平成5年9月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(木下義夫議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

平成五年十月七日(木曜日)

  午後一時四分再開
○副議長(町田 亘君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○副議長(町田 亘君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 22番木下義夫君。
  〔木下義夫君、登壇〕(拍手)
○木下義夫君 通告いたしました順番に従って一般質問を行いたいと思いますので、知事初め関係者の熱意あふれる答弁をお願いいたします。
 質問に先立ちまして、一言、御礼を申し上げたいと思います。
 六月県議会で質問をいたしましたまき網漁業者と徳島県との紛争について、和歌山検察庁田辺支部に送検されていた田辺漁業協同組合所属の共漁丸、和歌山検察庁御坊支部に送検されていた三和漁業株式会社に対する漁業法第六十六条第一項の違反事件については知事初め関係者の努力により不起訴処分が決定し、県下まき網漁業者の喜びはまことに大きなものであり、質問をいたしました私にとっても非常に大きな喜びであります。ここに、知事初め関係者に心より感謝いたしますとともに、今後のご支援、ご指導をお願い申し上げます。
 それでは、質問をいたします。
 第一点は、合気道開祖・植芝盛平翁の顕彰と合気道の普及についてであります。
 合気道開祖・植芝盛平翁は、明治十六年十二月十四日、和歌山県西牟婁郡西ノ谷村(現在の田辺市元町西郷)にお生まれになり、幼少のころより武芸にすぐれており、若いときより武道に志し、諸派の門をたたき、けいこに当たり、耐えがたきを耐え、ついに起倒流、相生流、柳生流、大東流、竹内流、槍術宝蔵院流等あらゆる武道の奥義をきわめ、また現代の柔剣道にもかかわり、柔道創始者の嘉納治五郎先生、剣道の高野佐三郎先生、居合の中山博道先生の方々とも深い交流を持たれていました。日露戦争にみずから志願して戦陣を駆けめぐり、真剣白刃の中、実践武道としてその名をとどろかし、帰還後、天下第一の武人を志し、全国を回り、そのわざを競うこと数知れず、栄光をほしいままにいたしました。
 当時、翁先生の心境は、強ければよし、何人にも負けぬ一点張りにて、肉体を鍛え、胆力を練り、技能を磨くことに没頭していましたが、それでもただ一個の武道の覇者でしかあり得ない、何ゆえに、天が自己のために命を下さったのかという疑問を生じ、従来の武道に対していつしか心の大障壁に打ち当たりました。いかに強いとも天地より見れば広い大海の一葉にすぎず、強弱を争うて何人の益があるか、眼前の相手を破ることはできても、心の中の悪を払うことができずに大いに迷い、悩み、ついに武道を放棄し、宗教に心を静め、哲学に思いをいたし、厳頭に座し、あるいは滝に打たれて、求道のためあらゆる難行も辞せず、専心、心眼の解暁に粉骨砕身していたところ、一日の行を終えて下山の途中、忽然として自己の進むべき道を悟られたとのことです。強ければよし、相手を倒せばよしの武道は誤りであることを知り、従来の心の悩みもすっかり消え、武とは愛なり、天地の心をもって我が心として、万有愛護の大精神をもって自己の使命を完遂することこそ真の武の道であり、自己に打ちかち、敵をして戦う心をなからしめ、敵そのものをなくする絶対的自己完成の道であると確信されたようであります。
 以来、翁先生のわざは、熾烈にかわるに寛宥をもってし、豪胆にかわるに円熟をもって心欲するところに従って法則を超えず、手の舞い、足の踏むところ行くとして可ならず、至妙境を備うるまでに至りました。翁先生は、常に身にむちうって門弟にこの法をみずから体をもって表現、実在の形をもって説き、人類平和の基礎を築かんという悲願の姿に門弟は心を打たれたのでありました。気を澄み切る鍛練をして、健康で自己の使命を完遂する気・心・体を磨くけいこをするのが合気道であると申されました。
