない状況であるが、本県の状況はどうかとただしたのに対し、平成四年度実績で在宅福祉状況は、ホームヘルパー延べ利用人数十九万二千九百六十一人、デイサービス九万二千百四人、ショートステイ三千九十二人で、全国十五位、近畿で一位となっているとの答弁がありました。
このほか、二次医療圏と福祉計画の圏域に相違があるので住民に混乱を来さないよう執行に十分注意されたい旨の要望がありました。
次に、時代やニーズ、価値観が大きく変わる中で現状の制度や施設を改めていくことは最も難しい問題である、部内で検討していただきたいとただしたのに対し、高齢化や少子化が進むといった福祉環境の中で本県の将来の福祉のあるべき姿を展望しながら新しい福祉計画を策定することは、もちろん大事なことであり、あわせて現行制度や既存の施設についても速やかに見直しを行うなど、対応する必要性を認識しており、部内で十分検討を行い、委員会に報告するとの答弁がありました。
次に、障害者に対するバリアフリー住宅についての土木部との協議についてただしたのに対し、現在、昭和六十一年に策定した障害者等の住みよい生活環境整備指針に基づき住宅等整備をお願いしており、土木部、警察等とその都度協議を行っているとの答弁がありました。
次に、収納率向上及び医療費適正化特別対策の指導支援事業及び調査研究事業の具体的な事業内容についてただしたのに対し、国保制度の理解を深めるためのテレビスポットによる広報や市町村職員を対象とする研修会の開催などを予定している、また調査研修事業は、基礎的データを収集し、国保直営診療施設の現状を調査し、今後のあり方を研究するものであるとの答弁がありました。
また、県下の国保の診療所の数及び利用状況について、また住民の期待するものは何かとただしたのに対し、国保直営診療所は、病院八カ所、診療所十八カ所、計二十六カ所で、診療所については、無医地域や他に開業医がない地域で、その住民の方々のために中心的役割を果たしており、今後における老人福祉ゴールドプランにかかわる総合的な地域に対するかかわりというものが今後はより強く期待されると考えているとの答弁がありました。
次に、進学奨励事業については教育委員会で管轄するのが本来ではないかとただしたのに対し、地対財特法の残り三年半については民生部で管轄せざるを得ないと考えている、審査会には学力のかかわりも深いので教育委員会にも参加していただいている、ご指摘の点について検討してまいりたいとの答弁がありました。
次に、同和問題の残事業があった場合に法的根拠なくして実施できるかとただしたのに対し、法がなくとも同和問題を解決していく上での同和対策事業を実施していくならば、財源の措置などを引き続き国に要望していかなければならないと考えるが、いずれにしても、法の期限内に政令事業として市町村が実施する四百二十億円の残事業は完成するよう努力したいとの答弁がありました。
この答弁に対して、四百二十億円のハード事業が終了すれば同和問題は解決だということかとただしたのに対して、島団地や火葬場の問題などが政令事業から外れている、残事業がさらに多くなると考えられるが、県としては、法の有無にかかわらず、同和問題を解決する上で必要な事業はこれからも続けていかなければならない、また同時に、地方自治体に対する財政援助、財政支援措置については国に対して求めていかなければならないと考えているとの答弁がありました。
この答弁に対して、法の有無にかかわらず続けていくというが、法的根拠があったからこそ、これまで同和対策が進んできたのではないか、法が切れればどのように市町村に対する財政措置をしていくのかとただしたのに対し、今までと同じような財政措置を講じることは困難である、今後実施する同和地区実態調査等の結果に基づいて、県としてのこれからの同和行政のあり方について、法期限後の問題を含めて研究していきたいとの答弁がありました。
議請第三十一号に対する室長意見で、法的根拠は必要ないとなっていて、実態調査の結果を踏まえて今後考えていくとは書いていないではないか、将来に検討するのであれば、そのことを含めた室長意見とすればよいのではないかとただしたのに対し、室長意見は、今日の段階では条例制定は必要ないとの判断でそうなったものである、実態調査の結果を踏まえて、法、条例の必要性も含めて同和行政のあり方について検討していきたい、また室長意見について検討させていただきたいとの答弁がありました。
次に、議請第三十三号の室長意見については請願内容に的確に答えていないのではないか、議請第三十一号に対する室長意見と同様ではないか、室長意見の再検討についてどう考えるかとただしたのに対し、議請第三十一号と三十三号の内容に違いがあるのは承知しているが、行政の姿勢を室長意見として書いたものであり、検討させていただきたいとの答弁がありました。
また、事実と違う部分を請願者独自の見解であるということだけで済ませられるのか、これが県の同和行政のあり方か、室長意見についてどう対応するのかとただしたのに対し、これまで同和問題を解決するという視点で同和行政に取り組んできた、また国民的課題として認識し、同和行政を執行してきた、その考えは今も変わっていない、室長意見について検討させていただきたいとの答弁がありました。
