平成5年9月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(全文)
県議会の活動
議 事 日 程 第三号 平成五年十月六日(水曜日)
午前十時開議
第一 議案第百十二号から議案第百三十四号まで、及び報第七号(質疑)
第二 一般質問
会議に付した事件
一 議案第百十二号から議案第百三十四号まで、及び報第七号(質疑)
二 一般質問
出 席 議 員(四十四人)
1 番 小 川 武
2 番 吉 井 和 視
3 番 井 出 益 弘
4 番 和 田 正 一
5 番 町 田 亘
6 番 尾 崎 吉 弘
7 番 岡 本 保
8 番 藁 科 義 清
9 番 向 井 嘉久藏
10 番 佐 田 頴 一
11 番 阪 部 菊 雄
12 番 堀 本 隆 男
13 番 平 越 孝 哉
14 番 富 田 豊
15 番 門 三佐博
16 番 西 本 長 弘
17 番 高 瀬 勝 助
18 番 上 野 哲 弘
19 番 宇治田 栄 蔵
20 番 尾 崎 要 二
21 番 中 村 利 男
22 番 木 下 義 夫
23 番 山 本 一
25 番 鶴 田 至 弘
26 番 飯 田 敬 文
27 番 村 岡 キミ子
28 番 松 本 貞 次
29 番 下 川 俊 樹
30 番 石 田 真 敏
31 番 宗 正 彦
32 番 橋 本 進
33 番 浜 田 真 輔
34 番 冨 安 民 浩
35 番 上野山 親 主
36 番 中 村 裕 一
37 番 和 田 正 人
38 番 大 江 康 弘
39 番 中 西 雄 幸
40 番 木 下 秀 男
42 番 森 正 樹
43 番 野見山 海
44 番 新 田 和 弘
46 番 森 本 明 雄
47 番 浜 口 矩 一
欠 席 議 員(二人)
24 番 馬 頭 哲 弥
45 番 浜 本 収
〔備 考〕
41 番 欠 員
説明のため出席した者
知 事 仮 谷 志 良
副知事 西 口 勇
出納長 梅 田 善 彦
知事公室長 中 西 伸 雄
総務部長 木 村 良 樹
企画部長 佐 武 廸 生
民生部長 南 出 紀 男
保健環境部長 江 口 弘 久
商工労働部長 吉 井 清 純
農林水産部長 野 見 典 展
土木部長 山 田 功
企業局長 高 瀬 芳 彦
以下各部次長・財政課長
教育委員会委員長
岩 崎 正 夫
教育長 西 川 時千代
以下教育次長
公安委員会委員長
西 本 貫 一
警察本部長 西 川 徹 矢
以下各部長
人事委員会委員長
水 谷 舜 介
人事委員会事務局長
代表監査委員 天 谷 一 郎
監査委員事務局長
選挙管理委員会委員長
鈴 木 俊 男
選挙管理委員会書記長
地方労働委員会事務局長
職務のため出席した事務局職員
事務局長 梅 本 信 夫
次 長 中 村 彰
議事課長 中 西 俊 二
議事課副課長 佐 竹 欣 司
議事班長 松 谷 秋 男
議事課主事 長 尾 照 雄
議事課主事 松 本 浩 典
総務課長 川 端 孝 治
調査課長 岡 山 哲 夫
(速記担当者)
議事課主査 吉 川 欽 二
議事課主査 鎌 田 繁
議事課速記技師 中 尾 祐 一
議事課速記技師 保 田 良 春
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午前十時二分開議
○議長(宗 正彦君) これより本日の会議を開きます。
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○議長(宗 正彦君) 日程第一、議案第百十二号から議案第百三十四号まで、並びに知事専決処分報告報第七号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
43番野見山 海君。
〔野見山 海君、登壇〕(拍手)
○野見山 海君 おはようございます。
本日のトップバッターで質問をさせていただきます。
冒頭に、私の先輩である同僚の浜本県議が今議会欠席をしておりますけれども、先輩議員の皆さんあるいは県当局の皆さんのお見舞い、ご激励をいただきまして、ありがとうございます。今、美浜の病院で養生をされておりますけれども、できるだけ早く退院をしたいので皆さん方によろしく伝えておいてくれという伝言がございましたので、ご報告申し上げたいと思います。
それでは、通告に従って一般質問を始めさせていただきます。
最初に、関西国際空港と観光振興についてお伺いしたいと思います。
関西国際空港の開港が来年九月と迫ってまいりましたが、和歌山県は、この空港とのかかわりが薄らいできているような感がいたします。それは、伊丹空港の存続あるいは神戸沖空港の建設承認に見られるように、関西空港の必要性が遠のいてきたからと思うであります。この空港計画が持ち上がって以来、今は亡き宇治田省三・元和歌山市長や先輩議員の皆さんから、和歌山を扇風機の裏側にしてはいけないといった論議がありましたが、開港に向けて新空港と和歌山県の発展を結びつけて取り組まれたことや、また先輩の皆さんの熱心な取り組みがあって、あと一年先に開港が迫ってまいりました。
また、この間に、大阪空港周辺の自治体でつくる七市協やその後の十一市協では大阪空港の即時撤廃や発着便数の縮小などを求めたにもかかわらず、関西国際空港の開港が近づくにつれて逆に国内便の大幅確保などを掲げたといった格好は、関空の建設促進を願った人たちから言わせると、地域エゴとも見られておかしくない姿勢をとってきたと思われるのであります。また最近に至っては、関空のスーパーハブ空港としての位置づけを無視するかのように、先ほども言いましたが、神戸沖空港の建設計画を国は承認いたしました。
このような状況のもと、過去に今は亡き宇治田市長や先輩議員が言われた、和歌山の扇風機の裏側論が当てはまる様相となってきたと言えます。
私は、この扇風機の裏側になりかねない一つの問題として、和歌山から空港への列車の直接乗り入れが実現しそうにないことについてお伺いするものであります。
さきの新聞報道を見ますと、JR西日本及び南海電鉄はともに空港への新型車両を導入し、JRでは京都や新大阪、天王寺から直接乗り入れを行うほか、南海も難波から直接乗り入れを行うことを決めています。しかし、和歌山からの直接乗り入れは、JRでは日根野駅でスイッチバック方式を取り入れて列車の方向を変えれば乗りかえなしで済むが、運転士等の乗務員の移動には時間がかかるなど、そういった理由で見送りを決めたそうであります。このため、和歌山方面からの利用者の場合、JRでは日根野駅、南海では泉佐野駅で一たん下車した後、ホームを移動するなどして空港行きの列車に乗るといった不便な状況が生じるということであります。
また、懸念されるのは、天王寺や難波からの空港への直接乗り入れに伴い、和歌山方面の列車便が減少するといったことも十分考えられるのではないかということであります。特に、白浜、那智勝浦といった外国人が魅力を感じる西日本有数の観光地と空港とを結ぶ直通列車がないということは、リゾート立県を推進する和歌山県にとっても大変に遺憾に思うわけでございます。そういったことにつきまして、一年以内に迫った開港へ向けての知事並びに県当局の取り組みについてご所見をお伺いするものであります。
また、関空全体構想の実現に向けて調査費が概算要求をされ、動き出した中で、先ほどからの列車や自動車の直接乗り入れをスムーズに図るためにも、連絡橋一本といったスーパーハブ空港では、現在ある北ルートの連絡橋だけでは火災や大事故が発生した場合に不通となるおそれが生じてくるので、そういった安全対策の面から見ても空港の南ルートは絶対必要なものと考えるのであります。
この南ルート建設促進に向けては、地元泉南市が中心となり、大阪周辺の市や町に呼びかけたり、また和歌山市や岩出町にも呼びかけて建設促進の合同協議会を結成する方向で取り組んでおると聞いております。泉南市の試算では、この南ルート建設は四・五三キロの斜張橋で、総事業費は八百九十億円から一千百億円近くかかると言われていますが、全体構想が進行するに伴い、和歌山県にとって南ルートは必要と思います。このような市や町の動きに合わせて、ぜひとも県としても推進に向けて取り組んでいただきたいと思いますが、当局のご所見をお伺いいたします。
次に、高速道路の紀南延伸についてお伺いいたします。
この問題は、和歌山県及び紀伊半島の観光面、経済面、それに過疎対策面での浮上策として早急かつ絶対不可欠なものと考えます。これまで県議会でも先輩の皆様方が審議されたり、紀南地方を中心としたたくさんの県民の皆さんが陳情を数多く重ねるなどして取り組んできた結果、徐々にではございますが、前進しつつあります。この高速道路は、紀南県民にとっては重要な懸案事項であります。
今、急ピッチで工事されている湯浅─御坊間の高速道路の供用開始は平成六年度と言われております。また、田辺までの延伸が供用開始されるのは、このまま行きますと、今から十二年後の平成十七年ごろになるのではないかと思われます。この計画では、紀南の観光、経済面での浮上は到底難しく、過疎対策どころか、ますます過疎化が進むおそれが強いと言わざるを得ません。
建設省の資料によりますと、和歌山県の高速道路及び高規格の総延長は二十五キロで、これは全国都道府県別では四十三番目で、ワースト五位になっております。
本県は、紀伊半島という地理的なハンディから、太平洋ベルト地帯の第一国土軸いわゆる中央幹線軸から離れているという状況でありますが、先ほどの高速道路の都道府県別ランクを見ますと、田中角栄元首相の新潟県は全国で一位で、供用延長が百三十七キロ、政権交代の引き金となった金丸元副総理の山梨県では供用延長が百二十二キロ、全国で十五位であります。両県とも第一国土軸から外れているものの、高いランクに位置しています。しかし、今回の政権交代で均衡ある調和のとれた国土の発展を願う細川政権のもとでは、一極集中を見直すとともに過疎地域への整備対策を積極的に進められるということで、過疎の進む紀南地方への高速道路延伸の早期実現や仮谷知事がリーダーシップを発揮している第二国土軸整備の早期実現の推進に拍車がかかるものと考えるのであります。
そこで、県におかれましても、この延伸について、国の早急な事業決定に向けての取り組みや県独自の用地確保の計画など、積極的に取り組むことが必要であると思いますが、県当局のご見解をお伺いします。
あわせて、世界リゾート博に向けての湯浅─御坊間道路の一部供用開始めどと、この一部供用開始に伴う県民の利便性、それにこの湯浅御坊道路へのアクセス道路の整備状況について、県当局の取り組みをお伺いします。
続きまして、老人保健福祉計画についてお伺いいたします。
高齢化が他府県より十年早く進んでいる本県の高齢化対策は、重要な課題であります。先日公表された和歌山県老人保健福祉計画によりますと、和歌山県の人口は今後減少していくとともに、高齢化は、一九九〇年では一五・三%となっており、全国平均より三・三ポイント高い数値となっております。また、一九九五年あるいは二〇〇〇年にも、全国より早いペースで高齢化が進行していくものと予測されております。
和歌山県の活性化のためには多くの主要プロジェクトを積極的に行っていき、人口減少と高齢化進行を緩和していく施策が重要だと考えるものであります。
私は、第一に、保健・医療・福祉の施策を充実させて、県民が健康で安心して暮らせる地域づくりを推進していく必要があると考えます。そのため、今回の和歌山県老人保健福祉計画は大切な計画であると思いますし、他府県に先駆けて本年に策定されたことは評価するものであります。
さて、保健・福祉といった分野は、平成二年の老人福祉法の改正や今後予定されている地域保健法の内容からも、市町村主体の事業の取り組みが予測されております。このような状況の中で、県当局の主体的な事業の取り組みに大きな期待をするところであります。
市町村の事業実施に補助金を交付するなど、支援を行うことは当然でありますが、県という行政単位でしかできないことを積極的に実施していく必要があると考えるのであります。例えば、看護婦、介護福祉士、理学療法士など、高齢化社会を支える専門職の育成を行う養成機関や専門学校を充実すること、痴呆症老人対策等の高度な研究機関を設置すること、また県が主体となった事業実施並びに県が主体となった大規模福祉ゾーンの整備や広域的な施設の整備等、及び民間事業者や市町村が積極的に事業を実施できる環境整備に取り組むべきだと考えますが、当局のご見解をお伺いいたします。
和歌山県老人保健福祉計画では、平成四年度の特別養護老人ホームの県全体の整備数二千四百二十五床に対して、平成十一年度の整備目標は三千床となっております。残り五百七十五床を整備すればよいということになります。しかし、地域的にアンバランスがある状況であります。那賀圏域、田辺・西牟婁圏域及び新宮・東牟婁圏域では既に整備目標数を上回る数の施設が整備されていますが、いまだ待機者が生じている状況にあります。特に田辺・西牟婁圏域では八十三名という待機者があります。在宅サービスを充実するとしても、施設を整備するほか解決方法がないのではないかと思うのであります。そういった意味で、特別養護老人ホームの整備、待機者への対応についてご見解をお伺いいたします。
和歌山県地域保健医療計画によりますと、だれもが、いつでも、どこでもひとしく保健医療サービスが受けられるよう、健康増進から疾病の予防、診断、治療及びリハビリテーションに至るまで、包括的な保健医療体制を確保するために作成するものであるとなっております。県全体を見ると、県立病院は紀南地方になく、アンバランスが生じていますが、これについて県のご見解をお伺いします。
障害者、高齢者に優しい町づくりのためには、都市全体の整備が必要と思います。官民合わせて実施しないことには、この効果が出てまいりません。本県においても公共施設の改修や道路の段差解消を実施してきましたし、さらに駅、ホテル、デパート等の公共性の高い民間施設についても対策を講じてこられたのは、言うまでもございません。本県も福祉の町づくり条例を考えてみてはいかがかと思うのであります。
大阪府や兵庫県では福祉のまちづくり条例を制定し、公共的施設の改善を指導しています。特に建築基準法の施行条例を改正し、福祉のまちづくり条例とあわせて、すべての人がみずからの意思で自由に移動し、社会参加できる福祉の町づくりを推進しています。本県においても、新たな公共的建築物、民間の公共性の高いもの、そのほか既存の建築物も対象としたこれらの施設について、車いす用トイレ、エレベーター、視覚障害者誘導ブロック等、きめ細かな基準をつくり、事前指導改善計画の策を定めるとともに、改善に係る経費の一部を補助していく内容とする条例制定を行うことが必要ではないかと考えるのでありますが、当局のご見解をお伺いいたします。
最後に、環境保全対策についてお伺いいたします。
世界各国の湿地保全などを目的に、ラムサール条約締結国会議が六月九日から十六日まで、北海道釧路市で開かれました。この会議には七十三の加盟国及び三十四のオブザーバー国から約一千人の人々が参加し、各国の湿地保全やその賢明な利用について真剣に論議が交わされたと新聞で報道されております。
私は、この条約名から、水鳥や湿地のみを目的とした条約かと思っていましたが、湿原や干潟の保全のみでなく、生い茂る熱帯の海岸、湖、沼、水田、ダムなど、広く水面一般の保全を対象とされているのであります。
