平成30年9月 和歌山県議会定例会会議録 第3号


平成30年9月 和歌山県議会定例会会議録

第3号(全文)


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平成30年9月
和歌山県議会定例会会議録
第3号
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議事日程 第3号
 平成30年9月19日(水曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第117号から議案第138号まで並びに報第3号(質疑)
 第2 一般質問
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会議に付した事件
 第1 議案第117号から議案第138号まで並びに報第3号(質疑)
 第2 一般質問
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出席議員(40人)
 1番 中西峰雄
 2番 秋月史成
 3番 立谷誠一
 5番 前芝雅嗣
 6番 花田健吉
 7番 井出益弘
 8番 宇治田栄蔵
 9番 川畑哲哉
 10番 玉木久登
 11番 濱口太史
 12番 鈴木太雄
 13番 尾﨑太郎
 14番 藤山将材
 15番 尾崎要二
 16番 中村裕一
 17番 岩田弘彦
 18番 中本浩精
 19番 山本茂博
 20番 岸本 健
 21番 冨安民浩
 22番 吉井和視
 23番 堀 龍雄
 24番 中 拓哉
 25番 森 礼子
 26番 服部 一
 27番 谷 洋一
 28番 新島 雄
 29番 岩井弘次
 30番 多田純一
 31番 片桐章浩
 32番 藤本眞利子
 33番 浦口高典
 34番 山下直也
 35番 山田正彦
 36番 菅原博之
 37番 谷口和樹
 38番 奥村規子
 39番 雑賀光夫
 41番 坂本 登
 42番 長坂隆司
欠席議員(なし)
〔備考〕
 4番 欠員
 40番 欠員
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説明のため出席した者
 知事         仁坂吉伸
 副知事        下 宏
 知事室長       宮﨑 泉
 危機管理監      藤川 崇
 総務部長       田村一郎
 企画部長       田嶋久嗣
 環境生活部長     山田成紀
 福祉保健部長     山本等士
 商工観光労働部長   山西毅治
 農林水産部長     原 康雄
 県土整備部長     髙松 諭
 会計管理者      中西 淳
 教育長        宮下和己
 公安委員会委員    竹田純久
 警察本部長      檜垣重臣
 人事委員会委員長   平田健正
 代表監査委員     保田栄一
 選挙管理委員会委員長 小濱孝夫
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長       田村公一
 次長         糸川 徹
 議事課長       松山 博
 議事課副課長     山田修平
 議事課議事班長    岸裏真延
 議事課主任      保田良春
 議事課主査      伊賀顕正
 議事課主事      浅田晃秀
 総務課長       田中健司
 政策調査課長     中平 博
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  午前10時0分開議
○議長(藤山将材君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第117号から議案第138号まで並びに知事専決処分報告報第3号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 6番花田健吉君。
  〔花田健吉君、登壇〕(拍手)
○花田健吉君 おはようございます。ただいま議長にお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。
 先般、きのうも立谷議員からも質問ありましたが、障害者雇用促進に関する驚くべき報道がなされました。何と中央省庁が障害者雇用率を不適切な方法で算定し、実質法定雇用率に全く達していなかったというニュースでした。
 本来、雇用者は、身体障害者、知的障害者、精神障害者の手帳を確認し、障害者の雇用割合を法定雇用率以上にする義務があり、都道府県は2.5%以上となっています。
 当局は、平成29年6月1日現在、国に障害者の実雇用者数を93人と報告し、法定雇用率を達成していると報告いたしましたが、実質76人しか雇用されておりませんでした。
 このたびの再調査の結果、和歌山県の知事部局は17名、教育委員会はもともと雇用率を達成しておりませんでしたが1名、公安委員会は5名、厚労省に報告した人数より少なかったと判明し、厳正な対応を求められるところであります。
 私は、昨年12月議会において、当時、奥村規子福祉環境委員長と相談し、当時、私たちの感覚では、障害者の方々が働く機会が確保されていないのではないか、障害者雇用促進法の基準は満たされていないのではないかという漠然とした疑問から、より一層の啓発と雇用拡大、推進を目的とした条例の必要性を感じ、常任委員会において委員の皆様に障害者雇用促進に関する条例の制定について提案させていただきました。山田正彦委員、山本茂博委員、森礼子委員、浦口高典委員、全員が必要であるとの御認識で一致していただき、当局の協力を求めました。
 当時、当局は事前説明において奥村委員長と私に、今回問題になっている法定雇用率の達成数値を示され、民間企業とともに目標数値は達成できているとの御説明でした。そこで、委員長と私は、法定雇用率達成が最終目的ではないことを申し上げ、1人でも多くの障害者が雇用され、社会で自立、共生できる環境づくりを関係部局においてお願いして、条例制定を見送ることといたしました。
 また、障害者雇用に関する条例は都道府県において制定されたことがないとの御説明もあり、全国的に障害者雇用に一定の御理解が進んでいるのだなあと少なからず驚き、少し安心もしました。
 さらに、議員の任期のことも考えると日程的にも大変厳しいこともあって、今後、当局の御尽力に期待するということで、福祉環境委員会を改めて開催し、委員の皆様にこの条例案をおろすということを御了承いただき、条例制定を見送ることになった経緯があります。
 ですから、今回の当局の調査結果報告については大変遺憾に思う次第であります。当局には、猛省を求めるものであります。
 しかし、私は今回の報道を見て、法定雇用率達成も重要なことではありますが、障害者雇用促進法の本来の趣旨について深く考えさせられました。
 調査の結果を見ていると、障害者手帳の保持者以外の傷病者の診断書の提出において不備があったことが判明し、法律をつくる側の国がなぜ不正を行ったのか、その原因はどこにあるのか等々、疑問が浮き彫りになりました。それぞれの省庁は、自分たちの決めた法定雇用率を達成するため、人数合わせにきゅうきゅうとしている実態が明白となりました。
 そもそも、障害者の皆さんが社会と共生し、自立していく上で不当な差別を受けないように、設備が整っていなければ整えるようにするということが法律の趣旨であるにもかかわらず、省庁はとにかく障害者の法定雇用率の達成が目的化して、本来の法の趣旨から逸脱していたと思わざるを得ません。国がみずから障害者の雇用の機会を奪っていたという事実は、怒りさえ感じます。
 そこで、総務部長と教育長と警察本部長にお伺いをいたします。
 総務部長に、今回、本県でなぜ本来は対象者でない17人を算定数に入れたのか、その経緯と理由をお答えください。
 教育委員会は、雇用率をもともと達成できていませんが、その理由と今後の対応をお答えください。
 警察本部長にも、厚労省に報告した数字と再調査の実質の差が5名とありますが、その原因と今後の対応をお答えください。
○議長(藤山将材君) ただいまの花田健吉君の質問に対する答弁を求めます。
 総務部長田村一郎君。
  〔田村一郎君、登壇〕
○総務部長(田村一郎君) 初めに、本県における障害者雇用率の算定に際して、本来対象とすべきでない職員を算入してしまったことにつきまして、県政に対する県民の皆様の信頼を損なうものであり、特に障害のある方やその御家族、また、障害のある方々の就労を支援されている皆様並びに雇用の促進に取り組まれている企業の皆様に大変不快な思いをさせてしまったことについて、改めて深くおわび申し上げます。
 こうした算定誤りが起こった原因といたしましては、障害者の雇用状況に関する調査に際して、制度の対象となる障害者の範囲やその把握、確認方法等について、厚生労働省から示されているガイドラインの理解が十分でなかったことにあると考えております。
 これまでの調査では、障害を有する職員本人から申し出があった場合に障害者手帳等の保持を確認しておりましたが、一方で、職員の人事上の自己申告において、手帳等を保持していないが障害を有しているとした記載がありましたら、それに基づきまして手帳等を保持する者と同程度の障害を有すると判断した場合に障害者の数に算入したため、結果として基準を満たさない者を障害者数に含むこととなりました。
 県といたしましては、今回の事態を厳粛に受けとめ、今後はガイドラインに沿った適正な算定を徹底するとともに、障害のある方の積極的かつ計画的な採用に努めてまいります。
○議長(藤山将材君) 教育長宮下和己君。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 県教育委員会の障害者雇用につきましてお答え申し上げます。
 県教育委員会の本年度の障害者雇用率は1.96%であり、法定雇用率2.4%を達成できておりません。主な理由は、ここ数年、身体障害者手帳等を持っている教職員の退職が多くなっており、その一方で、障害のある人が採用検査に出願する数が少なく、十分に採用できていない状況が続いているためでございます。
 こうしたことから、平成20年度から実施している身体に障害のある人を対象にした学校事務職員採用検査の実施に加え、平成28年度からは、教員採用検査においても、障害のある人が受検しやすいように、全ての校種、教科で特別枠を設けました。また、採用検査の広報について、本年度は昨年度の約1.5倍の55大学を訪問するとともに、訪問できない関東圏の大学にも受検案内を送付するなど、本県の採用検査におけるさまざまな制度の周知と受検者の確保に一層努めたところです。
 県教育委員会といたしましては、本年度の障害者雇用率が法定雇用率にさえ達していないことを真摯に受けとめ、今後は大学だけでなく、高等学校や特別支援学校の生徒の進路指導時にも採用検査について周知するとともに、関係機関や関係団体にも働きかけを行ってまいります。また、障害のある人が働きやすい環境づくりにも努めてまいります。
 教員、学校事務職員、事務補助職員等について、引き続き障害のある人の計画的、積極的な採用に取り組んでまいります。
○議長(藤山将材君) 警察本部長檜垣重臣君。
  〔檜垣重臣君、登壇〕
○警察本部長(檜垣重臣君) 調査の数字と実数の乖離、また、今後の対応についてお答えを申し上げます。
 過去の調査では、障害者手帳等の確認が明記されていなかったため、現物を確認しておらず、退職する等の事情がない限り、過去に計上していた方についても前例に従い計上を続け、法定雇用率は充足しているものと認識しておりました。
 しかしながら、今年度の調査で障害者手帳等の現物確認をしたところ、法定雇用率が達成できていなかったことが判明いたしました。
 警察本部では、平成27年度から障害者の方を対象とした採用募集を毎年続けてまいりましたが、平成27年度に1名の方を採用できたものの、平成28年度、29年度は応募がなく、新規採用するに至っておりません。
 今後とも、新規採用を継続してまいりたいと考えております。
 また、昨年から県内の身体障害者団体を訪問し、受験対象者の御紹介をお願いするなどの活動もしており、今後も受験者をただ待つだけではなく、関係団体にアプローチするなど募集活動の強化を図ってまいります。
○議長(藤山将材君) 花田健吉君。
  〔花田健吉君、登壇〕
○花田健吉君 今の答弁をお聞きしてても、何か僕、少し違和感があります。というのは、何か法定雇用率に余りにも現場が縛られ過ぎてるというか。教育長さんのお話でも、一挙に定年退職したんで雇用率ががんと下がってますとか、それはちょっと違うんちゃうんかなと。毎年ずうっと、そういう障害者雇用に対して採用しておれば、一気にある年たくさん雇用者が出たり、もしくは働いている間に障害者になってしまって雇用率がずっと上がってた、その方がどんと定年退職でやめられたら、はっと気づいたら完全に雇用率を割ってると。それで慌てて募集をしてもなかなか集まりませんでしたみたいな話では、ちょっと違うような私は気するんです。
 この障害者雇用法というのは、後からこれは述べますが、知事にもお伺いしたいと思うんで、それは今ちょっと感想だけ言うときます。
 警察官においても、採用後、公務災害や傷病等で障害者になったとしても雇用率の算定にカウントされないというのを、僕、この質問をするに当たって県警の方から御説明をいただきました。理由は、採用時に障害者の採用を義務づけられていない、警察官はね。給与体系が普通の一般事務職と異なるというのが大きな理由らしいんですけども、警察官というのは大変現場が厳しいというか危険なあれもありますんで、公務災害になることも多いでしょうし、採用されてから障害者になられる方もあるかもしれません。そういう人も当然この雇用率に僕は算定すべきだと思うんですけども、それはしないんだという、何かこの雇用率というのにとらわれて、いろんな話聞いてると、一体どういうこれは法律になってんのかなと。
 僕は、新規採用者のみに適用するというのが僕の考え方ですけども、この新規適用するということ、障害者手帳を取得している障害者が新規採用に当たって、いろんな障害から、障壁から、採用枠をつくってもらうということが本来の趣旨のような気がするんですけども、そこで仁坂知事にお伺いいたします。
 今回の問題発覚で、障害者雇用について改めて知事の見識をお伺いしたいと思います。
 障害者雇用促進法の趣旨は、あくまでも採用時、障害者の方の雇用を確保することであり、法定雇用率はその目安であると私は思います。法定雇用率を達成することに余りにも固執し、逆に達成してさえいればそれ以上の雇用は必要ないとの感覚になっていませんか。極端な話、小さな自治体では、ことし障害者を1人雇用すれば40年間雇用率を達成することになり、障害者を雇用しなくてもいいということにもなりかねません。
 今回の問題は、法律で定められた数値を達成してさえいればいいという安易な感覚で、単なる数字合わせをしたことから起こったと考えられます。その数合わせに、長期欠勤者の診断書や障害者手帳を取得していない障害のある方が利用されたのではないかと私は考えています。
 障害者の雇用促進法を受けて、厚生労働省は障害者差別禁止の指針を告示し、その中で、身体障害者、知的障害者、発達障害者を含む精神障害者のほかに、長期にわたり職業生活に相当の制限を受け、また職業生活を営むことが著しく困難な者も含め、障害者手帳に限定されないとあります。
 しかし、本来この法律の趣旨は、差別のない雇用機会及び待遇を確保することが法律の本旨であると考えます。身体障害者、知的障害者は症状が固定された時点で手帳が発給されますので確認することが容易でありますが、自己申告や医師の診断書、周囲の判断等を算定数に加えるのは誤認の原因になりかねません。
 このたび、有効期限が定められている精神障害者手帳を取得された方が、ようやくといいますか、4月1日から雇用義務の対象に加わることになりました。障害者の基準が曖昧なため起こったと思われる今回の水増し事案を考えるとき、改めて障害者手帳の所持者のみを雇用率に算定するのが障害者雇用促進法の趣旨ではないかと考えます。
 障害者の雇用の機会を確保するために、この法律について知事の御見解をお伺いいたします。
○議長(藤山将材君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 障害者の雇用の促進等に関する法律というのがございますが、これについてはどんな法律かというのは目的に書いてありますので、ちょっとお許しをいただければ読ましていただきます。「この法律は、障害者の雇用義務等に基づく雇用の促進等のための措置、雇用の分野における障害者と障害者でない者との均等な機会及び待遇の確保並びに障害者がその有する能力を有効に発揮することができるようにするための措置、職業リハビリテーションの措置その他障害者がその能力に適合する職業に就くこと等を通じてその職業生活において自立することを促進するための措置を総合的に講じ、もつて障害者の職業の安定を図ることを目的とする」ということでございまして、雇用の機会をつくるということだけではなくて、全体として障害者の雇用に資するような職業訓練とか、そういうことも含めて総合的にやっていこうと、こういう趣旨でございます。
 障害者というのは何かということについて、法律は決めております。その決め方については、法律そのものでびしっと決まってるわけではないんですけれども、法律の体系の中でそれぞれ決まっております。それぞれというのは、身体障害者、知的障害者、精神障害者、それぞれ別々の決め方をしてるわけでございます。
