平成3年9月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(浜口矩一議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

○議長(山本 一君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 45番浜口矩一君。
 〔浜口矩一君、登壇〕(拍手)
○浜口矩一君 私は、さきの百二十国会で改正成立した林野関係二法、すなわち森林法改正及び国有林野事業改善特別措置法の一部改正の中身、審議の経過、背景等に関連して、林野率全国七位、森林面積三十六万五千百三十四ヘクタール、県土面積の七七%、うち人工林面積六一%、山村地域三分の二以上という本県の実態と、林業を取り巻く厳しい現状を憂うるの余り、以下、若干現状分析をも含めて質問いたします。
 私たちは、よく「地球の温暖化」とか「オゾン層の破壊」「酸性雨」云々等の言葉を耳にいたします。いわゆる地球環境の悪化に対する警鐘です。その具体的な現状とか原因等については、皆様方、既によくご承知のことと存じますので、詳しくは省略させていただきますが、森林は、私どもの生活に欠くことのできない、木材を初め多くの林産物を供給してくれるという経済的な側面のほか、大気を浄化し、水を蓄え、洪水から国土を守り、自然環境を保全するという公共的機能に加えて、最近注目を集めているレクリエーションなどの場として快適な生活を支える働きなど、実に多くの恵みを与えてくれているだけでなく、破壊された地球環境を修復し再生する唯一の資源であると存じます。
 それゆえ森林を、経済の理論のみにとらわれず、国土を守り地球を守る大切な地球資源として育てるという新しい視点で林業を育てることが私たちの豊かで安全な生活、将来を約束してくれるとの認識が現在何よりも求められていると存じますが、まず最初にこの点についてのご見解をお伺いいたしたいと思います。
 しかも、この環境破壊によると考えられる被害は、例えば西ドイツ、オランダ、スイス、またイギリスなどでも、酸性雨による樹木の黄変や枯死するという事例が相当広範囲にわたって起きている事実を申し上げたいと思います。
 にもかかわらず、中南米、アフリカ、東南アジアに分布し、地球規模の環境保全とともに多種多様な動植物を生む生態系としての貴重な熱帯林が、毎年、我が国の本州のほぼ半分の面積に相当する千百三十万ヘクタールも焼き畑耕作や木材生産などのために消滅しているという事実について、しかもその生産用材の実に五〇%を我が国が輸入しているという事実もつけ加え、ご報告いたしたいと存じます。
 それゆえ、「地球を守れ」の声は世界じゅうで起きており、国際的な協力、取り組みが求められていますし、現にさまざまな機関、人々がさまざまな方法で造林や緑化活動に取り組んでいる由、一、二の事例とともに聞き及んでいる一人ですが、そのような状況下で、「森食い虫」とか「地球破壊大国」と呼ばれながら依然として大幅な外材依存──もちろん、貿易収支の問題点は認めるといたしましても──一考に値する現実。なお、我が国でも、砂漠化防止のため林野庁初め政府部内で対策検討中とのことであり、加えて民間レベルでもこれに協力して緑化活動を行っておる由聞き及んでおりますが、より一層の対応が国際的な立場からも必要だと思考いたします。
 次に、戦後の我が国林業の経過の概要について簡単に触れ、ご一考願いたいと存じます。
 ご承知のとおり、戦争によって廃墟と化した都市の復興のために木材を提供をすることから始まったと申し上げても過言ではない、戦後林業の歩み。そのために森林は過伐を余儀なくされ、その跡に資源を生み出すため、成長の早い杉、ヒノキなどの針葉樹の一斉造林が行われましたが、その結果、都市は森林資源の恩恵で豊かになっていく一方で、山村からは森林資源の流出とともに若者の都市への流出が始まり、山を守り木を育てる林業労働者が激減し、森林の手入れも思うようにできなくなり、一九五五年には九五%の自給率を誇っていた国産材のシェアも、先ほど申し述べたように、大皆伐による国内森林資源の不足と相まって円高による安い外材が輸入され始め、現在では国内需要の実に七〇%、本県では八〇%近くが外材に依存しているという現状でございます。
