平成5年9月 和歌山県議会定例会会議録 第1号(全文)


県議会の活動

議 事 日 程 第一号 平成五年九月二十八日(火曜日)
  午前十時開会・開議
  第一 議席の変更
  第二 会議録署名議員の指名
  第三 会期決定の件
  第四 補欠選挙当選議員に係る議席の指定
  第五 補欠選挙当選議員に係る常任委員及び特別委員選任の件
  第六 議会運営委員選任の件
  第七 議案第百十二号から議案第百三十四号まで、及び報第七号(知事説明)
会議に付した事件
 一 議席の変更
 二 会議録署名議員の指名
 三 会期決定の件
 四 補欠選挙当選議員に係る議席の指定
 五 補欠選挙当選議員に係る常任委員及び特別委員選任の件
 六 議会運営委員選任の件
 七 議案第百十二号から議案第百三十四号まで、及び報第七号(知事説明)
 八 休会決定の件
出 席 議 員(四十五人)
 1  番  小  川 武
 2  番  吉  井  和  視
 3  番  井  出  益  弘
 4  番  和  田  正  一
 5  番  町  田 亘
 6  番  尾  崎  吉  弘
 7  番  岡  本 保
 8  番  藁  科  義  清
 9  番  向  井 嘉久藏  
 10  番  佐  田  頴  一
 11  番  阪  部  菊  雄
 12  番  堀  本  隆  男
 13  番  平  越  孝  哉
 14  番  富  田 豊
 15  番  門  三佐博  
 16  番  西  本  長  弘
 17  番  高  瀬  勝  助
 18  番  上  野  哲  弘
 19  番 宇治田  栄  蔵
 20  番  尾  崎  要  二
 21  番  中  村  利  男
 22  番  木  下  義  夫
 23  番  山  本 一
 24  番  馬  頭  哲  弥
 25  番  鶴  田  至  弘
 26  番  飯  田  敬  文
 27  番  村  岡 キミ子  
 28  番  松  本  貞  次
 29  番  下  川  俊  樹
 30  番  石  田  真  敏
 31  番  宗 正  彦
 32  番  橋  本 進
 33  番  浜  田  真  輔
 34  番  冨  安  民  浩
 35  番 上野山  親  主
 36  番  中  村  裕  一
 37  番  和  田  正  人
 38  番  大  江  康  弘
 39  番  中  西  雄  幸
 40  番  木  下  秀  男
 42  番  森 正  樹
 43  番 野見山   海
 44  番  新  田  和  弘
 46  番  森  本  明  雄
 47  番  浜  口  矩  一
欠 席 議 員(一人)
 45  番  浜  本 収
 〔備 考〕
 41  番  欠  員
説明のため出席した者
 知 事 仮  谷  志  良
 副知事 西  口 勇
 出納長 梅  田  善  彦
 知事公室長 中  西  伸  雄
 総務部長  木  村  良  樹
 企画部長  佐  武  廸  生
 民生部長  南  出  紀  男
 保健環境部長  江  口  弘  久
 商工労働部長  吉  井  清  純
 農林水産部長  野  見  典  展
 土木部長  山  田 功
 企業局長  高  瀬  芳  彦
  以下各部次長
 教育委員会委員長
 岩  崎  正  夫
 教育長 西  川 時千代  
  以下教育次長
 公安委員会委員長
 西  本  貫  一
 警察本部長 西  川  徹  矢
  以下各部長
 人事委員会委員長
 水  谷  舜  介
  人事委員会事務局長
 代表監査委員  天  谷  一  郎
  監査委員事務局長
 選挙管理委員会委員長
 鈴  木  俊  男
  選挙管理委員会書記長
  地方労働委員会事務局長
職務のため出席した事務局職員
 事務局長  梅  本  信  夫
 次  長  中  村 彰
 議事課長  中  西  俊  二
 議事課副課長  佐  竹  欣  司
 議事班長  松  谷  秋  男
 議事課主事 長  尾  照  雄
 議事課主事 松  本  浩  典
 総務課長  川  端  孝  治
 調査課長  岡  山  哲  夫
 (速記担当者)
 議事課主査 吉  川  欽  二
 議事課主査 鎌  田 繁
 議事課速記技師 中  尾  祐  一
 議事課速記技師 保  田  良  春
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  午前十一時三分開会・開議
