平成3年6月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(新田和弘議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 午後一時四分再開
○副議長(平越孝哉君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○副議長(平越孝哉君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 44番新田和弘君。
 〔新田和弘君、登壇〕(拍手)
○新田和弘君 議長のお許しをいただきましたので、一般質問を行います。
 まず初めに、西防波堤沖埋立計画の見直しに関してお尋ねをいたします。
 西防の埋立計画については、住友金属工業株式会社が公害発生源となる設備等の沖出しにより環境改善を図る目的で、昭和五十三年八月に公有水面百七十六・五ヘクタールの埋立免許願書を提出、昭和五十五年六月に和歌山県より免許が与えられました。工事は、第一工区五十六・五ヘクタールが昭和五十八年十一月に完成、昭和六十一年七月に工事期間の延長申請が提出され、現在では第二工区八十五・三ヘクタールが平成四年八月に、第三工区三十四・七ヘクタールが平成八年八月に完成する予定であります。
 本年の五月に住友金属から、和歌山製鉄所の粗鋼生産水準を現状の年産三百万トン体制で生産を続けるということで沖出しを中止し、現敷地内の生産で当初目標とした環境改善目標値の達成が可能として埋立地の利用計画の見直しを行い、新たに物流基地や和歌山市より誘致要請のある関西電力のLNG火力発電所等を含めた利用計画の見直しをしたい旨の発表がありました。さらに六月には、約三百億円を投じてコークス炉三基に粉じん処理装置を設置し、公害防止施設の整備をするとの計画も発表しております。
 一方、関西電力では、今後の電力需要の増加を予測して、西防埋立地の第二、第三工区の約百ヘクタールを火電立地用地として購入する方針を固めた旨の新聞報道がなされております。
 火電誘致を目指す和歌山市長は、住友金属が三百万トン体制であれば公害の環境目標を今後も守る見通しがついたとして、埋立地での公共性の高い火力発電所の設置により経済的な波及効果を期待しております。
 知事は、和歌山市と住友金属の西防埋め立てに関する今回の発表に対して、今後、計画変更の申請があれば公有水面埋立法に基づく審査を行って判断するとコメント、住友金属に対しては、極めて遺憾とし、和歌山市に対しても、電源立地については環境アセスメントをクリアすることと市民の十分な理解が必要と述べてきているところでございます。
 そこで、埋立免許権を有する住友金属より発表のあったLNG火電を含めた第二、第三工区百二十ヘクタールの埋立地の利用計画の見直しによる利用目的変更について、免許庁に当たる知事のご見解をお尋ねいたします。
 次に、埋立地の譲渡及び埋立免許権の譲渡についてお尋ねをいたします。
 埋立地の所有権の移転については、公有水面埋立法第二十七条で知事の許可を受けなければ十年間は移転できないものとなっております。また埋立免許権の譲渡については、同法第十六条に知事の許可が必要とあります。
 本県においては、昭和六十四年一月にマリーナシティ用地として和歌山県が四十八・三ヘクタールの免許を得、その後、平成元年十二月に七・一ヘクタール分を和歌山マリーナシティ株式会社に権利譲渡しております。そのため、和歌山マリーナシティ株式会社から県に対し、同法十二条により評価額の百分の三に当たる免許料一億三千九百万円を平成二年一月に支払われてきております。
 そこで今回の西防埋立地の場合でございますが、公害の沖出しという目的から、民間の公有水面埋め立てでは国内最大級の百七十六・五ヘクタールの埋立免許権が認められ、免許料として住友金属より十三億九千八百五十三万円が県に支払われてきております。住友金属の沖出し中止による使用目的変更の概要は、第二、第三工区百二十ヘクタールから公共帰属及び寄附分を除いた約百ヘクタール分が対象であるため、平成四年八月に完成予定の第二工区は所有権の譲渡として、平成八年八月完成予定の第三工区は埋立免許権の譲渡もしくは完成後に所有権の譲渡のいずれかになると予測されます。新聞報道では関西電力の購入価格は数千億円にも上ると言われておりますが、住友金属側が沖出し中止のため埋立地の譲渡により多額の営業外利益を計上するとすれば、大変問題となります。また、逆に関西電力側が格安の工業用地を取得したとしても、これもまた問題でございます。本来、公有水面は県民の財産との観点からすれば、埋立地の利用目的の変更により特定企業のみが利益を受けることは問題が残ると思います。