 身体障害者については、法律そのものに別表があって、そこに定めると書いてあります。その確認の仕方、これについては法律は何も決めておりませんけれども、労働省から通知がございまして、基本的には障害者手帳によるけれども、とりあえずという言葉だったか、ちょっと口語的に言いましたが、身体障害者福祉法というのが別途ありますが、そこで決められている指定医あるいは産業医、そういうものの診断書あるいは意見書をもってこれにかえることができるというふうに書いてございます。
 それから、知的障害者については、例えば児童相談所みたいな公的機関がたくさんございます。それが列挙されてあって、これは省令で定めると書いてあるんですが、省令に列挙されてあって、それでそういう公的機関の認定を受けた場合は知的障害者と認めるというふうになっております。
 それから、精神障害者は、これも省令でございますが、省令で障害者手帳を持っておる場合と、最近追加されたんですけども、統合失調症、躁病、鬱病、躁鬱病、てんかん症、これらの方については障害者としましょうと、こういうふうになっておるわけでございます。
 そういうふうな考え方でございまして、多分、法律は基本的にインチキみたいなことをしてはいけませんので、障害者手帳というものをもって基本的には考えていこう、あるいは公的機関の認定によってそれを考えていこうというふうに定義してると思います。
 ただ、障害者手帳を持つこと自体をあんまりよしとしない方もいらっしゃいます。そういう方々の気持ちも考えると、そのほかの道を開いておくというのもとりあえずしようがないかなということであろうと思いますので、指定医、産業医、そういうものの診断書、意見書によることも、これは身体障害者ですが、構わないよというふうに言っとるわけです。私は、この考え方は妥当だというふうに思います。
 ただ、それを指定医、産業医にちゃんと診断書を出してもらってないという疑いが、県庁の場合、ございました。例えば、その書類がどっかに残っとるかというと残っていない。申告だけで認めている。新規採用のときは障害者手帳なんかで確認してるわけですから、これはやっぱり途中で障害者になった、いわば県庁の身内に対しては甘かったというふうに言わざるを得ない。
 私は、いろんな人からヒアリングして、数字をごまかすためにわざとやったとは思ってないんですけれども、身内に甘いということは正直に言って反省をし、県民の皆さんにおわびをしなきゃいけない、そんなふうに思っております。
○議長(藤山将材君) 花田健吉君。
  〔花田健吉君、登壇〕
○花田健吉君 ありがとうございます。
 私は、障害者雇用促進法はあくまでも新規採用時に障害者であることが法の趣旨であると私自身は考えてます。健常者であり、その後障害者になってしまった方も、法定雇用率に算定することは、それはいいと思います。しかし、障害のある方を採用するという本来の雇用促進法の趣旨とは少し異なるんじゃないんかなと。
 というのは、障害者、私もそうなんですけども、一般の方とは異なり、就職するときの採用試験とか、僕は大学出てだったんですけども、そのときに受けるプレッシャーというんですか、自分が本当にこの会社で雇ってもらえるんだろうかという、会社訪問するときでも、本当に普通の一般の僕の同級生の学生とは、何とも言い知れぬプレッシャーというのを感じます。
 今さっき知事がおっしゃったように、障害者というのは、僕は確かに自分で障害者の手帳を、僕が発給を望んだんではありません。僕は、小学校へ入る前、6歳のときに両親が障害者手帳を取得してもらってたんで、私はその今の手帳をずっと持ってます。持ってますけども、確かにそのときに両親が私に取得してなければ、私はきっと障害者手帳を申請しなかったほうの部類だと思います。だから、そういうのもわかります。
 わかりますが、就職時に医師の診断書をもって障害者の雇用枠に入れて、その人を採用の資格をもってするというのは、私は少し違うんじゃないかなと。雇用率に加えるのはいいんですよ。働いてて、鬱になったり、これは明らかに障害を持ってるなというのを、ただ手帳は持ってないというのを、雇用率に算定する、医師の診断書をもって算定するというのは、それは私はいいと思うんです。いいと思うんですけども、雇用促進法というのは、障害者が就職する、採用試験を受けるときの僕は法律にしてもらいたいなあと心で思ってるんです。
 そんなこともあって、障害者雇用促進法における法定雇用率の確保について、少しお尋ねをいたしたいと思います。
 今回の不正水増しは、障害者手帳を持たない方や診断書を提出された長期欠席者の方の算入が原因と考えられてます。なぜかといったら、この人はもう治るとカウントから本当は外れるんですけども、それを外してなかったということだと思うんですよね。
 障害者雇用促進法の趣旨は、障害者が採用時に差別されたり、職場環境、例えばバリアフリー化がなってないとか、トイレが車椅子の方の専用トイレがないとか、そんなことを理由に雇用を拒否されることのないような、具体的に言えばですよ、そういうような法律と私は考えてます。
 障害者雇用促進法は新規採用時の法定雇用率確保に重きを置くべきだと思うのですが、知事のお考えをお伺いいたします。
○議長(藤山将材君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 考え方において、私は花田議員に賛成でございます。一番大事なことは、総体的に大事なことは、特に採用において障害者を差別しないでちゃんと雇うということが大事なことだというふうに思っております。そのときに、今度は手続でございますが、これは和歌山県の現実の手続でやっておるんですが、障害者手帳を出していただくということでやっております。本来ならば、既存の職員との関係でいうと、手帳がなくてもそれにかわるものがあれば認めていいと思うんですけども、現実には障害者手帳を出していただいております。
 じゃあ次に、議員はそういうふうに理解しておられるというふうに私も理解しておりますが、途中で障害者になった人についてはあんまり重視しなくていいのかというと、それはそうでもなくて、それについても、この法律は待遇とかそういうことについてもいろいろ議論しておりますので、そういう点で執務環境とか待遇とか、そういうことを配慮してあげるという意味で、障害者としてちゃんと遇しなきゃいけないということが法律の定めるところだと思います。
 その次に、法定雇用率でございます。これについては、新規採用だけでこの法定雇用率を実は算定してないと思います。望ましいあり方というのは、理想と、それからまあ大体このぐらいやったら努力したらできるなあということの現実との二つの要素をかみ合わせて法律でコンセンサスとしてできてると思います。
 したがって、法定雇用率については、まさに議員がおっしゃるように、中途から障害者になった人は入れてもいいけどというのは、まさにそのとおりだと思いまして、この数字そのものを新規の人だけで達成するというのは多分大変難しい。理想には反するかもしれないけど、現実には難しいというふうに思います。
 ただ、理想においても現実においても、とにかく新規雇用において障害者をもっと雇うように我々努力しようじゃないかということは、この機会でございますので、ぜひそのように努力してまいりたいと考えております。
○議長(藤山将材君) 花田健吉君。
  〔花田健吉君、登壇〕
○花田健吉君 ありがとうございました。知事の今の気持ちで私はもう十分、知事の気持ちも私もわかりましたし、あまりね、法定雇用率で今回新聞で水増ししてたとか何とかで大騒ぎになったけど、私、あんなの見ても全然腹も立ちませんでした。法定雇用率という数字にあんまりこだわらないでいいと思うんですよ。
 実際、教育委員会も別にそれで僕、いいと思うんですよ。募集しても来られなかったら仕方ないじゃないですか。わざわざ障害者に無理やり診断書を書かせて、法定雇用率を達成するためにそういう診断書を提出されたり、みなし障害者みたいに加えたりするから変なことになったんで、もともと達成できてませんといって、教育長は正直にそう言うてもらいましたけども、それについて僕らが何か文句言う、また障害者の団体が文句言う筋合いのもんではないと思います。オープンで毎年障害者を雇うという枠をきちっとつくって採用試験をされてるわけですから、それはそれで僕はいいと思うんです。
 だから、法定雇用率に対してあんまりとらわれないで、引き続き障害者の方が毎年きちっと採用試験があるようなシステムをつくってもらいたい。例えば、もう法定雇用率をことし達成したから、ことしは障害者の採用者はもうありませんて、そんなことのないようにしてもらいたいというのが私の希望でございますんで、よろしくお願いします。
 今回の事象を受けて、慌てて雇用率を達成するため、障害者を急遽採用して来年以降の障害者の雇用の機会を奪うようなことがないよう、特段の御配慮をいただきたいとお願いいたします。
 次に、当局が範を示さなくては、市町村や民間企業はついてきません。まして、民間企業には、達成できなかった場合、納付金を求め、納めない場合は企業名を公表するという罰則規定が設けられています。それゆえに、県は企業以上に厳しい対応が求められます。
 先ほども述べましたように、私たちは昨年12月議会の福祉環境委員会で条例の制定の必要性を検討いたしました。このたびの不祥事を受けて、改めて条例制定について検討しなくてはならないなあと痛感しています。
 条例の必要性の第1に、県は障害者雇用法の趣旨にのっとり、法定雇用率を達成するとともに、新規採用時に法定雇用率を確保するように努めていただきたい。
 第2に、市町村や企業も法定雇用率達成が目的ではなく、真の障害者雇用の趣旨を御理解いただき、さらなる障害者の雇用の推進に御協力をいただきたい。
 第3に、法定外の小規模企業の経営者の皆さんにも、障害者雇用について御理解を深めていただきたい。
 第4に、県民が障害者とともに働き、自立、共生について理解を深めていただくための啓発をより一層行っていただきたい。
 第5に、障害者が通う学校や障害者が利用している施設を主宰される方々にも法の趣旨を御理解いただき、障害者の方が働く機会及び待遇の確保について認識を深め、障害者の権利が損なわれたり、差別されないよう対応していただきたい。
 最後に、障害者自身も雇用促進法の趣旨を理解し、積極的に社会参加し、社会で貢献できるよう努めること。このようなことを条文化し、本市はこの雇用に対する啓発をきちっと明文化してはどうかというのが、前の福祉環境委員会で我々が条例をつくってはどうかという本意でした。
 今回の不祥事は、障害者の雇用について、国を初め我々の認識がいかに薄かったかということが、図らずも露呈いたしました。これを機に、改めて障害者の雇用促進への理解を市町村や企業、県民に深めていくための条例制定の必要性があると私は考えますが、知事の御見解をお伺いいたします。
○議長(藤山将材君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 私など、割合法律とかそういう法制度に基づいて仕事をしてきたもんですから、条例というと実はぴんときませんでした、はっきり申し上げます。なぜかというと、法律でちゃんと義務がかかっておる。我々は、その義務すら守っていなかった。
 法律によって決められているよりも、法律を守らないような条例をつくるということは、これは違法でございますし、多分この場合は、法律よりももっと厳しいことを言うてもいいんじゃないかと思います、これは大変難しい問題なんですけど。そういう意味での上書きはやってもいいんじゃないかなあという感じがするんですが、だけど、法律も守れてない我々からすると、そういうことを言うのもおこがましいと。だから、何かあんまりぴんとこなかったということでございます。
 ただ、先ほどの議員の御発言を聞いておりますと、別にそれにかかわらず、障害者を雇用するということについて、いろんな意味で県としての心構えを決めてもいいんじゃないかというようなお考えでございました。これについては、私は別にそれをぴんとこないとかそんなことを申し上げるつもりはございませんが、条例でお決めいただかなくてもというか、条例があろうとなかろうと、おっしゃられたことについては、改めて我々としては気を引き締めて努力をしてまいらないといけない、そういうふうに今、思ってるところでございます。
○議長(藤山将材君) 花田健吉君。
  〔花田健吉君、登壇〕
○花田健吉君 そうですね、知事のおっしゃるとおりだと思いますよ。文に書いたからそれが達成できるというもんではありませんけども、ほやけども、大阪府と徳島では、この障害者雇用に関する条例があると。
 今回、私、この質問するに当たって、ことしの2月には全国でないって説明を受けたんですけども、実は大阪府と徳島で既に条例があるというのが、今回の説明、教えていただきました。えっ、あったんかいという話なんですけども。というのは、我々も期間もなかったんで、どっかにあるでしょうと。そやけど、僕らの感覚で、どうもそんな和歌山県で障害者雇用に対してあんまり意識みんな薄いん違うんかなあというのが、奥村委員長と僕の考えでしてね。
 当時、じゃ全国でないのかどうか調べてほしいと、あれば、それを別にモデルにするわけじゃないけども、一応参考にさせていただいたほうが、条例をつくるに期間が短いもんですから参考にさしてもうたほうがいいなということで、ないかというのを当局に調べていただいたら、その時点では当時はないということだったんで、これは大変やなあと。法律を全部ひもといて、それから、今さっき知事がおっしゃったように、法律を超えるような条例というのは、これはちょっとどうかなあと思うとこもありますし、主に啓発に関する条例になるんだろうと思うんやけども、それすらも例もないというんであれば、これは一からするのはちょっと大変やなというのも少しありました。時間的余裕もないというのもありました。来年、私ども改選になりますんで。
 ですから、当局に今の雇用率も達成してるし、民間の方も頑張っていただいてると。知事の答弁でもありました、全国でも10位ぐらいになってるから、それは大したもんやなあということで、あえて条例までつくらなくても和歌山県の場合は頑張っていただいてるなというのがそのときの感覚でしたけども、思いでしたけども、そうでなかったということが非常に私は遺憾に思っておりまして。
 でも、それを今どうやこうやと言うても仕方がないんで、今後、知事が今おっしゃったように、障害者雇用に対して障害者の身になって、立場に立って、温かい御支援を当局にも期待させていただいて、次の質問に移らせていただきたいと思います。知事、本当にお願いしときます。
 次に、今回の台風による長期停電についてお尋ねをいたします。
 台風21号は、家屋被害や農林水産被害はもとより、かつてない広範囲にわたる停電により、県民生活に大混乱が生じました。被害に遭われた方々に衷心よりお見舞いを申し上げます。
 さて、台風通過後、最も困ったのが長期にわたる停電でした。長いところでは、かつて経験したことがない停電期間が約2週間近くにも及び、県民生活に甚大な影響を及ぼしました。私の地域も、台風が通過してから停電復旧まで1日半かかり、不便を感じましたが、それはまだ短期間で復旧していただいたのだとすぐにわかりました。
 私は、台風通過後、日高川町を川沿いに上って被害状況を確認に行ってみました。ほとんどの地域は停電になっており、信号機も機能していませんでした。道路沿いに立っている電柱に山の樹木が折れてかぶさり、電線がたるんでいるところが数カ所ありました。
 海岸線近くの停電は電柱の倒壊や塩害によるところが多いと聞きましたが、中山間部は倒木や折れた枝が電線に覆いかぶさって通電障害を起こしたものと考えられます。
 2年前に、私は沿道条例を提案いたしました。当時、私が問題提起したのは、公共の道路にかぶさるように伸びた樹木が交通障害になり危険であることを訴え、道路際の山林所有者に整備をお願いすべきだと申し上げました。しかし、道路建設時には、今の言う道路際の方は地権者であって、その方々に土地の提供で御協力をいただいてることから、所有者に費用負担を求めて管理責任を問うのは困難ではないかということや、世代がかわり所有者の不明や管理責任の認識自体がない現状を鑑み、条例を制定し、道路管理者の当局が速やかに交通安全の確保に努めるべきではないかということを申し上げました。
 中山間地域では、バスやダンプ等大型車が通行する際、センターラインを越えなくては通行できないほど樹木が張り出している箇所が多くあり、地域の方々から指摘されてもいました。同時に、電線にかぶってる樹木についても議論すべきだと思いましたが、それは関西電力にお願いすべきことであると、そのときは私も考えました。
 しかし、今回の台風による長期停電も道路沿いに敷設されている電柱に樹木が倒れ込み、停電の原因になっているところがほとんどです。このような中山間地域は多くの高齢者の方が住んでおり、長期にわたる停電は熱中症の原因になりはしないかと大変心配をいたしました。
 知事は、長期化する停電を一刻も早く復旧するため、やや遅きに失した感もありますという説明もありましたけども、関係部局に関西電力に協力させているとの報告がありました。しかし、日ごろから道路管理者として沿道の整備を進め、交通安全及び災害時のライフラインの確保に備えるべきではありませんか。県土整備部長の御見解をお伺いいたします。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長髙松 諭君。
  〔髙松 諭君、登壇〕
○県土整備部長(髙松 諭君) 今回の台風第21号では、著しい強風による倒木が原因となり、道路の通行どめが多数発生いたしましたが、道路管理者である県といたしましては、早期に倒木を撤去し、通行確保を図ったところでございます。
