平成4年2月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(全文)
県議会の活動
議 事 日 程 第五号 平成四年三月十三日(金曜日)
午前十時開議
第一 議案第八十二号及び議案第八十三号(知事説明・質疑)
第二 議案第一号から議案第八十一号まで(質疑)
第三 一般質問
会議に付した事件
一 議案第八十二号及び議案第八十三号(知事説明・質疑)
二 議案第一号から議案第八十一号まで(質疑)
三 一般質問
出 席 議 員(四十二人)
1 番 尾 崎 要 二
2 番 中 村 裕 一
3 番 下 川 俊 樹
4 番 石 田 真 敏
5 番 中 村 隆 行
6 番 木 下 秀 男
7 番 岡 本 保
8 番 藁 科 義 清
9 番 北 村 翼
10 番 小 川 武
11 番 上野山 親 主
12 番 井 出 益 弘
13 番 町 田 亘
14 番 尾 崎 吉 弘
15 番 門 三佐博
17 番 高 瀬 勝 助
19 番 和 田 正 一
21 番 平 越 孝 哉
22 番 大 江 康 弘
23 番 岸 本 光 造
24 番 山 本 一
25 番 吉 井 和 視
26 番 浜 田 真 輔
28 番 宇治田 栄 蔵
29 番 富 田 豊
30 番 中 村 利 男
31 番 馬 頭 哲 弥
32 番 宗 正 彦
33 番 鶴 田 至 弘
34 番 上 野 哲 弘
35 番 村 岡 キミ子
36 番 松 本 貞 次
37 番 木 下 義 夫
38 番 和 田 正 人
39 番 中 西 雄 幸
40 番 橋 本 進
41 番 野見山 海
42 番 森 正 樹
43 番 浜 本 収
44 番 新 田 和 弘
45 番 浜 口 矩 一
46 番 森 本 明 雄
欠 席 議 員(五人)
16 番 西 本 長 浩
18 番 冨 安 民 浩
20 番 阪 部 菊 雄
27 番 堀 本 隆 男
47 番 山 崎 幹 雄
説明のため出席した者
知 事 仮 谷 志 良
副知事 西 口 勇
出納長 梅 田 善 彦
知事公室長 市 川 龍 雄
総務部長 山 中 昭 栄
企画部長 川 端 秀 和
民生部長 吉 井 清 純
保健環境部長 遠 藤 明
商工労働部長 中 西 伸 雄
農林水産部長 若 林 弘 澄
土木部長 山 田 功
企業局長 高 瀬 芳 彦
以下各部次長・財政課長
教育委員会委員長
岩 崎 正 夫
教育長 西 川 時千代
以下教育次長
公安委員会委員長
玉 置 英 夫
警察本部長 中 長 昌 一
以下各部長
人事委員会委員長
水 谷 舜 介
人事委員会事務局長
代表監査委員 宮 本 政 昭
監査委員事務局長
選挙管理委員会委員長
稲 住 義 之
選挙管理委員会書記長
地方労働委員会事務局長
職務のため出席した事務局職員
事務局長 倉 本 辰 美
議事課長 中 西 俊 二
議事課副課長 松 田 捷 穂
議事班長 松 谷 秋 男
議事課主事 古 井 美 次
議事課主事 松 本 浩 典
総務課長 田 上 貞 夫
調査課長 大 畑 巌
(速記担当者)
議事課主査 吉 川 欽 二
議事課速記技師 鎌 田 繁
議事課速記技師 中 尾 祐 一
議事課速記技師 保 田 良 春
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午前十時四分開議
○議長(山本 一君) これより本日の会議を開きます。
○議長(山本 一君) この際、報告いたします。
知事から議案の追加提出がありました。
職員に公文を朗読させます。
〔職員朗読〕
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財第319号
平成4年3月13日
和歌山県議会議長 山 本 一 殿
和歌山県知事 仮 谷 志 良
和歌山県議会平成4年2月定例会追加議案の提出について
地方自治法第96条の規定に基づく議決事件について、次のとおり議案を提出します。
記
議案第82号 平成3年度和歌山県用地取得事業特別会計補正予算
議案第83号 財産の取得について
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○議長(山本 一君) 日程第一、ただいま報告いたしました議案第八十二号及び議案第八十三号を一括して議題といたします。
議案はお手元に配付しておりますので、まず知事の説明を求めます。
知事仮谷志良君。
〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) ただいま上程されました議案につきまして、ご説明申し上げます。
今回追加提案いたしました議案第八十二号は、和歌山操車場駅跡地の一部を購入するため平成三年度用地取得事業特別会計に所要の補正予算を計上するものであり、議案第八十三号は、その財産の取得について議決をお願いするものであります。
何とぞ、ご審議の上、ご賛同賜りますようお願い申し上げます。
○議長(山本 一君) 以上で、知事の説明が終わりました。
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○議長(山本 一君) 次に日程第二、議案第一号から議案第八十一号までをあわせ一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第三、一般質問を行います。
36番松本貞次君。
〔松本貞次君、登壇〕(拍手)
○松本貞次君 皆さん、おはようございます。
知事、まず、きょうの誕生日おめでとうございます。きょうは、仮谷知事がお生まれになられた日だそうでございます。その日に質問できますことを心より光栄に思っております。また、冒頭にいい回答を得られますよう心からお願いを申し上げまして、質問をさせていただきます。
まず、同和行政について質問をいたします。
現行法「地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律」が施行された五年前、これで同和の特別立法は終わり、あとは自治体の一般対策へ移行とされた。しかし、同和対策事業に関し、事実上、現行法どおり五年続くこととなった。
「地域改善対策は永続的に講じられるべき性格のものではなく、事業の迅速な実施によってできる限り早期に目的を達成すること」「就労対策、産業の振興、教育、啓発等、非物的な面においてもなお今後とも努力を続けていかなければならず、これらのことから直ちに一般行政へ全面的に移行することは適当ではなく現実的でもない」とし、ついに「現行法制定の趣旨を踏まえつつ、法的措置を含め適切な措置を検討する必要がある」ということに到達した。昨年十二月十一日、地域改善対策協議会総会において意見具申を決定、岩崎純三総務庁長官に手渡された。
さらに重要なことは、「これまでの地域改善対策の効果を測定し、同和地区の実態や国民の意識等について把握することが重要である」と明記、実態調査を行うこととしたところであります。
同和対策は、昭和四十四年から計四度の特別立法で二十三年間進めてきた。実態調査も、昭和五十年と六十年に行ってきており、今しかるべき時期に全国的規模の調査が必要であるとしたことは、部落の完全解放に向けて総合的かつ抜本的施策のための基礎を明確にすると位置づけたところであります。
もう一点は、「これらのこと(実態調査の内容、調査結果の客観性を保障できる実施体制)や今後の地域改善対策のあり方について審議する機関が引き続き必要であると考える」としたところが挙げられます。審議機関の設置を明記しているわけであります。
協議する機関は、同和対策協議会や地域改善対策協議会を見てもおおむね政策方針の枠内での議論にとどまるが、審議する機関はそのハードルを越えたものであることは、各種審議会を見れば明らかであります。
地対協の委員二十名のうち十名は政府の事務次官。仮谷知事の孤軍奮闘、県民の声を、部落大衆の願いを一人で背負って頑張っていただきました。今まさに痛感するところでございます。一般行政への円滑な移行、最後の法という路線のしがらみから、県民の声を、部落大衆の願いを代表して、地対協の委員として、「今、同和対策事業を打ち切ることは我が和歌山県においては許すことはできません」と声を大にして仮谷知事が発言された。大きな役割を果たしていただきました。心より仮谷知事にお礼を申し上げます。
また、参議院の前田勲男先生、橋本進委員長を先頭に県議会の皆さんには数度となく熱心に上京され、陳情を重ねていただきました。そのことがあったればこそ、今日の実のある地対協の意見具申だったと言えます。我が和歌山県が果たした役割は大であります。全国の兄弟に成りかわり、仮谷知事、県議会の皆様に心より厚くお礼を申し上げます。
お礼を申し上げて、ここで終わればいいわけですが、そうはまいりません。少し知事に質問をいたします。
「法的措置が必要」「実態調査を行う」「審議機関の設置」、このように意見具申が出されました。それを受けて前田勲男先生にも大いに頑張っていただき、政府の大綱が出され、二月十四日、政府閣議決定をされ、五年の延長が決まったと聞きます。
だが内容は、若干私には不十分なところがあります。二月十四日の閣議決定は地対財特法の単純延長のみと聞くわけでございます。実態調査の問題、審議機関設置の問題が置き去りになっているように聞くわけですが、意見具申を出された地対協の委員として知事はどのように考えておられるのか、お聞きをしたいと思います。
また、三月三十一日、法制定までに実態調査、審議機関の設置等について再度のご苦労をお願いしたいと思いますが、いかがなものでしょうか。
先般、三月二日、三日と京都に行ってまいりました。「人の世に熱あれ、人間に光あれ」と、大正十一年三月三日、京都の岡崎公会堂で全国水平社が創立されて、七十年を迎えた記念行事がありました。そこに参加することができました。
歴史は、過去を振り返るという意味を持ち、その過去は現在の時点から振り返り、現在の時点から振り返るということは、未来をどう切り開くかという観点から歴史を探るということであります。全国水平社の歴史と伝統は今日の運動にさん然と輝いており、水平社の思想は今日もなお我々の心をとらえ、複雑に展開される今日の社会運動の道を切り開いていく上で大変大きな理論的根拠となっています。
水平社の思想は、水平社宣言の中に多く見ることができます。私も部落問題に取り組む一人として、現在の同和行政のあり方、また頻繁に起きる差別事件の現状を見たとき、部落問題の原点、水平社創立の思想を今さらながらに再確認したところであります。
宣言の文章の中に、次のような言葉があります。「長い間虐められて来た兄弟よ、過去半世紀間に種々なる方法と、多くの人々とによってなされた吾等の為めの運動が、何等の有難い効果を齎らさなかった事実は、夫等のすべてが吾々によって、また他の人々によって毎に人間を冒涜されてゐた罰であったのだ」。差別に対して闘わなかったことを「罰」という言葉を使い、また「これ等の人間を勦るかの如き運動は、かえって多くの兄弟を堕落させた事を想へば、この際吾等の中より人間を尊敬する事によって自ら解放せんとする者の集團運動を起せるは、寧ろ必然である」、こう書かれております。
人間は、支配と被支配、差別と被差別という関係で存在すべきものではない、どこまでも尊敬されるべきもの、尊敬し合うべきもの、こういう生命のとうとさ、人間生存の尊厳性を水平社は高らかにうたっています。
差別と闘わないことの罰とは、当然のことながら、差別と闘うということになります。その闘い方は、差別を改めさすということであります。幾多の先輩が牢獄につながれ、官権に弾圧され、あるいはその日の生活に事欠くようなことがあっても、水平社の精神を持って犠牲を払いながら闘ってきた先輩の努力の成果が今日の国民的な運動の高まりとなったことを評価しなくてはなりません。
また、「人間を勦るかの如き運動は、かえって多くの兄弟を堕落させた事を想へば」との表現は、我々に対して単なるいたわりの言葉をかけてもらうようなことでこの運動を終結させるという気持ちは断じてありません、要するに、部落の完全解放を目指して、決して中途半端な気持ちではなく、どんなに苦しい状況があろうとも、強烈な人間的なエネルギーを持って部落の完全解放に向かわなくてはなりません、こう言っております。
もう一つは、こういう話もありました。明治維新は一八六八年です。その翌年、一八六九年に士農工商の身分制度が廃止になりました。だが、華族、士族、平民となったわけです。
明治四年八月二十八日、太政官布告六十一号の「穢多、非人の称を廃する」というおふれがありました。いわゆる身分解放令です。部落大衆は喜び、各部落で祝ったそうです。だが、そのとき、奈良県の御所のある村で農民が「穢多、非人の身分を廃止するのはまだ早過ぎる。五万日の日延べだ」と言ったそうです。これが俗にいう五万日の延期のデマです。
