平成2年2月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(中村 博議員の質疑及び一般質問)
県議会の活動
午後一時七分再開
○議長(門 三佐博君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○議長(門 三佐博君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
43番中村 博君。
〔中村 博君、登壇〕(拍手)
○中村 博君 まず最初に、平成二年度県予算案並びに平成元年度補正予算案にも関連しながらお尋ねを申し上げていきたいと思います。
知事の御説明によりますと、平成二年度県予算案は「二十一世紀に向けての『和歌山』の新たな離陸のため、エネルギーを充てんし、さらにエンジンを始動させるときにある」として、「新しい時代に挑む力強い地域産業の発展」、「健康で快適な暮らしと生きがいのある福祉社会の建設」、「明日を担う人づくり」、「魅力ある文化の創造」等を県政の重点として、県勢のさらなる伸展に全力を傾注する旨の所信を述べられました。
果たして平成二年度県予算案そのものが県民の暮らしや福祉の充実、地域産業の発展に向けて均衡のとれた積極的な内容になっているかどうか、検討を重ねてきたところでございますが、残念ながら、歳出予算の款別に見てまいりますと、御承知のように、県民福祉増進のための民生費においては対前年度比で〇・一%、金額ではわずかに三千五百七万六千円の増加しかございません。また、県民の健康を守るための衛生費におきましても対前年度比較で〇・一%、金額では九百八十四万四千円の増加にとどまっています。労働者のための福祉向上につながる労働費に至っては、平成元年度当初予算に比べ六千五百九十八万九千円の減額という状況であります。
中でも、地場産業や中小企業の振興のための予算であります商工費では、平成元年度当初予算に比べ九億九千六百九十万二千円に上る大幅な減額という状況にありまして、活力ある県づくりの重要な柱となる中小企業、地場産業、商店街の振興策に逆行する予算内容であると申し上げざるを得ません。
伸び率で最も高いものでは諸支出金の五三%、金額では二十六億円余の増、これは利子割県民税の市町村に対する交付金で二十一億円余がふえたことになろうかと思われます。
問題点として重視をいたさなければならないのが総務費でございまして、対前年比三三%増、金額では百八億三千万円余という破格的な増加であります。この要因は、県債管理基金積立金として百三十九億三千六百九十一万一千円が予算措置されたことでありまして、当初予算においてこれだけ多額の自主財源が積立金として扱われるところに自主財源の運用のあり方で重大な問題を残しているとして、まず御指摘を申し上げておきたいと存じます。
続いて伸び率の高いのが土木費で、対前年比一二%増、金額では百五億円余の増加となっています。農林水産業費では対前年比八・四%の伸びとなり、金額では三十五億円余の増加となっています。
以上が平成二年度県予算案での歳出における款別の状況でありますが、これらの点について、まず知事にお尋ねを申し上げたいと存じます。
平成二年度の予算編成に当たりましては、御承知のとおり、財源の確保について、県税で百四十四億円余の増収となり、地方交付税においても百億円余の増加が見込まれており、加えて県債についても六十億円余の増加となっている現状からいたしますと、近年に見られない財源確保の状況に置かれているのであります。したがって、各款別におきましてもそれなりに均衡のとれた予算措置ができたものと思料いたしているところであります。
知事の説明にもありましたように、平成二年度県政の重点である「新しい時代に挑む力強い地域産業の発展」の課題について行政として対応されていく場合には、当然、商工費においてそれなりの積極的な措置がなされなければなりません。予算措置において対前年度比減額という状況では、矛盾したものとなっているのではないでしょうか。どのように把握されているのか。
また、「健康で快適な暮らしと生きがいのある福祉社会の建設」を進めるとされていますが、このためには民生費、衛生費で十分な対応がなされなければなりません。平成二年度予算で、民生費で老人福祉を初め十三件、予算で一億二千二百九十八万七千円の新規事業が計上されているものの、平成元年度当初予算額と同額程度しか措置されておりませんし、衛生費におきましても、成人病予防特別対策事業費を初め九件の新規事業、金額では九千八百四十九万四千円の予算措置にとどまっており、平成元年度当初予算額と同額程度といった状況にあります。
このような予算内容からいたしまして、県民の「健康で快適な暮らしと生きがいのある福祉社会の建設」に取り組まれる予算とは到底理解しがたいものと考えるのでありますが、知事の御所見をお伺いするものであります。
前段でも申し上げてまいりましたように、自主財源百三十九億円余を県債管理基金に積み立てず、これを効果的に財源として運用されれば、地域産業の発展や県民の暮らし、健康福祉増進に向けた均衡のとれた積極的な予算措置が十分可能であると思われますが、御認識のほどをお尋ね申し上げます。
次に、総務部長にお尋ねをいたします。
平成元年度補正予算案によりますと、県税収入で七十億九千九百万円の補正、地方交付税で百四億八千二十三万三千円の補正、年度末に至って、自主財源で合わせて百七十五億七千九百二十三万三千円に上る補正になっています。これは平成二年度予算案における自主財源の増加額に近いものでありますが、これらの経緯からいたしまして、これだけの多額に上る財源を年度末に得たとしても、年度内に県民の願いにこたえた執行ができません。