 一方、電柱や電線に支障を来した倒木につきましては、本来、電気事業者が対応すべきものでございまして、災害時には、災害対策基本法に基づき、市町村長の権限により除去でき、電気事業者が速やかに対応できる仕組みとなっておりますが、今回の災害では、電力の復旧がおくれたところでございます。
 今ほど花田議員から、道路管理者としての日ごろからの沿道についての備えに関する御質問がございましたけれども、災害発生前の対処策につきましては、道路管理者が道路パトロール等により道路に張り出した支障樹木を発見した場合に、基本的には土地の所有者に伐採を要請し、所有者みずから取り除いていただきますが、著しく道路交通に支障を及ぼすおそれがあり緊急を要すると判断した場合や、所有者が不明な場合には、道路管理者である県が支障樹木の伐採を行うこともございます。
 いずれにいたしましても、道路管理者といたしましては、定期的に行っている道路パトロールにおきまして、異常を発見した場合は速やかに措置を行うなど、適切な維持管理を行うとともに、災害発生時には早期に対応するなどいたしまして、引き続き安全な通行の確保に努めてまいります。
○議長(藤山将材君) 花田健吉君。
  〔花田健吉君、登壇〕
○花田健吉君 関西電力の電柱というのは、大体奥のほうへ行くと、どこでもそうですけど、道路敷きに大体立ってるもんでして、当然、関西電力の電線の維持管理というのは、関西電力が一義的に僕はするもんだと思ってます。思ってますが、県も道路の交通に支障を来すようなところというのは、イコール電線の危ないところ、大きな台風などの来たときに一番倒れ込んできそうな箇所とほぼイコールになってるので、県は県で関西電力に、電線は全部関西電力のもんやから自分らで守りなさいというのは、僕らもそう思いますけども、そやけども、「備えあれば憂いなし」という言葉もありますし、「転ばぬ先のつえ」というか、日ごろから道路管理者である県も道路の沿道、沿線のそういう張り出してくるような大きな木のところはあらかじめ整備しておけば、今回の停電箇所も少しは減ったんじゃないかなあというように、私は現場を見て感じました。
 そこは関西電力といろいろ協議もせんとあかんことなんでしょうけども、道路管理者として日ごろそういう交通の安全を確保するということは第一義ですけども、それをすることによって、二次的にそういう電線も、結果論ですけどね、守ってたというようなことがあっても僕はいいんじゃないかなというように考えておりまして、そこで、知事にお伺いいたします。
 今回の長期停電は、台風21号の後に起こった北海道の地震による大規模停電よりもはるかに復旧がおくれてしまいました。このたびの台風による中山間地域の長期停電が住民生活に多大な被害を与えたことを踏まえ、今回の台風が与えた長期停電の教訓と今後の対応について、お考えをお聞かせください。
○議長(藤山将材君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 今回の台風21号は、9月4日、非常に強い勢力を保ったまま紀伊半島に接近し、和歌山市で観測史上最大となる最大瞬間風速57.4メートル・パー・セカンドを観測するなど、県内全域で暴風をもたらし、飛来物や倒木による電線の破断や電柱が倒れたことにより停電が発生いたしました。紀美野町や有田川町を初めとする山間部では、1週間を超える長期間の停電となり、県民生活や経済活動に多大な影響を生じたところであります。
 台風に伴う暴風等による停電を完全に防ぐことは困難でございますけれども、停電を長期化させずに、できるだけ早い、あるいは短い時間で解消していくことが重要であると考えております。
 9月の4日から5日にかけてでございますので、5日の朝、早速、災害対策本部を開きました。和歌山県の災害対策本部は県の組織と違う人たちもお願いをして来ていただくわけで、そこで関西電力から、台風第21号による停電が8時の時点で約20万5500軒あるという報告がなされました。これはとてつもなく大きい数でございます。実は、紀伊半島大水害のときの停電数、当初11万2000軒だったわけで、それよりもずっと多いということであります。
 一方、そのときに申し上げましたんですが、あのときは関西電力だけじゃなくて電力各社が物すごいたくさんの人を送り込んでくれて直してくださったんで、一個一個の損壊は激しかったんですけれども、割合早期に、私なんかの想像よりも早期に直りました。
 今回は大変なので頑張ってほしいけれども、結構信頼をしておりました、能力についてですね。関西中がやられてるから応援はなかなか投資は難しいかもしれないけど、ただ、他電力なども含めてできるだけ多くの人に来てもらってやってくださいというようなことをお願いして、それができるかなあというふうに思っておったわけです。関西電力は3日程度で復旧できると思いますよというようなアナウンスをしてくれてるんで、まあそんなもんやろなというふうに思っておりました。
 しかし、その後、なかなか復旧が進まないということから関西電力を呼んでただしたところ、我々が慌て出したのが土曜日、日曜日という若干遅かったということでございますが、そのころも全体で部隊展開がどうなってるかとか、被害がどこにどうなっててというようなことを、和歌山のトップがほとんど把握していないというようなこともありました。
 また、紀伊半島大水害のときは他府県から1237人、約340班の応援を得ておったんですけれども、今回は和歌山県中心の376人、91班のみの体制で、他府県からの応援はなくて、今申し上げましたように、指揮命令系統も全然わかってないような状態で、各ばらばらにやっとるということでありました。
 そういう状況で、関西電力はあちこちから責められます。我々も責めておりますが、責められますので、例えば「木が倒れて行けません」というような、「木が倒れてなかなかはかどりません」と現場が言ったら、現場がわからない人は木が倒れて現場に行けないんだなというふうに勝手に思い込んで、関西電力のアナウンスメントは、実はずうっとそういう状態で日曜日までおりました。それは公式ホームページにもそう書いてありましたし、例えば所管省庁の経済産業省なんかにもそういった報告をする。
 したがって、余計混乱しまして、県で道の啓開ができないんだったら自衛隊を出したらどうだというような、また大混乱というようなことになりました。
 道は、実はほとんどあっという間に全部通れるようになったわけです。それは、倒木なんかがございましたら、道路の管理の常識として、出っ張ってるやつは勝手に切ってよろしいわけですから、ばんばん切ってしまって、トラック1台ぐらいはどこでも通れる──主要な道ですが──というふうになっておったわけですが、何で遅いのか、なぜ違うことを言うのかといっていろいろ考えたら、はっと気がついたのは、山合いのところは斜面に倒木が風で、ほんの数本なんですけど、ぱらぱらと倒れてきて、それが物すごくたくさんある。こういうところは、多分、関西電力の電線復旧部隊はあんまり木を切ったり斜面をとめたりするのは下手かもしらんなあというふうに思って、その日から急に和歌山県の部隊を応援に出すという、多分、日本史上始まって以来だと思いますが、そういうことをやらせました。
 同時に、関西電力の社長にかなり強く「これじゃあ困る。たくさん応援に出してくれ」という話をいたしましたところ、他府県から657人、182班の応援を得ることになりまして、急にそこからはかどり出したということであります。
 今から反省を込めて言いますと、少し紀伊半島大水害のときの働きがあんまり目覚ましかったのにちょっと過信をしたなというふうに思いました。もう少し早くこの状態を把握し、そして助けに行くことを思いついておったらもうちょっと早く復旧ができたなあというふうに思っておるんで、大変申しわけないというふうに思っております。
 関西電力には、こういう場合、大規模な災害があった場合の指揮命令系統等の体制強化を図ってもらうということがぜひ必要だろうと思いますし、このような状況が予想された場合は、速やかに県に協力を求めて、今回臨時に行ったこの支援制度を常設化して、それで支援が速やかに行われるように、関西電力と約束をしておくということをぜひやっておきたいというふうに思っております。
 また、もう一つの反省は、県民からの苦情が関西電力にたくさん来ます。ふだんのときだったら故障はちょっとしかありませんので、「それっ」と言って直しに行くんですけれども、物すごくあるわけですから、全く関西電力が処理できませんでした。で、市町村や県にその苦情が来るわけですが、それを今度は関西電力に組織的に系統立てて伝え、そして向こうの作戦を立ててもらうということについてもどうもできてなかったなということで、これもやっぱりやっとかないかんというふうに思っております。
 いろいろ反省するところがたくさんあって申しわけないと思っておりますが、次回からはさらによくするように頑張っていきたいと考えております。
○議長(藤山将材君) 花田健吉君。
  〔花田健吉君、登壇〕
○花田健吉君 お願いしときます。さっきも言ったように「備えあれば憂いなし」で、できるだけ日ごろから、そのときに関西電力に協力するんではなくて、日ごろから関西電力といろいろ協議をして、その沿道の電線も含めて整備をしておくべきだろうと私は思いますんで、ひとつよろしくお願いしときます。
 次に、海洋風力発電について、商工観光労働部長にお尋ねいたします。
 和歌山県における海洋風力発電の適性とポテンシャルについてお答えください。また、課題もあれば、あわせてお答えください。
○議長(藤山将材君) 商工観光労働部長山西毅治君。
  〔山西毅治君、登壇〕
○商工観光労働部長(山西毅治君) 一般的に、洋上風力発電を行う場合には、毎秒7メートル以上の風が安定的に吹いていることが望ましいとされており、また、風が強ければ強いほど発電量が多くなることから、事業化に向けたポテンシャルが大きいと言えます。
 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構が公表している日本近海の風況マップによると、和歌山県沖では、比較的陸上から近いエリアでも年平均毎秒7メートル以上の風が吹いており、さらには、陸上から10キロメートルも離れれば年平均で毎秒8メートルから9メートルの風が吹く海域があります。
 このような好条件を備えた地域は全国的にも少なく、風力発電の先進地域である北海道や東北に匹敵するポテンシャルを当県は秘めていると考えております。
 一方で、開発に高度な技術や巨額の資金が必要になることに加え、漁業や海上交通などで既にその海域を利用している方々との調整、景観、騒音、自然環境の保全など、事業化に際しての課題もさまざまあると承知しております。
○議長(藤山将材君) 花田健吉君。
  〔花田健吉君、登壇〕
○花田健吉君 なぜ唐突に海洋風力発電ということをお尋ねしたかといいますと、この補正予算で海洋風力発電の予算が1000万余円が計上されていますので、その予算でどういうことをするのかお答えください。
○議長(藤山将材君) 商工観光労働部長。
  〔山西毅治君、登壇〕
○商工観光労働部長(山西毅治君) 議員御質問の海洋エネルギー創出促進事業は、全額国の予算を活用し、風況がよく、今後事業者による積極的な洋上風力発電の開発が見込まれる海域について、生態系、景観、自然公園との関係や騒音などの観点から、洋上風力の推進可能性があるエリアと、推進に当たって障害のあるエリアを色分けし、公表するものです。
 こうした取り組みを行うことで、自然環境への影響や県民生活への影響などの課題が少ないエリアで行う事業については、その実現に向けた後押しになるとともに、課題が多いエリアで行う事業については、県としての考え方をあらかじめ示すことで一定の抑制効果をもたらすのではないかと考えております。
○議長(藤山将材君) 花田健吉君。
  〔花田健吉君、登壇〕
○花田健吉君 和歌山県は、前々からメタンハイドレートとか、知事が推進してるのかどうかちょっとあれですけども、黒潮の海流発電とか、再生可能エネルギーの、和歌山県はある意味宝庫であるような気もします。原子力発電のことも考えますと、和歌山県のような自然に恵まれたところで再生可能エネルギーを発電するということは大変重要なことだと思いますんで、引き続き和歌山県の再生可能エネルギーに対する可能性を探っていただき、推進していただきたいなというように思います。
 以上で、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(藤山将材君) 以上で、花田健吉君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 27番谷 洋一君。
  〔谷 洋一君、登壇〕(拍手)
○谷 洋一君 皆さん、おはようございます。平成30年9月定例会に質問の機会を与えていただき、感謝を申し上げたいと思います。
 ことしの夏は記録的な猛暑となり、これまでに経験したことのない暑さの連続、暑さによる被害といったニュースが続いておりました。しかしながら、お盆を過ぎ、暑さ和らぐ季節の節目のときに、その様相は一変しました。
 8月の台風20号は本県に激しい雨をもたらし、9月の台風21号は猛烈な風と高潮の被害をもたらしました。我々は平成23年に紀伊半島大水害の被害を経験しておりますが、今回のこれらの台風被害は、場所によっては平成23年の被害を上回る甚大な被害となったところもございます。改めまして、被害に遭われた皆様に心よりお見舞いを申し上げますとともに、復旧・復興に向けた県当局の御尽力、御支援をお願いいたします。
 ことしは、これら台風だけでなく、7月には岡山県や広島県を初めとする西日本での豪雨災害、9月には北海道で震度7を記録する地震の発生など、多くの自然災害により、全国に甚大な被害が発生しております。いま一度、災害に対する備えを強化しなければならない、そういう思いを知らされたところであります。
 それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、一般質問をさせていただきます。
 まず1点目、ハワイ州訪問についての報告をさせていただきます。
 私は、ことしの7月13日から18日にかけ、アメリカ・ハワイ州を訪問してまいりました。これは、今から16年前となる平成14年にハワイ和歌山県人会が解散となって以来、ハワイにおられる県出身の方々やその子孫の方々と疎遠になっており、何とかこの交流を復活させることができないかという思いから、県国際課の協力を得つつ、昨年9月の訪問に続き、ことしも引き続きその調査に行ってきたものです。昨年の訪問時の経過を含め、報告させていただきます。
 まず、昨年の1回目の訪問の報告です。
 私は、9月7日に出発し、ハワイへと向かいました。到着後、曹洞宗ハワイ別院正法寺という寺院を訪問しました。この正法寺は、ハワイ和歌山県人会が解散した後、慰霊碑の永代供養を引き受けてくださっている寺院であります。曹洞宗においてもハワイ国際布教総監部を担っており、僧侶や事務員の方など多くの方が働いている大きな寺院でした。施設も非常に立派で、葬儀だけでなく、結婚式やさまざまなイベントも行われているということで、境内には大きなホールもありました。
 この正法寺のトップである総監の駒形住職に対応していただき、和歌山県やハワイ、米国についての話をするとともに、和歌山県人会に係る私の訪問目的の話などを2時間余りにわたりさせていただきました。そして、駒形住職が懇意にされている和歌山県出身の方々に御連絡をいただき、翌日、慰霊碑を一緒にお参りする調整をしていただきました。
 翌日は、数名の和歌山県出身の方々とともにマキキ墓地に向かい、慰霊碑に献花を行いました。その場所は大変眺めのよい丘の上にあり、その慰霊碑の文字は仮谷元県知事の書でありました。
 献花を行った後、皆さんと昼食を交えながら、今後のハワイ州との友好について話し合いをしました。そこで、例年7月15日に正法寺を中心にお盆の行事を行っており、その時期であれば多くの方が集まるので、来年はぜひその時期に来られてはどうかということを言ってくださいました。正法寺を訪問し、駒形住職と話をすることができ、今後の取り組みにつながるきっかけをいただくことができました。
 そして、ことしのハワイ訪問を迎えることとなります。ことしは、日本からハワイへの集団移住150周年に当たり、6月には秋篠宮御夫妻がハワイでの記念式典に御出席されるなど、ハワイ移民の歴史における節目の年となっております。私は、昨年、駒形住職に教えていただいた7月15日の盆行事に参加できるよう、7月13日に関西空港を出発し、ハワイに向かいました。
 7月14日に、昨年お世話になった正法寺に向かい、法要に参加しました。そこで和歌山県人会の先人の供養を願い、お参りしました。法要の最後に、駒形住職が出席していた皆さんに私のことを紹介してくれ、和歌山県から和歌山県人会の先人の供養のために訪問したことを伝えてくれました。控室では、現地の観音講の皆さんを御紹介していただきました。そうめんやお菓子などの日本の文化を出していただきながら、私が日本から持参した県の「和-nagomi-」や「県民の友」などの冊子を見ていただきました。
 また、その後、町田時保前住職とも話をすることができました。16年前の和歌山県人会の解散と永代供養についての話を聞くことができました。県人会の会員の高齢化や会員数の減少などにより、会の役を担ってくれる人がなくなってきたことから、県人会の蓄えがあるうちに永代供養に踏み切ったということでした。
 翌日15日も正法寺での法要に参加しました。昨年、ことしの訪問でお会いすることができた和歌山県出身の川岸さん御夫妻とも話をしましたが、川岸さんはアメリカ本土のロサンゼルスで生活をしていて、リタイアしてからハワイに移住したので、和歌山県人会のことはほとんど知らず、力にはなれないとのことでした。
