平成5年6月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(井出益弘議員の質疑及び一般質問)
県議会の活動
平成五年七月七日(水曜日) 午後一時三分再開
○議長(馬頭哲弥君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○議長(馬頭哲弥君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
12番井出益弘君。
〔井出益弘君、登壇〕(拍手)
○井出益弘君 お許しをいただきましたので、通告順に従って一般質問を行わせていただきます。
まず一番に、医大関係について順次ご質問を申し上げます。
県立医科大学及び附属病院の統合移転は、移転候補地として、和歌山大学隣接地、加太の関西国際空港土取り場跡地、そして海南の三候補地の中でたび重なる検討を重ね、最終的には、いずれも決定的な場所としての要素に至らなかったとでも解釈をしたらよいのか、紀三井寺競馬場跡地に移転することが決定したわけであります。当時、国立移管は絶望的かとの報道も流れましたが、県当局の説明では、あと五、六万平方メートルを買収する予定で、その買収見込みもあり、国立移管についても断念をしたとは言えないとのことでありました。
しかし、用地買収は難航した上、暗礁に乗り上げ、断念に至ったようであります。その辺、県の担当された方々は大変なご苦労をされたことと思いますが、県立医科大学の国立移管運動は今でも続けて運動しているのでしょうか、それとも断念をしたのですか、現実的な明快な答弁をお願いします。
次に、この国立移管を期待できるのか、断念かは、県立医大及び附属病院の統合移転に対して重大な影響があると考えます。つまり、国立医大としての移管の望みがなくなったということは、大学の教授陣、スタッフ陣等の機能が国レベルで運営されるために医術レベルの向上等が期待されていたことや、県の一般財源より毎年五十億円以上の負担が、国立となってくれたら毎年のことでもあることを考えると県財政上ありがたいといった、そういう期待も断たれるわけであります。
ここで私が申し上げたいのは、国立移管を目指しての医大の統合移転計画と国立への移管が不可能になった時点とでは、同じ移転整備計画ではないはずだということを確認したいからであります。
この国立移管の努力目標も断念ということなら、国立移管を目指せなくなったことにより、今後、県財政は永久的に、和歌山県立医科大学及び附属病院に一般財源で毎年五十億円以上の負担を強いられることが確定し、さらに統合移転後は医大関係の財政負担が今の持ち出し額以上に激増し、県財政の圧迫にならないかという懸念であります。この点について、誠実な答弁を求めます。
もともと国立移管を本気で目指していたのだろうかとさえ感じるし、こんなはずではないと思うが、昔からのことを先輩や関係者から聞くと、ますます医大整備、統合移転の話は県としての考えがどうだったのか、いまだにわからない私であります。とにかく、国立移管断念の結果、関係当局はどのように計画を見直し変更をしたのか、お聞かせをいただきたい。
また、県立医科大学は、医学部入学試験の合格生徒中、県内合格者が少なくほとんどが県外の生徒だとか、医師国家試験合格率が公立医大の中で最も悪いのが和歌山県立医大だとか聞きますが、過去三年における医大への入学生及び卒業生の県内・県外の就労状況等についてお尋ねします。
三番目に、院内感染やMRSAの現状と今後の対策についてお聞きいたします。
MRSA(メチシリン・レジスタント・スタフィロコッカス・アウレウス)──メチシリン耐性黄色ブドウ球菌という訳らしいですが、最近、厚生省もMRSAと院内感染対策を大変重要視してきています。と言いますのは、MRSAはエイズ等と同様に原因解明や治療に困難をきわめる難病と聞いていますが、入院患者が入院の原因となった病気で死亡するのではなく、入院中に病院で他の病気に感染し、最後はMRSAに院内感染し、原因がよくわからないまま死亡しても院内感染の責任がだれも追及されないという、死亡していく人にとっても家族にとっても大変な問題であります。入院患者や病院に勤務する関係者が病院の中でこの病気に一度感染すると、抗生物質による治療の効力がなくなるため、免疫性や抵抗力がない体では大変恐ろしいものであると聞いていますが、ここでお尋ねします。
