平成5年9月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(尾崎吉弘議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

平成五年十月五日(火曜日)

  午前十時三分開議
○議長(宗 正彦君) これより本日の会議を開きます。
○議長(宗 正彦君) この際、報告いたします。
 お手元に配付のとおり、監査委員から監査結果の報告がありましたので、報告いたします。
  ──────────────────
○議長(宗 正彦君) 次に日程第一、議案第百十二号から議案第百三十四号まで、並びに知事専決処分報告報第七号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 6番尾崎吉弘君。
  〔尾崎吉弘君、登壇〕(拍手)
○尾崎吉弘君 冒頭に発言のお許しをいただきましたことを大変光栄に思います。
 まず、補正予算につきましてお伺いをいたします。
 政府におきましては、昨年の八月、そして本年度の当初四月と、緊急経済対策ということで予算を組んできたわけでありますが、円高あるいは冷夏によって景気回復の芽が摘み取られまして、一向に回復への展望が開けてこない今日であります。
 県におきましても、こうした事態を認識されまして、昨年の九月補正、本年当初予算に引き続き、異例とも言える本年六月補正予算を編成して機動的な財政運営をとってこられたところであります。
 そこで、一、本年六月補正に続く大型の九月補正予算を編成した今回の補正のねらいは何であるのか、また、九月に新政権が打ち出した緊急経済対策に係る国の補正予算が十一月ごろ国会に提出されると聞いておりますが、これに対する県の対応をお聞かせいただきたいと思います。
 二番目に、国においては本年度の税収において景気の不振から法人税、所得税を中心に約五兆円の税収不足を来すと報じておられますけれども、こうした厳しい財政状況におきまして、我が県においては平成六年度の県予算編成に向けてどのような展望を持っておられるのか。
 三番目、本年度の補正予算における大量の県債の発行は後年度において大きな負担とならないか、公債費の今後の見通しと県財政の健全性確保という観点からお伺いいたします。本県の税収については当初予算額の確保はできるのか、その見通しをまずお伺いしておきたいと思います。
 次に、ゼネコンが市長や知事という地方自治体の首長と絡んで贈収賄の問題で連日マスコミをにぎわしておることは、ご存じのところであります。
 そこで、総合建設業者いわゆるゼネコンが絡む贈収賄事件が自治体のトップを巻き込んで社会問題になっておることについて知事としてはどう思われるか、また、和歌山県知事として和歌山県行政の長の立場で、政治家・仮谷志良として、両方の面からこの問題についての所見をまずお伺い申し上げます。
 今月の一日にも自治省の方から、指名競争入札制度を制限つきの一般競争入札制度で試行をしてはどうかという通達があったようであります。これは、指名競争入札制度がいわゆるやみ献金とか汚職事件の温床になっておるというわけでありまして、この制度について知事はどう考えているのか。また、行政と請負業者との癒着にはこの指名競争入札制度に大きな原因があると言われておるのでありますが、この制度の問題点をどのように考えてどう対処しようとしておられるのか。
 建設省におきましても、みずから中央建設業審議会の答申を踏まえまして、九月から制限つき一般競争入札制度を一部に導入するという意向を発表しております。ほかの自治体でも同様の動きがあるようですが、和歌山県の動きはどうであるのか、他府県はどうであるのか。今の指名競争入札制度につきまして、和歌山県発注の建設工事に関して談合ということの実態はあるのか、談合の情報に接した場合にはどんな措置をとっているのか、この談合を未然に防止するためにどのように行っておるのかということをお伺い申し上げます。
 次に、特に我が県のことに関して連日報道されておりますフォレストシティの問題につきまして質問を申し上げます。
 新聞によりますと、国土法違反容疑事件に関連して、和興開発株式会社、前企画部長宅、社会経済研究所などに大阪地検の強制捜査が入り、県にも関係の書類の任意提出を求めたと報道されているが、こういったことについて和歌山県知事としてはどのようにお考えになっておられるのか、まずお伺い申し上げます。
 次に、無届け土地取引に関する見解でありますが、フォレストシティ計画の事業主体である和興開発株式会社が、国土利用計画法の規定に基づき義務づけられている土地売買届け出書を提出しないまま、あるいは届け出以前に複数の地権者と売買契約を締結していたとあるが、この点についてはどうであるのか。
 また和興開発が、用地買収の時期によって生じた価格の差を穴埋めするために地権者の一部に差額補てんを名目に追加金の支払いをしたり、国土利用計画法によって土地の上限価格が制限されていたため土地代金の上乗せ分として立ち木代が支払われていたということが言われておりますがどうであるのか、お伺いを申し上げます。
 次に、前企画部長が計画地内に所有していた和歌山市六十谷の山林の売買も当事件に関連したということで大阪地方検察庁の捜索を受けたということでありますが、当人からの届け出書は提出されているのか、またその審査は適正になされたものであるか、お伺いを申し上げます。
 次に、本件の無届け取引に関する調査についてであります。
 和興開発株式会社の無届け土地取引に関するうわさが取りざたされておりましたが、大阪地方検察庁の捜索が入るまで県はなぜ積極的に調査を行わなかったのか、この点についてお伺いを申し上げます。また、土地売買届け出後の事後処理の問題についてでありますが、国土法に基づく土地売買届け出後の事後処理について、県の対応はどのようであるのか、また前企画部長の土地取引に関する契約状況の報告はあったのか。