したがいまして、単年度執行という予算の原則から、地方自治法では総計予算主義の原則が定められているところであります。これらの原則からして、予算措置のあり方について改善を加えるべき点があると考えますが、どのような御認識を持たれておるのか、お答えを願いたいと存じます。また、このような経緯に至った要因についてもあわせお答えいただきたいと存じます。
年度内執行を建前としている関係から、年度末で得た自主財源がそっくり積立金に回されるような補正内容になっています。財政管理費の積立金の補正額が何と百七十六億二百九十八万円というように、まさしく金余り現象の感がいたしてなりません。
そこでお尋ねをいたしますが、県債管理基金に八十二億円余積み立て措置がされております。平成二年度分の積み立てを含めますと、平成二年度末では実に四百三十六億円余の積立額となるようであります。このようなことは異例であって、適正な措置で決してありません。斉藤総務部長になられてからなぜこのような事態をつくられるのか、お答えを願いたいと思います。
条例案の提案もされている地域振興基金制度の問題でありますが、条例そのものを検討いたしましたけれども、運用のあり方等、具体的な規定の整備がなく理解できません。今回の補正で十五億円余措置されておりますが、これらの点にわたって運用のあり方等についても具体的に御説明をいただきたいと思います。
平成元年度補正予算案についてでありますが、民生費で十七億円余、労働費で二億円余、農水費で二十億円余、商工費で二十億円余、土木費で十九億円余、教育費で二十九億円余、総計で百九億円余が補正減という状況になっています。例年、執行率の向上について御指摘申し上げてきているところでありますが、補正減のかかる現状からいたしまして、平成元年度予算の執行率についてもかなりの問題があるように見受けられます。
そこでお尋ねをいたしますが、平成元年度予算案における款別の不執行額及び明許繰越額がどのようなことになるのか、執行率向上に向けての所信をも踏まえ、お答えをいただきたいと思います。
続いて、平成二年度並びに平成元年度補正予算に関連して、県政の重点課題についてお尋ねを申し上げます。
総務部長にお尋ねをいたしますが、知事説明におきましても、県政の重要な懸案事項であった医科大学の移転整備に当たって紀三井寺競馬場跡地の用地取得等の措置を行った旨の発言がありました。移転問題で長期間にわたって難航を重ねてきた経過からいたしまして、移転用地取得段階にまで進めてこられたことについて多とするところでありますが、何しろ、本県が和歌山市から用地を買収するということでございます。市議会や市民の間に誤解を招くことがあってはならないと思いますので、和歌山市と合意に至った経緯について詳しく御説明をいただきたいと思います。
三月五日、和歌山市議会の総務委員会で三対八で用地売却議案が承認されたようでありますので、価格三・三平方メートル当たり二十六万円につきましては、私は安い価格であると考えていますが、議論は避けることにいたします。しかし、次の諸点について、この際お聞きをしておきたいと思います。
まず第一点、競馬場廃止に伴う補償費等について、本県負担分及び和歌山市負担分はどのようにされてきたのか。第二点、競馬場の施設の撤去に伴う費用はどの程度のものになったのか。第三点、排水対策について周辺の農地所有者との合意ができているのかどうか。これに要する経費はどの程度になるのか。今後における排水施設等の管理についてどのようにされるのか。市議会の総務委員会での審議状況からして用地取得のめどがついたことにもなりますけれども、これだけの面積では相当数不足することは明らかであります。したがって、今後の用地確保についてどのように対応していかれるのか、最終的にはどの程度の面積を考えられているのか、お答えをいただきたいと思います。
なお、用地問題について一つの山を越えたことになりますので、移転完了までの年次計画もできるだけ早いものにしていかなければならないと思います。当局としてどの程度の年次計画を立て、移転完了をさすのか、以上の点にわたってもお答えをいただきたいと思います。
次に、土木部長にお尋ねをいたします。
平成元年度補正予算案によりますと、南紀白浜空港ジェット化整備事業に伴う空港建設費で十二億四千百万円余減額されており、中でも公有財産購入費では九億六千四百万円余の減額ということであります。こういう経過からいたしまして、用地買収がうまくいっていない事態を心配するものであります。
平成二年度予算案では九十一億八千二百万円余の予算措置がなされ、平成二年度中に用地買収を完了さすとともに本体工事にも着手するとのことで、工事請負費四十三億円余、公有財産購入費三十九億円余と積極的な姿勢につきましては了とするところでありますが、何しろ、平成元年度での用地買収が計画どおり進んでいない事態や白浜町での土地価格の上昇などの要因からいたしまして、相当難航するのではないかと見ているところであります。
そこで、次の諸点についてお答えをいただきたいと思います。
第一点、平成元年度まででどの程度用地買収が完了しているのか。平成二年度では残余の買収が果たして完了できるのかどうか。第二点、地価高騰の影響で全体計画の事業費の増高は避けられないのではないのか。完成の目標年度は何年になるのか。以上の点でお答えを願います。