MRSA感染症について、和歌山県でもかなりの院内感染の実態を関係者より聞き及んでいますが、まずMRSAとはどのような症状のものなのか、また院内感染の実情について、県内の病院や各種施設における実態を県当局はいかに把握しているか、県としてどのように対応しているのか、また今後どう取り組んでいくのか、お聞かせをいただきたい。
また、県立医大病院でも院内にMRSA感染症の保菌者がかなり多くいるようですが、具体的に保菌者の実態、発病者の実態等について、件数を平成四年一月より十二月の一年間についてお聞かせいただきたい。そして、今後の対策についてもあわせてお聞かせを願います。
次に、元号と西暦の事務処理についてお尋ねします。
最近の行政改革においては、合理化とか改善とかの言葉とセットにでもなっているのが、コンピューターであります。以前より私も行政書士の仕事をしていますため、官公庁に提出する書類を代書することが多いのでありますが、市町村を初め官公庁の書式化された用紙には、「平成」「昭和」「大正」「明治」等の字の後に、二けた程度の何年と記入されるべくスペースがあるものがほとんどであります。二けたの升がないものについては、数字が二、三文字ほど記入可能なスペースがあけられています。しかし、西暦で記入できそうな書式にはなっていないのが実態です。
西暦で事務処理が可能なように元号と併用可能な書式にすることが、コンピューター対応の将来を先取りした事務処理の改善になると考えます。県当局の見解をお尋ねします。
三番目に、第二阪和と南海橋についてであります。
これは、私はもう当議場においても、また市議会のころからも何回も言って、「何回言ってもかからんから『何回橋』や」と言ったところが、「難解橋」じゃないかとお話しされたこともありますが、ひとつよろしくご答弁をお願いします。
一九九四年夏、関西国際空港の完成、そして日本の歴史に残る世界リゾート博覧会、これらを契機に、「陸の孤島和歌山」とかの汚名を返上すべく、和歌山が見直され、リゾート県和歌山として和歌山を訪れてくれる人々が増加の一途をたどってくれたらと祈る気持ちでありますが、やはり心配なことは道路事情の悪さであります。大阪への道路が、県都である和歌山市対応についてだけを見ても全く整備がおくれており、高速道路のインターが和歌山市内に一カ所しかなく、大変な混雑が予想されます。北インター設置についても、私も県会に来て八年の間言い続けてきましたが、なかなか具体化しませんでした。
第二阪和も新南海橋も、公共事業の第一歩である用地買収等を和歌山市に任せっきりの状態で、以前、県議会本会議において「新南海橋の完成目標を平成八年として和歌山市とともに県も頑張る」との心強い答弁をいただいたのですが、和歌山市は大変苦戦しているようであります。
和歌山県の県都・和歌山市にとって、市の中心部を紀の川によって南北に分断されているのを大動脈的に結ぶ役割を持ち、県経済、環境にも大きな影響を期待されている第二阪和国道としての新南海橋でもあります。新南海橋の現在の進捗状況はいかがなものでしょうか。
最後に、プレジャーボート等による水難事故の防止対策について。
警察本部長のご就任早々にこのようなご質問をさしていただくために非常に恐縮をしておるんですけれども、ひとつよろしくお願いします。
以前より定例県議会におきまして、リゾート県を目指している和歌山県として、プレジャーボートの係留場所対策、管理対策その他について、県や国としても将来を考え対応していく必要があると何回か申し上げました。そして、何カ所かのプレジャーボートの係留場所も県当局のご努力により建設され、また着々と完成しつつあります。そのご努力に感謝を申し上げます。
その後の報道によりますと、建設省も、係留場所として許可をしても河川管理上問題が発生しないような場所については、河川についてもプレジャーボートの係留場所の許可を考えていくと最近発表されましたので、その関係についてはしばらく様子を見て、当面は見守っていきたいと思っています。
さて、近年、全国的にマリンスポーツ等の海や川でのレクリエーションに参加する人口が急激に増加しており、特に水上バイク等プレジャーボートの普及とそれに伴う水難事故や迷惑行為、あるいはスキューバダイビングによる潜水中の事故が目立ってきているところであります。
