平成元年9月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(渡辺 勲議員の質疑及び一般質問)
県議会の活動
午前十時四分開議
○議長(門 三佐博君) これより本日の会議を開きます。
○議長(門 三佐博君) 日程第一、議案第百三号から議案第百二十号まで並びに知事専決処分報告報第十号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
46番渡辺 勲君。
〔渡辺 勲君、登壇〕(拍手)
○渡辺 勲君 おはようございます。万雷の拍手の中で、一般質問をさせていただきます。
六月定例会に引き続きまして、関西国際空港に関する諸問題について質問をいたしたいと思います。
関西国際空港の建設につきましては、昨年末に空港等の護岸が完成し、現在、数ヘクタールの陸地も海面上に姿をあらわしているところであります。このように、平成五年春の開港を目指して建設工事が着々と進んでいるのは、空港建設を担当している関西国際空港株式会社、加太の土砂採取事業を担当している県土地開発公社を初めとする関係者の懸命の御努力のたまものであり、私もその努力に対しまして最大限の敬意を表する次第であります。
しかし、関西国際空港問題については、全体構想の具体化、大阪国際空港の存廃問題など、今、本県にとっての新たな山場に差しかかったのではないかと私は考えております。
そこで、私なりに、昭和四十九年の航空審議会答申以来の関西国際空港と本県のかかわり合いについて、振り返りながら質問をしてまいりたいと思います。
私は、昭和四十六年に県議会に初当選したわけでございますが、その年の十月に運輸大臣が、航空審議会に関西国際空港の規模及び位置についての諮問をなされております。その諮問を受けて昭和四十九年八月に航空審議会の答申がなされたわけですが、これが本県にとっての最初の山場となったわけであります。
私はこの答申について、その年の九月議会で当時の大橋知事に審議会のオブザーバーとして本県が含まれていないことについて質問したわけですが、そのとき大橋知事は「本県を無視しての空港建設はさせない」との答弁をなされ、私も大変心強く思った次第でございます。
そして翌年、私の質問に対する大橋知事の重大決意表明を受けて、当時の木村睦男運輸大臣が飛行場部長を伴い、関係三府県の歴訪のトップを切って来県され、大橋知事と面談されたわけでございます。その場で、和歌山県が関西国際空港関係府県であると国に明確に位置づけさせるため、関西国際空港と本県のかかわりについての資料作成を要求するとともに、本県は空港問題について警戒的白紙で臨む旨表明されたのは周知の事実でございます。
しかし、この年の十月に大橋知事は志半ばにして急逝されたわけでございますが、この大橋知事の強い申し入れを受けて、運輸省から翌昭和五十一年に「和歌山県の合意なしに関西国際空港の計画は決定しない」との回答が得られたわけでございます。その後、運輸省において二回の実機飛行調査を初めとする種々の調査が進められ、昭和五十六年五月に「関西国際空港の計画案」「関西国際空港の環境影響評価案」「関西国際空港の立地に伴う地域整備の考え方」のいわゆる三案が和歌山県、大阪府、兵庫県の関係三府県に提示されたわけでございます。
第二回目の山場は、その翌年に起こってまいりました。関西国際空港問題に神戸方面から暗雲が垂れ込めてまいったのでございます。昭和五十七年に、突如として兵庫県、神戸市の政財界から神戸沖空港案が急浮上してまいったのであります。
当時の坂井兵庫県知事は、大阪モノレール建設事業などの大阪国際空港の存続の動きをとらえ、「泉州沖答申は現空港の廃止を前提としており、存続なら前提が変わる」として、泉州沖答申の見直しを求める考えを示したのでありました。また、宮崎神戸市長も神戸沖空港の独自案をまとめ、当時の小坂運輸大臣に検討を要請したのであります。神戸から垂れ込めてきた暗雲が、大阪湾にあらしを呼んだのであります。
このような中、兵庫県、神戸市の反発から開催が危ぶまれていた大阪府、兵庫県、和歌山県の三府県知事と大阪、神戸、和歌山の三市長による関西国際空港計画の推進を図るための湾岸サミットが、仮谷知事の御尽力や担当者の不眠不休の調整作業により、その年の六月七日に和歌山市において開催されたのであります。