水辺こそ、水鳥に限らずあらゆる動物や植物の命の揺りかごであり、人間と自然が出会う、その接点にあるという考えが条約を支えている哲学であると言われております。こうした国際的な水辺保全、湿地環境運動の高まりの中で、県下の湿地保全の現状と今後の課題などについて目を向ける必要があると考えるのであります。
県下の干潟保全の例として、田辺市新庄の内ノ浦にある干潟の保全に田辺市が取り組むというニュースが取り上げられております。この干潟には十数種の生き物が生息していると報じられているほか、古座川の湿原では、最も小さいトンボで知られるハッチョウトンボの羽が生えてきた様子を写真入りで紹介されておりましたが、こうした学術的に貴重な干潟や湿原は県下でどのくらいあるのか、そして保全の取り組みはどのようにされているのか、お伺いしたいと思います。
ことしもウミガメが産卵を終わり、ふ化した子ガメが海に帰っていきました。紀伊半島の沿岸には、アカウミガメ、ヒメウミガメ、アオウミガメ、タイマイ等のウミガメが回遊していると言われております。そのうちアカウミガメは、和歌山県、三重県の海岸に上陸して産卵をしております。民間で組織されている紀伊半島ウミガメ情報交換会の調べによりますと、県下での産卵場所は和歌山市から新宮市までの沿岸に二十八カ所あり、特に南部町千里ケ浜には毎年たくさんのアカウミガメが上陸し、産卵する場所として知られ、県指定の名勝天然記念物となっているところであります。
ところが、近年、砂浜の地形が変化し、いわゆる浜やせ現象で産卵場所が減少したり、ごみや海の汚染で産卵環境が悪化しております。また、ウミガメ保全へのPR不足や自然保護に関するモラル不足から、浜辺へ四輪駆動車を乗り入れたり、卵が盗掘されたりしているようであります。
こうした中で、ウミガメを守ろうということで個人や民間団体で紀伊半島ウミガメ情報交換会が組織され、ウミガメの調査研究をするなど、民間レベルでウミガメ保護運動が高まっております。ウミガメを保護するということは砂浜を守るということ、あるいは海洋を汚染から守るということであり、当然、家庭排水や工場排水から海を守るというところまで広がる問題でありますが、ウミガメの浜辺保全について県のご見解をお伺いいたします。
以上、一回目の質問を終わらせていただきます。
○議長(宗 正彦君) ただいまの野見山海君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事仮谷志良君。
〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 野見山議員にお答え申し上げます。
関西国際空港の問題でございます。
関西国際空港のアクセスの問題につきましては、野見山議員が述べられたように本県にとって極めて重要な課題でございまして、そのために、空港建設以来、本県からの鉄道、バス、タクシー等、複数の交通機関による利便性の高いアクセスを確保するために、輸送力強化促進委員会の協力もいただきながら、運輸省、JR、南海電鉄に対して要望してきているところでございます。
旅客需要の問題がありますけれども、県民の利便性や本県の観光、産業の振興を図る上で極めて重要な課題でございますので、引き続き、県議会、輸送力強化促進委員会等と一体となって今後積極的に努力してまいりたいと思っております。
それから、高速道路の紀南への延伸についてでございます。
高規格幹線道路は、本県の地形上、地域発展を図る上で極めて重要な問題であり、県政の最重要課題として取り組んでまいったわけでございます。
お話のように、高速道路につきましては、特に和歌山県はおくれているのが現状でございまして、なお積極的に南伸を進めなければなりません。
現在、御坊─南部間は整備計画区間として、また南部─すさみ間が基本計画区間として位置づけられておりまして、すさみ─新宮間は予定路線となっております。
現在、整備計画、基本計画の区間での必要な調査を建設省及び道路公団で行っておりますけれども、早期に調査を終えることが事業促進につながることと考えておりまして、路線の設定の問題、また工事を行っておるところの用地の確保の問題等についても、地元の市町村等と連携を密にして今後積極的に推進してまいりたいと思っております。
残りの問題は、部長から答弁いたします。
○議長(宗 正彦君) 企画部長佐武廸生君。
〔佐武廸生君、登壇〕
○企画部長(佐武廸生君) 関西国際空港と観光振興についてのご質問にお答えをいたします。
まず、鉄道の直接乗り入れについてでございます。
関西国際空港への鉄道アクセスにつきましては、県民の利便性はもとより、観光、産業の振興を図る上からも重要なものであると考え、かねてからJR、南海電鉄に対してスイッチバック方式による直接乗り入れについて、輸送力強化促進委員会の協力もいただき、紀南地域と関西国際空港を乗りかえなしで結ぶ直通の特急列車の運行等も含め、強く働きかけを重ねてまいってきてございます。
現在、JR、南海電鉄ともダイヤ編成に向けての作業に着手したところであり、本県からの直接乗り入れの問題については最終決定がされておりませんが、旅客需要に大きな課題があると伺ってございます。
また、議員お話しの在来便への影響の問題につきましては、現在、JRにおいては天王寺発日根野行きを関西国際空港へ延長し、南海電鉄においては難波発泉佐野、羽倉崎行きを関西国際空港へ延長することを基本に、増便も含め、計画されてございます。
和歌山方面への特急など在来便への影響につきましては、運転本数に影響を及ぼさない方向で作業を進めているとの説明を受けてございます。
スイッチバック方式による直通列車の運行につきましては、先ほど申し上げたように需要に大きな課題がございますが、今後とも県議会や輸送力強化促進委員会のご協力もいただき、実現に向けて努力をしてまいりたいと存じます。
次に、南ルートの促進についてでございます。
航空審議会の答申や運輸省案の全体構想には盛り込まれておりませんが、議員ご指摘の災害時の安全性や本県からの利便性の確保からして、全体構想の実現とあわせての検討課題であろうと存じてございます。
現在、全体構想につきましては、来年度予算にボーリング調査費を確保し、全体構想を早期に実現するため、関西国際空港全体構想推進協議会において種々協議を行っているところでございますが、今後、県内の関係市町で組織している紀泉問題連絡協議会とともに、その方策等について研究を行ってまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 土木部長山田 功君。
〔山田 功君、登壇〕
○土木部長(山田 功君) お答えいたします。
まず、高速道路の御坊以南でございます。
御坊─南部間につきましては、必要な調査を終えた後、日本道路公団に対して建設大臣が施行命令を出すという手順を経ることとなりますので、県としても関連公共事業調査を受託するなど、調査の促進のため日本道路公団に協力をしているところであり、早期に施行命令が出されるよう努力をしてまいります。
また、基本計画区間につきましても、早期に整備計画区間に組み入れられるよう、建設省の調査に積極的に協力をしておるところでございます。
次に、湯浅─御坊間の進捗でございます。
湯浅御坊道路等の用地買収につきましては、高速道路事務局長のもと、道路建設課内に高速担当を設けるとともに、高速道路湯浅事務所及び御坊事務所も設置をして、各市町とともに建設省に協力をしながら地元調整、用地買収等の促進に努めてきたところでございます。
また、紀南地方におきましては、那智勝浦道路が自動車専用道路として平成四年度より事業化をされております。
今後とも、県議会のご協力、ご支援をいただきながら、国に対し強く要望してまいりたいと存じます。
また、吉備町から広川町までの間については一部物件の撤去が残っており、厳しい状況ではございますが、世界リゾート博までに供用すべく、建設省において鋭意工事が進められております。この区間が供用されると湯浅町内の渋滞区間がなくなりますので、大きな効果があると考えております。
次に、湯浅御坊道路へのアクセス道路の整備状況につきましては、御坊インターにおいて、県道江川小松原線、姉子御坊線、市道野口隠谷線を位置づけしております。湯浅御坊道路の開通に合わせるべく、それぞれ事業の促進を図っているところであります。
また、インターに通じる複数のアクセス道路が必要であると考えており、これら各路線を補完する路線として県道印南原印南線、樮川鐘巻線も整備を進めておるところでございます。
以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 民生部長南出紀男君。
〔南出紀男君、登壇〕
○民生部長(南出紀男君) 老人保健福祉計画にかかわる三点の質問についてお答えをいたします。
まず一点目の、保健・医療・福祉施設の充実についてでございます。
高齢化対策の推進については県政の重要な施策として努力を重ねているところでありまして、このたび、全国に先駆けて県老人保健福祉計画を策定いたしたところでございます。
高齢者が安心して地域で暮らしていける社会を築くため、市町村と一体となり、本計画の着実な実現を図っているところでありますが、議員お話しの専門職の養成確保につきましては、看護職員として、平成七年に新宮市に看護婦養成所、さらに平成八年には県立医科大学附属看護短大を開設し養成するとともに、介護福祉士及び理学療法士として、養成施設に在学する学生に対しては修学資金の貸し付けを行い、養成に努めているところでございます。
また、施設整備につきましても、平成十年をめどに取り組んでいる、総合的な拠点施設である総合健康・福祉センターの整備を図り、高齢者を初め県民の保健・福祉の充実に努めてまいる所存でございます。
さらに、高齢者対策の主体的な役割を果たす市町村に対する技術的な援助や補助制度の活用等、市町村福祉の充実のため、積極的に推進をしてまいりたいと考えてございます。
いずれにいたしましても、保健・福祉・医療の連携のもと、老人保健福祉計画に基づく総合施策の推進に努力をしてまいりたいと考えてございます。
二点目の、特別養護老人ホームの整備と待機者への対応についてお答えいたします。
本県の特別養護老人ホームの整備状況は全国的にも高水準にありまして、整備目標である三千床にいたしましても、国のゴールドプランと比較してもかなり高い目標となっており、現在着実な整備を図っているところでございます。
ところで、県内の各保健福祉圏域における特別養護老人ホームの整備状況、入所待機者については、議員ご指摘のとおりの地域格差があることも承知をしております。
今後の整備につきましては、整備率の低い地域を優先すべきものと考えてございます。
こうしたことから、入所待機者の処遇の充実と家庭で介護している方々の負担軽減を図るため、ホームヘルプサービス、デイサービス、ショートステイ事業のいわゆる在宅三事業の一層の充実に取り組んでいるところでございます。
例えばホームヘルパーの確保のため、ホームヘルパー研修をより多くの人に受講していただくよう本年度から一般公募を行い、研修を実施しております。また、農協中央会において取り組んでいただいているホームヘルパーの養成研修を他の民間団体等でも実施していただけるよう、働きかけてまいりたいと考えてございます。
今後は、老人保健施設やケアハウス、高齢者生活福祉センター等、他施設の整備を図り、保健・福祉・医療の連携のもとに、特に在宅三事業の充実を図ってお年寄りが希望される居宅での生活を支援し、特別養護老人ホーム入所該当者ができるだけ減少するように努力をしてまいる考えでございます。
三点目の、福祉の町づくり条例についてでございます。
県といたしまして、障害者や高齢者の社会参加を促進するためには、議員ご指摘のとおり、生活環境の整備改善が重要な課題と認識してございます。
昭和六十一年に策定した障害者等の住みよい生活環境整備指針に基づき、その促進を図ってきた結果、着実にその整備が進んできたと考えておりますが、障害者や高齢者を含め、すべての人々に住みよい福祉の町づくりを一層推進することが求められていると承知をしてございます。
本年三月に策定された国の障害者対策に関する新長期計画におきましては、生活環境の改善が重点項目として取り扱われており、その実施を担保するよう述べられてございます。
また、建設省におきましては、高齢者や障害者に配慮した建物整備を図る新規立法の整備が予定されていると聞いてございます。
県といたしましては、これら国等の動向を見ながら、また他府県の条例の内容及び制定に伴う問題点等について庁内関係部局とともに研究し、条例化を検討してまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 保健環境部長江口弘久君。
〔江口弘久君、登壇〕
○保健環境部長(江口弘久君) 野見山議員ご質問の老人保健福祉計画についてお答えいたします。
お尋ねの紀南地方への県立病院の設置につきましては、医師等医療スタッフの問題や財源問題など、さらに県下全域の医療供給体制の整備などの観点から、なかなか難しい問題であると考えております。
いずれにいたしましても、本県における保健医療供給体制の整備問題は非常に重要な課題と認識しており、地域保健医療計画の見直しを行い、これに基づき地域医療体制が確立されるよう努力してまいる所存であります。
以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 商工労働部長吉井清純君。
〔吉井清純君、登壇〕
○商工労働部長(吉井清純君) 環境保全対策の干潟、湿原の保全についてお答えをいたします。
まず干潟につきましては、国の実施する自然環境保全基礎調査として平成二年度に分布状況等の調査が実施され、平成四年九月にその速報が出されたところでございます。詳細な調査結果はただいま国において取りまとめ中であり、本年度中に最終報告が出されることとなってございます。
昨年の速報によりますれば、和歌山県下の干潟の分布状況は、串本町の橋杭、御坊市日高港等七カ所で、面積にして八十七ヘクタールとなっております。
また、湿原につきましては、県下にはラムサール条約に登録するような湿原が存在しておりませんが、議員ご指摘のあった田辺市の新庄町に見られる内ノ浦の干潟等の湿地について、国の委託を受けて、本年度、分布概要等の実態調査を実施しているところでございます。
続きまして、議員ご指摘のウミガメの保全についてでございます。
自然と人間がいかに接し、共生していくかというモラルの問題が肝要であろうと認識しております。そのため、県といたしましても、自然教育の一環として、自然観察会等を通じて県民の皆様方に自然保護への理解と協力を求めているところでございます。
海辺への四輪駆動車等の乗り入れによるウミガメの産卵地の破壊につきましては、国立公園においては環境庁長官が、国定公園、県立自然公園においては知事が区域を定めて車馬等の乗り入れを規制することができることとなっておりますが、現在、規制区域は設定しておりません。
今後の保全対策につきましては、地元市町村からの意見や要望を踏まえ、また関係機関とも調整を図りながら対処してまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
43番野見山 海君。
○野見山 海君 答弁、ありがとうございました。