徳川幕府三百年、人間外の人間として疎外され、やっと明治維新、おくれはしたが、「新平民」という名がつこうが、人間として認めてもらえる、だが、また五万日の日延べとは──だれもが気の遠くなるような日数だったわけであります。
それでは、明治四年八月二十八日から五万日たったその日はいつか、暇な人もいて数えたそうであります。そうすると、西暦二〇〇八年七月二十日が五万日目の日になるそうでございます。五万日とは百三十七年になります。二〇〇八年七月二十日まであと何年か、今から十七年と数カ月しかないわけであります。そのことを考えると、五万日の日延べはデマではなく本当だったんかなと、今さらながらに考えさせられます。また、何としても真に部落の解放を一日も早く達成したいと考えます。
人間というものが平等を求めていく、自由を求めていくには、長い苦しい闘いに耐え抜いていかなければなりません。その耐え抜いていくことのみが新たな展望を切り開いていく道でありエネルギーであることを、この水平社七十年の歴史を見て感じました。
そこで、今まさに同和行政の完成に向かって大きな役割を持つ現状を見て、今何をしなければならないのか、今どの方向に向かって進むべきかを問うところであります。
知事には、大変なご苦労をかけました。またあと一歩、大変な役割を果たしていただきますよう心からお願いするところでございます。
そこで、具体的に二、三点、関係部長に質問をいたします。
まず一つは、さきにも述べましたように、我々は事業が目的ではありません。部落差別をなくしていただきたい、これが我々の目的であります。そのことを考えたとき、地対財特法五年の延長ですべての部落差別はなくなるのだろうか。だが、私も民生部長も、五年でなくす、差別を取り除いてみせる、その気持ちで頑張ることが私たちの役割だと思っております。
それでは、具体的にハード、ソフト両面がありますが、ハードの事業面を考えてみても、当初、我が県においては二百四十五億の残事業と言われておりました。昨年九月末、政府が事業省庁、農林、建設、厚生、自治省、文部省で再度の残事業調査をいたしました。三千八百八十五億だそうです。我が和歌山県は六百億弱の残事業があると言われておりますし、また県下の実態調査を進めるということになれば、必然的に事業もふえると考えます。五カ年で、三カ年で完全実施ができるのかどうか、民生部長のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
次に、特に住宅地区改良事業を二十三年間進めてきたが、今新たな問題が起きております。御坊市における島団地であります。住宅の老朽化が進み、スラム化の現状にあり、建てかえ事業約五十億と言われるがどう対応するのか。また、大型都市・和歌山市の残事業は二百億とも三百億とも言われるが、都市計画事業、街路事業とあわせて新たな計画の方向を示さなくてはならないと思うがどうか、土木部長の答弁をいただきたい。
意見具申にも出ている個人給付的事業の資格審査の徹底でありますが、今進めようとしている部内での見直しに関して、先般、私の方にも「運転免許を取るのに総合センターへ申し込みに行ったら、今年度から受付をしないと言う。先生なぜよ」という電話がありました。確かに、個人給付的事業の見直しは必要なことだと思いますが、ゼロか一〇〇かといったことではなく、血の通ったまごころ県政、年次計画をもって進めていけないのか。技能取得における県下の件数は年間三百五十件程度と聞きますが、ことしは半分に、また来年は一〇〇に、次は五〇にと、必要なものを見直す、それが必要と思いますし、また他の事業もそうした対応はできないのか。ゼロか一〇〇かでは余りにもと考えますが、どうですか。
次に、同和関係の就労については、労働力需給関係の逼迫に伴い、引き続き改善され、より安定した就労ができるよう、学力の向上、技能の習得等を推進していくことが重要である、また、同和関係者の就職の機会均等を確保するために、企業に対して応募者の適性と能力のみに基づく公正な採用、選考システムを確立するよう啓発指導に一層取り組んでいくことが大切、こう地対協意見具申で述べております。
同和対策が二十三年間過ぎた中、昭和六十三年度の実態調査の中にも、常時雇用労働者の県平均が六八・二%、地区では六二・五%、不安定就労者は県平均が八・二%、地区では一四・六%と、今もなお大きな格差があり、特に今日重要なソフト、就労、就職は安定した生活を営む上で大変重要なことであります。商工労働部長として早急に二十三年の総括と今後の方向を示していただきたい。
次に、地対協の意見具申の内容は、こういった積極面だけではなく否定面も多く見られるわけでございます。その根底では、融和思想を人権擁護行政で温存している部分も数多く見られ、同和対策審議会答申の指摘する「国の責務」「国民的課題」を棚に上げ、「同和関係者の自立向上の精神の涵養」と、部落責任論を主張しているところであります。
また、「公正中立」という言葉はよく使いますが、中立とはいかようにも解釈できる中立であって、公正中立を差別者に味方するための方便として利用されてはならないわけであります。
本年一月に「おかっぴき(目明かし)は悪がなり」「同和がおかっぴきをしていた」「女性はおどしとだましに弱い」など、部落や女性への偏見を書き連ねた手書きの差別ビラが福岡、大分、佐賀の各県で三千枚以上、団地や住宅の郵便受けに投げ入れられていた。差別ビラを配布したのは福岡県職員N(五十二歳)で、二月六日、明らかになったわけでございます。
福岡県では、昨年だけで講演、映画、ビデオなどを使い千三百五十七回、職員一人当たり平均一・六回の研修を行い、この職員も研修を受けていたそうであります。
また、本県においても、悪質な差別電話、差別落書きも多く発生しております。特に今日、有識者、住民の代表たる議会議員が「公的機関」「公正中立」に名をかりて部落差別を温存助長する発言が出ています。今まさに新たな対応をしなければならない現状であり、研修のあり方について、部落問題の本質を忘れた、同和対策事業の推進のみに走り部落問題の本質を理解さす初心を忘れた研修になっていないかと危惧するところです。県民啓発のあり方を考え、方向を示していただきたい。
また、大阪府では、昭和六十年三月二十七日、大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例が制定されました。我が和歌山県も研究されていると聞くが、どのような経過になっているのか、対応を示されたい。
最後に、同和行政を総括する意味で副知事に質問をしたいと思います。
昭和三十八年九月四日に、和歌山県同和総合対策協議会ができました。また昭和五十二年八月二十日に、和歌山県同和対策協議会が設置されております。この二つの団体は一つでございまして、名称の変更をしたそうです。
目的は、同和問題の早期かつ根本的解決を図るため、各部局に同和行政を明確に位置づけ、有機的かつ計画的に強力な実施を図るために必要な連絡調整を行うことを目的とすると書かれております。会長は副知事、委員は各部長で結成されているそうです。
今まさに同和行政が完成に向かって歩む中、大変重要な役割を持つ機関と考えます。県同和対策協議会として、各部局内の連絡調整、また六十二年の県同和対策総合推進計画の策定、今回の平成三年五月の協議会の報告書等、ときどきに重要な役割を果たし、県下五十市町村の手引となっていることも事実であります。
そこで、副知事、昭和六十二年の総合推進計画を出してから五年を経過いたしました。今まさに、和歌山県同和対策総合推進計画に基づく総括と方向が大変重要と考えます。平成三年五月の報告書は一定の総括と方向を示しておりますが、今また現状の変化があり、総括をしなければと考えます。決意をお示しいただきたい。
また、協議会の事務局は同和室であります。法的措置五年とした今日、なお早期に、よりきめ細かい県民のための対策が必要と考えます。本年当初予算の中にも、より充実した中核的民生部同和室の人材確保のための職員の十人増が織り込まれておらないが、副知事として、部落解放早期達成のための民生部同和室の充実についてご所見をお聞かせ願いたい。
次に、暴力団対策にかかわって県警の本部長に質問をいたします。
昨年の五月、暴力団対策法が成立いたしました。本年三月一日より暴力団対策法、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律が施行されました。
今、全国で約三千三百団体、約八万八千三百人の暴力団員がいると言われております。また、県下では五十九団体、七百六十人いるそうです。一昨年の六月、大阪でNTTの職員が、家を間違えて入ってきた暴力団員にけん銃で撃たれて死亡したという事件も我々の記憶に新しいところですし、また沖縄では暴力団の対立抗争で警察官が二人殉職された事件も心にとめるところです。
暴力団の対立抗争は、昭和六十年の山口組と一和会との大規模な対立抗争事件により、発生回数二百九十三回、死者三十二名、負傷者七十九名、発砲事件三百二十六件であります。五年経過した平成二年でも、対立抗争発生回数は百四十六回で、発砲事件も二百五十五件あります。また、この間、一般の人の巻き添え被害については十一件あり、うち死者三名を数えています。
すなわち、暴力団は、自己の目的達成のためには手段を選ばず、公然と凶悪な行為を繰り返し、いつ一般市民が巻き添えに遭うかもわからないという危険と隣り合わせで生活をしていると言っても過言ではありません。県内でも発砲事件も数回あったわけですし、実感として県民の生活の危険を感じるところであります。
もう一つは、最近の暴力団は民事介入暴力というのが非常にふえてきた。例えば、ばくちをしたり覚せい剤などを扱う。これらは県民がかかわりを持たなければ害がなかったわけですが、最近は一般の市民生活の中に土足でどかどかと入ってきてしまう。犯罪の一歩手前、グレーゾーンで資金かせぎをする民事介入暴力が非常にふえてきている。
こうした背景で今回の暴力団対策法が制定されたわけですが、この法律の内容は、一つは目的、二つは指定暴力団の指定、三つ目は暴力的要求行為の規制十一項、四つは対立抗争時の事務所の使用制限その他の規制、五つは暴力追放運動推進センターの設置等、五つの柱でつくられております。目的は、暴力団の根絶、暴力団の排除だと考えます。
そこで、本年三月一日、暴力団新法施行に向け、各報道はいろいろと我々に教えてくれました。「平成四年一月三十日、午後二時、東京赤坂の外堀通りにダークグレーや白のベンツが次々ととまった。高級外車の列は二重三重に膨れ上がり、パンチパーマや丸刈りで紺のスーツ姿、いかつい男たちが車からおり、無言で中華料理店に消えた」、これは暴力団の暴力団対策法の施行に備えた勉強会の一こまであります。テレビでも報道されました。
「新法は結社の自由など憲法違反」であるとか、また指定暴力団の適用範囲内に該当しないよう、組員の絶縁破門、組事務所を会社組織に変更、右翼など政治団体への偽装、日用品雑貨の協同組合設立など、あの手この手と手をかえ品をかえてきております。
そこで、県警も捜査二課内に六十人体制で暴力団取締特別対策本部を設置されたわけですが、三月一日より十日を経過いたしました。今日まで暴力団の検挙はあったのか、また現状はどうか、お答えを願いたいと思います。
次に、県内暴力団五十九団体の指定暴力団の指定はどのようになっているのか、彼らは法廷に持ち込む等とも言っているがそのようなこともあるのか、お答えを願いたいと思います。
また、県民が一番危惧するところは、県内の暴力団は現在五十九団体、組員七百六十人、うち九五%が山口組系と県警は現状を把握され、七百六十人の名前まで実態を把握されていると思います。だが、この新法施行によって暴力団が消えてしまう。地下に隠れる。アンタッチャブル。より陰険な凶悪な事件が起こりはしないか。今までは「何々組」と看板をかけ、「何々組の者だ」と言っていた暴力団が、日用雑貨店の店員、○○会社の社員となると、県警として実態をつかめるのかどうか。より県民は陰の暴力におびえる日々の生活になりはしないかと考えますが、どうか。
暴力団を根絶し排除する取り組みは、大変大切なことと考えます。だが、暴力団対策法ですべてとは考えられないと思います。警察は徹底して取り締まりを行うとともに、社会の中に深く根差す暴力団の存在とその活動に対して、暴力団を社会的に孤立化させ、彼らが社会の中に存在し得ない環境、条件づくりをしていくことが必要です。
そのためには、民間、自治体、警察が一体となって暴力団排除活動を通常的に展開されることが必要と思います。先般も和歌山県暴力追放運動推進センター準備会が発足し、官民一体となった暴力団追放運動を推進する団体が近々できると聞きますが、正直者がばかを見る、県民が正義をもって取り組んでも被害に遭う、そういうことのないようにしなくてはなりません。