 次に、フォレストシティ計画に関する地価上昇及び地価調査地の選定がえについてであります。新聞によりますと、和興開発が本格的に土地買収を始めていた平成元年から二年にかけて、計画対象区域周辺の地価は、市内の住宅地、林地を問わず五〇%前後の上昇であったにもかかわらず、この地域だけが二倍を超す異常な上昇となっており、また同時期に、フォレストシティ計画の対象地の西側に隣接する鳴滝山にあった地価調査の基準地を西へ三・二キロメートル離れた栄谷に移したとありますが、この点について明快な答弁をお願い申し上げます。
 次に、都市計画法に基づいて開発の許可の審議がなされていくということでありますが、開発許可申請に当たってはまず周辺住民の同意を得るように指導しているけれども、今回、許可申請が提出されたフォレストシティにつきましては、現在のところ住民同意が完全には得られていないと聞いております。住民の同意がそろっていない時点で許可申請を受け付けたことは都市計画法その他の根拠法令上問題は生じないのか、行政指導として同意を得るように開発者に指導を行っているこの趣旨はどういうものであるのか、また同意を得よと指導する場合にその範囲はどの程度であるのかということをお伺いいたします。
 フォレストシティに関しましては、住民同意の取りつけに際して金品の授受があったということが報ぜられております。各自治会における同意または不同意の意思表示の過程について当局はどのように考えているのか、自治会の同意が得られていないという地区について、その反対の理由はどういうものであるのか、現時点で自治会の同意が得られていない部分についてはどのような取り扱いの方針であるのか。
 また、最終的には、許可または不許可の処分を行うというまでに開発地区に隣接するすべての自治会の同意がそろわない事態も予想されるわけでありますが、このような場合どのように対応していくのか、その方針をお伺いします。
 次に、本計画について和歌山市長はさきの市議会において、かかる事態に至ってなお推進の立場を崩していないけれども、県当局としての本件の開発許可についての考え方はどうであるのか。昨日の産経新聞には、先月の二十六日に続いて、この開発許可の審議を凍結するというような記事が二回にわたって出ております。これについて知事はどのように考えておられるのか。
 また、朝日新聞には、県の幹部が今の時点では許可をすることは難しいというような意味の発言をしておるようでありまして、また、現職県庁職員の中に金銭がばらまかれたといううわさもあるというような記事も載っておるわけであります。これについて知事はどのようにお考えでありましょうか。
 次に、和興開発株式会社は特捜部の強制捜査を受けたことが報道されておりますけれども、都市計画法に基づく審査においてはかかる事態をどのように取り扱っていくことになるのか。そしてまた、都市計画法による開発申請についても、地元関係者の同意、資力、信用度の問題など、事前協議の段階でクリアしていない数多くの問題があり、時によっては申請を差し戻しするということもあり得るかどうかということについてお伺いを申し上げます。
 以上は都市計画法に基づく審議でありますけれども、同時にこれは森林法にも関係してくるわけであります。これにつきまして、平成二年六月十一日に森林法に基づく林地開発許可基準が改正され、同日に通達施行が行われ、森林の開発許可基準が相当厳しくなっているものと把握しておりますが、フォレストシティ計画は改正前の基準の適用を受けるのか。これは非常に大きな問題でありますので、的確なご答弁を願いたいと思います。
 また、経過措置として、旧基準に相当するフォレストシティ計画は平成四年六月に森林法に基づく林地開発許可申請書を提出したが、その時点で申請に必要な条件は満たしておったのか、また現在フォレストシティ計画は各法令等により審査されておりますが、森林法に基づく林地開発許可制度の審査基準についてその内容を明らかにされたいと思うのであります。
 次に、フォレストシティ計画の事業実施につきましては、これまた周辺住民の同意を得ることが重要であると考えますが、申請人等への指導と同意の範囲及び同意の意思決定の確認についてどのように行っておるのか、お伺いいたします。申請人が同意を得るために、これも多額の協力金を約束している等の情報がありますが、県当局はこのような状況をどのように考えておられるか。どうしても一部自治会の同意が得られない場合はどうするのか。
 今後につきまして、フォレストシティ計画の林地開発許可申請書が提出されてから既に一年以上経過をしておるわけでありますが、現在の審査状況と審査期間について回答されたいと思います。
 これもまた新聞、テレビ等で既に報道されているように、大阪地方検察庁特捜部がフォレストシティ計画の申請人である和興開発に対して捜査を行っているが、林地開発許可に対する影響をどのように考えているのか、今後の方針をどうするのか、お答えを願いたいと思います。
 次に、このフォレストシティ計画が位置づけられている加太・紀泉地区は燦黒潮リゾート構想の中でどのような位置づけの地域であるのか、その位置づけを前提としてフォレストシティ計画はどのような機能を果たすことになっているのか、お伺いをいたします。
 次に、燦黒潮リゾート構想策定に当たって、フォレストシティ計画を本地区に事業として位置づけたいきさつについてお聞かせをいただきたいと思います。今回の件が燦黒潮リゾート構想推進に及ぼす影響はないのか。