 このような林業の低迷が山村の過疎に拍車をかけ、山村社会の維持も困難にしているのに加えて、木材価格の低迷、労働力の高齢化、後継者不足などで国内林業は生業として成り立たないに近いという厳しい状態に追い込まれ、多くの林業経営者は経営意欲を失い、植えたまま放置という森林がふえ続けているという全国情勢と、遺憾ながら伺う始末でございます。
 特に、私どもの地方のように、いわゆる不在大地主の多い地方ではより一層この傾向が大きいのではないかと案ぜられますが、これらの現状認識についての当局のご見解をお伺いいたしたいと思います。
 また、間伐のおくれもひどい由聞いておりますが、この間伐のおくれは雪や風による倒木被害が原因──昨年九月の風倒木被害はまさにその実証であります。また、過密状態に繁った森林の地表には太陽の光が届かず、下草や灌木がなくなり、大雨で土砂流出、山崩れの原因になりやすい。現にその実例を伺っておる次第ですが、この点についても、もしご見解がございますれば、前項のお尋ねにつけ加えてお伺いいたしたいと存じます。
 加えて、一九八七年制定のリゾート法施行に伴うゴルフ場、スキー場建設による問題点の指摘もあるやに聞き及んでおりますが、今回は省略いたしたいと存じます。
 以上は全国的な森林をめぐる問題指摘の一概要でございますが、本県内の現状を眺めましても、その例に漏れず、冒頭でも触れましたとおり、高い林野率、加えて民有林中、人工林の九五%までが杉、ヒノキ、そのうち三十五年生以下の弱齢林が全体の四分の三、したがって伐期に達した森林は少なく、経済的な側面からも、熊野材の名に恥じない手入れを求められておりながらも、大幅な外材輸入等による県産材需要減、加えて小径木の活用もその方途が見出せず、間伐をしても出し賃も賄えないような現状でございます。
 加えて、労働者の高齢化、また後継者不足、というよりなきに等しいと言う方が妥当であると思いますが、そういう深刻な労働力問題。現に、仕事があり緊急の対応が必要にもかかわらず、人手が足りないのでやむを得ず放置という実例も各地で聞いてございます。
 その顕著な一例として申し上げたいのですが、昨年の台風九号による風倒木、被害甚大でございました。その対応が急がれているにかかわらず、一年を経過した今もなお各地で倒木が見受けられ、心痛む思いでございます。その上、小規模ながらも山崩れも発生し、また最近、松くい虫被害も増加の傾向にあり、経営側、労働側双方を含めて緊急な対策が求められている厳しい現状であると申しても過言ではございません。この点についても、当局の現状認識、対応等、具体例を含めてお伺いいたしたいと思います。
 以上、多少私見──と申しましても、関係の識者の分析の一端を私なりに解釈した所見を若干挟み、また重複の嫌いなきにしもあらずで恐れ入りますが、二法改正の背景となったと思考される現状を申し述べました。改正された法案内容は既に関係当局知悉のことと存じますが、林業の将来の動向にかかわる重大性を有する法案ゆえ、念のため申し述べます。
 民有林、国有林を通じて流域を単位として管理し、協業化や労働問題を含めての林業計画の樹立。上下流の森林整備協定の締結促進による下流の費用分担。複層林、長伐期林に対する助成。施業放棄によって災害発生のおそれのある森林の施業代行。林地開発許可制度の改善。
 以上は森林法の一部改正の内容でございますが、具体的な要項として、森林管理システムの発足、また市町村の役割が拡大し重視されています。また、国有林野事業改善特別措置法の一部改正では、平成二十二年までに収支均衡を目指し、改善期間は平成三年以降十年間、定員外職員の退職措置としての特別給付金の制度化、一般会計からの繰り入れの拡大など、累積債務処理が明示されていると伺いますが、改善の内容は一応評価しながらも、今後の課題として、例えば森林整備五カ年計画の実行予算の確保、また市町村の任務・権限の拡大に伴う要員や財政面の充実問題、山村の過疎・高齢化の中にあっての労働力確保のための条件整備等々が挙げられ、注目と今後の取り組みが必要と存じますが、県当局のこれに対するご所見をお伺いいたしたいと思います。
 なお、この林野二法改正の施行により民有林、国有林一体の流域管理に向けて森林計画の再編成作業が進められますが、この一体の流域管理を進めるため、現在、百五十八カ所の流域に区分し、その上、本年度は三十一カ所に流域林業活性化センターが設置され、その下に流域林業活性化協議会がつくられ、森林と地域の活性化のため各界の意見が出し合われて、そのための予算もつけられ、具体的な協議が始まる由聞いておりますが、本県に対しての対応はどのようになっておりますか。わかっておられるのであればお示し願いたいと思います。