関西国際空港は和歌山県にとって、大きな浮上する一つの要素であります。さきの近畿知事会で論議があったと聞いておりますが、ヘリコミューター基地の整備が確認されたということであります。これによって、ハブ空港としての、関空を拠点にした近畿のヘリコミュニティーセンターネットワークづくりの推進が行われるものと思います。これが充実されると需要の拡大がなされ、神戸沖空港や関空の必要性が薄くなってくるのではないだろうかと思います。そういった意味で、知事には、今後も近畿知事会の中でこの関空の問題について積極的に取り組んでまいっていっていただきたいと思います。
それから、乗り入れの問題につきましては、JRから非常に厳しいような話をよく聞きますけれども、県当局も一生懸命取り組んでおられるので、それを了といたします。まあ、遠い将来にかかわる問題かもわかりません。
それはそれとして、紀勢本線から直接くろしお乗り入れというのは非常に難しい要素があろうかと思います。そういった意味で、くろしおの日根野駅での途中下車といいますか停車ということが考えられるんですが、そのときに、日根野駅の同一ホームで利用者の利便性を図っていくことが大事ではないだろうかと思うんです。そういった意味で、その一点だけ、取り組みをお聞かせ願いたいと思います。
それから、高速道路の紀南延伸につきましては、先輩議員も何回か質問されておりますけれども、紀南にとっては大きな願いであります。今、土・日が休みになり、多くの皆さんが紀南の方に訪れてこられるのは事実であります。下川議員さんもちょいちょい車で県庁にお越しになり、私も一緒に乗せてもらうのですが、もう土曜日や日曜日なんか、物すごい。四十二号線は御坊まで渋滞です。だから、ぜひとも一日も早く広川町の供用開始をしていただきたい。
そして、先ほども申し上げたように、このまま行くと平成十七年ごろに田辺まで供用開始といううわさがありますけれども、これを一日も早く、一年でも二年でも早く供用開始できるように、我々議員も頑張りますので、ひとつ力添えを賜り、頑張っていただきたいと思います。
それから特養の関係ですけれども、今、田辺市では八十三名の待機者がございます。田辺周辺を見ますと、皆さんのおかげでその整備がされ、確保できておりますけれども、その上においても八十三名の待機者がおられる。この方々はホームヘルプサービスあるいはデイサービス、ショートステイの事業を受けておられますけれども、何とかもう一つ施設がならんのだろうかという話もあります。しかしまあ、和歌山全体を見た場合に非常に難しい要素があります。
そこで、一つだけお願いしたいんですが。ショートステイ事業の中で、今は一週間になっておると思うんですけれども、これを十日ということでぜひひとつ検討課題にしていただきたい。内部で一回検討していただければありがたいなと思いますので、ひとつよろしくお願い申し上げます。一つだけお願いをします。
○議長(宗 正彦君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
企画部長佐武廸生君。
〔佐武廸生君、登壇〕
○企画部長(佐武廸生君) 再質問にお答えをいたします。
同一ホームの乗り入れの問題でございますが、私どもは、まずスイッチバック方式による直通列車の乗り入れを最重点に、当面JRに対して交渉いたしているところでございます。
南海電鉄につきましては、用地買収が十分でないために高架ができないといった技術的な面がございますので、しばらく時間がかかると思っております。そこで、JRに最重点に直通列車をお願いしてございます。
ただ、需要の面が大変議論になっており、一日じゅうスイッチバック方式で空港へ直接乗り入れすることができるかどうか、この辺が大変問題になってきてございますので、一歩譲っても、同一ホームでの乗りかえも含めて、スイッチバック方式の直接乗り入れとの併合の中で考えていただきたいということでJRと強硬に交渉しているところでございます。
○議長(宗 正彦君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(宗 正彦君) 以上で、野見山海君の質問が終了いたしました。
○議長(宗 正彦君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
25番鶴田至弘君。
〔鶴田至弘君、登壇〕(拍手)
○鶴田至弘君 それでは、通告に従って質問をさせていただきます。
まず最初に、燦黒潮リゾート計画の問題でございます。
この計画がスタートしてから三年が経過いたしました。県はリゾート開発を立県の柱として今日まで取り組んできているところでありますが、全国的に見ても、経済情勢の激変やリゾート法の余りな企業優遇、あるいは住民軽視等によって各地でトラブルが生じたり、とんざしている状況があります。
本県におきましても、知事は、長期の展望に立ってこの燦黒潮リゾート計画を推進するという旨、議会でしばしば明言しているところでありますが、我が和歌山県も全国の例に漏れず、その計画は満身創痍というところであります。一度冷静に燦黒潮リゾート計画の現状を見直して、改めるべきところは改め、足らざるところは加え、県民が安心してその成り行きを期待できる計画に改めるべきではないかと、そういう趣旨で質問をいたしたいと思います。
この問題は、ここ数年の間、本議会でも論議のテーマとしてしばしば取り上げられているところでありますが、それだけに、多くの問題を持っていたことのあかしでもあろうかと思われます。
計画は、平成二年にスタートいたしました。完成をほぼ十年後の平成十二年とされているわけで、あと数年であります。計画によりますと、民間投資額は五千七百億円と見込まれ、雇用は六千人増大し、リゾートを楽しむために来県する人は千二百万人増加するであろうという見込みでありました。しかし、ビッグプロジェクトであった田辺湾総合開発は丸紅の撤退によってとんざし、加太コスモパークは巨額の県費の投入にもかかわらずいまだその展望が開かれず、県財政よりの利子補給をせざるを得ない事態に至り、フォレストシティ計画は、住民の強力な反対運動や醜怪な開発業者と銀行、一部政治家絡みの疑惑に大阪地検が動き出すなどの事態となり、これもまた事実上凍結せざるを得ないのではないかと言われるような様相を呈し、現在協議中の計画にも住民の反対運動が根強く、その先行きが危ぶまれる計画も含まれているわけであります。そう見てまいりますと、我が燦黒潮リゾート構想は、まさに傷だらけという感であります。
さて、この際、整理するためにお聞きいたしたいと思いますが、本構想の進捗率は現時点でどうなっているのか、お尋ねをいたしたいと思います。
また、五千七百億と言われた民間投資額ではその進捗率がどうなっているのか、六千人の雇用増大予想ではその進捗率がどうなっているのか、来県者千二百万人増ということではどうなのか、プロジェクトの中でのビッグプロジェクトと言われてきたものの進捗率はどうなっているのか、さらに平成十二年までのそれぞれの見通しをどう把握しているのか、お示しをいただきたいと思います。
また、各プロジェクトの中にも住民の反対運動が起こっているところもたくさんあると思いますが、プロジェクト数にして幾カ所あるのか、お示しいただきたいと思います。
この間、本計画に対して、賛成の立場からも、批判的立場からもさまざまな意見、とりわけ憂慮を表明する意見が数多く出されてまいりました。例えば地価上昇のおそれ、自然破壊へのおそれなどを筆頭にし、地域住民の主体性が保障されていない、あるいは企業の横暴、時間と金のかかるリゾートどころではないという県民の懐状況、また、似たような施設が他府県にもたくさんあり、それとの競合、すなわち需要と供給に関する心配、地域が豊かになる開発なのかどうかという心配、あるいは地域の人々が利用して楽しめる施設となるのかどうかという問題、夢ばかり追っている現実性のない計画、北高南低──すなわち、行政は北部に肩入れは熱心だが南の方へは低いのではないかというような憂慮が、来る議会、来る議会、論じられております。結局、当局が苦心して答弁をされても、なかなか納得のできる状況にないというのが現実であります。一体、何が原因なのか。バブルの崩壊だけなのか。深い検討が必要であろうかと思います。
この間、国土庁あたりから「今後のリゾート整備のあり方について」という文書が出され、本議会でも質問者から紹介されたこともありました。以来一年が経過していますので、私もいま一度その概要を再度援用して、県当局がこの間どのような検討をこの燦黒計画になされたのかを問いたいと思うのであります。
国土庁の委嘱による総合保養地域整備研究会の中間取りまとめの文書の要旨ですが、次のように述べています。「現在進められているリゾート整備の一部には自然破壊や環境汚染に関する批判が生じている。それに対して自治体等が規制などを行い、一定の努力を行っているけれども、十分満たされているわけではない」、また、「地域振興への寄与が不十分だとか、高い料金で大衆が利用できないとか、どこへ行っても同じであるとかの批判もある」、さらに、「経済情勢の変化により開発業者が撤退して計画どおり進んでいない点も見られる」といたしまして、バブル経済の中で取りつかれたようにリゾート開発に躍った姿を反省されています。国があおった責任は触れられていませんけれども、まさにリゾート法とそれに食いついた資本のえじきとなった姿が各地に見られたものでした。
同時に、リゾート整備の見直しの基本方向として、今後は長期的な視点に立って考える必要があるだろう、国民のためのリゾートという考え方をもっとしっかり持たなければならないのではないか、あるいは地域のためのリゾートということももっと考えなければならないのではないかというような立場から、現在のリゾート等の見直しを提言しているわけであります。
昨年九月議会でこの点は議員から紹介があったので要約をいたしましたが、まさに我が和歌山県でもこの観点から見直す必要に迫られている時期であろうかと思うわけであります。
以上のような問題点の指摘及び提言が県当局によってどのように検討され、現行の燦黒潮リゾート計画にその立場からどのような検討が加えられているのか、明らかにしていただきたいと思います。単に「長期的な展望に立って計画を遂行していく」というだけでは、県民は安心してそれを見ているわけにはいかないのであります。反省すべき点は反省し、足らざる点は補い、「なるほど、これならば」と言える計画につくり直していくことが長期を展望する上でも絶対に必要ではないかと思うわけであります。
本議会で各議員が提起した問題や憂慮を根本的に払拭するための見直しを、また県民の求めるリゾート構想に改めるための見直しをすべきと思うのでありますが、いかがでございましょうか。
次に、燦黒潮リゾート計画の一部として設計をされているコスモパーク加太の展望についてお聞きをいたします。
昨日も議員から同趣旨の質問がございましたので、私なりの立場から質問をさせていただきます。
過日、総務委員会で現場を見せてもらったところですが、その広大な空間には圧倒されるばかりでございました。ところが、この土地がどのように活用されるのかということについては、依然として明らかでないわけです。検討がどこまで進んでいるのかということについても、私どもにはなかなかわからない。多くの県民の皆さんにもわからない。その点を明らかにしていただきたいと思います。
県民や和歌山市民は、かつて美しいパンフレットを見せられ、国際的なリゾート地ができるとかバラ色の夢を見せられてきたのでありますが、当初の計画とはどうやら話が違ってきているらしい、金ばかり食っているコスモ加太、そんな不安や不平がいっぱい出てきているのが実情であります。
大企業十四社が集まって推進機構で検討しているそうですが、県としての基本的な姿勢はどのように持たれているのか、明らかにしていただきたいと思います。今までのリゾート開発では、企業の得手勝手ということを十分味わわされてきておると思います。必要なことはそういう中での県の基本的姿勢、とりわけ、ここで県民に何を与えていくのか、県民の生活にどう資するのかという基本的な姿勢を確固として持って臨むことが必要だと思いますが、それが見えてまいりません。企業が来る、そうすれば投資があるだろう、あとは税収もふえてくるだろう、そういう視点からだけでは県民のためのコスモパーク加太と言えないことは言をまたないと思うのでありますが、この地の開発と将来展望をどのような理念を持って進めているのか、お示しいただきたく思います。
また、このプロジェクトへつぎ込んだ資本の大きさも県民の驚きとするところでございますが、現在までどれだけの金をつぎ込んできたのか。利息だけでも百億を超すと聞いてきましたが、現在までそれはいかほどになっているのか。最終的にどのくらいになるのだろうか。県はまた開発公社の利息分の融資を行っておりますけれども、それはいつまで続くのだろうか。幾ら融資していくのだろうか。そういう問題も県民の疑問としてたくさん残っているところであります。その見通しを示していただきたいと思います。
また、今後の造成、基盤整備のための県費や和歌山市の出費をどのくらいとなると見込んでいるのか、お示しいただきたい。庶民にとって目のくらむような金が際限なくつぎ込まれるのを前にして、県民にとってコスモパーク加太とは一体何なのか、改めて問いたいと思うわけであります。お答えいただきたいと思います。
次に、これも燦黒潮リゾート計画の一環として今大きく取り組まれているマリーナシティについてお伺いしたいと思います。
はかり知れない利益を県や和歌山市にもたらすと喧伝されてきたマリーナシティも、その造成地の全容をあらわしてまいりました。リゾート関係の大型プロジェクトがあちこちでとんざしている中で数少ないプロジェクトだと評されたりしているマリーナシティでありますが、一体どのようなシティーができ上がるのか、そういう思いも多くの方々が持っています。ヨットを持った、経済的に恵まれた方々のお住まいになる、庶民にとっては余り縁のないマンションやホテルの島──テーマパークなるものがあるそうですが、それを目当てに観光客がどっと来ると言われる。一体どのくらい来るのだろうか、それが果たして我々県民にとってどういう意味を持っているのだろうか、リゾート博が終わればあとは松下興産一色、県の公共施設は松下興産の営業を支え保管するだけのもの、松下興産だけがどっぷりともうけるためのマリーナシティではないのだろうかと、リゾート博を前にして、そういうささやき声が大きな声となって聞こえてきております。私自身、そのような疑問を従来から抱き続けてきているわけでございますが、いま一度現時点でマリーナシティを見詰め直してみたいと思います。
さて、この人工島に国や県や市は結局どれだけの金をつぎ込むことになるのでしょうか。造成費、アクセス道路、護岸、公共下水、上水道、その他国や地方自治体が建設する上物のたぐい等、国や自治体の負担分を含め、第三セクターでどのくらいの金がつぎ込まれることになっているのか、いま一度お示しいただきたいと思います。
また、基盤整備完了後、マリーナシティにはどのような事業が展開されるのでしょうか。かつて、着工前に美しいパンフレットが配られましたが、ホテル、マンション、マリーナあるいは観光施設等々の詳細と事業主体をあわせて示していただきたい。
同時に、第三セクターで経営する部分の責任を我が県も持つことになることだろうと思われますが、それについての展望をどのように持っているのか、お示しをいただきたいと思います。
県民にとってマリーナシティとは何であるのか、そういう問題をはっきりさせなければならないのではないかと思っています。テーマパークはリゾート博のときにもう既に見てしまった、ヨットやボートは持っていないという大方の県民にとって、その島が一体どのような意味を持っているのか。巨額の税金がつぎ込まれている島が県民の心を満たさないものだとしたらまことに残念なことでありますが、そのあたりをどう考えておられるか、お示しいただきたいと思います。