 大正八年、京都府綾部にて大本教の出口王仁三郎先生と出会い、精神的修行に打ち込み、精神的修行と相まってその心の向上に伴い、武道の神髄を「合気」と呼称で主唱したのであります。そして、眼中敵もなければ白刃もなし、ついに武術脱皮して天道に基づく合気道を創始するに至ったのであります。柔道創始者・嘉納治五郎先生は、合気道を見学されて、このわざこそ私の理想とする武道だと言って合気道に入会されたようであります。
 合気道は、終戦と同時にその門戸を一般に公開したところ、全国各地より武道家が正しい理法を学び、精神のあり方を悟り、人生の奥義をきわめんとする人々がその数を増し、国内はもとより海外にまで広く発展していったのであります。合気道の海外普及活動が開始されてから三十数年経過いたしましたが、この間、欧米を中心に東南アジア、アフリカ、中南米など、世界の約五十カ国に普及され、現在、約百二十万の人々に愛好されておる現状であります。合気道がわずかの間に全世界へ爆発的に広がりつつある現況は、これが武道として、心身の鍛練の道として人類、国境を越えて世界平和、人類和合にとって極めて適当なものであると世界の人々に認められたからであります。
 最近の海外普及活動は、財団法人合気会本部独自の活動から、海外各国の自主的な活動、政府の国際交流基金による指導者派遣、国際協力事業団の青年海外協力隊によるボランティア指導者派遣など、海外交流がまことに盛んになってきております。世界に伸びる人間交流のきずなとして、合気道がさらに世界各国にそのすそ野を広げていくことは、人類の平和と繁栄の実践につながる最も新しい人類共有の文化として、来るべき二十一世紀に向けて世界の人々に大きく期待されているのであります。
 来年七月十六日から開催される世界リゾート博の開催の意義と目的、及び基本方針は次のとおりであります。「和歌山を国内外にアピールします」「和歌山を新しい『国際リゾートエリア』として定着させます」「地域の活性化にはずみをつけます」。基本方針は、「和歌山からの情報発信」「和歌山の自然、歴史・文化、産業を国内外にアピールし、リゾート立県をめざす和歌山の決意を表明するとともに、21世紀を踏まえたリゾートライフの新しいあり方を提案します」「国際性と人間性にあふれた空間の創出」「国際姉妹友好都市や海外の著名なリゾート地などとの国際交流を積極的に展開し、国際化の新しい方向を提唱します」となっている。
 私は、これは合気道そのものであると思います。合気道開祖・植芝盛平翁が創始し、第二代目道主・植芝吉祥丸先生初め門弟の方々の努力により和歌山で生まれて、和歌山が発信基地として、世界平和のため、人類和合のため、世界約五十カ国、百二十万の人々に愛好されている合気道こそ世界リゾート博の意義と目的及び基本方針そのものであると確信いたします。今こそ、合気道すなわち和歌山、和歌山すなわち合気道となるように、官民一体となって諸施策を講ずべきであると思います。
 武道の一つに少林寺拳法があります。創始者は宗道臣先生で、香川県仲多度郡多度津町乙二三五番地に総本山があり、香川県の歴代知事が大変力を入れて立派な少林寺会館を建設し、官民一体となって少林寺拳法の隆盛を図り、地域の活性化に大いに貢献しているとのことであります。各地域の指導者は、毎年、一定の期間、本部で修練を積むとか、四段以上の免許状は総本山で授与するとか、少林寺拳法を全国に発信して香川県の名を高め、地域の活性化を図っているのであります。
 合気道については、和歌山県合気道連盟──会長は岡本保先生であり、理事長は高岡貞雄さんであります──を結成して、昭和六十二年、県体育協会に加入し、昭和六十三年から県民総合体育大会へ参加しております。また、昭和五十一年に国際合気道連盟が結成され、第一回総会が昭和五十一年十月、東京にて開催されました。その当時、アメリカ初め二十九カ国、四百名の方々が参加されました。昭和六十三年に、合気道開祖・植芝盛平翁が生まれ成長した田辺市で第五回国際合気道大会が開催され、世界各国から大勢の選手役員が参加され、国際親善の実を大いに上げました。同時に、国際合気道連盟総会も開催されました。
 そこで、知事、教育長、知事公室長に、次の五点にわたり質問をいたしたいと思います。
 一、一説には二千年に一人出るか出ないかと言われる偉大な合気道開祖・植芝盛平翁を顕彰し、和歌山県を国内外にアピールして、全国から、世界各国から大勢の方々に和歌山県に来てもらうために合気道会館の建設を提案いたします。