本県においてもその例外ではなく、毎年夏場には片男波、加太、磯ノ浦、白良浜等の海水浴場では延べ百五十万人以上の遊泳者が訪れており、今後ますます増加するものと予想されます。また、水上バイクの県内登録も、昭和六十二年には三十七台であったものが平成三年には二百二十三台と約六倍に増加している上に、大阪等、近府県からも相当数の水上バイクが入ってきており、春過ぎから休日等には片男波・磯ノ浦海水浴場、あるいは紀の川河口から田井ノ瀬橋の間や岩出井堰上流等で急旋回をして走り回り、暴走を繰り返し楽しんでいるのが実情であります。多いときには、これらの海や川で合わせて百数十台にも上る現状であります。
水上バイク等プレジャーボートによる事故も、昭和六十三年から平成四年までの五年間で二十件発生しており、二人の死亡者と十二人の負傷者が出ているところであります。その事故内容を見ましても、水泳客との接触事故や無免許操縦で岩礁に乗り上げ負傷したというようなものが多く、海水浴場管理者や水泳客から危険だという苦情が出ていますし、最近の他府県での例ですが、漁業の網を破るといったこともありますし、他人の場所に勝手に係留するものも多く、漁業を営む者や釣り人にも迷惑を及ぼしているところであります。
その他の水難事故を見ましても、スキューバダイビングの事故は県内の海で過去五年間に十九件発生し、死者十七人、いまだに行方がわからない者一人に上っていますし、いそ釣りやアユ釣りに関係した水難事故も過去五年間で六十一件発生し、四十八人も亡くなり、ことしもアユの解禁があってすぐ、紀の川で一人と有田川で一人の二人が亡くなっているのであります。
また、四輪駆動車が紀の川の水深一メートル以上もあるところを横断したり水を散らして競って走るため、紀の川で釣りを楽しむ人やこれを管理する漁業組合からも、アユ漁にも影響があるので何とか対策を考えていただきたいとの声が県や建設省にも日増しに大きくなっているようであります。きょうも、傍聴にお見えになってくださっている漁業組合の方がたくさんおられると思います。
こうした状況に加えて現在建設中のマリーナシティが完成すれば、世界リゾート博開催中はもとより、今後さらにその周辺における水上バイク等のプレジャーボート利用者が増加し、それに伴う水難事故の多発が大いに心配されるところであります。マリンレジャー立県を目指す和歌山県にとって、リゾート博開催までにこうした水難事故を防止するための思い切った対策を進めることが県民の安全を守る上で極めて重要なことであり、今まさにその時期に来ていると思うのであります。そこで、現状の把握と今後の対策等についてお尋ねをいたします。
まず、水上バイク等、プレジャーボートのこうした危険行為や迷惑行為について、水難事故の防止等を図るためにこれまでどのような対応をしてきたのか。
次に、五月二十七日付「和歌山新報」によると水上バイク規制等の条例化を進めていると報道されているが、どのような内容のものか、今後の対策をどのように考えているのか、以上について概要をお聞かせいただきたいと思います。
きょうは、県立医大の学長さんもわざわざお越しいただいておりますので、大変難しい質問というか、答えにくい質問かと思いますけれども、ひとつよろしく明快な答弁をお願いしたいと思います。
○議長(馬頭哲弥君) ただいまの井出益弘君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事仮谷志良君。
〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 井出議員にお答え申し上げます。
県立医科大学の国立移管の目標でございます。
県立医科大学の移転整備につきましては、昭和六十三年十二月に紀三井寺の競馬場跡地を移転整備用地として決定させていただいて以来、県民の保健医療の中核施設として、さらには将来の医学・医療の進展に対応できる大学として整備を図るために、現在、基本計画、基本設計等の段階を経て、来年度から本格的な建設に着手することにしておるわけでございます。
ご質問の国立移管問題については、文部省も国の財政が極めて厳しい中で「国立への移管は考えられない」との立場をとっておるわけでございまして、現状では推進することが困難であるとの認識のもとに、現医科大学の老朽化等の現状も踏まえ、県民の早期移転への強い要請からも、一日も早い完了を目指しておるわけでございますので、ご理解いただきたいと思います。
他の問題は部長から答弁いたします。
○議長(馬頭哲弥君) 総務部長木村良樹君。
〔木村良樹君、登壇〕
○総務部長(木村良樹君) 県立医科大学に関する質問にお答え申し上げます。
