平成元年9月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(阪部菊雄議員の質疑及び一般質問)
県議会の活動
○議長(門 三佐博君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
9番阪部菊雄君。
〔阪部菊雄君、登壇〕(拍手)
○阪部菊雄君 九月定例議会に、議員各位のお許しを得て、第三回目の一般質問をさせていただきます。
十月六日、本日は「国際協力の日」であります。同時にまた今定例議会は、あたかも仮谷県政第四期目の折り返し点でもあります。
最近の国内外の諸情勢は、極めて流動化と喧騒化に明け暮れております。去る七月の参議院選挙では、消費税撤廃のみで野党社会党が予測以上の大勝利をおさめ、自民党を周章狼狽せしめました。幸い本県は、保守の危機感による結束により、選挙区で世耕候補を見事に当選させました。同志諸君に心から感謝と敬意を表する次第であります。
かくて保革逆転した参議院選挙後、初めて与野党激突の場となる第百十六臨時国会が去る二十八日に召集され、消費税廃止か見直しか、いよいよ、その展開次第では今国会での解散かという大波乱含みとなるでありましょう。
一方、お隣の中国での動乱に端を発し、結局、マルクス・レーニン主義は武力弾圧なしではうまく機能しないということが明確化され、共産主義の神話は変革しつつあります。すなわち、一党独裁ソ連型社会主義はまさに終えんへの一歩を踏み出した──と各新聞は報道いたしております。
こうした激動しつつある中で、県政を取り巻く諸情勢もまた極めて喧騒化しつつあり、声の大きい者が得をするかのごとき感がしないでもありません。
不老橋建設中止を求める反対住民六十三名の監査請求、マリーナシティができれば漁場が荒らされるとして加太漁協の漁船三十八隻による海上デモ等々、数え上げれば枚挙にいとまがありません。このような厳しい中で、仮谷知事は正確な指導力と判断を持って、誠実に県政全般にわたり積極的に推進されており、着々と成果を上げておりますことは、まことに頼もしい限りであります。
さて、通告に従い、質問いたします。
一番目の地価対策についてであります。
県土は限られた資源であり、この県土の有効的な活用を図るため総合的かつ計画的な利用により県の均衡ある発展に資することは大変重要なことであります。こうした県土利用が県民生活の安定向上と県経済の健全な発展に寄与できるものと確信いたすのであります。しかし、この土地利用に当たり、急激な地価の高騰は地域社会経済に大きな影響を及ぼし、社会資本整備、良好な都市環境づくりがおくれる要因の一つとなり、また県民生活向上に阻害をもたらしているところであります。
この地価問題については、近年の東京都心部に端を発した地価高騰により、その対策の一つとして、国において昭和六十二年、国土利用計画法の一部を改正し、従来の届け出対象面積を引き下げる監視区域制度を設け、地価の安定を図ることとしたところであります。この制度により、現在まで三十二都府県、十一政令指定都市で監視区域の指定を行い、地価対策が講じられております。本県においても、平成元年三月一日から和歌山市の商業地域及び近隣商業地域に定められている区域を、さらに九月十六日から和歌山市、岩出町、貴志川町の全域と打田町のほぼ全域、また田辺市、白浜町の一部の区域を監視区域に指定し、地価対策を講じたことについては高く評価しているものであります。
最近、国土庁が発表した都道府県で行っている地価調査結果が各新聞に報道されましたが、それを見ますと、七月一日時点の対前年変動率は、東京都、神奈川県では住宅地、商業地ともマイナスに転じるなど東京圏では頭打ちの傾向を見せた中で、大阪圏では、住宅地で三七・三%、商業地でも三六・一%と、昨年に続く高い上昇率となっております。特に、関西文化学術研究都市や関西国際空港などの大プロジェクトが進む京都府、奈良県、また大阪府では東大阪、南大阪地域の地価高騰がひときわ目立っている中、大阪府では、七月一日、監視区域の拡大及び面積基準の引き下げにより制度の強化を実施したところであります。これらの地価高騰により、和泉山脈を越えて紀北地域全体への波及は現実のものとなってあらわれています。