 二、学校教育の基本である心身ともに健全な児童生徒を育成するために、精神武道である合気道を学校教育に取り入れ、クラブ活動として採用することを提案いたします。
 三、国際的に普及している合気道を活用して、和歌山県の国際化の促進を図ることを提案します。
 四、少林寺拳法が行っているように、合気道会館を建設して高段者の免許授与を和歌山県で行われるようにすることを提案いたします。
 五、昭和六十三年に田辺市で第五回国際合気道大会が開催されましたが、全国に、世界に知ってもらうためには、「継続は力なり」と申すように隔年ぐらいに合気道大会を開催されるよう提案いたします。
 以上が、第一点目であります。
 第二点目は、地方拠点法の活用並びに地方分権の受け入れ促進のための市町村合併についてであります。
 地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律に基づいて、田辺御坊地方拠点都市地域の地域指定を受けるため、ことしの五月三十一日に和歌山県田辺御坊地方拠点都市地域整備促進協議会を設立いたしました。
 県は、和歌山市域に拮抗する広大な地域圏を県中央部に形成し、県の均衡ある発展を目指すために、八月六日付で田辺地方と御坊地域の二カ所を一地域とみなして東京一極集中解消をねらう地方拠点都市整備法に基づく地域指定をいたしました。地域指定は全国で四十三道府県、四十四地域目、県内では初めての指定であり、田辺市、御坊市を中心に二市十一町五村の十八市町村でネットワークを形成するものであります。地域面積は約十九万ヘクタールで、県面積の四一%の広域にわたり、人口約二十二万人であります。県は、県内の均衡ある発展の拠点になる地域を前提に、自然、経済、社会的条件から見て整備を図ることが相当な地域などを基準に選定作業を実施し、田辺市を中心とする地域を選んだのであります。全体として、三十万人地域圏、中心都市から三十分地域圏の構築を目標に地域づくりを行っていくものであります。
 中心都市になる田辺市では、都市機能、特に商業業務機能の集積を図るため、JR田辺駅前周辺開発整備、広域ビジネスセンターの整備を行い、また御坊市では、県の長期総合計画に示された田園テクノタウン構想を踏まえ、工業用地の造成やニュータウン建設を行い、ハイテク産業の導入などによる就業機会の増加や住宅地の供給を図っていくものであります。
 二市の周辺町村では、川辺町が天文台などを備えた和佐フレッシュパークの整備、美山村が椿山ダム湖周辺の公園化、上富田町が朝来総合スポーツ公園の整備、日置川町が森林総合レクリエーション基地の整備などの観光、スポーツ機能を持たせていく等であり、まことに結構なことであります。平成五年十二月末までに基本計画素案を作成し、平成六年三月末、基本計画の承認の予定であります。
 そこで、八月六日に地域指定した後の経過と今後の各プロジェクトについての企画部長のご所見をお尋ねいたします。
 次に、細川連立内閣の三大目標の政治改革、経済改革、行政改革の一つである行政改革の地方分権と地方拠点法のより効果的な活用を図るために、現在の行政規模が適切であるかどうか考えてみる必要があると思います。
 地方拠点法により地域指定された田辺御坊地域は十八市町村があり、その地域の特性を生かした計画づくりをするとのことですが、その計画をより効果的、効率的にするために市町村の合併を考えていかねばならないと思いますけれども、知事のご所見をお尋ねいたします。
 国際化、広域行政が叫ばれて久しく、それに加えて東京一極集中を排除し、国土の均衡ある発展を実現して国際化に備えるために地方分権が大きな課題になっております。この地方分権をスムーズに受け入れ、効率的、効果的な行政を行うために、もっと足腰の強いスケールメリットのある自治体を構成すべきであると思います。昭和四十年以降、県下七市四十三町村の構成はそのままになっているが、過疎化が進み人口変動が大きくなっている現在、このままでよいのかどうか、市町村合併促進を考えるべきかについて、知事のご所見をお尋ねいたしたいと思います。
 第三点は、会津川の改修促進及び田辺市内の各河川のしゅんせつ促進についてであります。
