平成元年12月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(木下秀男議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 午後一時五分再開
○副議長(宗 正彦君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○副議長(宗 正彦君) この際、報告いたします。
 昨日提出のあった議案第百四十六号から議案第百四十九号までは職員に関する条例改正案でありますので、地方公務員法第五条第二項の規定により人事委員会の意見を徴しましたところ、次のとおり回答がありました。
 職員に回答文を朗読させます。
 〔職員朗読〕
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   和人委第299号
   平成元年12月8日
 和歌山県議会議長 門 三佐博 殿
 和歌山県人事委員会委員長 寒 川 定 男
 職員に関する条例の制定に係る意見について
 平成元年12月7日付け和議会第259号で意見を求められた標記のことについて、地方公務員法第8条第1項第3号の規定により下記のとおり回答します。
  記
 議案第 146号 職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
 議案第 147号 教育職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
 議案第 148号 警察職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
 議案第 149号 市町村立学校職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
 (意 見)
 上記条例案については、いずれも適当であると認めます。
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○副議長(宗 正彦君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 21番木下秀男君。
 〔木下秀男君、登壇〕(拍手)
○木下秀男君 午前中の石田議員の大変高度な質問から少しは落ちるかもわかりませんが、どうしても来年の和歌山県政の中で取り組んでいただきたい点が二、三ございますので、時間わずかでございますが、質問いたします。
 まず、過疎対策についてお伺いいたします。
 初めに、過疎対策の経過について少し触れてみたいと思いますが、我が国の高度経済政策が功を奏して、近代工業国家へと変貌してきたのが昭和三十年ごろからでありました。「神武景気」、「三種の神器」という流行語の生まれたのもこのころでありますし、「就職列車」という言葉も、また歌までつくられたものであります。地方の若年労働者が激流のごとく大都市に流出し、農山漁村の急激な人口減少が大きな社会問題としてクローズアップされ、地域社会に深刻な問題を惹起し、緊急を要する政治課題となったのであります。
 昭和四十五年、議員立法として十年間の緊急対策を行うための過疎地域対策緊急措置法が制定されたのであります。一般に言われる過疎法であります。この緊急措置法のもとに、これらの指定地域に対しては約八兆円に上る事業費が投資されたのであります。
 それでも、ほとんどの過疎地域では大量の人口流出によって地域社会としての機能が著しく低下し、行政水準が低下の一途をたどるという異常な状態になりました。このため、昭和五十五年度に再度、議員立法として過疎地域振興特別措置法が制定されたのであります。国庫補助率のかさ上げや過疎債の財政措置代行制度等の行政措置、金融措置、税制措置等、各般にわたって特別措置が講じられ、総合的に過疎対策に取り組み、推進してきたところであります。この法の対象となっている地域は全国で千百五十七市町村もあり、面積にして国土の約半分を占めております。昭和四十五年度から平成元年度までの二十年間の投資総額は二十五兆円に上ると言われています。
 この間、県当局においても、県下関係十六町村と連携して、県土の五二・七%を占める過疎地域の振興を図り、交通通信体系の整備を初め、生活環境、施設、産業基盤の整備充実等、推進された結果、多くの成果を上げていることに県民の一人として感謝申し上げる次第であります。また最近は、これらの地域で知恵と工夫と住民パワーで、村おこし、町おこし運動を起こし、みずからの地域に自信と誇りを持ち、積極的に取り組んでいることは喜ばしい限りでございます。
 しかしながら、過疎地域の現状を見ると、人口減少は依然と続いており、全国に見ると約八三%の市町村が、我が和歌山県においては十六町村全部で、人口が減少している現状でございます。若年層の減少と高齢化社会へ一足飛びで突入し、人口の面でも多くの問題があり、産業面においても、公共施設の整備についても、特に幹線道路の広域的施設整備がおくれている現状であります。
