平成30年9月 和歌山県議会定例会会議録 第2号
平成30年9月 和歌山県議会定例会会議録
第2号(岩井弘次議員の質疑及び一般質問)
◆ 汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、人名等、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。人名等の正しい表記については「人名等の正しい表記」をご覧ください。
質疑及び一般質問を続行いたします。
29番岩井弘次君。
〔岩井弘次君、登壇〕(拍手)
○岩井弘次君 おはようございます。
それでは、議長のお許しをいただきましたので、早速通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
まず、このたびの台風により亡くなられた方もおられます。また、多くの方が被災されました。心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。
続いて接近した台風、特に台風21号は、暴風により広い範囲に甚大な被害をもたらしました。近年経験のなかった長時間の停電、また暴風により家屋やカーポートの屋根などが吹き飛び、それらが衝突して損傷を受けるといった、特に強い風による被害が大きかったように思われます。規模の大小を挙げれば切りがありませんので多く申しませんが、この台風は余り記憶にはない恐怖というものを感じました。
事前に接近が予測されておりましたので、9月4日の早朝、私はまず我が家の対策をいたしました。というのも、以前、台風の折に、地域を回り帰宅いたしますと、我が家のカーポートの屋根が飛んでおったということがありました。その飛んだ屋根のことよりも、その飛ばされたトタンがどこかのお宅に迷惑をかけていないかと捜し回った苦い思い出があります。ですから、そのようなことがないようにと、今回は風で剥がれ飛ばないように、カーポートの屋根材を針金で補強したり、飛ばされそうなものは全て倉庫等にしまったり、自転車などはロープで縛りつけるなどをして、万全だと思うようにしてから地域を回り、台風への備え怠りなきようにと声をかけて回りました。
昼過ぎごろから雨風が強くなってきましたので帰宅し、あとは被害なきようにと祈る思いで過ぎ去るのを待つしかありませんでした。時折、屋根が風で膨らみ、柱ごと大きく揺れるカーポートを見ながら、思わず「頑張れ」と言ってしまいました。
何とか持ちこたえてくれましたが、次に停電。私の記憶では、子供時代に台風のときよく停電したように思いますが、久しぶりにろうそくや懐中電灯のもと、食事。食事といいましても、携帯ガスコンロで麺類を煮たり、湯煎で食べられる冷凍食品を温めたりして済ますことができました。
夜も更け、ラジオから流れる台風の現在位置や重立った被災状況を聞きながら就寝いたしました。
夜が明け、停電も解消されていましたので、ニュースなどで台風被害の大きかったことを知りました。
それから、台風もおさまっていましたので、気になるところを見回りに行こうと思いましたが、早朝より被害に遭われた多くの方からの電話で午前中は身動きがとれず、午後からまず地区連絡所へ行きました。コミセンや小学校にも避難されている方がいるということでしたので、それらの状況を確認するため巡回いたしました。
伺いますと、ひとり住まいの高齢者の方が何人かおられ、窓を押す風の音が怖かったので来られたとのことでした。また、別の方は、体調が思わしくなく、クーラーが使えないとぐあいが悪いのでといった方もおられました。
家屋などの損壊は、ある程度、自分で応急処置をするか修理依頼したりして先が見えましたが、停電についてはどうすることもできません。地域的な「面」での解消ができてから、後に起こった「点」での再停電、いわゆる通電したことにより時間差で、横殴りの雨や風が原因なのか、一部の電柱におけるトランスのショートや引き込み部分のふぐあいなどだと思いますが、再び停電になったところが多くありました。
主要な復旧工事が優先されることは承知しておりますが、その方たちからすれば、「お隣やお向かいには電気がついているのになぜ」という気持ちになるのもわかります。表現はよくないかもしれませんが、みんなで暗いのと、自分だけが暗いというのは、感じ方や耐え忍ぶ心にも違いがあります。そういった方からの電話が集中したのも、電力会社への電話がつながらなかった原因の一つだと思います。
和歌山市では、台風21号により被害を受けた方々に対して、生活でお困りのことなどについて相談をお聞きするための窓口を市内42カ所の地区連絡所などに設置されました。伺うと、地区連絡所でも困っていたのが、一部での停電を解消してほしいという住民からの相談でありました。関西電力も懸命な努力をしていたでしょう。怠っていたわけではないと思います。勤めておられる知り合いもおりますが、今回の台風で、その対応に、家にも帰らず尽力されているお姿を拝見しました。
