平成2年12月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(藁科義清議員の質疑及び一般質問)
県議会の活動
○議長(岸本光造君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
23番藁科義清君。
〔藁科義清君、登壇〕(拍手)
○藁科義清君 先日来、各議員から活発な意見が述べられましたので、重複を避け、二、三の点について簡潔にお尋ねをいたします。
まず第一は、広域農道の南伸についてであります。
先日、知事より、中紀の今後のために広域農道の南伸を考えたい、そのために調査も考えているということをお聞きして、私はさきに切目川ダムの折にも申し上げたが、知事が常に県土の均衡ある発展のため配慮していることに深く感心をいたした次第であります。
この広域農道については、県において昭和四十五年、四十六年度に日高町から上富田町までを一地区としての広域農道を考えてはみたが、農林水産省の指導もあって、日高町から印南町までを日高地区、また田辺市から上富田町までを南紀地区として四十九年に採択、現在に至っております。いずれ、日高地区の進捗状況を見て、南部川四百二十四号までの南伸を申請するということであったが、知事は今これを実施し、中紀、南紀と県土縦断の農業を初め産業全般の振興の基盤整備を考えていただいておるのだということを心強く思い、その大きな考えの実現を関係地域住民とともに期待するものであります。しかし、これとても、直ちにというより十分の調査も必要かと思いますが、調査に続き、実現への知事の決意をお聞きいたしたいと思います。
その二は、意欲ある農家を育てる農政の推進についてであります。このことについては、最近、見聞きしたこと、感じていることなどから質問させていただきます。
ことしは四回も台風が来た。観測史上初めてのことだという。被害を受けた方々には心からお見舞いを申し上げたい。
私は、台風のあった十一月三十日の午前、圃場整備をした印南町の産地を見に行った。この場所は、山を削り、谷を埋め、二十三億をかけた約六十ヘクタールの大きな圃場である。一区画四十アールもあるという立派な畑地で、知事も前に和歌山から新宮までヘリコプターで飛んだ際、大きく目に映ったという畑地帯総合整備事業で整備したあの印南の産地であります。農家の方々、特に若い方々は、この日、台風の風を予期して、ひもなどで囲っておった。午後三時三十分ごろ、いよいよ強い風となったので、私は心配をして再度その畑へ行った。そして、その強い風と雨の中、豆を見て回った。強い雨風の中、キヌサヤエンドウが細い巻きひげでネットにしっかりとしがみつき、生きるために耐えているのを見て深く感動したのである。
今この産地の皆さんは、こうしたエンドウを台風から守りたい、エンドウにきれいな実をたくさんつけさせたい、さらに花などを入れ、せっかく整備した畑を充実させたいと考え、施設の導入など経営改善に努力している、県営のこの農地開発も、ただ畑をつくったというだけではなく、若い方々が次から次へと意欲を持ってやっている姿、これが一番大事なところだ、後継者対策も実際に若い方々の取り組みに呼応してこそ心配はないものと言えるのではないかと感じた次第であります。
また去る十一月二十七日、南部川村でフレッシュ「梅の里」フェスティバル''90の最終を飾り、「ビジョン二十一世紀の南部川村を創造する」というテーマでシンポジウムが開かれた。農業青年を初め行政や議会、婦人団体の代表者など七名の皆さんが肩書抜きで、二十一世紀の南部川村を展望していろんな問題について意見交換をし、十年、二十年、三十年たってもこの梅の里は生き残ることができるか、梅の村は生き残れるようにしなければならないだろう、急傾斜の畑はそのときにはないかもしらんなど、会場を埋め尽くす村民の皆さんともども村の将来を考えたのであります。
印南の畑総の事例もしかり、「梅の里」フェスティバルもしかり、いずれも地域の皆さんが村の将来、二十一世紀の農業のあり方についてみずからが考え、みずからが行動を起こし、みずからの畑や村を充実させようと努力している。私は、こうした皆さんの声を聞き、その活動を支援し、二十一世紀に向けての村づくりを推進することこそがまことに大切なことであると思います。農政を重点と考えておる知事の御所見を承りたいと思います。
次は、道路問題についてであります。
中津村というところは、旧船着村と川中村の合併で生まれた村であります。この中での道路は、御坊美山線、姉子御坊線、たかの金屋線の三線が主要道路となっておりますが、うち御坊美山線の改修は進んでおります。川中地区内の姉子御坊線の改修は余り進んでおりません。このため、沿線の川中地区住民はそれを常に要望しているのであります。この姉子御坊線の改修についてどのように考えておられるのか、お聞きしたいと思います。
また、たかの金屋線の印南町川又から田尻間の改修についてでありますが、これが促進については議会でも請願が採択され、また建設委員会も去る九月、現地視察を行われております。その際、当局の説明では、どのように改修するかただいま調査をいたしておりますとのことであった。調査の結果を速やかに具体化されるよう強く望むものであります。
以上で私の予定の質問は終わりますが、南紀白浜空港について、先ほど来、浜本議員の質問あるいは知事の答弁が土地収用法についてございました。
私は、この問題について当初申し込みをしたのでありますが、最終日ということでもあり、やめましたが、答弁をそれぞれお聞きしながら思うこともありますので、答弁は求めません、意見のみ申し上げておきます。
それは、土地収用法の適用のことについてであります。
