平成5年6月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(森 正樹議員の質疑及び一般質問)
県議会の活動
平成五年七月六日(火曜日) 午後一時十二分再開
○議長(馬頭哲弥君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○議長(馬頭哲弥君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
42番森 正樹君。
〔森 正樹君、登壇〕(拍手)
○森 正樹君 ただいま議長から発言を許されましたので、一般質問に入りたいと存じます。
まず初めに、関西国際空港にかかわる諸問題についてでございます。
第一に、関西国際空港全体構想の実現について触れてみたいと思います。
この問題についての最近のマスコミ報道等を見ておりますと、まことに否定的な内容のものが多く、私たち全体構想を強く願う者にとりまして残念な傾向が出ているのであります。全体構想が遅々として進まない上に、内的不安要因、外的不安要因のいろいろなものが重なっておりまして、さらに全体構想の実現を難しくしているように思われます。
空港整備法には、その第一条に、「この法律は、空港の整備を図るため、その設置、管理、費用の負担等に関する事項を定め、もつて航空の発達に寄与することを目的とする」とございます。そして、第二条には第一種から第三種空港の規定をしておりまして、第一種空港については国が設置すると規定をされているのであります。
しかも、我が国には三つとない国際空港であるわけですけれども、関西国際空港に関しては、その費用負担の多くを地元へ押しつけてまいりました。運輸、大蔵を中心として国のこのような態度は相も変わらない中央集権的な態度であり、言いかえれば東京一極集中主義と言えると思います。例えば、関西国際空港は関西国際空港株式会社主体による建設であり、まさに地方押しつけの典型的な形でありますが、一方、羽田空港は、国内空港であるにもかかわらず国の事業として、現在、沖出し拡張計画が進められております。過日、来阪された林大蔵大臣は、全体構想の実現について非常に消極的なコメントを発表しておられました。そのニュアンスは、主に採算性を重視するという観点でありました。
一方、全体構想実現への外的不安要因というのは幾つかあるわけでございますが、さきの議会で申し上げた、我が国周辺各国の国際空港の建設ラッシュがあります。二十一世紀初頭に実用化が言われている新SST、次世代超音速機の拠点となる空港、すなわちスーパーハブ空港でありますが、現在、その研究が着々と進められております。アメリカ大陸に三カ所、欧州に一カ所、アジアに一カ所、豪州に一カ所、さらにはそれぞれ二カ所程度になるかもわかりませんけれども、日・米・欧・豪の各大陸に、拠点となる空港の設置が研究されているわけであります。このスーパーハブ空港の設置をにらんで、国際ハブ空港の競争が世界的に激しく行われているわけでありますけれども、この中で特にアジアが激烈だと言われております。特に、お隣のソウルの新ソウル・メトロポリタン空港は一九九七年開港予定と聞いております。本年九月に建設に着手するということでございます。この新ソウル・メトロポリタン空港は、我が国最大のライバルとなるであろうと思われます。現ソウル金浦空港でさえも、現在、我が国国際空港、地方空港の十六空港と定期路線を結んでおりまして、就航便数は週百八十六便にも及ぶのであります。一日約二十七便就航しているわけでございます。まさに現在、ソウル金浦空港は日本や世界に向かった空の玄関になっているわけでありまして、ある意味では異常な形と言わなければなりません。そんな折に、林大蔵大臣は全体構想に関して否定的なコメントを残されました。こういう態度は、まさに木を見て森を見ない姿勢と言わなければならないと思います。このような地方切り捨て、中央集権的態度は全く許しがたいわけでございます。
戦後三十九年、自民党一党支配が続いてまいりました。さきの国会で政治改革論議が進められて、あと一歩で実現のところまで参ったわけでございますけれども、一部の長老たちの個利個略によってつぶされてしまい、やみに葬り去られてしまったわけでございます。政・財・官三者のもたれ合いによる癒着構造が次々と起こる汚職腐敗事件を生んだと言っても過言ではございません。私たちは、この数年、舞台設定と登場人物と時期こそ変われ、全く同じ筋書きの劇を見せ続けられてきたわけでございます。リクルート劇であり、共和事件劇であり、佐川急便事件であったと言えると思います。このような自民党の一党支配が中央集権的な日本の体制を生み、地方切り捨てが進められてまいったと言っても過言ではないと思います。しかし、この衆議院選を契機として確実に新しい歴史へと向かっていくと思います。