 この問題の最後に、和歌山県の県金庫であり指定金融機関である紀陽銀行が新聞紙上にいろいろな問題を報ぜられておるのはご承知のとおりであります。これは県内の一番柱となる銀行でありまして、県のみならず、県内ほとんどの市町村の指定金融機関として公金を取り扱う。したがって、私はこの紀陽銀行の監督指導は大蔵省にあるということは存じておりますけれども、この指定金融機関の質がどのようなものであるのかということに対して県は重大な関心を持っておらなければならないと思いますが、県としての対応、指導監督、こういうことについてお伺いを申し上げます。
 次に、和歌山下津港の港湾計画についてでございます。
 これは今まで長い間質問をしてまいりましたけれども、ここで平成七年度に次の港湾改定計画が打ち出されるという時期を控えまして、まず和歌山下津港の現在の港湾整備の進捗状況はどうなっておるのかということについてお伺いをいたします。また、その中で特に、臨港道路として二十一世紀の和歌山下津港の浮沈をかける、紀の川河口大橋、北島橋のたもとから国道二十六号線へ通じる紀の川右岸線の進捗状況はどうであるのか。
 次に、平成七年予定の和歌山下津港の港湾計画の問題でありますが、この計画作成の進捗状況は現在どういうふうになっておるのか、また、港湾計画改定のターゲットと申しますか、この改定のねらい──和歌山下津港をどんな特色のある港湾にしていこうとしておるのかということについてお伺いをいたします。
 次に、物流の拠点としてのみならず、マリーナシティでもそうでありますが、レジャーその他都市問題を解決する上で港湾は大変重要な役割を果たしてくるようになっております。平成七年を目標に住友金属の西防埋立地で行われている産業廃棄物の埋立地において、既に廃棄することができなくなるということが決定をいたしております。それから後、フェニックス計画に乗るといたしましても、我が県で出た産業廃棄物は我が県で処理していくという基本的な考え方にのっとりまして、陸上部分での埋立地建設への努力もさることながら、現実にはなかなか難しく、港湾計画改定の中での廃棄物処分場の取り扱いを考えていかざるを得ないと思うわけでありますが、今回の方針の中にそれは入っているのかどうか、お伺いをいたします。
 最後に、未解決部分の重要事件の捜査についてお伺いいたします。
 タクシーに乗りますと、必ずと言っていいほど最近までは、阪和銀行副頭取の射殺事件が話題になって話しかけてこられました。また、町においてもこの問題が話題の中心になっておるのは、皆様方もご存じのとおりであります。
 さらに、近年の重要未解決事件といたしましては、例えば和歌山市園部における女子高校生の殺人事件、湯浅信用金庫本店長の強盗殺人事件というのがあるわけでありまして、口の悪い運転手なんか「人を殺しても和歌山県に逃げ込めば助かるのと違うか」というようなことを言う人がございます。これは一つのやゆと申しますか、そういった気持ちもあることでございましょう。警察としては一生懸命にご努力をいただいており、他に解決をしておる重要問題もたくさんあることは知っておりますけれども、県民の財産と生命を守ることこそ警察の第一の仕事であるということを考えてまいりますと、こういった未解決の重要事件がそのままにされておるということは、和歌山県警察に対する県民の不信感を高まらすことになっていくと考えるわけでありまして、大変嘆かわしいことであろうと思うのであります。
 そこで、和歌山県警察としては、これら重要未解決事件の捜査について特にどのような決意で当たっておるのか、現状はどうであるのか。捜査上の秘密も多いと思いますけれども、現況と将来の展望についてお聞かせをいただきたいと思います。
 以上で、第一回目の質問を終わらせていただきます。
○議長(宗 正彦君) ただいまの尾崎吉弘君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
  〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 尾崎吉弘議員にお答え申し上げます。
 補正予算のねらいと国の補正予算への対応の問題でございます。
 お話ございましたように、バブル経済が崩壊いたしまして、景気情勢は一時いい兆候を見せたと思っていたわけでございますけれども、その後の円高や長雨等により再び先行きが不透明な状況になっておるわけでございます。
 県としては、昨年九月に議会の同意を得て予算を編成し、その後タイミングをとらえてその都度景気対策を進めてまいったのでございますけれども、以上のような現状を踏まえまして、今回の補正予算においては大型の景気対策予算を編成したところでございます。
 規模については、単独投資事業が昨年の九月を上回るなど、全体として過去最大であった昨年の九月対策と比べて遜色のないものとなってございますし、また内容的に見ても、景気へのインパクトが大きく、かつ県民生活の利便性につながる道路事業等、また中小企業金融対策の融資枠拡大、災害関連等にめり張りのきいた予算を編成させていただいた次第でございまして、今回の補正予算が当初予算並びに本年度の六月補正予算の効果と相まって景気への好影響をもたらすものと考えているところでございます。
 次に、先日制定された国の緊急経済対策に伴う補正予算についての対応でございますけれども、私としては、景気の早期回復のためには何よりもまず今般の補正予算の速やかな執行が最も肝要ではないかと考えてございまして、今後の新たな措置につきましては、国の補正予算編成等、国の状況を十分に見守りながら適切な対応を図ってまいりたいと考えております。
 次に、首長とゼネコン汚職、入札制度についての問題でございまして、知事の政治姿勢でございます。