政府の統計資料によりますと、本県での公共下水道の普及率は四十七位、全国最下位の状況にあります。そこで、本県が進めている紀の川流域下水道事業についてお尋ねをいたしたいと存じます。
平成元年度補正予算案で下水道事業費で当初予算額二十二億円余のうち、今回の補正で五〇%以上の十二億円余が不執行として減額されています。この主なものは、処理場用地購入費の九億円余の問題であります。紀の川流域下水道の処理場用地としてかつらぎ町笠田西部地区に計画決定をされ、十年の歳月が経過していると思います。いまだ用地買収に至っていない事態を考えますときに、計画変更を余儀なくされるのではないかとも思料いたすところでありますが、特に橋本市における人口急増の事態を考えますときに、下流域における五十万人の飲料水の水質向上に密接に関連する事業でありますので、工事の遅延は絶対に許されません。したがって、県行政の責任が大きく問われてきていますので、そうした責任の所在にも留意していただき、現状での問題点を初め、今後の事業の対応策について具体的にお答えを願いたいと思います。
第二の質問に移ってまいります。
県経済センターの会場の使用問題について、管理の最高責任者でもあります知事にお尋ねをいたします。
県経済センターなるものの財産の性格は、公の施設になろうかと思われます。かかる公の施設の使用について、和歌山県教組が十一月に教育要求県民集会開催のためにホールの使用申し入れを行い、また十二月には県教委との労働条件改善交渉の会場使用の申し入れを行った際、県経済センターの担当者が、いずれの会場も先約がないにもかかわらず「既に先約があるので会場使用ができない」などとうそを言って、いずれの会場使用をも断っていたようでございます。ところが、こうした裏には、県経済センターの関係者らが右翼団体の行動を恐れ、会場使用を断っていたという事実関係が新聞報道で明らかにされる事態に至ったのであります。
事の起こりは、昨年十月十九日、県教組の臨時大会が県経済センターで開催されたときに、右翼団体の宣伝カーが十台前後ビルを取り巻き、スピーカーのボリュームを上げて騒ぎ立てたために、入居者の方々からセンターに苦情が相次いだようであります。こうした事態についてセンターの当事者は、警察に適切な措置を求めることもなく、うそでごまかし、公の施設の会場使用を拒否するということは、まさに言語道断、民主主義を否定する行為と申し上げざるを得ません。
長崎市長が史実に基づき当然のことと言える「天皇に戦争責任がある」という立場をとったことに対し、右翼団体の一員がピストルで長崎市長を狙撃するという事件がつい最近に起こりましたが、言論を暴力によって抹殺しようとする行為を絶対に許してはならないのであります。言論の自由、民主主義を守るために、右翼団体の暴挙に対して恐れることなく毅然たる態度をとることが極めて重要なことになってきているのでありまして、知事におかれましてもこうした認識には変わりないと思われますので、まずこれらの点について知事の御認識のほどをお伺い申し上げておきたいと思います。
新聞報道によりますと、県経済センターの担当者が次のような談話を行っております。「右翼や警備で異様な雰囲気になり、テナントの業務に支障が出る。業者に対する責任もあるし、一切の使用を遠慮してもらう」ということで、これでは右翼団体の妨害を恐れる余りに県教組の集会を否定する態度で、公の施設を管理している責任者の発言として絶対に容認することができないのでございます。
そこで、重ねて知事にお尋ねをいたしますが、三月一日から京都市で開催されていた全日本教職員組合協議会の教育研究集会の会場使用をめぐって京都府が右翼団体の妨害問題で会場使用を拒否したことについて、京都地裁は「反対勢力の違法な実力行使を規制して集会が平穏に行われるようにすることが民主制社会の治安を維持する国、地方公共団体の責務」として、会場の使用を許すべきだという裁定が出されました。また、大阪高裁も京都地裁の裁定を決定とする措置がとられてきたことは御承知のとおりであります。
かかる裁定をまつまでもなく、地方自治法二百四十四条による「公の施設」について住民が利用することを拒否してはならないとしていることや不当な差別をしてはならないとする規定からいたしましても、適切な対応がなされていなければならなかったと思います。
県経済センターの管理最高責任者として、京都地裁の決定及び地方自治法の規定に基づき、かつ憲法二十一条の集会・結社及び言論を保障するという基本理念をも踏まえ、経済センター担当者のとってまいりました措置をどう改めるのか、また、今後におけるこれらの問題についてどのように対処していかれるのか、お答えをいただきたいと存じます。
警察本部長にお尋ねをいたします。
十月十九日の右翼団体の行動について、認知されていたのかどうか。また、いかなる対処をとられてこられたのか。今後、京都地裁の決定内容についていかに認識をされ、どのように警察行政をとられていかれるのか。以上の点について、本部長のお答えをいただきたいと思います。
○議長(門 三佐博君) ただいまの中村博君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事仮谷志良君。
〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 中村博議員にお答え申し上げます。
平成二年度の予算、また元年度補正についての均衡ある予算措置の問題でございます。