 会津川は、田辺市の中央部を二分するように、紀伊山地の虎ケ峰から槇山にかけて標高七百から八百メートルの山地を水源として右会津川、左会津川を合わせて南西に流れ、田辺湾に注いでいる川であります。流路延長は二十・三キロメートルの二級河川であり、その流域面積は八四・七平方キロメートル、田辺市の総面積百三十七・二八平方キロメートルの六一・七%を占めております。
 会津川を中心に発展してきた田辺市にとっては、非常に重要な河川であります。この会津川の治水対策が万全に行われるかどうかが将来の田辺市発展の大きな要素であり、また現在の田辺市民の生命、財産を守るためにも必要なことであります。
 この問題について、昭和六十一年九月県議会で質問をさせていただきました。その後、会津川をふるさとの川に指定され、部分改修が鋭意行われていることについては感謝の意を表したいと思いますし、田辺土木事務所工務第二課の担当者も一生懸命取り組んでおります。しかし、七年前も写真を示して質問いたしましたが、予算の関係かその改修は思うように行っておらず、周辺住民は雨のたびに浸水の不安にとらわれています。
 今回も質問をするため流域を実地調査した結果、土木部長に渡している写真のとおり、右、左会津川も改修が十分でなく、また土砂の堆積が激しく、それが中洲となったり、さらにその堆積が両岸からせり出て河道を狭く浅くしており、その上、アシやら何やら群生して、ところによっては大きな樹木まで生えている状態であります。したがって、洪水の場合、その流下能力を阻害して大きな災害を引き起こす可能性が大であり、危険きわまりないと判断される状態であります。おかげさまで、ここ数年は雨量の割に大きな災害がなくて非常に幸せな状態であります。しかし、幸せは長く続きませんし、災害は忘れたころにやってくるものであります。ご存じのように本年は異常気象であり、地震あり、津波あり、洪水ありで、世界各国、また日本でも悲惨な災害に遭っております。
 そこで、土木部長にお尋ねをいたしたいと思います。
 一、会津川本流、支流の治水対策の現況をどのように把握され、どのように対処していく所存であるか。
 二、ふるさとの川の事業計画と、その後の進捗状況と完成年度。
 三、田辺市内の各河川、会津川、芳養川、稲成川、荒光川等で土砂の堆積が激しく、その上に今申し上げた写真のようにアシやら何やらが生えて、大雨の場合、堤防の決壊による大災害が予想されるので、早急に堆積土砂を除去して、水路を広げて大雨の場合でも安心できるようにすべきであると思うが、土木部長のご所見をお尋ねいたします。
 以上、三点にわたり質問をいたしましたので、どうか知事初め関係者の熱意ある答弁をお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○副議長(町田 亘君) ただいまの木下義夫君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
  〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 木下義夫議員にお答え申し上げます。
 植芝盛平翁の顕彰についてでございます。
 私も、植芝盛平翁が創始された合気道が人類や国境を越えて世界の人々に愛好されていることに、合気道開祖・植芝盛平翁のふるさと和歌山県として誇りに思っておるわけでございます。
 和歌山県は、世界に誇る博物学者・南方熊楠翁、医聖・華岡青洲翁のふるさとでもございます。こうした熊楠翁、青洲翁、盛平翁など和歌山の生んだ数々の偉大な先人や歴史文化を研究し、後世に伝えるべく顕彰してまいることも、世界に誇るふるさとを創造していく上で非常に大切なことでもございます。「和歌山の先人たち」という本を民生部青少年女性課でも編集いたしましたが、その中にも植芝さんが入っているわけでございます。各図書館、学校に配付いたしまして教育に努めているわけでございます。植芝氏についても、これからもなお一層アピールしていきたいと思います。
 ご提案の合気道会館の建設でございますけれども、そうした趣旨からでございましたならば、まず財団法人合気会、また合気道連盟初め関係の団体が先頭に立っていただいて努力していただくことが最も望ましいことではないかと、それに県も応援していくということではないかと思っております。