 お話のように、このところ自治体首長の関与する贈収賄事件が相次いでいることは、まことに遺憾に思っております。現在、公共事業の大部分は地方自治体を通じて執行されており、地方自治体の果たす役割というものは非常に増大している現状でございます。特に最近、地方分権の確立が叫ばれてございますけれども、国民の地方自治体への期待は大きく、行政の責任の重さを自覚するとともに、県民の疑惑を招くようなことは一片たりともあってはならないと考えております。本県においては、公共事業の執行について疑惑を招くようなことはいささかもございません。
 また、現行の指名競争入札制度は、県内建設業者の技術力の向上、地域間のバランスのとれた工事発注の面で有効な制度でもあります。しかし、競争性、透明性などの改善されるべき点も指摘されてございますので、現在、入札制度検討委員会において制限つき一般競争入札の試行を検討させているところでございます。
 詳細については土木部長から答弁させます。
 次に、フォレストシティ開発計画でございます。
 このたび大阪地方検察庁より和興開発株式会社等に対し国土利用計画法違反容疑で捜索されたことにつきましては、国土利用計画法を運用する立場から、まことに遺憾でございます。県としては、今後の捜査の進展を見守ってまいりたいと思います。
 次に、十月四日付の新聞に「許可をおろすのは非常に困難」と報道されたことについての知事の見解はどうかということでございます。
 フォレストシティ計画は、燦黒潮リゾート構想の一環でございます。現在捜査中でございますので、捜査を見守りながら、知事としては関係部局の審査の結果を聞いて慎重に対処してまいりたいと考えております。
 それから、一部新聞に県の中堅職員に現金が配られたとうわさされているという報道につきましては、そういう事実はないと確信しておる次第でございます。
 他の問題は関係部長から答弁いたします。
○議長(宗 正彦君) 出納長梅田善彦君。
  〔梅田善彦君、登壇〕
○出納長(梅田善彦君) フォレストシティ開発計画との関連で、指定金融機関についてのご質問にお答えを申し上げます。
 指定金融機関は、県公金の収納または支払いの事務を取り扱わせるため、地方自治法第二百三十五条に基づいて議会の議決を経て指定するものであり、本県においては、地方自治法の改正に伴い、昭和三十九年三月三十一日に紀陽銀行を指定金融機関として指定し、公金の取り扱いを行わせております。その間、年々増大し複雑化していく業務に的確に対応し、指定金融機関としてその責任と機能を果たしているものと考えております。
 議員ご指摘のとおり、銀行の指導、監督については大蔵省の所管でございますが、県としては、指定金融機関に指定しているという関係上、地方自治法施行令第百六十八条の四の規定に基づき、公金の収納と支払い事務及び公金預金の状況につきまして定期的に検査を実施し、適正な処理の指導を行っているところであり、このたびの問題についても、紀陽銀行に対し、指定金融機関として県民の信頼保持に努めるよう申し入れたところでございます。
 以上です。
○議長(宗 正彦君) 総務部長木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○総務部長(木村良樹君) 九月補正予算に係る残余の問題について、私の方からご答弁申し上げます。
 まず、平成六年度予算編成に向けての展望についてのご質問でございますが、現在の厳しい我が国の景気情勢、税収動向から判断いたしますと、国の予算、地財計画とも平成六年度は相当の抑制基調が予想されるところでございます。一方、県税についても先行きは不透明でございまして、自主財源については相当厳しい状況が予想されるところでございます。
 しかしながら、ご案内のとおり、平成六年度は世界リゾート博、関西国際空港の開港を控え、本県にとっては画期的な年でございまして、これらを息の長い県勢活性化につなげるためには、厳しい財政状況の中でも各般の施策を一層充実していくことが肝要と考えております。
 このため、従来からの施策について原点に立ち返って改めて見直しを行う一方、真に必要な財政需要については有利な起債の活用を図る等、創意と工夫を凝らし、限りある財源の中、重点的、効率的配分を心がけた予算編成を行ってまいりたいと存じております。
 次に、県債の増発と県財政の健全性についてのご質問でございますが、県債の発行に当たっては、従来から公債費の増高に十分な注意を払うなど、長期的視点に立った財政の健全性の確保に努めてきたところでございます。
 今回の補正予算では一般会計で約八十三億円の県債の発行を予定しており、さきの六月補正における約七十二億円を合わると二度の補正で百五十五億円の県債を増発することになるわけでございまして、当分の間、公債費がある程度増高することは避けられないと見込まれるものの、六月補正分については基本的に一〇〇%交付税によって財源措置されることとなっており、また、今回補正分についても地域総合整備事業債など交付税措置を伴う有利な起債を有効に活用するなど、後年度における負担を極力軽減すべく工夫を凝らしているところでございます。
 また、累次の経済対策が景気浮揚につながれば将来の県財政に対する好影響も期待されるところであり、これらのことを総合的に勘案すると、今回の補正予算における県債の増発が直ちに将来の県財政の硬直化を招くといったことにはならないというふうに考えております。
 なお、財政運営の健全性をはかる物差しの一つである公債費比率を例にとりますと、本県の数値は八・五%と全国平均の九・七%を下回っている状況にございまして、今後ともこのような健全な状況を引き続き確保すべく努力してまいりたいと存じているところでございます。