この会議において、ホスト役の仮谷知事の精力的な調整により、関西国際空港についての早期結論に関係者が努力することの合意がなされ、関西国際空港建設に向けての大きな一歩が踏み出されたのであります。この合意に基づき、大阪府は七月六日に「計画の具体化を進めるべき」との見解をまとめて運輸省に回答を行い、本県も、国内線の機能の十分な確保、騒音問題を初めとする環境への配慮、積極的な漁業対策などの意見を付して、八月三十一日に「計画の早期具体化を図るべき」との回答を行ったのであります。しかしながら、兵庫県は一年以上もおくれ、昭和五十九年二月十日に回答がなされ、運輸省の三案提示以降二年八カ月ぶりに三府県が計画に合意をしたのであります。
また、昭和五十九年度政府予算で関西国際空港株式会社への出資金が計上され、航空審議会の答申以来十年の歳月を経過して、関西国際空港の実現に向けて動き出したのでございます。
そして、この年の十月の関西国際空港会社設立に当たり、本県は関係府県としての取り組み姿勢を示すとともに会社に対する発言権を確保するため、亡くなられました井上統二氏を監査役として送り出し、県職員も出向させ、また、今議会において追加出資の予算案が計上されておりますが、大阪府、大阪市に次いで兵庫県と並ぶ出資金を決定したのであります。そして、昭和六十二年一月に空港建設工事が着工され、本年五月には加太からの土砂搬出が開始されたのでございます。
今振り返りましたように、関西国際空港問題は、昭和四十六年の航空審議会への諮問から今年で十八年の年月が経過したわけですが、その間、私も議員の一人としてこの問題に取り組んでまいったわけでございます。そして今、さきの六月定例会で申し上げましたとおり、過去二回の山場にまさるとも劣らない山場を迎えようとしているのであります。それは、二月定例会で要望決議されました関西国際空港の全体構想と、六月定例会で要望決議されました大阪国際空港の廃止問題であります。この問題は、和歌山県の県勢発展に深くかかわる問題でありますので、六月定例会に引き続いて再度質問をさせていただくわけでございます。
大阪空港の廃止問題につきましては、昭和三十九年に大阪空港周辺市から成る大阪国際空港騒音対策協議会が設立され、大阪国際空港の撤去を運動方針とし、地元住民の裁判闘争と相まって、昭和四十六年の航空審議会の答申時期には空港廃止を強く求めております。そして国においても、その経緯を踏まえ、欠陥空港との認識から民家の移転工事、防音工事を行ってきたのではないでしょうか。
このような情勢を受けて、昭和四十六年の航空審議会において、大阪国際空港の廃止を前提として関西国際空港の建設を進めるべき旨の答申がなされたわけであります。
しかるに、関西国際空港の建設が着手された昭和六十一年に、その協議会の運動方針から「空港撤去」の文字が削除され、「存続について種々の意見があるが」として事実上の存続への方針転換がなされたのは、当初から関西国際空港問題にかかわってきた私にとっては、まさに裏切り行為としか思えないのであります。
さらに、去る九月五日のこの協議会の総会において、あろうことか、「存廃」を「将来のあり方」に置きかえるとともに、冒頭に「国際化・情報化が進展していく中」とうたい、国際空港としての存続を求めるまでになってきております。また、その総会において、水田飛行場部長が「平成二年十二月から平成三年三月までに大阪国際空港のあり方の結論を出す」との説明をされたとの新聞報道がございました。
そこで、このような関西国際空港を取り巻く新たな動きに対する知事の御所見を伺いたいのでございます。また、県において現在把握されている存廃調査の今後のスケジュール及び発表時期について、企画部長からも御説明をいただきたいと思います。
次に、もう一つの重要な課題である関西国際空港の全体構想の問題でございます。
関西国際空港は、現在建設されている滑走路一本しかなければ、その滑走路が使用できない不測の事態が発生したときは離発着ができなくなります。また、冬場には横風が強いと聞いておりますが、このようなときには横風用の滑走路がなければ飛行機の離発着ができないことになります。
