平成5年6月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(木下秀男議員の質疑及び一般質問)
県議会の活動
平成五年七月六日(火曜日) 午前十時十四分開議
○議長(馬頭哲弥君) これより本日の会議を開きます。
○議長(馬頭哲弥君) この際、報告いたします。
過日提出のあった議案第七十七号及び議案第八十五号は職員に関する条例改正案でありますので、地方公務員法第五条第二項の規定により人事委員会の意見を徴しましたところ、次のとおり回答がありました。
職員に回答文を朗読させます。
〔職員朗読〕
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和人委第106号
平成5年6月29日
和歌山県議会議長 馬 頭 哲 弥 殿
和歌山県人事委員会委員長 水 谷 舜 介
職員に関する条例の制定に係る意見について
平成5年6月29日付け和議会第86号で意見を求められた標記のことについて、地方公務員法第8条第1項第3号の規定により下記のとおり回答します。
記
議案第77号 和歌山県退職年金及び退職一時金に関する特別取扱条例等の一部を改正する条例
議案第85号 市町村立学校職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
意 見
上記条例案については、いずれも適当であると認めます。
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○議長(馬頭哲弥君) 次に、報告いたします。
副議長大江康弘君から、副議長の辞職願が提出されております。
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○議長(馬頭哲弥君) 日程第一、副議長辞職の件を議題といたします。
まず、その辞職願を朗読させます。
〔職員朗読〕
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辞 職 願
私こと一身上の都合により副議長の職を辞職いたしたくお願い申し上げます
平成五年六月二十九日
和歌山県議会副議長 大 江 康 弘
和歌山県議会議長 馬 頭 哲 弥 殿
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○議長(馬頭哲弥君) お諮りいたします。大江康弘君の副議長辞職を許可することに賛成の諸君はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○議長(馬頭哲弥君) 起立全員であります。よって、大江康弘君の副議長の辞職を許可することに決定いたしました。
〔大江康弘君、発言の許可を求める〕
○議長(馬頭哲弥君) この際、大江康弘君から発言の許可を求められておりますので、許可いたします。
22番大江康弘君。
〔大江康弘君、登壇〕(拍手)
○大江康弘君 一言お礼を申し上げさせていただきたいと思います。
ただいまは、議員諸先輩の皆様方の温かいご高配によりまして辞職をお認めいただきましたこと、心からお礼を申し上げたいと思います。
昨年六月に皆様方に心温まるご選任を賜りまして以来、今日まで、馬頭議長には非常に頼りない女房役としてご迷惑をかけてきたわけでありますが、諸先輩の皆さん、また仮谷知事さんを初め県ご当局の皆さん方、そして県民の皆様方の温かいご指導のもとに今日までその重責を果たさせていただきました。特に、この席をかりまして、自由民主党県議団の皆さんには心からお礼を申し上げたいと思います。
今後は、一議員として仮谷県政の発展のために、また和歌山県議会の発展のために微力を尽くしてまいりたいと思います。
この一年間、皆様方にお世話になりましたことを改めてお礼を申し上げまして、私の辞任のごあいさつにかえさせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
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○議長(馬頭哲弥君) 日程第二、議案第七十四号から議案第九十九号まで、並びに知事専決処分報告報第一号から報第六号までを一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第三、一般質問を行います。
6番木下秀男君。
〔木下秀男君、登壇〕(拍手)
○木下秀男君 平成五年六月議会、一般質問の機会を与えていただきましたことに感謝申し上げます。