 そこで、住友金属が利用変更を求める埋立地については県が引き取り、適正な価格で所有権の譲渡を行うか、また第三工区の免許権の譲渡については、県が免許権を受けて完成することが県民の利益につながると考えますが、知事のご見解をお尋ねいたします。
 次に、教育問題についてお尋ねをいたします。
 文部省は、平成元年三月に高校の学習指導要領の改訂を行い、平成六年から学年進行をもって実施するとしております。今回の改訂では、従前の女子のみの家庭一般四単位必修の扱いを改め、男子も必修とし、家庭一般、生活技術、生活一般からいずれか四単位をすべての生徒が履修することとなりました。これに関連して、全日制普通科の男子については、体育では十一単位を下らないが九単位を下らないに変更、また生活一般の特例として、当分の間、特別の事情がある場合は、二単位については体育、家庭情報処理等をもって履修にかえることができるとなっています。
 本県の場合、平成六年実施に向け、家庭科の施設、設備等の充実及び教職員の配置をどのように進められるか、教育長にお尋ねをいたします。
 次に、高校における学級数及び定員の問題についてお尋ねをいたします。
 本県における中学校卒業生徒数は、平成元年度をピークに毎年減少し、来春は今年より七百六十三人少ない一万五千二百十六人となる見込みであります。この傾向は今後も続き、平成五年度は六百二十三人減、平成六年度は百六十八人減と、平成九年度まで毎年減少が続きます。このため高校の学級数も、全日制高校で単純計算を行うと、来春は約十三学級減、平成五年度はさらに約十学級の減となる見方もございます。さらに、最近の傾向として、県立への進学率が平成元年度八一・二%、二年度八一・○%、さらに三年度は八○・五%と、わずかずつではございますが減少してきております。今後、生徒数の減少期を迎え、量より質の向上の時代に入るわけでありますが、教育委員会でも高校再編長期策定本部を設置し検討しているとのことでございます。
 そこで、一、今後の高校の学級数及び定員をどのように定められるのか、二、今年の高校入試において全日制で六百七十三人、定時制で六百五十人の欠員数を出したわけでございますが、来年度の募集定員はどのように考えておられるのか、三、高校教育の改革として総合的な新学科の創設を挙げていますが、どう検討されるのか、以上三点、教育長にお尋ねをいたします。
 次に、大学進学対策についてお尋ねをいたします。
 本県の大学進学率は、昭和五十年の進学者四千七百人で三九・六%をピークに減少し、昭和五十七年には進学者四千八十四人で三○・四%と全国平均三○・九%を下回るようになり、平成二年度は進学者四千四百九十六人で二九・二%となっております。これを近畿の二府四県で比較すると、滋賀県三五・五%、京都府三三・八%、大阪府三一・五%、兵庫県三九・四%、奈良県四○・三%と、本県が大きく下回っております。
 この原因については、本県には大学が少ないということがまず考えられます。さらに、時代の多様化により専修学校、各種学校への進学者が年々増加し、平成二年度では大学進学者に接近しつつあります。しかし、この十年来の高校卒業生の急増期を迎えても大学進学者が四千人から四千五百人台であるという点、一考を要するのではないでしょうか。最近は、大学進学率の向上を目指して補助金を出す府県が増加し、今年も青森県、埼玉県、千葉県など六県が新規事業として実施し、現在、二十二府県で何らかの形で府県費による補助金が支給されております。本県においても、進路指導のための他府県の視察や情報資料の作成など、多くの場合、父母負担となっております。
 そこで、一、大学進学率の低下してきたことを教育委員会はどのようにとらえておるのか、二、大学進学率向上対策として今後どう取り組まれるのか、三、大学進学対策として県費による補助金の導入についてどう考えられるのか、以上、三点お尋ねをいたします。
 次に、下水道事業についてお尋ねをいたします。