長引いていたとされる停電も近畿各地で最大220万軒が10日余りでほぼ全面復旧したことに対して、評価は分かれるかもしれませんが、大規模災害時にはこういったことが必ず起こってきます。関西電力には、今回のことを教訓にしていただいて、対処できる体制づくりをと切に願うものであります。
それと、確かに民間企業のことではありますが、公共性の高い電気、ガス、交通機関などが大きな被害を受けたとき、その相談窓口が被災したりすることもあるわけですから、困っている住民のため、その相談事項をまとめ、ホットラインとして報告できる体制をとるなど、県や各市町村も協力できないものかと今回の件で強く感じました。実際、地区連絡所では、職員の方が関西電力に何度も電話をし、実質的に窓口となっていました。
停電について少し長くなりましたが、園部地区でも台風や大雨のたびに土砂崩れの危険が高まることにより、避難を余儀なくされ、数世帯が近くの小学校に避難されておられました。ここは、過去の豪雨により地すべりが確認され、管理者の和歌山市が土砂の動きや地下水の変化などの観測データや警報メールを配信できる自動観測システムで監視しながら、現在もその解消に向け鋭意努力いただいております。しかし、時間のかかることですので、たび重なる台風や豪雨時には避難勧告が出され、その都度避難されておられます。
また、ある避難所では、床がかたいので、近くのスーパーで段ボールをもらってきて敷いて、少しでも居心地がよいようにと対処されているというところもありました。
しかし、非常事態ですから、当然ぜいたくは求めませんが、今後、南海トラフ巨大地震等大規模災害が発生した場合に避難生活が長期間にわたることが想定され、避難所の環境を充実させることも重要ではないかと考えます。
例えば、避難者が少しでも快適に就寝できるよう琉球畳のような小さな畳を備えておくことや、情報収集手段の確保に複数台のテレビがあればよいのではと思いますが、避難所における資機材の充実を図るため、市町村を積極的に支援すべきと考えますが、いかがでしょうか。危機管理監、お答えください。
○議長(藤山将材君) ただいまの岩井弘次君の質問に対する答弁を求めます。
危機管理監藤川 崇君。
〔藤川 崇君、登壇〕
○危機管理監(藤川 崇君) 大規模災害時には、議員御指摘のとおり、多くの避難者が発生し、避難所生活が長期化することも想定されることから、避難所の生活環境の充実を図っておくことは大変重要であると認識しております。
そのため、県では避難所の運営が円滑に行われるよう、平成25年に市町村避難所運営マニュアル作成モデルを策定するとともに、その後、発生した災害の教訓等を踏まえた改正を行うなど、内容を充実させてきたところでございます。
このマニュアル作成モデルには、避難所においてテレビやラジオ等の情報収集手段を確保することや、運営に必要な物資、資機材を備えておくことなどを盛り込んでおり、適切な避難所運営を行えるよう、引き続き市町村に対し助言してまいります。
また、避難所に必要な畳やエアマット、簡易ベッド等の資機材の整備につきましては、従前より市町村に対し、わかやま防災力パワーアップ補助金により支援を行い、その充実に取り組んでおります。
今後とも、良好な生活環境が確保された避難所となるよう、市町村を積極的に支援してまいります。
○議長(藤山将材君) 岩井弘次君。
〔岩井弘次君、登壇〕
○岩井弘次君 ありがとうございました。わかやま防災力パワーアップ補助金にて支援され、その充実に取り組まれておられるとのこと、しっかり後押しをしていただきたいと思います。
避難されている方にとって、休むことと情報を得ることは最低限求められるのではないかと思います。しかし、現実には、テレビもなく、かたいフロアにブルーシートと毛布を敷いてという状態もあります。それが長期になってきますと、肉体的にも精神的にもこたえてまいります。どうか今後も市町村の避難所の状況を把握しながら、環境の充実にお取り組みいただきますようお願いいたします。
それでは、次に、ため池についてお伺いいたします。
平成28年6月議会でもお伺いしましたが、和歌山市内には約500カ所のため池が農業用水確保のために活用されております。
これまでも、県では、ため池決壊に対する安全度向上のため、ため池改修加速化計画を策定され、必要であれば全面・部分改修などに取り組んでこられたと聞いております。
降雨時には調整池としての役割もあわせ持つものと思いますが、やはり台風や豪雨などにより、短時間で急激に増水し、決壊することが憂慮されます。本年7月の豪雨災害を受けて、農林水産省よりため池の緊急点検が行われたとお聞きしましたが、その結果について農林水産部長にお伺いいたします。