マンション等も、定住される方がどのような方々なのかわかりませんが、県民がおいそれと入居して生活できるものではないというような気配であります。また、定住される方々がどのくらいの見通しを持っておられるのか。それによって税収に影響もしてくるでしょうし、あるいは学校などの建設等も考えなければならないかもしれません。固定資産税等の税収見込みを含め、その辺の事情をどう展望されるのか、お示しをいただきたいと思います。
また、このマリーナシティに関係して、今、シーサイドロードの問題が大きな関心を呼んでおります。そのことについてお尋ねをいたします。
前回も和歌山市布引地区のシーサイドロード問題について質問をさせていただきました。ご承知いただいているとおり、和歌山市による農地の強制収用の問題でありますが、私は、この収用法の発動に至る経過が極めて非民主的であり、四百年も耕し続けてきた人々の気持ちを逆なでする極めて強権的措置であると、その撤回を求めたところでありますが、残念ながら入れられるところではございませんでした。以後、この問題は、一方では収用委員会に係るところとなり、一方では法廷で争うという新たな局面となり、問題は一層こじれている状況にあります。
三年かかっても農民が土地買収に応じてくれぬから強制収用というのが根本にある問題でありますが、前回も申し上げましたように、二年や三年で承諾してもらえなかったから収用法の発動というのは余りにもせっかちであり、行政の得手勝手だと大方のところは思っています。それはシーサイドロードの必要性を認めるかどうか以前の問題として、行政姿勢として、私もそう感じます。リゾート博があるからとにもかくにもそれに合わせねばとの思いばかりが先行して、住民の願いや感情をブルドーザーで踏みつけるような勢いであります。
そのリゾート博も、開会までに九カ月ほどとなりました。十数件の強制土地収用を完了するだけでも、恐らく相当の日時が必要でありましょう。和歌山市当局も認めているように、道路が完成する時間としては明らかに不足しています。あえて強行しても来年の七月までには完成することはないでしょう。それであれば、あえて地権者の猛烈な反対を強権によって押しつぶしてまで強制収用しなくても、いま一度それを取り下げて地権者との話し合いの道を探るべきだと私は考えます。
私は、リゾート博参加者が、和歌山県や市が嫌がる農民から強制的に取り上げた土地の上を走っていることを知ったならばどう感じるだろうかと常々危惧しています。和歌山県や和歌山市はむちゃするところや、そう思われることは必定であります。県や市の公共事業における民主性というか、県や市がこうと決めたらもう何でもやり切ってしまう、そういう印象を持たれることはまず間違いなかろうと思います。それは恐らく、私たち県民にとっても嘆かわしいことであります。
交通渋滞は、もちろん私どもも皆心配するところでありますが、強制執行までして土地を収用する、そういう非民主性を他府県の人々の前にさらすのもまた極めて恥ずかしいことだと私は思います。
いずれにしろ、リゾート博までには間に合わぬ工事であるならば、県は和歌山市に対して、あんまりむちゃするな、振り上げた強制収用というこぶしをおろして話を振り出しに戻してはと指導されてはいかがでしょうか。
裁判では、このシーサイドロードを公共事業と銘打っているが、本質的には松下興産という私企業のための便宜を図るのが主要な目的になっているのではないかという根本的な問題も提起され、争われようとしております。そういう問題が一方で争われている最中にリゾート博参加者に和歌山のマイナスイメージを与える強制収用などは行うべきではないと思うのですが、いかがなものでございましょうか。
続いて、教育問題についてお尋ねをいたします。
去る九月、和歌山市商工会議所におきまして、教育要求県民集会という集会が、教員や父母三百人余り、教育委員会の出席も得て開かれました。県教委の方々への要望が百項目以上出され、それぞれの回答もありましたが、予算がなくてできないというだけではなく、十分道理が通っていないために要望者を納得させることができない幾つかの問題がありました。私も末席で傍聴させていただいたわけでございますが、当局の答弁には理解に苦しむ点がありました。
その一つは、高校入試改革に関する問題であります。
教育委員会は、過日、高校入試についての要綱を発表いたしました。その中で、内申書と言われるものに、今までにない観点別評価、到達度別評価とかボランティア参加などという項目が加えられています。従来の入試点数による輪切り主義から総合的に受験者の能力を判断していこうとする新指導要領に沿った改革であるとのことですが、受験させる方の中学校、採点する方の高等学校の双方から戸惑いと困惑の意見が出されました。教育委員会の方からの答弁はありましたが、私が客観的な立場から聞いていても質問者を納得さし得ないものでありました。
その質問は、関心、意欲、態度を評価する観点別評価は学校によっても評価の基準が違い、教師の主観が入り、入試判定の公平性を欠くのではないかという問題でありました。これは道理のあることで、教師がどの角度から見るかによっても評価が異なるでしょうし、学校によっても評価が変わりましょう。私自身もし教師だったら、この観点別評価を記入せよ、それをもって合否の判定の素材にすると言われたら、本当に困ってしまうと思いました。恐らく、A先生とB先生によって評価が異なることもあるでしょう。学校によっても評価は異なります。
実は、同様の措置を茨城県が導入決定したところ、各界からさまざまが批判が出て撤回するという事態も起こっているわけです。
また、内申書のボランティアの項目ですが、これも評価が難しい。生徒がそのような環境に置かれているかどうかという状況でそういう機会があるかないかということもありますから、状況は全く異なってきますし、評価も異なってきます。こういう悩みが内申書をつくる学校の方にも、それをもとに合否を判定する方の高校にも随分とあるわけです。もちろん、現場の先生方も、父兄の方も、今のような入試、選抜方法がよいとは思っていません。どちらかと言えば、このような現場や父兄の方々こそ現行の選抜方式に疑問を抱き、選抜方法の改善を願っていたところであります。ですから、入試の改革は教師や父母の願いではあったわけでありますが、この願いをどのように改善するか、そしていつから実施するかという相談は現場には全くなく、ある日突然、しかも入試わずか五カ月前という時期に発表されたのであります。
傾斜配点の制度も導入されています。中学校時分は入試科目にとらわれずにまんべんなく基礎的知識を学ばなくてはならないときです。ところが、入試に合わせて特定科目に偏重する危険は十分にあるわけです。こういうことは、中学校教育の基本的理念との問題で深い検討が必要なところです。技術的な問題としても、どのくらいの傾斜をつけるのか、高校側はこれから検討し、中学校に説明せねばなりません。五カ月先の入試に間に合わせるとすれば、十分の検討はほとんど保証されていないという状態であります。
教育要求県民集会では、せめて来年の入試にこれを適用することはやめてほしい、そして現場教員を含めて教育委員会との協議機関をつくって検討すべきではないかという要望がありましたが、私も同じ思いをしたところであります。したがって、参加者の問いかけは私の質問でもございます。教育委員会の答弁をお願いしたいと思います。
次に、障害児学級のスクールバスの問題についてです。南紀養護学校とはまゆう養護学校の障害児の通学するスクールバスをぜひ一台ふやしてほしいというお願いをしたいと思います。
これも先ほどお話しした集会で出されたところですが、教育委員会の回答は、残念ながら父兄や教員の願いを満たすものではありませんでした。増車の願いは、通学時間が片道一時間以上かかる子供が二〇%以上いること、あるいはバス停までの父兄による送迎に時間のかかるところもあるので送迎路線を延長してほしい、したがってあと一台増車していただきたいということであります。
ご承知のとおり、はまゆう養護学校は知恵おくれの子供たち、南紀養護学校は肢体不自由児の学ぶ学校であります。ご想像いただきたいと思いますが、知恵おくれの、肢体障害児の、あるいはその複合障害を持つ子供たちが一時間以上ベルトにくくられて送られるということは、実に大変な労苦であります。健常な者でもバス一時間はうんざりするものです。
お母さんから、こんな訴えがございました。紹介しておきたいと思います。「私の娘は、小学部二年生。脳性マヒによる重度障害児で、言葉もしゃべれず、おすわりもできない身体です。 それなのに、遠距離のため、通学時間は片道一時間十五分もかかり、毎日疲れて帰ってこないかと心配し、また病気の後などは、ぶり返さないかと、一日延ばしにしてしまう状態ですのでせめて一時間以内に短縮できたらと願っております。 また、自宅は南部町岩代なので、ここまでスクールバスが廻ってこないため、田辺市芳養までは片道三〇分もかかり、下の一歳、四歳の子どもを乗せての通学は危なく、往復一時間、朝夕計二時間は、農業をしている我が家では、私の手も必要で、たいへん負担になり、時には、ケンカの原因にもなっています。 ぜひ、バスを一台増やし、南部町内まで走って下さることを希望します」──これは、南紀養護学校の寺本裕子さんというお母さんからの訴えでございます。
南紀養護の山中さんという方からの訴えもございますので、紹介をしておきますが、「子どもはバス通学五年目で、最も重度、体幹四肢の変形進行のため、座席を寝たままの状態に改良して戴き、ひもやベルトを使って身体や手を縛りつけた状態で、四~五〇分乗ります。でも子どもの、その時の状態によって、上肢の屈曲、手首の外転した部位が不随意に動いたとき、バスの通路に飛び出す場合もあります。子どもは、自分で元の位置に戻すことができません。その時、タイミング悪く、多動の子どもさんが通路を歩くとします。こんな危険な状態が現実にあります。 今年四月からは両校の新入生も増え、ぐずる子ども、動く子どももいます。学校側も小さな子どもたちに、もし何かあってはと、安全を配慮してくれ、常勤の介助員さんと教師もしくは事務室の人、二人は必ずバスに乗ってくれ、負担をかけている状態です。 是非、スクールバスや添乗員を増やして、安心して通学できるようにして下さい」、そういう切なる訴えがありました。県PTA連合会も県教委に要望されていると聞きました。
和歌山県は、八校の養護学校を持っています。これは評価すべき点だと私も思っています。しかし、このような新たな問題もまだ残っており、これから克服していかなければならない課題だと思います。「画竜点睛を欠く」とまでは申しませんが、もうちょっとの努力で本当に喜んでもらえる教育行政となることは明らかであります。父母の願いをぜいたくだと思わないで、ぜひかなえてあげていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
これをもちまして、私の第一問を終わらせていただきます。
○議長(宗 正彦君) ただいまの鶴田至弘君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事仮谷志良君。
〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 鶴田議員にお答え申し上げます。
燦黒潮リゾート計画の見直しでございます。
リゾート整備は本県の県土づくりの柱の一つでございます。また、二十一世紀を目前に控え、人間の価値観というものが大きく変わりつつある現状でございまして、ゆとりと潤いのある、真に豊かな生活への国民的要求が高まっております。それに伴ってリゾートの需要は拡大するものと私は認識しておるわけでございます。
本県は、ご承知のように、すばらしいリゾート資源、観光資源、史跡等々があるわけでございます。また、本県はただいま、関西空港の開港、白浜空港のジェット化、高速道路の南伸等、交通網の整備が進んでいる絶好の機会でございます。
今後、社会経済の動向や国の研究会の提言の趣旨等も踏まえて燦黒潮リゾート構想の推進に努力してまいりたいと思っております。
他の問題は、部長から答弁いたします。
○議長(宗 正彦君) 企画部長佐武廸生君。
〔佐武廸生君、登壇〕
○企画部長(佐武廸生君) 燦黒潮リゾート計画に関連するご質問にお答えをいたします。
まず、燦黒潮リゾート構想の進捗状況についてでございます。
リゾート法は民間活力の導入を基本といたしており、実態の詳細な把握は困難な面もございますが、その進捗状況を見ますと、用地費を除く特定民間施設に対する投資額はおおむね六百九十億円と見込まれ、構想承認時に試算した投資予想額の四千五百億円に対し約一五%の進捗率となります。
次に、雇用に関してでございます。
本構想は約六千人の雇用増を想定いたしており、概算ではございますが、整備中のプロジェクトを含め、現時点で約七百人の直接雇用効果が見込まれてございます。これを進捗率で申しますと約一二%に当たりますが、このほか、構想の策定に際して直接雇用として想定していたリネンサービスやメンテナンス等の業種のように外部委託されたものも相当数ございます。
また、利用者数の面から見ますと、同構想は約千二百万人の施設利用者を想定いたしておりますが、完成済みのプロジェクトの利用実績状況は現時点で約八十万人であり、現在整備中のプロジェクトが完成すると約五百五十万人の施設利用者が見込まれてございます。
次に、ビッグプロジェクトの展望についてでございます。
プロジェクトの進捗状況については、本構想の全七十五プロジェクトのうち、現在協議中、建設中、完成済みを合わせて、進捗しているプロジェクトは三十七で、進捗率は約四九%でございます。
今後の見通しにつきましては、昨日、尾崎議員にお答えいたしましたとおり、リゾート法に基づく燦黒潮リゾート構想は民間活力の導入を柱として策定されていることから、経済環境の変化による影響を受けやすいという側面も持ってございます。
バブル経済の破綻など、リゾート整備を取り巻く経済環境には厳しいものがございますが、こうした中においても本県のリゾート整備は着実な発展を見ているところでございます。
今後、ゆとりと潤いのある生活への国民的な欲求を背景に、拡大しつつあるリゾート需要に対応すべく、その実現に向けて努力してまいりたいと考えてございます。
次に、住民の反対運動のあるプロジェクトは幾つあるのかとのことでございます。
リゾート整備を推進するに当たっては地域においてさまざまな意見があろうと存じますが、燦黒潮リゾート構想の対象プロジェクトのうち、反対の陳情がリゾート構想所管の課に直接提出された案件は二件でございます。
次に、リゾート法見直しの動きと県の対応についてでございます。
議員ご指摘の研究会の提言についてでございますが、まず第一点目の自然環境や景観への影響につきましては、本県の燦黒潮リゾート構想は海洋性リゾートを統一テーマとして、良好な自然環境や景観の保全と活用を基調とした計画でございますので、重点整備地区の設定に際しては、自然環境保護上、特に重要な地域を除外してございます。また、整備に際しては、自然の保全や環境との調和に十分配慮するようにいたしているところでございます。