 本県の下水道の普及率が全国最下位のため、そのおくれについては今日まで議会において何回も指摘されてきたところでございます。普及率のおくれの原因については、一般に海に恵まれた県や市町村は下水道の必要性を余り意識しない場合が多く、普及率が一○%に達していない県は徳島県、島根県、三重県と長い海岸線を持つ県ばかりでございます。また本県の場合、県都和歌山市における公共下水道事業については、昭和四十六年に公害国会において水質汚濁防止法が制定されて工場排水の規制が行われることになったため昭和四十七年に本格的な計画決定がなされ、また処理場用地六万平米を取得するのに七年間を要し、昭和五十九年にやっと一部供用開始となるなど、スタートのおくれが大きく影響してきております。しかし、水質汚濁防止法施行二十年を経過した今日、水質の悪化は工場排水から家庭の雑排水が問題と意識変革が進み、人間が汚した水はきれいにして自然に返すとの考え方から、自然環境を大切にすることはまず家庭からとの声が聞かれる昨今でございます。国においても、昨年の日米構造協議で公共投資十箇年計画の中で四百三十兆円を見込み、本年度の国の予算においても生活関連公共事業費として別枠で千七百五十億円が計上されるなど、下水道事業を推進する好条件が整ってきております。
 こうした中、和歌山市では北部公共下水道事業の計画決定に重要な位置を占める処理場用地の取得が地権者との間で合意ができ、日量十万トンの計画決定を平成三年度中に行う運びと聞いておりますが、計画決定、事業認可の見通しはどのようになっているのか、お尋ねをいたします。
 次に、紀の川流域下水道事業についてであります。
 昭和五十五年二月に、計画処理面積二千八百三十五ヘクタール、計画人口十二万一千四百人を対象に日量十万四千トンで計画決定がなされ、同年三月に計画処理面積六百九十五ヘクタール、計画処理人口二万六千二百八十人、日量二万六千トンで事業認可を受け事業を進めてきております。昭和六十三年七月には紀の川流域下水道建設事務所を設置し、本年も当初予算で二十五億三千九百六十四万三千円を計上、用地取得特改でも前年より二十一億一千百五十万円増の三十一億一千百五十万円が計上されているところでございます。しかし、計画決定後十一年目を迎えながら、伊都浄化センター用地十九・四ヘクタールが未買収であり、幹線工事の進捗状況は十三キロメートルに対して四・八キロメートルの三六・九%で、今後、面整備を考慮に入れると平成七年の供用開始は大変危ぶまれるところでございます。さらに那賀処理区については、計画処理面積千九十ヘクタール、計画処理人口八万四千人、日量九万二千トンの流域下水道事業の計画概要がございますが、十年を経過し新たに基本計画を策定して早期に計画決定され、さらに事業認可されるよう願うところでございます。
 そこで、一、伊都処理区の処理場用地の取得についてどう取り組まれるのか、二、平成七年供用開始に向けてどう対応されるのか、三、那賀処理区の計画決定の見通しはどうか、以上三点、お尋ねをいたします。
 最後に、公営住宅の建設に関してお尋ねをいたします。
 建設省は、平成三年から始まる五カ年計画に加え、平成四年度からは十カ年計画で老朽化した公共賃貸住宅を緊急に建てかえる十カ年推進戦略の方針を固めたと伺っています。この方針が国で決定されると、都道府県においては緊急実施計画を策定し、この十年間を緊急建てかえ期間と位置づけ、建てかえを強力に進めることになるわけであります。
 公営住宅の建てかえ事業については、和歌山市においては、昭和五十九年から六十三年の間に四団地、百六十五戸の建てかえ住宅の完成を見ております。本県では、建てかえ基本計画を策定するため、川永団地百三十二戸、雄湊団地四十戸について平成三年度に九千八百万円の予算化をしてきているところであります。県営団地については、利便性の高い和歌山市内に多くあり、昨今の住宅事情からして建てかえを望む声も聞かれております。特に、今福団地二百四十戸、城北団地四十八戸、西浜団地八十一戸、今福第二団地四十四戸など、高度利用も含めて建てかえることが必要ではないかと思われます。
 そこで、一、本県の第六期住宅建設五カ年計画は今後どう進められるのか、二、平成三年度以降の建てかえ計画及び利便性の高い和歌山市内の今福、城北、西浜等の団地の建てかえ見通しはどうか、三、建てかえ事業の推進に当たって居住水準の引き上げが必要と思われるがどう進められるのか、以上三点、お尋ねをいたします。
 次に、自動車の保管場所法が七月一日より改正、施行されることになり、車庫の確保が話題となっております。公営住宅においても駐車場の扱いが本年四月より新しい通達により変更され、公営住宅の敷地を駐車場として目的外使用することを認めるようになりました。また、車庫証明のための書面の発行も可能となり、そのかわりに使用料等を徴収する必要があるように変更されました。今日まで、公営住宅においては駐車場設備がないとされている団地が多いわけでございますが、現実には空き地を活用して自動車を置いております。新保管場所法の施行に当たり、県民の皆さんから公営住宅においても車庫証明がとれるように整備してほしいとの要望が、田辺市を初め各市町村でも出てきていると伺っております。