○議長(藤山将材君) 農林水産部長原 康雄君。
〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) 平成30年7月豪雨を受け、農林水産省より、全国ため池について8月末を目途に緊急点検を実施するよう要請があり、和歌山県においても実施しました。
緊急点検においては、市町村と協議し、下流の家屋や公共施設等に被害を与える可能性のあるため池2531カ所について、堤体、洪水吐き・取水施設、ため池内や堤体周辺の斜面などの点検を実施しました。
点検の結果、緊急対策を必要とするような損傷を受けたため池はありませんでしたが、9カ所について流木の堆積などが見受けられたため、速やかに撤去等の措置を行い、完了しております。
今回の点検結果を踏まえ、適正な維持管理が行われるよう、市町村やため池管理者の意識向上を図るとともに、必要な改修を進めてまいります。
○議長(藤山将材君) 岩井弘次君。
〔岩井弘次君、登壇〕
○岩井弘次君 御答弁ありがとうございます。8月末をめどに県内で下流域の家屋や公共施設等に被害を与える可能性のある2531カ所について、堤体や取水施設などの点検を実施され、特に緊急対策を必要とするような損傷を受けたため池はなかったとのことでした。
約40日間で2531カ所、市町村やため池の管理者の方にも御協力いただきながらでしょうが、車で横づけできるようなため池はなかったと思います。大変な作業であったと思います。まことに申しわけありませんが、今回の連続した台風によりまして変化があったかもしれません。今後とも、引き続き安全確認をよろしくお願いいたします。
それでは、次の質問に入らさせていただきます。
今回の台風により、和歌山市の県工業団地も大きな被害を受けました。特に浸水被害を受けた雑賀崎工業団地について伺います。
台風21号が近畿地方を通過した4日、和歌山市では午後1時19分に、1940年以来、観測史上1位の最大瞬間風速57.4メートルという猛烈な風が観測されるなど、県内7カ所で史上最大の風が吹きました。
暴風圏に入った時間が満潮時と重なったこともあり、和歌山市では午後1時過ぎ、通常より潮位が1.46メートル高くなり、あわせて暴風による高波や高潮で堤防の一部が決壊し、建物が浸水するなどの被害が出ました。
そこでお伺いしますが、雑賀崎の工業団地における被害状況と、今後どのような対策をとられるのか、県土整備部長にお伺いいたします。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長髙松 諭君。
〔髙松 諭君、登壇〕
○県土整備部長(髙松 諭君) 雑賀崎工業団地の被害の状況と今後の対策についてお尋ねをいただきました。
雑賀崎工業団地の被害状況でございますが、高波により護岸の一部である越波排水路壁や緑地の園路、修景施設等の損壊と、損壊した護岸からの海水の流入によりまして、17の事業所で浸水被害を確認しております。
被災した護岸は、消波ブロックで波を砕き、そのしぶきを背後にある越波排水路にため、海に排水する構造となっておりました。
護岸の被災原因でございますけれども、今回、和歌山市で最大風速39.7メートル、最大瞬間風速につきましては、岩井議員からもございましたように57.4メートルという観測史上最大となる猛烈な風が吹いたことによりまして、非常に大きな波が消波ブロックを越え、本来波が当たらない越波排水路の壁を直撃し、壁が損壊したものと推測しております。その結果、この部分から越波による海水が背後地に流入し、浸水被害が発生したのではないかというふうに考えておるところでございます。
今後の対策でございますけれども、現在、被災時の波浪の解析を行っておりまして、結果がまとまり次第、護岸のかさ上げや補強など、同様の波浪が発生した場合でも耐え得る構造で早期に復旧したいと考えているところでございます。
○議長(藤山将材君) 岩井弘次君。
〔岩井弘次君、登壇〕
○岩井弘次君 御答弁ありがとうございました。被害を受けた経営者のお声を伺いますと、「県内の津波等への対策が優先されるのは、よく理解できます。しかし、命を落としてからではね」と。また、やはり安心できる環境にしてほしいと望んでおられました。
物的な損害で済んだからともおっしゃっておりましたが、今回のような台風や洪水といったことが原因での車両損害は車両保険をつけていれば担保されますが、事業用車両などの多くは車両保険までつけていることは自家用車に比べて少ないことが多く、事業損失は大であります。自己防衛すべきことではありますが、今回のことを教訓として、でき得る限りの対策を講じていただきますよう、強く要望させていただきます。
