平成5年6月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(吉井和視議員の質疑及び一般質問)
県議会の活動
平成五年七月六日(火曜日)○議長(馬頭哲弥君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
25番吉井和視君。
〔吉井和視君、登壇〕(拍手)
○吉井和視君 それでは、まずボランティアの問題についてご質問をさせていただきます。
この問題については今まで三回質問をさせていただきましたが、今回は角度を変えての質問にさせていただきます。
まず、新聞の記事でありますが、「文部省において、今年実施する平成五年度採用試験から、将来の幹部となる大卒一種職員の面接の調査票にボランティア活動歴欄を新設することを決めた。ボランティア推進の旗振り役である同省が範を示すのがねらいで、国家公務員採用では初めての試みであり、また同省とともにボランティアを所管する厚生省も同様の措置を検討している」とあります。
国家公務員の採用試験の合否の判定の一部分にボランティア活動歴が取り入れられることになったのであります。今後の高齢化社会の到来に備えてボランティアの育成は絶対必要であり、また公務員としての資質及び人格にボランティア精神が要求されることとなってきたのであります。
私は、公務員の採用試験において、これは面接の段階であろうと思いますが、ボランティア活動歴を重視し、活動歴が英語等の語学能力やスポーツの特技と同様に人物評価の一つになることは大変すばらしいことで、ぜひとも推進していただきたいと思うのであります。採用試験に有利なためにボランティア活動をするという者もあらわれてくると考えられ、にわかボランティアを生む可能性が多くあるので賛成できないという意見もございますが、動機はともかく、ボランティア人口の増加を第一義と考えることが今緊急の課題であり、一つの方法であろうと思います。
現に、英米などでは多くの医学部が合格の条件にボランティア活動の経験を挙げておりますが、この経験者からは、奉仕活動を続けているうちに社会の抱えている問題や医師の使命などに目覚めたという例がたくさんあるそうでございます。また、ボランティア活動は社会の緊急の要請であるため積極的に推進していく必要がありますが、そのためには社会全体がボランティア活動を高く評価する必要があるわけであります。
そこで、ボランティア活動に対する県職員のあるべき姿について、知事にお尋ねいたします。
また、ボランティア活動歴のある者の採用試験における考え方を、人事委員長にお尋ねいたします。
続いて、人事委員会における採用試験についても人物評価の一つとして考えているのかどうかについて、お尋ねいたします。
ボランティア活動は、実際に体験してみないとその必要性や大切さが理解されないこともあるので、まず体験させることが重要であるということで、高校生などを対象としたボランティア体験学習が県の事業として実施されております。もっと発展して、滋賀県では来春の高校入試においてボランティア活動歴を内申書に記載し、合否の判定にするということが新聞に出ておりました。このことについて、教育長のご見解をお尋ねいたします。
また、現在、内申書が高校入試の合否の判断にどの程度採用されているのかもお尋ねいたします。
内申書を重視した推薦入学の枠をもっと多くすればよいと考えますが、今後の推薦入試の方向についてもお伺いいたします。
次に、精神障害者対策と県立五稜病院の問題について質問をいたします。
障害者の「完全参加と平等」のテーマのもとに、具体的な障害者対策指針とした国連・障害者の十年が昭和五十八年から展開され、この間、県においては障害者にかかる和歌山県長期行動計画を策定し、積極的に施策を展開し、その結果、大きな成果を上げられたことを高く評価するものであります。今後とも積極的に取り組まれていくことを強く望んでおります。しかし、私はこれまでの障害者問題の取り組みの中において、精神障害者に対する施策が他の障害者対策に比べておくれているように思うのであります。
そこで、精神障害者対策の現状や今後の取り組みについて質問をいたします。