お話ございましたように、私も、今年度の予算につきましては、関西空港を大きなインパクトとした飛躍の年でございまして、「新しい時代に挑む力強い地域産業の発展」、「健康で快適な暮らしと生きがいのある福祉社会の実現」、「明日を担う人づくり」、「魅力ある文化の創造」を柱として、県勢のさらなる発展に努めてまいったところでございます。
お話のございました、予算の款項目における差、増減の問題でございます。
民生部において減ったのは、南紀療育園の新築経費が減少したわけでございます。保健所においては、古座保健所の新築が終わりました。また、高等看護学院の大規模施設などの建設事業の動向が大きな要因でございます。商工関係では、最近の金融事情の実績等による預託等の貸出状況の大きな変化といったものが大きな要素でございまして、私は予算を款別に区別して形式的に論ずることは必ずしも適当でないと思っております。
それから、基金の積み立てについてでございます。
先ほど鈴木議員にも答弁申し上げましたけれども、数々のプロジェクトが現実化しつつあります。お話ございました県立医科大学やマリーナシティ、南紀白浜空港といった問題は、多年にわたって継続して事業を遂行していかなければならないわけでございます。これらの用意なくしては県の財政運営はできにくい、和歌山県のような国費に非常に依存しなければならない県においてはその難しさがあると、先ほど申し上げたとおりでございます。そうした点で、中期財政運営の観点から、こうした形で積んで全きを期してまいりたいと思っております。
具体的な事情につきましては、後ほど部長から答弁いたします。
それから、経済センターの会場使用問題についての御意見でございました。憲法で保障されている言論・集会の自由は民主主義の根幹であると、私もさように考えておるわけでございます。
これにつきましては、担当の商工労働部長から答弁させます。
○議長(門 三佐博君) 総務部長斉藤恒孝君。
〔斉藤恒孝君、登壇〕
○総務部長(斉藤恒孝君) 多岐にわたって御質問いただいたわけでございますが、まず平成二年度の当初予算の款別の増減について申し上げます。
商工費については、実績の減となった金融等の特別の要因が大きいわけでございます。一方、地場産業・工業の活性化を図る、あるいは産業技術のハイテク化等に対応するための工業技術センターの新棟の建設、先端技術関連機器の整備充実、観光振興の面では古道ピアを熊野古道関連市町村で開催するなどの施策に取り組んでいるところでございます。
また、民生費については、ただいまの知事答弁にもございましたように、南紀療育園の新築経費の減という特別の事情がある一方で、在宅福祉事業の大幅な充実や老人措置費、老人施設建設補助の増額、さらに県単の母子家庭修学費助成の新規導入等、きめ細かな福祉施策を展開したところでございます。
衛生費についても、同じように古座保健所の新築経費の減や高等看護学院の大改修の減という事情がある一方で、検診率向上を図る健康づくり特別対策、あるいは成人病予防のための特別事業の新規計上など、積極的な健康対策にも取り組んでいるところでございます。
また、二月補正について、補正額が大きいではないかというお話でございます。
二月補正においては、県税で七十億余、地方交付税で百億余の増額補正をしているところでございます。県税については、年度途中における予想外の景気の回復等による税収増に支えられたものでございます。地方交付税については、現在国会で審議中の補正予算において交付税で一兆六千億円に近い増額補正が講じられており、これに伴う本県の補正が主な要因でございます。
いずれにしても、元年度当初においては財政調整基金、県債管理基金から合計八十億円の取り崩しを行っているところでございまして、今回の補正の財源により、まず最初にその取り崩しを埋めることとしたところでございます。さらに、図書館、新美術館の建設に備えて文化施設等整備基金の充実を図る等、後年度負担を念頭に置いた、できる限りの財源の有効活用に努めたところでございます。
なお、県債管理基金への積み立ての問題ですが、積立額のうち、元年度で七十四億円、二年度で百三十億円、合計二百四億円の積み立てについては、過去に本県が発行した財源対策債の償還財源として、本来であればその償還時点において地方交付税で措置されるところを繰り上げて平成元年度及び二年度にまとめて交付されることになりましたので、これを将来の償還に備えて県債管理基金に積み立てておくということにされているものでございます。これを除いた実質ベースの基金残高は、横ばいとなっているものでございます。
また、今回、国の補正予算で措置された分の中に地域振興基金というものがございまして、この県分については、同じく国の補正予算に計上されている中小商業活性化基金、地域環境保全基金等に対応する県負担分及び広域的に市町村等と一体となって地域の振興を図るために県が負担する経費について、包括的に財源措置が講じられたものでございます。この趣旨を生かし、和歌山県地域振興基金の活用策については、広域市町村圏の活性化等、市町村の意見を十分聞きながら具体化に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、二月補正の款別の減額要因を具体的に申し上げますと、民生費での扶助費については、福祉対策という意味もあって需要に最大限対応できるよう予算の措置を講じていたところでありますが、施設への入所者の確定等により減額となったところでございます。また、民生費、労働費、商工費の貸付金については実績の推移、繰り上げ償還等により、また、農林水産業費、土木費の公共事業等国庫補助事業については最終的な国庫の確定等により、また、教育費における退職手当については退職者数の減が見込まれたため、それぞれ減額したものでございます。
