平成30年6月 和歌山県議会定例会会議録 第5号


平成30年6月 和歌山県議会定例会会議録

第5号(全文)


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平成30年6月
和歌山県議会定例会会議録
第5号
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議事日程 第5号
 平成30年6月22日(金曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第98号から議案第110号まで並びに報第1号及び報第2号(質疑)
 第2 一般質問
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会議に付した事件
 第1 議案第98号から議案第110号まで並びに報第1号及び報第2号(質疑)
 第2 一般質問
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出席議員(39人)
 1番 中西峰雄
 2番 秋月史成
 3番 立谷誠一
 5番 前芝雅嗣
 6番 花田健吉
 7番 井出益弘
 8番 宇治田栄蔵
 9番 川畑哲哉
 10番 玉木久登
 11番 濱口太史
 12番 鈴木太雄
 13番 尾﨑太郎
 14番 藤山将材
 15番 尾崎要二
 16番 中村裕一
 17番 岩田弘彦
 18番 中本浩精
 20番 山本茂博
 21番 冨安民浩
 22番 吉井和視
 23番 堀 龍雄
 24番 中 拓哉
 25番 岸本 健
 26番 森 礼子
 27番 谷 洋一
 28番 新島 雄
 29番 岩井弘次
 30番 多田純一
 31番 片桐章浩
 32番 藤本眞利子
 33番 浦口高典
 34番 山下直也
 35番 山田正彦
 36番 菅原博之
 37番 谷口和樹
 38番 奥村規子
 39番 雑賀光夫
 41番 坂本 登
 42番 長坂隆司
欠席議員(1人)
 19番 服部 一
〔備考〕
 4番 欠員
 40番 欠員
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説明のため出席した者
 知事         仁坂吉伸
 副知事        下 宏
 知事室長       宮﨑 泉
 危機管理監      藤川 崇
 総務部長       浦上哲朗
 企画部長       田嶋久嗣
 環境生活部長     山田成紀
 福祉保健部長     山本等士
 商工観光労働部長   山西毅治
 農林水産部長     原 康雄
 県土整備部長     森戸義貴
 会計管理者      中西 淳
 教育長        宮下和己
 公安委員会委員    中野幸生
 警察本部長      宮沢忠孝
 人事委員会委員長   平田健正
 代表監査委員     保田栄一
 選挙管理委員会委員長 小濱孝夫
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長       田村公一
 次長         糸川 徹
 議事課長       松山 博
 議事課副課長     山田修平
 議事課議事班長    岸裏真延
 議事課主任      保田良春
 議事課主査      伊賀顕正
 議事課主事      浅田晃秀
 議事課主事      大森圭悟
 総務課長       田中健司
 政策調査課長     中平 博
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  午前10時0分開議
○議長(藤山将材君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第98号から議案第110号まで並びに知事専決処分報告報第1号及び報第2号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 42番長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕(拍手)
○長坂隆司君 皆さん、おはようございます。
 議長にお許しをいただきましたので、以下、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
 1つ目に、県職員のオランダ農業にかかわる調査・研究の成果と今後についてであります。
 一昨年2月定例会終了後、当時の和歌山大学産学連携・研究支援センター食品科学寄附研究部門特任教授三谷隆彦氏と助教の味村妃紗氏、そして改新クラブの浦口、藤本、長坂の3名、合計5名でオランダのワーヘニンゲンURとフードバレー等の取り組みを調査に行かせていただきました。その2カ月半後、オランダにおいて我々の窓口をしていただいたワーヘニンゲンUR国際協力アジア担当マネジャーのアルジョ・ロタウス博士及び駐日オランダ大使館のボクホヴェン博士をみなべ町のうめ振興館とうめ研究所へお招きして、産官学の関係者の方々と情報交換会も行いました。
 その後、仁坂知事に御英断いただいて、昨年度より若手の県職員さんを、オランダ農業にかかわる研究に約半年間と、オランダの施設園芸とICT等の先進技術及び人材育成についての調査に約3週間、お1人を出張、派遣いただきました。
 お1人は、オランダのワーヘニンゲンUR、すなわち大学及びリサーチセンターを中心に、主に農産物輸出額世界第2位のオランダの農業システム、食品産業システムから和歌山県農業における課題解決や将来の本県農業に適用していく可能性等を研究、調査されたと伺っておりますし、もう1人は、5~6年前に安倍首相や当時の林農林水産大臣も視察されたオランダの代表的なグリーンポート展開をしている南ホラント州ウェストラント市の5軒の家族経営の法人農家の施設の調査、関係する流通関係の企業、コンサルタント会社、環境制御機器サプライヤー、それに農業教育関係機関も調査され、オランダの施設園芸と和歌山県のそれとの相違点から、和歌山県の施設園芸の活用施策を勉強されてきたと伺っております。
 また、本年度も既に県職員さんのオランダへの派遣を決定いただいているとのことで、引き続いて、その成果が大いに期待されるところであります。
 そこで質問ですが、1つ目、オランダ農業と日本の農業、特に和歌山県の農業とは歴史的背景、農業の規模、官民のパートナーシップ、データ、IoT、ロボット、AIといったICT環境の活用等スマート農業の取り組み、人材育成教育システム等さまざまな相違点が見られると思いますが、だからこそ、国土の小さい、同じく資源を持たない国同士の中で、積極的に参考にしていく要素は少なからずあると思います。
 県の有能な職員さんのオランダ派遣の成果について、農林水産部長にお伺いいたします。
○議長(藤山将材君) ただいまの長坂隆司君の質問に対する答弁を求めます。