 そこで、一、新しい通達を受けて、既存の公営住宅に対し駐車場確保をどのように進められるのか、二、新規に建設される公営住宅の駐車場確保はどのように進められるのか、以上二点お尋ねをいたしまして、第一問を終わります。
○副議長(平越孝哉君) ただいまの新田和弘君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 新田議員にお答え申し上げます。
 西防波堤埋立計画の見直しについてでございます。
 このたびの住友金属の公表内容は西防埋立地の土地利用計画の見直し検討をしたいというものでございまして、免許庁の知事としては、変更申請が出されたならば公有水面埋立法に基づき審査を行うことになるわけでございます。
 なお、議員から提案いただいた県並びに地方公共団体が取得することについては、公有水面埋立法上、不可能なものではございませんし、考えられることでございます。しかしながら、いずれにいたしましても、先ほど尾崎議員にもお答え申し上げたのでございますけれども、本件については十分な検討を行い、公有水面埋立法に基づいて厳正に判断してまいりたいと存じておる次第でございます。
○副議長(平越孝哉君) 土木部長磯村幹夫君。
 〔磯村幹夫君、登壇〕
○土木部長(磯村幹夫君) お答えいたします。
 下水道事業についてでございます。
 まず和歌山市北部公共下水道については、市街化区域の約四割を受け持つ公共下水道事業として、和歌山市において計画決定と事業認可の手続等の作業を進めているところでございますが、早期に事業化できるよう市を指導してまいります。
 次に、流域下水道事業における伊都処理区の対応についてでございます。
 伊都処理区の処理場用地の取得については、かつらぎ町と一体となって用地測量の立ち会い並びに用地買収の同意を得るべく話し合いを進めているところであり、なお一層の努力をしてまいります。また県施行の幹線管渠については、継続して事業の推進を図ってまいります。
 なお、本事業に関連する市町の公共下水道も順次整備を進めており、約百二十ヘクタールの区域の面整備の完成を見ているところであります。非常に厳しい情勢に置かれておりますが、関係各位のご協力を得て平成七年度供用開始に向け積極的な対応をしてまいります。
 次に那賀郡の下水道については、市街地の進展に伴い下水道の必要性を十分認識しているところでございます。平成三年度を初年度とする第七次五カ年計画の期間内に事業着手ができるよう、関連する地方自治体とともに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、公営住宅についてでございます。
 県の第六期住宅建設五カ年計画については、平成三年度より市町村公営住宅を含め二千百戸建設する計画を策定しております。そのうち県営住宅は八百戸計画しており、内訳として、建てかえで五百六十六戸、新設で二百三十四戸建設する計画であります。建てかえ事業については、平成三年度において川永団地と雄湊団地の建てかえ基本計画の策定作業に着手しているところでありますが、引き続き和歌山市内の今福、城北、西浜等の各団地について基本計画を策定し、建てかえ事業を進めてまいります。
 次に、建てかえに伴う居住水準の引き上げについてでございます。
 建てかえ対象の住宅は、おおむね昭和三十年代以前に建設された狭小な規模のものであり、建てかえにより、現行の住宅水準である三LDKを基本として、世帯規模に応じた住宅を建設する方針であります。また建てかえに当たっては、用地の高度利用による戸数増加、老人、障害者が安心して住める住宅、地域住民との交流の場の確保を重点目標として、調和のとれた町づくりを目指す所存でございます。
 また、公営住宅における駐車場の確保についてでございます。
 車庫法の施行に伴い、公営住宅における駐車場の取り扱いが通達により示されたところでございます。
 県といたしましては、通達の趣旨に沿い、早急に駐車場の確保及び管理体制を整備する考えでございます。駐車場確保に当たり、既存団地については団地個々の現状を把握して整理手法を検討するとともに、新設団地の建設あるいは既存団地の建てかえに際しては入居世帯に見合う駐車場の確保に努めてまいります。また市町村公営住宅等についても、この趣旨を踏まえ関係市町村とも十分協議し指導してまいります。