精神障害者に対する行政は、長い間、入院治療を中心に進められてまいりましたが、昭和四十年ごろからは保健所を地域の精神保健行政の第一線機関と中心に位置づけ、在宅の精神障害者の訪問指導や相談指導が実施されるようになり、また入院中心の医療から通院中心へと転換されてきたわけであります。昭和六十二年に精神衛生法が改正され、精神障害者の人権を擁護しつつ、適切な精神医療の確保、また精神障害者の社会復帰対策の推進を大きな柱とした新しい精神保健法が昭和六十三年七月に施行され、その第二条に、「国及び地方公共団体は、医療施設、社会復帰施設その他の福祉施設及び教育施設を充実することによつて精神障害者等が社会生活に適応することができるように努力するとともに、精神保健に関する調査研究の推進及び知識の普及を図る等精神障害者等の発生の予防その他国民の精神保健の向上のための施策を講じなければならない」という義務が規定されております。保健、医療、社会復帰を包括した総合的な施策の推進が求められておるのであります。私は、精神障害者の問題の中で、この精神保健対策を積極的に推進していかなければならないと考えているものであります。
そこで、第一点目として、この新しい法律が施行されて五年を経過しようとしているときに当たり、本県における精神障害者の社会復帰対策及び地域ケアについてどのように展開されているのか、お尋ねいたします。
次に、県立五稜病院についてであります。
県立五稜病院は、精神衛生法──現在の精神保健法──に基づいて県の義務として設置され、昭和二十七年に開院した県立の精神病院であります。五稜病院は、県内の他の精神病院とは、おのずからその性格が違うわけであります。一つ目には、精神医療水準の向上のための指導的な役割を持つこと、二つ目には、特殊・高度な医療で採算をとることが困難であると認められる医療を担当すること、三つ目には、民間の医療機関では対応が困難な分野の精神医療を担当すること、このような役割を課せられた病院であると思うのであります。また、昭和三十九年には公営企業法の適用を受けることとなり、「経済性と公共性の調和のとれた運営に努めなければならない」とされているものであります。
まず初めに、病院の経営状況を見ると、平成三年度の決算において約四億五千万円の赤字となっております。この問題については今までいろんな議論がなされていることは承知しておりますが、全国の府県立精神病院と比較したときに五稜病院の経営状況はどの程度であるのか、公営企業としての五稜病院が改善しなければならない点は何か、また県立病院として県が負担しなければならないところもあると思うがどうか、お尋ねいたします。
私は、子供のころから五稜病院を見てまいりましたし、病院に勤務されている皆さん方ともいろいろ話し合う機会を持たせていただいたことがございます。開院後四十一年目の現状はどうかと言いますと、施設面では、開院当時は木造の建物でありましたが、逐次整備がなされ、昭和四十七年には現在の建物施設となり、その当時としては大変立派なものであり、喜ばれたものであります。しかし、現在の状況を、精神障害者の人権を擁護しつつ適切な精神医療の確保を行うといった面から見ると大変問題があるわけであります。一つ目には、病室は個人のプライバシーが守られていない、二つ目には、体の不自由な障害者や老齢の患者さんが使用できるような病院構造、施設ではない、三つ目には、建物全体の老朽化が激しい、四つ目には、精神医療が多様化し細分化している中で、新しい医療ニーズに取り組めない状態であるなど、多くの問題を抱えながら、入院患者の治療環境をよくするため、また安全確保のため、職員が大変な苦労をなされておるわけであります。
今後、県民の保健福祉の一層の向上を図っていくためには精神保健対策が重要な問題であると思っております。今、申し上げたような五稜病院の現状では、これからの精神保健対策を推進していく上で五稜病院に対する多様な医療ニーズにこたえていけるのかどうか、大変不安であります。今後、県の精神保健対策を推進していく上で五稜病院の役割をどうお考えなのか、また病院機能の充実を図っていくお考えがあるのか、まず知事のご所見をお伺いしたいと思います。
私は、五稜病院をして県の精神保健行政を推進していく上で、その位置づけを明確にし、その役割を十分に果たすためには、建物の建てかえを含めて、次のような新たなことに取り組み、県民から信頼される病院とする必要があると思うのであります。
一つは、老人痴呆対策としての老人痴呆疾患専門治療病棟の設置であります。本県では、約八千人の痴呆性老人がいると推定されております。この対策は、高齢化の進んでいる本県にとっては大変重要なものであると思うのであり、五稜病院においても積極的に取り組んでいただきたいと考えるのであります。