二点目の地域振興への寄与の問題につきましては、本構想は県土づくりの重要な施策と位置づけられており、農林漁業や観光業の健全な発展に配慮するとともに、地場産業や農林水産業のリゾート産業への参画に関する事例研究を参考に供するなど、農山漁村の活性化についても配慮いたしてございます。
また、三点目の事業主体の撤退等につきましては、社会経済環境の激変により生じた事象でございまして、こうしたことから、研究会の提言にもありましたように、地域の資源を利用した、地域づくりに資するリゾート整備という視点も重要であると認識をいたしてございます。
四点目の良質、安価なリゾート整備という視点につきましては、多様な選択が可能な余暇活動の場を適正料金で提供することは重要なテーマと考えてございます。具体的に、安価な宿泊施設を提供するため税制、金融上の支援措置を国に要望するとともに、地域の特性を生かした小規模なリゾート整備を推進するなどの対応を図ってまいりたいと存じます。
次に、コスモパーク加太に関連するご質問にお答えいたします。
まず、コスモパーク加太の検討はどこまで進んでいるのか、県としての基本姿勢はどうかについてでございますが、コスモパーク加太計画は、民間活力の導入を基本に、二十一世紀にふさわしい自然環境と調和のとれたリゾート、研究開発、住宅の三つのコンセプトによる新しい町づくりを推進いたしたいと考えてございます。
このため、平成二年十一月に、民間企業十四社、県、和歌山市、県土地開発公社でコスモパーク加太開発推進機構を設立し、民間開発ノウハウを活用して土地利用計画等を策定しているところであり、昨年十二月に推進機構で土地利用計画案を取りまとめたところでございます。
かねてから、コスモパーク加太の土地利用計画については県議会から種々ご提言をいただいているところでございまして、現在、推進機構において、昨今の予想を上回る厳しい経済情勢の動向を見きわめつつ、公共的利用も含め、あらゆる角度から再検討を行い、策定に向けて懸命の努力を続けているところでございます。
次に、本計画の現在までの事業費及び最終利息の見込み額についてでございます。
コスモパーク加太計画は、県土地開発公社が土取り事業及びこれに伴う防災工事を現在行っているところでございまして、これに要した費用は約一千億円余と聞いてございます。
最終利息につきましては、その後の工事スケジュール等が不確定でございますので、算出にはなおしばらく時間を要するものと存じます。
現在までの県の融資額及び最終融資見込み額についてでございますが、公社に対し、総事業費抑制のため融資を行ってございます。平成四年度に十八億円、平成五年度は、現在までに上半期分七億九千二百万円を融資したところでございます。平成六年度以降の融資につきましては、経済情勢の推移も見きわめながら対応してまいりたいと存じます。
本計画の今後の造成及び基盤整備等の見込み額についてでございますが、公社の土取り事業に伴う防災工事が終了した後、新たな事業主体によって、道路整備、公園整備、宅地整備、下水・水道・ガス・電気等の供給処理施設の整備が必要でございます。
事業主体につきましては、経済情勢の動向を見きわめながら慎重に検討いたしているところでございます。
次に、本計画への進出希望企業についてでございますが、計画の当初から進出を希望している複数の企業はございます。しかしながら、土地利用計画等を策定中であり、進出希望企業と具体的な話には至ってございませんが、計画の進捗に従って企業誘致に努力をしてまいりたいと存じます。
以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 土木部長山田 功君。
〔山田 功君、登壇〕
○土木部長(山田 功君) マリーナシティの県等の造成、基盤整備への投資につきましてお答えを申し上げます。
マリーナシティの基盤整備に係る全体事業費は、売却用地の土地造成費も含めて約五百六十億円となってございます。このうち、公共事業分は約三百二十億円でございます。
なお、上物の公共施設として現在工事に着手をしている和歌山館及びディンギーマリーナのクラブハウスにつきましては、両者を合わせて約五十四億円を予定いたしております。
次に、マリーナシティの第三セクター事業の展望についてでございます。
マリーナシティにおける第三セクターの用地は第一工区の七・一ヘクタールでありまして、リゾート博開催時には駐車場及びキャンプサイト用地として提供した後、住宅建設に着工し、分譲をする予定であります。
ご承知のように厳しい経済情勢ではございますが、この用地はマリーナ施設を利用される方々や海洋性アメニティー空間に住宅を求める方々などに住宅施設を提供するものであり、住宅需要の動向を見きわめつつ、高層化するなどによって経営の健全化に努めるとともに、一般の方々が購入できるようにしてまいりたいと考えておるところであります。
次に、シーサイドロードの土地収用の問題でございます。
シーサイドロードは、その公益性、公共性、必要性を認めて、本年六月十五日に事業認定の告示を行ったところであります。これに伴って、七月には起業者である和歌山市から裁決申請及び明け渡し裁決の申し立てが収用委員会に対してなされ、現在審理が行われているところであります。また、八月には土地所有者十六名から本件事業認定の取り消し請求が提起され、現在係属中であります。
ただいま議員から、和歌山市に対して裁決申請を取り下げるよう指導してはどうかというご提案がございましたが、本件道路は、事業認定申請書にもございますように、国道四十二号の混雑、布引地区における道路の未整備、マリーナシティ完成に伴う発生交通量等に対応する道路として極めて公益性、公共性、必要性が高く、その整備を急がれているものであり、またリゾート博のアクセス道路として利用できる道路でもあります。
本件道路について裁決申請等を行うか否かについては起業者の判断であり、和歌山市において十分に審議された上で意思決定をされたものと理解をしております。一方、これに並行して任意解決へ向けての努力についても、引き続き和歌山市と協議を続けてまいります。
以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 企業局長高瀬芳彦君。
〔高瀬芳彦君、登壇〕
○企業局長(高瀬芳彦君) マリーナの関係につきまして、三点についてお答えをいたしたいと思います。
まず、民間事業の展望といたしまして、世界的に有名な娯楽企画会社であるMCAのノウハウを取り入れた、異国情緒あふれるテーマパークのポルトヨーロッパなど、国内では見られないような娯楽施設を中心に、和歌山の海域でとれる新鮮な魚介類を提供販売するフィッシャーマンズワーフ、マリーナ施設、マリーナクラブハウス、エネルギーセンター、スポーツ施設、さらに高層マンション、艇庫つき住宅、ホテル等、約三十八ヘクタールの用地に民間及び第三セクターを含めた事業が実施されます。事業費総額として千百億円に上る事業が展開される計画でございます。
次に、経済波及効果についてでございます。
マリーナシティでは、公共マリーナの整備を行うとともに、和歌浦湾のすぐれた景観と調和し、親水性の高い緑地、防波堤、護岸など、多様な施設を配置した町づくりを目指しております。多くの方々に利用していただけるものと考えてございます。
民間の調査機関の予測によりますと、観光客等の年間入り込み客は三百万人と推定されてございます。また定住人口でございますが、四千人の町ができるものと考えてございます。
このように、多数の利用客により、県内産品の売り上げ、ホテル、その他諸施設の利用などにより経済的効果が期待され、地元での雇用の問題、所得の創出、観光ポテンシャルの向上、企業の立地誘導等、本県の活性化に多くのメリットが得られるとともに、税収増も大いに見込まれておるものでございます。
最後に、和歌山マリーナシティはどのような町になるのかとのご質問でございます。
二十一世紀を目指した本県のビッグプロジェクトでございまして、民間の活力を導入し、官民一体となって取り組んでいるところでございます。特に、民間の持つ創造力や資金力、経営力を最大限に生かし、国際的な交流の拠点ともなる、魅力あるリゾート地の形成を目指してございます。
水辺空間をできる限り生かし、多くの方々が自由に散策し、親しんでいただけるように、我が国で初めてのダブルデッキ方式の親水性防波堤や護岸を配置してございます。さらに、憩いの場として緑地公園、サンセットパークやMCAのノウハウを取り入れたテーマパーク、フィッシャーマンズワーフ、本県のすばらしさを紹介する公共施設としての、仮称ではございますが和歌山館、並びにディンギークラブハウスをリゾート博までに完成するように現在建設中でございます。
このほか、約千隻収容のマリーナ施設や住居施設としての高層マンション、艇庫つき住宅、ホテル、広く利用できるスポーツゾーン等、平成十二年ごろまでに順次完成する計画でございます。
このように、子供からお年寄りまで多くの県民の方々を初め、国内外の人々が楽しめる新しい生活環境の場を形成してアメニティー豊かな町づくりを目指しているものでございます。
以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 教育長西川時千代君。
〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) 入試改善と養護学校のスクールバス運行についてお答えいたします。
今回の高等学校入学者選抜の改善につきましては、昨日、新田議員にもお答えいたしましたとおり、従来の知識偏重の学力観を改め、新学習指導要領による新しい学力観に立った教育を推進することを目的として行ったものでございます。
この改善に当たっては、平成三年度から観点別学習状況を評価の基本とするように生徒指導要録が改訂されたものであります。このことから、教育委員会内にプロジェクトチームをつくり、新しい指導要録に対応した調査書のあり方や高等学校入学者選抜の改善等に着手いたしました。
高等学校入学者選抜の改善は中学校及び高等学校の教育や生徒、保護者への影響が極めて大きいことから、教育関係者や県民の意見を幅広く聞くため、学識経験者、中学校及び高等学校の校長会の代表者などで構成する高等学校教育改革推進検討委員会を発足させ、さまざまな視点から多面的に検討を進めてまいりました。
さらに、全国の状況の把握に努めるとともに、和歌山県二十一世紀を創る人づくり推進協議会において協議していただき、また中学校及び高等学校の校長会、PTA関係者並びに教職員団体など、十三にも及ぶ教育関係諸団体の方々から意見を聞き、三カ年にわたり検討してまいりました。
こうした中で、観点別学習状況の評価やボランティア活動などの評価、傾斜配点などを取り入れたところであります。
なお、議員ご指摘の観点別学習状況やボランティア活動などの評価につきましては、各中学校において調査書等作成委員会を設置し、その評価を審議して厳正、公平、適正を期することとしてございます。
こうした検討を経て、例年より一カ月以上早め、過日、九月上旬に実施要綱を報道機関を通して発表し、その後、県立学校長会や地方教育事務所長会等を通じて改善の内容と趣旨について周知徹底を図ったところであります。
今後、さらに今月中旬から中学校の校長及び担当者を対象とした地方別の進路指導研究協議会を開催し、一層の趣旨徹底を行うとともに、各高等学校からもそれぞれの学校の選抜方法の特色を中学校に対して説明し、円滑な実施に努めてまいる所存であります。
次に、南紀養護学校及びはまゆう養護学校のスクールバスの運行についてでありますが、学校において一人一人の児童生徒の障害の程度等を踏まえ、健康状態に配慮した運行経路等を工夫しているところであります。
長時間乗車解消のため、南紀養護学校のスクールバスは田辺ルート、はまゆう養護学校のスクールバスは白浜ルートで相互乗り入れを行っており、乗車定員については現在余裕のある状況でございます。また、平成五年度から田辺ルートのスクールバスの介助体制の強化もしたところであります。
なお、南紀養護学校及びはまゆう養護学校にはそれぞれ寄宿舎を設置しており、通学の困難な児童生徒に対応してございます。
今後とも、安全かつ円滑な運行のあり方等については研究してまいりたいと考えます。
以上です。
○議長(宗 正彦君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
25番鶴田至弘君。
○鶴田至弘君 それでは、再質問をさせていただきます。
知事の方から答弁をいただきまして、リゾートの需要の増大もあり、経済動向、その他国の提言を踏まえて推進をするということでありました。私は、その限りにおいてはそれを是としたいと思いますし、和歌山県の自然が今後のリゾートを提供していく上で大きな役割を果たすであろうということも思いを同じくするところであります。
ただ、今までの教訓から私たちが何を学ばなければならないのか、そこのところが今後どう生かされるかということ。例えば住民のことをもっともっと大切に考えるとか、地域開発の発展のことを考える、あるいは大企業の得手勝手を許さない、また自然破壊、環境破壊を許さないというような、今まで出されてきたさまざまな問題に対して今後再び同じ轍を踏まないようにどうやっていくかというあたりの県としての総括と、それを今後生かしていくことを明文化してやっていくという開発の理念というものを明確にしなければ同じことになってくるのではないか、景気の動向の中で結局行ったり来たりということになってしまうんではないかと、そういう思いがいたします。そういう点で燦黒潮リゾート計画の見直しということを私は言っているわけでありまして、答弁をお願いしたいと思います。
次に、企画部長に。
燦黒潮リゾート構想が順調に進んでおる、プロジェクト七十五のうち三十幾つかが進んでおって、四九%まで来ておる、こういうふうにおっしゃられるわけですけれども、これが果たして順調な到達点かどうか。さらに、現在まで進んできたものは順調であったけれども、これから先のものは一体どうなるのか。そう考えると、そう順調に進んでいるというふうに評価はできないと思うんです。私は、大企業の得手勝手なのが順調に進まなくても、それはそれでいいと思っていますけれども、当局としてこれが順調な成り行きだと評価するということは、私は間違っていると思います。
この質問を準備するに当たって、私がこの議席に参ってからのリゾート関係の質問を全部読ませていただきました。二十二人の方が質問をしておって、十九人の方々が何らかの形で危惧を表明しております。見直しという意見も三件出ております。こういう状況の中で、このリゾート開発計画が順調に進んでおるというふうに見るのは、とんでもないことではないかと思います。
住民運動等によって企画部サイドに受けている反対陳情は二件だと言われております。しかし実際、ゴルフ場反対は、この計画の中でも九件に及んでいるわけでして、そのゴルフ場開発に関係する点だけを見ても、それは決して順調な状態ではないし、私はそういう点では別に順調でなくてもいいと思っておるわけですけれども、企業局としてはどう考えているのか、お示しをいただきたいと思います。
時間がないのであとについては言及できませんけれども、障害者のバスの問題など、ぜひよろしくお願いいたします。定員にまだ満ちていない、余裕があるというふうにおっしゃっておりますけれども、あの障害者の方々が乗っているバスに補助席を使った定員いっぱいを詰め込んでごらんなさい。どういう状態になるか、ご想像いただけると思います。ぜひ温かい配慮を心からお願いいたしまして、第二問を終わらせていただきたいと思います。