○議長(宗 正彦君) ただいまから、平成五年九月定例会を開会いたします。
○議長(宗 正彦君) これより本日の会議を開きます。
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○議長(宗 正彦君) 日程第一、議席の変更の件を議題といたします。
 都合により、議席の一部を次のように変更いたしたいと思います。
 その議席番号及び氏名を職員に朗読させます。
  〔職員朗読〕
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 1 番 尾 崎 要 二 君 を 20 番 に
 2 番 中 村 裕 一 君 を 36 番 に
 3 番 下 川 俊 樹 君 を 29 番 に
 4 番 石 田 真 敏 君 を 30 番 に
 6 番 木 下 秀 男 君 を 40 番 に
 10 番 小 川 武 君 を 1 番 に
 11 番 上野山 親 主 君 を 35 番 に
 12 番 井 出 益 弘 君 を 3 番 に
 13 番 町 田 亘 君 を 5 番 に
 14 番 尾 崎 吉 弘 君 を 6 番 に
 18 番 冨 安 民 浩 君 を 34 番 に
 19 番 和 田 正 一 君 を 4 番 に
 20 番 阪 部 菊 雄 君 を 11 番 に
 21 番 平 越 孝 哉 君 を 13 番 に
 22 番 大 江 康 弘 君 を 38 番 に
 24 番 山 本 一 君 を 23 番 に
 25 番 吉 井 和 視 君 を 2 番 に
 26 番 浜 田 真 輔 君 を 33 番 に
 27 番 堀 本 隆 男 君 を 12 番 に
 28 番 宇治田 栄 蔵 君 を 19 番 に
 29 番 富 田 豊 君 を 14 番 に
 30 番 中 村 利 男 君 を 21 番 に
 31 番 馬 頭 哲 弥 君 を 24 番 に
 32 番 宗 正 彦 君 を 31 番 に
 33 番 鶴 田 至 弘 君 を 25 番 に
 34 番 上 野 哲 弘 君 を 18 番 に
 35 番 村 岡 キミ子 君 を 27 番 に
 36 番 松 本 貞 次 君 を 28 番 に
 37 番 木 下 義 夫 君 を 22 番 に
 38 番 和 田 正 人 君 を 37 番 に
 40 番 橋 本 進 君 を 32 番 に
 41 番 野見山 海 君 を 43 番 に
 43 番 浜 本 収 君 を 45 番 に
 45 番 浜 口 矩 一 君 を 47 番 に
 なお、41番は欠員となります。
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○議長(宗 正彦君) お諮りいたします。ただいま朗読したとおり議席を変更することにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(宗 正彦君) ご異議なしと認めます。よって、ただいま朗読したとおり議席を変更することに決定いたしました。
  ──────────────────
○議長(宗 正彦君) 次に日程第二、会議録署名議員の指名を行います。
 今期定例会の会議録署名議員は、1番小川武君、17番高瀬勝助君、33番浜田真輔君の三君を指名いたします。
  ──────────────────
○議長(宗 正彦君) 次に日程第三、会期決定の件を議題といたします。
 お諮りいたします。今期定例会の会期は、本日から十月十五日までの十八日間といたしたいと思います。これにご異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(宗 正彦君) ご異議なしと認めます。よって、今期定例会の会期は本日から十月十五日までの十八日間と決定いたしました。
○議長(宗 正彦君) 次に、報告いたします。
 八月八日執行された那賀郡選挙区における議員補欠選挙において飯田敬文君と佐田頴一君が当選されました。
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○議長(宗 正彦君) 日程第四、補欠選挙当選議員に係る議席の指定を行います。
 その議席番号を職員に朗読させます。
  〔職員朗読〕
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 佐 田 頴 一 君  10 番
 飯 田 敬 文 君  26 番
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○議長(宗 正彦君) ただいま朗読のとおり、それぞれ議席の指定をいたします。