 さらに、財政に関しては、税収が少なく財政基盤が大変脆弱であります。高度経済成長時とは異なった形で新たな過疎問題として多くの難問が生じていることを認識すべきであると思います。今日の現状から見て、過疎地域の自主的努力だけは限界に至っており、県や国の強力な支援で解決しなければならないと思います。
 高度経済成長時代からオイルショックを挟んで安定成長時代と、二十年にわたって一貫して総合的、計画的に推進してまいりましたこの過疎対策措置法の期限も、残すところあとわずかとなり、関係市町村こぞって、引き続き法的措置を講じられるよう政府に対し強く要望しているところであります。この時期に当たり、次の点についてお伺いいたします。
 過疎対策二十年の評価と今後の残された課題は何か。昭和六十三年八月の自由民主党の全国過疎地域を対象とするアンケートの回答は和歌山県としていかがなものであったかを、知事並びに農林水産部長にお伺いいたします。
 具体的に、次の二点について土木部長、教育長にお伺いいたします。
 まず、主要県道田辺十津川線についてお伺いいたします。
 この路線については何回もこの壇上で取り上げてまいりましたが、御坊十津川線として国道昇格の猛運動をした路線でありまして、国道四百二十五号線として国道昇格時に切り捨てられた美山村旧寒川村地区であります。
 御承知のように、美山村には県営ダムが建設され、無事故無災害の記録をもって見事完成し、村の新しい名所となり、国道も整備され、これを機に新しい村おこし運動に取り組んでいるところでありますが、ここに問題が起こってまいりました。
 ダム建設で村が分断され、旧寒川地内は一部が水没し、残りの部分は過疎に拍車をかけるような状態で今日に至っております。道路整備につきましては、県が代替工事として一部トンネル等新設工事で取り組んでいただいておりますけれども、ほとんど旧来どおりの狭隘な危険箇所の多い道路であり、何ら手がつけられておらない現状であります。現在工事中の区間の完成は十年の時期がかかると聞いております。
 この寒川地区に、教育問題が起こってまいりました。過疎現象も原因の一つとなりましょうけれども、学校としての機能が成り立っていかないほど学齢層が減り、仮に複式学級を編成したといたしましても、上級生は進学問題があって、単独でやってほしいとの父兄の強い希望がございます。また、少人数のために、団体競技はもちろんのこと、対抗試合のチームすら編成できず、そのために子供たちに競争意識が欠ける点が甚だしい等々の問題が起こりつつあります。
 ちなみに、この寒川地区の小学校、中学校の卒業者数を見ますと、小学校では昭和五十年度二十二名あったのが十五年後の平成元年度で八名、中学校では五十年度二十四名あったのが平成元年度ではわずか五名と、急激な減少数でございます。
 この一例を見るだけでも、過疎対策は急務であると考えます。仮に、学校を統合してスクールバスを運行しようにも、道路整備に十年もかかるという。先生が子供たちの教育のためにと対外交流を試みても、全校生徒合わせてもチームが編成できないというこの現状をどう見るのか。子供たちには平等に教育を受ける権利があります。また、父兄には義務があると思います。過疎対策に関する法施行二十年に当たって、現場に起こっている問題を、教育の点に絞って教育長、土木部長の御所見をお伺いいたします。
 次に、去る六月議会でも申し上げましたが、「シーサイドロード」と名づけました県道御坊由良湯浅線、衣奈から海岸回りの一般県道、戸津井、小引、阿戸に通じる路線の整備についてであります。
 この道路は失業対策事業で開通した道でありまして、沿線に戸津井、小引と小さな部落があり、漁業を中心とした過疎の地域でありますが、ここに昔、分教場がありました。低学年の子供たちの教育の場としておりましたが、教育効果を上げるためにと、父兄の同意と協力で本校に統合し、着実に成果を上げております。
 このルートではバスを利用して通学さしているようでありますけれども、乗りおくれると、親が送迎するか大きな山坂を歩いて通学しなければならないという僻地であります。この道路もまことに狭隘で、対向したときなどは百メートルもバックしなければならない、待避所のない危険箇所の多い道路でもあります。
 今は釣りブームで、県内外からの釣り客はもちろん、若者のドライブコースとなって往来が激しくなっております。この路線改修について町当局初め関係住民から強い要望がありますが、県当局においていかようなお考えか、お伺いいたします。
 続いて、国際交流についてであります。
 最近、日本では「国際的」とか「国際化」という言葉を目にしたり聞いたりすることが特に多くなってまいりました。私は、以前に国際化とは何かということで質問を行いましたが、今回は国際交流について、私見を述べながら提言を申し上げたいと思います。