県内の地価調査結果でも、和歌山市や那賀郡では一〇%以上の上昇の地点も見られ、橋本、伊都地方においても最高変動率は、橋本市で七・五%、かつらぎ町でも八・五%、高野口町では八・三%と、国道二十四号線沿いで上昇が見られております。したがって、地価が急騰してから監視区域を指定しても遅過ぎるので、国土利用計画法にも監視区域の指定条件として「地価が急激に上昇し、また上昇するおそれがあり、これによって適正かつ合理的な土地利用の確保が困難となるおそれがあると認められる区域」となっております。これから考え合わせますと、橋本、伊都地方は地価上昇の動きがあること、及び京奈和自動車道橋本道路と国道三百七十一号バイパスが本年四月二十一日に都市計画決定されたこと、また南海電鉄を初め民間投資による宅地開発等が進められていることからすれば、今回、監視区域を指定した区域とともに、今後、橋本、伊都地方並びに那賀地方全域にも地価の上昇が急激に及んでくるのではないかと考えられます。当然、直ちに監視区域に指定すべきであったと考えますが、なぜ指定しなかったのか。いつも行政が後追いになるように思えてなりません。
そこで、企画部長に質問いたします。
橋本、伊都、那賀地方全域の監視区域の指定について、県はどのように対応するのか、御答弁をお願いいたします。
次に、和歌山地方裁判所及び家庭裁判所妙寺支部存置についてお願いいたしたいと存じます。
本問題に対して、関係市町村長及び各市町村議長より知事に陳情書、議会議長に請願書が提出されております。最高裁判所は、法曹三者協議会に地裁・家裁の統廃合の方向を提起し、その中に妙寺支部も含まれているということであります。
最近、紀北地方、特に橋本市内において大規模な住宅団地の開発が進み、人口の増加が顕著であり、広域営農道路周辺への大阪資本による土地買収、さらにまた三百七十一号線、京奈和橋本道路の進展に伴い、ますますその傾向が急速に促進されつつある現在、地域住民の裁判を受ける権利を保障し、身近で親しみやすい司法サービスの場を「統廃合」という名のもとに一方的に推し進めることはもってのほかであります。和歌山弁護士会、近畿弁護士会連合会の弁護士全員、全司法労働組合も、これが統廃合に強く反対しております。
仮谷知事、こうした地域住民こぞって地裁・家裁の存続の必要性を強く要望している現状について御所見を承りたいと存じます。
次いでリゾートの推進について、二点質問いたしたいと思います。
一点目、和歌山マリーナシティ開発規模の拡大についてであります。
知事説明要旨を見ると、「西ドイツで訪れた国際的なリゾート地・バーデンバーデンでは、温泉資源を単に保養の場だけではなく多面的に活用し、周辺の自然と調和のとれた開発が行われている現状を見、またフランスで訪れたサン・シプリアンはマリーナを中心とした開発が行われている地域であり、和歌山マリーナシティ事業を推進している本県にとりましても非常に参考になる」とのことであります。
去る九月二十一日に開かれた田辺市議会の田辺湾リゾート開発調査特別委員会で、総合商社丸紅の、リゾート基地建設の大幅拡充、その事業費二千億という夢のようなマスタープランが発表されました。
詳細は省かしていただきますが、現在、松下興産と進めている和歌山マリーナシティ計画を可能な限り周辺に及ぼし、その規模の拡大をする考えはないか。すなわち、和歌浦全体構想の再検討であります。
二点目、霊峰高野山を中心として、仏教と森林を併合した観光開発について質問いたします。
関西国際空港開港に呼応すべく、三百七十一号線と京奈和橋本道路の促進が着々と進んでおります。こうした観点から、リゾート適地は海岸地帯だけではなく、世界的な仏教のメッカ・高野山と広大な森林地帯の自然環境を保全しながら、高野龍神スカイライン周辺、有田川上流の過疎化の激しい花園村をも含め、密教高野山大森林自然リゾート開発に取り組むお考えはありませんか。
丸紅の田辺湾リゾート開発プラス白浜温泉、南紀白浜空港整備、高野山上へのヘリポート基地建設、これらを長期展望でとらえ、有機的な線で結合すれば、他府県ではまねのできない、世界でも類のない理想的な大自然リゾート地帯が生まれるのであります。いかがなものでしょうか、御高見を承りたいと思います。
次いで、農林水産部に質問いたします。
紀の川左岸基幹農道について、昨年、きょうと全く同月同日質問いたし、推進調査費三百万円が計上されましたが、あれから一年経過した今日、調査がどこまで進んでいるのか、御報告を承りたいのであります。
次に、土木部に質問いたしたいと思います。国道昇格の見通しについてであります。
特に紀北地方の地域開発と振興は大いに期待されておりますが、一、泉大津粉河線、那賀高野線、二、和歌山北部臨海田園都市線、三、有田湯浅線、有田高野線について、国の方ではいまだはっきりしていないとの昨年の御答弁でございましたけれども、今なおそのようなままでございましょうか。もし見通しがありましたら御報告願いたいのであります。