 農林水産部長原 康雄君。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) オランダに職員を派遣し、オランダ農業の強みを調査、分析したのは以下の4点でございます。
 1つ目は、積極的な設備投資による生産性向上です。オランダでは、日本ではまだ普及していない高度な統合環境制御システムに多額の設備投資をしていますが、本県農業の実態に合わせた工夫が必要と考えております。
 2つ目は、メーカー主導の技術普及であります。オランダでは、生産現場での技術普及は民間企業やコンサルが主導しております。本県においても、ITメーカーや農機メーカーが持つ情報や技術力を生産現場に生かすことが必要と考えております。
 3つ目は、企業的な農業経営です。オランダでは、コンサルを雇ったり、海外に販路を拡大したり、企業的な発想を持った経営者が多いです。本県農業の生産性向上や販路開拓による収益性の高い農業の実現には、企業的な経営感覚を持った農業者の育成が重要であると考えます。
 4つ目は、栽培品目の選択と集中です。オランダでは、トマトやパプリカなど少数の品目に絞ることで技術開発を集中させ、生産性を高めてきました。本県の農業はそれぞれの地域で多種多様な品目が生産されており、オランダのように品目を絞り込むのは難しいと考えております。
 これらの分析結果は、本県の農業に合うようにカスタマイズし、現場で生かしていく所存であります。
○議長(藤山将材君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 オランダ農業は、環境制御において、光、温度、湿度、CO2、かん水、施肥等の要素をまさに総合的に制御することによって、均質な大量生産を実現しています。ぜひ本県の農業試験場で、オランダにはない、本県ならではの農産物の味覚にも配慮しながら、ICTを活用した環境制御の研究を進めていただきたいと思います。
 2点目ですが、その成果を踏まえ、和歌山県の農業に生かすべく、今後の県職員さんの派遣ミッションの方向性やオランダ・ワーヘニンゲンURやフードバレーとの協調、連携についてどのようにお考えか、知事の御所見を聞かせていただきます。
○議長(藤山将材君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 昨年の派遣ミッションは、オランダ農業の強みを分析し、本県の農業にどう生かすのかというのが課題でございました。先ほど農林水産部長が申し上げましたように、オランダ農業の強みは4つあると分析をしておりまして、この中で、和歌山県に生かすことができる3つについては、積極的に導入していくこととしております。
 まず導入すべきは、先進的な施設園芸であります。ただ、現状では、オランダと和歌山県の経営規模に大きな差があり、経営規模が大きいオランダの環境制御システムは、ちょっとコスト高でございますんで、そのままでは活用できません。
 そこで、本年、県の農業試験場にICTを活用した統合環境制御温室7棟を整備し、システムの低コスト化に取り組むとともに、農業者や学生の技術習得の場としても活用するようにしたいと思っております。また、農林大学校においても、新たにオランダの先進的な施設園芸技術に関する講演を実施する予定であります。
 2つ目は、オランダのように民間企業が持つ技術力を生産現場に生かすために、メーカーと農業者の意見交換やマッチングによりメーカー参入の機会を積極的に創出することで、生産現場の技術革新を促進していきたいと思っております。
 3つ目は、本県農業の発展のためには、オランダのような企業的な農業経営者を育成することが非常に重要でございまして、これについては、今年度の新政策の農林水産業に関して一丁目一番地的な農業経営についてのさまざまなプロジェクト、すなわち農業経営塾の開催や専門アドバイザー派遣などを通じて取り組んでいくことにしたいと思っております。
 なお、まだ少し、もうちょっと研究したほうがいいなあというふうに思っておりますので、もう1回職員をちょっとテーマを決めて派遣したいと思っておりまして、この職員が帰ってくるころに、前の職員全ても含めて、一度、県内複数箇所において、農業者や学生、JA等の関係者を集めてセミナーを開催して、生産現場にできるだけこの考えを広げていくというようなことをやっていきたいと思っております。
 今後の派遣についてはちょっと申し上げましたが、現在、本県では果実の輸出促進が課題となっております。その際、輸送時の鮮度保持技術はキーテクノロジーであります。世界第2位の農産物輸出国であるオランダのワーヘニンゲンURには、農産物の輸送技術研究のための最新の設備が整っているとともに、すぐれた研究者も集まっており、本年度は若手研究員をここに派遣して、果実の鮮度保持技術を研究して、今後の本県の輸出促進に活用するようにしたいというふうに思ってるわけでございます。
 来年度以降の方向性については、今年度の派遣ミッションの成果を踏まえ、改めて検討していきたいと思っております。
 また、ワーヘニンゲンUR、フードバレーとの協調、連携については、これまでの職員派遣で培った人脈や関係を生かし、研究交流を進めることで、技術開発力の向上や県農業の生産性向上につなげていきたいと考えております。
○議長(藤山将材君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 県職員さんも、6カ月とか3カ月とか中期に出張されていれば、恐らく現地の方と何人か親しくなってくると思いますし、農業の技術職の県職員さんが行かれているので、日本のおいしい農業のノウハウや農産物というのも、オランダ側は興味があると思います。
 オランダはダッチアカウントの国で、大変商売上手なところがありますんで、日本の技術にも大いに注目し、知りたがっていると思いますから、ギブ・アンド・テークの中で人間関係も生まれてくると思います。ぜひ、オランダの農業の技術者や保存、輸送の専門技術者等も日本へ招聘いただけるよう、今後もオランダとのパイプづくりに注力いただきたいと思います。
 また、ワーヘニンゲンURの敷地内に、オランダの食品関連企業も立地しています。できれば、現地企業や研究機関との人脈づくりにも御尽力いただければと期待しております。
 次に行きます。サイクリング振興についてであります。
 本年、ゴールデンウイークの1日、紀の川サイクリングロードのブルーラインに沿って県境を越えてみたいと思って、朝から行けるところまで行ってみようと出かけました。途中、九度山町では真田まつりで大変にぎわっていました。橋本市に入って、国道370号線の橋本橋を渡り、国道24号線経由でブルーラインを伝って進みますと、JR隅田駅手前でぷつっとラインが切れたままで終わっていました。
 たしか、以前、奈良県と和歌山県で協議、調整する中で県境のルートをお決めになったと当局からお聞きしていたので、どこかにルートがないかとうろうろ探してみましたが見つかりません。トイレも行きたくなったので、トイレもないかと自転車をとめて駅周辺を歩いておりますと、駅舎横に橋本市が建てた「やったで!! 紀の川河口からゴール!