明許繰り越しについては、できるだけ早く県議会に追加提案すべく計数の取りまとめを急いでいるところでございます。鋭意適正な予算の執行に留意しているところでございますが、一方では、六十三年度、平成元年度とも災害が多く、また用地取得の困難性が高まっているという事情もございまして、かなりの額の明許繰り越しとなる実情ではないかと思っております。
次に、競馬場跡地の購入については、和歌山市と種々協議の上、取得価格、条件等についてこのたび合意に至ったところでございます。用地価格については、和歌山市としても、医科大学の移転用地であること、また紀三井寺地区への移転決定の経緯等も踏まえ、市の条例に基づく減額譲渡となったところでございます。県としても、公共用地としての一団のまとまった土地の取引であり、また地盤改良等、基礎工事にも若干の経費がかさむこと等を考慮の上、合意に至ったものでございます。
また、県営競馬の廃止に伴う補償費については、予算総額で二十八億二千八百万余となっており、この県・市の負担割合は、過去の開催回数の比等により、県が四三%の十二億一千六百万円余、市が五七%の十六億一千二百万円余となっております。この県負担額については、県営競輪その他事業特別会計から支出したところでございます。
スタンド等の撤去費用という御質問でございますが、この用地については更地で引き渡すという和歌山市との合意に基づき、市で撤去工事が実施されたもので、その経費については約四千六百万円と和歌山市から聞いておるところでございます。
また、競馬場跡地とその周辺の排水問題については、用地取得に伴う県と市の話し合いの中で協議を行ってきたところでございます。和歌山市では、周辺の住宅団地や農地等も含め、公共下水道事業の一環として早期に整備する方向で年次計画及び事業費の検討に取り組んでいるところでございます。また、これに伴い、その費用の一部を県で負担することといたしております。
なお、下水道施設については市の事業として実施されるものであり、その管理は市が行うものでございます。
また、移転用地の面積については、今回の競馬場跡地約八万八千三百平方メートルを中心に、県民医療の中核施設並びに医師の育成機関として周辺所有者の御理解を得、今後必要な土地の確保に努めてまいりたいと考えております。
また、この移転整備の年次計画については、紀三井寺地区への決定の経緯等も踏まえ、できるだけ早期に移転が実施できるよう計画の具体化に取り組んでいるところでございます。しかし、大学の施設規模等から見ても、計画段階で相当の期間も必要であると考えられますが、できるだけ早期に完成するよう努力してまいりたいと考えているところでございます。
○議長(門 三佐博君) 土木部長磯村幹夫君。
〔磯村幹夫君、登壇〕
○土木部長(磯村幹夫君) お答えいたします。
南紀新空港建設事業については、県政の重要施策であり、積極的な取り組みをしているところであります。
本事業は昭和六十三年度から事業化し、以来用地買収に取り組んでおり、現在までの状況は、百六名の地権者のうち四十二名の方から用地提供を受けておりまして、買収予定面積七十四・六ヘクタールのうち、今議会に追加議案として提出させていただいている公有財産購入も含め買収面積は三十五・五ヘクタールで、四七・六%の買収実績となります。
用地の取得については予定よりおくれが生じておりますが、関係機関と一体となって、今後とも粘り強く地権者の皆様との合意が得られるよう一層の努力をいたします。
本事業は平成六年四月を開港の目途としており、そのためには平成二年度中の用地取得の概成が不可欠であります。議員御指摘のとおり、近年の地価高騰の影響もございますが、安易な妥協は他に影響を及ぼすおそれがあり、慎重に対処しているところであります。
次に、紀の川流域下水道終末処理場の用地買収についてでございます。
下水道終末処理場が必要であることは、地元では認識されてございます。しかしながら、現在まだ一部に賛成の得られない方も残ってございます。昨年から精力的に対応してまいりました結果、地元と話し合える状態になってございます。今後さらに用地取得について地権者の方々と積極的に交渉を進め、一日も早い解決に努めてまいりたいと存じます。
一方、終末処理場設置に伴う周辺地域の振興策についても要望があり、地元の方々と相談しながら、その実現に向かって全力を尽くしてまいります。
以上でございます。
○議長(門 三佐博君) 商工労働部長天谷一郎君。
〔天谷一郎君、登壇〕
○商工労働部長(天谷一郎君) 経済センターについてでございます。
県の機関が二、三、入居しておりますけれども、その部分を除き、社団法人経済センターと県有財産使用貸借契約を締結している普通財産でございまして、地方自治法第二百四十四条に規定する「公の施設」には該当いたしません。
このセンターの中には五十余の団体や企業等が入居してございます。したがって、入居している方々に快適な執務環境等を提供していかなければなりません。今回、経済センターから実情を聴取したところ、これらの現況を踏まえ、日常業務に支障が予想される会議、催し等については他の会場等を利用していただくようお願いしたとのことであります。
一方、京都地裁の判決に係る京都府立勤労会館は行政財産であり、本県に例をとると、県民文化会館とその性格等が類似をしております。したがって経済センターとは事情が異なりますが、今後この判決をも十分検討の上、経済センターと協議を行ってまいりたいと考えております。