このような事態が起これば、昼間はともかく、夜間には大問題が発生すると私は危惧しております。なぜならば、夜間に飛んで来た飛行機は、国内の他の空港が夜間の着陸制限を受けているため、日本におりることができないのであります。そのようなときは、二十四時間空港である韓国の金浦空港や台湾の台北空港などにおりなければなりません。このような事態が多発すれば、関西国際空港は名ばかりの二十四時間空港であるとの批判を諸外国から受けることになりますし、アジアの拠点空港としての機能も果たせないばかりか、金浦空港や台北空港にアジアの拠点空港の地位を奪われかねません。名実ともに関西国際空港がアジアの拠点空港となるためには、全体構想の実現はぜひとも必要であります。
この問題については、先月二十二日に江藤運輸大臣が来阪され開催されました「一日運輸省」の席上で、近畿ブロック知事会長として仮谷知事が関西国際空港の全体構想について要望されたと聞いてございますが、そのとき運輸大臣がどのような回答をなされたのか、また、現大阪空港存廃の問題についてどのようなニュアンスの発言をなされ、それに対して知事はどのような受けとめ方をされたのか、率直に感じられたままをお聞かせ願いたいわけでございます。
第一回目の質問を以上で終わります。御清聴ありがとうございました。
○議長(門 三佐博君) ただいまの渡辺勲君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事仮谷志良君。
〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 渡辺議員にお答え申し上げます。
関西国際空港について、昭和四十六年の諮問以来の十八年間の歩みをお話しいただいたわけでございますけれども、私もまた感慨ひとしおのものがございます。絶えず御指導いただいた議員並びに県会の皆さんに対して、心から感謝申し上げる次第でございます。
今、また大きな山場にかかっておる、それは大阪空港の存廃問題だというお話でございます。
存廃問題については最近いろいろな動きがあるわけでございまして、私も非常な関心を持ってございます。さきの議会でも答弁申し上げましたけれども、この問題の原点は、やはり環境問題だと思うわけでございます。ただ、私は、従来の経過を踏まえまして、第一義的には関係者である国、大阪府、兵庫県、地元市、地元住民の間で結論を出すべき問題であると思っておるわけでございます。
しかし、この問題が関西国際空港の国内便の確保の問題や全体構想の実現に影響を与えるものとなるならば、関西国際空港の関係府県の一知事として、毅然たる態度で臨む所存でございます。
次に、「一日運輸省」における知事の全体構想についての質問に対する大臣の発言はどうかということでございます。
私は国内便の確保と全体構想の実現についてお願いを申し上げたのでございますけれども、運輸大臣からは、「我が国の航空政策に三つの柱がある。一つ目は国内の拠点空港としての羽田の沖合展開である。二つ目は成田の二期工事の完成である。当初千三百万人の予定が今は千八百万人が利用している。また、航空貨物については世界一であり、日本の航空貨物の八割を取り扱っている。現在、三十七カ国四十八社の新規乗り入れ希望があり、この成田の完成に運輸省は総力を挙げて取り組んでいる。三つ目は、関西国際空港が大事である。平成四年度末に何が何でも開港させなければならない。しかしながら、滑走路一本の国際空港は世界のどこにもなく、また東京一極集中を是正するためにも関西国際空港の全体計画を完成させる必要がある。平成三年度から始まる第六次空港整備五カ年計画の中で明らかにしたい」との回答をいただきました。
私は、関西国際空港の全体構想の実現を進めている者の一人として、我が国の国内・国際の基幹空港であり、また二十四時間世界に開かれた滑走路三本を備えた完全空港の実現について、より一層積極的に進めていかなければならないのではないか、簡単な問題ではないなと、決意を新たにしたところでございます。
今後、県議会の皆さんを初め、県民の皆さんの御協力を得ながら、全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。
○議長(門 三佐博君) 企画部長川端秀和君。
〔川端秀和君、登壇〕
○企画部長(川端秀和君) 伊丹空港存廃調査の今後のスケジュール及び発表時期につきまして、お答えを申し上げます。
大阪国際空港のあり方に関する調査については、公害等調整委員会による調停条項等に基づき、昭和五十九年度から調査が開始され、昨年度で個別調査はおおむね完了し、本年度は総合評価調査が行われているところでございます。