 おつかれさま! 60km」と彫られた碑を見つけました。
 紀の川サイクリングロードがこれで終わりかとは理解しましたが、奈良県内五條市へ行くルート、紀の川すなわち吉野川へ行くにはこのルートですといった案内は1つも見つけることはできませんでした。それまでは橋本まで何キロと1キロメートルごとに表示してくれていたのに、この終わり方は一体何なのでしょうか。
 紀の川サイクリングロードは、和歌山県内で終わっていいのでしょうか。自転車で遠出を楽しむ者、サイクリング愛好者にしたら、紀の川から奈良県側の吉野川のほうへ行ってみたいと思うのは、ごく自然なことではないでしょうか。ネットでも、ぷつっと切れてるという感想が私以外にも見つけることはできました。
 結局、私は国道24号線に戻って、五條市の上野町交差点を右折して、上野公園から吉野川のほうに至ったわけであります。京奈和自転車道や太平洋岸自転車道といった広域サイクリングロードにも着手しようと言っている割には、少々不親切だなと思ったわけであります。
 紀の川サイクリングロードを活用した広域サイクリングとしては、京奈和自転車道もいいですが、奈良県、三重県との紀伊半島3県にまたがる清流のルートもなかなか見事なものです。
 紀の川の水源、川上村まで行く途中、宮滝大橋北詰を左折して伊勢街道に入りますと、奈良県と三重県の県境にある高見山のほうから流れて吉野川に合流する、世にもきれいな高見川の清流沿いにサイクリングコースがあります。高見川沿いを走り、高見峠を越えて三重県松阪市に入ると、高見山を水源とする櫛田川があります。櫛田川沿いを東に走ると飯高駅という大きな道の駅があり、そこで休憩してから、「多気町自転車のまちづくりプロジェクト」と題したまちづくり事業を行っている多気町に入ります。
 ここには、勢和の森マウンテンバイクコースもあります。そこから伊勢神宮にお参りして夫婦岩まで行けば、和歌浦湾から伊勢湾まで川伝い中心にサイクリングが楽しめるわけであります。もちろん、紀の川河口からスタートして1日では走破は無理な行程ですが、こんな3県連携の取り組みもいかがかと提案させていただきます。
 そこで質問ですが、1つ目、せっかくルーティングに御尽力、御労苦いただいた紀の川サイクリングロードです。JR隅田駅の手前が和歌山県側の終点、ゴール地点ならば、それなりにゴールあるいはスタート地点と明示して、その先のルート案内ぐらいやってもいいのではないでしょうか。「お疲れさまでした。でも、サイクリングロードは続くよどこまでも」と、それくらいのお言葉表示があってもいいかもしれません。県土整備部長の御答弁をお願いいたします。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長森戸義貴君。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 隅田駅周辺でのサイクリングロードの案内についての御質問を頂戴いたしました。
 議員御指摘の紀の川サイクリングロードについては、和歌山市の和歌山港から橋本市の隅田駅に至る延長約60キロメートルの自転車道であり、これまで、紀の川河川敷を利用した自転車専用道路の整備とともに、利用者への案内や誘導、自動車ドライバーへの注意喚起を目的にブルーラインの設置を進めてまいってきたところでございます。
 今年度は、県下全域において、利用者がより安全で快適にサイクリングを楽しめるよう、現状では案内が不足している路面標示等の充実とあわせまして、新たな案内看板の設置を進めていく予定としてございます。
 議員から御指摘のありました隅田駅周辺の整備状況ですが、ブルーラインの設置は駅舎手前約30メートルの県道区域の端部付近までとなっており、駅前のJR西日本の敷地となっている駅舎までの区間には設置ができておらず、終点の案内がわかりにくい状況となってございます。
 今後、隅田駅周辺につきましては、土地所有者であるJR西日本との協議や、連携して整備を進めている奈良県との調整を行った上で、紀の川サイクリングロードの終点の表示や、駅から和歌山市方面及び奈良県五條市方面へのサイクリングルートの案内など、紀の川サイクリングロードの拠点として、利用者にわかりやすい案内看板の設置を進めてまいりたいと考えてございます。
○議長(藤山将材君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 お手間かもしれませんが、それもおもてなしの一環と考えていただいて、サイクリング愛好者の気持ちに寄り添ってあげていただきたいと思います。
 2点目に、せっかくつくった他府県に誇れる紀の川サイクリングロードです。平成26年度には、ツール・ド・紀伊2014が主催県奈良県、協力和歌山県、三重県ということで、大辺路エリア、熊野三山・中辺路エリア、大和エリア、宇陀・吉野エリア、伊勢路エリア、伊勢志摩エリアという6エリアでの3県連携サイクルイベントがありました。
 ぜひ、紀の川水系の紀の川、吉野川、高見川、そして、櫛田川沿いを活用した「水の国」の水をめぐるサイクリングコースもぜひコースに入れていただいて、再度、3県連携サイクルイベント、ツール・ド・紀伊パート2を開催いただいて、和歌山県の魅力を、紀の川の魅力を発信いただきたいと思いますが、いかがでしょうか、知事にお伺いします。
○議長(藤山将材君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 平成26年度に開催いたしましたツール・ド・紀伊2014については、奈良県、三重県との3県知事会議でサイクリングイベントを共同して行うことになりまして、奈良県がお金も出してくださいまして開催をしたわけです。といっても、いきなり単一のイベントプロジェクトということにはなかなかできませんので、それぞれのイベントあるいはコースを共同でプレーアップするという方式をとりました。
 9月から3月までの約7カ月の間に、各県エリアで地域の特産品または自転車グッズが抽せんで当たるモバイルスタンプラリーなどが行われまして、約500名の参加者があったわけでございます。
 和歌山県では、その後、紀の川サイクリングロードを活用し、世界遺産高野山へ登るコースなど、大規模サイクリングイベント「わかやまサイクリングフェスタ」を平成28年度から開催しております。昨年度は約1000名の参加者を集め、人気サイクリングイベントとして定着を目指しているところであります。
 議員御提案の紀の川から続く、奈良から三重の伊勢湾に至る川沿いのコースを設定するツール・ド・紀伊パート2は、大変魅力的なコースの提案であると考えます。しかしながら、奈良県及び三重県のコースを設定する必要がありますので、イベントの開催など情報発信の方法を含め、両県の意向を確認し、今後、検討をしてまいりたいと考えております。
○議長(藤山将材君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 紀の川のような大きな川沿いを走るのもいいですが、山林の中の清流沿いを走るのも何とも爽快です。7月30日の紀伊半島三県議会交流会議でもサイクリングは和歌山県の提案議題にもなっていますので、改めて提案さしていただければと、そういうふうにも思っております。
 3点目に、本年3月25日日曜日、好天のもと、わかやまサイクリングフェスタ2018が開催されました。私は、スタートが終わった後の和歌山マリーナシティを訪ねただけで残念だったんですが、約1000名の参加者で大盛況であったと伺っています。このサイクリングフェスタの総括と次回に向けた意気込みについて、企画部長にお伺いいたします。
○議長(藤山将材君) 企画部長田嶋久嗣君。
  〔田嶋久嗣君、登壇〕
○企画部長(田嶋久嗣君) わかやまサイクリングフェスタ2018は、3月25日に和歌山マリーナシティをスタート・ゴール会場として開催し、北海道から福岡県までの29都道府県とインドネシアから約1000名の方々に参加いただきました。