 駒形住職や川岸御夫妻といろんな話をしました。結論的には、ハワイにおいては日本人と住民の皆さんとの同化が他の外国と比べても早く進み、県ごとの県人会組織により助け合いながら生活をするという重要性は余りなかったのではないか。県人会という意識より日本人会という意識が、戦後のハワイにおいての発展の中心となったのではないかということでした。
 今後は、県人会という形だけでなく、ハワイに進出した若い人たちと何らかの交流を持ち続けることが重要ではないかという気がしています。そして、このようなつながりを活用し、和歌山県のことや和歌山県産品などを広く海外の人々に知ってもらうチャンスとしていくことがより大切かと思います。
 ハワイと比べ、南北アメリカ本土地域の各県人会においては、和歌山県人としての意識が高く、県人会としての活動や我々との交流なども続けてくれています。
 しかし、移民世代も3世、4世へと移っていくにつれ、現地の一員としての同化が進み、和歌山県人としての意識や日本人としての意識が薄れていくことは当然かもしれません。そういった意味からも、各国県人会との関係において、新しい世代の人たちとのつながり、新しい形でのつながりを広げていくことは、今後とても重要なことかと思います。
 仁坂知事が就任されて以降の和歌山県は、さまざまな面において海外とのつながりを重視し、積極的な取り組みを行っていただいております。本県で開催された全国植樹祭や国民体育大会の際には、海外県人会から多くの方々が和歌山に来られ、喜んでいただきました。また、知事や我々県議会が各国県人会を訪問するときなどは、和歌山の風景や魅力、県の産品などを現地でじっくりと時間をかけて丁寧に紹介するとともに、現地の報道機関も招待するなど、向こうの方々にとっても喜んでいただいております。私も何度かその場に立ち会わせていただきました。
 このような海外に暮らす和歌山県にゆかりのある方々と互いに行き来し、直接喜びを分かち合えることは、より交流を深め、人と人とのつながりをさらに広げることができます。
 来年度には、和歌山県人会世界大会が計画されていると聞きます。和歌山を離れて暮らすたくさんの方々やその子孫が一斉に集えるような機会は、将来の和歌山県をより豊かなものにしてくれると期待をしております。
 さまざまな困難のもと、海外に渡り礎を築かれた先人たちとのつながりを大切にしつつ、これからの和歌山県と各国地域との交流を継続していくためにも、新しい形も取り入れつつ対応していかなければならないと強く感じたところであります。
 私も、県議会の南北アメリカ諸国友好議員連盟の会長として、知事を初め県当局と協力しながら、未来につながる友好関係を続けていきたいと思っております。引き続き、県当局の御協力をお願いし、私のハワイ州訪問の報告とさせていただきます。
 それでは、引き続き質問に入らせていただきます。
 2点目の漁業振興についてお尋ねします。
 まずは、強い漁業者と新たな担い手の育成についてお聞きしたいと思います。
 本県にとって漁業は重要な基幹産業の一つであり、他の産業とともに末永く守っていくべきものであると考えています。しかしながら、長引く漁獲量の減少や魚価の低迷により、漁業の収益性は悪化しており、漁業者からは「漁業では御飯を食っていけない」、「漁業は自分一代限りだ」という声も聞こえてきます。
 こうした状況は、漁業の後継者不足にも拍車をかけ、このままでは本県の漁業が衰退して立ち上がれなくなってしまうのではないかと危惧しております。
 この苦境を乗り切るためには、長期的な不漁時でも生き残っていける強い漁業者を育成するとともに、新たな担い手が参入できる環境をつくり、浜の活気を取り戻していくことがますます必要になってくると考えますが、知事の御所見をお伺いしたいと思います。
 次に、広域回遊資源の現状についてお聞きします。
 クロマグロについては、本県にとって非常に重要な魚種でありますが、平成27年より資源状況の悪化を受けて、国際的に漁獲規制が始まり、本県もクロマグロの資源管理に取り組んでいます。このような取り組みによりクロマグロの資源量は少し増加しておりますが、本県も漁獲規制のため、一時的にクロマグロが漁獲できない状況になりました。
 このことが、去る7月18日、仁坂知事には政府に対してクロマグロの漁獲枠の増枠要望を行っていただき、また、県議会においても7月24日に意見書の提出を行ったところであります。これを受けて、国は保有していた漁獲留保枠の一部を放出し、今般、漁獲枠の追加配分量を正式決定されました。仁坂知事には、本当に感謝を申し上げる次第であります。
 現在、クロマグロを漁獲している漁業者は厳しい経営が続いていますが、太平洋クロマグロの資源評価は、2024年までに親魚資源を歴史的中間値の約4万3000トンに回復できる確率が98%という結果に到達していると試算されており、漁獲枠の増枠への道筋が見えてきています。今後は、国際的な状況を踏まえ、国全体の増枠を期待しているところです。
 また、本県においては、カツオやサンマ、スルメイカなどの広域に回遊する水産資源の漁獲が著しく減少しております。こうした魚種についてもなかなか上向いていく姿は見受けられません。その原因として、沖合では黒潮の蛇行や北方、南方の水温変化による来遊量の減少等が言われており、また、公海での他国の漁獲が影響しているとも報道されております。私もそう思います。
 そこで、農林水産部長にお尋ねします。
 クロマグロについては、資源の増加を踏まえた対応をどのように考えていますか。また、カツオ、サンマ、スルメイカなどの広域に回遊する水産資源の状況はどのようになっていますか。また、国や県でもこうした資源の状況について調査されていると思いますが、その成果はどのように活用されていますか。
 次に、勝浦市場の活性化についてお聞きします。
 勝浦市場は全国でも有数の生マグロの水揚げ基地であり、平成28年度の生マグロの水揚げ金額は62億円と全国1位を誇り、本県の水産業にとって重要な役割を果たしております。また、勝浦におけるマグロは、漁業だけでなく水産加工業や観光業など、地域の産業全体において非常に重要なものとなっております。
 このような勝浦にとって欠かすことのできないマグロの多くは、県外船により水揚げされるため、これまでの市場の発展は県内だけではなく県外の漁業者にも支えられてきました。そのため、那智勝浦町と市場を運営する県漁連では、連携して県外船の誘致活動を積極的に行っているところです。
 また、紀州勝浦産生マグロの価値を向上させるため、地域団体商標を取得するなど、地域を挙げてブランド力の強化に取り組んでおります。
 地元勝浦だけでなく、和歌山県にとっても非常に重要な財産である勝浦市場を今後さらに発展させていくためには、県の支援も必要と考えますが、県の考えを農林水産部長にお伺いしたいと思います。
 続いて、3点目、紀伊半島一周高速道路の整備についてお尋ねします。
 紀伊半島一周の高速道路の整備については、これまで私の質問において継続してお尋ねしてきました。この実現は、私のこれまでの議員生活において掲げてきた半島性からの脱却を目指す上での大きな基盤であります。
 平成27年に本県で開催された紀の国わかやま国体に合わせ、近畿自動車道紀勢線はすさみ南までの区間が開通し、紀南地域に暮らす者、紀南地域を訪れる者にとって飛躍的な利便性の向上をもたらすとともに、救急医療や災害対策において大きな安心を与えてくれました。
 残る区間もあと少しとなってまいりました。平成26年度にはすさみ串本道路が新規事業化され、いよいよ最南端の地への道のりが進められています。この区間では、用地の取得と並行し、あちらこちらで工事に着手した様子が見られます。その先に暮らす我々にとって、また高速が延びてきている、いよいよ自分たちのところに高速がつながるといった期待が日に日に大きくなってきております。
 そのような中、ことしの春には、串本太地道路の新規事業化が決定されました。この区間の事業化により既に開通している那智勝浦新宮道路と結ばれることになり、いよいよ和歌山市と新宮市が高速道路でつながり、紀伊半島一周高速道路の実現に大きく近づくこととなります。
 そこで、県土整備部長にお尋ねします。
 すさみ串本道路の完成に向け、現在の進捗状況はどのようになっているのでしょうか。
 それから、串本太地道路が事業化決定されましたが、早期完成に向けた現在の取り組み状況はいかがでしょうか。
 また、この串本─太地の区間においては、対象となる地域において、地権者が過去に海外に移住されており、そのままになってしまっている土地も多いと聞いております。このような所有者不明の土地への対応について、先般、特別措置法が成立したと伺いました。こういった新たな制度を活用し、この串本─太地の区間における今後の用地取得をスムーズに進め、早期完成へとつなげていってはいかがでしょうか。県土整備部長にお答えいただきたいと思います。
 以上をお尋ねさせていただき、私の質問を終わります。
○議長(藤山将材君) ただいまの谷洋一君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、強い漁業者と新たな担い手の育成についてお答え申し上げます。
 長期的な不漁が続く現状においては、不漁時に負けない漁業者の育成や新たな担い手の参入により浜の活気を取り戻していくことが必要であるという議員の御指摘は、まさしく的を射たものであると考えます。
 漁業は自然が相手であり、神聖な職業ではございますが、収入がちゃんとないと困ります。特に、収入が不安定になることがとても困るわけでございます。そこで、複数の収入源を持つことが経営の安定化につながると考えます。また、漁村の活力が低下しているという面では、若者を呼び込むため、魅力ある漁村づくりを進めることも必要と考えます。
 県では、経営の安定化を実現するため、漁業経営の効率化、複合経営、比較的安定した収入が見込めるいそ根漁場の整備を進めるなど、さまざまな取り組みを推進してまいりました。
 具体的には、主要漁業を再生させるため、まき網船団のスリム化や船びき網、底びき網の減船などに取り組んだ結果、経営基盤の強化や漁業所得の向上につながったと思っております。また、管理しやすい地元資源を有効に活用するため、藻場造成や投石など、いそ根漁場の再生に取り組んだ結果、イセエビの漁獲量は近年全国トップ3を維持しており、漁家経営に大いに寄与していると考えております。
 しかし、問題はそれ以上でございまして、潮流が変わったり資源が減ったりということで、お魚がとれたりとれなかったりということが著しくなってきております。そこで、昨年度から、中心となる漁業が不漁の際の収入源確保対策として、別漁業にも取り組む複合経営を推進したところ、複数のグループが養殖などの新たな取り組みを開始しております。
 さらに、魅力ある漁村づくりを進め、漁業に関心のある若者を呼び込むため、各地で観光資源を生かしたブルーツーリズムを推進しているところでございます。こうした漁村の魅力を積極的にPRするとともに、県内外での求職者のマッチング機会の増大や受け入れ側のサポート体制の充実などを図ることにより、県内外からの新規担い手確保の取り組みを強化してまいりたいと思います。
 今後とも、こうした取り組みを積極的に推進していくことによりまして、漁業で頑張ってる人を助けるため、不漁時に負けない漁業者の育成や新たな担い手の参入を図り、浜の活気を取り戻していきたいと考えております。
○議長(藤山将材君) 農林水産部長原 康雄君。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) クロマグロの資源増加を踏まえた対応、それから、広域回遊魚の現状と調査成果の活用状況についてお尋ねいただきました。
 太平洋クロマグロは、親魚資源の回復傾向が見られることから、先般、日本政府が中西部太平洋まぐろ類委員会北小委員会に、漁獲枠の増枠及び残枠の繰り越し措置について提案しましたが、残念ながら今回は合意に至りませんでした。
 議員御指摘のとおり、クロマグロは本県にとって非常に重要な魚種であるため、引き続き厳格な資源管理に取り組むとともに、国際的な漁獲枠の拡大に向けて国に働きかけてまいります。
 次に、広域回遊資源についてですが、本県における代表魚種のカツオは、ことしは過去最低レベルとなっており、昨年8月から発生している黒潮の大蛇行により当県の沿岸域への来遊が少なくなったことが考えられますが、熱帯域での各国の漁獲増も影響しているものと考えております。
 サンマはここ数年、漁獲量は数トン程度と減少しており、原因としては、和歌山県では黒潮の影響を受け、沿岸が高水温になったことがサンマの南下を阻害していると考えられます。
 スルメイカはここ数年、漁獲量は十数トン程度と減少しており、原因としては、産卵場となる東シナ海の水温低下により発生群が少なく、日本沿岸への来遊も少なくなっていると考えられます。
 次に、資源評価の活用についてですが、国においては、広域回遊種の資源評価が行われており、全国の漁獲量調査データをもとに広域的な見地から実施し、各県にフィードバックされるとともに、さまざまな形で漁業者に情報提供がされ、資源管理にも活用されております。
 また、近年、公海における各国の漁獲が増大し、カツオ、サンマなど広域回遊魚の世界レベルでの資源減少が懸念されることから、国際会議の場における漁業交渉を行う際の根拠データとしても重要な役割を果たしております。
 県では、特に本県に影響の大きいカツオについて、電子標識を用いた放流調査を行うとともに、人工衛星を利用した海況情報を改良し、より見やすく精度の高い漁場情報を漁業者に提供しております。
 続きまして、勝浦市場の活性化について御質問いただきました。
 勝浦市場は、近海に漁場が形成される優位性から、古くから生マグロの水揚げ基地として栄え、現在では日本一の生マグロ水揚げ港として全国に名をとどろかせています。
 こうした勝浦のブランド力を最大限に生かすため、県では、勝浦市場を運営する県漁連と連携し、県外大手百貨店や大都市圏でのイベント等における紀州勝浦産生マグロの販売促進に取り組んできたところであり、今後ともさまざまな機会を捉え、紀州勝浦産のブランド力向上や販売促進、商談機会の創出などに積極的に取り組んでまいります。
 また、近年、他県のマグロ水揚げ港との産地間競争が激しくなっており、こうした競争に打ち勝っていくためには、衛生管理面での機能向上や運用面での効率化を進めていく必要があることから、県としては、このような取り組みが進むよう、町や県漁連に必要な助言を行ってまいりたいと考えております。
 議員のお話のとおり、勝浦市場や紀州勝浦産生マグロのブランド力は県にとっての宝でありますので、今後ともその地位を守り続けられるよう、関係者とともにこうした取り組みを積極的に推進してまいります。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長髙松 諭君。
  〔髙松 諭君、登壇〕
○県土整備部長(髙松 諭君) まず、すさみ串本道路の進捗状況につきましてお尋ねをいただきました。
 すさみ串本道路につきましては、昨年度から県及び地元町が国から用地取得を受託いたしまして、全線にわたりまして用地説明を鋭意進めているところでございます。現在の用地取得の状況につきましては、面積割合で5割を超えているところでございまして、引き続き今年度中の取得完了を目標に取り組んでまいるところでございます。
 また、すさみ串本道路の工事につきましては、ことし4月に串本町におきまして起工式を開催し、仮称・串本インターチェンジ付近から本線工事が進められているところでございます。すさみ南インターチェンジ付近におきましても、橋梁下部工の工事契約を終え、近々工事着手する予定となっております。
 これら両端からの工事施工に加え、工事用道路の整備が9カ所で進められておりまして、今後、全線にわたって工事が展開される予定と伺っております。
 次に、串本太地道路の取り組み状況につきましてお尋ねをいただきました。
 串本太地道路につきましては、今年度に新規事業化され、直ちに地元の三つの町と連携いたしまして事業計画説明会の日程等を調整し、6月中に沿線の19地区全てにおいて事業計画の説明を行い、測量立ち入りの了解が得られたところでございます。現在、国におきまして、現地測量及び工事用道路の設計が進められていると伺っております。
 3点目に、所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法に関するお尋ねをいただきました。
 この所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法につきましては、本年6月6日に成立、同13日に公布されたところでございまして、一部の規定を除き、公布の日から6月以内に施行することとされているところでございます。
 この法律は、所有者不明土地を円滑に利用する仕組みや所有者の探索を合理化する仕組み等について定められておりまして、今後出される政令を踏まえまして、当該道路の用地取得に積極的に活用していきたいというふうに考えております。
 県といたしましては、引き続き地元町と連携して円滑に事業が推進されるよう協力してまいりますとともに、事業の推進につきまして、国に働きかけてまいります。
○議長(藤山将材君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○議長(藤山将材君) 再質問を許します。
 谷 洋一君。
  〔谷 洋一君、登壇〕
○谷 洋一君 知事初め部長から答弁をいただきました。