日本は、今二つの熱い戦いが繰り広げられております。いずれも、四日の日曜日に開始された衆議院議員選挙と大相撲名古屋場所でございます。
大相撲は、二子山部屋とハワイ組の男の戦いであります。衆議院議員選挙は、うそつき解散により行われているものでございまして、私はこのたびの選挙を「政界再編政治浄化選挙」と位置づけてございます。三十八年間続いた自民党が分裂し、一党支配が終えんを迎え、既成政党に少数新党を加え、二十一世紀型の方向づけをする選挙とも言えると思います。かつては保守の金城湯池と言われた和歌山県も、今の選挙は新党さきがけ以外の各党が候補者を擁立し、激戦に突入したところでございます。
今、この政情について、知事のご所見をお伺いできれば幸いでございます。
それでは、通告に従いまして質問に入ります。
まず、今議会に上程された補正予算について質問を行います。
我が国経済はバブル崩壊後の長期不況が続き、去る二月議会においてもその対策等についてお伺いしたところでございますが、自後、連日にわたり新聞紙上で、企業倒産、雇用調整、新卒者の採用制限、企業リストラ等、苦悩する企業の実態や生き残りのための対策や努力が報じられております。
政府においては、こうした局面を打開するために、平成四年三月、同年八月、さらに今年四月に、十三兆円を上回る史上最大の新総合経済対策を策定されました。この対策の中で、公共事業の施行促進、公共投資の追加、金融と税制対策、雇用対策、輸入促進など、文字どおりの総合対策が講じられ、直ちに実行に移されたことは既にご承知のとおりでございます。
こうした対策の成果もあって、今日現在、景気動向にやや明るさが見え始め、先月十日、経済企画庁が景気は転換期を迎えて拡大局面に入ったとするいわゆる底入れ宣言を発表いたしました。もちろん、消費や設備投資の低迷、為替や政局の動向など警戒要因の存在することも否定するものではございませんが、私は政府の策定した新総合経済対策が徐々に浸透し、経済企画庁の底入れ宣言どおりに景気が着実に回復へと向かっていると確信するものでございます。
景気浮揚に対する私の一般的な認識を前提に、具体的に質問をいたします。
知事の提案理由説明によりますと、総合経済対策を受けた国の補正予算に対応した補正とあります。国の対策はひとり国のみで行うものではなく、国と地方公共団体が一体となって推進すべきものであることは論をまたないところでありますが、聞くところによりますと、地方公共団体の中には六月補正を先送りして九月以降で対応するところもあるということでございます。本県においても、過去、突発的要因による小規模な六月補正はありましたけれども、本補正予算のような大規模な補正は仮谷県政始まって以来のことであります。
そこでお尋ね申し上げますが、知事に、あえて異例とも言える六月補正予算を編成したその意図するところについて、まずお伺いするものでございます。
そして、本補正予算でどういった点を強調されたか、換言すれば予算編成での配慮や特色について、知事のお考えをお伺いするものでございます。
次に、予算の執行面についてお伺いいたします。
県においては、予算執行の円滑化を図るため、公共事業等の前倒し発注に努められているところでありますが、今日までの決算状況を見ると毎年多額の繰り越しが発生しております。私は、せっかくの予算が消化されずに繰り越されては予算本来の意味をなさないと思うのであります。特に、現下の景気状況から早急な予算執行が望まれるものであります。
そこで、本補正予算を含めて公共事業等の施行促進についていかに考えられているか、主管である土木部長にお尋ねいたします。
工事発注についてでございますが、今、大きな社会問題となっているゼネコンによる贈収賄事件に関連して、全国各地の自治体で指名停止の措置をとっておりますけれども、和歌山県としていかがされているか、今発注している企業があるのかどうか、あればどう対処するのか等も土木部長にお伺いするものでございます。
前段、景気動向について申し述べましたが、景気と県税の関係についてお伺いいたします。
提出されております専決処分報告によりますと、平成四年度の県税収入は九百七十五億円になるとのことでございますが、これは平成三年度の決算と比べて六十八億円、六・四%の減収であります。これは、景気状況が県税に厳しく反映した姿であると思うのであります。
そこで、平成五年度に計上された九百二十九億円の県税収入でありますが、景気は底を打ったということでありますから、私はこの当初予算額の確保はもちろん、若干の上積みも見込めるのではないかと思うのでありますが、県税についての見通しと見解についてお伺いするものでございます。