次いで、商工労働部に御質問申し上げます。
一点目、パイル織物の整理加工から発生するアクリル等のくず綿の処理についてであります。
厳しい経済環境のあらしの中で、紀州繊維工業協同組合傘下の製造業者は、ひたすら企業の存亡をかけて日夜、合理化や新商品開発、販路開拓、販売促進等に頑張っておりますけれども、整理加工中に生ずるシャーリングのくず綿について、従来は泉州方面の専門業者が一定の料金で回収処分してくれておりましたが、本年度中ごろより、どのような理由か、全面回収中止、さもなくば極めて高い値上げを要求しております。また町営の焼却場も、高熱のため敬遠されております。
御承知のごとく、くず綿が回収処理できなくなると、パイル織物業者、整理加工業者等々、たちまち操業に影響してまいります。こうした現状を御推察いただき、県関係部局、町当局並びに組合役員と善後策について協議していただきたく、要望いたす次第でございます。特に、いつも御高配いただいておりますことを感謝申し上げながら、切にお願いするものであります。
二点目、県工業技術センターについてであります。
四月一日、県工業試験場が「和歌山県工業技術センター」と改称され、何となくモダンな名称になりました。さらに、新任の横山所長は東京大学を卒業された優秀な方であります。かつまた従来からの技術職員も、他府県に劣らざる人材がそろっているようであります。しかし、悲しいかな、他府県に比べて建物は古く、設備機器も不十分と聞いております。
ちなみに、この建物は、仮谷知事が若かりし経済部長時代に建設されたと聞いております。まあ、知事さんは今も若々しゅうございますけれども、さらにそれより若かったということでございます。
昨年、前任の花岡部長は、施設設備については従来からも最新鋭機器の導入を図るなど充実に努めているところであるが、今後、時代に即応した施設、さらに研究体制もあわせ、そのあり方について検討していきたいと答弁されました。あれから丸一年、現在、横山所長という立派な研究者が就任されました。
この際、建物の全面的改築を行い、施設設備も近代的なものにし、地場産業の育成強化と振興に寄与するお考えありやなしや、御所見を承りたいのであります。去年の花岡部長とよく似たような答弁はひとつ堪忍してもらいたいと思います。
さて、最後になりましたが、教育長に「三ない運動」について質問いたします。
文部省は、最近、騒音をまき散らし、無謀運転から事故の絶えない若者のオートバイ対策として、高校生に二輪車教育を実施する方針を固めました。「免許を取らない」「二輪車を持たない」「運転しない」という時代逆行の高校生への交通安全対策が逆に無免許運転を生む原因となり、政府の交通対策本部の調査では、昨年の交通事故死亡者数中、十六歳から十八歳までの高校生では千百六十五人、前年比六十七人増という厳しい結果が出ております。
本年度より八月十九日は「バイクの日」と定め、文部省は特に工業高校の教育の中に二輪車の運転免許取得への試みとして全国的にモデル校を設置し、実技は最寄りの公安委員会指定校に委託するやに聞いております。本県においても、この実験校の指定を受けるお考えはありませんか。また、三ない運動の是非について御答弁いただきたいと思います。私は文教委員でございますので、教育長、再質問はいたしません。
以上で、第一回目の私の質問を終わらせていただきますが、豊かな文化、健康、産業発展の和歌山創生のために、仮谷知事、西口副知事、梅田出納長、市川公室長、職員各位のさらなる御努力を心からお願い申し上げる次第であります。
御清聴ありがとうございました。
○議長(門 三佐博君) ただいまの阪部菊雄君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事仮谷志良君。
〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 阪部議員にお答え申し上げます。
和歌山地裁・家裁支部の統廃合問題についてでございますが、全国で五十八支部の統廃合について現在検討がなされており、その中に和歌山地方裁判所の支部も対象とされてございます。
この統廃合は国の組織の問題でございますけれども、地域の実情や県民生活への影響があると考えられますので、そうした意向を十分関係機関に伝えてまいりたいと思っておる次第でございます。
他の問題は、関係部長から答弁いたします。
○議長(門 三佐博君) 企画部長川端秀和君。
〔川端秀和君、登壇〕
○企画部長(川端秀和君) まず、地価対策についてお答えを申し上げます。