○議長(門 三佐博君) 警察本部長井野忠彦君。
〔井野忠彦君、登壇〕
○警察本部長(井野忠彦君) 右翼団体の行動等についての御質問でありますが、十月十九日の右翼団体の動きについては事前に把握しておりましたので、必要な警備措置をとったところであります。
京都地裁の決定については、報道内容を承知しております。
警察は今後とも、いかなる立場からするものであれ違法行為は看過しないとの基本方針のもとに厳正な取り締まりを行ってまいる所存であります。
○議長(門 三佐博君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
43番中村 博君。
〔中村 博君、登壇〕
○中村 博君 それでは、重ねて質問をいたします。
いずれも重要な問題でありますが、まず経済センターの使用問題からお尋ね申し上げていきたいと思います。
私は、知事からすべてお答えいただけるものという認識でおったんです。なぜかというと、知事も御答弁になりましたように、集会あるいは結社、言論の自由を保障するという憲法の規定は大変な課題でありますので、長崎市長の事件等を考え合わせまして、右翼の暴挙に対して知事としてどんな認識を持つのか、また、みずからが管理をする経済センターについてどのような具体的な対処の仕方をされるのか、そういうことをすべて知事からお答えいただけるものと考えておったんでありますが、残念ながら、知事からお答えいただきましたのは「憲法で規定されている集会・結社・言論の自由の保障は民主主義の根幹である。以下、答弁については部長からさす」と、こういうことです。
それで、今、部長から答弁をいただきましたが、言いわけなんですよ。「公の施設でない」、つまり普通財産であると。しかし、貸した以上は責任があるんです。しかも、この経済センターの管理の最高責任者は知事なんですから。この右翼の暴挙に対して、いやしくも知事からお答えがあったように民主主義の根幹にかかわるような重大な問題が今現実に起こっているならば、当然、まず現場の管理者は警察に対しても要請すべきであったと思うんです。これは要請したんですか。どういう認識でおったのか。これはひとつ部長から答えてください。
知事に重ねてお尋ねをいたしますが、長崎市長の事件という民主主義の根幹が問われる暴挙がつい最近に起こって、それ以前でありますけれども、あなたが最高の管理者である経済センターの使用を認めておきながら、入居者の方々が仕事ができないほどまでに右翼の宣伝カーがあの周辺を取り巻き騒ぎ立てる。これはまさに、力でもって集会を押さえ込んでいこうとするもの。こういうものに対して和歌山県の最高の責任者としてどういう認識を持つんだ、知事は毅然たる態度をとれないのかどうか、こういうことを憲法の理念あるいはまた地方自治法の規定ということからお尋ねをしたんです。
だから、知事としては今後、こういう右翼の暴挙がまさに違法な行為に当たるような場合、どんな認識を示すのか、どういうような考えを持つのか、ここをもうひとつはっきりお答えいただきたいと思います。
次に、総務部長。
あなたから今いただいた答弁は、全く私の質問に答えておらないんです。そこで再度申し上げますが、県債管理基金の積み立て問題ですけれども、そりゃ自治省はそういうことを言うでしょう。しかし、少なくとも和歌山県でありますから、自主的にその自主財源の運用について考えるべきじゃないでしょうかと申し上げているんです。また、あなたは「百三十九億を除けば通例の県債の積み立て状態になる」と。四百三十億になるんですよ。まさに異例じゃないですか。ここをきしっとあなたの方からお答えいただきたい。自主財源の運用について、我々にもわかるように、本来、和歌山県としてもう少し自主的な判断があってしかるべきじゃないかと、ここを申し上げているわけでありますから、そういう点でお答えをいただきたいと思います。
それから、補正予算との関連でありますが、不執行がどの程度になるのか、款別に明らかにしてくださいと言っているんです。これは款別にひとつ明らかにしてください。明許繰り越しが幾らになるのか、どんな事業になるのか。これは、あなたの方ではもう既に整理ができているはずなんです。十二日に明許繰り越しの議案を提案したいということはちょっと聞きましたが、概数でいいんです。款別でいいですから、事業別にわたらなくてもいいから、民生費でしかじかの明許繰り越しが何ぼと、こういうようにお答えを願いたいと思います。
それから、医大用地の買収問題でございます。
今お答えいただいた中で、私は和歌山市議会の皆さんはこういう意見を持つだろうと。つまり、競馬場をやめるために──これは行政として行ってきたのでありますので、したがって特別会計の方でこの十六億円の予算的な執行はされたと思います。しかし、この十六億円、あるいはまた撤去のための四千六百万円というような費用を今回の六十億円から差し引いてまいりますと、二十六万円が本当に和歌山市として正当な価格になるのかどうか、これはまたかなり議論が分かれるところだろうと思うんです。非常に難しい点もあろうと思います。そういう点で、私は議論は避けたいと思います。こういう意見だけ申し上げておきます。