県立医科大学の移転整備に要する経費は、基本設計を終えた段階では八百億円にも上る見込みであり、また移転後の運営経費についても、施設規模の増大等に伴い増高することも考えられるため、今後、県財政の長期的な視野に立って、合理化等を図りながら適切な医大の運営に努めてまいりたいと考えております。
また、ただいま知事の答弁にもありましたように、国立移管が現状では極めて厳しい状況にございますが、移管が可能かどうかということは別として、県立医科大学の施設等については、県民のための教育・研究・診療機関として、その使命と期待される役割に十分対応できるものでなければならないと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
次に、入学者の県内外の出身者及び卒業者の県内外への就職状況でございますが、過去三カ年を平均すると入学者の約七五%が県外者で占められております。しかしながら、就職状況で申しますと卒業生の約六八%が医大を含めた県内の医療機関に就職し、県内の地域医療に貢献しているところでございます。
今後とも、医療技術の高い医師を養成することはもちろん、卒業生の進路指導等については、できるだけ多く県内に定着する方向で努力していきたいと考えている次第でございます。
次に、元号欄の扱いについてのご質問でございますが、元号は法律により公式の年の表示方法とされているものでございまして、国等の公的機関が元号を使用することは元号法が予定しているところであるとするのが政府の見解であるというふうに聞いております。
したがって、国においては原則として元号が使用されているところでございますが、県においても政府のこの見解を尊重し、県の機関が作成する文書については原則として元号を使用してきたところでございます。
もとより、これは県民の皆様方に元号の使用を強制するものではなく、西暦で記入された申請書等も受理されるものであることは言うまでもございません。
なお、今後の元号の取り扱いでございますが、ただいまのところは先ほど申し上げた政府の見解を尊重して対応しているところでございますので、よろしくお願いを申し上げます。
○議長(馬頭哲弥君) 保健環境部長江口弘久君。
〔江口弘久君、登壇〕
○保健環境部長(江口弘久君) 井出議員ご質問の院内感染やMRSAに関するご質問にお答えいたします。
MRSA患者の症状についてでございますが、黄色ブドウ球菌は自然界に広く生息する菌であり、このうち抗生物質の多用により出現したのがメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)であります。
MRSAに感染しただけでは何の症状もないことが多いわけですが、保菌者の免疫力が著しく低下したとき等にMRSA感染症が発症する可能性が高くなります。臨床像は、感染部位によりさまざまですが、皮膚炎、肺炎、敗血症等を引き起こします。
次に院内感染の実情についてでありますが、新聞等により社会問題化して以降、電話等による照会もふえ、本県としても深刻な問題として受けとめております。ただ、常に自然界に生息する菌であることから、予防対策と万一感染が判明したときの適切な対応を中心として指導を行ってきたところであり、国においてもこの実態把握については専門家の間にさまざまな意見があると聞き及んでおりますが、平成四年七月に全国の病床数三百床以上の医療機関の抗生物質製剤の感受性状況調査結果によると、一、検体総数のうちMRSAが検出された割合は約一二%、二、黄色ブドウ球菌中に占めるMRSAの割合は約六二%であり、地域的な偏りはほとんど見られていないと報告されています。今後、これらの状況を参考に検討していきたいと考えております。
県としての対応ですが、医療従事者の教育や手洗いの徹底が肝要なことから、特に病院においては感染対策委員会を設置し、院内感染に対するマニュアルの作成、従事者に対する周知徹底及び感染者が判明した場合の対応策を協議するよう重点的に指導してきたところであります。
今後の取り組みですが、さらに院内感染防止に関する教育、研修の充実、手を消毒するための設備設置、関係者に対する施設内感染対策の指導の徹底を図るとともに、国及び関係団体が実施する講習会への参加、研修会用資料の作成及び配付など、予防対策を講じてまいる予定でございます。
以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 土木部長山田 功君。