二つ目には、応急体制の整備についてであります。これは、単身者や身元の判明しない者で精神障害のため入院治療が必要であるが、入院に必要な同意が得られない場合の入院制度として精神保健法に定められたものであり、この制度は救急医療の一形態であると位置づけられているものであります。このような入院を行えるのは、知事が指定する病院でなければならないとされております。近畿府県においては既にこの体制が整備されているようでありますが、本県においてはまだ取り組んでおられません。適切な医療保護のため、県においてもぜひ必要であると思うものであり、この役割を県立五稜病院において整備する必要があると思うのでありますが、いかがでありますか。
三つ目は、社会復帰対策への取り組みであります。言うまでもなく精神病院の治療の最終目標は、精神障害のため治療を受けられている方々が社会の中で生活できるように治療をし、必要な援助を行うことであります。そのための対策として、作業療法やデイケアを行える体制整備に取り組んでいただきたいのであります。
四つ目は、看護体制の整備についてであります。五稜病院の現状は、基準看護特一類──これは入院患者三人に対して看護職員一名の体制であります──で、現状は一カ月の夜勤回数が九回から十回となっております。看護婦等人材確保法が昨年施行され、看護婦等の勤務条件の改善として月八回以内の夜勤とすることが求めれております。この法律の指導に当たる県としては、まず県立病院においてこの体制を整備し、県内の病院に対し範を示すことが大切であると思うが、いかがでありますか。
以上のことについて、保健環境部長から具体的なお考えをお聞かせ願いたいと思います。
最後の問題でありますが、同和問題の啓発について質問をさせていただきます。
県同和委員会が行った平成元年県民意識調査によれば、同和地区の人との結婚について四七・七%の人が地区の人との結婚にこだわりを持っているという結果であります。特に結婚についてのことを申し上げるわけでありますが、地区内と地区外の結婚の比率は年々高まってきております。しかし、まだまだ意識面での変革が予想外に低いのであります。この結婚が憲法に保障されたとおり何のこだわりもなく行われるようになるには、強力な啓発なり、それに伴う具体的な実践活動が必要であると思うわけであります。同和問題の啓発は、行政がその責務の自覚の上に立ち積極的に推進するものであり、その目的は同和問題の正しい理解と認識を培い、意識の変革を促し、差別をなくする実践力を高めることにあります。実践とは、具体的行動の結果であると思います。推進方針、推進体制を多く列記するよりも、確かな実践の積み重ねが必要とされるのであります。特に、行政職員は同和問題の早急な解決を図る責務を有しており、一人一人の積極的な取り組みが県民の意識をより早く変革させるものであります。そのために行政は、啓発活動推進の指導的役割を担う職員を育成することに努めなければなりません。
そこで、具体的な質問を申し上げます。
この具体的な問題の中に大きな問題があるということで、特に質問をさせていただくわけであります。県同和委員会発行の「同和問題を理解するために」という、県民啓発用冊子がございます。その中に、「風習についての考え方」という項目がございます。その中の文章に、「結婚式や起工式、仏事に重要視される『大安』や『仏滅』、『友引』は六曜と呼ばれ、まったく科学的根拠のない迷信であると同時に、このような不合理な考え方が部落差別を支えている要因のひとつになっています」とあり、大きな字で「あなたの手で因習や偏見を打破し、部落差別の解消につとめましょう!」と書かれておるわけであります。
結婚式等の祝い事は、多くの場合、吉日ということで大安に実施されているのが現状ではなかろうかと思います。知事初め県の幹部職員がことし出席された結婚式も、ほとんどが大安でなかったかと想像するわけであります。私も、出席した式はほとんどが大安でありました。まさに、これは生活の中に定着しているのであります。しかし、このことが迷信であり、不合理であり、部落差別を支えている要因であるならば、このことを消滅させる努力を、まず行政が職員をして具体的に実践に取り組むべきであると考えますが、今までこのようなことに取り組んできたかどうかについてお尋ねいたします。
また、県の祝賀行事とか行政指導のかかわりを持つ諸団体に対して、まず実践しなければならないと考えますが、具体的な方針をお聞かせください。
以上、質問を終わらせていただきます。
○議長(馬頭哲弥君) ただいまの吉井和視君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事仮谷志良君。
〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 吉井議員にお答え申し上げます。
ボランティア活動に対する県職員のあるべき姿ということでございます。