監視区域についての御質問でございますが、監視区域の指定に当たりましては、その地域の地価動向、土地取引及び全国の地価動向、社会状況を総合的に判断して指定することとなってございます。
県におきましても、地価公示や地価調査はもとより、特に県単独事業でも地価動向の把握に努めているところでございまして、地価上昇の兆しが見られ、今後も上昇するおそれのある和歌山市の一部をことしの三月一日から、また和歌山市全域を初め二市四町については九月十六日から、それぞれ監視区域に指定いたしたところでございます。
監視区域に指定されると届け出対象面積が引き下げられ、従来よりも小規模な土地取引についても届け出が必要となり、価格及び利用目的を審査することになります。
議員御指摘の地域につきましても、一部で地価は強含みの傾向も見られますので、今後とも地価動向調査等を実施しつつ地価の動向や推移を把握しながら、地価対策についてはお話の趣旨を十分心して的確に対応してまいりたいと考えてございます。
次に、リゾート推進についての二点の御質問にお答えを申し上げます。
第一点は、和歌山マリーナシティ構想拡大についてでございます。
和歌浦湾地区は、燦黒潮リゾート構想において重点的に整備する地区として、現在、国の関係省庁と協議を行っているところでございます。この地域におきましては、和歌山マリーナシティの充実はもちろんのこと、和歌浦湾の自然資源、歴史・文化資源を生かしながら、周辺内陸部でのスポーツ・レクリエーション施設等の整備とあわせて、一体的に整備してまいりたいと考えてございます。
また、和歌浦湾周辺には黒江漆器を初めとする伝統地場産業並びに既存の観光産業がございますので、地域関連産業との連携を図りながらリゾート整備を進めることとして、幅広い利用者層にこたえられる機能の拡充を図っていく必要があると考えてございます。
第二点は、高野山を中心とした観光開発についてでございます。
議員御指摘のとおり、霊場高野山を中心とした内陸地域には日本有数の歴史・宗教文化、豊かな森林と個性ある温泉など特色ある資源が多く、これらについては、海岸部とともに本県の持つ貴重なリゾート資源であり、本県のリゾート整備を展望する上で必要不可欠な要素であると認識をいたしてございます。
昭和六十三年三月に策定をした和歌山県リゾート開発基本構想におきまして、海洋型や都市近郊型リゾートゾーンの形成とともに、高野から龍神を経て熊野に至る一帯の地域を自然体験と心身のリフレッシュを目指した山岳・高原型リゾートゾーンとして形成を図ることといたしてございます。
内陸部の資源を活用したリゾートと海洋型リゾートとの連携を図るとともに、地元市町村等の理解と協力を得ながら、多様な余暇活動にも対応できるリゾート空間の創出に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
以上でございます。
○議長(門 三佐博君) 農林水産部長安田重行君。
〔安田重行君、登壇〕
○農林水産部長(安田重行君) お答え申し上げます。
紀の川左岸の基幹農道の問題でございます。
この農道につきましては、各方面の強い御要望により、昭和六十三年度から調査を実施いたしておるところでございます。昨年度は、紀の川広域農道と受益地の関連、路線計画、現況輸送体系、周辺営農状況、地質調査等、事業推進に必要な基礎的調査を実施いたしたところでございます。本年度は、この調査結果を踏まえ、現在施工中の紀の川広域農道について、受益地を右岸、左岸に分離して事業効果の見直しを行う必要がございます。さらに、計画農道の効果測定や交通量調査、概略設計等を継続実施するとともに、国や関係市町村とも協議をしながら、事業採択に向けて検討を進めてまいりたいと存じます。
以上でございます。
○議長(門 三佐博君) 土木部長磯村幹夫君。
〔磯村幹夫君、登壇〕
○土木部長(磯村幹夫君) お答えいたします。
国道昇格の見通しについてでございます。
一般国道の昇格につきましては、最近では、昭和五十七年の四月に追加指定が行われております。建設省においては、本年の秋以降、県等に調査指示を行って具体的な検討を開始し、第十次道路整備五カ年計画期間の昭和六十三年度から平成四年度の間で昇格路線の選定を進める方針であると聞いております。
現在、まだ調査指示は来ておりませんが、次回の追加指定は非常に厳しい状況にあると聞いております。
御質問の路線は本県の重要な骨格路線でありますので、今後、時期を見ながら国に対して要望してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(門 三佐博君) 商工労働部長天谷一郎君。