本題に戻しまして、全体構想の実現のために知事はこれまでも積極的にご努力をなさってこられましたけれども、こうした内的、外的不安要因の中で、今、一番厳しいとき、しかも大変重要なときに差しかかっていると言えると思います。この問題について今後どう取り組んでいくおつもりであるのか、まずお聞かせをいただきたいと思います。
次に、国内便の大幅確保についてでございます。
最近のマスコミ報道等を見ておりますと、大体、三十便から六十便という数字でございます。当初、七十便を確保するとしておりましたけれども、なかなか国内便の確保が進まない現状でございます。その原因は、大阪空港の存続という問題、関西国際空港の着陸料等が非常に高くつくというコスト高の問題、飛行ルート等の関係で飛行時間が長くなるという問題、さらにはバブルがはじけた後の航空不況、需要の伸びの問題、そしてもう一つ、関西国際空港の交通アクセスの問題とされております。国内便の大幅確保をするためにこれらの幾つかのハードルを乗り越えていかなければならないわけでございますが、大阪空港の存続の問題についてはさきにも触れましたし、今回は申し上げません。特に、関西国際空港の交通アクセスの問題について触れてみたいと思います。
例えば、航空各社とか地方空港の当局者の弁によく出てくるのが、大阪空港に比べると関西国際空港は交通アクセスが悪い、都心から離れているという声を聞くわけでございます。しかしながら、そうでしょうか。私も経験がありますけれども、大阪国際空港へ向かうのに、普通、大阪の都心から阪神高速を通ってバス及びタクシーで参ります。事故や工事等が行われていて渋滞に巻き込まれて一時間以上かかったということも一度や二度ではございません。それ以外の交通アクセスは皆無でございます。それに対して関西国際空港は、海上アクセスが四本、鉄道はJR、南海の二本、それから高速道路も、北からは大阪湾岸道路と近畿自動車道紀勢線の二本があります。さらには第二阪和等たくさんございますけれども、そのように多重アクセスが確保されているわけでございます。ほぼ三十分あれば大阪都心から関西国際空港に到着できるわけでありまして、CAT(シティ・エア・ターミナル)の完備等と相まって非常に利便性の高い空港であると私は思います。しかしながら、一方で地方空港の当局者や航空会社の幹部の中に根強い関空不便説がありまして、現実と少し違うわけでありますが、これらの説得、PRを強めていかなければならないと思います。
そういう意味で、本年春、知事を団長としてポートセールスが行われました。知事みずから先頭に立ってご苦労いただいたわけでございますが、その後、何度か行われていると思います。それらの状況もできればお知らせをいただきたいと思います。
さらに、このような根強い関空不便説を克服するために、ありとあらゆる方面に向かって関空の利便性のPRをしなければならない。できれば、一回に終わらすことなく、知事を先頭に今後も各方面に対してポートセールスを盛んに打っていっていただきたい。そこら辺のことについてもご答弁をいただきたいと思います。
三点目に、関西国際空港の開港時期についてでございます。
これも、最近マスコミ報道等をよく読んでおりますと、九月開港説が有力でございます。六月八日の毎日新聞は、「9月でも"来夏"開港?」、六月九日の朝日新聞は「関西新空港 開港、9月下旬以降に」、六月十二日の「紀伊民報」では「来年9月開港説が浮上 安全面で"2カ月"ずれ」、六月十五日産経新聞は、「来年9月開港強まる 『関西空港会社』服部社長が会見」等々となっております。
本県にとっては、この関西国際空港の開港が県勢浮揚の起爆剤として大きな期待と願望を持って迎えられるところであるはずであります。この開港を機にリゾート博を開催し、和歌山県を世界に向かってPRしようという計画でございます。しかしながら、関西国際空港の開港が一年おくれるということでリゾート博の開催も一年ずらしたわけでございます。ところが、またこの開港が一年おくれた上に九月にずれ込もうという状況になってきているわけでございます。この開港時期について、今最終段階に入っていると聞いておりますけれども、たとえ可能性が何%あるかわかりませんが、リゾート博開催と同時に開港できるように百八万県民挙げて取り組まなければならないと思います。この点について、知事のご所見、担当部長のご見解を承りたいと思います。
次に、関西国際空港の交通アクセスに関する諸問題についてお尋ねをしたいと思います。
先ほども申し上げたように、関西国際空港は極めて利便性の高い空港でありまして、県北各地域からほぼ二十キロ圏内、三十分もあれば空港に到着できるわけでございます。しかしながら、関西国際空港をさらに利便性の高い空港とするためには、交通アクセスの充実を図っていかなければならないと思います。