そのためには、県下の各自治体、市や町や村で暴力追放運動推進センターを支える組織づくり、また、建設業界、不動産業界、経済界、商工会等あらゆる業界にも、そうした県民ぐるみの暴力団排除活動が今こそ必要と考えますが、県警としての取り組みの方向を聞かせていただきたい。
また、これは一番大切なことと思いますが、人材の確保であります。花火を上げたように、初めはいいが後になるとしりすぼみになりはしないか。六十人体制で対策本部を設置、知能、暴力、また特に今後多くなってくるであろう薬物捜査、これに精通した捜査員で組織し、資金源につながる犯罪を徹底的に検挙する、こう言われておりますが、いつまで続くのか。私は、根強く、また精通した捜査員がなければ、人材、人員がなければ真の暴力団追放にならないと思います。平成四年度の予算を見てもそんなに特出した人員確保になっていないと考えるが、県警本部長としてどう考えるのか、ご答弁をいただきたい。
以上をもって、第一回目の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○議長(山本 一君) ただいまの松本貞次君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事仮谷志良君。
〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 松本議員にお答え申し上げます。
地対協の意見具申の中で、地対財特法失効後の方策について、法的措置を含めた適切な措置、実態調査、審議機関の設置が必要であるとの三点が盛り込まれた。これについての知事の考え方はどうかということでございます。私は一応満足してございまして、今後の同和問題解決の三本柱であると考えているわけでございます。
今日の法改正に至ったのは、松本議員からも話ございましたように、県議会、特に同和対策特別委員会の皆さんのたび重なる行動、また前田議員には中央で頑張っていただくなど本県選出の国会議員の皆さんの努力によるものであり、今日の法改正に至った点で和歌山県の果たした役割は非常に大きいのではないかと思っているところでございます。
今後の取り組みについては、現在、国会において法改正の一部が審議されているところでございますけれども、調査の実施の問題、審議機関の設置等について今後とも積極的に努力してまいりたいと思っているところでございます。
○議長(山本 一君) 副知事西口 勇君。
〔西口 勇君、登壇〕
○副知事(西口 勇君) 同和対策協議会、いわゆる同対協の総括と方向についてでございます。
松本議員ご指摘のとおり、本県の同和問題の早期かつ根本的な解決を図るために必要な連絡調査を行う機関として、同和対策協議会を設置しているところでございます。
昭和六十二年に策定した同和対策総合推進計画の総括を含め、法制定後二十三年間の成果と課題の取りまとめをしているところでございます。このこととあわせ、今回の地対協の意見具申、あるいは国の実態調査の結果を見て、新たな視点に立って、同対協としても問題解決に向けて積極的に取り組んでまいります。
また事務局の体制については、諸情勢を勘案しながら適切に対応してまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。
以上であります。
○議長(山本 一君) 民生部長吉井清純君。
〔吉井清純君、登壇〕
○民生部長(吉井清純君) 残事業実施の見通しについてお答えをいたしたいと思います。
議員ご承知のとおり、現在提案されている法案の延長期間は五年となっておりますが、国の物的事業量調査による本県の残事業消化については、この期間を期待することなく進行管理を行い、一年でも早く完成できるよう一層の努力をいたす所存でございます。
なお、国の実態調査が行われた際には、県内の同和地区の現状や課題について十分な対応ができるよう努めていきたいと考えてございます。
次に、個人給付事業についてお答えをいたしたいと思います。
昭和六十一年に和歌山県における今後の同和対策に関する基本方針を定め、個人給付事業については住民の自立及び教育水準の促進に寄与するものに限ることとし、技能等修取得資金については就労対策として現在まで実施してきたところでございます。
今回の方針としては、各種学校等、就労に直接結びつき、かつ生活向上を図れるものについては引き続き対応し実施するものでありますので、ご理解をいただきたいと存じます。
次に、差別事件の取り組みについてお答えをいたします。
本県では、同和問題解決のため最も重要な課題として、そのときどきに応じた県民啓発や教育を推進してきたところでございます。特に、最近の国際、国内の人権思想の高まりの中で、平成元年に実施した県民意識調査の結果を見ましても、同和対策事業に対する県民の理解や人権意識の高揚が確かに見られるところでございます。
しかしながら、一方、同和対策事業の推進に伴って、ねたみ意識や理解不足のための問題発言、また議員ご指摘のような差別事件が本県においても発生していることは極めて遺憾であります。
したがって、今後とも、同和問題の正しい理解と認識をより深めていただくための県民啓発のあり方について、その内容や方法等に一層の工夫を凝らしてまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
○議長(山本 一君) 土木部長山田 功君。
〔山田 功君、登壇〕
○土木部長(山田 功君) お答えを申し上げます。
まず、御坊市島団地の環境整備については、重要な課題であり、ぜひ解決をしなければならないものと考えております。事業主体である御坊市において新たに島団地対策室を設置し、本格的に住環境整備等に取り組むことになっておりますので、県としてもこれらの推移を見守りながら対応してまいりたいと存じます。
次に、和歌山市における街路事業でございます。
和歌山市における地域改善対策事業としての街路事業は、県事業湊神前線、市事業本町和歌浦線の継続二路線がございます。これらの関連する公共施設事業の整備については、和歌山市とも連携しつつ、地元の皆様の協力を得て、今後五年以内に、それもできるだけ早く事業が完成するように努力をしてまいります。
以上でございます。
○議長(山本 一君) 総務部長山中昭栄君。
〔山中昭栄君、登壇〕
○総務部長(山中昭栄君) 差別事件の取り組みに関するご質問でございます。
まず県職員に対する同和研修については、これまで全職員を対象に同和特別研修を毎年実施しているほか、職員研修所における各種研修、各職場単位で実施をする職場研修等に同和問題を積極的に取り入れるなど、さまざまな機会をとらえてその充実に努めてきているところでございます。
特に同和特別研修については、本年度で十九回目となりますが、毎年、同和問題の基本についての理解、認識を深めるための研修、同和問題に対する行政の対応についての研修、具体的な事例による研修などを反復、継続して実施してきたところでございます。
今後とも、こうした研修がその場限りのものに終わっていないかどうかその効果を見きわめ、さらに議員ご指摘の点も踏まえながら、内容、方法等を検討し、同和問題の完全解決に向けて、県職員としての行政責務を自覚し県民の先頭に立って実践活動を推進していくため、さらに一層同和研修の充実に努めてまいりたいと考えております。
次に、興信所、探偵社による身元調査に対する条例による法的規制についてでございます。
昭和六十二年にプライバシー保護研究会を設置し、法的な側面からの問題点の整理を行ってきたところでございます。研究会では、部落差別は個人の尊厳を否定する悪質な行為であり、かかる部落差別につながるような身元調査は絶対に許されるべきではないという基本認識のもとに種々の検討を重ねられたところでございますが、条例による法的規制については、その地域的効力との関係等、法的には問題点があるという意見が出されております。こうしたことから、現在、興信所、探偵社等による部落差別につながるような悪質な身元調査をなくすための対応策について、県同和対策協議会の総合課題検討部会で協議を進めているところでございます。
また、差別につながるような興信所、探偵社等による身元調査をなくすためには、こうした仕事に携わっている人たちに高い人権意識を持ってもらうための啓発活動も大切であります。このため、これまでも実施した興信所、探偵社の方々を対象とした研修会を今月末にも実施することとしております。今後とも、粘り強い啓発活動を進めてまいりたいと考えております。
○議長(山本 一君) 商工労働部長中西伸雄君。
〔中西伸雄君、登壇〕
○商工労働部長(中西伸雄君) 就労対策の今日までの成果と今後の具体的な取り組みについてでございます。
同和問題を解決するためには地区住民の経済的基盤を確立することが重要であり、積極的に雇用対策を推進しているところであります。具体的には、企業内同和問題研修推進員の設置や職業安定所での啓発指導を行っているところでございます。また、教育関係と連携のもとに、新規学校卒業者の就職の促進に取り組んでございます。さらに、職業訓練、職場適応訓練の実施、同和担当職業相談員の設置、隣保館との連携による職業相談等を行ってございます。
こういった取り組みにより、地区生徒の大規模企業への就職率の向上や中高年齢者の雇用の促進が図られるなど、一定の成果があったと考えてございます。
しかしながら、議員ご指摘のとおり、県の平均から見て中高年齢者の不安定就労者の割合が高いなどの状況にかんがみ、今後についても地対協の意見具申、大綱並びに本県の地域性及び実情を勘案し、さらに地区住民の雇用の促進と職業の安定が図れるように努力してまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
○議長(山本 一君) 警察本部長中長昌一君。
〔中長昌一君、登壇〕
○警察本部長(中長昌一君) 暴力団の取り締まりに関するご質問にお答えを申し上げます。
まず、暴力団対策法が施行された本年三月一日以降における暴力団の検挙状況についてでありますが、警察本部内の六十名を含めた総勢三百二十名による特別体制により暴力団の取り締まりに努めているところであり、三月一日以降昨日までに、暴力団組長を含む合計十五名を入札妨害罪、恐喝罪、詐欺罪等により検挙しているところであります。
次に、指定暴力団の指定についてのご質問でありますが、まず全国警察を挙げて、いわゆる寡占化の著しい警察庁重点対象団体である山口組、稲川会及び住吉会の三団体を最重点として指定を行い、これにあわせて各都道府県において特に重要な団体として指定を急ぐ必要のある団体、京都の会津小鉄会、山口の合田一家、広島の共政会等でありますが、これらについて指定を進めることとしております。
また、重点対象三団体の傘下団体──当県の暴力団のほとんどは山口組の傘下団体でありますが──については、特に悪質なもので指定の必要性、緊急性の高いものについて逐次指定を進めることとしております。
また、暴力団を指定暴力団として指定をしようとする場合の手続についてでありますが、指定をしようとする公安委員会において対象暴力団に対する聴聞を行うとともに、国家公安委員会にその暴力団が指定暴力団の要件に該当することの確認を求めることとされております。そして、国家公安委員会が審査専門委員の意見を聞いた上で指定の要件に当たる旨を確認すれば、公安委員会において一定の事項を官報に公示して指定することとなるわけであります。
この指定に対しては、暴力団の側で不服があれば国家公安委員会に対する不服審査請求、さらには行政訴訟として裁判所へ指定の取り消しの訴えも起こすこともできることになりますが、指定の効力は、所定の手続にのっとって公安委員会が指定を公示したその時点で発生することになります。
次に暴力団の実態把握についてでありますが、法の施行に伴い、暴力団の中には、組事務所の看板の撤去はもとより、組事務所所在地において株式会社の設立登記等を行うなどのいわゆる偽装工作を行うものも出てきていることは事実でありまして、県警としても、現段階においてそのような事実を幾つか把握しております。今後とも、暴力団の偽装工作を確実に見抜くよう、暴力団の活動実態の掌握に努めてまいりたいと考えております。
また暴力団は、いかに地下への潜行を試みたとしても、資金獲得活動を行う過程において何らかの違法または不当な行為を行うものでありますから、県警としては、県民のご協力をいただきながら、暴力団の実態把握と違法、不当な活動に対する取り締まりを強力に進めてまいりたいと考えております。