 また関連して、先ほど申し上げたとおり、今回の森林法改正で関係市町村の任務・権限が拡大されましたが、その制度が実効をおさめるためには市町村の要員あるいは財政的な裏づけが必要であるにもかかわらず、現在その裏づけが示されておらず、実効が危ぶまれていると漏れ承りますが、この点も含めてご見解をお伺いいたします。
 最後に、要望を含めて二点ほど申し上げ、ご検討をお願いいたしたいと存じます。
 その第一は、現状分析でも若干申し上げましたとおり、現在、労働力の確保が緊急の一重要課題となっていますが、この件に関連して、現在、全国で十六府県、私どもの近畿では京都、兵庫、奈良、お隣の三重県もそうですが、林業労働者対策のためのいわゆる基金制度が発足しているとのことです。私は、この制度の充実を願うとともに、本県も前向きにご検討願いたいと存じますが、いかがでございましょうか。
 その二は、これも先ほど触れました松くい虫被害対策に関連して、来年三月末で期限の切れる松くい虫被害対策特別措置法にかわる法制定作業が政府筋で進められておると聞き及んでおりますが、現地調査を踏まえての立法法案についてのご検討と現状に対する県の対応、もしあればお伺いいたしたいと思います。
 以上で、私の第一回の質問を終了さしていただきます。ご清聴ありがとうございました。
○議長(山本 一君) ただいまの浜口矩一君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 浜口議員にお答え申し上げます。
 林野二法の改正とともに、森林の役割でございます。
 議員お話しございましたように、森林というのは、木材生産、災害の防止、環境保全等、多方面にわたっており、ますます重要だと考えてございまして、貴重な社会資本である、また大切な地球資源でもある、国内的にも国際的にも大きな資源であると認識しておるわけでございます。
 特に、和歌山県は森林の面積が七七%でございます。この森林の役割が県の経済、政治、文化に及ぼす影響は非常に大きいものだと感じておりまして、指摘されたように問題が多数ございますけれども、法二法の改正とともに、森林、林業の活性化のための諸施策について、労働力問題等を初めとして積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
 他の問題は部長から答弁させていただきます。
○議長(山本 一君) 農林水産部長若林弘澄君。
 〔若林弘澄君、登壇〕
○農林水産部長(若林弘澄君) お答えいたします。
 まず、林業の停滞に伴う放置森林などの現状認識と対応策についてでございます。
 山村の過疎化、林業の停滞等による放置森林の増加は、その地域社会の衰退につながる重要な問題であると考えてございます。また、間伐等の手入れ不足の森林は流域全体の保全、すなわち県土保全にとって大きな影響を与えるものと認識してございます。
 したがって、今後は新たに策定する森林整備事業計画などに基づき、市町村を含めた森林整備協定、施業代行制度の実施等により森林の整備を積極的に推進してまいる所存でございます。
 次に、林野二法の改正と今後の森林、林業の取り組みについてでございます。
 今回の法律改正の背景については、旧法では木材価格が堅調で林業の収益性が確保され、また山村に豊富な林業労働力が存在することを前提として林家にその指針を示していたのに対し、今回の改正は、議員お話しのように、森林、林業の停滞を踏まえて森林整備の指標等を示すことによりその目的の達成を図ろうとするものでございます。
 現在、国産材時代に向けて整備されつつある森林が放置されないためにも、森林管理を最重要課題としてとらえ、民有林、国有林が一体化し、流域単位に森林整備や生産、流通、加工体制を推進する流域管理システムを構築するとともに、管理の担い手である林業従事者の育成、確保や就業条件の改善等により森林管理を推進することとしてございます。
 改正森林法施行の初年度に当たり、県としては、旧法の七森林計画区から三計画区の広域流域に拡大し、紀中地域森林計画区を対象に流域管理システムの構築と流域林業の活性化対策を図るため、流域林業活性化センターを設置することとし、事務局の開設とあわせ流域材の安定供給、労働力の育成確保、事業体の再編や高性能機械の導入等について協議し、基本方針を策定することとしてございます。
 また、改正森林法では、従来の市町村単位の施策から流域内関係市町村を含めた広い流域の組織の中で推進することとしていることから、効果は上がるものと考えてございます。