〔天谷一郎君、登壇〕
○商工労働部長(天谷一郎君) パイル織物の整理加工から発生するアクリル等のくず綿の処理についてでございます。
産業廃棄物につきましては、企業が処理することが基本でございますが、近年、地場産業の製造過程で排出される廃棄物の処理の問題は重要な課題となってきてございます。
御要望の件につきましては、産地組合、関係市町村ともども、関係部局と連携をとりながら問題解決に向けて協議してまいりたいと存じます。
次に、工業技術センターの件でございます。
地場産業の振興を図る上で技術開発力の強化が重要な課題となってきてございます。こうした中で、過去五年間で約八億円の最新鋭機器を導入するなど、設備の充実に努めてきたところでございます。
また、去る四月一日付で組織を改正し、企業ニーズに素早く対応できる体制といたしました。
さらに、本年度お認めいただいている予算をもとに、研究開発機能の充実、開放的施設づくり、産・官協力体制の強化を三本柱とした基本計画を現在策定中でございます。
今後は、この基本計画に基づき、研究棟や研究開発設備の拡充整備に取り組んでまいりたいと存じます。
以上でございます。
○議長(門 三佐博君) 教育長高垣修三君。
〔高垣修三君、登壇〕
○教育長(高垣修三君) 高校生に対する三ない運動についてお答えを申し上げます。
いわゆる三ない運動につきましては、県高等学校PTA連合会の要請もあり、関係機関、関係団体等の御協力をいただき、昭和五十五年にこの制度を実施いたしたわけでございます。その結果、本県の高校生の二輪車による交通事故の発生件数は減少し、一定の成果をおさめたところでございます。しかしながら、全国的な傾向として、若年層の二輪車による交通事故死が増加をしている現状にかんがみ、文部省では来年度から高校生二輪車運転教育に関する調査研究を行う予定であると聞いてございます。
議員御提言の、いわゆる実験校の受け入れにつきましては、今後、国におけるその計画の動向を踏まえながら慎重に対処してまいりたいと考えてございます。
また、三ない運動の是非についてでございますが、生命を尊重することは学校教育の基本であるという観点から、本県においては、三ない運動はなお当分の間必要であると考えてございます。
今後、文部省の研究成果や他府県の状況を見守りながら、よりよいあり方について関係機関、団体と協議をいたし、高等学校における交通安全教育の一層の充実に努めてまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
○議長(門 三佐博君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
9番阪部菊雄君。
○阪部菊雄君 知事さんの方から、地裁・家裁妙寺支部の存置について、関係機関へ十分働きかけるというお話をちょうだいいたしまして、大変うれしく思うわけでございます。当県では、その対象が妙寺支部と御坊支部になっておりますので、ぜひよろしくお願いいたしたいと思います。
続いて、企画部長から御答弁いただきましたが、現状では、橋本、伊都、那賀地方は、大阪の不動産業者が大変いい値でどんどん買収いたしております。変動率以上の急騰が続いており、昨年から見ますると、一〇〇%も二〇〇%も上昇したところがあるというのが現実でございます。私も二年前までは宅建業者でしたので、こういう事情はよく知っております。御答弁のような、ちょっとぬるいふろに入っているようでは悔いを千載に残すのではないかと思うわけでございます。県も、関係町村の公共事業については、こうした急騰によりなかなかうまくいかず、水泡に帰すおそれもあると思いますので、この点、強く指摘いたしておきたいと思います。
お話し申し上げましたように、橋本、伊都、那賀全域の監視区域の指定を、年内または遅くとも来年二月議会までにやっていただくよう要望いたしまして、私の質問を終わらしていただきます。
どうもありがとうございました。
○議長(門 三佐博君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で阪部菊雄君の質問が終了いたしました。
これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
○議長(門 三佐博君) この際、暫時休憩いたします。
午前十一時二十八分休憩
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