次に、県民総ぐるみの暴力団排除活動に対する取り組みについてのご質問でありますが、ご指摘のとおり、暴力団を壊滅させるためには、徹底した取り締まりとともに県民総ぐるみの暴力団排除活動が活発に行われることがぜひとも必要でありまして、近々設立を予定されている財団法人和歌山県暴力団追放県民センターが民間の各種暴力団排除団体、県、市町村等の行政機関と連携をして、県民総ぐるみの暴力団排除活動の文字どおりセンターとなることを期待しております。
県警としても、この暴追センターを全面的に支援し、またセンターと連携しながら暴力団排除活動を進めてまいりたいと考えております。
とりわけ、ご指摘のように、このような活動における市町村レベルの暴排組織の役割には大変大きなものがあるわけでありまして、警察としても今後各市町村に対する働きかけを強めるなどしてまいりたいと考えております。
最後に人材確保に関するご質問についてでありますが、暴力団取り締まりの徹底を期すため、県警察としては、暴力団対策法の施行に合わせて暴力団犯罪捜査、薬物事犯捜査、知能犯捜査等に精通した捜査員等により構成した総員三百二十名の特別体制を編成し、粘り強い取り締まりと暴力団排除活動を推進している次第であります。
また、議員ご指摘のとおり、暴力団対策をさらに強力に推進していくためには人材の確保が重要であります。したがって、今後とも必要な要員を確保するため、その必要性等について、警察庁はもとより各方面に対してご理解をいただくよう粘り強く訴えてまいる所存であります。ご支援をお願いいたします。
以上でございます。
○議長(山本 一君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
36番松本貞次君。
○松本貞次君 一点だけ、県警の本部長に要望をしておきます。
今回の暴力団新法は、官民一体となった取り組みがまず重要であり、必要なことだと思います。県民は、今日まで、交通事故の示談、賛助金の要求、みかじめ料の要求、不動産業者の地上げ等々、大小にかかわらず被害を受けたわけであります。だが、警察は、刑法に基づく取り締まりしかできなかった。県民の訴えを、「事が起きれば」「事件が起きれば」という形でしか対応ができなかったわけであります。県民は、警察に対して、この暴力団対策において不信を抱いているということをまず県警は謙虚に受けとめなければならない、こう思うところであります。
今回の暴力団新法についても、県警の意気込みを見せなければ県民の理解は得られない、こう考えるところです。いわゆる県民センターに依存することなく、県警みずからが暴力団を根絶する、その姿勢を県民に示さなくては県民の理解と協力はあり得ないと思います。
そのためには、暴力団追放運動推進センターの役割は大でありますが、それを支える五十市町村の自治体すべてに、町民ぐるみの草の根のような、その町、その村で、小さなことにも対応できる暴力団排除活動が非常に大切であると考えます。早期に所管の署長に要請し、各団体、各首長に対しての積極的な働きかけを強く願うところでございます。
また、関西新空港に伴う国際化、交通事情の状況等々により警察官の業務は多忙だと思うわけでございます。現在の業務による県内の警察官の仕事ぶりは、県民こぞって敬意を表するところであります。県民の生命と財産を守るため、その務めを精いっぱい果たしております。
だが、今回の暴力団新法によって、新たな仕事、新たな業務が生まれたわけであります。本部長の言う三百二十名体制は、現状の警察の中での異動、配置になっているわけで、他の業務へのしわ寄せにしかすぎないと考えるところです。暴力団対策法の完全な遂行は人材、人員の確保なくしてあり得ないと考えますし、県警本部長として警視庁へ提言し、本県の警察官の定数改正をし、人員を増員することが肝要だと考えるところです。
新法ができ、新しい仕事に対応する人員確保、こうした姿勢を示せば、県警は真に暴力団の根絶に向かっている、本気やなと、一つのあらわれを見てそう県民が受けとめると考えるところです。ぜひ、本部長の熱意を期待して、強く要望して質問を終わらせていただきます。
○議長(山本 一君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で松本貞次君の質問が終了いたしました。
○議長(山本 一君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
17番高瀬勝助君。
〔高瀬勝助君、登壇〕(拍手)
○高瀬勝助君 ただいま、お許しを得まして登壇させていただきました。本日、先輩議員の皆様方の温かいご厚情を賜り、質問の機会を与えていただきましたことに厚く感謝申し上げますとともに、県議会壇上にお送りいただきました多くの皆様方に、この場をおかりいたしまして感謝申し上げます。
また、今、松本議員より言葉がありましたが、知事さんのお誕生日、改めておめでとうございます。
本日は議員として初めての質問でございますので、知事及びご当局の皆様には、よろしくご答弁いただきますことを冒頭にお願いいたしまして、これから三項目にわたって質問をさせていただきたいと存じます。通告に従いまして、順次、質問を進めさせていただきます。
まず第一点目は、スポーツ振興についてお伺いしたいと存じます。
先月、フランスのアルベールビルにおいて第十六回冬季オリンピック大会が開催され、国民の多くが深夜、早朝を問わずテレビに目を奪われ、日本選手団の活躍に思わず喝采、我を忘れて興奮したものであります。入賞者も多く、獲得したメダルの数は史上最高の七個にも達しました。
また、国内に目を向けてみますと、バレーボールはもとより、サッカーやラグビー、マラソン、あるいは間もなく開幕を告げるプロ野球等々、多くのスポーツに人気が高まり、新聞やテレビ、ラジオでも連日のように大きく報道されています。中でも、若貴兄弟に代表される大相撲は、今や空前のブームとさえ思われるほどの人気を博し、大阪場所はもちろん、四月一日に行われる和歌山巡業におきましても、その活躍を日本国じゅうの皆さんが期待しているところであります。
このように、スポーツは人々の生活に夢と希望を与え、豊かなものにしてくれるばかりでなく、みずからの実践意欲につながり、健康、体力の増進へと導くと同時に、二十一世紀を担う青少年に対してはかり知れぬ影響をもたらすものであります。
さて、本県においては、昭和四十六年の第二十六回黒潮国体開催以来、頂点が高く底辺の広いスポーツ県・和歌山としての各種のスポーツ施策が推進され、競技スポーツの面では国民体育大会において常に好成績をおさめ、また、オリンピック大会やアジア大会へ陸上、体操、レスリング、フェンシング、自転車等、多くの代表選手を送るなど、輝かしい成果を上げてまいりました。こうした県当局の姿勢に対しても敬意を表するものであります。
スポーツは、勝ったとか負けたとかいった勝敗すなわち結果にこだわることも大切でありますが、より高い水準の技能や記録に挑戦するため、みずからを厳しく律し、その目的に向かって日々努力する過程の中で、剛健な身体を形成するとともに、礼節、勇気、公正及び不屈の精神を体得させる最適の人間形成の場であり、こうして成長した若者は、活力ある地域社会をつくる上でまことに貴重な人材となり得るものであります。
しかしながら、黒潮国体後二十年が経過する中で、一昨年の福岡国体からやや成績が低下し、昨年の石川国体では四十二位という本県にしてはまことにもって不本意なものとなりました。各府県の総合的な競技力を得点で争う国民体育大会は、順位争いが熾烈であり、どの都道府県も大変な力の入れようであると聞いておりますが、私は今まさに飛躍発展を遂げようとしている本県を支えていく人的基盤としても、単に国体の順位が上がったとか下がったとかいうことではなく、全体的に競技水準が低下しつつある現状を憂うものであります。
こうした現状を打開するため、競技水準の向上対策経費いわゆる選手強化費につきましても、新年度の予算において配慮されているようであります。知事は、これまでにもあらゆる機会をとらえて人づくりの重要さを述べておられますが、以上申し上げましたスポーツを通じての人材育成、人的基盤の充実につきまして、県体育協会会長でもある知事に改めてその所見を賜りたいと存じます。
次に、生涯スポーツの問題であります。
これまでにも、市町村や郡単位においてさまざまな施策が実施され、県においても、県民総参加スポーツ大会、一昨年の全国スポレク祭を機に県民スポレク大会が開催されるなど、スポーツの普及にも随分と力を入れてこられましたが、高齢化社会を迎え、また労働時間の短縮が強く求められている社会情勢の変化に伴って、県民一人一人が健康で豊かな生活を享受できるようにするため、今後なお一層生涯スポーツの振興を図る必要があると考えるものでありますが、この点につきましても知事のご所見を賜りたいと存じます。
ところで、また国民の間に圧倒的な人気のある高校野球で、春の選抜に近畿七校の中で本県から南部高校と日高高校の両校が選ばれるという十年ぶりの大変うれしいニュースがあり、両校はもとより地元周辺は熱気に包まれ、活気がみなぎっているようであります。
かつて野球王国として全国に名をとどろかせた和歌山県勢の活躍が甲子園で見られなくなり、私もまことに残念に思っておりますが、こうした気持ちは県民だれしもが同じでございましょう。本県の野球人口や小中学生のレベルでは決して他府県に劣っていないと思われますが、高校段階になりますと上位進出ができなくなるその主な理由としましては、優秀な選手が県外に流出するのでもなく、県内各校へ分散してしまうのではないかとも聞くところでございます。
私は、野球に限らず、特色ある学校づくりを進める意味で、それぞれのスポーツの拠点校のようなものがあってもよいのではないか、そうして学校と地域が一体となって活力あふれるものにできないものかとも考えているものでございます。幸い、今回出場する両校はかなりの実力を持っておられると言われておりますので、本大会で立派な成績を上げていただくものと今から楽しみにしているところでございます。
また、冬場になりますと、毎週日曜日を中心にマラソンのテレビ放映があり、非常に人気があります。特に女子マラソンは大変なブームで、十一月の東京国際女子マラソン、一月の都道府県女子駅伝、大阪国際女子マラソン、二月の横浜国際女子駅伝、三月には名古屋国際女子マラソン等々、ビッグイベントがメジロ押しであります。本県でも、かつて住金化工チームを中心として一時期大いに活躍をしていただいたこともございましたが、現在はどうも低調な感じがいたします。
健康で活気あふれる人づくり、地域づくりには、民間企業のご協力もいただきながらスポーツ振興を図っていただきたいと存じます。こうしたスポーツの振興には、従来にも増して経費が必要になると考えられます。国においては、ソウルオリンピックでの惨敗を契機に、競技水準の一層の向上を図ることを主な目的として、政府出資二百五十億円と民間からの寄附金百億円を原資として、平成二年十二月、スポーツ振興基金が創設されたところです。
また、他府県でも、例えば福井県では昭和四十七年に基金額三億円、岡山県では平成元年に基金額十億円で、それぞれスポーツ振興基金を創設するなど、多くの都道府県において官民一体となったスポーツ振興基金が設けられていると聞いておりますが、その状況はいかがなものでございましょうか。また、本県でもそうしたスポーツ振興基金的な制度を創設するお考えがあるかどうか、教育長にお伺いいたします。
次に、和歌山市内の道路網整備についてお伺いいたします。
道路網の整備は、生活範囲を広くし、県民の経済活動や日常生活において必要不可欠なものであります。和歌山市の道路整備網のポイントは、南北は紀の川、東西はJRの踏切をいかに克服するかという点にかかっているとよく言われますが、私は均衡ある東部開発の促進という観点から、東西については湊神前線、南港山東線、南北については松島本渡線という和歌山市の三本の都市計画道路に絞り込んでご質問をしたいと存じます。
まず、湊神前線についてであります。
現在、県道秋月海南線から宮前地区のノーリツ鋼機の裏の区間まで完成しており、JRの踏切も高架で横断すると聞いております。この路線は市南部の東西幹線道路で、宮前地区にとっても非常に重要な道路でありますが、いまだに一方通行区間が残っており、朝夕の通勤・通学ラッシュでは非常に混雑するところであり、一刻も早い完成が望まれるところでございます。特に、国体道路から三菱電機を経て新堀橋に至る区間は、着工のめどが立っていないとも聞いております。
そこで、湊神前線の着工箇所の進捗状況及び新堀橋までの着工時期についてお答えをいただきたいと存じます。
次に、山東から中島、水軒を経て南港に至るいわゆる南港山東線についてでありますが、一部、移転問題等で難航しているようであります。早期の解決を望むものでありますが、この問題も含めて南港山東線の事業の進捗状態についてお答えいただきたいと存じます。