○議長(宗 正彦君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
知事仮谷志良君。
〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 鶴田議員にお答え申し上げます。
さきに答弁申し上げましたように、リゾートの整備は県土づくりの重要な柱であり、これを積極的に進めているところでございます。
また、国の研究会の提言も踏まえながら今後とも具体的な事業の展開を図る中で、多様な余暇活動空間の整備と、アメニティーの高い地域づくりに資していきたいと思っております。
本県は、先ほども述べましたように、すばらしい自然環境がございます。また海岸線も、人工海岸は大都市の近くで最も少ないところでございます。こうした自然と共生できるリゾートを進めてまいりたいと思っております。
○議長(宗 正彦君) 企画部長佐武廸生君。
〔佐武廸生君、登壇〕
○企画部長(佐武廸生君) 着実に進んでいるとの評価ができないという再質問でございますが、リゾート整備を取り巻く社会経済状況は極めて厳しい中でございますし、また燦黒潮リゾート構想が承認されてから二年九カ月という現状から見まして、四九%というプロジェクトの進捗や投資、雇用、来県者の進捗状況を総合的に判断すると一歩一歩前進しているものと受けとめているところでございます。
○議長(宗 正彦君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(宗 正彦君) 以上で、鶴田至弘君の質問が終了いたしました。
これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
○議長(宗 正彦君) この際、暫時休憩いたします。
午前十一時五十九分休憩
──────────────────
午後一時四分再開
○副議長(町田 亘君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○副議長(町田 亘君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
42番森 正樹君。
〔森 正樹君、登壇〕(拍手)
○森 正樹君 ただいま議長から発言を許されましたので、一般質問をいたしたいと存じます。
初めに、関西国際空港に関する諸問題について申し上げます。
泉州沖五キロの海上に威容を横たえる空港島ではターミナルビルを初めとする各施設が続々とその姿をあらわし、完成が間近であることを示しているところであり、関西国際空港の実現を願い続けてまいった私たちにとって、まさに期待に胸膨らむ思いがいたすきょうこのごろでございます。一方、関連事業の方も着々と進んでいるところでございまして、去る九月二十五日には近畿自動車道紀勢線が全線開通をしたことは、既に皆さんご承知のとおりでございます。
このように関西国際空港が開港までほぼ一年を切り、最後の仕上げ段階に入った今、幾つかの重要なテーマについて県当局にその見解をお尋ねいたしたいと存じます。いずれも極めて重要な問題でございますので、当局の皆様の率直にして簡潔なご答弁をお願い申し上げる次第でございます。
まず初めに、国内便の確保についてであります。
この問題にかかわる関係者の皆さんのこれまでのご努力により、当初目標の一日七十便就航に向けて粘り強い交渉が進められた結果、ほぼ目標に近い数字が達成できそうだとの報道も一部にはございますが、一方ではまだまだ厳しい見方も伝えられておりまして、このことについて企画部長、あなたの優秀な情報収集能力によって現在つかんでおられる感触とめどについてご報告をいただきたいと思います。
二つ目に、国内便の確保に向けて鋭意進めてこられたポートセールスについてであります。
ポートセールスが国内便の確保に果たす一定の役割についてはこれまでるる申し述べてきたところであり、くどくは申し上げませんが、関西国際空港は我が国初の二十四時間運用の国際空港であり、しかも、JR阪和線と南海の二本の鉄道、リムジンバス、タクシー、シャトルボートなどの海上輸送機関等々、大阪空港とは比べものにならない多重アクセスが確保され、例えば鉄道で申し上げるならば大阪都心から三十分でターミナルまで到着できるなど、極めて利便性の高い空港でございます。しかしながら、この利便性の高さが十分認識されておりません。この認識不足の解消を図ることがポートセールスの大事な目的の一つであると申せましょう。
そこで、既にこれまでに実施されたポートセールスの成果と今後のポートセールスの計画についてご報告を賜りたいと存じます。
第二に、関西国際空港の開港時期についてであります。
前議会でも質問をさせていただきましたけれども、一部報道によりますと、関西国際空港株式会社が建設中のターミナルビルの内装工事を前倒しで発注、工期の短縮を図ると伝えられておりました。これにより、乗り入れ航空会社各社もチェックインカウンターのオンラインシステムの配線工事や電算システム工事の着手を早めることとなり、当然のこととして、これらシステムの慣熟期間も繰り上げられることになるため、開港時期も早まるのではないかというのが報道の内容でございます。
そこで、企画部長にお尋ねをいたします。
当初言われていた九月下旬の開港が早まる可能性について、その感触はいかがでありましょうか。もし開港が早まれば世界リゾート博への好影響も考えられるわけでございます。加えて、発表のタイミング、めどについても、一体いつごろになると考えておられるのか、お答えをいただきたいと思います。
三つ目として、開港時期を決定する重要な要件といたしまして、主な施設の慣熟の問題がございます。開港後、スムーズな運営、安全な運営を行うため、事前に施設の運用になれ、事故を未然に防ぐ等、慣熟が必要な施設には主にどんなものがあり、それぞれの建設の進捗状況並びに慣熟に要する期間等々、把握しておられる点について企画部長の答弁を賜りたいと思います。
三点目の項目、関西国際空港全体構想についてであります。
全体構想の成否いかんが本県勢の浮上に大きな影響を及ぼすことはここで改めて私が申すまでもございませんが、第一点、現状において全体構想実現に向けての状況はどうなっているのか、第二点、アジア地域における関西国際空港の位置づけが全体構想の成否によってどのように変わるのか、第三点、関西国際空港は国の基幹空港であって、本来国の直轄事業として行うべきであるというのが私の持論でございますが、全体構想二期工事をその方式で進めることについてお答えをいただきたいと思います。第一点、第二点は企画部長、第三点は知事のご答弁をいただきたいと思います。
この項目の最後に、HSCT──高速民間航空機についてお尋ねをいたしたいと思います。
現在、欧米を中心としてHSCT開発研究が進められているところでございます。マッハ三ないしマッハ五という超音速で飛行し、日本とアメリカ西海岸を、マッハ数によりますけれども、約二時間から四時間で結ぶというものでありまして、これが実現すれば世界じゅうが日帰り圏となることが可能になるわけでございます。実現までにはまだまだ解決しなければならない技術的な問題等々、たくさんございますけれども、二十一世紀の極めて早い段階での開発が可能との報道もございます。
そこで、将来の問題ではございますけれども、高い関心を持って見守る必要のあるHSCTについて、入手しておられる情報をお示しいただきたい。
加えて、関西国際空港も含めて、関西圏にそのHSCT用の空港、すなわちスーパーハブ空港が立地する可能性はあるのかないのか、企画部長の率直なご意見をいただきたいと思います。
次に、世界リゾート博に係る諸問題についてお尋ねをいたしたいと思います。
県庁正庁玄関前広場に設置されている世界リゾート博残日計が二百八十三日と表示されております。開催まで一年を切った今、県民が集まるところで世界リゾート博の話題が出ないことはなく、県民の皆様も少なからぬ関心を持って見守っているのであります。
そこで、私どもは本年四月、「『世界リゾート博覧会』に関する県民意識調査」を実施いたしました。何ゆえ、実施主体でもない、事業主体でもない我々がこのような意識調査を行ったか。それは、このイベントを契機に和歌山県勢の活性化が図られ、情報化社会へと向かう流れの中で本県が積極的な情報発信基地となり、また国際化社会への急速な進展に合わせて世界の国々、世界の人々に開かれた和歌山県へと脱皮するまたとないチャンスであり、県益の追求という観点から是が非でも成功させなければならない一大イベントでありまして、その成功の一助となればと考えたからにほかなりません。また、我々部外者が調査に当たることで客観性も保たれるということも、一つ考えとしてございます。
この調査結果の報告書は、あらかじめ議長のお許しをいただいて先輩・同僚議員諸兄のお手元に、さらに知事初め各部局長のところにお届けをしておりますので、ごらんいただきたいと思います。
この調査結果によって幾つかの興味深い県民の意識が探れたと私は思っておりますが、今回は、そのうち三点に絞ってご質問を申し上げたいと存じます。
まず第一点は、県民の世界リゾート博への関心度についてであります。
世界リゾート博の開催を知っているかとの問いに対し、八一・二%の人が「知っている」と回答しており、「聞いたことがある」を含めると、ほぼ九四%の人々が知っているという結果が出ました。ただし、例えば地域別では、開催地となるマリーナシティを抱える和歌山市で「知っている」、「聞いたことがある」がほぼ九五%であるのに対して、会場から離れるに従って低くなっていく傾向がはっきり出ております。
私どもは、この集計の都合上、地域を四つに分けました。和歌山市は「和歌山」、紀の川筋を「紀ノ川」地域としてまとめております。それから、「中紀」ということで海南市、海草郡、有田市、有田郡、御坊市、日高郡を一つの地域としてまとめ、田辺市、西牟婁郡以南を「南紀」というふうに四つに分類をいたしておりますので、その点、ご承知おきください。
それによりますと、中紀が九三・五%、紀ノ川が九一・一%、南紀が九〇・四%と、少しずつ低くなっているわけでございます。例えば「知っている」という項目だけに限りますと、和歌山が九〇%、中紀が八五・七%、紀ノ川が七四・七%、南紀が六八・二%となっております。
さらには、積極的な関心度を探る意味で、世界リゾート博の会場となるマリーナシティを知っているかどうかを聞いたところ、「知っている」が六二・八%、「聞いたことがある」が一九・四%で、計八二・二%となり、少し低下いたしております。
さらに、もう一段、積極的な関心を見る設問といたしまして、世界リゾート博のマスコットである「ワックン」を知っているかと聞いたところ、「知っている」は三三・二%、「聞いたことがある」は一三・六%で、両者合わせて四六・八%と、半数を割っていることが判明いたしました。すなわち、知識として世界リゾート博は知っているが、具体的なことや内容に立ち入ってくるとまだまだ認識は十分でないということがはっきり示されていると申せると思います。
この三つの問いに対する回答結果から明らかに言えますことは、世界リゾート博に行こうという行動を起こさせるキーポイントとなる積極的関心度という点で、まだまだPR宣伝が不足であるということが指摘できるのではないかと思います。
そこで、この問い一から問い三の結果について当局はいかがお考えになりますか、お聞かせをいただきたい。
それから、今後最も重要な問題として、この世界リゾート博のPR宣伝をいかに効果的に行っていくかが問われることになりますけれども、自後のPR宣伝計画について、あわせてお示しをいただきたいと思います。
三つ目に、世界リゾート博には海外からの誘客も積極的に図るべきであると思いますけれども、その一助、誘導策として、本県と姉妹友好関係にあるフランスのピレネーオリアンタル県、中国の山東省に対する働きかけはどうなっているのか。
加えて、県下五十市町村中、海外諸都市と姉妹友好関係にある市町に対し同様の働きかけを要請するとともに、これら市町に対し、県としても協力、援助を行うべきであると思うが、どうか。さらには、海外各地の在外県人会等の団体へもアプローチをすることが必要であると思いますけれども、これらの点について知事公室長のご答弁をいただきたいと思います。
二つ目の問題といたしまして、交通アクセスの問題がございます。
この調査の第七設問で利用する交通機関を聞いたところ、マイカーが圧倒的に多く、六一・九%という数字になりました。既に指摘されているところではございますけれども、日常の朝夕のラッシュに世界リゾート博のピーク時が重なると大変な混雑が予想されるわけでございます。これらの対策について、またそのネックになるのはどの地点であるのか、お示しをいただきたいと思います。
加えて、これらの対策として五億一千余万円の関連交通安全施設整備予算が当初で計上されてございますけれども、その内容等について企画部長にまとめて詳しくご説明をいただきたいと思います。
三点目の問題といたしまして、今回の意識調査でボランティア活動への参加の意識を聞きました。それによりますと、実に一四・六%の人が、参加してもよい、参加したいという結果が出ております。世界リゾート博が百八万県民総参加のもとに行われるものであるという認識に私は立っておりますけれども、この数字を見る限り、まことに心強いものがございます。しかし、実際には仕事やさまざまな制約があって、そんなに簡単にボランティアに参加できるとは思いません。そのような点も勘案いたしまして、ボランティア人員の確保ができるかどうか、大変大事な問題でございます。県民の多数が参加の意欲を持っているわけですから、今後、当局はいかに県民に対し働きかけていくかがかぎになると思われます。ボランティアにどの程度依存するのか、またその募集計画はどうなっているのか、お示しをいただきたいと思います。これは民生部長になると思いますが、よろしくお願いします。
もう一点、この意識調査とは直接関係ありませんけれども、世界リゾート博の計画の中で和歌山プラザというものがございます。紀伊国屋文左衛門の船を模した建物で、県産品等をここで販売するというものだそうでございますが、今、全国の主な観光地へ参りますと、観光コースの中に必ずと言っていいほど、その地域、その県等の物産を一堂に集めた物産館といったものが立地いたしております。本県は観光立県と言いながら、和歌山市を中心とした地域で考えますと、そのような施設はこれまでほとんどないと言っても過言ではないでしょう。世界リゾート博を契機に、この和歌山プラザの機能、施設を博覧会以降も適当な場所を選んで恒久的な施設として残していってはどうか、お考えを聞かせていただきたいと思います。
最後に、議会答弁用語についてお尋ねをいたします。
ここに、「お役所の掟」と題する一冊の本がございます。昨年五月、月刊「Asahi」に「ぶっとびお役所生活考現学」という論文を掲載して大変な反響を巻き起こした、宮本政於さんという厚生省の現職幹部が書かれたものでございます。エール大学、ミネソタ州立大学、コーネル大学に籍を置き、その後、コーネル医科大学、ニューヨーク医科大学等で教鞭をとった人でございます。約十四年間に及ぶ外国生活をされ、徹底した欧米流の個人主義の筆者が厚生省の役人となり、その中で考えたこと、感じたこと、巻き起こしたさまざまトラブルや体験等々を交え、発表したものでございます。既に読まれた方も多いと思います。