次に、議請第三十三号の請願事由の一部に、議請第三十一号に対する認識の違いがあるものと考えられるとあるが、どのような認識の違いがあるのかとただしたのに対し、「同和問題完全解決と称した『部落解放基本法』と内容につながる」という点と、 1の「半永久的な同和対策の継続を求めているから」という二点で認識の違いがあると考えられるとの答弁がありました。
このほか、女性の管理職への登用について努力されたい旨の要望がありました。
以上が、厚生委員会における審査の概要であります。
採決の結果、付託されました議案三件は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決しました。
また、議請第三十一号につきましては、採択を求める意見がありましたが、慎重審査の結果、継続審査となり、議請第三十三号につきましても継続審査となりました。
以上をもちまして、厚生委員会の報告を終わります。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(宗 正彦君) 経済警察委員会委員長小川 武君。
〔小川 武君、登壇〕(拍手)
○経済警察委員会委員長(小川 武君) 経済警察委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案四件であります。
当委員会は、十月十二日、第三委員会で開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、審議に入りました。
各委員の質疑、意見並びに要望等の主なものは、次のとおりであります。
商工労働部関係では、まず現在の厳しい景気状況の中、中小企業振興資金の融資状況及び設備資金等、資金使途別の利用状況についてただしたのに対し、本年八月末の新規貸付状況は八百五十三件、八十九億五千七百万円と件数、金額とも対前年比の約一・四倍となっている、また貸付総額も二百七十四億四千万円となり、今回の融資枠拡大となった、設備資金及び運転資金の融資状況は、前者で百八十三件、二十五億一千万円、後者で六百七十件、六十四億四千七百万円となっているとの答弁がありました。
関連して委員からは、中小企業融資制度の上半期における利用状況及びそれに伴う返済状況について質疑がなされ、紀陽銀行における現状が他の金融機関に影響すること等により県内中小零細企業の資金繰りを圧迫するのではないかとの指摘があり、中小企業者に対する返済猶予等の方法等についても意見が出されました。
次に、県営競輪の経営状況についてただしたのに対し、入場者数及び売上額は平成二年以来減少傾向にあり、昨年度の実績で三十四万八百九十九名、百八十億三千三百十九万八千六百円であるとの答弁がありました。
関連して委員からは、現在調査中の県外での場外車券売り場の地元同意問題について質疑がありました。
次に、現在まで誘致した企業の操業状況についてただしたのに対し、誘致企業の六十社中、四十八社がほぼ予定どおり操業を開始したが、日高県事務所管内の一社が一時休業中である、未操業となっている十二社については、用地の境界紛争が解決されていない一社を除き、最近協定を締結するに至った企業が多く、設計または建設中である、また地域別では紀北地域が主であるとの答弁がありました。
これに対し委員からは、工業団地の造成に関連してトラブルがあると後に影響を及ぼすこととなるので関係機関に対し指導するようにとの意見が出され、さらに誘致企業による地場産業への波及効果、並びに誘致した企業における従業員のための住宅設置問題、誘致企業懇談会における話し合いの内容、本県の誘致企業における雇用調整問題について質疑がなされました。
次に、造成を完了した工業団地に対する企業の立地意向についてただしたのに対し、北勢田工業団地では造成中に十九社の立地意向があったが、本年二月に再度アンケート調査を実施したところ五社の立地意向が続いており、御坊第一、第二工業団地については県外企業二社及び県内企業一社の立地意向があるとの答弁がありました。
関連して委員からは、東京、大阪での説明会における企業の反応、並びに現在造成中及び造成済みの工業団地の状況について質疑があり、今後も積極的に企業誘致キャンペーン等を行い、雇用の場を確保するようにとの要望がありました。
次に、本県へUターン就職する際に問題となる所得格差等以外に住宅確保問題があるが、これに対する対応についてただしたのに対し、利用される住宅には県営及び市営住宅、並びに雇用促進住宅があり、本年の政府要望の中にも、アパート形式でなく一戸建ての社宅等の建設ができるよう労働省に要望している、現状では困難であるが、今後とも関係機関と協議していきたいとの答弁がありました。
次に、障害者雇用促進月間における取り組み状況についてただしたのに対し、毎年九月を促進月間と定め、事業主に対する障害者雇用の理解を深めるための啓発活動、並びに雇用率未達成企業に対する指導を積極的に展開している、また本年度は障害者の雇用促進のため仕事上の各種器具等の展示を行い、障害者雇用についての職域拡大に向け啓発を行ったとの答弁がありました。