ただいまボランティア活動について吉井議員から話ございましたけれども、私も同感でございまして、現代社会の緊急かつ重要な問題であると思います。
ボランティア活動は、自主性が第一であり基本であると感じておりますが、県職員も積極的に取り組む姿勢が必要であると思います。今後、研修等を通じて職員の意識向上に努めるとともに、率先実行できる、ボランティア意識の強い職員の育成に努めてまいりたいと思っております。
それから、県の精神保健対策としての五稜病院の役割についてでございます。
県立五稜病院は、開院以来、既に四十余年を経過しております。この間に社会情勢が大きく変化いたしましたし、また急速に高齢化が進んでまいっておるわけでございます。また精神治療においても、治療体制の高度化、多様化が求められている現在でございます。
こうした時代の要請に適応したきめ細かな精神科医療を担当し、最終目標である、患者が社会に適応して生活できる施設の整備を具体的に検討するために、現在、庁内に五稜病院整備委員会を設置し、来る二十一世紀を展望した五稜病院の整備問題に検討を加えつつあるわけでございまして、これを積極的に推進してまいりたいと思っております。
○議長(馬頭哲弥君) 保健環境部長江口弘久君。
〔江口弘久君、登壇〕
○保健環境部長(江口弘久君) 吉井議員ご質問の、精神障害者対策の精神障害者の社会復帰対策と地域ケアについてでございます。
回復途上にある精神障害者の地域における生活支援を図るため、保健所において作業指導、レクリエーション活動、創作活動等のデイケア事業や精神保健相談、訪問指導などを行っております。また、生活指導や作業指導を通して社会適応訓練を行う社会復帰施設と小規模作業所への運営補助のほか、仕事に対する集中力や対人能力等を育成するため、一定期間事業所に通所し訓練を行う通院患者リハビリテーション事業を実施いたしております。さらに、平成五年度の新しい事業として、地域において共同生活を営む精神障害者に対し、日常生活の援助等を行うグループホーム援助事業を実施しているところでございます。今後も、指導、援助体制を充実させ、精神障害者の地域における社会復帰を促進してまいりたいと考えてございます。
次に、県立五稜病院の経営状況についてでございます。
平成四年度の決算では、病院事業費用十七億二千三百五十七万六千円に対し、病院事業収益は十二億六千二百二十九万二千円で、収支差の四億六千百二十八万四千円を一般会計から補助しております。なお、このうち約四億円が交付税措置されております。全国において、精神科主体の都道府県立病院は四十病院ございますが、収支が均衡している病院は一つもないのが現状であります。このような中で五稜病院と他の病院を比較すると、医業支出に対する医業収入の割合、いわゆる医業収支比率では、平成三年度で全国平均六一・八%に対し五稜病院七三・六%と、全国でよい方から八番目となってございます。
次に、公営企業として五稜病院が改善しなければならない点については、五稜病院内における経営管理体制の整備、収益確保面、経費節減面での努力などが挙げられます。
また、県立病院として県が負担しなければならない部分があるかどうかとの質問でございますが、経費の性質上どうしても収入をもって充てることのできない経費については、地方公営企業法の規定により県が負担するものとなっております。
いずれにしても、今後も引き続き経営改善に対し積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
続きまして、議員ご指摘の県立五稜病院の老人性痴呆疾患専門治療病棟の設置、応急体制の整備、社会復帰対策への取り組みの三点については、本県における精神保健行政の大きな課題でございまして、保健環境部としても、五稜病院に機能付加した形で積極的に取り組んでいかなければならない事項であると認識しております。また、看護体制の整備については、看護職員の処遇改善が各方面から強く求められており、また昨年六月には看護婦等の人材確保の促進に関する法律が公布されたことなどにかんがみ、保健環境部としては、今後、法の趣旨に沿った看護職員の待遇改善を推進していかなければならないと考えております。いずれにしても、今後、これらの点について庁内組織である五稜病院整備委員会で具体的な検討を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 民生部長南出紀男君。
〔南出紀男君、登壇〕
○民生部長(南出紀男君) 同和啓発とその実践の方策等についてお答えを申し上げます。