 それから、合気道の国際大会の開催でございますけれども、四年に一度の開催となっておるわけでございます。本県では、第五回大会が昭和六十三年に田辺市で開催したところであり、次の第六回大会は平成四年に台北市で、第七回大会は平成八年に東京で開催が予定されているようでございます。
 また、段位の問題ですけれども、私もアマチュア相撲連盟の全国の会長をやっておりますし、柔道連盟の中央の理事もやったことがございますが、段位決定というのは武道団体にとって一番重要なことでございます。そこには段位審査会というのがございまして、会長等よりもこうした段位審査会が力を持っていて、部外者が意見を言うことは武道団体にとって失礼なことになるのではないかと思っておるところでございます。
 それから、地方拠点都市の活用に伴う市町村合併の問題でございます。
 現在、臨調なり行革審、地方制度調査会等、各方面において議論がなされておるわけでございまして、地方分権が叫ばれている中で国から地方への権限移譲等をスムーズに進めていくためには、市町村間の行財政能力、話ございました規模の格差の是正等が必要でございまして、そのためには市町村合併ということも地方の足腰を強めるのに有力な方法であると感じております。
 しかし、本県の実情を考えてみた場合、地形的に山村地域が非常に多いわけでございます。このような地域の多くは集落が分散している状況でございまして、合併を実施するといたしましても、いろいろ難しい問題がございます。県としても、適正な行政規模等のあり方について今後調査研究を深めてまいりたいと思っております。
 そして、質問の田辺御坊地域が本年八月六日に地域指定を受けたことにより、現在、関係市町村が一体となって広域的に和歌山県田辺御坊地方拠点都市基本計画を作成しているところでございまして、このことにより関係市町村の一体的な高まりが期待されるものでございます。今後、合併に向けて関係市町村が住民の理解を得、地元から機運の高まりが見られる場合には、県としてもできるだけの支援を行ってまいりたいと考えております。
○副議長(町田 亘君) 知事公室長中西伸雄君。
  〔中西伸雄君、登壇〕
○知事公室長(中西伸雄君) 木下義夫議員にお答えいたします。
 合気道を通じて国際化の促進を図るご提案でございますが、本県が生んだ植芝盛平翁が創始された合気道が世界各地に普及し、数多くの方々に愛好されているということは、まことに喜ばしい限りでございます。平成三年三月に策定した本県の国際交流推進指針においても、文化、スポーツ、教育等の分野での交流を積極的に促進していくことにいたしてございます。
 議員のご提案は、バランスのとれた総合的な国際化を進めていくための一つの方策として、合気道を通じた世界への情報発信基地を目指すものであり、有意義なものと考えてございます。
 本県においても、定期的に国際大会が開催されることになれば、海外から関係者の皆さん方が数多く訪れることにもなり、県民との交流も促進されるとともに、地域の活性化にも寄与するものと思います。今後、関係部局を通じて関係団体等の意向を伺いながら、こうしたことについて協議をしてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(町田 亘君) 企画部長佐武廸生君。
  〔佐武廸生君、登壇〕
○企画部長(佐武廸生君) 地方拠点法の地域指定後の経過についてお答えいたします。
 現在、二市十一町五村で構成される整備推進協議会において基本計画を作成すべく、広域的な共同プロジェクトの創設や各種プロジェクトの事業化の可能性等を鋭意検討中でございます。この基本計画においては、各市町村がそれぞれの個性を生かした三十万地域圏の形成を目標に、広域的な視点から一体的に整備推進するという計画づくりが望まれるところでございます。県といたしましては、若者が定住できるような活気とにぎわいに満ちた地方拠点都市地域の形成を促進すべく、昨年、庁内に地方拠点都市づくりに関する検討会を設置し、基本計画の作成並びに各種プロジェクトの実現化を支援していくことといたしてございます。
 以上でございます。
○副議長(町田 亘君) 土木部長山田 功君。
  〔山田 功君、登壇〕
○土木部長(山田 功君) 会津川の改修促進と田辺市内の各河川のしゅんせつ促進についてお答えを申し上げます。