○議長(宗 正彦君) この際、このたび那賀郡選挙区における議員補欠選挙において当選されました議員を順次ご紹介申し上げます。
 まず、10番佐田頴一君。
  〔佐田頴一君、登壇〕(拍手)
○佐田頴一君 ただいまご紹介いただきました、那賀郡から選出されました佐田頴一でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 過日、那賀郡の選挙区において補欠選挙が行われました。県民の皆さん初め先輩諸先生方の温かいご支援をいただきまして、大変な競争率でございましたけれども見事に当選させていただきましたことを、多くの皆さんに厚くお礼を申し上げたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。
 もとより浅学非才でございます。私も小さい町の行政を預かったことがございますけれども、県会という大きな場での仕事は初めてでございます。まだまだ一年生でございますので、一生懸命頑張っていきたいと考えております。どうぞ先生方にもよろしくご指導とご鞭撻をお願い申し上げたいと思います。
 まことに簡単でございますが、よろしくお願いを申し上げて、ごあいさつにかえさせていただきます。ありがとうございました。
○議長(宗 正彦君) 次に、26番飯田敬文君。
  〔飯田敬文君、登壇〕(拍手)
○飯田敬文君 ただいまご紹介を賜りました飯田敬文でございます。
 過日、八月八日の那賀郡の補欠選挙において、県民の皆様方、諸先生方の大変なご支援、ご激励をいただきまして、名誉ある本県議会に送っていただきましたこと、本当に光栄のきわみだと、深く感謝申し上げている次第でございます。
 浅学非才でございまして、見てのとおり若輩でございますけれども、県民の声を県政にと、一生懸命になって取り組んでまいりたいと決意をいたしておるところでございます。
 どうか皆さん方の温かいご指導を今後ともよろしくお願いを申し上げまして、ごあいさつにかえさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
  ──────────────────
○議長(宗 正彦君) 日程第五、補欠選挙当選議員に係る常任委員及び特別委員の選任の件を議題といたします。
 お諮りいたします。本件については、委員会条例第五条第一項の規定により、次のとおり指名いたしたいと思います。
 職員にその氏名を朗読させます。
  〔職員朗読〕
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 経 済 警 察 委 員 会 委 員
 飯 田 敬 文  君
 農 林 水 産 委 員 会 委 員
 佐 田 頴 一  君
  水資源対策特別委員会委員  
 佐 田 頴 一  君
 同じく
 飯 田 敬 文  君
  ───────────────────
○議長(宗 正彦君) ただいま朗読のとおり、それぞれ常任委員及び特別委員として指名することにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(宗 正彦君) ご異議なしと認めます。よって、ただいま指名いたしましたとおり、それぞれ常任委員及び特別委員に選任することに決定いたしました。
  ──────────────────
○議長(宗 正彦君) 次に日程第六、議会運営委員選任の件を議題といたします。
 お諮りいたします。本件については、委員会条例第五条第一項の規定により和田正人君を指名いたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(宗 正彦君) ご異議なしと認めます。よって、和田正人君を議会運営委員会委員に選任することに決定いたしました。
○議長(宗 正彦君) この際、諸般の報告をいたします。
 お手元に配付のとおり、知事から地方自治法第百八十条の規定による専決処分の報告、県公害防止条例第十条に基づく年次報告が、また監査委員から監査の結果報告及び現金出納検査の結果報告がありました。
 以上、報告いたします。
○議長(宗 正彦君) 次に、今期定例会に提出されました議案等は、お手元に配付のとおり、議案第百十二号から議案第百三十四号まで、並びに知事専決処分報告報第七号の計二十四件であります。
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  財第126号 
 平成5年9月28日
 和歌山県議会議長  宗 正 彦 殿