三点目は、和歌山市の都市計画道路である松島本渡線の問題についてであります。
この道路は、均衡ある東部開発にとっても重要であるばかりでなく、慢性的な渋滞が続いて硬化現象を起こしている南北の三路線、すなわち大浦街道、国道四十二号線、国体道路を補完する幹線道路となるものであります。計画決定は随分以前であったと思いますが、遅々として進んでおらないのが現状であります。
私は、都市計画道路がだめならば、海南市の都市計画道路である岡田大野中線も含め、将来、四十二号線のバイパスとするよう建設省等に働きかけていくべきではないかと考えているわけですけれども、このような点に関してもご所見を賜りたいと存じます。
以上、三点につきまして土木部長のご答弁をお願いいたします。
続きまして、観光地における受け入れ態勢の整備についてであります。
県観光課が発表した平成二年度観光客動態調査報告書によりますと、平成二年の県内観光客総数は二千六百九十四万人、対前年度比四・七%の増で過去最高の入り込みとなり、また宿泊客も六百四十一万人と、ここ十年では最高の数字となりました。
その要因は、全国的な観光動態が、余暇の増加に伴い、ワンシーズンに偏らず通年型になっている傾向を反映してか、全県的に春から夏にかけての入り込みが増加した、特に紀北部は大阪で開催された花と緑の博覧会のシャワー効果があったということでございます。私は、この数字を非常に喜ばしいものと受けとめる反面、果たして本県に来ていただいた観光客は気分よく過ごしてくれただろうかと懸念するものであります。
先輩議員諸兄からもご指摘がございましたように、関西国際空港の開港、世界リゾート博覧会の開催等を間近に控え、本県への訪問客が今後ますます増加し、また国際化もどんどん進んでいくことが予想されます。
また、今年度、県観光課では全国に和歌山を強くアピールするため、首都圏と関西圏においてテレビスポットを流す、いわゆる和歌山イメージアップ推進事業を実施し、その結果は皆様もご承知のとおり、大変な好評を博したわけでございます。殊さらに田舎を強調するような手法をとらず、非常にセンスのよいコマーシャルでした。
時代は和歌山の方向に向き始めた。しかしながら、和歌山の入り口まではいいけれども、一たん人が入ってきてからどうなのか。もう一度和歌山へ行ってみたいと思えるだろうか。つまり、県民全体が真心をもってお客様をお迎えするということが非常に大事である。そういった観点から、タクシーと旅館に焦点を当ててご質問したいと存じます。
見知らぬ土地を訪れて、私たちがまず最初に接するのがタクシーであります。タクシーの中で過ごすひとときの印象が即その土地全体の印象に結びついてしまうことはよくあることでございます。
統計によりますと、和歌山県内の認可タクシーは約二千二百台、従業員数は六十一年度の事業所統計で約三千人ということであります。稼働率を勘案して、毎日ほぼ一千四、五百台のタクシーが県内各地でお客様を乗せて走っているようでございます。このタクシー乗務員の皆さんの接し方いかんで、和歌山についての印象のかなりの部分が決まってしまうと言っても過言ではないと思います。
タクシー乗務員の接遇問題につきましては、その背景に業界の厳しい競争や労働者不足の問題があることは十分承知しているつもりですが、私は、例えば、さまざまな職場に女性の進出が目覚ましい昨今、女性のタクシードライバーをふやしたらソフトイメージでよいのではないかとも考えております。
ちなみに、本年二月末現在での和歌山県内の二種免許取得者二万二千七百五十八人中、女性は九十四人でございます。また、普通二種免許の取得者一万一千七百四十六人中、女性は七十二人で、全体の〇・六%と極めて低い数字であります。女性タクシードライバーをふやすということは一朝一夕にはいかないと思いますが、ここでは私の意見として参考までに述べさせていただきました。
そこで、和歌山へのリピーターを一人でも多くふやすために、どうすれば真心をもって本県へお迎えすることができるのか、観光振興の観点から商工労働部長のご答弁をお願いしたいと存じます。
次に、国際化に対応する観光地の外国人受け入れ態勢についてであります。
関西国際空港の開港や世界リゾート博覧会の開催などにより、今後、外国各地からさまざまな人々が来県されることが予想されます。平成二年度の県観光客動態調査報告書によりますと、和歌山県の主要観光地における外国人は、平成二年で一万七千四百三十二人とまだまだ小さい数字ではございますが、前年度と比較して一千七百二十四人、一一%の伸びとなっており、着実に外国人観光客がふえていることがうかがえるのであります。
この受け入れ態勢の整備につきましては、ソフト面、ハード面、いろいろな方策が考えられると思いますが、例えば、新和歌浦では経営者の皆さんが中心になって英会話の勉強会をされていると伺っております。旅館一軒に最低一人、少しでも英会話のできる方がおられたら随分と印象が違うと思うのであります。行政としても、民間のこのような働きに対して何らかの支援をする必要があるのではないかと考えております。
そこで、観光の国際化に伴う受け入れ態勢の整備について、行政としてどのようなお取り組みをしておられるのか、商工労働部長のご答弁をお願いしたいと存じます。
以上で、私の質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
○議長(山本 一君) ただいまの高瀬勝助君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事仮谷志良君。
〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 高瀬議員にお答え申し上げます。
スポーツ振興でございますけれども、スポーツは夢と希望を与えてくれるし、また体力の増進に、そしてまた人格、気力の形成に大いに役立つというお話でございまして、私も同感でございます。スポーツについては、県政の柱の中の一つである「心豊かな人づくり」を推進する上で最も重要な課題であると思ってございまして、そうした意味においてスポーツの振興に取り組んでいるところでございます。
生涯スポーツの問題がございましたけれども、これについては、さきに開催した第三回の全国スポレク祭を契機に盛り上がったように思います。そして、これをさらに盛り上がらせていかなければならないと考えますし、そこで開催されたニュースポーツ、老人スポーツ等について一層生活化を図り、また職域、地域を包んでのスポーツを進めてまいりたいと思います。また、心・技・体を高く問われる競技スポーツにおいても、なお一層努力してまいりたいと考えております。
話ございましたように、国体は各都道府県の競技水準のバロメーターでもあろうと思うんです。昨年の成績のお話がございましたけれども、ことしの山形の国体においては、なお一層──昨年はだめだったけれども、前々回までは非常にいいわけでございますので、立派な成績を残すようになお一層諸施策を推進してまいりたいと思っておるところでございまして、スポーツについての一層のご支援をお願い申し上げます。
○議長(山本 一君) 土木部長山田 功君。
〔山田 功君、登壇〕
○土木部長(山田 功君) 道路網の整備についてお答えを申し上げます。
湊神前線などの都市計画道路については、和歌山市の骨格を形成する重要路線ということで整備を進めております。
湊神前線については、杭ノ瀬から国体道路までの間について、昭和六十一年度に事業着手して、現在、用地買収を進めておりますが、今後、地権者のご協力を得ながら、早期完成を図ってまいりたいと考えております。また、国体道路から新堀橋までの間については、一部区間の早期事業着手に向けて平成三年度より調査測量を行っているところでございます。
次に、南港山東線の国体道路から県道和歌山海南線までの区間についてでございますが、用地買収を進めており、一部の未買収物件がございますが、これが解決し次第、早期に本体工事に着手をしてまいりたいと考えております。
松島本渡線でございますが、一部区間を和歌山市事業により着手しておりますが、今後、議員ご提案の趣旨も踏まえ、本路線を含む幹線道路網の整備の進め方ということで十分検討をさせていただきたいと思います。
お話のいずれの路線にしても、非常に長い延長の重要路線でございます。完成までにどうしても長期間を必要といたしますけれども、地元のご協力を得てその整備促進に努力してまいりたいと思っております。
以上でございます。
○議長(山本 一君) 商工労働部長中西伸雄君。
〔中西伸雄君、登壇〕
○商工労働部長(中西伸雄君) 観光地における受け入れ態勢の整備についてでございますが、まず、タクシーを含め、どうすれば真心をもって迎えられるかということでございます。
議員ご指摘のように、観光客を真心をもってお迎えすることは、観光にとって基本であると認識をしてございます。そのためには人材の育成が大変重要であると考え、本県を訪れた観光客に、和歌山に来てよかった、もう一度和歌山へ行ってみたいという気持ちを持っていただくために、まごころキャンペーンを従前より実施しております。また、県内各地域において、観光の中心となって活動していただく人材の育成のために、平成元年度から観光地づくり・人づくり塾を開催しているところでございます。
しかしながら、真心をもって本県へお迎えするには、観光に直接携わっておられる方々がみずから研さんし実践していただくことが必要であろうかと思いますし、また、県民一体となった協力が必要であると考えてございます。
今後とも、本県への窓口としてのタクシーの問題、また宿泊施設等の問題についても、関係団体や関係機関とも十分連携、協議しながら真心のこもった受け入れを進めてまいりたいと考えてございます。
次に、観光の国際化に伴いどのような取り組みをされているかというご質問でございますが、外国人観光客の受け入れについては、国際化を迎え、観光立県を目指す本県にとっても大変重要な課題であると認識してございます。県では、外国人観光客の方々のご利用いただくための英文パンフレットや英語、韓国語、中国語等による観光ビデオを制作し、広く活用しているところでございます。
なお、現在、田辺市、西牟婁郡が紀の国黒潮国際観光モデル地区として昭和六十二年に運輸省の指定を受け、英語で対応できる案内所の設置や英文併記の総合案内板の整備、国際観光セミナーの開催など、受け入れ態勢の整備に取り組んでいるところでございます。また、本年は国際観光モデル地区の全国大会を当地において開催することとなってございます。国際観光の認識を県民の皆さんにも持っていただくために、多くの方々に参加を呼びかけてまいりたいと考えてございます。
また、議員お話しのように、旅館の女性経営者により英会話の勉強に取り組んでいただいておりますが、こうした民間の積極的な活動は国際観光を推進する上においても大変歓迎すべきことと存じております。
今後も、外国人観光客の受け入れについては官民一体となった取り組みが必要でございますので、関係機関、関係団体とも協議をしながら進めてまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
○議長(山本 一君) 教育長西川時千代君。
〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) スポーツ振興基金の設置についてお答えいたします。
スポーツ振興基金の設置状況についてでございますが、全国で三十道府県に設置され、また六都県で検討されていると把握してございます。
これらの基金については、県と市町村、民間の三者協力による出資金と寄附金により構成され、この基金から生み出された果実が各府県の実態に即したスポーツ振興方策に生かされていると伺っております。
本県におけるこのような制度については、先般開催の県スポーツ振興審議会に二十一世紀を展望した本県のスポーツ振興方策について諮問しておりますので、この中でご協議をいただけることと思います。今後、そのご意見をも踏まえて検討してまいりたいと考えます。
以上でございます。
○議長(山本 一君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
17番高瀬勝助君。
○高瀬勝助君 今、教育長からスポーツ振興基金についてのご答弁をいただきましたが、和歌山県勢の活性化の中でのスポーツについて、知事さんからも温かいお言葉をちょうだいいたしましたので、どうか基金などを中心として、国体だけの選手育成じゃなくて、県民のそうした潤いの中で、できるだけ活力ある体力の強い子供たちが育ってもらいたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