今後は、総合評価調査の完了後、大阪国際空港騒音調停団並びに地元地方公共団体との協議を行い、平成三年度から始まる予定である第六次空港整備五カ年計画の決定時までに結論が出されるものと聞いてございます。
以上でございます。
○議長(門 三佐博君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
46番渡辺 勲君。
○渡辺 勲君 一つ、答弁漏れというよりも、運輸大臣の来阪に伴う問題で、全体構想だけではなしに伊丹空港の存廃問題について運輸大臣は、奈良、京都の方々の立場から見ると伊丹空港の存続は必要というふうな意味の発言をなされておりました。その件について質問をしているうちに気がつきましたので、ちょっと通告なしに入れさせていただいたんですが。
そのときに、伊丹空港存廃問題に対するそのような運輸大臣の発言に対して、知事は和歌山県として何か意見を申し述べたのか、あるいはアピールされたことがあるのか。その場の場合と後刻の場合、時間的なずれはあるけれども、何かなされたことがあればお聞きをしておきたいと思います。
関西国際空港問題を取り巻く諸情勢の問題でございますけれども、いわゆる泉南沖空港建設の原点、これは知事も御答弁されておったように、環境問題でございます。そして、伊丹空港の廃止がこの前提にございます。このことについて、第一義的には関係者である国、大阪府、兵庫県、地元市、地元住民の間で結論を出すべき問題であると考えていると御答弁なさったわけでございますけれども、知事は関係者がこれから出されようとしておる結論を待たれるわけですか。いつまで待たれるわけですか。
私は、結論が出てしまったときには、もはや後の祭りになるのではないかという危惧をするわけでございます。関西の経済団体や運輸省や大阪府の巨大な力にこの小さな和歌山県が、結論が出た後に対抗しても、もはや和歌山県の存在を小さくしか見ません。
実は私、先月の二十六日に大阪へ行ってきました。そして、複数の大阪府出身の国会議員さんや府会議員さんと率直に話し合ってきました。どなたの口からも、「近畿に国際空港が二つあるのはいいことだ。和歌山もこれでよくなるんじゃないでしょうか」と。和歌山のそれなりの固有の事情を説明しても、歯牙にもかけていない、頭の片隅にも和歌山県の県益や立場などは置いていないというふうな実感を受けました。
結論が出たときには、もう遅い。今なぜ和歌山は攻めようとしないのか。有効な対抗手段を出さないのか。ここが私の一つのいら立ちでございます。
また、いよいよ伊丹空港存続、そして国全体から見たときに成田や羽田の問題もある。とてもとても、関西国際空港の全体構想まで着手するのは難しいですよ。伊丹空港と二つあれば、当面、最終目標なしに第一期計画だけで御辛抱願いたい、こんな形になることは目に見えているんじゃないでしょうか。そうしますと、先ほど申し上げたように、滑走路一本で、結局、二十四時間空港でありますから、伊丹空港からはみ出た九時以降の国際便だけが乗り入れられて国内便はカットされ、まさに和歌山県は扇風機の裏側になるんではないかという心配が目の当たりに想像できる事態に立ち至っておるのではないかと思うんです。
ですから、お聞きいたします。「毅然たる態度をとります」──結論が出て「毅然たる態度」をとっても遅いんですけれども、知事がおっしゃる「毅然たる態度」とは一体、具体的にどのような態度を今お考えになっておられるのか。場合によっては強固な手段も必要ではないかと私は思うわけでございます。県政の正念場にこそ政治家・仮谷志良知事の真骨頂を示すべきではないか、今そのときが来ているんではないかと私は申し上げたいんでございますけれども、再答弁を願いたいのでございます。
以上です。
○議長(門 三佐博君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
知事仮谷志良君。
〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 渡辺議員にお答え申し上げます。
お話ございましたように、「一日運輸省」の際に運輸大臣から、やはり関西の利便性、奈良や京都の立場を考えた場合、関西に複数の空港があってもよい旨の発言があったことは事実でございます。しかしながら、その過程において、大阪国際空港周辺の住民及び地元公共団体と国が議論し、そうした段階を踏んで国が結論を出すということも申しておるわけでございます。