  和歌山県知事  仮 谷 志 良
 和歌山県議会平成5年9月定例会議案の提出について
 地方自治法第96条の規定に基づく議決事件について、次のとおり議案を提出します。
 議案第112号  平成5年度和歌山県一般会計補正予算
 議案第113号  平成5年度和歌山県農業改良資金特別会計補正予算
 議案第114号  平成5年度和歌山県林業改善資金特別会計補正予算
 議案第115号  平成5年度和歌山県中小企業近代化資金特別会計補正予算
 議案第116号  平成5年度和歌山県営港湾施設管理特別会計補正予算
 議案第117号  平成5年度和歌山県用地取得事業特別会計補正予算
 議案第118号  平成5年度和歌山県立五稜病院事業会計補正予算
 議案第119号  平成5年度和歌山県土地造成事業会計補正予算
 議案第120号  和歌山県離島振興対策実施地域における県税の特別措置に関する条例
 議案第121号  修学資金の返還に係る債務の免除に関する条例の一部を改正する条例
 議案第122号  和歌山県中山間ふるさと・水と土保全基金の設置、管理及び処分に関する条例
 議案第123号  和歌山県特別会計条例の一部を改正する条例
 議案第124号  和歌山県都市公園条例の一部を改正する条例
 議案第125号  和歌山県遊泳者等の事故防止に関する条例
 議案第126号  和歌山県使用料及び手数料条例の一部を改正する条例
 議案第127号  平成5年度建設事業施行に伴う市町村負担金について
 議案第128号  和歌山県土地開発公社の定款の一部変更について
 議案第129号  県道路線の廃止について
 議案第130号  県道路線の認定について
 議案第131号  財産の取得について
 議案第132号  工事請負契約の締結について
 議案第133号  工事請負変更契約の締結について
 議案第134号  平成4年度和歌山県公営企業決算の認定について
  ───────────────────
  財第126号 
 平成5年9月28日
 和歌山県議会議長  宗 正 彦 殿
  和歌山県知事  仮 谷 志 良
 知事専決処分について報告
 工事請負契約の締結について、早急に措置する必要が生じたが、臨時県議会を招集する暇がなかったので、やむを得ず地方自治法第179条第1項の規定により専決処分した。
 よって、同法同条第3項の規定により、報第7号をもってこれを報告し、その承認を求めます。
  ──────────────────
○議長(宗 正彦君) 日程第七、ただいま報告いたしました議案第百十二号から議案第百三十四号まで、並びに知事専決処分報告報第七号を一括して議題といたします。
 まず、知事から提案理由の説明を求めます。
 知事仮谷志良君。
  〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 平成五年度の補正予算案を初め諸議案についてご審議願うため九月定例会を招集いたしましたところ、議員各位には何かとお忙しい中をご参集いただき、厚く御礼申し上げます。
 初めに、去る七月の衆議院議員選挙とその後の政局において三十八年ぶりに政権交代が行われたわけですが、このことは我が国の政治における大きな変化であると感じているところであります。今後、政治改革を初め景気対策、国際問題、地方分権など多様な課題が山積している中で、政治が広く国民の期待にこたえていくことを望むものであります。
 こうした変化、変革の流れの中にあって、和歌山県でも時代の動きを的確にとらえ、世界リゾート博の開催、関西国際空港の開港などを通して、県民生活の向上や産業の活性化に資する「交流と創造の県政」を進めてまいらねばならないと考えているところであります。
 そこで、最近の県政の動きについてご報告申し上げる中で、こうした点について触れてみたいと思います。
 まず交流の面において、私は活力ある和歌山県を実現するための柱の一つとして国際化の推進に積極的に取り組んでまいりましたが、一九八四年の中国山東省との友好提携に続きまして、今回、新たにフランス共和国ピレネーオリアンタル県との友好提携に調印いたしました。ピレネーオリアンタル県と本県とは、和歌山マリーナシティの建設を通じて一九八九年に交流が始まり、本年一月、ルネ・マルケス知事が来県されるなど、相互にさまざまな交流を続けてまいりました。
 ピレネーオリアンタル県は、地中海沿岸に面し、フランスにおける文化とリゾートの先進県であります。関西国際空港の開港を目前に控え、新しい時代を迎えようとしている本県にとって、この友好提携は国際化のみならず、経済、文化等、広い分野において有意義なものと考えております。