 フェスタの運営上、走行の安全性向上に最も注意し、警察本部との協議、警備員の配置や注意喚起の看板設置サイクルリーダーに対する参加者の危険回避についての指示の徹底など、安全対策を講じました。また、サイクリストをおもてなしするために、各市町に設けられたエイドステーションでは、地域の方々が参加者に対して地域の特色を生かした飲食物等を提供したところです。
 その結果、事故もなく、また、参加者のアンケートでは、総合的に90%の方が満足という高い評価をいただいたところです。
 県といたしましては、参加者に対して和歌山県がサイクリングに適した魅力ある地域であることを大いに発信することができたと考えています。
 当フェスタがイベントを楽しむだけでなく、何度でも和歌山県へお越しいただくきっかけとなる人気イベントとして定着するよう、今年度も開催することとし、サイクリング関係者や関係市町と協議を行いながら、一緒になって大会の成功に向け準備を進めてまいります。
○議長(藤山将材君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 スタート、ゴール地点である和歌山マリーナシティ内も、家族が楽しめる仕掛けを考えていただければと思います。
 4点目に、和歌山市でシェアサイクルの取り組みが3月末に始まりました。これは幾つかの道府県で実施されていますが、エリア内の各地にあるポートで自転車の乗り捨てが自由でありまして、大変便利で、バスや鉄道といた公共交通機関の補完にもなるものです。
 マイカーからの転換も促進できるかもしれないし、これが全県的に普及されれば、和歌山県のサイクリング振興に大いに貢献する可能性があると思いますが、商工観光労働部長、いかがでしょうか。
○議長(藤山将材君) 商工観光労働部長山西毅治君。
  〔山西毅治君、登壇〕
○商工観光労働部長(山西毅治君) レンタサイクルにつきましては、県内では50カ所程度の施設で行われ、幾つかの市町では自転車を相互に返却できる取り組みも実施されており、県ではこういう取り組みをさらに他の地域にも拡大してまいりたいと考えてございます。
 和歌山市内で実施されているシェアサイクルについては、町なかや観光地を周遊するだけではなく、ビジネスの際にも利用できるものとして、来県者の利便性を高める上で有効な手段の1つであると認識しております。
 しかしながら、この取り組みを広域的に導入することについては、自転車の回収の効率性、事業の採算性、レンタサイクル事業者との競合といった問題もあると考えております。
 まずは、和歌山市と同市周辺の自治体、観光協会及び関係事業者が連携し、事業の拡大の可能性を検討してもらえるよう働きかけを行ってまいります。
○議長(藤山将材君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 よろしくお願いします。
 次に3点目、葛城修験と熊野信仰についてであります。
 飛鳥時代に役小角、すなわち役行者が国家安泰のために、葛城の峰々に法華経八巻二十八品を埋納したとされる経塚のある葛城修験二十八宿の加太友ヶ島の序品窟・第一経塚にはまだ踏み込めていないのですが、6月の上旬、梅雨の合間を縫って、葛城修験の入峰修行の出立地と言われる和歌山市加太の旧南海道の入り口に位置する向井家・迎之坊の屋敷前を通り、淡嶋神社手前にある阿字ヶ峰行者堂にお参りし、はるか友ヶ島の間から淡路島が望める眺望を楽しみました。
 その後、二の宿であった神福寺が明治期に旧陸軍要塞になったため退転したとされる西庄の西念寺観音堂にお参りしてから、第二経塚のある神福寺跡を訪ねました。北高校西校舎脇を通り、約30分かけて車道を上っていくと、府県境右手に二の宿跡の標石が見えました。右の小道に入っていくと、炭焼き場があり、ミカン畑脇をしばらく歩くと「二の宿(経塚)」という標識を見つけ、ササやぶをかき分けて進むと、妙法蓮華経方便品第二経塚の白いポールが傍らに建てられたほこらがありました。すなわち、泉州神福寺妙法蓮華経方便品であります。
 その後、三の宿八王子社へ行く道を間違えて、その日は到達できませんでした。翌日、いても立ってもいられず、木ノ本峠を越えて岬町横手にある三輪神社敷地内の三の宿八王子社にお参りしてきました。
 いずれの道中も、山中は修験道の講の方々が「ごみを捨てるな」といった標識を立てていただいており、修行の巡行道を大切にしておられる印象を持ちました。わかやま歴史物語100にも、おかげさまで21番目のストーリーとして、「葛城修験と役行者ゆかりの地で祈りの歴史に触れる」と題して、橋本市の葛城修験の史跡を取り上げていただいておりますし、2番目、14番目のストーリーでも修験道を取り上げていただいております。
 修験道とは、修験者が山中に入り、自然に宿る神霊を崇拝する古神道にそれらを包括する山岳信仰と仏教が習合し、さらに密教などの要素も加味されて確立した日本独特の宗教であり、その修行の道であります。28の経塚は、和歌山市加太の友ヶ島に始まり、葛城の峰々を西から東へと埋納して、大和川の経塚に終わっています。
 一方、熊野も修験道の聖地と言われます。修験者たちは熊野の山奥に分け入り、那智の滝などの自然神・山の神の前で読経し、修行します。つまり、修験道を介して神道と密教が一体となった信仰、それが熊野信仰だと言われます。
 熊野は、役行者によって開かれ、奈良時代の熊野では既に神仏習合が成立しており、平安時代には、神は仏の化身であるとする本地垂迹説が登場し、熊野三山が熊野修験と言われるゆえんになっています。熊野信仰はそれに浄土信仰が融合され、平安時代後半には、皇族、貴族だけでなく一般庶民にも広まりました。
 修験道の山中の辺地や海沿いの遍路修行に仏教の要素が加わることによって、海の向こうにあるとされた常世の国を観音菩薩の補陀落浄土とみなす信仰形態も熊野で盛んに行われていたと言います。常世とは海のかなたにあって、永久に変わらない不滅の神様という神域という意味ですが、熊野は、その常世の国の入り口、いや、まさに常世の国だと信じられていました。
 「日本書紀」に、スクナビコナノミコトがオオクニヌシノミコトと力を合わせて国づくりした後、「熊野の御崎に至りて、遂に常世郷に適しぬ」とあります。熊野の御崎とは、まさに現在の潮岬と言われており、潮御崎神社では、スクナビコナノミコトをお祭りしています。また、葛城二十八宿の一の宿加太においては、淡嶋神社の主祭神もスクナビコナノミコトであり、同じく「古事記」に、スクナビコナノミコトが国づくりを終えて、粟島から常世の国へ渡っていったとあります。
 加太の海から始まる葛城修験、そして、海沿いの大辺路の遍路も含まれる熊野信仰は、「古事記」も「日本書紀」も、役行者が修験道を打ち立てた後に編さんされたものですから、葛城修験と熊野信仰は役行者による修験道においてルーツを一にするものだと思えるわけであります。
 高野山を開創したかの空海・弘法大師も深く修験道にかかわっていて、入唐前数年間は吉野、大峰山系の金峯山で山林修行を行ったと言われています。
 そこで質問ですが、1つ目、昨年から和歌山市内を中心に、葛城二十八宿の第1番の加太の一部から第2番の泉州神福寺跡、そして、第3番の大福山まで歩いておりますが、役行者にゆかりのあるところが少なからず見られます。わかやま歴史物語においても、さらに葛城修験におけるコンテンツの範囲を広げる取り組みを続けていただきたいと思いますが、商工観光労働部長、いかがですか。
○議長(藤山将材君) 商工観光労働部長。
  〔山西毅治君、登壇〕
○商工観光労働部長(山西毅治君) 昨年度、本県の持つ豊富な歴史や文化遺産と食や体験などを組み合わせた旅の楽しみ方を100の旅モデルとして提案するわかやま歴史物語の冊子や専用ウエブサイトを作成いたしました。
 その中で、葛城修験については、伊都地方を中心とした「葛城修験と役行者ゆかりの地で祈りの歴史に触れる」と題して、その周辺地域も含め紹介しています。