関連して委員からは、企業規模別で見た場合、大企業ほど雇用率が悪いので、今後も積極的に指導するよう要望がありました。
このほか、公共事業における中小企業に対する発注実績、海南インテリジェントパークへの企業誘致問題、及び当該地域の現状についての質疑、観光地における宿泊所等でその地域の特産品を提供できるよう県として指導してはどうかとの意見、並びにタクシー運転手のマナー向上対策、及び南紀白浜空港東京便利用促進協議会などを活用し、白浜─東京間の利用促進を図るようにとの要望がありました。
公安委員会関係では、まず今回付託されました議案第百二十五号和歌山県遊泳者等の事故防止に関する条例について質疑が行われました。
まず、海水浴場開設者の責任についてただしたのに対し、事故責任は個々の事故を具体的に見て判断すべきものと考えるが、一般論として公共の海で泳いでいて事故が起こった場合、本来は当事者本人が責任を負い、開設者についても過失の度合いによって相応の責任を負うこととなる、裁判例では海水浴場開設者は一般的に事故防止措置と救護措置の面から責任を負うと判断しているとの答弁がありました。
次に、警察と海上保安庁等との海上における取り締まり権限についてただしたのに対し、警察は警察法に基づいた一般的な権限を有しており、和歌山県のすべての区域に権限が及んでいるが、海上保安庁等は個々の法律に基づいて一定の区域や一定の事項について権限を持っている、ある部分については警察の権限と重なるが、重なる部分については中央レベルで協定を結ぶ等、調整を行っているとの答弁がありました。
次に、条例の運用に当たっての警察官の対応をただしたのに対し、指導取り締まりは地域警察官が主体となるが、さらに水上警察体制の強化についても検討しているとの答弁がありました。
次に、催し物の届け出について、条例の目的から離れて催し物自体が規制されることのないよう運用を徹底するとともに、海水浴場やプレジャーボートをおろす場所に迷惑行為等を禁ずる旨の看板を設置してはどうかとただしたのに対し、説明会を開くなど一般広報と部内教養を強化し周知徹底を図るとともに、さらに部内においては条例の細部にわたり公安委員会規則を策定するほか、個々の問題に対しては本部と警察署との連絡を密にし運用面の適正を期していく、また危険行為、迷惑行為等を禁止する旨を記載した掲示板を設置することを考えているとの答弁がありました。
以上のほか、本条例は遊泳者等の生命、身体及び財産の保護を目的としたものであり、また催し物を許可制でなく届け出制としたことは評価しているとするとともに、管理面から考えると海水浴場を実際に運営している市町村や自治会の理解と協力が不可欠であり、それらに対する周知を徹底すべきことを認識してほしいとの要望がありました。
次に、殺人等の重要事件解決のための民間協力確保について、捜査状況を広報すべきでないかとただしたのに対し、あらゆる警察活動は県民の理解と協力なくしてはなり得ず、阪和銀行副頭取射殺事件については、犯人の似顔絵を公開した結果、多くの情報提供を得て、事件解決に向けた捜査を推進しているとの答弁がありました。
次に、警察犬、中でも麻薬犬の必要性、飼育費用等を予算化し、民間委託して育ててはどうかとただしたのに対し、直轄警察犬で麻薬犬として運用しているのは警視庁、神奈川及び千葉県警察の三都県であるが、必要性があるので今後、民間委託について検討していくとの答弁がありました。
次に、暴力団対策法施行後一年余りの経過を迎えて、暴力団に対する中止命令など法の適用状況等についてただしたのに対し、警察は各種刑罰法令とともに暴力団対策法を効果的に活用し、これまで不当要求行為をした暴力団組員に対し六件の中止命令を出すなど、資金源対策に効果を上げているとの答弁がありました。
関連して委員からは、組織の総力を挙げて暴力団総合対策に取り組むよう要望がありました。
次に、外国人の不法就労の実態とその対策についてただしたのに対し、県下の不法就労外国人数は五百人から六百人と推定しており、不法就労で本年八月末までに十八件、十八名を検挙し、外国人犯罪も平成二年に三十八件、三十九名、平成四年は百七十三件、百五十三名と年々増加傾向にあり、これらの対策として捜査体制の強化、捜査能力の向上、国際捜査協力の強化と外国語のできる捜査員の養成を柱にしているとの答弁がありました。
次に、シートベルトの着用状況や信号機の設置基準についてただしたのに対し、シートベルトの着用については、昨年からセーフティーベルト21をキャッチフレーズに強力に推進しており、今後も指導取り締まり及び安全教育を通じて広報、啓発活動をさらに推進していきたい、信号機の設置については、車両、歩行者数及び道路環境等を検討しながら必要性、緊急性を判断して計画的に設置していくとの答弁がありました。
次に、年会費を払って会員となれば反則金を代行納付するとの新聞報道につき、警察の対応をただしたのに対し、反則金制度は一定の交通違反をした運転者が金銭的負担を負うことで違反の抑止効果を図る趣旨であり、このような代行納付事業は反則金制度の目的に反するばかりか交通違反を助長することにもなりかねず、公序良俗に反し、これら行為が詐欺罪あるいは業務上横領罪等の犯罪に発展しないよう関心を払っていくとの答弁がありました。