 最後に平成五年度の県税収入の見通しでございますが、平成五年度当初予算額については、九百二十九億円の県税を計上しているところでございます。本年八月末の調定状況については、県民税利子割、法人二税等は当初見込みをやや上回っているものの、個人県民税、不動産取得税、特別地方消費税、自動車取得税等は当初見込みを下回っており、全体としては対前年同月比九六・三%で、当初見込んだ程度に推移してきているところでございます。
 今後の見通しでございますが、現下の経済情勢から判断し、県税の主要税目である法人二税等について厳しい状況が予測されるなど、税収確保は予断を許さない状況にあるため、予算計上額確保に向け、一層の努力をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 土木部長山田 功君。
  〔山田 功君、登壇〕
○土木部長(山田 功君) まず入札制度についてでございますが、現行の指名競争入札制度には透明性、競争性等の面において問題点が挙げられておるところでございます。そこで、去る六月三十日に入札・契約制度検討委員会を設置し、透明性、公平性を高める入札制度について検討をしてきております。九月二十四日の検討委員会において、制限つき一般競争入札を試行するため入札手続の細部について検討を続けておるところでございます。なお、十月一日付の自治省通達により早期に制限つき一般競争入札の試行を通知してきておるところであります。
 次に県の入札契約、特に談合の実態についてでございますが、平成二年に談合事件が起こったことがございましたが、それ以降では談合の事実は確認をされておりません。談合情報に接した場合には情報の適切な措置を講じることといたしており、さらに慎重に対応してまいります。談合の未然防止については、業界に対し従前から機会あるごとに指導しており、さらに徹底をしてまいります。
 次に、フォレストシティ開発計画に関連してお答えを申し上げます。
 まず、住民同意がそろっていない時点で許可申請を受け付けたことでございますが、本案件の開発申請については、和歌山市長からの進達を受け、都市計画法に基づく申請書及び諸資料が整っておりましたので、去る九月三日付で受け付けをいたしました。なお、周辺住民の同意については開発に伴うトラブルを未然に防止するために行政指導を行っているものでございますが、周辺住民の同意が得られていない部分については引き続き申請者に対して指導を行う方針といたしております。
 次に、行政指導として同意を得るように指導しているその趣旨と同意を得る範囲についてでございますが、行政指導の趣旨については開発事業の実施及び工事完了後において周辺住民とのトラブルの発生を未然に防止することがその目的であり、また同意を得るよう指導している範囲は開発区域に隣接する自治会でございます。
 次に、住民同意の取りつけに際して金品の授受があったという報道の件でございますが、住民の同意に際して不正な金品の授受があったとすれば好ましいことではございません。市の意見を聴する等により同意に影響していないかどうか、注意をしながら対処してまいりたいと思います。
 次に、自治会等の同意が得られていない地区の主な反対理由でございます。地区によって反対理由は異なりますが、地区住民からは主として農薬汚染の危険性、交通の問題、開発による浸水の危険性増大等の意見がございます。
 次に、自治会の同意がそろわない事態も想定されるけれども当局の対応はどうかということでございますが、自治会の同意がどうしても全体として得られないという場合には、許可に際して反対の内容や理由、あるいは申請者及び市の対処等を判断いたしまして、事業に起因するトラブル等のないことを確認する必要があるのではないかと考えております。
 それから、和歌山市長が推進の立場の中で県当局の開発許可の考え方ということでございますが、この計画は本県の燦黒潮リゾート構想あるいは和歌山市の紀泉山脈アメニティー構想の一環として計画が進められている事業であります。開発許可申請については、都市計画法に基づいて慎重に対処してまいります。
 次に、審査凍結というお話でございます。報道では審査凍結とされておりますが、県としては捜査の推移を見守りながら慎重に対処してまいりたいと思っております。
 それから、特捜部の強制捜査を受けたことについて、都市計画法に基づく審査はどうかということでございますが、都市計画法において開発者の資力及び信用に問題がないことが許可基準の一つとされております。これは、資金調達能力に不安があったり、あるいは過去に誠実に事業を遂行しなかった前歴がある場合などの事態を基準として判断をすることとなります。なお、現在、司法当局の捜査が進められている中、その進展を見きわめながら慎重に対処してまいりたいと存じます。
 次に、申請の差し戻しという問題でございますが、先ほど申し上げましたとおり、本案件の開発申請については都市計画法に基づく申請書及び諸資料が整っておりましたので、去る九月三日付で受け付けをいたしました。なお、都市計画法に基づき慎重に対応をしてまいりたいと存じます。
 次に、和歌山下津港計画でございます。
 まず、現在の和歌山下津港の整備状況でございます。平成七年を目標年次とする和歌山下津港の現港湾計画の主な地区ごとの進捗状況でございますが、和歌山マリーナシティの整備状況については、第一工区の埋め立てについて平成四年三月末に完了し、第二工区については平成六年三月末に完了する予定であります。毛見一号線、毛見二号線、緑地等については平成六年七月開催予定のリゾート博までに概成をする予定であります。