次に、県公営競技事務所不祥事件についてであります。
知事も冒頭の提案説明の中でご説明されましたが、今春四月、県公営競技事務所職員による業務上横領事件の報道は県下に電撃的に伝わり、県民一同のショックは言いあらわせないものであったと思います。県民の公僕として和歌山県の発展と県民の福祉向上に献身的な努力をしている五千有余名の優秀な職員の中からかような不祥事を引き起こしたことは返す返すも残念至極であり、知事を初め県職員の心中、察するに余りあります。調査が進展するにつれ、事件の大胆な手口と二億円をも超す横領金額からも、和歌山県政始まって以来の不名誉な事件と思うものであります。
去る五月の県議会各派代表者会議に、県当局から事件発生と途中経過報告を受けたところであります。今回の事件が明るみに出たきっかけは、四月一日付の定期人事異動の辞令交付欠席によることから発覚したということでありますが、人事異動の対象になっていなかったならまだまだ横領が続いていただろうと思うとき、ぞっとするものであります。この事件は、県職員に対する県民の信頼を根底から失墜するものであり、徹底究明し、根絶しなければならない事象であります。
上司は「仕事ぶりはよくでき、信頼していた」、同僚は「まじめだった」、このような評価でありますが、二人は大変なギャンブルマンだったことも判明しております。チェック体制のずさんや、同職に六年も七年も配置していたことや、退庁後の日常の生活状態を把握していなかったこと等が原因とも言われてございます。
この事件が発覚した直後のある報道記事に、次のような文が掲載されておりました。「県公営競技事務所幹部らが、平成二年度から三年間に二億一千六百万円も横領していた事件が表面化した。上司の管理責任を問う声が出ていたが、監査委員は何をしていたのかと県民は不審に思っている」云々と出てございます。この記事を拝読して、議会から選出され監査委員を務めた一人として、この事件を契機に監査のあり方と監査委員の選任について検討を要することを痛感したものであります。
県当局は、着任早々の木村総務部長を委員長に原因究明と再発防止のため調査検討委員会を設置し、幅広く調査検討を重ねてその報告をまとめられたと聞いてございます。就任以来、まごころ県政一筋に和歌山県勢発展のためにその先頭に立って善政をしいてきた知事にとって、今回のこの二人によって引き起こされた事件は、親の心子知らずと申しましょうか、まさに晴天のへきれきであり、断腸の思いでありましょう。調査検討委員会の報告を受けられた今、知事の所見をお伺いするものであります。
不祥事の調査に当たられた商工労働部長に、その原因と今後の対応についてお伺いいたします。
また、調査検討委員会を設置してその委員長である総務部長に、その検討結果と具体的な再発防止対策等についてお伺いするものであります。
最後に、住友金属工業の西防埋立事業についてお伺いいたします。
私がこの埋立事業について質問するのは、確か四回目であると思います。埋立工期の延長問題や、一、二工区埋立完了地の一時利用──これは関空関連工事の件でございます──また、埋立地へ投棄する産業廃棄物の問題、そして埋め立て本来の公害防止沖出し移転等々について当局のお考えをただしてまいりました。この間、二回埋め立ての現地も視察したところでございます。また、本埋め立てに関する以前の、昭和四十五、六年ごろの公害問題、そして昭和五十二、三年ごろの公有水面埋立申請時の県議会の状態等を精査いたしましたところ、実に五十回余の質疑が交わされ、いかに先輩諸兄が真剣に取り組んできたかを知り、感服したものでございます。さらに、その当時の先輩に直接ご意見をも拝聴いたしました。それほど私はこの埋立事業に関心を持っており、今もなお持ち続けておるのでございます。
当初の埋立計画から、諸般の事情──経済不況とか鉄鋼業界の需要の落ち込み等もございます──で埋立工事完了は平成八年八月と延長され、今日に至っておりますが、住友金属和歌山製鉄所が平成三年五月、西防埋立地への公害源施設の沖出しを中止したい旨を公表されたのでございます。と同時に、地元和歌山市は、この希望表明を支持するとともに、西防埋立地へのLNG火力発電所の誘致等を表明されたのであります。公表以来、企業側と隣接する地元住民との間で交渉が持たれていることを仄聞いたしてございます。二年余りの歳月が過ぎましたが、この間、特段の状況変化はなかったものと認識しておりますけれども、本問題について免許権者である知事の現時点での基本的なお考えをお伺いしたいと思います。