例えば、鉄道便について。
本県から関西国際空港への鉄道の直通乗り入れについては、以前にもお尋ねしたことがございますけれども、日根野駅及び泉佐野駅のホームや路線の改良が間に合わないためにスイッチバック方式での直通乗り入れを現在検討されていると聞いております。この実現のめどについて企画部長のご答弁をいただきたいと思います。
たとえスイッチバック方式でありましても、日根野駅や泉佐野駅で大きな荷物を持って乗りかえる不便を考えますと、この実現は利便性の上で大変重要な問題でございますので、ご答弁をいただきたいと思います。
二点目に、タクシーの問題でございます。
最近、一部の地域で同一地域同一運賃の見直しを検討され、その実現に向かっていろいろと運動が行われております。和歌山の客をタクシーに乗せて関西国際空港へ向かうときはいわゆる営業区域外へ出るわけでございますが、空港に着いて帰りに和歌山向きの客を拾うという場合に、現在の法上の制約の中では非常に難しい問題があると思います。さらには、地域によって料金に差があるわけでございます。この料金や営業区域の問題等々に関してどのような対応をされているのか、お答えを賜りたいと思います。
三点目に、リムジンバスの問題でございます。
例えば、和歌山市内あるいはその周辺から関西国際空港へ向かう利用客が、和歌山市内のある地域から直接空港ターミナルまで乗りつけることができるということで、リムジンバスの利便性は大変高いものがあるわけでございます。このリムジンバスの就航の状況について、現時点での状況をご報告いただきたいと思います。
以上で、第一質問を終わります。
○議長(馬頭哲弥君) ただいまの森正樹君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事仮谷志良君。
〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 森議員の質問にお答えする前に、一言申し上げます。
先ほどの木下秀男議員に対する私の答弁の中で、「一党独裁という問題がいけるかどうかという問題も、私は現在の一党独裁支配ということが難しいんじゃないかということが言われておるわけでございます」と申し上げた部分について、「自民党単独政権の維持が難しいんじゃないかということが言われておるわけでございます」と訂正させていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
森議員にお答え申し上げます。
全体構想の推進でございますけれども、全体構想を早期に実現しなければならない理由の一つとして、森議員がご指摘されたように、最近、航空事情が大きく変わりつつありますし、特にアジアの近隣諸国の空港整備状況がございます。将来の国際航空事情を展望した場合に、関西国際空港を真のハブ空港にするためには全体構想の推進が必要であると考えております。
かねてより、全体構想早期実現期成会において積極的に働きかけを行ってきたのでございますけれども、お話のように非常に難しい状況になりつつあるわけでございまして、より強力な推進体制の確立を図るため、本年四月に大阪府、大阪市、関西経済連合会、大阪商工会議所を中心として、私もその代表委員に就任し、さらに本県から県議会議長、和歌山商工会議所会頭も参画いただき、事務局体制を整備した新しい組織として関西国際空港全体構想推進協議会を設立したところでございます。
当面の課題は、まず八月の概算要求にボーリング調査を含む本格的調査費を確保することでございまして、現在その対応について協議会において種々検討しているところでございます。今後とも、県議会のご意見をいただきながら、全体構想の早期実現に向けて積極的に推進してまいりたいと思っておるところでございます。
次は、関西国際空港における国内便の大幅確保でございます。
国内便の確保に向けては、大阪空港の存続や着陸料金の問題、飛行経路の問題、また昨今の経済情勢の停滞等、数々の課題があるわけでございまして、ご指摘のように、関西国際空港の交通アクセス等の利便性に対するPR不足も一つの課題だと考えております。この点については、関係自治体、経済界及び関西国際空港株式会社とともにオール関西でポートセールス活動に取り組んでおりまして、前にもお答えしたように、沖縄へは私が団長として、その後、札幌、福岡、また本県独自で宮城県を初め新潟県、長崎県、熊本県へポートセールスを行ったところでございます。今後とも、関空会社を中心に、関係団体の皆さんともども、引き続き関西国際空港のPRに取り組んでまいりたいと考えております。