 本港地区の西浜埠頭の整備については、水深十二メートルの岸壁及び埠頭の整備を進めており、平成六年度供用を予定しております。それに続く水深十三メートル岸壁及び埠頭の整備については、埋立免許を出願中であり、早期に現地着工したいと考えております。また、木材港の水面貯木場の埋め立てについては、木材関係者と調整を重ね、基本的な合意が得られ、既に埋立免許を取得するため調査を開始しており、早期に事業着手を図りたいと考えております。
 本港雑賀崎地区の埋立事業については、平成二年度より着手し、一工区は平成六年三月末、二工区は平成八年三月末を完成予定としております。
 最後に本港地区港口の整備でありますが、直轄事業の南防波堤の延伸、水深十三メートル航路の確保等とあわせ、北防波堤、青岸埠頭などを整備すべく、今年度より調査をする予定でございます。
 紀の川右岸線については、みなと大橋との取りつけ方法の概略設計を行い、みなと大橋から国道二十六号までのルート選定のため、住環境への影響、農業活動への影響、事業の経済性、施工性等を観点とした比較検討を行っておるところであります。現在、さらに詳細な検討を行うべく航空測量等を行っており、その後、基本設計に入る予定であります。事業実施に当たっては用地取得等に相当な困難が予想されますが、和歌山下津港の機能を向上する上で重要な課題であると認識をしており、和歌山市、地元自治会等の積極的な協力を得ながら早期に事業着手ができるように取り組んでまいります。
 次に、和歌山下津港計画の改定作業の進捗状況でございますが、昭和六十年に策定された現在の和歌山下津港の港湾計画については、平成三年度より次期改定に向け作業に着手しているところであります。
 平成三年度には基礎資料の収集を行い、平成四年度には和歌山下津港の現状の問題点や課題を整理し、長期的な整備の方向を検討いたしました。平成五年度は将来の整備目標の設定や港内の基本的なゾーニングについて検討しております。また、環境に関する現況調査を国の補助を受けて行っております。六年度以降は、施設配置の計画等、具体的な検討を進めていくとともに、環境調査を引き続き行い、平成七年度に改定することを目標に作業を進めていく予定であります。
 改定の基本的な考え方でございますが、和歌山下津港の港湾計画の改定に当たっては、長期的な観点から和歌山下津港の目指すべき方向を見定める必要がございます。港湾の機能は物流、生活、産業に大別されますが、まず物流についてはテクノスーパーライナーの開発状況等も踏まえつつ、大阪湾のゲートウエーに位置するという条件を生かすとともに、ポートセールスにも積極的に取り組み、コンテナ埠頭の整備など、大阪湾諸港を補完する港湾としての機能の充実を図っていくことを考えております。また、生活については、和歌山港駅周辺地区の再開発などにより豊かな生活空間を形成し、市民に快適で親しめる空間を提供していくこと、産業については、基幹産業の構造転換に対応し、背後地域の活性化に寄与する空間を形成していくことを考えております。
 次に、港湾計画における廃棄処分場の問題でございます。港湾に対しては多様な要請が寄せられておりますが、最近では都市の背後の都市活動を支援するための港湾の役割が大変重要になってきております。
 ご指摘の廃棄物の処分という問題についても、都市活動を行う上で不可欠なものであり、紀北地域においては内陸部では大規模な処分場の確保が難しいと聞いておりますので、今回の港湾計画の改定においても重要な課題の一つであると考えております。
 廃棄物処分場を港湾計画に位置づけるためには、処理対象地域や処理する廃棄物の種類及び量、受け入れ期間等を十分に整理しておく必要があり、関係部局とも十分調整をしながら検討してまいりたいと考えております。
○議長(宗 正彦君) 企画部長佐武廸生君。
  〔佐武廸生君、登壇〕
○企画部長(佐武廸生君) フォレストシティ開発計画についての国土法に関連するご質問にお答えいたします。
 まず無届け土地取引についてでございますが、国土利用計画法に基づき、一定面積以上の土地取引を行う場合にはあらかじめ知事にその届け出をすることとなってございます。
 議員ご質問の土地売買の届け出の件については、国土利用計画法上、また捜査が入ったところでございますので、個々の内容についての答弁を差し控えさせていただきたいと存じます。今後、捜査の成り行きを見守りながら、その状況の実態把握に努めてまいりたいと存じます。
 次に、追加金のご質問でございますが、事実確定ができていない段階でもあり、またそのような事実があったとしても、当事者間で土地代金として合意がなされたものであるかどうか等の判断は極めて難しい問題であると考えてございます。また、山林の取引に係る届け出については、土地とあわせて立ち木も取引される場合には、それぞれの土地、立ち木の予定対価を届け出なければならないこととなってございます。
 次に、前企画部長の土地売買についてでございますが、前企画部長が強制捜査を受けたことについては、まことに残念でございます。当人からは土地売買等届け出書が提出され、その届け出書を適正に審査し、不勧告通知書を交付してございます。
 次に、無届け取引に関する調査についてでございますが、国土利用計画法上の土地取引届け出制はその法体系として届け出・勧告制をとっており、具体的には土地取引に先立ってその価格等を届け出、これを審査し、指導・勧告を行うこととなってございます。ご質問の無届け取引調査については、国土利用計画法上の定めがございませんが、同法を遵守していただくため、国土庁課長通達により事務処理として市町村の協力をいただいているところでございます。
 次に、土地売買届け出後の事後処理についてでございますが、県は国土利用計画法に基づく土地売買届け出について、不勧告通知書を当事者に交付する際、当該土地取引のその後の状況を把握するため契約状況報告書の提出の協力をお願いしているところでございます。しかしながら、契約状況報告書の提出については国土利用計画法上に義務づけられていないため、その実効性は必ずしも十分とは言いがたい状況でございます。