次に、免許証の更新手続をせず、期限切れとなった人数と救済措置によりどれくらいの人が救済されているか等についてただしたのに対し、平成四年中のいわゆるうっかり失効により期限切れとなった者は約四千八百人で、警察から運転免許の有効期限の満了した者に失効通知のはがきを送付し、このうち全体の八三%、約四千人が適性試験に合格し免許証の交付を受けているとの答弁がありました。
次に、世界人権宣言四十五周年を迎えたが、特に同和問題についてはどのように考えているのかとただしたのに対し、警察行政において人権を尊重することは大切であり、特に同和問題については、早急な解決を図ることは行政の責務であるという認識に立って取り組んでおり、全警察職員の教養にも努めているところであるとの答弁がありました。
次に、海南警察署長宿舎の建てかえを初め、警察庁舎の建設計画をただしたのに対し、署長宿舎の建てかえについては、警察署を現地あるいは移転して建てかえる場合においても公務に支障のない場所を考えている、警察庁舎については、十四署のうち昭和四十年以前に建設したものは串本署など七署で、いずれも老朽化、狭隘化が著しく、住民の利便性も損ねている現状にあるが、県当局の理解を得て岩出警察署と和歌山西警察署は完成予定のめどで業務を進めており、有田警察署についても用地確保のめどが立ち、今後も順次整備を進めていくとの答弁がありました。
次に、派出所、駐在所の建てかえ計画と、建物が親近感の持てるようなやわらかい感じのするものをつくってはどうかとただしたのに対し、県下の派出所、駐在所数は本年四月現在、百九十三カ所で、このうち耐用年数が過ぎたところは派出所六カ所、駐在所二十二カ所の計二十八カ所である、今年度については補正予算等を含めて九カ所の整備を行う予定であるが、建てかえ整備に当たっては、周囲の景観にマッチし、より地域の方々に親しまれるような施設づくりに努めていくとの答弁がありました。
このほか、要人警備を初めリゾート博警備に当たっては、携帯電話を活用すればより効果を発揮するのではないかとの質疑がありました。
以上のとおり、慎重審査の後、採決の結果、当委員会に付託されました議案第百十二号、百十五号、百十七号及び百二十五号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
以上で、経済警察委員会の報告といたします。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(宗 正彦君) 以上をもって、各常任委員会委員長の報告が終わりました。
○議長(宗 正彦君) これより、委員長の報告に対する質疑に入ります。──質疑なしと認めます。
○議長(宗 正彦君) 次に、ただいま議題となっております案件について討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(宗 正彦君) ご異議なしと認めます。よって、直ちに採決を行うことに決定いたしました。
○議長(宗 正彦君) これより採決に入ります。
まず、議案第百十二号、議案第百十七号、議案第百二十一号、及び議案第百二十六号から議案第百二十八号までを一括して採決いたします。
本案に対する委員長の報告は、いずれも原案可決であります。
本案を委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○議長(宗 正彦君) 起立多数であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
○議長(宗 正彦君) 次に、議案第百十三号から議案第百十六号まで、議案第百十八号から議案第百二十号まで、議案第百二十二号から議案第百二十五号まで、及び議案第百二十九号から議案第百三十三号までを一括して採決いたします。
本案に対する委員長の報告は、いずれも原案可決であります。
本案を委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○議長(宗 正彦君) 起立全員であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
○議長(宗 正彦君) 次に、地方自治法第百七十九条の規定による知事専決処分報告報第七号を採決いたします。
本件についての委員長の報告は、承認であります。
本件を委員長の報告のとおり承認することに賛成の諸君はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○議長(宗 正彦君) 起立全員であります。よって、本件はこれを承認することに決定いたしました。
○議長(宗 正彦君) 次に、請願について採決いたします。
まず、議請第三十一号並びに議請第三十三号についてお諮りいたします。
本請願に対する委員長の報告は、いずれも継続審査であります。
本件を委員長の報告のとおり継続審査とすることに賛成の諸君はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○議長(宗 正彦君) 起立多数であります。よって、本件はいずれもこれを継続審査とすることに決定いたしました。