 水産業については、本当に今回、知事に水産庁へ行っていただくということで、水産庁が一番情報をたくさん持っておりますし、特に回遊魚とかになりますと水産庁しか知らんということもたくさんありますんで、一番我々にとって大事な、いそ根漁場とかいろんなことについては、もう知事が一生懸命やっていただいておりますし、今ブルーツーリズム等で観光との組み合わせ、マッチングとかいろいろやっていただいています。引き続きそれをやっていただく中で、また水産庁といろんなことをしながら、クロマグロあるいはカツオやあるいはサンマやということの情報を入れながら、ひとつ和歌山県の水産業の発展に寄与していただきたいと思います。
 それと、県土整備部長、非常に高速道路、おかげさんで物すごく速いスピードで今やってくれております。もう我々紀南に住む者にとっては大変ありがたいんです。
 特にこの6月にできました法律、6カ月以内にということで、政令になるんか省令になるんかわかりません、12月からになると。これがあったら、伝家の宝刀まではいかん、ばたばたとはいかんでしょうけども、本当に今まで困ったところが、これはもう随分時間を省いていけるんじゃないかなあというふうに思っておりますので、我々向こうに住む者にとっては一日も早い完成を待ち望んでおりますので、どうかよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。終わります。(拍手)
○議長(藤山将材君) 以上で、谷洋一君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時35分休憩
────────────────────
  午後1時0分再開
○副議長(岸本 健君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 12番鈴木太雄君。
  〔鈴木太雄君、登壇〕(拍手)
○鈴木太雄君 皆さん、こんにちは。早速でありますが、議長のお許しをいただきましたので、通告に従い一般質問を始めさしていただきたいと思います。
 その前に、まず、この場をおかりして、今回の台風第20号、また台風第21号により被災に遭われた方々にお見舞いを申し上げますとともに、復旧作業をいただいた多くのボランティアの方々に、心から厚く御礼を申し上げます。
 それでは、大項目1として、台風第20号・第21号災害を受けてにつき、3点にわたり質問をいたします。
 初めに、小項目1、浸水被害を受けた川湯地区等への対策について質問に入ります。
 台風第20号は、強い勢力で四国に上陸をし、各地に暴風雨をもたらしました。本県には、8月23日の午後9時から10時ごろにかけて最接近し、この大雨の影響により熊野川が氾濫したことで、新宮市日足地区が浸水被害を受けました。また、田辺市におきましては、市内各地で倒木や土砂崩れ等による道路の不通、停電などの被害が相次いで発生をしたほか、田辺市本宮町川湯地区においては、熊野川の支流である大塔川が氾濫いたしました。
 今回の水位は、7年前に未曽有の豪雨災害をもたらした平成23年紀伊半島大水害時をも上回り、この影響によって川湯温泉は床上浸水の被害に見舞われ、同地区の旅館は休業を余儀なくされるなど、甚大な被害を受けました。
 被災直後の8月25日に、自民党の幹事長である二階俊博衆議院議員が日足地区と川湯地区を訪れ、新宮、田辺両市長を初め、地元県会議員として濱口県議、そして私が同行する中、現地の被災状況の確認等を行いました。また、先日には、世耕経済産業大臣も被災地入りをいただいたところであります。その際には、地区住民から「土砂が堆積をし、河床が相当上がっているので、いつかこういった浸水被害が発生すると思っていた。とにかく土砂を取り、河床を下げてほしい」との声を幾度となく伺ってきたところであります。
 熊野川本流につきましては、さまざまな手法を活用し、計画的に河床の整備が今も行われておりますが、支流の大塔川及びその支川である四村川の整備については、ほぼとり行われていないのが実情としてあります。河床を下げると護岸が崩れるといった声や、温泉の湧き出す場所に影響を及ぼすのではないかといった声などがあり、整理しなければならない課題があることも承知をいたしておりますが、このたびの甚大な被害を重く受けとめ、早急に河道掘削等の事業化を図り、浸水に対する地区住民の不安を解消することが重要であると考えます。
 ここで、小項目の1として、このたびの台風により浸水被害を受けた川湯地区等への今後の対策について、被災した当地域周辺の道路復旧を含め、県土整備部長の御見解をお伺いいたします。
○副議長(岸本 健君) ただいまの鈴木太雄君の質問に対する答弁を求めます。
 県土整備部長髙松 諭君。
  〔髙松 諭君、登壇〕
○県土整備部長(髙松 諭君) 川湯地区等への今後の対策についてのお尋ねをいただきました。
 大塔川流域では、本年、平成30年8月の台風第20号による豪雨によりまして、川湯地区の温泉宿を初め、多くの地区で家屋浸水被害が発生しましたが、道路の路側や河川護岸の崩壊等の施設被害も多く発生しております。これらの道路や河川の公共土木施設の被災箇所につきましては、早期の復旧に努めてまいります。
 また、大塔川では、平成23年9月の紀伊半島大水害で堆積した土砂を撤去するため、これまでに6万立方メートルの河道掘削を実施してまいりましたが、今回、甚大な浸水被害が発生したことから、土砂の堆積状況を改めて把握するため、現地調査や測量に着手したところでございます。
 さらに、大塔川支川の四村川においても、わたらせ温泉が浸水するなど被害が発生していることから、同様に土砂の堆積状況を把握するため、現地調査や測量に着手しております。
 調査結果をもとに田辺市及び地元の方々の御意見を伺いながら、大塔川及びその支川の四村川において、浸水被害軽減に効果があります河道掘削等に速やかに取り組んでまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○副議長(岸本 健君) 鈴木太雄君。
  〔鈴木太雄君、登壇〕
○鈴木太雄君 続いて、小項目の2、文里港排水機場の更新についてであります。
 田辺市の市街地東部に位置する神子浜、文里、学園地区は、利便性が非常に高く、高度経済成長期に市街地化が進んだ地域であり、田辺高等学校や神島高等学校を初め、非常に多くの学校教育施設が立地しております。
 一方、南側は海に面しており、満潮や高潮等の影響を非常に受けやすいため、内水の水位が下がりにくいといった環境下にあります。また、当該地域は、高台に囲まれた低地部でもあり、大雨による浸水被害も常々懸念されてまいりました。
 県におきましては、このような地理的な状況を鑑み、昭和55年に神子浜水路、神谷川水路の排水対策として4基のポンプ設備を備えた文里港排水機場を整備し、これまでの間、田辺市の管理のもと、当該地域の浸水対策に非常に大きな役割を果たしてきたことは言うまでもありません。
 しかしながら、この排水機場は、整備から約40年が経過をし、ポンプや配電盤、自家発電機等の老朽化が進んでおります。そのため、昨年、ことしと2年続けて電気系統のトラブルが発生をし、正常な稼働ができない状況にありました。昨年10月の集中豪雨においては、消防分団が8分団、延べ150人出動し、また、先日の台風第20号の際には、地元分団がポンプを稼働させたものの急停止をしたことから、周辺の消防団にも応援を要請し、7分団、延べ100人を超える分団員が神谷川水路周辺に出動する事態になったと伺っております。
 応援出動した複数名の消防団員からは、消防分団が他地域へ出動すると所管の地域が空白となり、地元の状況が把握できなくなる、万が一、地元で何か事が起こってもすぐに対応できない、今後はこういったことがないようにお願いをしたいと、強い要望が寄せられたところであります。
 県は、これまで数度にわたりポンプ設備の修繕を行うとともに、昨年この施設の長寿命化計画を策定したことは承知をいたしております。しかし、さきに申し上げたように、2年連続をしてトラブルが発生したことは、周辺住民に非常に大きな不安を与えるものであります。
 このような文里港排水機場の現状を踏まえ、神子浜、文里、学園地域住民の安全・安心の確保とともに、消防分団の必要以上の応援出動によって地元における消防活動が妨げられないよう、非常に老朽化した文里港排水機場への対応が急務であると考えます。
 そこで、小項目2として、老朽化した文里港排水機場の更新について、県土整備部長の御見解をお伺いいたします。
○副議長(岸本 健君) 県土整備部長。
  〔髙松 諭君、登壇〕
○県土整備部長(髙松 諭君) 文里港排水機場に関する今後の対応についてお尋ねをいただきました。
 今、鈴木議員からもありましたように、文里港排水機場は、県において昭和55年に整備を行いまして、その完成の後に田辺市に維持管理を委託してございます。
 しかしながら、この施設につきましては、完成から約40年が経過し、老朽化が進行しておるところでございます。平成21年には県でディーゼルエンジンのオーバーホール等の修繕も行っておりましたけれども、昨年10月に稼働していた排水ポンプが漏電により停止したため、修繕を実施いたしました。また、ことし2月の田辺市の点検でも、水門の開閉装置に附属するバッテリーのふぐあいが発見され、交換を実施したところでございます。さらに、ことしの8月には、台風第20号の大雨による出水時に、停電時に稼働しておりました自家発電機が燃料供給装置のふぐあいから排水ポンプに送電できず、排水ポンプが停止する事態が発生いたしました。このため、ふぐあいが発生した燃料供給装置を取りかえたところでございます。
 文里港排水機場につきましては、これら故障した機器以外についても、完成から約40年が経過しているところでございまして、昨年度策定いたしました長寿命化計画に基づき、重要性の高いものから順次、更新してまいります。
○副議長(岸本 健君) 鈴木太雄君。
  〔鈴木太雄君、登壇〕
○鈴木太雄君 続いて、小項目の3として、越波被害を受けた目良地区への対策についてであります。
 台風第21号は、25年ぶりに非常に強い勢力を保ったまま、9月4日正午ごろに徳島県南部に上陸し、午後2時ごろには兵庫県神戸市付近に再上陸をいたしました。近畿地方や四国の沿岸部においては、この台風が通過した影響で潮位が急激に上昇し、大阪では、1961年の第2室戸台風時に観測した過去最高の潮位を上回るとともに、本県におきましても、御坊市で最高潮位316センチを観測いたしました。
 この高潮の影響で、関西空港の滑走路や駐機場が広い範囲で浸水したほか、空港と本土を結ぶ連絡橋にタンカーが衝突するといった被害が発生したことは、我々の記憶に新しいところであります。
 また、四国や近畿を中心に記録的な暴風となり、和歌山市においては最大瞬間風速57.4メートルを観測し、第2室戸台風時の56.7メートルを超えて、史上1位の記録となりました。紀南地方におきましても、記録的な強風に見舞われ、家屋や施設の損壊が多く発生したほか、倒木や電柱の倒壊、崩土などで通行どめが相次ぐとともに、広範囲にわたる停電が発生し、住民生活に非常に大きな影響を及ぼしたところであります。
 こうした被害のほかにも、私の地元である田辺市においては、海に面した住宅地である目良地区におきまして、越波により住宅や事務所などが冠水被害を受けました。これは、皆さんのお手元に配付いたしておりますものが、この目良地区の冠水被害の状況であります。ちょっとわかりにくいかもわかりませんが、これ車が波に乗って移動したりしているところであります。
 この地区におきましては、これまで消波ブロックの設置等、その対策が図られてまいりましたが、7年前の紀伊半島大水害時における越波被害に引き続き、今回も再び越波による冠水被害を受けたことは、周辺住民にとって不安を伴う大きな問題であります。今後、住民の安全・安心を確保するために、二度と越波被害が起こらないよう、万全の対策を講じる必要があると考えますが、越波被害を受けた目良地区への対策について、県土整備部長の御見解をお伺いいたします。
○副議長(岸本 健君) 県土整備部長。
  〔髙松 諭君、登壇〕
○県土整備部長(髙松 諭君) 田辺市の目良地区の越波被害の状況と今後の対策についての御質問をいただきました。
 台風第21号の越波によりまして、田辺市の目良地区が浸水被害を受けた原因につきましては、気圧の低下によります潮位の上昇と、猛烈な風が吹き、非常に大きな波が発生したことによりまして、波が消波ブロックと護岸を超えたためというふうに考えているところでございます。
 消波ブロックと護岸本体自体は被災をしておりませんけれども、波が越流いたしまして浸水被害を受けたことから、まずはこの被災時の波の解析を行いたいというふうに考えております。その上で、必要な越波対策を進めていきたいというふうに考えているところでございます。
○副議長(岸本 健君) 鈴木太雄君。
  〔鈴木太雄君、登壇〕
○鈴木太雄君 前向きなというか、緩やかに前向きな御答弁をいただきました。
 この参考資料は、本来ならこれ、動画から切り抜いたもので、動画があるんです。これ、知事さん、拝見されたことありますか。この動画。ないですか。ぜひ一度、ちょっと拝見いただきたいなというふうに思うんですね。
 部長さんは見ていただいたと思うんでありますが、私がこの動画を初めて見たときには、本当に住みなれた地域なんですね。私の地元に当たるんですが、この裏に学校があって、そこへ通ってたもので、本当にふだんはもう波静かで、大変いい、風光明媚なところでありますが、こういったところがこんな状況になる。こんなになったというのは、本当に私、見なれたところでありますので、びっくりしたというのか、もう恐怖すら感じたというのが実情であります。越波という言葉でこの動画を見ると、表現するのが本当に適当なのかどうかなあというふうにさえ思ってしまうぐらいであります。まあ、ぜひ知事におかれましては、一見をしていただきたいなというふうに思います。
 また、ここは住宅街でありますし、また被害が2度目であるということも加えて、ぜひしっかりとした越波対策をこれからも進めていただきたいなというふうに思います。これは強く要望さしていただきたいなというふうに思います。
 続けて、大項目の2として、太陽光発電設備の普及に伴う対応について、これは2点にわたり質問をいたします。
 まず、小項目の1、条例制定後の状況についてであります。
 皆さん御承知のとおり、2011年に発生した東日本大震災を契機に、再生可能エネルギーの必要性が高まりを見せました。国においては、温室効果ガスの削減やエネルギーの自給率向上を目的に、電力の固定価格買取制度を創設し、太陽光や風力、水力、バイオマス発電等、再生可能エネルギーによる電力供給量の拡大が図られてまいりました。本県におきましても、国のエネルギー政策にのっとり、再生可能エネルギーの活用推進に努めており、特に太陽光発電は、豊富な日照時間など本県が持つ自然資源を生かせることから、その普及に努めているところであります。
 こうした中、近年においては、太陽光発電設備が急速に増加しているところでありますが、一方で、太陽光発電事業の実施による大規模な森林伐採や土地の造成等により、土砂災害の発生、自然環境や生活環境並びに景観等の環境に及ぼす影響が懸念されております。また、地域住民や関係者への事前の説明不足、あるいは説明すら行われないまま事業が実施され、トラブルが発生する事例も見受けられます。さらに、設置場所や施設の規模等によっては、法が適用されず、安全性の確認ができない場合もあると伺っております。
 こうしたことから、本県におきましては、平成30年2月議会において、安全性等を総合的に管理する太陽光発電事業の実施に関する条例を定めたところであります。改めて、申しわけありませんが、この条例の概要を申し上げますと、対象となる設備は合計出力50キロワット以上とし、建築物の屋上等に設置されるものは除くとされております。また、対象となる太陽光発電事業を実施しようとするときは、自治体との協議や地元説明を通じて意見等を聞くなど、適切なコミュニケーションを図りつつ、太陽光発電設備の設置、維持管理及び廃止を適切に行うための事業計画を作成し、知事の認定を受けなければなりません。さらに、認定後の手続として、土地の造成、設備の設置、事業区域や設備の維持管理、事業の廃止等、事業計画に従い適切な実施を義務づけるとともに、事業計画の内容に反した事業を行った場合は、命令や認定取り消しの対象となっております。大筋はこうであります。
 本条例に対し、知事は、本条例はこれまで行っていたさまざまな問題を一挙に解決し得る画期的なものである、運用に当たる担当部局の職員は大変だと思うが、正しいルールに従って、住民や環境と仲よしの太陽光発電を進めていくためには、これがむしろ近道だと思っていると申されております。
 そこで、この条例は、6月22日に全面施行されたばかりでありますが、小項目の1として条例制定後の状況について、環境生活部長にお伺いいたしたいと思います。よろしくお願いします。
○副議長(岸本 健君) 環境生活部長山田成紀君。
  〔山田成紀君、登壇〕
○環境生活部長(山田成紀君) 和歌山県太陽光発電事業の実施に関する条例制定後の状況についてでございますが、県内外の事業者から多数の問い合わせがあり、現時点で二つの事業について、条例に基づく協議に着手しているところです。また、他県の行政担当者から先進事例として条例制定の経緯や考え方等について問い合わせがあり、全国的にも反響が大きい状況となっております。
 条例制定の効果につきましては、全面施行されてからの期間が短いことから十分に分析はできていませんが、条例施行により、事業者はより慎重に事業計画を検討しているのではないかと考えているところです。
○副議長(岸本 健君) 鈴木太雄君。
  〔鈴木太雄君、登壇〕
○鈴木太雄君 続いて、小項目の2、50キロワット未満の太陽光発電設備に対する現状認識とその対応についてであります。