 経済大国となった日本に世界各国から大勢の外国人が往来してございます。現在、在日外国人の数は八十七万余人を超え、観光、ビジネス等の短期滞在者が二百五十万人、合わせて三百四十万余人がいるとなってございます。ことし平成元年の国際的な問題になったボートピープル事件、中国の日本留学生向けの日本語学校事件等々を考えるとき、まだまだ外国人の数がふえてくるだろうと思います。
 反面、日本から外国へ流出している人口は少なく、確かな数字ではございませんが、五十万人とも七十万人とも言われ、そのほとんどが商社マンとその家族、またはエンジニアと言われております。しかし、短期の海外旅行者の数はウナギ登りで、年々増加の一途をたどっており、金満国家日本の姿を如実にあらわしております。
 和歌山県内の状況を見てみますと、年々外国人の往来がだんだんふえてまいりまして、推計でございますが、一万五千六百人が県下各地に来ております。都市周辺や観光地が主でございますけれども、思わぬところにも来てございます。それは、留学生とその関係者ということであります。
 ここで、留学生について見ますと、県内には大学生三十八名、高校生十六名が十四カ国から来ております。一方、県内からの海外留学生を見ますと、関係機関を通さずに直接留学している者もあって人員の把握は困難であるとのことでありますが、高校生がアメリカを中心に行っているのが二十一名となっております。
 以上が県内における留学生を中心とした外国人の概要でございますが、ここで私は、国際化の進む中で国際交流を積極的に推進することを提言いたします。
 知事、あなたは、今日まで公的に多くの外国の要人と接し、来県する外国人の表敬を受けてこられました。ことしはまた、秋にカナダからアメリカ、ヨーロッパと海外視察でさらに見聞を広めてこられたと思います。また、ことしから高等学校に他県に先駆けて国際学科をも新設されました。
 和歌山県として、平成五年開港が待たれる関西国際空港建設に並行して、加太を中心に国際都市コスモパーク構想を進めてございますけれども、この都市形成の中心的役割を果たすのが現在の高校生であり、中学生の諸君であると思います。国際感覚を身につけ、視野の広い、語学堪能な人材の育成こそが、今一番望まれていることであると思うのであります。
 私の知る限りでは、他府県にはまだこのような制度がないようでございますが、県の助成によって夏休み等の休暇を利用して高校生を中心とした海外派遣を行う、国際交流制度を創設なさってはいかがかと思うのでありますが、知事の御所見をお伺いいたします。
 また、国際交流の一環として、県下に英語を主にした先生を受け入れてございます。私の町にもカナダから来ております。受け入れは町の教育委員会で、町内の小学校、中学校で教えてございますが、大変好評でございます。特に小学校の高学年の生徒に人気があるようでございまして、これも時の流れで、英語に対する子供たちの関心の証左であると思います。
 ここで、教育長に提言でございますが、国際交流として受け入れるのも大いに賛成でありますが、県内の英語を中心とする語学の先生に対して公費による長期海外研修制度を設けてはと思うのでありますが、いかがでございましょうか。「聞く」、「話す」が基本だと言われてございます。青少年の海外派遣、先生の海外研修について教育長の御所見をお伺いいたします。
 以上で、私の質問を終わります。
○副議長(宗 正彦君) ただいまの木下秀男君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 木下秀男議員にお答え申し上げます。
 過疎地域振興措置法が二十年を経過したわけでございますけれども、その過疎対策二十年の評価とその後の対策の問題でございます。
 お話ございましたように、和歌山県は過疎地域が十六町村と非常に大きな地域を占めておるわけでございます。そのために、過疎対策ということが県政の中でも重要な課題でございまして、山村対策課を設置し、県勢浮揚のために道路整備や生活環境整備等について努めてまいっておるわけでございます。
 そうしたおかげで急激な人口の減りもなくなったわけでございまして、道路やコミュニティーセンター、生活基盤等の整備が進んでまいっており、私は成果を上げ得たと存ずるわけでございます。
 しかしながら、そうしたいい面だけじゃなしに、都市への人口集中がなお一層進んでいく中で、過疎地域の高齢化が進んでおる、若い者が定着していないというのが現況でございまして、二十年、効果はありましたけれども、なお残された課題が幾多あるわけでございます。
 そうした高齢化対策や若者が定着する地域づくりのためには、新しい法を制定し、重点的な整備を図っていただくということが重要でないかと存ずるわけでございまして、来年度、新しい過疎法制定につきまして、皆さん方のお力添えを得てなお一層努力してまいりたいと存じておる次第でございます。