吉井議員ご指摘のとおり、古い伝統的風習や慣習が現代社会においてもなお存在していることは事実でございます。日常生活の中に存在するこれらの風習や慣習は、いずれも科学的根拠に乏しく、身近な生活の中に不合理を残し、差別意識を支える要因の一つになってございます。
県同和委員会の平成元年度県民意識調査によると、例えば、「仏滅の日に結婚式をあげることを気にしますか」という問いに対して、「非常に気にする」三○・一%、「やや気にする」四四・四%を合わせると七四・五%もございまして、近代化や合理主義が浸透してきてる今日においても、なお仏滅等の非科学的風習を気にする人が高率で、根強く残っていることが指摘されております。
県民啓発として機会あるごとに啓発に努めておりますけれども、特に県職員に対しては、職員同和特別研修を昭和四十八年度から今日まで二十回にわたり実施し、同和問題の理解と認識を深めるとともに、人権意識の向上に努めてまいりました。議員ご指摘のこの問題についても、平成三年、四年度の職員研修の中で取り上げまして、合理的、科学的認識に立って実践力を身につけるよう職場で研修を深めたところでございます。今後とも、行政職員が県民の指導的役割を自覚し、実践力を高められるよう創意工夫を凝らして研修に努めてまいります。
次に、県、市町村や関係諸団体の主催する祝賀行事等においては仏滅等を避けることもあるやに聞いておりますので、今後は非科学的な風習にとらわれることなく実践啓発活動をしてまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 人事委員会委員長水谷舜介君。
〔水谷舜介君、登壇〕
○人事委員会委員長(水谷舜介君) 吉井議員に、県職員の採用試験についてお答えをいたします。
県職員の採用試験における人物評価については、面接試験においていろいろな角度から評価をしているところでございます。
ご質問のボランティア活動歴については、試験申し込み時の段階で課外活動歴として申込書に記載していただき、面接時の参考としているところでございます。
なお、今後とも新しい時代を担う多様な人材を確保するため、いろいろ検討してまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 教育長西川時千代君。
〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) ボランティア活動等についてお答えいたします。
ボランティア活動は、その活動を通して人々とともに生きる喜びを味わい、自分自身の生活をより豊かにするものであり、児童生徒の人間形成にとって教育的な意義は極めて大きいものがあると考えてございます。こうしたことから、教育委員会といたしましては、県立潮岬青年の家や老人ホームなどにおいて、中学生、高校生を対象にボランティア養成講座を開催し、ボランティア活動の基礎的な理論や技術を習得させ、地域社会に貢献できるボランティアとしての資質の養成を図っているところでございます。また各学校においては、生徒会活動、クラブ活動等において、地域の福祉施設や老人ホームの訪問、通学路の清掃等の体験学習を行っております。
高校入試におけるボランティア活動歴の評価については、現在、ボランティア活動への参加を初め、スポーツ、文化活動の状況を積極的に評価するあり方を研究しているところであります。
次に、内申書すなわち調査書については、中学校在学中に培われた生徒一人一人の能力、適性などを見るため、合否判定に当たっては学力検査の成績と同等に扱っております。
また推薦入学制度は、昭和五十四年度に農業科及び工業科に初めて導入し、昭和六十二年度にすべての職業学科に、六十三年度には理数科や体育科などの専門学科にも拡充を図ってきたところであります。現在、県立高校では職業学科を設置している二十校において四十九学科で、また専門学科を設置している八校において八学科で、調査書、面接、作文を中心に推薦入試を実施してございます。推薦入学の枠についても、昭和五十四年度には募集定員の二○%であったのを、平成四年度では四○%程度まで拡大してまいりました。今後とも、推薦入試及び一般入試の選抜方法のあり方を多面的に検討し、高校入学者選抜のより一層の改善を図ってまいる所存であります。
以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(馬頭哲弥君) 以上で、吉井和視君の質問が終了いたしました。
これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
○議長(馬頭哲弥君) 本日は、これをもって散会いたします。
午後二時三十一分散会