 また、葛城修験の1番経塚のある和歌山市加太を紹介する「漁師町・加太は修験の入口~『めでたいでんしゃ』に揺られて~」や「幻の近代要塞・友ヶ島」においては、立ち寄りスポットとして、葛城修験とゆかりのある加太春日神社、役行者堂などを紹介しております。
 議員から御提案のありましたわかやま歴史物語でのコンテンツの範囲の拡大ですが、今ある100のストーリーの中で、葛城修験に関係するスポットのうち、観光客の皆さんの安全・安心が確保できるものをウエブサイトに追加するとともに、参考として葛城二十八宿巡礼ルートも紹介し、充実を図ってまいります。
 今後、わかやま歴史物語では、葛城修験を初め、本県の持つ歴史的な価値や魅力を情報発信するとともに、現在、準備を進めているスタンプラリーの実施により、観光客の皆様がより一層周遊できるように取り組んでまいります。
○議長(藤山将材君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 2点目に、葛城修験二十八宿の中には、和歌山県内に役行者が残したとされる足跡や伝承、エピソードが少なからず残っています。まずは、和歌山県民に地元の人々にそれを身近なものとして知っていただく、そして、役行者を感じてもらうことから始める必要があると思います。
 昭和50年代には、文化庁から支援をいただいて、和歌山県で専門家を入れて、役行者が歩いたとされる道の調査が行われ、昭和57年にはその報告書が刊行されたと伺いました。県教育委員会におかれましては、市町村教育委員会の協力を得て、ぜひその追加調査をしていただいて、葛城修験二十八宿を学術的に探求して、県内の修験道の広がりを熊野地域に至るまで詳細に検証いただいて、役行者がたどった道が草木に埋もれてわからなくなってしまわないよう、文化財として保全していく手だてを考えていただきたいと思いますが、教育長、いかがでしょうか。
○議長(藤山将材君) 教育長宮下和己君。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 県教育委員会では、昭和53年度から57年度にかけて、熊野参詣道や南海道、高野山参詣道など、県内の歴史の道に関する現況調査を実施し、昭和56年度には葛城修験の道の調査も実施してございます。
 県内には、葛城修験の道を初め、まだ多数の未指定の歴史的価値が高い道や文化財が存在しており、その価値に応じて、国・県・市町村指定等の保護措置を図る必要があると認識してございます。
 葛城修験道につきましては、近隣の府県及び市町村等の関係機関並びに所有者の状況を踏まえながら、追加調査を検討してまいります。
○議長(藤山将材君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 役行者は、17歳のときに世界文化遺産に登録されている元興寺、今の飛鳥寺で孔雀明王の呪法を学び、後に葛城山で山岳修行を行い、熊野や大峰の山々で修行を重ね、吉野の金峯山で熊野の神々を総称する金剛蔵王大権現を感得し、修験道の基礎を築いたとされます。
 やがて平安時代には、葛城二十八宿、西国巡礼、熊野詣で、そして大峰修験の道をつなぐ紀伊半島を一周する巡礼の道ができていたと、昨年、紀伊風土記の丘の記念講演「熊野信仰と葛城修験」で宮本佳典氏が講演されております。その後は、熊野信仰を全国に広めたのは、まさしく修験道の御師、先達、そして比丘尼でありましょう。役行者は、葛城山での山岳修行の後の熊野での修行で、熊野信仰に修験の要素を加味して、熊野を修験の聖地としました。
 また、密教では、金剛界、胎蔵界という2つの曼荼羅で宇宙をあらわしますが、修験では、大峰山系を金剛界、葛城山系と熊野山系を中心とする地域を胎蔵界と捉えておりますんで、葛城修験と熊野信仰は大きくかかわってくると私は思います。
 自然神をたっとぶ山岳信仰と仏教、密教の融合は、世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の大きな要素でありまして、葛城修験の調査を進めていただくことが将来の世界遺産への追加登録にもつながってくるのではないかと思っております。どうか調査のほう、よろしくお願いいたします。
 それと、おまけにもう1つ、大阪新世界のビリケンさん、これは役行者の弟子とされる前鬼・後鬼がモデルとなっています。新宮市にある新宮サンシャインホテルオーナーのいとこさんが、アメリカで女性美術教師のフローレンス・プリッツさんに前鬼・後鬼の絵と仏像を進呈したところ、彼女は夢に見るほど興味を持ってビリケン像をつくったわけですね。これが前鬼・後鬼ですね。(資料を示す)そのビリケン像をつくって、それがビリケンカンパニーで売り出され、明治45年、大阪新世界にビリケン堂ができて、当時のマスコットになっております。今も、そのホテルオーナーは地元で熊野ビリケン祭りを催しているそうであります。役行者はこんなところにも影響を及ぼしております。和歌山県を通して、こうしたエピソードも広く活用させていただいてもいいのではないかと思います。
 以上、要望です。
 4点目、18歳成人についてであります。
 改正民法が去る6月13日に成立し、146年続いた大人の定義が20歳以上から18歳以上へと変わりました。高齢化が進む日本で、社会参加する若者をふやすのが狙いです。施行は2022年4月1日からです。世界的には、18歳成人が主流です。経済協力開発機構(OECD)に加盟する35カ国中、イギリスやドイツなど、9割以上の32カ国が18歳を成人としています。アメリカでは、ほとんどの州、計47州とワシントンDCが18歳を成人としています。
 「読売新聞」がことし3月から4月、全国の18歳以上の有権者3000人──有効回答1936人──を対象に行った世論調査では、18歳成人に反対する有権者が全体の56%あったといいます。国民の理解を広げ、混乱を最小限に抑えていくことが求められます。
 懸念は幾つかあります。飲酒や喫煙、公営ギャンブルを除いて、18歳になれば、有効期間10年のパスポートも取得可能になったり、性同一性障害者も18歳以上で家裁への性別変更申請申し立てができるようになります。親の同意なくローンを組んだり、クレジットカードの契約を結んだりできるようになりますが、親の同意のない法律行為を取り消せる未成年者取り消し権も行使できなくなりますから、悪徳商法など消費者被害に巻き込まれる学生が増加する可能性は高いのではないかと思われます。学校での消費者教育の充実が急がれます。
 また、成人式の問題があります。1月の成人式となると、18歳の受験シーズンと重なります。そして、初年度の2022年には、18歳、19歳、二十が対象者となりますから、例年の3倍に膨れ上がり、各自治体も会場の確保など、大変な状況が予想されます。
 また、少年法の適用年齢を20歳未満から18歳未満に引き上げるかどうかは、法制審議会で昨年3月から議論が続いています。少年法の適用年齢が下がると、18、19歳の少年は起訴され、実刑が確定すれば、刑務所に入って成人と同じ扱いを受けます。少年院のきめ細かな処遇によって教育効果も出ているのに、どうしてそれを変える必要があるのかという反対意見もあります。
 現実問題として、高等学校で子供と大人が併存することになります。また、現在14、15歳の中学生も4年後には待ったなしで18歳以上の成人になります。新鮮な感性を持った多くの若者が大人の仲間に入ってくれることは、超高齢社会の日本にとって喜ぶべきことかもしれませんが、18歳で成人になる人に、大人としての自覚をどう持たせるか、いかに社会人として自立させていくか等が課題になると思います。成人年齢の引き下げに伴う教育の充実について、主権者教育並びに消費者教育の観点から、教育長の御所見を伺います。
○議長(藤山将材君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 成人年齢の引き下げに伴う教育の充実について、主権者教育並びに消費者教育の観点からお答えいたします。