それと、議長、今回、本日、追加議案もありましたので、台風20、21号被害に関連して1問よろしいでしょうか。
○議長(藤山将材君) はい。
○岩井弘次君 それでは、先ほど知事より上程されました補正予算の追加提案分につきまして、営農や事業者の支援策がございます。迅速な対応、異を唱えるものではありません。支援をするかしないか等々、こういう災害のたびに急な補正予算等で上げられることもあろうかと思います。決して反対はするものではないんですけども、この際、その基準を設けてはいかがかと思いますが、当局の見解をお伺いいたします。よろしくお願いします。
○議長(藤山将材君) 知事仁坂吉伸君。
〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 今回の補正予算に関しましては、各部といいますか、各分野それぞれ考え方がございます。
まず、例えば公共施設、こういうものについては、そのまま直せば何とかなるというものについては、そのまま早急に早く直すと。それから、今お話のありましたような雑賀崎の堤防などは現に壊れたわけでございますので、これはそのまま直してはまた起こりますから、もっと強固な設計思想でもって、改良復旧といいますが、そういうものをやらないといけないので、それをやらせていただくと。
それぞれについて、実は災害復旧の補助金を国庫からいただけるものと、それから実は基準上いただけないものがあります。いただけるものについては災害復旧費として計上さしていただき、それで、それ以外のものは土木費として計上さしていただいてるというような考え方でございます。
今回のケースについていえば、特に農水産物、これが大変な被害を受けております。通常の台風でいいますと、例えば農林水産業被害の大部分は林道の決壊とかそういうところなんでございますけれども、今回につきましては、果物の落果とかそういう農水産物そのものの被害、及びパイプハウスの損壊とか、そういう農業の方々が手近で利用しておられるような施設ですね、そういうものについても大変な被害を受けてまして、これについては、例えば無利子融資の制度を発動さしていただこうとか、あるいはパイプハウスなどは果樹園芸に対する助成があるんでございますけれども、それを目いっぱい使っておりますので、これがとても足りませんから、これを今回の災害の復旧のときに目いっぱい使えるように予算の手当てをお願いするというような形でございまして、それぞれ考え方としては目いっぱいということでございますが、それぞれの予算費目ごとに基準がありますので、その基準に従って、考え方としては目いっぱいという、金額も目いっぱいということで出させていただいているというふうに御理解いただきたいと考えております。
○議長(藤山将材君) 岩井弘次君。
〔岩井弘次君、登壇〕
○岩井弘次君 ありがとうございました。いずれにしましても本当に迅速な対応、すごいなと思いました。ありがとうございます。
それでは、質問の最後になりますけれども、住宅の耐震工事に係る補助金について伺います。
首都直下地震や南海トラフ巨大地震を初め、日本全国で大地震発生が予測されていますが、その被害を最小限に食いとめるための方法の一つとして住宅や建築物の耐震化が重要です。
阪神・淡路大震災では、亡くなった方の約9割が建築物の倒壊や家具の転倒によるもので、そのうち現在の耐震基準を満たさない昭和56年以前の建築物に被害が集中していたことが明らかになっています。
こうした背景から耐震改修促進法が制定され、平成25年に改正されています。これに基づき、国の基本方針において、住宅の耐震化率及び多数の者が利用する建築物の耐震化率について、平成32年までに少なくとも95%にすることを目標とするとともに、平成37年までに耐震性が不十分な住宅をおおむね解消することを目標とし、現在の耐震基準による建てかえや耐震改修を促進しています。
本県でも、住宅の耐震化を支援し、安全・安心な住宅で被害を最小に抑え、命を守るため、県内の市町村では平成12年5月以前、市町村によっては昭和56年5月以前に建築された住宅の耐震化のために助成を行っています。現在、耐震診断はほぼ無料で、各市町村に申し込めば受けられるようになっておりますが、いざ耐震改修が必要と診断されても、その費用負担が耐震工事に踏み切る決断の大きなハードルとなっています。
耐震工事等に対する補助は、市町村によって多少の違いはありますが、補強設計と耐震改修をあわせて実施するとして、合計で耐震改修費用の40%、最大50万、プラス定額66万6000円の116万円の補助を定額で受けることができます。一般的な改修費用の目安として、調査結果では100万から150万程度が最も多いのですが、改修費用の約半分以上が返ってくることになります。