 先ほども申し上げたとおり、本県の太陽光発電事業の実施に関する条例が、この6月22日に本格施行いたしましたが、いまだに太陽光パネルの設置について不安視されている住民は多数おられます。
 具体的な事例を申し上げますと、まず、本条例の対象とならない合計出力が50キロワット未満の太陽光発電設備の設置について、地域住民との間で適切かつ十分なコミュニケーションが図られることなく行われている状況があります。
 また、2014年に経済産業省省令が改正され、本来、高圧接続する大規模な太陽光発電設備を設置する敷地がありながら、低圧で接続する50キロワット未満の小規模な太陽光発電設備に分割して故意に複数設置する低圧敷地分割が禁止になりましたが、地域によりましては系統連系制約というのがあって、それによってそもそも高圧接続ができない土地があります。故意かどうかは別にして、そうした土地においては、小規模な設備を複数設置するケースがあるとも伺っております。さらに、急傾斜地や山林の斜面を削っての太陽光パネルの設置は、たとえ50キロワット未満の発電設備だとしても、危険を伴うとともに、特に本県では世界遺産にふさわしい景観を損なうことにつながるのではないかと危惧する声もあります。
 豊富な日照時間など、本県が有する自然環境を生かすことができる太陽光発電事業を促進することについては十分理解するところでありますが、今申し上げたような住民の声がある中、50キロワット未満の太陽光発電設備に対する実情について当局はどのように認識をされているのか。また、立地地域でのトラブルや山林伐採による自然破壊、事業終了後のパネル放置に係る懸念等、住民の不安を払拭し、安全・安心な住民生活の確保や景観保全を図るためにも、50キロワット以上の大規模事業の規制のみならず、50キロワット未満の設備をもその対象として設置ルールを明確にするなど、何らかの対応が必要ではないかと、このように考えます。
 あわせて、ここで小項目の2として、50キロワット未満の太陽光発電設備に対する現状認識と対応について、環境生活部長の御見解をお伺いいたします。
○副議長(岸本 健君) 環境生活部長。
  〔山田成紀君、登壇〕
○環境生活部長(山田成紀君) 条例は、太陽光発電事業のうち森林等を大規模に開発するものについて、防災上の問題や景観面での悪影響が懸念されることから制定したもので、内容は異なりますが、都道府県レベルで同様の条例を制定しているのは、本県と兵庫県のみとなっております。
 本県条例では、電気事業法で事業用電気工作物に分類されている出力50キロワット以上の太陽光発電設備を対象としており、面積にすると500から1000平方メートル程度と、兵庫県条例の5000平方メートルと比べても、かなり規模の小さなものまで対象としております。
 議員御質問の条例の対象とならない出力50キロワット未満の小規模太陽光発電設備については、つい先日、県内の自治体から、事業者と地域住民のコミュニケーション不足から住民に不安が広がっており、状況改善のため独自の条例制定を検討しているので助言等の協力をお願いしたいとの要望があったところです。こういった不安の声があることにつきましては、他の自治体からも相談を受けており、県としても認識をしておりますが、それぞれ地域固有の事情があることから、県下一律の対応は難しいと考えております。
 今後、市町村が地域の実情に応じた対応を検討する場合には、適切に助言、協力してまいりたいと考えております。
○副議長(岸本 健君) 鈴木太雄君。
  〔鈴木太雄君、登壇〕
○鈴木太雄君 御答弁をいただきました。
 私が地域の方々とお話をする中では、さらに事業がうまくいかなかったとき、設備をそのまま放置されるのではないかといった心配の声が多くあります。発電事業終了後の設備については、法令において一定の放置対策が講じられてはいますが、実際には廃棄費用を積み立てていない事業者は半数以上に上ると伺っております。
 そういった中、県において、国に対し、廃棄費用の積み立てを担保する仕組みとして法整備を求めていただいているところでありますが、引き続き、より積極的な働きを行っていただきたいと、このように思います。
 続いて、大項目の3点目として、救急医療体制の充実について、3点にわたり質問を行います。
 まず、小項目の1、ドクターヘリ運航の状況についてであります。
 現在、日本では、事故でけがをしたり急病になったりした場合、救急車を呼んで傷病者を病院に搬送することが一般的であります。全国では、平成29年時点で6200台を超える救急車が配備されており、634万件の出動で574万人を搬送しております。
 救急車の出動については、同じ人が何回も救急車を呼ぶ頻回利用や軽症の人が救急車を呼ぶ軽症利用の問題が指摘され、また、病院をたらい回しにされるといった懸案も発生をいたしております。さらに、救急隊員の行える処置には限りがあるため、必要な医療行為を行えず、搬送中に患者の容体が悪化する場合や、大災害や事故等によって救急車が立ち入れず、患者を救えないといった事案もふえております。こうした状況を少しでも減らし、急を要する患者をより多く救おうと誕生したのがドクターヘリであります。
 このドクターヘリは、地形特性や交通事情にとらわれない迅速な傷病者搬送手段であるとともに、救急の専門医師や看護師が現場で治療を開始することで、救急搬送時間の短縮による救命率の向上や後遺症の軽減、僻地における救急医療体制の強化、災害時の医療救護活動の充実を目的としております。
 本県においては、平成15年に全国で何とこれ7番目、国公立大学病院では初となるドクターヘリを県立医科大学に導入をし、奈良県、三重県を含めた3県による合同運用や、新生児・母体搬送、消防無線の搭載等、先駆的な取り組みを行ってまいりました。
 ドクターヘリは、出動の際には操縦席に操縦士と整備士、後部に医師と看護師が搭乗することになっており、医大から約100キロメートル先の新宮市まで、離着陸も含め30分ほどで到着することから、一刻も早い初期治療が必要とされる重症患者に対し、市街地から遠く離れた山間部であっても早期に医師が駆けつけられるようになりました。
 また、運航範囲が半径100キロメートル圏という広域運航の影響を鑑み、関西広域連合及び三重県と、さらに有田川町以北の地域は大阪府及び徳島県と、日高・西牟婁地域においては徳島県と、東牟婁地域は三重県と相互応援協定を結び、重複要請に対応するなど、セーフティーネットの構築にも積極的な取り組みが行われております。
 加えて、救急患者の救命のみならず、平成23年9月の台風第12号による紀伊半島大水害時においても、被災地へDMATの投入や土砂崩れで孤立した集落へ20回以上出動するなど、災害時における救援活動にも大きく貢献したことは、皆さん御承知のとおりであります。
 このように、ドクターヘリは、導入後、県民の生命を守るため、さまざまな場面ですぐれた救命効果をもたらしてきたものと認識するところであります。
 ここで、ドクターヘリの運航状況について、福祉保健部長にお伺いいたします。
○副議長(岸本 健君) 福祉保健部長山本等士君。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) ドクターヘリの運航状況につきましては、現在、5月から8月までは午前8時から午後6時まで、それ以外の期間は午前8時から午後5時まで運航しており、平成27年度以降は年間400回以上出動し、これまで約5800回の出動実績を誇り、多数の救急患者の救命に貢献しております。
 なお、関西広域連合や三重県との相互応援体制を構築してきた結果、これらの府県から現在まで約50回の応援をいただき、重複要請にも対応しているところです。
○副議長(岸本 健君) 鈴木太雄君。
  〔鈴木太雄君、登壇〕
○鈴木太雄君 御答弁ありがとうございました。
 続いて、小項目の2、ドクターヘリの運航の充実についてであります。
 全国的な高齢化の進行はもとより、特に本県におきましては、大地震に起因する大規模災害発生への対応、並びに熊野三山や参詣道等の世界遺産を訪れる観光客の増加を背景として、ドクターヘリが担う役割はこれまで以上に重要性が増しております。
 そのドクターヘリの運航時間については、航空法に基づき有視界飛行が確保できることを条件に設定されており、先ほどの部長答弁にもありましたが、5月から8月の4カ月間は午前8時から午後6時までで、それ以外の8カ月間は午前8時から午後5時までとなっております。
 夜間飛行につきましては全国的に例がなく、その実施に当たっては、騒音に対する近隣住民の理解を初め、計器飛行が可能な機体の確保やライセンスの取得、また、運航時間延長に伴うパイロットやフライトドクター、フライトナースのさらなる確保、ランデブーポイントにおける夜間照明設備の整備など、さまざまな課題が挙げられております。いずれも、解決には時間を要する困難な課題であると理解をしておりますが、言うまでもなく救急患者への対応は一刻を争うものであります。
 特に本県では、救急指定病院から遠く離れた山間地域などで暮らしている方が非常に数多くいらっしゃいますし、実際に、夜間の救急事案に何とか対応してほしいという切実な願いもあります。ドクターヘリの運航時間について、何か1歩でも2歩でも前に進めていただきたいと強く思っているところであります。
 そこで、小項目2、ドクターヘリ運航の充実に向けた取り組みについて、知事の御見解をお伺いいたします。
○副議長(岸本 健君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 県民の命を守る救急医療体制の充実は非常に重要だと認識しておりまして、山間僻地を多く抱える本県の地理的状況を鑑みると、ドクターヘリが持つ機動力と、そのすぐれた救命効果に着目し、運航の充実を図っているところでございます。
 しかしながら、夜間飛行については、議員御指摘のとおり、住民の理解や基地病院の体制、夜間照明の整備に加え、現状では安全性の確保が最も難しい課題であると認識しております。
 そのような中、少しでもドクターヘリの運航時間を延長するために、和歌山県立医科大学附属病院の屋上ヘリポートに照明設備を設置し、安全性を確保しながら、パイロットが目視で飛行できる、ぎりぎりの日没直後の薄暮時間帯の着陸を可能にしていくようにしたいと思っております。特に夕方は、地上ですが交通量が増加し、交通事故による救急搬送が最も多い時間帯でございまして、しかも、交通渋滞により搬送時間が長くなる時間帯でもあります。よって、ドクターヘリの薄暮時間帯の着陸を可能にすることは、より多くの患者の救命につながると考えます。
 また、ドクターヘリの県内における離着陸の場所については、運航開始当初48カ所であったんですが、今は400カ所に増設されております。救急患者に対して、より早く対応できる環境を整えているところです。加えて、相互応援体制につきましては、御指摘のものに加えまして、今年度中に奈良県とも協定を結び、現行のセーフティーネットをさらに充実しようと考えております。
 今後も、救急医療体制のさらなる充実に向け、ドクターヘリの運航を初め、遠隔救急支援システムの活用や救急医の確保など、さまざまな取り組みを行っていく所存であります。
○副議長(岸本 健君) 鈴木太雄君。
  〔鈴木太雄君、登壇〕
○鈴木太雄君 知事から御答弁をいただきました。
 パイロットが目視で飛行できるぎりぎりの日没直後の薄暮時間帯の着陸を可能にし、運航時間を延長するとの答弁がありました。確かに夕方は、帰宅時により交通量が増加をし、同時に交通事故の発生が多いことから、たとえわずかな運航時間の延長であっても、効果が見込めるものと私も考えております。
 しかしながら、ドクターヘリの要請は、何もこの時間帯に限ったものではなく、また、交通事故に限ったものではありません。そうした意味におきまして、今後もぜひドクターヘリの夜間運航の実現に向けて、困難な課題も非常に多くあるとは思いますが、引き続いてさまざまな取り組みを行っていただきたいと、このように思います。要望といたします。
 最後に、小項目の3点目、消防ヘリの救急活動におけるドクターヘリとの連携についてであります。
 本県におきましては、道路や鉄道の壊滅により救助活動が困難となった阪神・淡路大震災を教訓として、平成7年10月、広域的かつ機動的な活動ができる県防災ヘリコプター「きしゅう」を導入いたしました。南紀白浜空港内にある県防災航空センターを拠点として、平成8年3月9日から防災ヘリの運航を開始し、日の出から日没までと運航時間を定めております。
 防災ヘリは、救助・救急資機材・空中消火の装置を備え、救助活動、救急活動、山林火災等の消火活動などに対応しているところですが、運航開始より昨年度までの22年間で1524回の救急運航を行っており、そのうち700回が救助活動による出動実績となっております。また、防災ヘリによる救急搬送は、ドクターヘリの出動要請が重複した場合や離着陸が困難な場所への出動など、限定的に実施されている中、平成29年度においては、山村地域などからの救急患者の搬送を計32回行っております。
 申し上げるまでもなく、防災ヘリ、ドクターヘリは、おのおのの役割に応じて自己完結的に活動することがあくまで基本であり、そういった意味からも、救急搬送の充実は、本来ドクターヘリによって行われなければならないものと一定の理解もいたしております。
 しかしながら、ドクターヘリの拠点は紀北であることに加え、県内では1機のみの設置であることから、また、相互応援体制はもとより、白浜を拠点とする防災ヘリとの協働は、災害時以外においても非常に重要なことであるとも考えております。
 また、先ほどの項で取り上げた夜間運航につきましては、ドクターヘリにはその機能が備わっておらず、実施が非常に困難な状況であり、また一方、防災ヘリによる救急搬送においては、その機能が備わってはいるものの、他のさまざまな理由から、原則、夜間運航は行われていない状況にあります。
 こうした中において、本県における救急医療の充実をより一層図るためには、これまで以上に防災ヘリ、ドクターヘリそれぞれの特徴を最大限に生かした積極的な搬送体制の構築が求められているものと認識をいたしております。
 そこで、防災ヘリの運航にかかわって、ドクターヘリと防災ヘリの連携による救急医療の充実について、その御見解を知事にお伺いいたします。
○副議長(岸本 健君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 防災ヘリとドクターヘリとの連携につきましては、県下17消防本部が傷病者の状態や発生場所、天候等の情報から総合的に判断し、ドクターヘリまたは防災ヘリに出動要請を行っているところでございます。
 具体的には、ホイスト等による救助が必要な場合や、ドクターヘリが別事案に対応中の場合、県外の高度医療機関に搬送する場合──これは航続距離が問題でございます──ドクターヘリが天候等により飛行できない場合等に、防災ヘリによる救急搬送活動を行っております。
 また、傷病者の救命効果の向上を図るため、平成19年度から、国立病院機構南和歌山医療センターとの協定によりまして、医師や看護師が防災ヘリに搭乗し、救助現場到着後、直ちに傷病者の治療、処置を行える医師等同乗救助活動も実施しております。一部の医師に関しましては、そのまま着陸をしないで医師が地上におりるというようなことも訓練をしていただいております。
 さらに、南海トラフ地震等の大規模災害発生時における防災体制の充実のため、夜間にも安全に離発着可能なヘリポートの確保に向けて夜間照明設備の設置を促進していくこととしておりまして、このことはドクターヘリや防災ヘリの運航時間の延長にもなることから、県の救急医療体制の充実につながるものと考えております。
○副議長(岸本 健君) 鈴木太雄君。
  〔鈴木太雄君、登壇〕
○鈴木太雄君 御答弁をいただきました。
 今議会において、防災ヘリの取得についてが議案に盛り込まれております。防災ヘリの役割は、災害発生時における情報収集を初め、事故等における人命救助や山林火災時等における消火活動など、県民のとうとい生命や財産を空から守るものであり、今後、さらに防災活動の充実が図られることを期待するところであります。
 また、それに加え、るる申し上げたとおり、県民が今まさに求めている救急医療体制の充実に向けて、これまで以上に積極的な取り組みが行われることを期待し、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(岸本 健君) 以上で、鈴木太雄君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 31番片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕(拍手)
○片桐章浩君 こんにちは。議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問を行います。
 まず、第1問です。台風第21号被害への対応についてお願いしたいと思います。
 和歌山県を襲った台風第21号による被害が多数発生しております。中でも和歌山県雑賀崎工業団地は、高波の影響で工業団地内に海水の浸水があり、建物被害、工作機器の被害による補修、点検、この必要性があること、再稼働までに時間を要する会社、完成した製品が海水につかったため納品ができなくなってしまっている会社、原材料がつかって使用できなくなってしまっている会社など、多大な被害が発生しております。現場では、現場に行かないとわからないような被害、現実があり、1人の経営者からは「20年間ここで操業していますが、こんな被害は初めてです」という声もいただきました。