○議長(宗 正彦君) 次に、ただいま採決いたしました請願を除くその他の請願三件を一括して採決いたします。
本件はいずれも委員長の報告のとおり決することにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(宗 正彦君) ご異議なしと認めます。よって、本件はいずれも委員長の報告のとおり決定いたしました。
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○議長(宗 正彦君) 次に、日程第二に入ります。
お諮りいたします。お手元に配付しております「継続審査を要する所管事務調査件名表」及び「継続審査を要する担任事務調査件名表」のとおり、各常任委員会及び議会運営委員会に対し、閉会中の継続審査として付議することにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(宗 正彦君) ご異議なしと認めます。よって、以上のとおり、各常任委員会及び議会運営委員会に対し閉会中の継続審査として付議することに決定いたしました。
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○議長(宗 正彦君) 次に日程第三、議案第百三十四号平成四年度和歌山県公営企業決算の認定についてを議題といたします。
お諮りいたします。本案については、十二人の委員をもって構成する公営企業決算審査特別委員会を設置し、これに付託の上、閉会中の継続審査とすることにいたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(宗 正彦君) ご異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
○議長(宗 正彦君) 次に、お諮りいたします。ただいま設置されました公営企業決算審査特別委員会の委員の選任については、委員会条例第五条第一項の規定により、次のとおり指名いたしたいと思います。
職員にその氏名を朗読させます。
〔職員朗読〕
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公営企業決算審査特別委員会委員
吉 井 和 視 君
井 出 益 弘 君
尾 崎 吉 弘 君
岡 本 保 君
向 井 嘉 久 藏 君
門 三 佐 博 君
尾 崎 要 二 君
上 野 山 親 主 君
浜 口 矩 一 君
森 本 明 雄 君
飯 田 敬 文 君
村 岡 キ ミ 子 君
以 上 十 二 人
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○議長(宗 正彦君) ただいま朗読した諸君を公営企業決算審査特別委員会の委員として指名することにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(宗 正彦君) ご異議なしと認めます。よって、ただいま指名いたしました諸君を公営企業決算審査特別委員会委員に選任することに決定いたしました。
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○議長(宗 正彦君) 次に、日程第四に入ります。
お諮りいたします。同和対策、関西国際空港対策、水資源対策、半島振興過疎対策の各特別委員会については、それぞれの問題をさらに閉会中の継続審査とすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(宗 正彦君) ご異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
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○議長(宗 正彦君) 次に、日程第五に入ります。
和議第二十六号「平成五年度災害の早期復旧と治水関係事業の推進に関する意見書案」、和議第二十七号「道路予算拡大に関する意見書案」、和議第二十八号「郵政事業の現行経営形態堅持を求める意見書案」を一括して議題といたします。
案文は、お手元に配付しております。
お諮りいたします。本案については、提出者の説明等を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(宗 正彦君) ご異議なしと認めます。よって、直ちに採決いたします。
本案を原案のとおり決することにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(宗 正彦君) ご異議なしと認めます。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
○議長(宗 正彦君) 以上で、今期定例会に付議された諸案件の審議はすべて終了いたしました。
議員各位の連日のご精励を深く感謝申し上げます。
どうか、健康にご留意の上、ご活躍されることを祈念いたします。
○議長(宗 正彦君) これをもって、平成五年九月定例会を閉会いたします。(拍手)
午後二時四十八分閉会