 調印式は、九月十五日、ピレネーオリアンタル県のマジョルカ宮殿で行われ、私の代理として派遣いたしました西口副知事とマルケス知事が、宗県議会議長立ち会いのもと、日本国和歌山県とフランス共和国ピレネーオリアンタル県との友好提携協定書に調印いたしました。今後、両県は、次代を担う青年などの人的交流、互いの地域性を生かした経済や文化など各分野での交流を幅広く推進するとともに、来年開催する世界リゾート博にピレネーオリアンタル県の皆様にご参加いただき、さらに友好の輪を広げてまいりたいと思っております。
 次に創造の面では、先日九月二十五日に阪和自動車道の堺─岸和田和泉間十・一キロメートルが開通いたしました。これにより阪和自動車道の全線開通が実現し、さらに大阪府松原市から近畿自動車道を通って名神高速、中国自動車道と結ばれることとなり、このことは待望久しかった本県と国土軸が直結するという画期的な出来事であります。
 高速道路は県土振興のかなめであり、この開通により本県が京阪神経済圏と直結することとなり、県内の工業や農業、観光等、諸産業の活性化に大いに貢献するとともに、世界リゾート博の観客輸送のメーンルートとしても期待されます。今後は、近畿自動車道湯浅御坊道路の早期完成、さらに紀南への延伸に向け、新たな決意を持って臨んでまいりたいと思います。
 特に、去る八月六日、田辺市を中心とした田辺・御坊地域を地方拠点都市として指定したところでありますが、当該地域を地方定住の核となる魅力ある地域として一体的な整備を進める上で御坊市と田辺市を結ぶ高速道路は不可欠であり、早期の着工を関係方面に強く働きかけてまいりたいと存じます。
 それでは、今回の補正予算の概要についてご説明申し上げます。
 バブル経済崩壊後、低迷を続ける景気状況に対して、県においてはその都度タイミングをとらえ対策を講じてきたところであり、さきの六月補正予算においても国の経済対策に対応した公共事業の追加を主とする大型補正を行ったところであります。しかしながら、国や県の対策の浸透を待つ間、急激な円高や長雨、冷夏などの影響により、景気は回復に向けた動きに足踏みが見られるまま推移しているところであり、先般、国において追加の緊急経済対策が発表されたところであります。
 本九月補正予算は、以上のような経済の現状を踏まえ、六月補正予算と相まって景気対策をさらに確実なものにすることに重点を置き、単独投資と中小企業対策などに当面取り得る最大限の努力を払ったところであります。
 まず投資的事業でありますが、単独事業については、半島振興道路や地方特定に係る道路、河川、砂防について交付税措置のある起債を活用して大幅な増額を行ったほか、世界リゾート博に来られた方々を県内各地に誘導するためのルート整備や長雨による災害関連事業等について追加を行い、単独事業として昨年九月補正を上回る総額九十六億円余の過去最大の補正を行ったところであります。
 公共事業につきましては、事業箇所、事業費の獲得に鋭意努力した結果、災害関連事業や道路、河川、農業基盤等について増額を行い、国直轄事業を含めて五十八億円余の増額補正を行っております。また、公共用地の計画的取得の促進を図るため用地取得事業特別会計において三十九億円余の増額補正を行っており、主なものとして道路、河川用地を初め、有田警察署の建てかえ用地のほか、今回新たに和歌浦に県の公館用地を取得することといたしております。この県公館は、来賓応接、県政懇談、各種表彰、文化交流などの行事に供するとともに、世界リゾート博の開催時にも活用したいと考えており、建物の購入と整備費については別途措置いたしております。
 次に中小企業対策ですが、県内の経済状況にかんがみ、中小企業振興資金及び本年四月からスタートいたしました緊急経営資金特別融資の融資枠を拡大し、中小企業対策の充実を図ることとしております。
 農林水産業対策については、過疎化の進行する中山間地域の現状を踏まえ、ため池、用水路等の土地改良施設の公益的機能を保全する地域活動を支援するための中山間ふるさと・水と土保全基金を創設することとし、また水産関係では、沿岸漁業の振興を図るため、マダイ、アワビの種苗生産を行う北部地域栽培漁業センターを建設することといたしております。
 健康・福祉面では、県民にとって最も身近な初期救急医療体制の充実を図るため、御坊広域休日急患診療所の開設に助成することとし、また現在、社会問題となっているMRSAに代表される院内感染症の予防と拡大防止のためのマニュアルを作成することといたしております。