 会津川の治水対策は非常に重要なものと認識をしており、計画的に改修事業の促進を図っているところでございます。本川については、河口から右会津川との合流点までの間の左岸堤防を概成し、支川の稲成川、荒光川を完成いたしております。現在、稲成川合流点上流の本川右岸部において用地取得を行い、築堤工事を進めているところでございます。また平成四年度には、ふるさとの川モデル事業として建設省の認定を受け、市の町づくりと一体となった整備計画に基づき、親水性や生態系に配慮した整備を進めており、早期完成に向け取り組んでまいります。
 田辺市内の各河川のしゅんせつ促進については、雑木、雑草の状況や土砂の堆積状況等を考慮して、堆積土砂の除去あるいは雑木の伐開を実施しておるところでございます。今後とも、現地調査の上、必要に応じ順次実施をしてまいります。
○副議長(町田 亘君) 教育長西川時千代君。
  〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) 合気道を学校教育の場に取り入れることについてお答えいたします。
 合気道は、高い精神性と完成されたわざを持つ武道であり、今日、国内はもとより広く諸外国においても愛好され、本県においても幼児から高齢者に至るまで約三千名を超える県民の方々が親しんでいると伺っております。
 本県田辺市出身の植芝盛平翁により心身錬成の武道として創始された合気道の普及については、昭和六十二年に県体育協会に加盟した県合気道連盟が直轄団体として全県的な普及、振興に取り組んでおります。県といたしましても、県民のスポーツ祭典である県民総合体育大会において昭和六十三年より公開競技に取り入れるとともに、スポーツ少年団活動等を通じ、広く県民への普及、振興に向けた取り組みを行ってきているところであります。
 しかしながら、学校教育における普及については、現在、部活動では高校二校で実施されておりますが、授業では指導者等の関係から本県では実施されていないのが実情でございます。学習指導要領では、中学校、高等学校の体育の授業で柔道、剣道、相撲のほか、地域の特性に応じた武道を履修させることができることとなっており、生徒の希望や指導者の実態等を踏まえて各学校が主体的に計画することとなっております。
 したがいまして、豊かな心の教育が求められている昨今、和歌山県が誇るべき合気道を教育に生かすためには、合気道のよさを広め、生徒に対する指導方法について研修していただくための指導者講習会の開催、指導者がいない場合の専門的指導者の派遣などの方策について県合気道連盟と協議し、学校教育に生かされるよう検討を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(町田 亘君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 22番木下義夫君。
○木下義夫君 答弁をいただきましたが、合気道については、数ある武道の中で和歌山県が生んだ我々の武道である、物質文明から精神文明に入った今の時代に、勝負を求めない、非常に精神的な武道であるということを我々はもっともっと認識すべきであると思います。
 今、いろんな問題を提案させていただきましたが、急に解決できることではないと思いますので、今後、関係団体とよく相談していただいて、合気道すなわち和歌山県、和歌山県すなわち合気道、このように評価していただき、そして全国に、世界に和歌山県をアピールする一つの方法として、手段として合気道を活用させていただく、そういうふうな気持ちでやっていただきたいことを要望して質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○副議長(町田 亘君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で木下義夫君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
○副議長(町田 亘君) 本日は、これをもって散会いたします。
  午後一時四十五分散会

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