きょうはこの本の中身について議論することが目的ではございませんので、この程度にとどめておきますが、私がこの本に触れたのは、国会のことを語っているくだりを紹介したかったからでございます。
すなわち、「国会答弁の『適切な言葉』」の項目に、このようにございます。例えば、「前向きに」は「遠い将来にはなんとかなるかもしれないという、やや明るい希望を相手に持たせる言い方」、「鋭意」は「明るい見通しはないが、自分の努力だけは印象づけたいときに使う」、「十分」は「時間をたっぷりかせぎたいということ」、「努める」は「結果的には責任を取らないこと」、「配慮する」は「机の上に積んでおく」、「検討する」は「検討するだけで実際にはなにもしないこと」──先ほどの午前中の答弁の中にもこの言葉がございました──「見守る」は「人にやらせて自分はなにもしないこと」、「お聞きする」は「聞くだけでなにもしないこと」、「慎重に」は「ほぼどうしようもないが、断りきれないとき使う。だが実際にはなにも行われないということ」というふうに解説がされております。もちろん、私はこの宮本さんという筆者と全く同じ考えではございませんが、議会答弁用語としてよく使われる言葉であります。いつごろからこのような言葉が使われるようになったか、私は寡聞にして存じ上げませんけれども、ある意味で都合のよい言葉であり、また一方で内容の伴わない空虚な言葉として使われる場合もあると言えます。
ところで、本議会におけるこれらの言葉──議会答弁用語と申しますか、この使用状況について一年間の調査をいたしました。平成四年六月議会から本年二月議会までの一般質問に対する知事初め当局の皆さんの使用頻度は、次のとおりでございます。
皆さんがご答弁の中で使われた言葉のうち、「検討します」、「取り組みます」、「対処します(善処します)」、「研究します」、「勉強します(考えています・思っています)」、「努めています」、「進めています」、「指導しています」、「所存であります」、「要請していきます」という項目についてピックアップをしてみました。そして、その結果、一番多かったのは「考えています・思っています」という項目です。これが全体の四四%、三百二十六回、二番目に多いのが、極端に下がって「取り組みます」で八十一回、一〇・九%、三番目に多いのが七十二回で九・七%の「努めている」、四番目が「検討します」で七十一回、九・六%、五番目が「進めている」で七十回、九・四%という結果になっております。
全部を申し上げると時間がございませんので、うち、特徴的な部分を二、三申し上げますと、知事は平均的な使い方をされているように思います。非常に特徴的なのは総務部長でございまして──今ひな壇にお座りの総務部長ではございませんが──全体の実に七〇・七%を「考えています・思っています」と使われております。それから、企画部長と土木部長は平均的にいろんな言葉を使っておられまして、例えば企画部長は、一番多いのが「考えています・思っています」で三四・二%、次に「取り組みます」の一九%、三番目に「検討します」──「前向きに」とつく場合もございます──一三・九%、四番目に「努めています」の一一・四%、土木部長は、一番多いのがやはり「考えています・思っています」で三〇・二%、次に「進めています」が一八・一%、三番目に「検討します」が一四・七%、四番目に「取り組みます」が一三・八%というふうになっております。まだまだ申し上げたいのですけれども、例えばそういう傾向が出たわけでございます。
これらの議会答弁用語につきまして、私は、すべてが意味のない無味乾燥な言葉だとは申しません。決してそういうふうに決めつけるつもりはございませんが、問題となった事柄のその後の経過などを見ていると、残念ながらその場限りの言葉だったというケースもあるわけでございます。
そこで、お尋ねをいたしたいと思います。
第一に、これら議会答弁用語についてどのように思っておられるのか、代表して総務部長にお答えをいただきたいと思います。
第二に、これら無味乾燥な言葉の使用をやめて、できることは「できる」、できないことは「できない」と、イエス・ノーを明瞭に言う習慣をこの議会においても将来つくっていくべきであると思いますが、その点もあわせてお答えを賜りたい。
以上申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○副議長(町田 亘君) ただいまの森正樹君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事仮谷志良君。
〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 森議員にお答え申し上げます。
関西空港の全体構想の実現のうち、関空は国の基幹事業ではないか、国の直轄事業としてやるべきではないかということでございます。
現在、関空の第一期工事は、ご存じのように株式会社方式で行っておりまして、第二期以降の全体構想の事業主体については、ボーリング調査等の所要の調査の実施に合わせて、関西国際空港全体構想推進協議会において全体構想実現化方策の調査を進めることとしているわけでございます。この調査結果を踏まえまして、事業主体を含め、あらゆる角度から検討する必要があると存じております。
いずれにいたしましても、まずボーリング調査を含む所要の調査費の確保ということが最初の最も必要な条件ではないかということで、来年度の調査費の予算獲得に向けて全力を傾注してまいりたいと思っておる次第でございます。
他の問題は、部長から答弁いたします。
○副議長(町田 亘君) 企画部長佐武廸生君。
〔佐武廸生君、登壇〕
○企画部長(佐武廸生君) まず、関西国際空港に関連するご質問にお答えいたします。
関西国際空港の国内便確保の感触とめどについてでございます。
国内便の路線配分につきましては、運輸省と各航空会社との間で、大阪国際空港との機能分担も含め、現在なお調整が行われているところであり、来年の早い時期には決定されるやに聞いてございます。
なお、具体的な便数につきましては、関西国際空港株式会社が目標にしている一日七十便の完全確保は、昨今の航空不況から見て、開港当初には極めて厳しい状況でございます。国内便の路線決定に向けた調整が最終段階を迎えた時期でもございますので、県議会、経済界等、県内各界の皆様方のご協力をいただき、運輸省、航空会社へさらに強力に要望活動を行ってまいりたいと存じます。
次に、ポートセールスの成果と今後の計画についてでございます。
オール関西で本年二月に仮谷知事を団長に沖縄を訪問したのを初め、札幌、福岡、新潟、熊本を訪問しております。また先月には、一連の活動の締めくくりとして、運輸大臣を初め、各航空会社社長等に国内便確保を要請してまいりました。さらに、本県独自でも東北、九州へのポートセールス活動を実施したところであり、これら一連のポートセールス活動を通じて関西国際空港の利便性に対する理解が得られるなど、十分な手ごたえを感じているところでございます。
次に、関西国際空港の開港の時期についてでございます。
現在、旅客ターミナルビルを初め空港諸施設の建設が予定どおり着々と進められており、施設の完成後、施設の慣熟運転、関係職員の業務の習熟訓練等、種々の条件を勘案して、運輸省から来年九月開港と発表されたところでございます。県といたしましては、一日も早い開港をさらに強く働きかけてまいりたいと考えております。
次に、開港日の発表についてでございます。
国際民間航空機関の規定に基づく各国政府への航空情報の提供や航空法の手続などによりまして、遅くとも開港の六カ月程度前までには公表されるものと聞いてございます。
次に、関西国際空港の主要施設の建設状況と慣熟についてでございます。
主な空港主要施設の建設状況につきましては、昨年十一月には管制塔、航空局庁舎が完成し、空港の基本施設である滑走路、誘導路については昨年八月に着工され、本年九月下旬には舗装工事がほぼ完成したところでありまして、本年十二月中には完成の予定でございます。このほか、平成六年六月に完成予定のターミナルビル等の空港主要施設などの建設工事が順調に進められております。
慣熟に必要な期間についてでございます。
関西国際空港には、他の空港に比べ、特に十分な慣熟の必要な施設がありまして、その中でも主な施設としては、手荷物をターミナルビルの荷さばき場へ搬送する手荷物処理システムに約三カ月、ターミナルビルとウイングの出発・到着ゲートとの移動手段である三両固定編成の無人自動運転システム・ウイングシャトルに二カ月間の慣熟期間が必要と聞いてございます。
また、大阪国際空港から関西国際空港に移ることに伴う従業員等の習熟期間、その他各施設、各機器についての操作や運転等に携わる職員の慣熟訓練に三カ月程度の期間が必要であると聞いております。
次に、関西国際空港の全体構想につきましては、関西の政・財・官界が一体となって組織した関西国際空港全体構想推進協議会を中心に取り組んでいるところでございます。
全体構想を早期に実現するためには来年度予算にボーリング調査を含む所要の調査費を確保する必要があることから、本年の八月に来年度全体構想に関する調査費について地元負担することを合意し、国に対し強く要望を行ってきたところでございます。この結果、運輸省は、来年度予算概算要求に全体構想調査費といたしまして、地元負担を含む関西国際空港株式会社分としてボーリング調査等十億五百万円の調査費が、また国の直轄調査分として八千万円が要求されたところでございます。
今後は、予算の確保に向けて、関西国際空港全体構想推進協議会を中心に積極的に要望活動等を行ってまいりたいと存じます。
次に、アジアにおける位置づけについてでございます。
現在、アジア諸国においては、ソウル、香港、バンコク等で壮大な新空港計画が進行中であり、シンガポール、台湾等では既存空港の拡張計画が図られる等、アジアのハブ空港を目指した空港整備が着々と進められているところでございます。
ハブ空港になり得るためには、世界の主要都市とのネットワークの確立、空港を取り巻く背後地の経済力の強さ、文化施設等の国際交流機能の集積等が大変大事であろうと考えておりまして、関西国際空港はこれらの条件を満たす空港であると考えてございます。
関西国際空港が真の国際ハブ空港となるためには、三本の滑走路を有する全体構想の早期実現が必要でございます。今後とも、全体構想の推進については関西の地元関係団体と協力し、積極的に取り組んでまいりたいと存じます。
次に、HSCT(高速民間航空機)についてでございます。
現在の航空旅客機はジャンボ、エアバスに代表されるジェット機が主流でございますが、将来の航空機開発の方向として、一つは航空機の旅客収容能力を高める方向、もう一つは航空機の速度を高める方向が検討されておりまして、前者としては、現在、スーパージャンボと呼ばれる五百人から八百人の搭乗が可能な航空機の開発計画がございます。
議員お話しの高速民間航空機は後者に属し、現在、イギリスとフランスの共同開発によるコンコルドが実用化されておりますが、座席数が少ない、航続距離が短い、騒音が非常に大きい等の欠点があり、世界的に普及するまでには至ってございません。
現在、速度マッハ二ないし五、座席数三百前後、航続距離約一万キロメートル程度の高速民間航空機が想定されております。仮にマッハ二程度の高速民間航空機が就航いたしますと、現在、所要時間約十二時間ないし十三時間のニューヨーク直行便が約二分の一に短縮されることになり、国際化がさらに進展することが期待されますが、開発に向けては、資金的な問題、環境の問題、技術的な問題等、解決しなければならない多くの課題があると聞いてございます。
次に、高速民間航空機に対応する空港が、関西国際空港も含め、関西に立地する可能性の問題でございます。
就航のためには五千メートル級の滑走路が必要であるとの話もございまして、航空機の開発と施設との関連については今後の研究成果を待たなければならないものと考えております。
次に、世界リゾート博期間中の交通対策についてでございます。
リゾート博協会の第二次交通実施計画においても自家用車の利用による入場者が主となると予測されておりまして、こうした入場予測や交通量調査の結果を踏まえ、市内中心部の交通総量を削減するため、パーク・アンド・ライド方式の導入や海上輸送の活用等について、国や鉄道、バス事業者を初めとする関係機関で構成する世界リゾート博交通対策連絡協議会において、現在、具体的な交通輸送計画を策定しているところでございます。
次に、混雑のネックとなる地点、その対策についてでございます。
世界リゾート博開催に伴って特に交通混雑が予想される地点は、市内の田中町交差点、紀三井寺交差点、和歌山インター等が挙げられます。これらの交通混雑を解消するため、田中町交差点については、宮街道に右折レーンを設けることにより、市駅小倉線を活用してJR和歌山駅等への日常交通の分散を図ることとしております。
また、紀三井寺交差点につきましては、国体道路から紀三井寺医大用地に整備する場外駐車場へスムーズに運行するための右折レーンの延長、和歌山インターについては料金所を海南東インターに移設することによりスムーズな運行を図ることとしております。
そのほか、毛見一号へのアクセスである立体車道橋の建設、主要交差点におけるレーンの新設等、ハード面の整備を図るとともに、ソフト面においても、総合交通管理システムの運用等、混雑を解消するための最善の方策を進めているところでございます。
次に、総合交通管理システムにつきましては、世界リゾート博に向け、平成四年度から整備に取り組んでいるところでございます。
具体的には、交通の安全と円滑化を図り、良好な交通環境を整備するため、警察本部においては、旅行時間計測装置五基、交通情報板七基、監視用テレビ五基、駐車誘導装置一式及び高度化された交通信号機を整備し、道路管理者が設置する道路情報板十五基を含め、交通管制センターにおいてこれらを集中運用し、リゾート博関連道路の交通管理を総合的に行うこととしてございます。
なお、これらの施設の主な設置場所は、旅行時間計測装置は和歌山インター、海南インター、田中町交差点ほか二カ所に、交通情報板については田中町地下道東側、西汀丁、紀三井寺交差点ほか四カ所に、監視用テレビについては紀三井寺交差点、布引交差点、マリーナシティ内ほか二カ所に設置するとともに、駐車場誘導装置についてはリゾート博会場と交通管制センター間を接続することとしております。
これらの装置を活用して、交通渋滞状況や迂回路、会場までの旅行時間、駐車場の満空状況をドライバーに提供することとしてございます。
以上でございます。
○副議長(町田 亘君) 知事公室長中西伸雄君。
〔中西伸雄君、登壇〕
○知事公室長(中西伸雄君) 世界リゾート博につきまして、森議員にお答えをいたします。
世界リゾート博県民意識調査をしていただいたその結果から、博覧会への関心度に対する考え方と今後のPR宣伝計画についてでございます。
博覧会の開幕を約一年後に控えた時点で県民の方々がこの博覧会に対してどれほど関心を持ち、またどのように考えておられるかを知ることは私どもにとって大変意義のあることでございまして、この調査を実施していただいたことに対して感謝を申し上げる次第でございます。