それから、道路の方は、先ほどちょっと議場からも話がありましたとおり、用地買収というのは大変なようでございますけれども、第二阪和国道ができても、これも紀三井寺につながっていくというようなことで、JRの線路を挟んで東部はなかなか──それだけに西側は渋滞を起こしているのが現状でございます。何とか海南に、今の毛見トンネルだけじゃなく第二の、四十二号線につながっていく、海南を抜けて大野中あたりへの計画をできるだけ早期に実現していただきたい。関空を控えて紀の川沿いの皆さん方がそのまま海南に抜ける、また和歌山市内での用を足すための生活道路としても重要な拠点でございますので、鋭意よろしくお願いいたします。
それから、観光面で、真心ということで商工労働部長からご答弁をちょうだいしたわけですけれども、そうした真心をもって迎えることによって、「和歌山に住みたいな」「これだったら和歌山に住んでよかったな」というようなところまで持っていかないと、現在の和歌山県は人口的になかなか伸びません。百八万を出たり入ったりというような形でございますので、南紀方面の過疎化の問題も大変深刻なものがございますけれども、やはり多くの人に住んでもらって、その職場にいろんなものができてきてと、そうしたものがこれからの県勢浮上の大きな足がかりともなろうと思います。関空が来たけれども人口がふえないというようなことであれば決して満足するものではございませんので、その辺もひとつよろしくお願いをいたします。
同時に、これは石田議員からのお話でもございましたが、外国人用の案内板が少ないということです。東京へ行くと、ちゃんとそういうものがあるそうですけれども、関西へ来ると、もう大阪あたりでもほとんどない。和歌山に至っては、和歌山市におりてもそういうものが全然ない。今、田辺の方では、モデル事業で白浜を中心にあるということですけれども、関空を中心とすれば、和歌山市へまず入ってくる人が多うございますので、その辺──外国人に限らず、県内に来られる皆さんも観光名所を訪れるのに案内板の不評を聞くところですけれども、特にその意味を込めて、できるだけそういう面での配慮をこれから行政の中でしていただければと思っております。
いろいろ申し上げましたが、私の要望としてこれで締めくくらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(山本 一君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で高瀬勝助君の質問が終了いたしました。
これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
○議長(山本 一君) この際、暫時休憩いたします。
午前十一時四十五分休憩
──────────────────
午後一時三分再開
○副議長(平越孝哉君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○副議長(平越孝哉君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
45番浜口矩一君。
〔浜口矩一君、登壇〕(拍手)
○浜口矩一君 私は、昨年の九月議会の折、質問を林業問題一本に絞り、改正・成立を見た林野関係二法に関連して、本県林業の厳しいの一語に尽きる現状と課題について、森林法の一部改正に伴う県対応に関し具体的な問題点、要望等を披瀝して質問いたしました。
知事よりは、林野二法の改正による森林・林業活性化のための諸施策について、労働力問題を初めとして積極的に取り組む、また農林水産部長からは、放置森林の増加、間伐等の手入れ不足は県土保全に大きく影響との認識に立ち、新たに策定の林業整備事業計画などにより森林の整備を推進する、来るべき国産材時代に向けて、森林管理を最重点課題として民有林、国有林を一本化して流域単位に森林整備や生産流通、加工体制を推進する管理システムを構築するとともに、林業従事者の育成確保や就業条件の改善を図る、また労働力確保に関しては、雇用の一層の安定のため林業従事者福祉向上対策や三期活力山振事業で森林組合労働力確保対策をさらに充実する旨のご答弁をいただき、私、高く評価の旨申し上げますとともに、外材の大量輸入問題、市町村対策、労働力確保と福祉対策等についての具体的な対応策をご要望申し上げ、その後の推移、期待を寄せつつ注目してまいりました。
その後、日なお浅い今日の状況とは申せ、例えば古くから熊野材の名声で周知、木材王国を誇ってきた私どもの新宮・東牟婁地方の現状一つを見ましても、今春の植林面積は戦後のピーク時の五%にまで落ち込むのではないかと憂慮されているとのこと。ちなみに、東牟婁県事務所の調査では、今年二月半ばから三月中旬にかけての植林面積予想は百二十から百五十ヘクタール、それも一昨年の台風十五号による風倒木被害跡地の十五ないし十六ヘクタール増植を含めての見通しということでございます。
なお、ご参考までに数字を申し上げますが、戦後の昭和二十九年の植林面積は三千ヘクタール以上、その後、年ごとに低下して三十九年には千九百六十ヘクタール、それが平成三年には二百ヘクタール、本年はさらに減少し、中には放置山林も出始めている由。なお、植林には人工林伐採の跡に植林する再造林と雑木を切り開いて植林する拡大造林の二種類がありますが、現在ではそのほとんどが再造林であり、また年間植林の七〇ないし八〇%は補助造林で、放置山林地域は林道や作業道未整備のところの由、伺っております。
県当局では、戦後植林した木が伐採されると植林面積はやや増加すると見ていると聞いています。土地が肥えてかつ作業のしやすい地域では再造林も早いと思いますが、悪条件のところでは、先ほどの実例のとおり放置のおそれに加えて、森林組合の作業班一つを見ましても平均年齢は五十の半ばを超え、若者いわゆる後継者は探してもない現状であり、そのまま推移と考えた場合、作業に従事する人手を確保することが果たして可能かどうか。
現状は、山で働こうにも連続して働く仕事に恵まれず、やむなく転職、それゆえ、風倒木被害のような急を要する仕事が生じても早速の人手が確保でき得ないという悪循環に悩まされるという事例、何度か耳にしますし、山村の過疎化現象もマイナスし、後継者育成には抜本的な対策が必要なこと、ご承知の御事と存じます。
加えて、苗木づくり等に対する獣害例も現実に起こって対策を求められておりますし、厳しさはより一層深刻化している現状ですが、その一方で、これも新聞報道による一事例ですが、日本集成材工業協同組合と本県木材協同組合連合会が協力して、集成材の普及と啓発を目指し、紀の国会館を会場として大型木質研究会を開いた。
なお、この集成材は木質建築資材の中では最もすぐれた品質と性能を持っている部材として評価が高まっているということで、昨年、大阪の鶴見緑地で開かれた国際花と緑の博覧会のパビリオンにも大断面集成材が多量使用されたし、また日本最大規模の木造建築物とも言われる龍神村の村民体育館など、全国に誇れる建物にも使用されており、何よりもこの集成材は、幅や厚さ、長さなど、サイズが自由につくれ、長大材やアーチ材のような任意のデザインも可能とのこと、注目に値する取り組みであります。
加えて、質は異なりますが、これも龍神村森林組合が、労働力確保対策として公務員並みの待遇で林業作業員を募集しているとのこと。しかも、この取り組みは、年々山林労働者が減少傾向にある中で、この現状を何とかして打破しようと全国から働き手を募っているものであります。
これに対して、既に大阪、奈良、京都、岡山から募集内容の問い合わせがあり、出足は好調の模様。中には家を売って龍神村に住みたいと言った人もいるとか聞き及んでおり、将来展望に期待の思いで注目しておりますが、総体的な見方としては厳しさ依然の現状であり、そのような中で展望開拓を求めて、ある町では積極的な町対応のため森林交付金制度の創設実現を真剣に願っているとの事実もあえて申し上げ、ご検討を賜りたいと存じます。
なお、公益的機能や国際的な観点を含めての課題については十分ご認識の御事と思いますので省略させていただきますが、何と申しましても、その役割の多面性、重要性、しかも広範にわたっての課題ゆえ、新たに策定の森林整備事業計画に基づいての市町村当局を含めた森林整備協定、また施業代行問題等々、林業活性化のための県対応急務と考え、法改正後いまだ日浅しとは申せ、厳しさに苦慮の現状、加えて川上、川下を含めた取り組みの必要性つぶさに検討するとき、手をこまぬいて黙視するを許されない現状と考える一人ですが、どのようにお考えか、現状認識についてのご見解と今日まで取り組んでまいられた具体的な県対応、それに平成四年度県予算編成に関連しての具体的な施策、将来展望等についての知事並びに関係部長のご答弁をお願いいたします。
次に、県漁港管理条例の一部改正による遊漁船等の漁港施設使用料金徴収の件に関連して、私どもの地方における現状と改正実施後の見通し私案を述べ、問題点数点を提示して当局のご見解をお伺いいたします。
この改正は、クルージングや釣りをするプレジャーボートの急増による漁船とのトラブルを見かねた県当局が、その対応策として漁港で受け入れるプレジャーボートから停泊料金を徴収、その収入金を係留施設の充実に充てることを企画し、本定例議会に改正案を提出し、四月から実施の予定とのことですが、この制度は全国的にも珍しい上、長期間にわたる無断停泊による漁港占領や漁船の出入りに支障等のトラブルに悩んでいる他の自治体にも波及云々の新聞報道に接し、私どもの地方における遊漁船の現状等々とのかかわり、その他への影響等々を推測しつつ成り行きを注目している一人です。
申すまでもございませんが、漁港は漁業振興を目的として設置されています。しかしながら、それが遊漁船等に占領されても、漁船以外の船を規制する法律はなく、ために漁業者が迷惑をこうむっているケースの実在することは、以前私どもの党による漁民の方々対象のある地方における調査でも十分に承知していましたし、既に神奈川県でも一つの漁港に限定して同様の制度を設け試行の由伺っていますが、今回の本県条例改正措置は、県管理八漁港すべてが対象、加えて県内九十一港の漁港管理主体の市や町にも同様の規制対応の措置を働きかけている由伺い、漁港管理のより一層の適正化のための法的な措置を目指すという当初の目的が、果たして何らのトラブルもなく平穏裏に達成できるかと心配するの余り、私どもの地方の現状と予想される問題点を述べ、ご見解をお伺いいたします。
まず私どもの地方の実情ですが、一例を挙げますと、私の住んでいる宇久井では、遊漁船関係のもので「いなり会」を結成して、漁業組合、関係漁民と、漁港の施設利用はもちろん漁港出入りその他を事前に話し合い、了解を得て行動しています。なお、他地域、例えば新宮あたりから新たに参入の遊漁船主にもその旨を伝えて遵守を求めているだけでなく、浜掃除やその他の金銭的な協力等も含めて意思疎通を図りトラブル等の未然防止に努めておりますし、またお隣の勝浦漁港関係でも小型動力船組合を結成してトラブル防止、漁民との共存を心して図っていると聞いております。
もちろん、他の地域によってはトラブル発生、また漁船に迷惑の実例、一、二は承知しておりますが、だからといって全県一律に停泊料金を徴収、しかも船長八メートルで年間七万三千円の負担は、トラブル皆無の地域の者にとっては心理的には高額負担の感なきにしもあらず。それゆえ関係の人々から、なぜとの問い合わせ耳にする次第であります。
以上のような現況から、具体的な問題点として次の質問を提示し、ご見解をお伺いいたします。
まずその第一は、先ほど申し上げたとおり、地域によって千差万別とも申すべき県内の遊漁船をめぐる実態を十分調査検討された上の今回の措置かどうか。関連して、事前に関係者への協議をなされたのか、なされたのであれば、その審議等の内容を具体的にお示し願いたい。
第二点は、県管理でない一般漁港の管理主体は市や町の自治体と考えますが、準用を義務づけされるおつもりかどうか。
第三点は、収益金の処理について、半分は事務負担の地元漁協に、半分は積み立てて係留施設の充実にと伺っております。徴収に伴う点検を含めた事務その他のための人的要員が必要と考えられますが、どこがその事務を担当するのか。また、係留施設充実とは具体的に何を指すのか。例えば、係留岸壁を造成するとなると多額の費用を必要とすることが多いゆえ、短期間では不可能と考えますが、財源措置等も含めた対応と見通しについてお伺いいたします。