〔山田 功君、登壇〕
○土木部長(山田 功君) 第二阪和と南海橋についてお答えをいたします。
第二阪和国道の和歌山北バイパスについては、現在、近畿地建と和歌山市が地元と協議を重ねながら用地買収を促進しております。昨年は議会の皆様のご協力により補正予算もいただき、平成四年度末現在、約二〇%の進捗となっております。さらに用地買収を促進するため、国に対し予算の増額を引き続き要望をしているところでございます。
うち、仮称・新南海橋については、本年度は予備設計を行う予定と聞いておりますが、前後取りつけ区間についてJRとの協議、あるいは右岸側の地元調整等の懸案事項も残されておりますが、今後、和歌山市とともに懸案事項の解決に努力をするとともに、国に対して工事の進捗を働きかけてまいりたいと存じます。
○議長(馬頭哲弥君) 警察本部長西川徹矢君。
〔西川徹矢君、登壇〕
○警察本部長(西川徹矢君) ご質問の、水上バイクなどプレジャーボート等による水難事故等の防止対策についてでございます。
まず、プレジャーボートによる危険、迷惑行為等への対応については、現在、迷惑防止条例がございます。しかし、この条例では、海水浴場等、人が遊泳しておる場所での不安を覚えさせるような行為のみを禁止しており、これ以外の規制については直接的な対象として取り締まる法令等はございません。
では、これまでどうしてきたのかということでございますが、要望、苦情があるたびに警察官を現場に出動させ、警察法に基づく一般的な権限として指導警告を行い、例えば無免状等によって法令の違反があることがわかった場合には、その法令を活用して検挙をし、もって当面の危険を回避するというような措置を講じてきたところでございます。
ちなみに、昭和六十三年から平成四年までの五年間の指導警告あるいは検挙の状況を申し上げますと、危険もしくは迷惑行為があるとして指導警告した件数が百十一件ございます。そして、船舶免状を取得せずにプレジャーボート等を操船したという形で、船舶職員法違反で検挙したのが四件ございます。
先ほど井出議員もご指摘のとおり、世界リゾート博の開催を控え、今後マリーナシティ周辺の海域においてマリンレジャーが大変盛んになるだろうと、そしてそれに伴うプレジャーボート等による事故が大変ふえるんじゃないかという予想を我々も持っております。
そこで、警察としては、この機会に抜本的な対策をとるべく、昨年から本年にかけて本格的な実態調査を行ってまいりました。この結果を踏まえ、その対策の一環として、プレジャーボート等による危険、迷惑行為の規制を条例化するとともに、その取り締まりを強化していく、そしてこれらの行為の防圧を図ってまいりたいと、こういうふうなことを現在考えております。
そして、目下、実態調査で判明した水難事故の原因、それからプレジャーボート等に対する苦情、その他、河川内や海浜を暴走するいわゆるサファリジープの実態等に基づき、さらに我が県特有の事情等を勘案し、条例化のための準備作業を進めておるのが実情でございます。
以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 医科大学学長駒井則彦君。
〔駒井則彦君、登壇〕
○医科大学学長(駒井則彦君) ご質問の病院内感染には、ウイルス性肝炎、結核、エイズ、MRSAなどがございます。
MRSAは、メチシリンという抗生物質に耐性を持った黄色ブドウ状球菌でございます。この菌は、健康者の鼻の中や咽頭にも認められ、比較的弱く、増殖力も弱いので健康なときには何も症状はあらわれませんが、老人とか大きな手術後など、体の免疫力が低下したときに繁殖し、頑固な肺炎や腸炎などを起こします。現在はバンコマイシンなどの効果のある抗生物質ができておりますが、有効な薬が少なかったために問題になったものでございます。
本学附属病院において、入院中に必要な患者には細菌検査を行っております。昨年一年間に七十八人にMRSAが発見されておりますが、そのうち二十六人がMRSAによる感染症状を起こしており、入院患者が約六千三百人でございますから、その率は〇・四%でございます。この数値は、私が聞く範囲では、重症者を扱う他の病院に比して少ないと思います。
MRSA感染症の対策としては、平成三年度に設置した感染予防対策委員会が作成したマニュアルに従って、主治医、担当の看護婦などが中心になり、家族や患者に十分説明を行った後に、他の病人に感染しないように個室に収容し、病室、器具等の消毒を行い、有効な抗生物質を投与いたします。