また、国内便の確保については、運輸省や航空会社に大幅確保を強く要望しているところでございます。先日も、運輸事務次官や航空局長に国内便の確保を強く要望したところでございます。昨今の航空不況という厳しい状況でございますが、大阪国際空港からの振り分け便数をも含めて、現在、関西国際空港と主要空港間の便数の調整が運輸省と航空各社の間で続けられておるわけでございます。また、関空会社においても、収支採算面から国内便の確保を強く望まれているところでございます。本県としては、県議会のお力添えもいただき、引き続き国を初め航空会社等に強く働きかけてまいりたいと思っております。
残りの問題は、部長から答弁いたします。
○議長(馬頭哲弥君) 企画部長佐武廸生君。
〔佐武廸生君、登壇〕
○企画部長(佐武廸生君) 関西国際空港に関連するご質問にお答えいたします。
まず、開港の時期についてでございます。
関西国際空港では、現在、各施設の整備が順調に進められてございます。空港の主要施設である旅客ターミナルビルについては来年六月に完成し、開港までの間に手荷物処理システム等、複雑な施設については、他の空港の開港時の例からして特に慎重な慣熟期間が必要でございます。また、大阪国際空港から関西国際空港に移ることに伴う従業員等の習熟期間、航空会社の夏の繁忙期等の諸問題が相まって、安全な開港のためには十分な準備が必要と聞いてございます。一方、関西国際空港の建設においては一兆四千三百億円の膨大な事業費で建設してございまして、収支採算性から見て一日も早い開港が必要でございます。
先日も、知事が早期開港を運輸省事務次官、航空局長に強く要望したところでございまして、運輸省においては、現在なおあらゆる角度から慎重な検討が続けられていると伺ってございます。今後とも、県議会の皆様のご協力をいただきながら、早期開港に向け、引き続き強く働きかけをしてまいりたいと考えてございます。
次に、関西国際空港の鉄道アクセスについては、スイッチバック方式による直通列車の運行について、かねてからJR西日本、南海電鉄に文書で要望するとともに、機会あるごとに働きかけを行ってまいってございまして、先般も輸送力強化促進委員会の協力をいただきお願いをしてまいったところでございます。
直通列車のスイッチバック方式でございますが、現在、JRにおいては日根野駅での技術的な問題は確保していただいております。また、南海電鉄の泉佐野駅については、高架のための用地取得が難航していると伺ってございます。需要の問題もあるわけでございますが、今後とも県議会のご指導をいただき、努力をしてまいりたいと存じます。
次に、関西国際空港へのタクシーの乗り入れについてでございます。
複数の交通機関によるアクセスを確保するため、鉄道、バスの運行とあわせて県内タクシーの空港常駐についても要望書を提出するとともに、機会あるごとに運輸省に対し要請をしてまいったところでございます。
関西国際空港株式会社においては、和歌山地域の事業者のためのタクシー乗り場を既に確保していただいてございます。また、運輸省においても営業地域が異なる関西国際空港での営業が可能となるポイント免許制度を設けていただき、和歌山地域の事業者は、免許の取得等により空港での営業が可能となってきてございます。現在、タクシー協会が中心になってその対応について検討が進められているところでございます。県といたしましては、タクシー協会とも連絡を密にし、なお一層努力してまいりたいと存じます。
関西国際空港へのリムジンバスの運行についてでございます。
この問題につきましても、かねてから関係者のご協力をいただき、機会あるごとに働きかけを行ってまいったところでございます。現在、リムジンバスの運行については、平成三年四月に南海電鉄と日本航空、全日空、日本エアシステムの航空三社により設立された関西空港交通と地元事業者である和歌山バスとの間で運行に伴う諸課題の検討が進められているところでございます。今後とも、県議会を初め関係機関の協力をいただきながら、より一層の努力を図ってまいりたいと存じます。
以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
42番森 正樹君。
○森 正樹君 幾つかの問題について、再質問をさせていただきます。
まず、全体構想について。
昨年度と今年度の二年にわたって、ボーリング調査費が政府予算の中で見送られた経緯がございます。したがって、関西国際空港株式会社の自主財源で対応するという形になりました。先ほども申し上げましたけれども、国のこのような非常に消極的な態度──私たち和歌山百八万県民挙げて関西国際空港の開港には大きな夢を託し、取り組んできたわけでございます。しかしながら、最近のマスコミ報道や関係各方面のご意見等々を漏れ承る中で、全体構想実現という熱が少し冷めてしまったかのような感がいたします。県勢浮揚という大きな課題を抱える私たちにとって、この全体構想の実現は何としてもやらなければならない事業でありまして、横風用一本を含めて三本の滑走路で全き国際ハブ空港として実現しなければならないわけでございます。