なお、せっかくこれだけの用地問題をまとめ上げてきたんでありますから──したがって、これでは足りないんだから、将来の医科大学を立派なものにしていくための大体の計画目標を持ってもらわないと、この土地を買うこともできない。まずは土地を買い、それから目標を立てるというんじゃないでしょう。あの紀三井寺跡地に知事が異例の裁定をしたんですから、それがどの程度の面積を持つのかぐらいはあなたたちは既に決めているはずであります。したがって、少なくともかくかくしかじか、何平米程度のものを目標として持ちたいというぐらいの答弁はしてもらわないと、私は後へ下がりませんぞよ。
それから、平成元年度予算で、知事からも部長からもいろいろお答えがありましたが、私はこれは言いわけにすぎないような気がしてならないんです。なぜこういう質問をしたかと言いますと、今まであなたたちは予算枠の設定をして、一応抑制してきたんです。ところが、平成二年度は今までの抑制策を若干手直しをしてきたわけです。したがって、平成二年度の予算は款別にもかなりの変化は出るだろうという期待をしてきたんです。ところが結果はそうじゃなくて、県民の暮らしや福祉、あるいは中小企業や地場産業にとって非常に大事な款が、今申し上げたような結果に終わる。知事は「款別に言うのは形式的だ」と言うが、款別を原則にやらないと予算は組めないでしょうが。何も形式を申し上げているんじゃないんです。そういう認識が非常に欠けているように思います。
平成三年は、ちょうど知事選挙もあろうかと思います。県債管理基金はそういうための一定の財源調整の役割もするんじゃないかと、これは私の考えであります。したがって、それらについてまた平成三年で改めて論議をしていきたい。
もうあと四分しかありませんので、以上の再質問についてそれぞれお答えください。
○議長(門 三佐博君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
知事仮谷志良君。
〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 中村博議員にお答え申し上げます。
経済センターの問題でございます。
京都の府立勤労会館の裁判は、詳しい内容は知らないんですけれども、私も新聞で拝見いたしました。先ほども部長が答弁いたしましたように、あれは行政財産でございます。中村議員は法律に非常に詳しい。また市役所にもおられた。だから、行政財産と普通財産の区別は十分わかっておられると思います。行政財産の使用については条例の規定があるわけでございます。そうした面において、経済センターは社団法人の団体でございます。
ただ、組合の皆さんから十分理解されにくい点のあるのは、現在の勤労福祉会館、国体道路のところにあるプラザホープができるまでは、経済センターの九階と十階を勤労福祉協会が管理しておりまして、そこで会議などをやる場合に開催の許可をしていました。しかし、現在はあそこに移りまして、経済センターが管理することになっておるわけでございます。そうした形で、専務等が私の命を受けて、この管理運営を行っているわけでございます。
また、これからの問題についても、先ほど部長から答弁申し上げましたように、協議を進めていくということでございます。私も、知事としていかなる圧力にも屈しないという立場で、先ほど申しました言論・集会の自由を民主主義の根本と考えて進んでまいる所存でございます。
○議長(門 三佐博君) 商工労働部長天谷一郎君。
〔天谷一郎君、登壇〕
○商工労働部長(天谷一郎君) 経済センターとしては、警察が事前に右翼団体の動きを把握していたこともございまして、出動要請はしていないとのことでございます。
○議長(門 三佐博君) 総務部長斉藤恒孝君。
〔斉藤恒孝君、登壇〕
○総務部長(斉藤恒孝君) まず、県債管理基金は交付税で措置されたものではあるけれども、県としてもっと自主的に考えてもいいのではないかという御指摘でございます。
確かに、交付税は依存財源とはいえ一般財源でございますので、県としてもいろいろ考えたわけでございます。また、この財源対策債は今回大変異例の事態ではないかという御指摘でございますが、元年度、六十三年度の国税三税の伸びにより交付税額が増加したわけでございます。それを、補正予算については五十六年度、二年度の当初予算については五十八年度、五十九年度に財源対策債──要するに五十六年、五十八年、五十九年に地方交付税が不足を来した、あるいは国庫補助金のカットが継続された。それらについて財源対策債という形で措置をされ、その償還については交付税の基準財政需要でカウントして将来交付するという予定だったものが、国の一兆六千億近い補正により繰り上げて措置されることになったわけでございます。これは、国の補正予算で昨年の暮れに急遽方針が決められたものでございますので、本県としても一応その考え方に沿って県債管理基金として積み立てたものでございます。
次に、不執行額が款別にどのぐらいになるのかという御質問でございます。
二月補正で、農林水産業費二十億円、商工費二十億円、土木費十九億余という減額補正を立てております。また、教育費についても二十九億円程度の減額補正を立てております。これは、二月補正の予算編成時に見込み得る執行見込みを洗い出し、できる限り不執行額が出ないように二月補正で計上したものでございます。
残りの執行については、これからの問題でございますので現段階ではわからないわけでございますが、私どもとしては、予算の執行率が極力上がるようさらに努力をしてまいりたいと思っております。