 次に、林業労働力確保についての対応でございます。
 林業労働力の問題は大変厳しい状況に直面しており、新規参入者の確保や労働条件の改善等について鋭意努力しているところでございます。
 議員お話しの、雇用の一層の安定を図ることについては、県単独補助制度である林業従事者福祉向上対策や第三期活力ある山村づくり推進事業において、森林組合労働力確保対策に取り組んでいるところであり、今後さらに充実し対応してまいりたいと考えてございます。
 最後に、松くい虫被害対策でございます。
 本県の松くい虫被害は、本年九月上旬の調査では西牟婁郡、日高郡を中心に県下で千二百立方メートルになってございます。被害量の上では、地域によって増減が認められますが、例年と差のない見込みでございます。昨年度から本年度にかけての枯損の特徴は、高温、少雨により短期間に集中して変色するため、激害の様相を呈しているところもございます。
 県としても、松くい虫被害を防止するため、今後とも基本方針に従って、保全すべき重要な松林を中心に防除対策を積極的に取り組んでまいる所存でございます。
 次に、平成四年三月に期限切れとなる松くい虫被害対策特別措置法の延長については、本県の現状を踏まえ、なお一層強く国に要望してまいる所存でございます。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 45番浜口矩一君。
○浜口矩一君 若干、時間が余っておりますので、再質問申し上げたいと思います。
 森林の果たす役割については、知事の積極的と申し上げましょうか、そういうご答弁をいただきました。そのことを私は高く評価いたす次第でございますが、一言つけ加えさせていただきたいと存じます。
 「地球を守れ」という声は、世界各地で起きてございます。したがいまして、地球環境保全というのは一国だけの問題ではございません。国際的な協力によって取り組まなければ解決のできない重要な問題であります。
 その中で、「森食い虫」とか「地球環境破壊大国」と呼ばれながら経済大国の名をほしいままにしている我が国の責任は、重く、大きく、我が国の経済の繁栄、私たちの豊かな生活は世界の国々の資源によって支えられているということを深く心して対応しなければならないと存じます。
 そのために、緑の地球防衛軍とも言える森林を育てるという視点に立っての取り組みが今日強く求められているという現状認識が何よりも大切だと私は思いますが、この件は要望にとどめ、今後の対応を注目いたしたいと存じます。
 次に、我が国の現状認識について部長のご答弁をいただきましたが、先ほども申し上げましたように、我が国は、世界の原木貿易量の四割を輸入しているという事実の示すとおり、世界最大の木材輸入国です。しかも、その原木(丸太)の輸入に当たっての関税はゼロです。加えて他の製材品や合板などの木製品の関税率も、近年大幅に引き下げられていると聞き及んでおります。加えて、南洋材、ソ連材、米材等が大量に市場流通の結果、国産材の比率が低下し、例えば一九六五年に七一%であったのが八七年には三〇%という下落の実情です。その上、国産の木材価格を不当に引き下げ、これが結果的には林業の不振を招来し、山村の衰退を招いているという事実。外材の安易な大量輸入は、国内林業を衰退に追い込んでいるだけでなしに、国際的にも、先ほど申したように、「森食い虫」と言われておる。また、世界各国でも自然保護に目が向けられているという現状です。
 したがいまして、今のような状態はいつまでも続けられないと思います。かけがえのない地球の緑を守るため、我が国としても「必要な木材は国内で生産」を基本とした森林を育てることが大切でございますし、そのためにも、無計画とも思えるような外材の大量輸入は再考に値します。そうして、秩序ある木材貿易を推進する二国間協定などを進めるとともに、輸入材も、率は別として他の輸入品並みの関税をかけ、それをもとにして熱帯林再生資金制度を国際的につくり、消滅が憂慮されている熱帯林の保全、再生のシステムを創設する。私は、この構想は国際的にも認められる取り組みと考えますが、これもいわゆる国政の場での対応でございますので、要望にとどめて県のご検討をお願い申し上げたいと思います。
 次に、林野二法改正と今後の取り組みについて、部長より流域林業活性化センター設置その他のご答弁をいただき、大要了解いたしますが、具体的な対応として二点ほど私見を申し上げます。