 主権者教育につきましては、現在、社会科の授業や特別活動などで、選挙制度や政治参加の大切さを学習しております。また、高等学校では、国が作成した副教材「私たちが拓く日本の未来」や県選挙管理委員会と連携して行っている模擬選挙等を通して、主体的に社会に参加することの必要性などを理解させる取り組みを行ってございます。
 消費者教育につきましては、社会科や家庭科の授業で、消費者として社会で生きていく上で必要な知識を身につけさせるとともに、県消費生活センター等関係機関と連携し、専門家からより実際的な話を聞くなどして、消費者教育の充実に努めております。
 また、今年度から消費者庁が高校生等若者向けに作成いたしました教材「社会への扉」を全県立学校に配布し、授業などで活用していく予定でございます。
 今後とも、小学校、中学校、高等学校それぞれの段階に応じて、主権者教育、消費者教育を一層推進し、大人としての自覚を育て、社会人として自立させていく教育を行ってまいります。
○議長(藤山将材君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 とりわけ、中学校を卒業して高等学校へ進学せずに社会に出る子もいます。中学校でも、しっかり18歳成人、大人になることへの意識づけをしていただきますよう、よろしく御指導お願いいたします。
 次、行きます。5点目に、和歌山県の文化振興についてであります。
 私は、日ごろの慌ただしい活動からひととき離れて美術展や文化展等を見学に行くことが好きで、作品等を拝見していると心ゆったりとした気分になれて、気分転換や元気回復の源になっています。個人的に好きな画家の先生や親しくお話しさせていただける先生もいたりして、展覧会の場所や環境面についていろんなお話や要望を伺うこともあります。
 そんな中で気になっているのが、まずは県立近代美術館や県立博物館での展覧会であります。学芸員の皆様が趣向を凝らした1つのテーマを持った企画展を催していただいていたり、年に何度かの特別展で大作を見せていただいたりして楽しませていただいておりますが、平成6年にそれぞれ新館オープンしてから、年々特別展が少なくなったり、規模が小さくなっているなという気がしておりました。
 配付資料をごらんいただきたいんですが、文化事業予算を見ると、オープンの次年度予算は、県立近代美術館が8223万円、県立博物館が特別展である吉宗展が開催された次年度の翌年度で5499万円、それが平成29年度では、大規模展はありませんでしたが、前者が2320万円、後者が1024万円と、それぞれ初期予算の28%、19%に大幅に減少しています。
 ちなみに、和歌山県の3館構想として、美術館や博物館とともに、もう1つの前年の平成5年度にオープンした県立図書館は、本格的に事業に着手した平成8年度が1485万円、平成27年度は1105万円ですから、これも74%に減少していましたが、平成28年度より南葵音楽文庫事業が開始されて以降増額、参考までに御紹介しておきます。
 和歌山県もわかやま歴史物語100を軸に、歴史、文化、伝統を尊重した観光戦略に取り組んでいる中、県内外から訪れる観光客も公営の美術館や博物館は訪れた場所の文化度をはかる大きな要素でありますし、他府県においても、木々や花々に囲まれたエリアの中に主要な美術館や博物館が立地されていて、多くの観光者が訪れております。
 本県も、和歌山城公園のすぐ前に両館が建てられておりますんで、広報等でさらに観光客の皆様をも呼び込む取り組みを充実させていただけたらと思います。
 一方、和歌山県立紀伊風土記の丘は、資料館の建物だけでなく、岩橋千塚古墳群全体を管理運営されています。昨今、天王塚古墳の特別史跡への追加登録もあって、特別展も開催されたり、定期的に公開講座も行っていただいており、予算も、多い少ないは別として、堅調に推移いただいております。それぞれ厳しい予算繰りの状況は理解しておりますが、豊富な文化・歴史資源に恵まれた和歌山県でありますから、本県文化と文化水準をアピールすべく、県立近代美術館、県立博物館、そして県立紀伊風土記の丘には、文化事業予算をさらに充実させていただきたいと思います。
 そこで質問ですが、1つ目、まず県立美術館、県立博物館及び県立紀伊風土記の丘の資料館の入館者数の推移は資料のとおりでありまして、県当局、そしてそれぞれの自助努力によって順調だと言えますが、博物館施設については、県の文化振興の上で、展示を含めて館運営について、どのような評価システムがあるのでしょうか。その中でどのような御意見が出てきているのでしょうか。教育長にお答え願います。
○議長(藤山将材君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 県立博物館施設では、平成26年度事業から、運営状況について、毎年、博物館長が専門性の高い有識者で構成する博物館協議会評価部会の意見を踏まえ、教育長と協議をし、教育長が最終的な評価をしてございます。その結果は、各館のホームページでも掲載しております。
 各博物館協議会評価部会からは、資料収集・管理、調査・研究、展示、教育普及、組織と運営などの項目について、おおむね良好な状況にあるとの評価をいただいております。また、その中で学芸員についても高い評価をいただいており、私も同様の評価をしてございます。
 その上で、これからの検討課題として、他施設との連携、戦略的な広報及び出前講座等県内各地域へのアプローチ等の実施や調査研究の活性化のため、文部科学省の科学研究費助成の対象となる研究機関指定の獲得に向けた取り組みを検討するよう指示してございます。
 さらに、今後は、外国人向けの対応として多言語による案内や解説等を進めていく必要があると考えてございます。
○議長(藤山将材君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 質の高い博物館施設にしていくためには、調査研究にしっかり取り組んでいただく必要があります。ぜひ文科省の科研費をいただけるような研究機関になっていただけるよう、お取り組みを進めていただきたいと思います。
 2点目に、県立近代美術館、県立博物館両館は、社会教育のための施設でもあります。本物を見る目と意識を育むための施設と言えます。「安かろう、悪かろう」は許されません。本県の文化水準の高さを県内外にアピールすべく、また県内外からの観光客をもっと呼び込めるよう、県立近代美術館、県立博物館をさらに充実いただくために、両館の文化事業予算をオープン時水準に近づけていただいて、本県のさらなる文化振興に御尽力いただきたいと思いますが、いかがですか。知事の御答弁をお願いいたします。
○議長(藤山将材君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 文化については、和歌山県民歌に「人の和と 文化を添えて」とありますように、和歌山県としては誇るべきところが大でございますし、大事にしなければいけないというふうに思っております。
 文化を発信する中心的な施設として博物館施設がございます。議員から席上配付しておられます、博物館にオープン時、そんなにお金をかけていたのかということを改めて気づかされたところでございます。多分、財政難が原因で減ってきたんだろうというふうに思いますけれども。
 実は、私が就任のときに、主として管理の効率性という観点から、ちょうど指定管理の議論をしていました。文化は効率でははかってはいかんなと。中身の問題だからということで、それは取りやめることにいたしまして、また、館長についても教育委員会の事務系の方がなるのが慣例でありましたが、それもちょっと文化という点からいうとどうかなということで、全国的に名の通った専門家に見てもらうことにして、それで事務系の方は管理で支えるというふうにさしてもらいました。