それから、繰越明許費について、できれば十二日に提案したいということを申し上げており、現在、その作業を急いでいるところでございます。昨年は九十一億円という繰越明許費が出ておりますが、本年についても、年度途中から関係各部ともいろいろ協議しながら繰越明許費が多くならないように努力したところでございますけれども、災害等もございまして、道路、港湾等、土木費を中心にして総額で百四十億円を超える繰越明許費が出るのではないかと、現在、最終的な数字の詰めを行っているところでございます。今後、繰り越しが出ないよう、関係各部と連携をとって努力したいと考えております。
次に、医大用地の確保の問題でございます。
関係の地主の方の御協力、御理解のもとに、必要な土地を確保できるように努力してまいりたいと思っております。
また、予算は款別に構成されておるので、重点施策についても一応そういう枠の中で考えていくべきではないかという御指摘、確かにごもっともでございます。その中で、諸収入による融資の問題とか、あるいは年度による大規模施設のでこぼこ等もございますが、県民福祉が総合的な意味で向上するよう全体からバランスよく眺めていくということも、さらに努力してまいりたいと考えております。
○議長(門 三佐博君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
43番中村 博君。
〔中村 博君、登壇〕
○中村 博君 質問を重ねます。
知事の経済センター管理の問題でありますが、後段はしっかりしているんです。いかなる圧力にも屈しない、憲法の基本理念を守り抜くと。これは、私も大いに多としたいと思う。
したがって、この枠の中で知事が、普通財産であろうと、管理の最高責任者でありますから、集会が平穏裏に行われるようにするというのが一番大事なことじゃないでしょうか。それは、申し上げておきます。
それで、天谷さん、あなたの答弁ですが、これは非常に矛盾するんです。警察へは言うてない、警察は知ってくれてあったと。これは、管理者の側の答弁ではありませんぞ。知事がそういうしっかりした答弁を後段にしたんだから、少なくとも経済センターの管理を所管する部署として、今後そういう憲法の基本的な理念に合致するような問題が出た場合、当然、安心して使っていただけるように私たちはしていかなきゃならん、こう答弁してもらわなきゃいかんと思うが、あなたはどんなに考えるかな。
それともう一つ。これは「つかえてある」と言ったんですよ。ところが、つかえてないんですよ。うそを言っているじゃないか。民主主義の根幹にかかわる問題をうそでごまかしたじゃないかと、こう申し上げたんです。余り責める気はないけれども、これは非常に大事な問題ですよ。そこの問題について、ひとつもう一遍重ねて、みんながわかるように、県民が納得するようにお答えくださいね。
それと、総務部長。
あなたの答弁は大変な問題なんですよ。いいですか。私は不執行の問題を聞いているんですよ。減額を聞いているんじゃないですよ。いいですか。ごまかしたらあかんよ。プラス・マイナスあるんだ。だから三角だけは百九億あると申し上げたんだ。その中にはプラスもあるんですから、どれだけあるかわからないんですよ。不執行を聞いているんだ。ごまかしたらあかんよ、総務部長。
そして、意外にも百四十億円の明許繰り越しがある。皆さん一生懸命していることはわかるんですよ。多とするんです。しかし、こんなに百四十億も来年度に繰り越さなきゃならんということは、県行政の中に重大な問題を持っているんですよ。これは何なんだ。何が原因だと思うか。それはやっぱりあなたは掌握していただいて、これは地価高騰による問題だとか、我々にわかるようにしてもらわなきゃならんじゃないか。何のために予算議決するんだ。そして、何で当初予算は華々しく説明するんだ。最後になったらしりすぼみじゃ、知事もかわいそうじゃないか。
したがって、総務部長、その意のあるところをひとつお聞かせ願いたい。もうあと一分ですから。
○議長(門 三佐博君) 以上の再々質問に対する当局の答弁を求めます。
商工労働部長天谷一郎君。
〔天谷一郎君、登壇〕
○商工労働部長(天谷一郎君) お答えいたします。
経済センターは普通財産とはいえども公的な性格を持っていると考えておりますので、今後、経済センターの利用者の方々や入居者の皆さん方に安心して使用いただけるよう配慮しつつ対処してまいりたいと考えます。
二点目の件でございますが、私が事情聴取したところによると、十月十九日の十日ぐらい後に電話で申し込みがあり、そういう騒ぎがあった後のことでもありましたので、他の会場を探していただきたいということでお断りしたと聞いてございます。
○議長(門 三佐博君) 総務部長斉藤恒孝君。
〔斉藤恒孝君、登壇〕
○総務部長(斉藤恒孝君) 二月補正で増減いろいろございまして、トータルでは八十五億のプラスの補正になっているわけでございます。これは、各部各課と一月末に協議し、二月上旬に最終的に元年度予算を締め切るまでに不執行になる見込みのものについては極力減額補正をするという方針のもとで整理したものでございます。
その後、二月、三月、それから出納整理期間が四月、五月とあるわけでございますが、この間に各部各課ごとにどの程度の不執行が出るかというのは現段階ではわからないわけでございます。用地に伴うものとか、災害に伴うものとか、いろいろ要因はあるわけでございますが、いずれにしても、不執行が少なくなるよう、また繰越明許費が大きくならないよう、庁内各部と連携を密にして取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(門 三佐博君) 答弁漏れはありませんか。──以上で、中村博君の質問が終了いたしました。