そこで、近年、補助金部分は直接工事業者に支払われ、工事費等と補助金の差額分だけを用意すればよい代理受領制度を導入する自治体がふえてきております。地震による住宅の倒壊等を防ぎ、災害に強いまちづくりをより促進するため、住宅の耐震改修工事が促進するよう、ぜひ導入を推進していただきたいと望みますが、お考えを県土整備部長にお伺いいたします。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長。
〔髙松 諭君、登壇〕
○県土整備部長(髙松 諭君) 住宅耐震に係る補助金の代理受領制度についてお尋ねをいただきました。
住宅耐震化の促進は、災害による犠牲者ゼロを実現するための大変重要な防災・減災対策の一つであると認識しております。
本県におきましては、平成16年度に住宅耐震化を図るための補助制度を創設以来、木造住宅の補助対象を平成12年5月以前にするなど、さまざまな制度の拡充を図るとともに、市町村と連携いたしまして戸別訪問を実施するなど、住宅の耐震化を促進してきたところでございます。
さらに、今年度から、設計と耐震改修工事を一連で実施するものを対象に定額補助制度を新たに追加いたしまして、より使いやすい制度に拡充してきたところでございます。
議員御指摘の住宅耐震化に係る補助金の代理受領制度については、耐震化工事を行おうとする人は工事費等と補助金との差額分のみを用意すればよく、資金準備の負担が軽減されるというメリットがありますことから、他府県では導入している市町村がございます。
この代理受領制度を導入している県外の市町村におきましては、補助件数が増加するなど耐震化促進の効果があったという話も聞いてございます。県といたしましても一定の効果があるものと考えますので、市町村に対しまして運用手法等に係る情報提供を行い、県民がより使いやすい補助制度となりますよう働きかけてまいります。
○議長(藤山将材君) 岩井弘次君。
〔岩井弘次君、登壇〕
○岩井弘次君 前向きな御答弁ありがとうございます。ぜひ使い勝手のよい補助制度となるよう、市町村に強く働きかけていただきますようお願いいたします。
最後に、去る9月9日、熊野本宮大社旧社地大斎原で行われました世界遺産「高野・熊野夢舞台」に行かしていただきました。
何とか昼までに終わりますので、もうしばらくおつき合いお願いいたします。
今回は、シャンソン歌手のクミコさんによるステージでしたが、昨年予定しておりましたが悪天候により中止となり、いわばリベンジの公演となりました。
私も、和歌山市を出る前、現地の天気予報は雨模様でしたし、台風後のもろもろの対応で少し疲れておりましたので、正直やめようかと思いました。しかし、前に行った高野山壇上伽藍での夢舞台もすばらしかったですし、思い切って癒されようという思いで車を走らせました。行かせていただいて本当によかったと思います。クミコさんの、心を揺さぶるような歌声に感動いたしました。いつも思うことですが、アーティストは歌い出しの5秒で聞く人の心をつかみます。私が1時間しゃべったところで、なかなか難しいことでございます。本当にうらやましい限りであります。
心配していた天気もコンサート中は一滴の雨も降ることなく、会場は約400人のお客様で埋まり、大成功の舞台でした。前々日からの準備、コンサート後の後片づけは、雨の中、大変な御苦労だったと思います。御尽力いただいたスタッフ並びに関係各位の皆様に改めて感謝申し上げます。
そして、地元芸能「奥熊野太鼓」の演舞では、胴長太鼓とか呼び名があるのでしょうが、いわゆるその大太鼓が打ち鳴らされますと、それまでたたかれていた小太鼓などの音が聞こえなくなります。当たり前のことなんですけども、ただ、そのとき感じたことは、大きな声に耳を奪われ、そちらにとらわれがちになりますが、訴え続けている小さな声を聞き漏らすことのないようにしなくてはならないということを改めて感じました。
本宮に行きますと、思い出す方がおります。平成27年6月号議会だよりの中の各選挙区の議員紹介に、桜の前でほほ笑まれておられる故泉正徳先生。そこには、「地域の未来をみすえて皆様の声を届けます!!」とあります。本宮の地でそういった声を届け続けられた泉先生のことをしのびながら帰ってまいりました。
ぜひ今後もすばらしい和歌山を発信し続けていただきますようお願い申し上げ、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(藤山将材君) 以上で、岩井弘次君の質問が終了いたしました。
これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
この際、暫時休憩いたします。
午前11時50分休憩
────────────────────