 以上でございます。
○副議長(平越孝哉君) 教育長西川時千代君。
 〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) 教育問題の四点についてお答えいたします。
 新しい学習指導要領に基づく高等学校の家庭科については、男女平等教育の早期実現を求める国際的な機運とともに、今後の家庭生活の充実を図る教育を推進する観点から男女必修になってございます。
 本県においては、今後、県教育委員会が作成する教育課程編成基準に沿って平成四年度に各学校における履修計画を把握し、学校と協議しながら施設、設備の充実を計画的に図ってまいります。
 また教員については、指導力の向上を図るとともに、その配置についても教科担当等の状況を踏まえ、適切な人事交流や計画的な採用を行い、円滑な実施に向けて努力してまいる所存でございます。
 次に県立高等学校の募集定員については、従前から中学校の卒業生徒数の推移や高等学校への入学状況、進学率及び地域の実態を踏まえるとともに、私学の振興や過大規模校の解消などを勘案しながら総合的な検討を行い決定してきたところでございます。今後、さらにこうした状況を把握し、募集定員の決定には慎重に対処してまいりたいと考えてございます。
 続きまして高校教育の改革に関しては、本県ではこれまで、昭和六十一年度の電子機械科の設置以来、生産システム科、数理科学科、国際科など、八校に九学科を設置して特色ある学校づくりを推進しているところでございます。今後、社会の進展、地域や学校の要望等を踏まえながら、職業学科や専門学科のあり方について幅広く検討を進めてまいりたいと考えてございます。
 最後に、大学、短大への進学についてであります。
 本県の進学状況の推移は、議員ご指摘のとおりの傾向を示してございます。これは、近年、進路指導の多様化が急速に進み、実学志向の高まりとともに専修、各種学校への進学者が増加したことのほかに、本県に大学、短大数が少ないという状況や地理的な条件等によるものがあると考えてございます。
 進学への対応といたしましては、生徒の進路意識の高揚と学力の向上が主たる課題であります。県教育委員会といたしましては、各学校に対し、入学時から組織的、計画的に進路指導を推進するとともに、授業時数の確保、日々の授業の充実、進路別類型の設置などを強く指導しているところであります。また、義務教育段階では基礎学力充実の研究校、高等学校においては学習指導及び進路指導の研究推進校を指定し、研究のための助成及び指導を行うことにより学力向上と進学指導の充実に取り組んでいるところであります。
 今後は、こうした取り組みを一層強化するとともに教職員の資質の向上に努め、生徒の進路ニーズ、学習実態をより正確に把握し、進学希望をかなえさせるための対策を研究してまいる所存でございます。
 以上でございます。
○副議長(平越孝哉君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 44番新田和弘君。
○新田和弘君 ただいま、私の初めての一般質問に対して県知事初め当局の方々よりご答弁をいただきました。
 率直な感想でございますが、大変慎重な答弁であったように感じた次第でございます。コンセンサスを大切に、着実に事業を進められる仮谷県政の姿の一端を反映しているように思えました。
 先日読みました「鄙の論理」という本の中に、「行政の設定するプランが企業と比較して決定的に劣るのは、目標達成の具体的な手段と方策です」との鋭い指摘がございました。もちろん、行政と企業とは目的も異なることは十分承知するわけでございますが、二十一世紀へあと十年、刻々と変化の激しい今日、質問させていただいた諸点に対して、県勢発展を目指し、新しい発想と積極姿勢でもって格段のご尽力を要望いたしまして、再質問といたします。
○副議長(平越孝哉君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で新田和弘君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
○副議長(平越孝哉君) 本日は、これをもって散会いたします。
 午後一時四十一分散会

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