本西防埋立地の問題については、極めて遺憾なことではありますが、鉄鋼生産をめぐる大幅な情勢の変化や環境対策技術の急速な進歩に端を発するものであり、加えて公有水面埋立法上も制度的には許容されているところであり、やむを得ない側面もあるものと思考するものであります。しかしながら、埋立工事中に根本的な変更が取りざたされるのは全国的にも初めてのケースであり、この埋立地が和歌山県域の特定重要港湾である和歌山下津港の発展を図る上で極めて重要な役割を果たす土地となり得ること、さらにはこの埋立地が紀北地域で唯一の廃棄物処分場として機能していること等を勘案すると、一面的な観点から軽々に論じるのは適当でないと言わざるを得ないのであります。
そこで、本問題についての担当である土木部長に、埋立法上の現状の位置づけと、県としての当面の対処方針についてお伺いいたしたいと思います。
以上で、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
○議長(馬頭哲弥君) ただいまの木下秀男君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事仮谷志良君。
〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 木下議員にお答え申し上げます。
まず第一点、現在、総選挙最中でございます。政情についてどう考えるかということでございます。
お話ございましたように、首相の不信任案可決に基づいて議会は解散されたわけでございまして、今戦っておる選挙戦は、戦後かつてない、政治改革中心に行われる選挙であると思っております。
世の中は揺れ動いておりまして、国際的に見ましても東西冷戦が終結いたしました。そしてまた、国内の問題として佐川問題等がございました。そうしたものが遠因となりまして、政治改革に対する国民の願望が非常に強いわけでございますし、そしてまた国民の政治に対する不信も高まっております。こうした中で今選挙が戦われておるわけでございますけれども、本日の新聞を見ましても、三塚会長が、過半数は難しい、二百三十が目標だということを言っておりますが、それは別といたしまして、一党独裁という問題がいけるかどうかという問題も、私は現在の(「一党独裁とは何か」と呼ぶ者あり)──一党独裁支配ということが難しいんじゃないかということが言われておるわけでございます。
しかし、自由民主党を三木武吉さんがつくった当時の本等を私も読んだわけでございますけれども、その昔の時代と同じ産みの悩みの時代ではないかとも思っております。国民の審判が終わった段階において、諸問題に対応する体制づくりをやっていただきたいと思っておるところでございます。
次に、今回の補正予算の基本的な考えと特色でございます。
当面の最大の課題である景気対策について、公共事業の上半期契約目標率を八○%としてその施行促進を図るなど、景気に十分配慮した本年度当初予算の円滑かつ着実な執行に努めております。
さきに国の予算が通過いたしまして補正予算が成立したわけでございまして、景気も一部に明るさが見え始めているわけでございます。景気の早期回復を図るために、この時期としては異例でございますけれども、公共事業等の追加を中心とした大型の補正予算を編成したものでございます。
今回の補正予算額は一般会計で百七十三億円余りとなっており、債務負担行為等も含めた全体の経済対策規模としては二百四十億円を上回る大規模なものとなっております。
具体的な内容としては、国道、県道等の道路網の整備で約三十六億円、港湾、空港の整備で約三十五億円など景気の早期回復に資すると期待するものや、世界リゾート博に向けて早期に対応が必要なものなど、本県にとって緊要度の高い事業について重点的に措置したところでございます。
次に、西防の埋め立ての問題でございます。
ご指摘のように、平成三年五月に住友金属から表明がなされたわけでございます。鉄鋼をめぐる大幅な情勢変化があるとはいえ、まことに遺憾であると考えております。この表明以来、二年余りの時間が経過したわけでございますけれども、この間、埋め立ての権利を有する住友金属において沖出し中止に関する地元のコンセンサスの形成、環境改善の方策、土地利用の内容など、その実現性について種々の検討作業が行われている段階であると思っておるところでございます。
県としては、そうした作業の推移を見ながら、適当な段階で行政としての立場から指導するなど適切に対応する必要があると考えておりますが、埋立法上では具体的な変更申請がなされた段階で審査し判断することとなっておるわけでございます。