 さらに、その強化を図るために、平成25年10月に博物館施設の機能強化策を発表したところでございます。その1つとしては、今までは催し物のテーマとか、あるいは開催時期とか、そういうものは担当者が決めていたんでございますけれども、全県庁的な議論を経て決めることにしようというふうに現在ではなっております。
 また、国際的に評価の高い芸術作品を紹介したり、国宝、重要文化財等、我が国や本県の貴重な文化財を紹介して、全国にも注目してもらえるようなそういう催し物をできますように、これは通常のお金ではなかなかできませんので、県立博物館、近代美術館及び紀伊風土記の丘において、それぞれ3年に1回、通常予算とは別に大規模な展覧会を行えるような予算措置をして、今年度から2巡目に実は入ってるところでございます。
 限られた予算でございますけども、学芸員の頑張りもあり、この大規模展覧会初め、展覧会全般によい内容になってると思っております。
 近代美術館においては、平成21年度から県展、平成27年度からジュニア県展の会場としても使用しておりまして、県全体の文化レベルを上げるようにしております。
 また、入館者の増加につながる取り組みといたしまして、平成29年8月から和歌山市と連携して和歌山城天守閣や市立博物館等と入館料割引制度を実施し、また、本年度から、県立博物館、近代美術館の駐車場料金について、入館者には2時間無料ということにしております。
 以上のように、以前よりは充実の度を高めているので、ぜひ注目して、皆さん参加してほしいというふうに思ってる次第でございます。厳しい財政状況でございますけども、魅力的で質の高いテーマの展覧会を開催するとともに、御指摘のように、館外学習や体験学習を積極的に実施するようにしたいと思っております。
 今後、2021年、本県で開催される第36回国民文化祭、第21回全国障害者芸術・文化祭、第45回全国高等学校総合文化祭が待っておりますので、県民の文化芸術活動への参加機運を高めるとともに、文化力のさらなる向上に取り組むため、博物館群もぜひ積極的に活用してまいりたいと思っております。
○議長(藤山将材君) 長坂隆司君。
  〔長坂隆司君、登壇〕
○長坂隆司君 今般のわかやま歴史物語100による本県の歴史・文化の掘り起こし作業によって、改めて本県の文化的価値の高い文化財や歴史ストーリーの豊富さを認識されたのではないかと思います。文化にかかわる事業については、和歌山県の魅力と価値をアピールする最高の場だと思いますので、文化予算の充実をどうかよろしくお願いいたします。
 次に、和歌山県民文化会館でありますが、こちらは、平成18年度より指定管理者制度となり、平成25年度からは新装オープンのもと、平均5000万円超の予算で文化振興事業を行っていただいております。展示室では、才能豊かな美術工芸家等が無料あるいは一部有料の展覧会を開催しておられます。絵画を壁にかけたり、つるしたりといった室内のセッティングも、ほとんど主催者が経費を抑えるため、高齢の先生方も手作業で行っておられ、指定管理者の財団法人和歌山県文化振興財団には、作業がしやすいよう、予算の限られた中、折に触れ、さまざまな御配慮もいただいていることに感謝しております。
 本県の文化を愛する県民の皆様のニーズに応えられる県民文化会館として、引き続き本県の文化振興に、そして、県民の文化意識の向上に貢献できる、県民にとって使い勝手のよい会館づくりに努めていただきたいと要望させていただきます。
 以上で、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(藤山将材君) 以上で、長坂隆司君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 23番堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕(拍手)
○堀 龍雄君 皆さん、おはようございます。
 初めに、議員でありました泉さんの御冥福を心からお悔やみ申し上げます。
 泉さんとは、昭和26年生まれで同い年でありました。1期先輩である泉さんには、いろんな面で御指導を仰いでおりました。本当にありがとうございました。心からの御冥福をお祈り申し上げます。
 それでは、議長のお許しをいただいてありますので、平成29年台風21号の災害を教訓としてということで、3つの項目に分けさせていただきまして、質問をさせていただきます。終始、県土整備部長の御登壇になりますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、河川の改修についてということで、その河川の指定というのをどうしてつけられたんだろうかということについての御質問をさせていただきます。
 昨年10月の台風21号で、紀の川沿川は大きな被害が発生しました。かつらぎ町での降水量は219ミリメートルと大量の雨が降り、瞬間最大風速も35.7メートルと大きな台風でした。大雨により紀の川の水位が上昇し、それに接続する河川の水の行き場がなくなり氾濫し、その上、用水路からも大量の水が河川に入ったものが要因の1つと考えられます。強風でしたが、風による被害が少なかったのが不幸中の幸いだったと思っております。
 紀の川の増水と町内で降った大雨とが重なり、内水氾濫が起こりました。家屋の浸水や工場の浸水で大きな被害が発生し、その年の末まで操業を開始できなかった工場もあり、大きな被害を受けました。こういうことがたびたび発生すれば、この地での操業を考えなければいけないと言われる社長さんもいました。こういう問題を解決するためにも、そして、この地域で操業している数ある企業の皆さんに安心して落ちついて仕事についていただけるようにしなければならないと思い、質問に立たせていただきました。
 このような被害をできるだけ小さくするためにも、紀の川の水位を下げるのとあわせて河川の改修が絶対の条件と考えます。河川は、1級河川、2級河川、準用河川、普通河川と位置づけられております。いつ、どのような理由で位置づけ指定されたのか、県土整備部長にお尋ねをいたします。
○議長(藤山将材君) ただいまの堀龍雄君の質問に対する答弁を求めます。
 県土整備部長森戸義貴君。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 河川の指定がどのようになされるのかについての御質問を頂戴いたしました。
 議員御質問の河川の指定につきましては、明治29年に制定された旧河川法において、行政区域単位で県知事が河川管理を行うこととなってございました。
 その後、社会経済の発展に伴い、水需要の増加、平野部への広範な人口や資産の集積とそれに伴う災害発生などから、治水面と利水面において総合的、統一的に河川を管理する必要性が高まり、水系単位での管理制度に改めるべく、昭和39年に新河川法が制定されてございます。その法の趣旨を踏まえ、重要度に応じて1級河川、2級河川の指定が行われてきております。
 1級河川については、河川法第4条により、国土保全上または国民経済上特に重要な水系に係る河川として、国土交通大臣が指定することとなってございます。
 2級河川については、河川法第5条により、1級河川以外の公共の利害に重要な関係のある水系に係る河川として、県知事が指定することとなってございます。
 さらに、準用河川については、治水上または都市環境や生活環境の保全上、管理が重要となっている小河川について、河川法第100条により市町村長が指定することとなっており、指定された河川には河川法が準用されることとなってございます。
 なお、普通河川は、明確な定義はございませんが、一般的に河川法や下水道法等、法律の指定を受けないものであって、特定の用途に用いられない公共の水路等を指しているものと承知してございます。
○議長(藤山将材君) 堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 河川の指定についての御答弁をいただきました。