 森林管理システムの発足については流域の意向を尊重することが基本となっていることにかんがみ、流域の要求が反映されるように取り組むことが最も大切だと思います。そのために、構成員等についての対策、取り組みが県のサイドでも強く求められなければならない、このように考えます。
 二番目は、法改正で市町村の任務が拡大されましたが、そのための財政的な裏づけがなされなければ実効は期待できないと思います。そういう立場から、市町村の要員あるいは財政の充実の問題を図るために、国サイドでの助成措置がどうしても必要だと思います。その対応として、これは県のサイドにおきましても注目し取り組むべきと存じますが、ご見解をお伺いいたしたいと存じます。
 最後に、林業労働力確保についての県の対応についてでございます。
 これも部長さんからご答弁をいただきましたが、林業労働者と経営者の後継者づくりの一私案として、豊かな森林をつくるためには山村の健全な発展がなくてはならない、そのためには林業に従事する人が安心して働ける行政制度がどうしても必要である、その一つの方法として森林に対する相続税を改正し、立木一代一回納入とする税制の確立を図り、これによって、相続税を納入するために森林を売却したり、経済価値の低い未成木の伐採をせずにまとまった森林の相続ができるようになると思いますが、それが一点でございます。
 二点目は、現在の森林は昭和三十年代に植えられたものが多く、災害を受けやすい幼齢木が多いことから、その損害の補償をより実効性のあるものにするために、国営の災害保険と災害共済制度を一本化し、安心して林業経営ができるようにする必要を痛感します。
 以上の二点については、これも緊急の重要問題だと思いますけれども、私見という立場でございましたので、見解の表明にとどめ、今後のご検討をお願い申し上げたいと思います。
 また、林業労働者対策としても、労働基準法及び産業別最低賃金法等の完全適用を行うと同時に、雇用の通年化、退職金、健康保険、雇用保険などの社会保障制度の充実を図り、山づくりに魅力のある労働環境をつくるための助成が必要だと思います。また、雇用の安定のために不就労手当制度の創設や安全、労働災害防止に力を尽くすこと、振動機械の長期使用規制の徹底等の職業病予防対策の推進も大切な課題と存じますが、これは商工労働部の所管に関連する問題と聞きますので、今後、両部でお互いに提携してご検討、ご対応をお願いいたしたいと考えますので、これも要望にいたしたいと思います。
 以上、たくさん要望を申し上げましたが、それを含めての再質問を終わらせていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
○議長(山本 一君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 農林水産部長若林弘澄君。
 〔若林弘澄君、登壇〕
○農林水産部長(若林弘澄君) 森林法の改正後における市町村の負担は、議員お話しのように、人的にも財政的にも増加するものと見込まれます。
 したがって、私どもとしては、今後、農林水産省を初め、関係省庁に対して必要な措置を強く要望してまいります。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
 45番浜口矩一君。
○浜口矩一君 今、二法の施行による市町村の対応の問題をご答弁いただきました。私は、答弁には異議はございませんが、言葉は言いやすいけれども、現実には、やはり全国的なサイドでは非常に難しい問題を質的に含んであると思うんです。だから、このことについては緊急の問題として中央に対して要望するということ。それからもう一つの問題は、その具体的な例をつけ加えるということ。そういうことが非常に大事になっております。
 これはもう部長さんには言わなくてもおわかりだと思いますが、その点ひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。
 以上で終わります。
○議長(山本 一君) 再々質問は要望でありますので、以上で浜口矩一君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
○議長(山本 一君) この際、暫時休憩いたします。
 午前十一時二十八分休憩
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