そういう中で、和歌山がある意味では一番恩恵もこうむりますが、全体構想に支障が出た場合の影響も一番大きく受けるわけでございまして、私たちとしては、この全体構想の実現に向かって、それこそ政・財・官一体となって取り組まなければならない。自民党一党支配による政・財・官のもたれ合いの癒着構造は困りますが、全体構想実現に向かっての和歌山の政・財・官挙げての取り組みは大いに結構なことでありまして、今後も知事を先頭に積極的に取り組んでいかなければならない、そのために知事にも頑張っていただきたいことを要望いたします。
次に、国内便の問題であります。
国際便は、当初目標を上回る便数がほぼ確保されそうだというふうに聞いております。そうした中で、ややもすると国内便が当初の七十便という目標に届かない。知事は、政治生命をかけて国内便の確保に取り組むとおっしゃいました。これは、よく議事録を読んでみますと、一便も国内便が確保されない場合に政治生命をかけるとおっしゃったというふうに、ある県の幹部はおっしゃっておりました。そのことはともかく、今、新聞報道等で三十便ないし六十便の確保と伝えられておりますが、知事は、三十便程度が確保されたから政治生命をかけた意味があった、目標を達成したんだと、そのような低位での実現で満足なさる方ではないと私は思います。やはり、関西国際空港が国際、国内両便がたくさん乗り入れするという、本当の意味の国際ハブ空港にならなければなりませんし、国内便の大幅確保ができないとなれば、それは完全な意味でのハブ空港とはなり得ないのであります。
そういう意味で、どうか知事、高いところに目標を置いていただきまして、七十便を確保して初めて政治生命をかけた意味があったんだと、そのように言えるように今後もご努力を賜りたいと思います。これも要望にとどめます。
それから、開港の問題です。
地盤沈下等々の問題によりまして、関西国際空港の開港が当初の予定よりも一年ずれ込みました。したがって、我が和歌山が県勢の活性化をかけて開催いたしますリゾート博も開催を一年おくらせた経緯がございます。ところがまたぞろ、今伝えられる話によると関西国際空港の開港が九月という説が有力でございます。九月と言えば、リゾート博の終わりのころであります。それでは意味がないわけでありまして、何としてもこのリゾート博の開催初期に、できれば開催当日に関西国際空港がオープンすればこれはもう一番いいわけでありますけれども、今後も開港時期の一日も早いことを願いますし、それに向かってご努力を賜りたいと思います。これも要望にとどめます。
最後にもう一点、関西国際空港への鉄道アクセスに関する問題でございます。
大阪方面から、例えば難波、天王寺から関西国際空港へ直通便がたくさん運行されることになります。それに伴いまして、鉄道には当然許容量がありますので、増便された分は従来の天王寺─和歌山、難波─和歌山市間という私たちにとっては大変重要な足になる、例えば南海のサザン号、あるいはJR阪和線のはんわライナー等々、在来便への影響はないのかどうか、大変懸念されるところでございます。一部には、サザン等が廃止されるのではないか、あるいは縮小されるのではないかといううわさもございます。そのような不安、うわさを力強く打ち消していただきたいのでありますが、間違っても関西国際空港への大阪からの直通便の運行によって和歌山との交通の足が減便されることのないようにお願いをしたい、この点だけはできればご答弁を賜りたいと思います。
以上でございます。ありがとうございました。
○議長(馬頭哲弥君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
企画部長佐武廸生君。
〔佐武廸生君、登壇〕
○企画部長(佐武廸生君) 再質問にお答えをいたします。
鉄道の在来線への影響の問題についても、かねてから運輸省、JR、南海電鉄に要望してまいってきてございます。現在、JRにおいては、天王寺発日根野行きを関西国際空港へ延長し、南海電鉄においては、難波発泉佐野、羽倉崎行きを関西国際空港へ延長することを基本に、増便も含め計画がされてございます。和歌山方面への特急など在来便への影響については、運転本数に影響を及ぼさない方向で作業を進めているとの説明を受けてございます。
また、特急サザンの廃止というただいまのお話でございますが、南海電鉄においてはそういった計画はないとのことでございます。
以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(馬頭哲弥君) 以上で、森正樹君の質問が終了いたしました。