 なお、個々の案件については、国土利用計画法上、また捜査の入った段階でございますので、答弁は差し控えさせていただきます。
 次に、地価調査の選定がえについてでございますが、基準地の選定がえは国土利用計画法地価調査事業要領に基づき、中庸性、確定性、代表性、安定性の四原則に照らして行うこととされてございます。県内の林地の基準地数は二十七地点でございまして、和歌山市内では従来より一カ所のみとなってございます。
 地価調査の開始された昭和四十九年以来、和歌山市の林地については今回まで、さきに述べた原則に欠けるものとして都合三回の選定がえを行ってございます。従来の基準地の周辺地域については、紀の川沿いに位置し、山林の価格はもともと近隣の泉南地方に比べて割安感があり、また多数のプロジェクトが重なった時期でもございまして、バブル経済下のもと、泉南地方等の地価の影響を受け、一平方メートル当たりの価格は平成元年から平成二年にかけてほぼ二倍前後になるなど、急激な地価水準の変化がございました。
 こうしたことから、平成二年の地価調査に当たっては、県内不動産鑑定士で構成する県地価調査鑑定評価員会議で種々検討され、当該林地の基準地については基準地選定の四原則の一つである代表性に欠けるものとして選定がえの結論が出され、その後、学識経験者、不動産鑑定士等で構成する県地価調査委員会において和歌山市園部字鳴滝山から和歌山市栄谷字高塚へ選定がえを決定したものでございます。
 いずれにしても、国土利用計画法に基づく土地取引届け出業務及び地価調査事業については、同法に基づき適正な執行に努めてまいったところでございますが、今後ともなお一層努力をいたしてまいりたいと存じます。
 次に、燦黒潮リゾート構想に関するご質問にお答えをいたします。
 まず、加太・紀泉地域の位置づけ及びフォレストシティ計画の機能についてでございますが、燦黒潮リゾート構想は和歌山市から新宮市に至る海岸域を対象に海洋性リゾート地の形成を目指したもので、それぞれの地域特性を生かした整備を図るため、七つの重点整備地区で構成してございます。
 議員ご質問の加太・紀泉地区は、最北部に位置しており、関西国際空港の至近距離にあるという優位性並びに都市近郊という地理的条件を生かして、国際交流型のリゾート空間の創出を整備の目標としてございます。この中にあって、フォレストシティ計画については、質の高い滞在機能やスポーツ、文化、交流機能等、多様な機能を担う計画として位置づけられてございます。
 次に、燦黒潮リゾート構想に位置づけた経緯についてでございます。
 フォレストシティ計画を燦黒潮リゾート構想へ位置づけた経緯については、和歌山市から新宮市に至る海岸域を対象として総合保養地域整備法──いわゆるリゾート法でございますが──の承認を得るため、まず昭和六十三年四月に県下全市町村に対して法の趣旨や手続並びに県の取り組みについて説明会を開催し、六月には対象地域二十一市町に対してリゾート開発の適地及びプロジェクトの推薦を依頼してございます。
 フォレストシティ計画については、これに基づき、同年七月に和歌山市から県に対して公文で加太地区のコスモパーク加太計画、友ケ島計画及び和歌浦湾地区のマリーナシティ計画とともに提出されたものでございます。その後、検討を重ねるとともに、六省庁にまたがる国の機関との綿密な協議を行う中で変更や見直しを重ねつつ、構想原案を作成いたしました。平成元年四月に該当市並びに町に対しプロジェクトの確認をした後、基礎調査書を作成し、翌五月に国に提出したものでございます。
 また、関係する諸団体の代表者で構成する燦黒潮リゾート構想推進連絡協議会に対し、平成二年二月に構想原案を説明し、該当市並びに町との協議を経た後、異議なき旨の同意書を添付して平成二年八月二十九日に主務大臣あてに構想の承認を申請し、同年十二月十九日、燦黒潮リゾート構想として承認を受けたものでございます。
 次に影響についてでございますが、リゾート法に基づく燦黒潮リゾート構想は、民間活力の導入を柱として策定されているところから、社会経済情勢の変化により影響を受けやすいという側面も見られます。しかしながら、ゆとりと潤いのある生活への国民的な欲求が高まってきており、リゾートへの需要も長期的には大きくなるものと理解してございます。また、リゾート整備は本県が有する資源を活用した地域振興策の一つであるとの認識のもとに、長期的な視点に立って着実に推進すべきものであると考えてございます。
 議員ご質問のフォレストシティ計画については、本計画が実現に至らない場合には、その施設規模等から見て燦黒潮リゾート構想の推進に対する影響は避けられないと考えているところでございますが、現在、司直の捜査が行われているところであり、当面、事態の成り行きを見守ってまいりたいと存じます。
 しかしながら、いずれにしても加太・紀泉地区はリゾート整備に極めて高いポテンシャルを有する地域でございますので、関西国際空港のインパクトを最大限に活用した国際交流型リゾート空間の形成に向けて努力していかなければならないものと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) この際、申し上げます。
 当局の答弁は、要を得て簡単明瞭に行うよう留意願います。
 農林水産部長野見典展君。
  〔野見典展君、登壇〕
○農林水産部長(野見典展君) フォレストシティ計画についてのうち森林法関係についてでございますが、まず森林法改正前の基準の適用を受けたのかというお尋ねでございます。