 次に国際交流について、高校生の海外派遣の問題でございます。
 お話のように、国際感覚を身につけた青少年の育成ということは、これからの県政にとりまして重要な課題だと思っております。
 そうした意味において、海外の県人会などの協力を得て、和歌山県青少年夏期派遣事業や日中スポーツ少年団交流事業、日独スポーツ少年団交流事業の実施、また和歌山県高校生国際交流協会等への助成を行い、高校生の交流を図っているところでございます。
 今後とも、議員御提言のございました趣旨を踏まえ、国際交流の推進になお一層努力してまいりたいと存じております。
○副議長(宗 正彦君) 農林水産部長安田重行君。
 〔安田重行君、登壇〕
○農林水産部長(安田重行君) 御答弁申し上げます。
 過疎対策の残された今後の課題でございます。
 知事の御答弁にもございましたが、過疎対策の残された課題としては、議員お話しのとおり、高齢化が進行していること、なお若者の定着が少ないこと、産業雇用条件が低位にあること、南北軸を中心とする幹線道路の整備がなお必要であること、財政基盤が弱いこと等、多くの課題がございます。
 さらに、近年、過疎地域が持っている緑豊かな森林や渓谷、温泉等、恵まれた自然資源に対する国民的な関心が高まり、地域への定住希望者や入り込み客が増加傾向にあり、今後、これらのニーズに対応する広域的地域整備も新しい課題でございます。
 新法制定を控えて、このような課題に対応できるよう、国に強く働きかけているところであり、今後も、新たな過疎法の制定と相まって、関係部局とも連携をしながら、議会のお力をいただいて、過疎地域の活性化を目指して総合的、計画的に課題解決に懸命に取り組む所存でございます。
 次に、アンケートについての県の回答でございます。
 議員お話しの自由民主党過疎対策特別委員会のアンケート調査に対する本県の回答は、アンケートの質問内容が多岐にわたってございますので、主なものを申し上げますと、現行過疎法の効果については過疎債、基幹道路の県代行整備を挙げ、過疎地域振興対策としての現在の悩みの課題については、若者の定住対策、高齢化対策、安定的就業の場の確保等を挙げ、本県における特に重要と考える施策分野については、交通通信体系の整備、農林水産業、商工業、その他の産業の振興を強調したところでございます。
 次に、議員が言われるシーサイドロードのうち、衣奈地区から海岸を回り戸津井地区に至る約二千五百メートルの区間については、沖に黒島が浮かぶ風光明媚な白崎海岸県立自然公園の一部をなしております。また、衣奈、戸津井の両地区とも沿岸漁業、養殖漁業等の漁業活動も大変盛んな地域でございますが、現有の県道は狭隘で、議員御指摘のとおり、種々制約を受けております。
 したがって、この区間の整備を早急に図るため、漁港関連道事業を活用し、早期に事業実施できるよう、地元由良町ともども、ただいま国に強く働きかけているところでございます。
○副議長(宗 正彦君) 土木部長磯村幹夫君。
 〔磯村幹夫君、登壇〕
○土木部長(磯村幹夫君) 道路の整備についてお答えいたします。
 まず、県道田辺十津川線のうち、国道四百二十四号から美山村寒川の集落に至る間については、県道のバイパス的性格を持つ村道糠越舟原線、延長二千二百三十五メーターが県代行事業等で、また土居地内でのバイパス、延長四百六メーターを特殊改良事業で整備し、そのいずれもが昭和六十二年度に完成し、残る未改良区間約一・九キロについても、公共事業と県単独事業で整備を図っております。また、土居から上流側に関しても、美山村と協議しながら、交通の危険箇所等の整備を行っているところであります。
 今後とも、過疎対策という面も含め、交通需要、周辺の土地利用等を勘案しながら、順次整備を進めてまいりたいと考えております。
 また、県道御坊由良湯浅線並びに県道衣奈大引阿戸線については、沿線の景観がすぐれており、観光道路として、また生活道路としても今後整備を進めていく必要があると考えております。
 しかしながら、これらの道路は急峻な地形のところを通過しているため、抜本的に改善することは莫大な事業費を要します。このことから、交通の隘路となっている区間や線形不良箇所から順次改良しているところでありますが、今後とも事業の促進に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(宗 正彦君) 教育長高垣修三君。
 〔高垣修三君、登壇〕
○教育長(高垣修三君) まず、過疎地における教育問題についてお答えをいたします。
 学校教育は、御承知のように、教職員と児童生徒、さらにまた児童生徒相互の人間的な心の触れ合いの中で、いわゆる知・徳・体の調和のとれた子供たちを育成することにございます。