第四点として、料金を徴収されるとなると、漁港利用の権利を付与されたと考え、遊漁船の権利主張に道を開くことに通じかねないことも皆無とは言えません。結果的にトラブル解決をより至難にするおそれはないかどうか。特に、しけなどの場合の漁船避難措置を含めた非常の際の対応等について、不測の事態防止のための事前措置は可能かどうか、対応を含めたご見解をお伺いいたします。
最後に、リゾート、特に海洋リゾート構想との関係について。ヨット等は利用調整施設桟橋を造成し、これも係留料を徴収と伺います。それはよしとしても、利用客は雑多であり、レジャーの中には海釣りも相当数含まれ、その中には船持ちの例も何件かあることは過去の例に照らして否定はできないと考えますが、リゾート振興と地域共存の立場からどのようにお考えか、ご見解をお伺いいたします。
以上の五点について当局の事前の対応その他を含めた明快なご回答をお願いし、私の第一回の一般質問を終わらせていただきます。
ご清聴ありがとうございました。
○副議長(平越孝哉君) ただいまの浜口矩一君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事仮谷志良君。
〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 浜口議員にお答え申し上げます。
林業をめぐる厳しい現状認識についてでございますけれども、お話ございましたように、私も林業は非常に厳しいということを痛感しているわけでございます。しかしながら、まだ一般に、国民の皆さんが林業というものの厳しさについて認識が足らないのではないか、また、森林の受け持つ分野、環境問題が言われている現時点において、空気の問題、水の問題、治山治水上における大きな役割といったことについて、なお一層認識を深めていただくことが必要ではないかと思っております。
教科書においても、小学校の教科書には林業について書いていなかった。五十二年までは書いていたけれども、その後は書かれていなかったわけでございます。それが昨年、林業が掲載されることになった現状でございます。
また、雇用の問題も話ございましたけれども、やはり「ふるさとを愛するなら働け」ということだけでは若い者は残ってくれない。これをどうするかということも重大な課題でございまして、こうした面について憂慮しているわけでございます。
しかしながら、最近、いわゆる林野二法が改正され、昨年、国において投資規模三兆九千億円の林道、造林関係の公共事業五カ年計画が認められましたことは、基盤整備が急がれる本県にとって、今後の事業推進の上において明るい見通しが開けてきたと思っているところでございます。こうした中で、森林整備協定や施業代行制度等、市町村の役割を含め、広域的な観点に立って林業の活性化に取り組んでまいりたいと思っております。
○副議長(平越孝哉君) 農林水産部長若林弘澄君。
〔若林弘澄君、登壇〕
○農林水産部長(若林弘澄君) 林業活性化についてのご質問にお答えいたします。
まず、今日まで取り組んできた具体的な県の対応についてでございます。
林野二法の改正に基づいて今日まで取り組んできた具体的な施策でございますが、新しく策定した森林計画に基づき、国有林を含めた広域流域の中で、造林、間伐、林道等の森林整備を推進しているところでございます。
現在、計画区の一つに流域林業活性化センターを設置したところでございますが、これらを活用して森林施業の合理化、木材流通加工体系の整備を促進するとともに、林業労働力の広域流動化等に取り組んでいるところでございます。
また、法改正の中で市町村の役割強化が図られ、現在、森林施業の共同化、機械化、担い手の育成などを内容とした森林整備計画の策定を進めているところでございます。
次に、平成四年度の県の予算案に関連する具体的な活性化施策でございます。
改正森林法の施行に伴い、平成四年度は広域基幹林道の新規着工を含む林道網の早期整備や健全な森林の育成を図る間伐対策の強化など、森林整備をより一層推進していくこととしてございます。
また、新たに市町村森林整備計画の中で計画することとなった高性能林業機械の導入促進については、オペレーター等を養成する技術研修事業を実施するほか、福祉向上対策や就業改善を図る施設整備を進めるなど、林業従事者の育成・確保に努めることとしてございます。
さらに、流域林業活性化センターを具体的に推進するため、原木流通拠点施設の整備や木材の需要拡大対策を強化するとともに、県の試験研究機関の木材加工研究施設の充実を図るなど、総合的な施策の展開に努めるほか、林業の担い手である森林組合の育成と経営基盤を強化するため、地域の意向を踏まえながら合併の促進を図ってまいる所存でございます。
次に、今般ご審議をお願いしている漁港管理条例の一部を改正する条例案で、遊漁船等の漁港施設使用料金の徴収に関するご質問でございます。
この制度は、国民の生活水準の向上に伴う海洋レジャーブームに乗って急増する遊漁船等の漁港内における無秩序な係留や漁船とのトラブル等を避けるため、これらの利用の調整により漁港の有効な利用、機能の保持を図ることを目的としたものでございます。
以下、五点のご質問にお答えいたします。
まず第一点の実態調査については、県管理漁港内の遊漁船等の隻数、係留場所等の調査を行い、関係する漁業協同組合と十分協議を重ね、ご理解を得ながら進めてきたところでございます。なお、利用者に対しては、看板の設置、ビラの配布等により周知を図ってきたところでございます。
第二点の市や町の管理漁港については、当該市町の判断にゆだねられるもので県の制度の準用を義務づけるものではございませんが、本制度の趣旨をご理解いただけるよう努めているところでございます。
第三点の徴収料金の使途についてでありますが、その二分の一は遊漁船等の係留の見回り指導、料金の徴収等の業務、漁港内の清掃等の施設を保全する業務を漁業協同組合に委託することに伴う経費に充て、残りの二分の一を県において漁船の活動の支障にならない場所に、係船環、簡易な浮き桟橋、昇降はしご等の遊漁船のための施設を順次整備していく経費に充てることにしております。
第四点の、利用者の権利の主張及び異常気象時の対応についてでありますが、利用者に対しては、県漁港管理条例や漁港管理者の指示を遵守することのほか、万一第三者に損害を与えた場合や異常気象時の対応について、自己の責任で処理すること等を示した誓約書を使用届と同時に提出していただき、その履行を強く指導してまいりたいと考えてございます。
最後に海洋リゾート振興との関係でありますが、ご承知のように、漁港は水産業の振興のための拠点として整備されてきたものでありますが、時代の変遷とともに、その利用形態も変化してきております。このため、漁船の活動に支障のない範囲で遊漁船等との利用の調整を図っていくことが、海洋を生かしたレクリエーションとの調和につながっていくものと考えてございます。
以上でございます。
○副議長(平越孝哉君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
45番浜口矩一君。
○浜口矩一君 お許しいただきましたので、要望を含めて以下数点、再質問をいたしたいと思います。
まず、厳しさ依然の林業活性化問題について、現状認識と将来の見通しについてのご見解は、厳しさ依然の中で明るい一縷の望みというか、そういうようなものがほの見える現在の情景でございます。また、今後の対応の基本姿勢とも申すべき、積極的かつ広範な視点に立ったお取り組み、ご決意を含めた知事のご答弁、心から評価申し上げますとともに、今後の県対応を期待して注目いたしたいと思います。
また、農林水産部長からは、今日までの具体的な取り組みとして、間伐対策その他の活性化対策、また計画区──有田・日高地方と存じますが──の一つに流域林業活性化センターを設立し、それを拠点として、林業施業の合理化、木材流通加工体系の整備、林業労働力の広域流動化に取り組んでいるとのご答弁をいただきました。二法改正後、数カ月間の取り組みゆえ、一地区のみの対応、私はやむを得ないとは解しますが、他の地区も同様の緊急課題を抱えてございます。特に東・西牟婁地区は、産業の構成から見ても、林業活性化は地域経済を左右するとも言える重要な課題でございますし、ご承知の過疎問題もあり、緊急というより焦眉の課題であり、早急な取り組みが大切と存じます。
加えて、その取り組みの視点として、森林・林業関係者や市町村だけでなく製材や建築関係者など、先ほど申しました川上、川下を網羅してというのがそれでございますが、そういう協議組織が必要条件と存じます。その点も十分に対応していただいておる由伺い、評価いたしますとともに、一日も早い成果をご期待申し上げたいと思う次第でございます。
また、第二点の平成四年度予算に関連する具体的な施策について、広域幹線道路新規着工を含む林道の新設、間伐対策の強化、また市町村担当レベルの高性能機械導入対策、福祉向上や木材需要拡大、林業担い手対策、その他の対策を実施されるというご答弁を伺いました。そのいずれもが、重要な課題でございます。
だから、私が申し上げるのは、「所存」と言うだけでなしに、それが具体的な成果を上げられるよう一層精力的な対応を行い、関係者が「県がやってくれるんだから我々も頑張らなくちゃならん」と実感して心理的な支えになるようにと考えまして──そのことは当局も十分にご承知と存じますので、この点については要望にとどめ、今後の成り行きを見守りたいと存じます。
次に、遊漁船等の漁港施設使用料金徴収の条例改正問題でございます。
第一点の実態把握の件については、関係漁協と十分な協議を重ね、理解を得ながら進めてこられた、また利用者対策については、看板、ビラ等で周知を図ってきたということでございます。県営管理漁港については、この点一応認めるといたしましても、第二点の市や町管理漁港については、当該市町の判断にゆだねるとのご答弁でございますが、引き続いて本制度の趣旨を理解云々という言葉について、県と市町村との関係、立場の違いを考えましたときに、理解要請ということは即準用をという結果にならないかどうか。そういうようなことであっては大変だと思うんです。
だから、この理解を求めるときには市町村の主体性を尊重する慎重な配慮が何よりも求められると存じますが、この点は要望にとどめ、今後の推移を見守りたいと思います。
次に、徴収料金の使途でございます。
半額は業務委託の関係漁協の経費に、残りの半額は遊漁船のための施設整備に充当とのことですが、その施設整備の場所について、漁船の活動に支障のない場所とはいかなる場所を指すのか。現在使用している漁港以外に、言われるところの適当な場所があるのかどうか。県としては今まで十分にご検討なさってのことだろうと思いますので、この点についての具体的なお答えをお願い申し上げたいと思うんです。
加えて、その施設の例として係船環、浮き桟橋、昇降はしご等を挙げられていますが、これらの施設で十分用を足すとお考えかどうか。例えば、潮の満ち引きにしても大潮と小潮で大分違います。それから、思わざる波立ち、あるいはしけのときなどのような厳しい海の変化に対応して船の安全を守るに十分な施設──金を取る以上はその責任があると思うんですが、そういう施設とお考えかどうか。その点についてのご見解をお伺い申し上げたいと思います。
最後の、海洋リゾート振興とのかかわりでございます。
ご回答は、漁船の活動に支障のない範囲で遊漁船等との利用調整を図ることがレクリエーションとの調和につながるということでございますが、これは一般的な原則論を述べたにすぎないと思います。なぜ料金徴収が調和につながるのか、その根拠を具体例を挙げてご説明いただきたいと思います。
以上、三点について重ねてご質問申し上げて、ご回答をいただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
○副議長(平越孝哉君) 以上の再質問に関する当局の答弁を求めます。
農林水産部長若林弘澄君。
〔若林弘澄君、登壇〕
○農林水産部長(若林弘澄君) お答えいたします。
まず最初の施設整備については、漁船の活動の支障にならない場所に遊漁船等の利用しやすい施設、先ほども申し上げたような係船環、簡易な浮き桟橋、昇降はしごといったものを順次整備していくことにしております。
具体的な場所でございますが、それは県あるいは漁業協同組合、利用者の間で協議しながら決めてまいります。
それから、異常気象時の安全確保については、自己の責任で避難、陸揚げ等の措置をとってもらうことにしております。
それから、海洋レクリエーションとの調和についてでございますが、漁港の性格から、無制限に遊漁船等の利用を認めることはできないと思います。したがって、先ほど申し上げたように、漁船の活動に支障のない範囲で利用の調整を図りながら認めていこうというものでございます。また、そのために施設を整備し管理していくことが必要でありますので、徴収した料金をこれに充てることとしてございます。