 改正基準の適用に係る経過措置として、通達施行日以前に具体的な事業計画が立てられ通達施行日以降二年以内に申請手続を行うものについては従前の例により取り扱うものとされており、フォレストシティ計画はその適用を受けてございます。
 次に、申請に必要な条件は満たしていたのかというご質問でございます。
 林地開発行為の許可申請に必要な書類については、森林法第八条の二に規定されてございまして、その内容は、一つとして申請書、二つとして開発行為に係る森林の位置図、三つとして区域図、四つとして開発行為に関する計画書、五つとして開発行為に係る森林について当該開発行為の施行の妨げとなる権利を有する者の相当数の同意を得ていることを証する書類、六つとして許可を受けようとする者の当該法人登記簿謄本となってございます。本件フォレストシティ計画については以上の書類が整っておりましたので、海草県事務所で受理してございます。
 次に、林地開発許可制度の審査基準についてでございます。
 林地開発許可制度は、森林を対象とする開発行為に対して森林の土地の適正な利用を確保するため、災害のおそれがないか、水の確保に著しい支障がないか、環境を著しく悪化させないか、水害のおそれがないか、これら四つの要件の審査に加えて、地域住民の同意、水利組合・漁業組合の同意、隣地土地所有者の同意等についても検討することといたしてございます。
 次に、同意の範囲、同意の意思決定の確認についてでございます。
 森林法には周辺住民の同意について義務づけられてはいませんが、地元との調整を図ることは大切であると考えてございます。このため、関係区域内に加え、関係団体等の同意を得るよう指導してございます。また、住民同意の意思決定に当たっては自治会ごとの方法により決定するのが妥当であると考えてございます。なお、自治会の同意範囲については、地域の実情を最も把握している地元市長の意見を聞きながら総合的に判断することといたしてございます。
 次に、協力金で同意を取得しているという情報があるが、県当局の考えはどうかということでございます。
 申請人と地域住民との関係については、基本的には当事者間のことであると考えてございます。なお、地域住民の理解が得られているかどうかという審査をすることといたしておりますので、念のため申し上げます。
 次に、一部自治会の同意が得られない場合はどうするのかということでございますが、申請人並びに関係市長に対し、関係自治会等と十分協議し理解を得るよう指導しておりますが、協議の結果なおも理解が得られない場合は、その理由と経過を明確にさせた後、その内容を許可基準に照らし慎重に判断することといたしてございます。
 次に、現在の審査状況と審査期間についてでございますが、審査状況としては、昨年六月に海草県事務所に申請書が提出され、申請に必要な関係書類が整っていたので受理し、許可基準に照らして詳細に審査しており、これらの審査に必要な地質調査、地元説明会の経過等の資料の提出を求めている状況でございます。
 次に審査期間についてでございますが、林地開発制度の審査期間は個別事案に即し総合的な見地から判断することが妥当であり、審査期間を定めることは困難であると考えてございます。
 最後に、大阪地検特捜部の捜査の影響についてはどうかということでございますが、現在、捜査段階でありますので、今後の捜査の経過を注視しながら、森林法に基づき対処してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 警察本部長西川徹矢君。
  〔西川徹矢君、登壇〕
○警察本部長(西川徹矢君) 尾崎議員の質問にお答えします。
 昭和六十年以降のいわゆる殺人等の重要犯罪というのが九百八件ございますが、このうち捜査本部事件を設置したのは十二件ございます。現在そのうち八件を検挙し、四件が残っております。
 事件の進展等ということでございますが、うち一つは昭和六十三年六月に発生した、先ほど出ました和歌山市園部の新聞配達中の女子高生が殺されたという事件でございます。これは現在も二十五名の捜査員を専従させており、継続捜査中でございます。
 二つ目は、平成元年七月に発生した湯浅信用金庫本店長が自宅で殺害された事件でございます。これも現在、湯浅警察署に捜査本部を設置して、四十名の体制で引き続き捜査中でございます。
 三つ目の事件でございますが、これは平成三年九月に発生した和歌山市内黒田のマンションでタイ国人女性が殺害された事件でございます。これは既に被害者の知人で元スナックを経営していた三十歳のタイ人女性が犯人と断定いたしまして、全国に指名手配中でございます。
 四つ目が、本年八月に発生した、阪和銀行の副頭取がけん銃で射殺されるという事件でございます。この事件も、即日、和歌山西警察署に刑事部長を本部長として、百三十名の体制で現在もなお捜査中でございます。
 この種事件は、皆さんご案内のとおり、社会情勢などの進展等に伴い、現在、国民意識の変化あるいは地域の連帯意識の希薄化等、捜査を取り巻く環境は大変厳しい状況になっておりまして、いろんな意味で捜査そのものが大変困難化ないしは長期化するという大きな要因になってきております。
 しかしながら、私としては、こういう重要事件が未解決であるということは県民の平穏な生活に大きな不安を与えることにもなりかねないところでございまして、これらの重要事件の解決のいかんが治安の根幹にかかわるという重大な問題であると認識しております。
 今後も、県民の皆様方の一層のご協力を得ながら、県警察の総力を挙げて一日も早い事件検挙に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(宗 正彦君) 以上で、尾崎吉弘君の質問が終了いたしました。

このページの先頭へ