適用しなければならないというのであれば、この場所をあきらめて他の場所に変える方がよい。その理由は、この土地は最も空港適地だということにはなっていないからであります。昭和五十七、五十八の両年、三千万もかけての専門家による調査の結果では、南部西、芳養湾が適地とされたのであります。また、この白浜に決定する審議会では、審議の経過が発表されておりませんので理由はわかりませんけれども、知事に対する答申は、「南紀新空港の適地は『現空港附近』とするのがおおむね妥当である。但し、以下の点について十分留意されたい。 1) 用地の取得、物件補償については、地元の積極的な協力を前提条件とすること。 2) 航空機騒音については、地元の理解と協力を前提条件とすること」、3)、4)、5)とあって、「6) 1)、2)の前提条件が整わない場合には『南部西』等の候補地について更に検討すること」となっているのであります。
だから、無理をして土地収用法をかけてやらなければならんというものでもない、こう思うのです。
以上、申し上げて私の質問を終わります。
○議長(岸本光造君) ただいまの藁科義清君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事仮谷志良君。
〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 藁科議員にお答え申し上げます。
日高の広域農道の南伸についてでございます。
日高地域は、梅、エンドウなどの主産地でございまして、県下でも最も優良な農業地帯だと思っております。お話ございました広域の南伸については、農業だけではなしに地域全般の振興を図る上でも必要なものと考えておるわけでございまして、現在、行っている事業の進行状態を勘案しながら、今後も調査検討を行ってまいりたいと思っております。
次に、意欲ある農家を育てる農政の推進についてでございます。
お話ございましたように、村づくりの基本は何といっても地元の皆さんがみずから考え、行動することでございます。こうした自主的な地域活動は南部川村、印南町を初め県内各地で取り組まれており、特に果樹、野菜、花卉等の産地づくりが行われている現況でございます。
県としても、意欲ある農家に焦点を当て、諸施策の展開を図っているところでもございます。今後とも、後継者対策や生産基盤、生活環境の整備に努め、二十一世紀を開く村づくりを積極的に推進してまいりたいと考えておる次第でございます。
○議長(岸本光造君) 土木部長磯村幹夫君。
〔磯村幹夫君、登壇〕
○土木部長(磯村幹夫君) お答えいたします。
道路問題についてでございます。
県道姉子御坊線及び県道たかの金屋線は、中津村川中の方々の生活を支える道路として御利用いただいております。現在、整備方針としては、役場、学校への通行や生活圏の中心地とも言うべき御坊市方面への通行に利便性の高いたかの金屋線の佐井─高津尾間の整備に重点を置くとともに、姉子御坊線についても交通の隘路区間等の解消を行っているところであります。姉子御坊線の整備に関しては、今後とも村当局と密接な連携を取り合いながら、緊急度の高い区間から順次整備を行ってまいります。
また、たかの金屋線の川又─田尻間については、十一月末に現地踏査を行い、現在、五千分の一の地図での概略設計でルートの検討を行っております。今後、早期に土地利用の状況、関連道路の整備状況、交通状況等の経済調査を行い、事業の緊急度、整備方針を検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(岸本光造君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(岸本光造君) 以上で、藁科義清君の質問が終了いたしました。
○議長(岸本光造君) お諮りいたします。質疑及び一般質問は、以上をもって終結することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(岸本光造君) 御異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問はこれをもって終結いたします。
○議長(岸本光造君) 次に、ただいま議題となっております全案件のうち、議案第百二十号平成元年度和歌山県歳入歳出決算の認定についてを除くその他の案件は、お手元に配付しております議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会にこれを付託いたします。
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○議長(岸本光造君) 次に日程第四、請願の付託について申し上げます。
今期定例会の請願については、お手元に配付しております請願文書表のとおり、それぞれ所管の常任委員会にこれを付託いたします。
○議長(岸本光造君) 次に、お諮りいたします。明十五日は議事の都合により、また十二月十七日及び十八日は各常任委員会審査のため休会といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(岸本光造君) 御異議なしと認めます。よって、十二月十五日、並びに十二月十七日及び十二月十八日は休会とすることに決定いたしました。
○議長(岸本光造君) この際、各常任委員会の会場をお知らせいたします。
職員からこれを申し上げます。
〔職員朗読〕
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総務委員会 第二委員会室
厚生委員会 第三委員会室
経済警察委員会 第四委員会室
農林水産委員会 第五委員会室
建設委員会 第六委員会室
文教委員会 第一委員会室
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○議長(岸本光造君) 次会は、十二月十九日再開いたします。
○議長(岸本光造君) 本日は、これをもって散会いたします。
午後二時二十二分散会