お話がございましたように、四月の時点では博覧会に対する周知度が、「聞いたことがある」を含め約九四%に上っていることは、これまで実施してまいった既存のイベントへの世界リゾート博の冠づけや節目イベントの実施、さらには県内約二百カ所へのキャンペーンやポスター、パンフレット、リーフレットの配布など、博覧会の周知や関心に重点を置いたPRの効果があらわれてございます。しかしながら、ご指摘の内容あるいは積極的関心度という面では、当時、本年四月ごろにはまだ十分とは言えなかったのも事実でございます。
私どもといたしましては、博覧会への注目や誘導を図るため、本年五月以降の前売り入場券の発売に合わせたPRや、また七月から県下全域でのリレーイベントの実施による県民総参加の機運の盛り上げを図ってきたところでございます。
今後は、会場計画の中身が固まりつつある中で、企業、団体等のパビリオンや各施設の具体的な内容についても随時明らかにしてまいるとともに、京阪神を中心に県外にも重点を移し、テレビ、ラジオ、新聞等、マスメディアを活用することはもちろん、大阪等におけるPRイベント、ポスターの車内づり、駅張りあるいは看板等、関係部局とも連携を図りながら幅広く広報宣伝を行ってまいります。
次に、世界リゾート博への海外からの参加についてでございます。
和歌山県の海外友好提携先や県内各市町の海外友好姉妹提携先及び海外の和歌山県人会に対して、それぞれ働きかけを行っているところでございます。
まず、県の海外友好提携先である中国山東省及びフランスのピレネーオリアンタル県につきましては、現在、この両省県に対してリゾート博への参加を要請しておりまして、ともに一応の了解を得ているところでございます。
また、県内各市町の海外友好姉妹提携先についてでございますが、平成五年十月現在、県内の五市四町が海外の十七団体と友好姉妹提携を行っております。県といたしましては、この五市四町に対して海外の提携先団体に世界リゾート博への参加依頼を行っていただけるよう要請しているところであり、これを受けて各市町では個別に折衝を行っていただいております。これまでのところ、かなりの数の団体から前向きの回答を得ているところでございます。
さらに、海外に所在する和歌山県人会に対しましても、世界リゾート博に関する積極的な広報を行っております。幾つかの県人会からは、この機会を利用して、博覧会を見学するとともに里帰りを果たしたいとの計画があるという連絡も受けてございます。
各団体からの参加の形態や規模については、現在のところ、まだ確定しておりませんけれども、今後、経費や日程の調整などの問題点を解決すべく、関係機関と協議しながら引き続き努力してまいります。
以上でございます。
○副議長(町田 亘君) 民生部長南出紀男君。
〔南出紀男君、登壇〕
○民生部長(南出紀男君) 世界リゾート博関係のご質問のうち、ボランティア関係についてお答えをさせていただきます。
リゾート博におけるボランティア参加の基本的な考え方につきましては、ボランティアは、その性格上、活動していただける業務がおのずから補完的な分野に限定されるところでありますが、真心と心の触れ合いをよりどころとするボランティアの特色を生かし、博覧会を側面からご協力していただきたいと考えております。
また、ボランティアに参加される皆さん方には、リゾート博が終わった後においても引き続き地域でボランティア活動を続けられ、地域福祉の担い手として活躍されるようご期待をするところでございます。
次にボランティアの計画についてでございますが、本年十二月から一般公募を行うとともに、団体や企業など各方面にわたり、「県民の友」や市町村広報紙などを通じてご参加を呼びかけることといたしております。
活動内容につきましては、ベビーカーや車いすなどの貸出業務、環境美化、障害者等の介助、さらに手話通訳や外国語通訳などをお願いし、活動していただく日数は、会期中五日以上、五百人程度の方々の参加を計画しております。
いずれにいたしましても、県民の皆さん方の積極的なご参加、ご協力を要請してまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
○副議長(町田 亘君) 商工労働部長吉井清純君。
〔吉井清純君、登壇〕
○商工労働部長(吉井清純君) 和歌山プラザに関連いたしまして、物産館についてお答えをいたしたいと思います。
議員ご提言の物産館についてでございますが、県においては、観光振興や地場産業振興の観点から、各地域のそれぞれ特色ある産品を提供する施設の整備充実を促進してきたところでございます。
和歌山市及びその周辺には、和歌山県物産観光センターや地場産業振興センター、紀州漆器伝統産業会館等がございます。さらに、観光振興施設の一環として、幹線道路沿いに観光情報を提供できる物産販売施設である紀の国新王子の整備を進めるとともに、山村振興等の施策による物産販売施設など、その整備、活用を図っているところでございます。
これらの物産販売施設は、観光情報の提供や地域経済の活性化を図る上で重要な施設であろうと認識をいたしてございます。
議員ご提言の施設につきましては、和歌山プラザの移築はその構造上不可能であることから、今後、観光関連・地場産品業界など関係各方面の意向や地域の動向を踏まえ、恒久館として現在建設されている和歌山館の一部の活用をも含め、総合的に検討してまいりたいと考えてございます。
以上です。
○副議長(町田 亘君) 総務部長木村良樹君。
〔木村良樹君、登壇〕
○総務部長(木村良樹君) 議会答弁用語についてのご質問でございます。
議会における答弁につきましては、県政の方針や具体的な諸施策について広く県民にご説明し、ご理解をいただくための何よりの機会であるとの考えから、これまでもその意図するところを正確にお伝えするために、表現についても細心の注意を払って誠実に答弁してまいってきたところでございます。
そのような表現の中で、議員ご指摘のように、かえって意図するところが十分伝わらなかったものがあったとすれば、我々としても自戒していかなければならないというふうに考えておりますが、ただ、各議員からのさまざまなご質問の中には、正確な答弁を期そうとすれば、その前提として、これまでの経緯、背景等について十分調査検討が必要なものや、その問題を取り巻く諸情勢の今後の推移を十分見きわめることが必要なもの等があることはご理解いただきたいと思います。
いずれにいたしましても、議会答弁に際しては、議員ご指摘の趣旨を踏まえ、できる限り明瞭な表現をするよう検討してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○副議長(町田 亘君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
42番森 正樹君。
○森 正樹君 それでは、再質問に入りたいと思います。
まず初めに、関西国際空港に係る諸問題でございます。
私たち地元の熱意とは裏腹に、この数年の運輸省等国側の姿勢というのは非常に腰が重いと申しますか、決して前向きとは言えない部分があったと私は認識をいたしております。その腰が重い理由としてよく使われる言葉に「採算性」というのがございます。何度も聞かされた記憶がございます。しかし、これはおかしいんではないか。関西国際空港は国の基幹空港であります。第一種空港であって、東京と並ぶ二極構造の中で、世界へ向かった我が国の表玄関になる空港であります。国の根幹にかかわる事業であるのに、何ゆえ採算性であるのか。そうではなくて、この関西国際空港は国の基幹事業ですから、採算性は度外視してでも、何としてでもやらなければならないんだ、実現しなければならないんだということで、大阪空港の反省から生まれてきた事業でございます。そういう意味で、この関西国際空港の全体構想の実現については、採算性とかといった低い次元で検討される問題ではなくて、二十一世紀を見据えた我が国の国益というもの、関西経済圏の圏益というものを踏まえた上で何としても実現しなければならない事業であると、そのように私は強く申し上げたいと思います。
そういう意味で、今後、全体構想の第二期工事は国の責任においてやるべきである。空港整備法の第三条の一項には、「第一種空港は、運輸大臣が設置し、及び管理する」とあります。これが当たり前であります。ところが第二項で、後々加えられた項目の中に、「前項の規定にかかわらず、新東京国際空港は新東京国際空港公団が、関西国際空港は関西国際空港株式会社がそれぞれ設置し、及び管理する」となっておりますが、この二項は削るべきである、そのように申し上げておきたいと思います。これは要望でございます。
次に、国内便の大幅確保とポートセールスについてでありますけれども、これまで関西国際空港に国内便がなかなか確保しにくい理由としていろいろ挙げられました。一つは、ご承知のとおり大阪空港の存続という問題です。これは今さら何をか言わんやでございますけれども、それが第一点。二つ目に、着陸料等のコスト高が言われております。三つ目に、航空不況──需要が思うほど伸びていないという点がよく言われます。それから飛行ルート等の関係で、例えば東京便は現在の大阪空港に比べると飛行時間がややかかるということが言われております。もう一つは、都心から遠く離れて非常に利便性が悪い空港だという認識がございます。これらの五つが主なものだと私は思っておりますけれども、これはそれぞれ反論ができるわけであります。
大阪空港の存続については今まで何遍も申し上げましたし、もう申し上げません。
着陸料のコスト高と言いますけれども、あの大阪空港の場合は、第一次から第五次の空港訴訟で多額の補償費が払われております。例えば、現在でも一日一万一千五百円の補償費が払われたり、あの周辺整備機構──これは福岡空港と大阪国際空港の二つです──の中で過去に数千億円と言われる移転補償とか校舎の二重防音やクーラー等、いろんな余分なお金がいっぱい使われているわけです。それを考えるとあちらの方がよほどコスト高であって、我が国初の二十四時間運用の国際空港であるこの関西国際空港は、相対的に言って決してコスト高と言えないと思います。
それから航空不況は、最近の世界的な不況の中で確かに伸び悩んでいる部分もありますけれども、しかしながら、先ほど申し上げたように関西国際空港というのは我が国の二十一世紀を担う空の玄関としてぜひとも必要な空港であって、ここ数年の航空需要の伸びが悪いからといって二期工事がペンディングされるべきではないと思います。そういう意味で、この点も否定できるのではないか。
それから飛行ルートの問題もおいておきまして、もう一つ、都心から遠く離れて利便性が低いという言われ方をよくされるわけですが、これは非常におかしい。例えば、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、関西国際空港と大阪空港を比較すると、関西国際空港は二十四時間運用であるのに対して大阪空港は、ご承知のとおり夜九時から翌朝七時までが閉鎖になります。騒音の関係で離着陸ができない。
それから広さに関しては、五百十一ヘクタール対三百十七ヘクタール、甲子園で当てはめると百二十八倍対八十倍ということで、関西国際空港の方が非常に広いわけでございます。そういう意味で、当然ターミナル等も広々と取れるわけであります。ご承知のとおり、大阪空港というのは非常に狭くて不便な空港でありまして、ターミナルのあの混雑度というのは、発着便数の多いときなどはもう座る場所もないし、足の踏み場もないような、まさに立っているのもつらいような、そんな世界一貧弱な国際空港であります。
それから滑走路も、大阪空港が三千メーターに対して関空は三千五百メーター確保されます。騒音問題も、大阪空港に比べるとはるかに問題がないわけであります。
さらには、もう一つ交通アクセスに関して言うと、大阪空港は、現在、阪神高速という専用道路が一つありますが、ご了承のとおり建設してから大変時間がたっており、補修工事が日常茶飯事でございます。しかも、事故も非常に多い。一たん工事や事故があると、難波から一時間以上かかったということが再三あるわけです。決して利便性が高い空港ではないわけです。それに対して関西国際空港は、鉄道が二本、高速道路が二本入りますし、さらには神戸や大阪、淡路島、徳島から海上アクセスも確保されているわけであります。そうした意味で、非常に利便性の高い空港であると言えると思います。
今までも努力いただきましたが、今後もポートセールスの中で、関西国際空港は非常に利便性の高い、将来のある空港なんだということを日本じゅうの自治体や地方空港、航空会社等へ訴え、熱意を持って働きかけていっていただきたい、そのように要望しておきます。
それから、HSCT(ハイ・スピード・シビル・トランスポート)。これは将来の問題ではありますけれども、我が関西あるいは和歌山県にとって非常に重要な問題ですので触れました。
ちょっと申し上げます。今、全国にHSCT用の空港候補地が九つあると言われておりますけれども、そのうちの一つが関西でございます。関西は、一応、関西国際空港を拡張するという基本に立って考えられているらしいと聞いておりますけれども、そうなってくると、いわゆるスーパーハブ空港である関西国際空港にHSCTが就航するに当たり、第二国土軸がそのアクセス道路として浮かび上がってくるわけでございます。そういう意味で、早くから知事は紀淡連絡道路、第二国土軸を提唱されておりますし、我々も百八万県民を挙げてこの運動を推進しているわけですから、これが非常に生きてくるわけでございます。
そうした意味で二十一世紀の早い時期──ある研究所の研究によると二〇一〇年には開発可能ではないかと言っておりますが、このHSCT用の空港についても我々は重大な関心を持ってこれからも見守っていかなければならない、そのように申し上げておきたいと思います。これも要望でございます。
それからリゾート博については、これからの二百八十三日間はPR宣伝が最重要課題だろうと思います。どれだけたくさんの人にこのリゾート博に来ていただけるかというのがかぎでございます。もちろん中身も問題ですけれども、一人でも多くの人に来ていただけるために、これから開催までの事前のPR宣伝に最も力を入れて取り組んでいただきたいということを要望としてお願いしておきます。
最後に議会答弁用語でございますが、「検討する」ということで総務部長の答弁は締めくくられました。私がこれを申し上げた一つの目的としては、今、県議会のみならず政治の世界で政治改革とかいろんな問題が言われておって、その中でいつも言われることに議会の虚礼廃止というものがあります。私は、個人的な意見ではございますけれども、そうした言葉を使ってお茶を濁すのではなくて──すべてがそうだとは申し上げませんが、中にはそういうものも実際にあるわけです──本音で議論をすると。
そういう意味で、例えば委員会等は円卓方式で各委員と当局が同じテーブルに着いて自由に意見を交わすように改めていくとか、あるいは議員バッジを廃止する、議員に対する「先生」呼ばわりをやめていくとか、そういった手のつけられるところからやっていくべきではないか、そして本当の意味での県民に期待され信頼される県政を確立していく必要があるという観点から申し上げたわけでございます。ひとつ今後よろしくお願いしたいと思います。
すべて要望でございます。ご清聴ありがとうございます。
○副議長(町田 亘君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で森正樹君の質問が終了いたしました。
これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
○副議長(町田 亘君) 本日は、これをもって散会いたします。
午後二時七分散会