大阪国際空港の存廃問題につきましては、一番の問題点は何であったか。先ほども申し上げましたように、やはり環境問題でございました。伊丹市並びに周辺市町村の協議会の問題でございまして、お話のあったとおりでございます。
当初から、近畿の知事会においても、この伊丹空港の存廃問題をテレビで討論した際にも、私だけが伊丹空港廃止ということを申し上げてまいったわけでございまして、他の知事は、やはり伊丹の方が便利だという意見が大勢であったわけでございます。このように、問題点は地元の環境問題であるという感じでございます。それが大阪府、兵庫の態度であったのでございます。
「毅然たる態度」の問題でございますけれども、先ほども申しましたように、私は国内便の確保と全体構想の実現に全力を挙げて進めてまいりたいと思っております。渡辺議員がおっしゃったように、いろいろな作戦はあろうかと思うわけでございますし、県議会において廃止決議をしていただいておるということも十分かみしめておるわけでございます。そうした意味において、今後のあり方につきまして私も積極的に努力してまいりたいと思っております。
○議長(門 三佐博君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
46番渡辺 勲君。
○渡辺 勲君 運輸大臣の伊丹存続を示唆するような発言については、段階を踏んで地元の出す結論を待つというような意味の受けとめ方をされておるようでございますけれども、きょうの各紙を見てみましても、いわゆる立地の市である伊丹市議会が昭和四十八年に空港撤去決議をされているわけです。そして五十六年に、空港の撤去とともに代替の関西国際空港の早期建設を市の第二次構想の柱にしているわけです。
ところが、今度の新たなる第三次総合計画の基本構想の中では、「さまざまな情勢の変化を考え、市民の生活と利益を守る立場から改めて市民の合意を求める」ということで、撤去と関西国際空港推進、それから宣言、すべてを取り除いて存続の方向で、立地の市自体において存続への結論を出す前提の準備作業が進められておる。
もちろん、他の自治体へ我々和歌山県が介入していくということはできませんけれども、和歌山県の立場を大きくここでアピールしなければ、だまし討ちに遭っているような和歌山県の立場になってしまう。何がために、県民の厳しい疑念の中で「警戒的白紙」の旗を「積極的関与」の旗にかけ直し、大阪分水を決断してきたのか。関西国際空港の建設に対して、和歌山県は和歌山県なりに重大な決意をしてきたんじゃないでしょうか。
どうですか、知事。当初の原点が崩れ、周辺が大きく和歌山県を無視した態度に固まりつつある状況の中で、もう一度我々も原点にさかのぼって、大阪分水を初めとするもろもろの関空建設推進の上での約束事を見直すべきときもあるかもしれないというぐらいの対抗手段で、当局も議会も一致してやろうじゃありませんか。その点について知事はどのようにお考えになっておりますか。御答弁していただければ、お願いをいたしたいと思います。
○議長(門 三佐博君) 以上の再々質問に対する当局の答弁を求めます。
知事仮谷志良君。
〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 関西国際空港について種々御意見をいただきました。
ただ、私が思いますのは、関西空港については近畿の各府県も和歌山県に協力してやってくれておると思うわけです。その過程において、兵庫県が一時、お話ございましたような時期がございましたけれども、兵庫県も、奈良県、京都府、滋賀県も、知事会議において関西空港の問題については積極的にやっていただいて、そのために現在進みつつあると私は思うんです。
ただしかし、渡辺議員がおっしゃいます存廃問題については、先ほども申しましたように国が決定することです。地元で決定するわけです。和歌山県の意見を言えということでございますが、議会の議決を得たわけでございますし、いろいろな問題等について議会と十分相談させていただいて対処してまいりたいと思っております。
○議長(門 三佐博君) 答弁漏れはありませんか。──以上で、渡辺勲君の質問が終了いたしました。