 ここで、ある経営者の方から、高波が当日押し寄せた様子を動画で捉えていたので見せてもらったところ、会社の玄関から波が押し寄せ、会社内に浸入し、あっという間にそこにあるもの──机やパソコンなどなんですが──を流してしまった様子が残されていました。波の速さ、浸入の様子は、まるで東日本大震災の津波のときと同じような感じがしました。ここで津波のような高波が発生していたのかと、信じられない思いがありました。
 続いて、護岸まで歩いたところ、護岸の一部が破損していて、その部分から高波が敷地内に流入したような形跡がありました。
 続けて、別の会社を訪問したところ、ここも工場内に海水が浸入し、床面は土が残り、工作機器は海水につかった跡がありました。機械類は、海水につかると乾かしてもそのまま動かすことはできませんから、点検、必要に応じて補修、買いかえ、それを行ってから作動させる必要があり、相当の時間を要するため、製造に着手できない状況も続いております。当然、休業している間は売り上げが見込めなくなり、また受注している製品の納期が守れなくなることから、災害後の対応にも苦慮する、そういう状況が見受けられました。
 また、今回のような高波による海水浸入による被害の場合、火災保険の適用が、条件にもよるんですが、なされないケースが多いそうです。売り上げの低下、修繕経費、機器の入れかえなどの経費など、本年度の決算に影響することから、国や県から災害から復旧するための支援の必要があるかなと思います。
 和歌山県が造成し、企業誘致を行っている雑賀崎工業団地ですから、安心してこれからも稼働できる環境整備はなすべきことだと思います。台風による高波対策を実施しておかなければ、今後の新規立地というのは厳しくなりますし、何よりも、和歌山県としてここに進出してくれているこれらの会社を大事にしたいと思います。
 「工場内を見てください。大変な状況になっています。土曜日と日曜日で──これは被災直後の土曜と日曜という意味ですが──工場内の機器の安全確認ができた製造ラインから動かしています。でも、モーターが浸水して動かせない機器もあり、対応が必要な状況です。この場所は、和歌山県工業団地で、県のお誘いがあり、ここに進出しました。今回、護岸の一部が破損したため高波が浸入していますが、東日本大震災以降、このような高波は予想すべきだったと思います。被害への対応と今後の安全対策を聞かしてほしいと思います」という経営者からの御意見もありました。
 企業立地を図るには、自然災害に備え、万全な安全確保をしておくことが前提です。護岸の一部破損は、果たして想定外だったのか。近年の海面上昇を予想して、かさ上げなどの対策を実施しておくべきだったのかなど、そして、もとの高さでの護岸の一部破損を復旧するのではなく、かさ上げをすることや護岸の一部破損した壁を強化、あるいは越波排水路が機能する構造も検討すべき課題だと思っております。
 そして、今回は25年ぶりに上陸した大型台風だと言われておりますが、地球規模の温暖化が原因だとすれば、毎年同規模の台風が到来することは予想できると思います。今回の被害から復旧しても、また来年も同規模の台風が到来した場合、同じような被害を受けないためにも、最低限、台風第21号の規模を想定した対策を今後実施すべきことだと考えたいと思います。
 次回、今回と同じ規模の台風に襲われたとき、今回と同じような被害をこうむることを絶対回避し、安心して働ける環境と、この場所で工場を稼働できるような対策は講じておくべきことだと思います。
 護岸を見たところ、一部破損に関しては、高さが違う堤防が前面にあったこと、消波ブロックが設置されていなかった箇所があったこと、高波が堤防を越えて護岸の一部を破壊して浸入したことから越波排水路の機能が果たせなかった、こんな問題が考えられると思います。この現実を想定外で避けるのではなく、東日本大震災の津波被害から考えておくべき堤防、護岸の安全対策は講じておくべきだと思いますし、この工業団地に進出している企業とともに防災対策を協議すべき、あるいはしておくべきだったと痛感しております。
 巨大災害は、いつ到来するかわかりません。十分過ぎるほどの備えは必要です。そして、東日本大震災以降は想定外の出来事はなく、津波、地震、台風や豪雨など、これまで発生した全てのことが想定内になるように、対策を立てておく必要があります。
 そこで、台風第21号による雑賀崎工業団地の護岸の一部が破損し、ここに立地している会社に大きな被害が発生しておりますが、護岸の一部破損の原因についてどう分析しているのでしょうか。知事の答弁をお願いしたいと思います。
 続けて、火災保険に加入していた場合でも、台風被害による高波の場合は補償は適用されないケースがありますが、今回の海水浸水による被害は甚大なものであります。今回、この台風の影響により雑賀崎工業団地で被災した企業に対する緊急的な支援をどう考えていますか。県が誘致して立地してもらった企業であることから、緊急の対策が必要だと思います。今回の対応が今後の新規立地にも影響するかと思いますので、知事の答弁をお願いしたいと思います。
 続けて、今回被災した各企業は早期復旧に努めていますが、短期的復旧とともに中期的課題も現場では見えました。
 改めてここで言うまでもありませんが、県工業団地に立地している企業の多くは、メーカーの仕事を受けている企業だということです。メーカーから受注した部材などの供給が難しくなったことから、早期の部材の調達を目指し、メーカーへの納期の変更も依頼しております。メーカーは、雑賀崎工業団地が台風第21号被害を受けていることを知っているため、納期変更に応じるか、または緊急避難的にほかの部品会社に供給元を変更している、こういう措置をとってくれております。実際、メーカーの方が現場に入って復旧のスケジュールを一緒に構築している、こういう姿も見ることができました。
 今回の事象をメーカーは理解してくれているので、工場が再稼働すればメーカーからの受注は受けられるようなのですが、将来の課題もここで見えております。それは、今後、今回と同規模の台風が到来した場合、被害に遭わないための対策をとれるかどうか、この問いかけであります。つまり、台風第21号と同規模の台風に今後見舞われた場合、これらの工場が被災することなく、あるいは被災しても最小限にとどめ、台風が通過した後も継続して工場が稼働することが求められることになります。自然災害への対応として、事業活動継続計画、いわゆるBCP計画を策定しておくことが求められることになります。
 これらの企業の工場が復旧し、再稼働した暁には、メーカーは自然災害で工場が稼働できない事態にならないことへの説明を求められることになります。各企業でできることはそれぞれ実施することになりますが、例えば、護岸の改修、かさ上げなどの高潮・高波対策を計画しているかどうか、メーカーとして継続して取引するための条件に課せられると考えられます。ですから、これらの企業は、メーカーに対して、自社で対策を実施していることに加え、和歌山県が堤防のかさ上げ、高波対策などを実施し、企業が安心してこの場所で事業継続できるかどうかを答えることになります。
 そもそも、和歌山県自身の事業活動継続計画の解釈は、2通りあると思います。
 一つは、県行政庁として県民の生命と財産を守る司令塔としての機能の継続のため、もう一つは、県が指定した場所、今回は雑賀崎工業団地ですが、信義則にのっとり県が責任を負うものと解釈し、その土地の被災が最小限になるよう少しでも減災に導ける事前対策を実施しているか、企業が安心してこの地で企業活動が継続できる環境を整えることが責任の範疇に入るとの解釈です。この大きな大きな責任を含むものが県の事業活動継続計画ですから、県の責任は大きいと思います。全ての防災対策を想定内にすることを目指すべきとうたい、実施すべきだと思います。
 厳しい内容になりますが、県民の生命と財産を守るという政治、行政の根底をただし、目先だけの防災対策から真剣な実施対策に県庁内の意識を覚醒させることにつながると思います。
 県民の生命と財産を守るという意味は、元来、事前対策を指すのですが、ややもすると事後対策的になってしまうところもある。守るという語源は、事前対策をしておかなければ守れないことを忘れてはならないと思います。
 各企業が復旧を終え、再稼働を果たした後の面談のとき、恐らくメーカーですから本社に行くことになろうと思いますが、メーカーからは、和歌山県が実施している防災対策の健全性を評価されることになると思います。今後、台風第21号と同規模の台風が到来した場合、立地している企業の安全確保を図れていることが取引継続のための条件に課せられようと思いますし、和歌山県が被災した企業をどのように守ろうとしているのか、事業活動継続のための取り組みをメーカーは今回注目しています。
 メーカーの方からしますと、こんな話です。「台風のたびにここに任せといて大丈夫かと思うような場所に立地している企業との取引は考え直す」ということになりますし、地元企業からすれば、「ここで事業を継続していくのがよいかどうかと感じることがある」、こういう意見になります。意見を聞かしていただきました。
 「とにかく、大型台風発生時でも安心して事業が継続できる会社環境を整えることを求めており、この場所で工場を再稼働することに不安を持っているのなら、今後、雑賀崎で事業を継続するために必要な設備投資など見合わせる」、そういう声も聞かしていただきました。
 ですから、被災された企業がこの地で事業継続するためには、この工業団地内の安全性の確保が前提となります。中でも、繰り返しますが、メーカーに対して、今後この場所で事業継続ができることを説明することが求められますから、企業単独でできる事業活動継続計画は当然説明することができますが、雑賀崎工業団地の護岸の一部破損への対応のためのかさ上げや消波対策の強化など、安全確保のための対策に関しては、和歌山県が被災した企業に対して示すべき問題だと思います。つまり、原状回復ではメーカーへの安全確保の説明は果たせないため、護岸のかさ上げ、消波ブロックの強化など、将来もこの場所で事業継続ができるための対策が必要と思われます。
 そこで、3点目でありますが、雑賀崎工業団地の護岸の一部破損への対応、事業継続のための支援などの課題がありますが、立地しているこれらの企業が今後とも事業継続できるよう、その用地が被災した場合、少しでも減災に導ける事前対策を実施しているかが、メーカーの要求に対する和歌山県の責任の範疇に入ると思います。企業が事業継続するため、県が実施すべき安全確保のための条件整備について、知事の答弁をお願いしたいと思います。
○副議長(岸本 健君) ただいまの片桐章浩君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 被災した施設は、まず護岸を築きまして、その護岸の外側に消波ブロックで波を砕き、それで、そのしぶきがたまには入ってくるというふうに考えるもんですから、護岸の背後に越波排水路にためるような装置をつくって海に排水する、もう一回戻すというような構造になっております。
 施設の被災原因は、現在、詳細に調査を進めているところでありますけれども、今回、和歌山市で観測史上最大となる猛烈な風が吹いた、台風が来たということで、非常に大きな波が消波ブロックを越えて、本来、波が直接当たらない越波排水路の内側の壁を波が直撃したことが、民間企業の施設損壊の原因と推測いたします。
 この護岸の高さは、あるいはその構造は、一定の想定のもとに、こういう台風とか高潮とかそういうのが来るだろうから、それを防がないかんということでやっとったわけでございますけれども、今回は、時間的にまず潮位が高かった、それから、台風がむちゃくちゃきつかったんで、低気圧で潮位が上がった、それから風が吹いたというような、いろんな条件がいっぱい加わってしまいました。
 潮位が上がるということについては、実はテレビなんかで見ておりますと、神戸港とかそういうところで、高潮でザバザバザバザバっと水が入っていくというようなところも映っておりましたが、和歌山港に関してはそこまではいかなくて、実は水面だけの問題を言えば今の構造でも防げたわけです。ところが、風がむちゃくちゃ強かったんで、さらに高くなっている潮位の上から風で吹かれた波がどーんと来て、それで壊してしまったというのが原因だと思います。
 先ほど、この辺は消波ブロックがなくて、あの辺はと、こうありました。これも、私が事後に聞いた話でございますが、想定内ではあるけれども、想定に基づいて結構、無駄な工事をしないで、ある意味ではきちきちの工事をしているんだなあというふうにそのときは思いました。ところが、ずっと行きますと、そこももちろん越えてるんですが、高いところ、護岸が高くなって消波ブロックをいっぱい積んでいるところもやっぱり越えております。つまり、ある意味では想定の、この辺は島影があるから少なくてもいいというところのは当たってたのかもしれないんですが、全体としての被害が大き過ぎたという、被害というか、強さが大き過ぎたというふうに思っております。
 この結果、特に堤防の1列目にある事業所に一番被害を与えてしまいまして、これは大変残念なことであるというふうに思っております。
 その次に、今度は、その被害を受けた企業への支援でございます。
 これはもう最大限しないといけないということでございまして、ここだけではなくて、和歌山県下全体で大変な被害が出ております。20号では特に豪雨による宿泊施設の浸水被害なんかが大きかったんですが、今度は工場などへの越波などなど大変な被害でございまして、商工関係の被害だけで、現時点で把握してるだけでも633件、約33億円の被害というふうに我々は把握をしております。
 こうした状況に鑑み、被災された事業者の方が早期に事業を再開できるように、県内企業の流出防止のための支援制度、これをつくっておりますから、平成23年の紀伊半島大水害の際に創設した被災企業の復旧に要する経費を支援する補助制度というものを今回の災害にも適用して、その補正予算を今議会に上程してるところでございます。
 具体的には、事業者の工場、店舗、事務所等の修復、建てかえ及び事業再開に供する設備の修繕・購入、そういうものに要する経費の10%を2000万円を上限に補助してまいりたいと考えております。このイメージは、立地奨励金とほとんど一緒でございます。
 なお、この補助金は、事業者の一日も早い事業の再開を図るため、申請する前に着手したものについても補助対象としますよということで、先どんどんやってくださいという話をしてるところでございます。
 また、被災した事業者の資金繰りを支援するため、昨年10月に県の融資制度、経営支援資金・一般の対象に、暴風、洪水、地震その他異常な現象により生ずる災害により被災した事業者というものを追加しておりますので、今回、これも活用できると思います。
 当制度は、融資条件が利率1.4%以内、融資限度額8000万円以内となっておりまして、今回の台風により被災した事業者においても直ちに本制度を活用いただけるほか、県内金融機関においても相談窓口を設置するなど、事業者の実情に応じて柔軟に対応いただいているところでございます。
 加えて、融資条件が利率1.2%以内、信用保証協会が通常の融資限度額とは別枠でさらに8000万円以内の保証を行うという、より有利なセーフティーネット保証4号を活用できるように、これは国との関係もございますので、今要望をしているところでございます。
 県としては、事業者の事業再建に向け今後とも取り組んでまいりますので、事業者の方におかれましては、いち早く頑張ってくださって事業を再開するようにお願いをしたいとともに、こういう制度は、私も被災地へ行って勧めてまいりましたが、どうぞ御活用くださいというような話をしております。また、担当を決めまして、しょっちゅう考え方が変わると思いますんで、そのときにも御相談できるように、常に決まった人が御相談に伺えるようにしております。
 その次に、根本的には、やっぱり同じことが二度と発生しないということをちゃんと県が保証してさしあげないといけません。それは、とりもなおさず被災した防波堤の装置、あれを復旧しないといけないわけですが、これは前の想定どおりつくっては、また同じようになるかもしれませんので、したがって、被災時の波浪の解析などを行い、その結果に基づき、今度はあれが来てもこうやってはね返すということをするような護岸のかさ上げや越波排水路壁のかさ上げ、それと、あれは補強が入ってませんでしたんで補強、それから消波ブロックの増設、そういうことをしなければいけないというふうに思っております。
 これは、災害復旧のジャンルで、定義で言いますと改良復旧ということになるかと思います。これについては、自動的に査定が受けられるというわけではないんですが、この間、こういうことでございますのでといって国交省へ行って事前説明をしてまいりましたが、その概念としての改良復旧は受け入れてくれそうな感じでありました。一刻も早くこちらで査定案を持っていって、それで査定を受けて、一日も早く工事をするということだろうというふうに思います。
 こんなことで、今回のようなことが発生した場合でも、その護岸とか越波排水路がちゃんと機能するように考えて、それをお示しし、かつ実現して、そういうことで企業の方々が発注元にもう大丈夫ですからと言えるように早くしたいと、そんなふうに思っております。
○副議長(岸本 健君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 丁寧にお答えいただきまして、事後対策ですね。例えば、あるメーカーの方が、今回のことについて県へ説明を聞かしてほしいというところもございますんで、その際はぜひ丁寧な御説明をお願いしたいと思います。
 それと、議長、今の点に関して、追加の議案の136号のところで、一部答弁に対して確認さしていただけたらありがたいと思います。