感染予防対策としては、重症患者や手術前患者の鼻腔、喀たん、ふん便等の細菌検査、医師や看護婦の手洗いの励行、マスクやうがいの励行、手指の消毒器や空気清浄器など感染防止器具の設置、予防着の着用など、院内感染の防止に努めております。
以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
12番井出益弘君。
○井出益弘君 医大の統合移転列車の行き先は、遠方ながら国立移管の駅を目指していた。行き先が県立駅に変わった。つまり、敷地面積的にも大きな変更があった。しかし、この医大列車の車内放送は、変更があっても乗客にわかるように説明しない。そして、機関車は一生懸命走っている。この医大列車は、だんだん巨大列車となりながら走っている。この医大列車はどこに向かっているのだろうか。県財源の永久的に毎年五十億円をはるかに上回るとも考えられる重い荷物は、列車に乗せてもらっている県民の肩にかかる。肩に荷を負っても、新しくできる医大列車には県民は期待している。しかし、心配もしている──私、こういう歌というか、所見、所感を……。
私は、仮谷県政、仮谷志良知事を信頼しています。しっかり知事さんも頑張ってくださっているのはよく知っています。普通、人は法律の間違いを犯したら罪に問われる。政治家は進路、政策を間違っても罪には問われないが、国民に対して大変な罪を犯したことになるとの話を聞いたことがあります。大変私も感銘を覚える言葉であります。
しかし、政治家の考えている心中はわかりにくいことが多いと感じる最近の私でもあります。とりあえず、わかりやすい政治、行政を県民、国民の皆さんは求めているのだと私は思います。それゆえに、一言申し上げさせていただきます。
MRSAの感染症について、県立医大の駒井学長さんの数値を示しての勇気あるまことの答弁に敬意を感じております。しかし、院内感染、MRSAは県民にとっては大変な問題であります。非常態勢での対応をお願いいたします。
順次、所見、要望を述べさせていただきます。
元号の問題であります。私は、これからは必ず、遅かれ早かれ西暦の四けた表示の升、スペースは要ってくると思います。そしてまた、私の知っておる範囲ではどんどんやりかけているところもあります。だけど、先ほどの答弁は、何か元号法どうこうと言っていましたけれども、あれは再質問を私にやらす機会を与えたのかなというふうな気がしまして、これは知事さんの考えと違うんじゃないかなと。やはり知事さんだったら、各市町村にもそのようなことは前向きに指導していきたい、あるいは研究していきたいというようなことを心中思われていると思うんですけれども。ぜひそういうことは、元号法どうこうとかというのではなくて、現実対応のことで、知事さんに申しわけないような部長答弁にならないようにお願いしたいと思います。知事さんの考えと違うことを言ってはいけない。
それで、四けたの西暦記入も可能な形に改善指導することは時代の変革に整合した、遅かれ早かれ将来必ず取り組まねばならない事務処理の一つでありますので、ぜひ検討をお願いします。
次に、新南海橋と第二阪和の問題です。
これは、和歌山市だけではなく、和歌山県としても今最も早期完成を必要とされている道路、橋の一つが第二阪和国道であり、第二阪和の中でも新南海橋が最も優先的に取り扱われ、また取り組まねばならないものだと思います。県としてもその重要性を認識していただいているとは思いますが、さらに県の重点取り組み課題として強力に推進方、対処していただきますよう要望いたします。
それから、プレジャーボート等に関する条例の件であります。
ことしの夏には間に合わないかと思いますけれども、来年、世界リゾート博もあり、先ほども申し上げましたが、できるだけ早期に対処していただけるような取り組み、また条例として上程をしていただきたいと思います。
以上で、要望で終わらせていただきます。
○議長(馬頭哲弥君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で井出益弘君の質問が終了いたしました。
これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
○議長(馬頭哲弥君) 本日は、これをもって散会いたします。
午後一時四十五分散会