 福祉面では、児童福祉に関する事項を専門的に担当する主任児童委員を新たに設置するほか、在宅福祉の充実に不可欠な介護、福祉機器の普及を図るため福祉機器フェアを開催することとし、また同和地区実態把握等、調査を総務庁の委託により実施することといたしております。
 県民の暮らしの安全対策としては、最近、マリンスポーツ人口が急激に増加し、それに伴って事故も多発している現状にかんがみ、遊泳者等の事故防止に関する条例を制定することとし、施行に必要な経費を措置しております。
 次に教育についてでありますが、近年、高校進学率が九五%を超え、生徒が多様化している実態から、柔軟な教育、選択の幅の広い教育の必要性が指摘されております。こうしたことから、高等学校教育において、従来の普通科と職業科の垣根を取り除き、単位制により幅広い進路選択が可能な総合学科の設置が制度化されたのに伴い、本県において和歌山高校に平成六年度から総合学科を開設することとし、実習棟の建設に必要な経費を措置いたしております。
 以上が今回の補正予算案の主な内容でありますが、補正予算総額は一般会計で百七十一億二百余万円となり、財源として地方交付税、国庫支出金、県債等をもって充当することといたしております。この結果、今回の補正後の一般会計の総額は五千二百五十二億一千六百余万円となる次第であります。
 なお、特別会計の補正予算総額は四十一億五千四百余万円であります。
 続きまして、条例案件についてご説明申し上げます。
 議案第百二十号は、離島振興法の一部改正に伴い、離島振興対策実施地域における県税の特別措置に関する必要な事項を定めるものであり、議案第百二十一号は社会福祉士、介護福祉士の修学資金の返還免除に関する規定の整備であり、議案第百二十二号は和歌山県中山間ふるさと・水と土保全基金を新たに設置するため必要な事項を定めるものであります。議案第百二十三号は沿岸漁業改善資金特別会計に関する規定の整備であり、議案第百二十四号は河西緩衝緑地西松江緑地の体育館等を都市公園の有料施設として定めるものであります。議案第百二十五号は海域等において水上オートバイ等から遊泳者等の生命、身体等を保護するため新たに条例を定めるものであり、議案第百二十六号は県立医科大学及び同大学院の入学金、入学考査手数料の改定、上水道水試験手数料の改定、並びに河西緩衝緑地西松江緑地の有料公園施設の使用料を定めるものであります。
 次にその他案件といたしまして、議案第百二十七号は建設事業施行に伴う市町村負担金について議決をお願いするものであり、議案第百二十八号は公有地の拡大の推進に関する法律の一部改正に伴う土地開発公社の定款の一部変更であります。議案第百二十九号及び議案第百三十号は県道路線の廃止と認定をしようとするものであり、議案第百三十一号は財産の取得について、議案第百三十二号は工事請負契約の締結について、議案第百三十三号は工事請負変更契約の締結について、それぞれ議決をお願いするものであります。また議案第百三十四号は、平成四年度公営企業決算の認定をお願いするものであります。
 次に知事専決処分報告でありますが、報第七号は南紀新空港建設工事に係る工事請負契約の締結であり、急を要したため地方自治法第百七十九条第一項の規定により専決処分を行い、これを報告し、承認を求めるものであります。
 諸報第七号は、地方自治法第百八十条第一項の規定による委任専決処分報告であります。
 なお、県公害防止条例第十条に基づく年次報告を別途提出しております。
 以上で、提出議案等に対する私の説明を終わります。何とぞ、ご審議の上、ご賛同賜りますようお願い申し上げます。
○議長(宗 正彦君) 以上で、知事の説明が終わりました。
○議長(宗 正彦君) この際、事務局長から新任職員を紹介させます。
○事務局長(梅本信夫君) ご紹介申し上げます。
 九月十三日付発令
 警察本部防犯部長  森 光 央  君
  〔一礼〕(拍手)
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 次に、お諮りいたします。明二十九日から十月一日まで及び十月四日を議案調査のため休会といたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(宗 正彦君) ご異議なしと認めます。よって、九月二十九日から十月一日まで及び十月四日を休会とすることに決定いたしました。
○議長(宗 正彦君) 次会は十月五日再開し、質疑及び一般質問を日程といたします。
○議長(宗 正彦君) 本日は、これをもって散会いたします。
  午前十一時三十三分散会

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