 今メモをとったんで、ちょっと正しいかどうかわかりませんが、今回、企業等で被害を受けたのが633件、被害総額33億円という規模というふうにお伺いしましたが、今回の補正で上がっているこの企業向けの事業再開支援は、2億8000万ということになってます。もし上限が10%というふうなことにしますと、この予算規模では全ての被害補償にはつながらないような気がしたんですけども、今ちょっとお聞きしたんで、詳細がわからないんで、お答えいただけたらと思います。
○副議長(岸本 健君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) これは、被害総額については、大きいものからちっちゃいものまで全部集めて、まあこんなもんかなといって、まだわかってないところは別にいたしまして、そういう計算をしております。
 今のこの10%の補助金、これは、うんとちっちゃいところについては、ちょっと手続的にも対象としてもあんまりふさわしくないんで、ある程度大きいものに、議員が見に行かれたような施設は当然全部入りますけど、そういうようなものに限っております。したがって、一例を挙げるとそういうことなんですが、それぞれの事業その他に応じて、目いっぱい出たと考えて、このぐらいあったら大丈夫やろなあといって積み上げをして、今のような金額になってると、こんな感じでございます。
○副議長(岸本 健君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 それでは、第2問、和歌山市での集中豪雨対策について入らしていただきたいと思います。
 その項目の中の一つ目であります、集中豪雨時の和歌山市の排水対策について質問をさせていただきます。
 近年では、平成29年秋の台風のときの浸水被害、台風20号、あるいはことしの7月のときの浸水被害など、排水処理の悪さが改善されていないという指摘を各方面からいただいております。今後も巨大な台風、豪雨が到来することへの不安が高まり、和歌山市は、まだ排水対策ができていないので、また浸水するのではないかという声を多々聞かさしてもらっているところであります。
 台風20号で被害を受けたある小売店舗の経営者は、「大雨のたび、店内やお店の外に同じような浸水があります。全く改善されていないのは、行政がそのことに気づいていないのか、それとも知っているけれどやらないのか、わかりません。大雨に対する問題意識が欠如しているのではないかとさえ思ってしまいます」という厳しい意見がございました。
 また、お店の外の道路の排水がしっかりとできていないことから、川の中に店があるような、こんな状況になっているところもありまして、ここの経営者に尋ねてみますと、「排水管の管口が小さいので、大雨の場合、その雨量処理に対応できない。毎回こんな状況になっているこの地域の排水対策の必要性は、行政はわかってくれていると思うんですが」と、こういう話もありました。
 管口が小さいことで雨量に対応できない地域があることは行政は十分把握していると思いますが、どの地域も同じ排水能力だとすれば、比較的雨量の多い地域は毎回浸水する、こういう状況になると思います。
 過去からの経験によって、雨量の多い地域、浸水地域はおおむね把握できていると思いますから、その雨量に応じた排水対策を、個別と言ってはなんですが、講じることによることこそ行政が責任を果たすと、こういうことになるのかなというふうに思います。
 例えば、飲食店の場合、「店内に浸水があると、すぐに営業はできない。なぜならと言いますと、商品そのものの入れかえであるとか、浸水した後の店内は衛生管理の必要性があり、清掃や消毒、それに数十万円も要するんだ」と、こういうふうな話も聞かしていただきました。
 ですから、「大雨や集中豪雨への浸水対策は即座に実施すべき対策だと思いますし、浸水対策をしなければ、行政は責任を果たしているとは言えません」、こんな声もいただきましたし、「和歌山市内の治水対策は、相当おくれているのではないでしょうか。大雨の都度、毎回これだけ浸水しているのはおかしいと思うので、何とか状況に対応してほしい」、こういう声を聞かしていただきました。
 想定できる大雨に備えた治水対策を施して災害に強く安全な都市を目指す、それが和歌山県が目指すべき都市のあり方だと思います。
 そこで、和歌山市内の下水道、雨水の計画について、御質問をさせていただきます。
 集中豪雨が多発し、ゲリラ豪雨はもはや異常ではなく恒常化しています。和歌山市の下水管が処理できる1時間当たり、どの程度の計画雨量になっていますか。これまでの地域ごとの集中豪雨による冠水などの状況から地域別に排水処理機能を検討し、これまでの浸水地域の地域が耐えられる計画雨量の見直しに対応すべきだと考えますが、県土整備部長にお答えを願いたいと思います。
 続きまして、平成30年7月6日、和歌山市内では大雨警報が発令され、大雨の影響で家屋内の浸水被害など多数発生しております。和歌山市南部を流れる和田川の水位も上昇し、この周辺には避難準備情報が発令され、公共交通も混乱、JR、南海電鉄も運行を中止するなど、移動や仕事に影響を与えました。
 和歌山市は市の東西がJRの線路によって分断されていることから、東部から西部、西部から東部に行くときは、高架道路か地下道を利用することになります。大雨のときは地下道が浸水することがありますから、東西の交通網が分断されてしまうことが、ここの都市としての弱点だと思います。このときも、田中口の地下道が浸水したため、通行することができませんでした。
 和歌山市中心部が線路によって東西に分断されていることは、大雨が降るたびに大きな課題であることを認識させられます。抜本的な対策としては鉄道を高架にすることが考えられますが、莫大な費用を要すること、工期を考えると、簡単なこととは言えないと思います。
 大雨が降れば、都市機能が混乱しますし、和歌山市中心部以外の箇所が浸水するなど、大雨への対応に関しては同じ課題が長い間続いていると思います。
 このときは、昭和51年の観測開始以来、最大の雨量を記録したように、予想を超える大雨は、私たちを不安な状態にさせ、都市機能を低下させてしまいます。生活に影響を与え、経済活動がとまりますし、南海トラフの巨大地震と津波への備えは大丈夫だろうかと思われ、多くの方が不安に思ってしまう事態になります。
 県民サービスとは、知事を筆頭に職員の皆さんが広報役を担い、情報を収集して事実を知り、わかりやすいように県民の皆さんに伝達することが原点だと思います。情報発信が県民サービスの基礎だと思います。現場で収集された情報を県民の方々の命を守る対策に結びつけていただき、実現化されますことを切に期待しております。実現化こそ、実現化イコール情報の正しい活用だと思います。
 例えば、田中口の地下道の場合、給水ポンプの電源が動かなくなった場合、陸路の援助ルートが途絶えるという現実があります。この現状の責任は、誰がとるべきなのでしょうか。
 ところで、河田惠昭先生が発刊された「AERAdot.」なんですけども、「日本の地下街は世界一危険!災害研究の重鎮が大都市の『水没』を警告」と、こういう記事を載せております。一部抜粋させていただきますと、「地球温暖化とともに集中豪雨の発生頻度が高くなる環境では、地下室や地下街の浸水事故が起こる危険性はさらに高くなる。私たちはそのことに気づいて、自分で注意しなければならない。なぜなら、対策はそれほど容易ではないし、地下街は、周辺のビルの地下階ともつながっており、水が浸入する経路は複雑かつ多岐にわたっているからだ」、こういう指摘があります。
 和歌山県には地下街というものはないんですが、ビルや企業によっては地下施設、あるいは重要設備を置いておりますし、地下道もございます。地下道などは、集中豪雨に十分、今から備えておく必要があろうかと思います。
 そこで、特に都市部の浸水対策は緊急性を帯びていますから、和歌山市においては、集中豪雨による浸水被害の解消に向けた事業の早期実施が課題だと思います。和歌山県が目指している災害に強い安全・安心なまちづくりの取り組みについて、この点も県土整備部長の答弁をお願いしたいと思います。
 この項目、3項目であります。
 今回、台風第21号の被害状況などの情報把握は、ラジオが有効だったと思います。今回、和歌山市内にありますエフエム和歌山では、ダイワロイネットホテル和歌山にスタジオを開設し、当日の午後10時から翌1時30分まで、翌朝は午前7時30分から午後4時まで、全ての番組の放送を中止し、防災情報だけを放送していました。この放送は、どれだけ聞いている皆さんに安心を与えたかと思います。僕も、夜間はこのスタジオに待機して情報を得るようにしました。
 このエフエム和歌山は、防災ラジオ局としての機能を持っておりますから、非常時には、この市内のダイワロイネットホテル和歌山を基地局として放送を続けてくれております。今回は、ここから台風情報を都度都度、発信をし続けてくれましたし、スタッフの方も外出が困難な状況のもと放送を続けてくれておりましたので、責任ある役割を果たしてくれているなあと思いました。
 このとき、放送を聞いてくれていた人からは、「和歌山市にこのラジオがあって本当によかったと思います。台風に関する情報を出し続けてくれていたことを頼もしく思います」、あるいは「ラジオは必要な情報と安心感を与えてくれました。ラジオは、身近な存在であることを痛感し、非常時の必需品だと思いました」、または「高齢者は、防災ラジオを備えつけることは必須だと思います。ラジオからの情報は温かく届きますし、情報がないことからの不安はかなり緩和されました」、こういう意見もありました。
 また、台風第20号のときの意見も聞かしていただいたんですが、こんな意見がございました。「既に避難している人の数を避難所ごとに教えてくれたり」、このとき避難所は開設されてたわけなんですけども、「南海フェリーの運航状況、鉄道の状況など事細かく、避難に当たっては、スリッパの準備の必要性なども含めて丁寧に話していることがとにかくすごい。信頼性の高さを感じます」、こういう声が届いておりました。
 今回のように暴風が吹くと、防災無線の声は全く届きません。防災対策として防災無線、テレビ、インターネットとともに、電池をもとに放送を続けることのできるラジオは、有力な手段だと思います。和歌山県の防災対策として、いま一度、この有効性を考えていただきたいと思います。
 そして、8月、高知県の黒潮町を訪れたんですが、このとき──規模は小さいのでこのまま適用することはできないんですが、役場が全戸に非常時に備えてラジオを配布しておりました。非常発生時は、黒潮町役場内にFM局を臨時に開設、ラジオを通して町民に必要な情報を届ける体制があることを聞かしていただきました。
 和歌山県内には、コミュニティーFM局は5局あります。行政が基地を開局することなく、連携することで防災対策として効果を発揮すると思います。
 そこで、3点目の質問であります。
 和歌山県は、県内のコミュニティーFM5社と災害発生時の情報提供と放送の提携をしております。
 そこで、災害時におけるコミュニティーFMとの連携の状況について、また、災害時の情報提供におけるコミュニティーFMの重要性について、知事室長の答弁をお願いします。
○副議長(岸本 健君) 県土整備部長髙松 諭君。
  〔髙松 諭君、登壇〕
○県土整備部長(髙松 諭君) 和歌山市内の下水道・雨水の計画につきまして、お尋ねをいただきました。
 和歌山市が下水道として整備をしております浸水対策についてでございますけれども、その計画の雨量といたしましては、5年確率の降雨強度でございます時間雨量50ミリによりまして事業を実施中でございます。
 次に、この計画雨量の見直しについてでございます。
 和歌山市が市街化区域7415ヘクタールのうち、整備対象区域としましては、6087ヘクタールを整備対象区域として浸水対策を進めているということでございます。
 その整備状況でございますけれども、10年前、平成19年度末時点におきましては整備率38%ということでございましたけれども、その後、浸水対策区域を拡大したということでもありまして、平成29年度末時点、10年後のちょうど同じ時点でございますけれども、整備済み面積2556ヘクタール、整備率にいたしまして42%という状況でございます。
 こういったことから、まずは、現計画の完成を優先した浸水対策を推進していくということで、和歌山市から伺っております。
 2点目に、和歌山市内の浸水対策を中心といたしました災害に強い安全・安心なまちづくりにつきましてのお尋ねをいただきました。
 近年、増加傾向にございます局地的な集中豪雨、台風を鑑みますと、都市部における浸水というのは、都市の機能低下だけでなく、多くの経済損失を伴いますことから、浸水対策ということは非常に重要な課題だというふうに認識してございます。
 御指摘の和歌山市内の浸水対策につきましては、主に県が行う河川整備と、それから市が行います下水道整備がございます。
 河川整備につきましては、和田川において、これまで和歌川に合流する地点から米田排水機場付近までが概成しておりまして、その上流の石関取水堰の改築、護岸整備を進めるとともに、国直轄で行っていただいております総合農地防災事業和歌山平野地区におきまして、和田川沿川地域からの排水対策として、現在、米田排水機場のポンプの増強、あるいは農業用水路の改修などに取り組まれているところでございます。
 大門川におきましては、これまで市堀川合流点からJR橋までの護岸整備や河床掘削が完成し、JR橋から出水橋までの区間について、護岸整備や河床掘削を進めているところでございます。さらに、亀の川や土入川等におきましても、護岸整備や河床掘削等を進めているところでございます。
 また、下水道整備に関してでございますけれども、平成29年度までに、雨水ポンプ場15カ所、雨水管渠308.4キロメートルの整備を行ってきたところでございますけれども、現在の主な工事の状況といたしましては、和歌山市神前において和田川雨水簡易ポンプ場の設備工事を、和歌山市西庄において新堀第1排水区支線工事を、和歌山市園部において有功第1雨水幹線工事を実施しているということで、和歌山市から伺ってございます。
 一方、県道鳴神木広線、JRきのくに線の地下道、いわゆる田中町アンダーの排水対策につきましては、建設当時の排水ポンプ2基に加えまして、平成17年に排水ポンプ2基の追加を行いまして、計4基のポンプで対応しているところでございます。今後、冠水対策につきましては、今回、台風第21号のこういった状況も整理いたしまして、対応について検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、県といたしましては、引き続き和歌山市と連携いたしまして、災害に強い安全・安心なまちづくりを目指して、事業推進を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○副議長(岸本 健君) 知事室長宮﨑 泉君。
  〔宮﨑 泉君、登壇〕
○知事室長(宮﨑 泉君) コミュニティーFMについての御質問でございます。
 和歌山県では、平成25年11月に、災害時における放送要請に関する協定を県内の全コミュニティーFM放送局5局と締結しております。この協定は、大規模災害による市町村の機能喪失もしくはそのおそれがある場合などに、市町村を代替する形で県がコミュニティーFM放送局に対し情報提供をすることで、地域住民に発信いただくためのものでございます。
 台風第21号通過時においては、市町において滞りなく情報発信がなされたことから、県では情報提供に至っておりませんが、必要に応じ県から情報を提供してまいります。
 今回、エフエム和歌山では、通常の番組を変更し、気象情報、避難所情報、道路・交通機関の状況など、住民の皆さんに必要な情報を届けていただいたと聞いておりまして、地域に密着した非常に重要な情報ツールであるとの思いを新たにしたところでございます。
○副議長(岸本 健君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 お答えをいただきました。
 まず、和歌山市内の排水対策、進捗率が42%で、地域別に対応するというよりも、まずこれ100%を目指すということを優先さした上でということになるので、相当長期間になろうかと思いますが、課題としてぜひ認識をしていただければありがたいと思います。
 それから、室長からお答えいただきましたように、今回は滞りなく情報発信がされたから放送要請に至らなかったということですが、県は連携してくれてたということで、ありがたく思ってます。条項に縛られることなく、異常だと感じた場合は、あらゆるツールが役に立つという認識のもと、連携を今後とも図っていただければありがたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 そして、防災対策は、こういう言葉があります。「備えが全てです。自然災害で想定以上のことはできません」、こういうことも言われております。今回の台風第21号を教訓とし、防災対策のあり方として、これまで経験してきたことを踏まえて、全ての防災対策を想定内にする、このことを目指していただけたら安心・安全できる和歌山県土づくりにつながるというふうに思い、要望をさせていただきたいと思います。
 以上で、一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(岸本 健君) 以上で、片桐章浩君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時36分散会

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