次に、公営競技事務所の不祥事件についてでございます。
本会議の冒頭で申し上げたとおり、この事件の発生についてはまことに遺憾に存じ、深くおわび申し上げます。
この事件については、私自身も厳しく受けとめて、私自身を含めて事件の当事者並びに管理監督者に対して処分を行ったところでございます。また、今回の事件の原因等について幅広く検討を行い、具体的な事務の改善について着手しているところであります。
今後は、かかる事件が再び起こることのないよう、改めて職員の綱紀粛正を徹底するとともに、原点に立ち返って県民の県政に対する信頼回復に向けて、さらに一層の努力を続けてまいりたいと存じておるところでございます。
以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 土木部長山田 功君。
〔山田 功君、登壇〕
○土木部長(山田 功君) まず、補正予算に関連をして、公共事業の促進についてでございます。
公共事業は、社会資本整備の新たな展開もあり、年々ふえております。この公共事業促進については、用地専門職員の採用、測量設計の外部への委託、積算のオンラインシステム電算機器の活用、債務負担制度の活用等を行い、当初予算の上半期契約目標率八○%に向けて努力をしているところでございます。さらに今後、電算機器の増設、現場技術業務委託制度の活用、あるいは分割発注による工期短縮等を進め、繰越額が極力少なくなるよう適正な事業の執行に努めてまいります。
次に、仙台市長の贈収賄事件に絡むゼネコン四社に対する県の対応でございます。
六月三十日付で、この四社に対し三カ月の指名停止処分を行ったところでございます。今議会に、工事発注関係の知事専決処分報告が一件、及び工事変更契約について議決を求める案件が一件上程をされております。このうち、専決処分報告は南紀新空港建設関連の造成工事でございまして、この四社のうち西松建設を構成員とする共同企業体でございます。変更契約の締結については、国道改良工事の白馬トンネルに関係し、工事請負契約の変更でございまして、清水建設を構成員とする共同企業体でございます。また、既に契約をして工事施工中のもので、清水建設関係企業体が五件、西松建設関係企業体が二件ございます。既に契約をして工事施工中のものについては、今議会に提案している二件を含めて工事の施工を継続させることもやむを得ないものと考えております。今後三カ月間は県が発注する工事には指名をいたしませんので、この間に入札執行を予定している土木関係の大型工事は二件ほどございますが、当然これらの工事についてはこの四社は指名を受けることができないことになります。
次に、住友金属西防埋め立ての問題でございます。
まず、現状の埋立法上の位置づけでございます。
埋め立ての権利を有する住友金属が、埋立法上も許容されている埋立地の用途変更に関する希望を表明し、沖出し中止に関する地元のコンセンサスの形成、環境改善の方策、土地利用の内容など、その実行可能性に関する検討作業を実施している状況にあると認識しており、現時点においては当初の埋立免許の内容は有効なものと考えております。
次に、当面の対処方針でございます。
この西防埋立地については、紀北地域の諸活動を支えるとともに、今後の和歌山県あるいは和歌山下津港の発展を図る上で極めて重要な役割を果たす場所であると認識しております。議員ご指摘のとおり、一面的な面からのみ判断することは適切でないと考えます。埋立法上は具体的な変更申請がなされた段階で厳正に審査をし判断することになりますが、地元のコンセンサスの動向など、事態の推移を見きわめつつ適切に対応していく必要があると考えております。
○議長(馬頭哲弥君) 総務部長木村良樹君。
〔木村良樹君、登壇〕
○総務部長(木村良樹君) まず、平成五年度県税収入の見通しと見解についてでございます。
平成五年度の県税収入は、当初予算については景気の先行きが極めて不透明であり、特に法人二税で大幅な落ち込みが予測されることなどから、前年度当初比九二・四%、七十六億円減の九百二十九億円を計上したところでございます。本年五月末における実績では、自動車取得税等、一部の税目で当初見込みを下回るものもありますが、法人二税、自動車税を初め、県税全体としては当初予算で見込んだ程度で推移しているところでございます。
今後の見通しでございますが、ご指摘のとおり、景気が回復すれば増収も期待できるところでございますが、ただ税収を大きく左右する法人二税については三月決算法人が多く、また個人県民税については翌年度課税となっていることから本年度の税収に反映されにくいという事情もございます。