以上でございます。
○副議長(平越孝哉君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
45番浜口矩一君。
○浜口矩一君 私が漁船の活動に支障のない場所があるのかとお尋ねしたのは、現実は、例えば東牟婁なんかの漁港を見ましても、もう漁船等でいっぱいなんです。しかも、万一の場合の避難港ということも考えておかなけりゃならない。
万一の場合は自分で遊漁船を陸揚げするというようなことも言われましたけれども、その陸揚げの場所についても、今の漁船は普通のところへは陸揚げできないんですよ。船台の上に船を乗せて動力によって引き揚げて別のところへ置くというような施設が要るんです。
そういう中で、私たちの宇久井では、まず最初に漁船を揚げる、引き続いていわゆる遊漁船なんだと。しかも、それまでの間は、なるべく波にかからない、波を防げるようなところへ遊漁船を持っていくと。こういうようなことで、「微に入り細にわたる」という言葉がございますが、それによく似たそういう取り決めを事前にしているわけなんです。
だから、頭の上で考えた対応というようなことでは、具体的に私が先ほども申し上げたような、「金まで取ってあるのに」というようなことが起こるのは必至だと思うんですよ。そういうようなことを十分考えた上で、ご対応をお願い申し上げたいと思います。
それから、これは再質問ではしなかったんですが、今のような再答弁ですので申し上げますけれども、事前に十分に協議したと言いますけれども、なかなかそういうようなものについては──例えば勝浦の漁港だと、漁業協同組合は漁港事務所があるのでそこに全部お任せするんだという形で、割合に人ごとというのではないですけれども、深刻にというか、具体的にどうなるだろうということが掘り下げて協議されておらないんじゃないかという心配もしますので、そういうような点も含め、今後、微に入り細に入りというか、もう欠けるところのないご対応なりご協議を特にお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
以上は、要望です。
○副議長(平越孝哉君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で浜口矩一君の質問が終了いたしました。
○副議長(平越孝哉君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
34番上野哲弘君。
〔上野哲弘君、登壇〕(拍手)
○上野哲弘君 通告に基づきまして、質問をいたしたいと思います。
まず第一点の、新宮港の第二期整備計画についてであります。
第二期の整備計画が、国、県、市による調査費の計上等、積極的に進められているところであります。今後いろいろと困難が予想されると感じましたので、その点、十分に把握していただきまして、実現に向けて一層の努力をお願いしたいところであります。
昨今、講演会または新聞紙上等で、これからますます日本は海の時代になる旨、提起されておりますが、まさしく狭い日本、もっと海を利用すべきであり、特に紀南はその歴史、地域性から、海すなわち港で活路を求めるべきではなかろうかと考えております。
古来、当圏域はその地形から神々の国として言い伝えられ、熊野の山々は山岳宗教の聖地として全国にその名を響かせ、中世以後は熊野三山を中心とする信仰の地として栄え、「アリの熊野もうで」と呼ばれるほどにぎわいを見せたところであります。近世以後も、木材の集散地として江戸との交易を拡大し発展したところでありますが、現在は、木材産業の衰退とともに経済基盤を失ってしまったところであります。
今、新宮港の整備計画が検討されている中で、当圏域の将来を託す意味で、港すなわち船に関する過去の事例を申し上げたいと存じます。
古くは、熊野水軍がありました。武力集団として日本の歴史に登場していることは、皆さんよくご存じのことと思います。さらに近世においては、木材及び木炭の輸送にその力を発揮いたしました。その代表が、江戸初期、堺の商人でありました成川屋佐兵衛という人でありました。余談でありますが、この人は小型の文左衛門と言われて派手な生活を送ったそうであります。彼は、熊野の木材に注目し、回船業者として大阪、京都に向けて縦横にその敏腕を振るっていたようであります。その持ち船は百数十隻もあったとされ、海運業として地域の発展に寄与したとなっております。
また、近代に移りますと、明治三十年ごろ、さきの新宮市長でありました杉本喜代松氏が台湾との木材取引を策し、明治後期から大正、昭和にかけて勝浦港が台湾に対する木材の最大移出港となり、活況を呈したところであります。
以上のような歴史的背景から、また現在、近海マグロの水揚げ額日本一でもある勝浦港のことを考えてみますと、夢をもう一度ではありませんが、今後、我が国において海上輸送、海上交通が、あるいは海洋レジャーがますます求められるとするならば、港湾整備は当圏域の重要課題になると考えられます。この件に関して県の見解を伺いたいと存じます。
次に、昭和五十六年、運輸省と和歌山県が、新宮モデル定住圏における地域資源活用のための港湾整備と題しまして、調査報告書が出されております。その中に方向づけがなされておりますので、その点について申し上げたいと思います。
「当圏域は、国土軸から遠く離れ、可住地面積が少なく、市場への近接性、安価な用地確保、高度に発達した交通条件等が求められる産業活動にとって不利な条件にある地域である。よって、圏域として、第二期埋め立てによる近代産業港湾の建設に対する需要が強く起こっており、早期実現が望まれる」とありますが、どのように考えておられるか、お伺いしたいと思います。
次に、「第一期埋め立ての実績からして、単に工場用地を造成しても企業の進出が早急に進むとは考えられない。そのため、地域に密着した産業を育成し、その発展振興を図っていく方がより現実的であり、長期的に見て地域への波及効果も大きい」となっております。その具体案である木材アプリケーションコンビナート、食品加工コンビナートについてどのように考えておられるか、伺いたいと存じます。
次に、「近代的流通港湾として整備されれば、原材料の搬入あるいは製品の輸送が容易となり、東京方面との直結が可能」とありますが、その機能が備えられる港湾になり得るか、お伺いしたいと思います。
観光ターミナルとしての港湾整備はどのように考えておられるか、また、海洋性レクリエーションの振興との関連性から、その具体案について伺います。
続いて埋め立て造成についてでありますが、「工事費の低減と分譲価格の設定には、圏域の産業振興に多大の影響があるので慎重を要する」となっておりますが、県の方で埋め立てをして土地の安価な供給をお願いできないか、その見解をお伺いしたいと思います。
続きまして、報告書にありますとおり、造成地の処分は簡単ではないと考えますが、国の施策を先取りするような新しい発想で県が埋立地処分について全面的に支援することにならないか、お伺いしたいと思います。
最後でありますが、今この埋立地に進出を希望している地元産業は第二期工事に非常に期待をしております。そういう意味で、早期着工について所見を伺いたいと思います。
以上の答弁につきましては一括していただいたら結構だと思いますので、よろしくお願いします。
続きまして、熊野学についてでありますが、熊野学研究センター構想については中村利男議員さんから当センターのデザインについて質問がありましたので、重複を避けて質問したいと存じます。
去る二月六日の那智勝浦町での熊野を語るフォーラムにおきまして、梅原先生を初め中央の各先生方がいろいろと提言され、熊野に対する熱い思いを感じたところであります。それらを要約すれば、熊野は日本の原点、原郷であり、熊野は絶望から蘇生する日本の子宮であるということになります。都市での疲れをいやし、精神衛生上の問題点を解きほぐす、そのような地域として熊野を考えられると思います。
さきに、建設省道路局長の講演会で、地方における過疎問題に関して「管理人口」「参加人口」という言葉を使われましたが、まさしく地方は都市生活のゆがみを是正する場所として位置づけられるのではないか、地方も都市からの参加人口を得て新しい発想を持って地域づくりをすべきではないかと思うわけであります。この構想をよりすばらしいものにするために、以下の点について考慮をお願いするところであります。
先日発表のあった関西における歴史街道構想に高野熊野ルートがテーマルートとして指定されたところでありますが、今後一層の努力をされまして、高野あるいは熊野の位置づけを願うところであります。
続きまして、関西国際空港のインパクトを熊野地方へも波及させるため、近畿自動車道紀勢線の南伸、南紀白浜空港ジェット化の整備、新宮港第二期整備等、陸・海・空にわたる高速交通機関を中心とする総合交通体系の一日も早い整備をお願いするところであります。
続きまして、地域内の道路や住環境の整備を図りつつ、熊野の持つ貴重な自然、歴史、文化を最大限生かす施策を望むところであります。
最後でありますが、地元組織である三山協議会との連携を一層深められて、世界に誇れる熊野を目指していただきたい、そのような思いで質問いたしました。
これにつきましては要望でございますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。これで、第一回目の質問を終わります。
○副議長(平越孝哉君) ただいまの上野哲弘君の質問に対する当局の答弁を求めます。
土木部長山田 功君。
〔山田 功君、登壇〕
○土木部長(山田 功君) 新宮港の第二期整備計画についてお答えを申し上げます。ご質問の中にありましたように、一括してお答えをしてよいということでございますので、一括してお答えをさせていただきます。
新宮港二期計画についてでありますが、新宮市及び地元経済界においてその実現が強く求められている事業であります。平成元年の十二月議会において平成二年度より調査費をもって取り組む旨のお答えを申し上げ、現在、新宮港全体の長期展望を踏まえた大型岸壁、用地造成等、港湾整備計画について地元市町とともに調査検討を進め、その実現に取り組んでいるところでございます。
その際、議員お話しの関連調査なども踏まえつつ、新しい時代環境の中で新宮圏域の現状と課題を整理し、あるいは観光ターミナル、海洋レクリエーション等の機能も含めて、新宮港に期待される機能、役割について検討を進めてきております。
また、この新宮港二期計画の実施により、大型岸壁等、港湾機能が充実をし、新宮港の海上輸送ネットワークの拠点としての役割を一層高めることができると考えております。
なお、埋立事業については、新宮市の施策として市がみずから取り組むとの意向を伺っております。現在、その方向で検討しておりますが、埋立地の造成費ができるだけ低くおさまるよう、工事費の低減等についても十分検討する必要があるという認識を持っております。
以上でございます。
○副議長(平越孝哉君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
34番上野哲弘君。
○上野哲弘君 新宮港について今ご答弁いただいたわけですが、実は、進出したい地元企業の方の意見を聞きまして、今後、産業として競争力をつけるためには、やはりコスト面の軽減を図らなければだめだと。そういう意味から、船から直接、原材料の搬入をしたい、今後に向かってそういう設備をぜひやっていきたいという要望が二社ほどからありましたので、地域の活性化のためにぜひこの港をつくってほしいという気持ちが出てきたわけなんです。
そこで、先ほどの質問にもありましたように、この問題はなかなか簡単にはいかないという気もしております。しかし、余りおくれると、いろいろと企業の事情等で、もう必要なくなるというようなことも出てきますので、そういう意向も踏まえまして、この二期工事について県の格段の指導をお願いしたいと、そのような気持ちでいるわけです。
一応、新宮市が埋め立てるということではありますけれども、市町村との関係もいろいろありまして、県の調整が必要じゃないかと考えますので、今後はひとつよろしくお願いしたいと、そういうことで要望にかえて終わります。
○副議長(平越孝哉君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で上野哲弘君の質問が終了いたしました。
これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
次会は三月十六日再開し、質疑及び一般質問を続行いたします。
○副議長(平越孝哉君) 本日は、これをもって散会いたします。
午後二時五分散会