 小規模の学校においては児童生徒一人一人に対してきめの細かい行き届いた指導がなされることが一つの利点ではございますけれども、一方ではまた、人数が少数でありますために、御指摘のように、お互いの切磋琢磨の機会が少ないなど、さまざまな問題がございます。
 学校の統廃合については、教育上の効果、児童生徒の安全の問題、学校の教育活動の実施への影響、あるいはまた学校がその地域の文化の中心であるということから考えまして、これは総合的に検討し、そして地域住民の理解と協力を得ながら対処することが大切であるというふうに考えてございます。
 次に、教員の海外研修についてでございます。
 国際社会に主体的に対応できる児童生徒を育成するために教職員を海外に派遣し、研修をさせることは非常に大切なことでございます。こうした観点から、英語担当の教員二名を二カ月間、英語圏へ毎年派遣をしてきておりまして、語学指導、国際理解教育に大きな成果を上げてきてございます。また、希望者も多く、今年度から新たに六カ月間、英国へ一名派遣をしているところでございます。また昭和四十五年度からは、教員を対象にして海外教育事情調査団を結成し、毎年四十名程度の教員を二週間から四週間程度派遣しているところでございます。
 次に、高校生を含む青少年海外派遣については、先ほど知事から御答弁がございましたが、議員御指摘のように、豊かな国際的見識を身につけさせるために高校生や教員を海外に派遣することは極めて意義の深いことと考えてございまして、今後ともこのような事業の充実などにつきましてさらに努力をしてまいる所存でございます。
○副議長(宗 正彦君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 21番木下秀男君。
○木下秀男君 御丁寧な答弁をいただきまして感謝いたしますが、今の教育長の示された数字というのは、和歌山県の県費で派遣された先生方、子供たちではないと思うのでありまして、私の言うのは、全国に先駆けて和歌山県が、将来を担う青少年が国際感覚を身につけるために県費を出してやるんだという、そういう取り組みをしていただきたい、しませんかという提言であって、国のやることを県のした仕事の中へ入れるというのは、これはいささか見当違いでございます。
 よその府県がやってないから私とこは国の施策に準じてそれに参加をしておるということであれば、大きな府県ではそれだけ参加者も多く、和歌山は和歌山なりの割り当てだけしかこないと思います。その不足分を県費でカバーしてでもするというぐらいの積極的な取り組みをしていただきたいというのが私の希望でございまして、近い将来というよりも、今、現下にその状態にあります。そういうことでございますから、和歌山県の思い切った、進取の気風というか、これをもって取り組んでいただきますように強く要望いたします。
 それともう一点、土木部長さん、あなたはまだ来て間がないので詳しく地名を言ってもわからないかと思いますけれども、今お答えの中で、確かに県の代行されておる道路は立派に開通してございますが、これはダム建設と引きかえの道路であります。確かに道路はできておりますが、道路行政が必要という中から生まれたものではないわけでございまして、寒川地区が、この道をつくるということを条件にダム建設に同意した道路でございます。
 そこから上を一般の道路行政ですることが本当の道路行政でございまして──確かに土居という部落の近辺もされてございますが、これを着工したのは二十年もっと以前でございます。そして、今言われる代行等によりこれが完成してございますけれども、その間に──約一・九キロという数字を示されましたが、これは今の進行状況からすれば九年ないし十年かかるというだけの予算措置しかされておりません。さらに、ここから上流の龍神村につながる道でございますが、これは我々田舎の言葉で申しますのに「犬走り」という道でございまして、地図には確かに県道として認定されてございますけれども、道とした形態はございません。それが現道でございます。
 そこをいっときも早く連結することが、過疎の地域の林業に励む人たちの待望でございまして、それをカバーしていただいておるのが林道でございます。林道と県道を接続しておるがために、何とか道路の形態はつくっておりますけれども、現在ある県道の姿というものは、ルートだけはございますが、大きな大木が生えてございます。そういうものをもっと、山村対策、山村振興という意味から土木行政で取り組んでやっていただきたい、これが私の質問した趣旨でございますので、今後そういう面の、残された過疎地域に対するきめの細かい行政を強くお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
○副議長(宗 正彦君) ただいまの発言は要望でございますので、以上で木下秀男君の質問が終了いたしました。

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