いずれにいたしましても、年度当初のことでもあり、確かな見通しを申し上げることはできませんが、当初予算額の確保に向け、賦課徴収両面にわたり一層努力を傾注してまいりたいと考えております。
次に、公営競技事務所不祥事件に係る原因究明と再発防止策についてのお尋ねでございます。
このたびの公営競技事務所に係る事件については、その重要性にかんがみまして、再発防止のため、直ちに職員に対し綱紀粛正の通達等を出すとともに、所属長並びに出納員に対する研修を行ったところでございます。また、その原因の究明と今後の対策について調査検討委員会を設置し検討を行ってきたところであり、先般、その結果を知事に対し報告したところでございます。
今回の事件は、多額の現金を取り扱う職場であるにもかかわらず、その管理やチェック体制等について怠りがあったことが直接の原因と考えられるため、報告書ではこれらの点の改善を中心にまとめておりますが、その主な事項を申し上げますと、次のとおりでございます。
事件発生の原因の一つとなった電話投票制度に係る資金前渡については、近畿自転車競技会との協議による制度改正によりこれを廃止するとともに、未払い金交換のための現金については残金を銀行に預け入れることといたしております。
また、人事管理上の問題については、現金を取り扱う職場、許認可事務に従事する職場、契約事務に従事する職場を中心に、同一職員が長期間勤務することのないよう適切な人事配置を行っていくなどとなっているところでございます。
さらに、資金前渡制度が規則本来の趣旨にのっとり運用されるよう周知徹底を図るとともに、県が出資金等を支出している団体に対しても財務管理に関するチェックを強化するなどでございます。
今後、再びこのような事件の起こることのないよう、この報告書の検討結果にのっとり、最善の努力を行っていく所存でございます。
以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 商工労働部長吉井清純君。
〔吉井清純君、登壇〕
○商工労働部長(吉井清純君) ご質問にお答えする前に、まず公営競技事務所を所管する部長といたしまして、このたびの同事務所職員の起こした不祥事件につきまして、まことに申しわけなく、議員の皆様方を初め県民の皆様方に、改めて深くおわびを申し上げます。
それでは、議員ご質問の事件の原因と今後の対応についてお答えをいたします。
まず、事件の原因でございますが、当事務所は常に多額の現金を取り扱うところであり、現金や通帳などを厳格にチェックする必要があったにもかかわらずそれを怠っていたことや、印鑑の管理保管について施錠せず、通帳の保管についてはすべて部下を信頼して任せきりになっていたことなどが主たる原因であります。
次に、今後の対応についてでございます。
既に、印鑑、通帳及び金庫のかぎについては出納員が厳重に管理し、金庫のかぎ番号も変更いたしております。特に現金については、毎日、日計表により照合の上、厳重にチェックし、定期的に現金検査を既に実施しているところでございます。また、職員に対して研修を実施し、職務の重要性を認識させるとともに、自覚を高めるように努めているところでございますが、調査検討委員会においてもご指摘のありました電話投票制度の改善、現金の銀行への預け入れについても既に協議を終え、いずれも八月から実施することといたしてございます。今後、このようなことが再び起こらないように、なお一層の努力をいたす所存でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
6番木下秀男君。
○木下秀男君 ご丁寧な答弁をいただきましたので、要望として申し上げます。
特に土木部長さんに申し上げますが、仕事があれば不平不満はないのでございますけれども、いつも仕事がないという不平の声が聞こえるのが主として土木に携わる建設業者等でございます。今の状態から見ると、そのような言葉が出ないほど事業量があるかと思いますが、どうしても年度末に一括して発注することが間々ございますので、質問の中でも申し上げましたけれども、できるだけ前倒しというか早い機会に、年内に消化できるように、年内に完工できるような発注をしていただくように、関係の職員を督励して補正予算をも含めた予算消化に努めていただきますようにお願い申し上げて、質問を終わります。
要望でございます。
○議長(馬頭哲弥君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で木下秀男君の質問が終了いたしました。