 続いて、県管理河川藤谷川、桜谷川の改修についてをお尋ねいたします。
 県管理河川の藤谷川、桜谷川の改修は行っていただいておりますけれども、この台風時にも家屋の浸水が発生しました。今回の台風が特別大きかったから浸水したものではありません。3年も4年も前にも、消防団員による消防ポンプでの排水作業もむなしく、家屋や工場の浸水が発生しております。被害を少なくするためにも、河川の改修が絶対の条件と思っております。
 ついては、今後の改修と進捗状況について県土整備部長にお尋ねをいたします。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 藤谷川、桜谷川の河川改修の進捗状況と今後の予定についての御質問でございます。
 かつらぎ町内の県管理の藤谷川や桜谷川においては、従来から河川の溢水を軽減するため、河川の断面を拡大する河川改修に取り組んでございます。
 藤谷川につきましては、昭和59年や平成2年の災害などを契機として、川幅の拡大や河道の掘削などの河川改修を実施してまいりました。しかし、平成23年や平成25年に浸水被害が発生したことから、紀の川合流点から国道24号までの600メートル区間の築堤等の整備を行うこととしてございます。平成28年には、詳細設計や物件調査等を実施し、平成29年度から用地買収に着手してございます。
 桜谷川につきましては、紀の川合流点から浸水被害が頻発していた妙寺駅上流までの1960メートル区間について、川幅を広げる工事などの河川改修に昭和40年から着手し、平成24年度までに一旦終了してございます。引き続き、下流から河道を掘削する工事に着手しており、平成29年度までに紀の川合流点から約620メートルの区間が施工済みとなってございます。今年度は、昨年度確保した補正予算と合わせて、上流約150メートル区間の整備を実施する予定でございます。
 今後とも、さまざまな機会を通じて予算の確保に努めまして河川整備を進めますとともに、かつらぎ町とも連携しながら、浸水被害の軽減に努めてまいりたいと考えてございます。
○議長(藤山将材君) 堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 改修をしていただいておるというのはよくわかるんですけれども、まだまだ浸水の被害というのが起こっております。早く全体の改修を進めていただいて、被害が少なくなりますように努めていただきますようお願いを申し上げておきます。
 3つ目の項目に入らしていただきます。
 町管理準用河川西渋田谷川の改修についてをお尋ねいたします。
 町管理の準用河川西渋田谷川については、県管理河川と同じような規模があると見受けられますし、流域面積もさほど変わらないと考えます。さきにも申し述べたと同様に、内水氾濫を起こして浸水被害が起こっております。町財政が厳しいのだと思いますけれども、改修がおくれている状況です。
 これからの出水期を迎えるために、そして内水氾濫を繰り返さないためにも、早期の改修が必要と考えますが、この状況を見て県ではどのように感じているのか、また県としての浸水対策の支援策がないのか、県土整備部長にお尋ねをいたします。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 西渋田谷川沿川の浸水被害について、御質問でございます。
 西渋田谷川については、流域の開発や宅地化により浸水被害の拡大が懸念されましたことから、かつらぎ町が昭和61年に準用河川に指定し、平成元年度から平成9年度にかけて、浸水被害が頻発していました紀の川合流点から約450メートル区間の河川改修が行われたと承知をしてございます。これにより、西渋田谷川流域の降雨による出水に対しては、浸水被害が軽減したと聞いてございます。
 しかし、西渋田谷川沿川地域は低平地であるため、紀の川本川の水位が高くなりますと、降雨が十分排水できなくなることに起因した浸水被害が発生しており、引き続き、内水対策が必要と考えてございます。
 これに対し、応急的な対策として、かつらぎ町では、可搬式ポンプによる紀の川本川への排水を実施してきたところです。
 平成29年10月の台風21号に伴う豪雨による紀の川沿川の浸水被害の発生を受け、国土交通省では、沿川の地域における浸水被害に関する情報共有や、今後の浸水対策について効果的かつ効率的な整備につなげることを目的として、国、県、関係市町を構成機関とする紀の川流域における浸水対策検討会を今年1月に設置いたしました。ことし5月には、国、県、町で西渋田谷川の現地調査を行っており、具体にどういった対策が可能であるか検討しているところでございます。
 県としては、今後とも連携して対策の検討を進め、その中で可能な支援策に取り組みますとともに、必要に応じてさらなる支援を国に働きかけてまいりたいと考えてございます。
○議長(藤山将材君) 堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 御答弁をいただきましたが、河川の管理について、国、県、町の役割分担があることは先ほどの答弁で一定理解いたしましたが、流域に住む住民や企業からすれば、県なのか、国なのか、町なのかは関係ありません。どこがやってくれてもいいんです。早くやってほしいというのが心情ではないでしょうか。
 1級河川等の河川の指定については、昭和40年に指定されたとのことです。昭和40年といえば、52年も前の、皆さんもよく知っておると思いますけれども、大阪万博の5年前のことです。この議場の中にでも、まだこの時期に生まれてない議員さんもおられます。和歌山県に高速道路が1本もない遠い昔の話です。生活状況も大きくさま変わりし、利便性のよいところへと住居を移して生活し、企業に至っても、作業効率のよい、地の利のよいところを狙って進出しております。
 住民や企業においては、過去の水害のことを理解しつつ、工場全体をブロックで積み重ねて、浸水の防止などのような対策をとるように移ってきております。「それでも、ここまでつかったことはなかった」、皆さんが口をそろえておっしゃっておりました。過去に経験のない大水害が起こったため被害に遭われたということが現実かと思います。
 現在、流域の市、町、県、国で構成する協議会で対策を検討していただいておるのは承知しております。そして、対応していただいておることも承知しておりますけれども、浸水被害の原因を特定し、応急対策、短期的な対策、長期的な対策などをしっかりと連携して、対応、検討をお願いしたいと思います。
 そして、住民、企業の不安感、危機感を取り除いていただいて、安心して生活、操業ができるように浸水対策に取り組んでいただくことを強く要望いたします。
 それでは、2つ目の項目の広域農道「紀の川フルーツライン」についてということで、質問に入らしていただきます。
 平成3年から事業に着手している設計基準についてをお尋ねいたします。
 紀の川左岸広域農道は、橋本市から紀の川市までを結ぶ2車線の農道です。農林水産省の農道整備事業実施要綱に沿った広域営農団地整備事業の一環で、紀の川左岸地区と紀の里地区の2地区に分けて整備が進められており、紀の川左岸地区では、平成3年度から工事に着手され、現在、伊都管内で総延長18.1キロのうち16キロメートルが完成し、通行可能なところから順次開放され、農家の皆さんからも、畑に行きやすくなり、広くて安全であると喜ばれております。また、高野山に行く道路としてのバイパス的な存在でもあり、広く利用されております。
 また、平成26年には愛称を公募し、「紀の川フルーツライン」と指定し、名づけられ、地元住民の皆さんに広く親しまれており、早期完成を願っております。
 この農道は、着工から27年が経過しています。その間に、大きな災害をもたらした阪神・淡路大震災や東日本大震災が起こっております。また、平成29年の台風21号のような大雨が降ったり、想定外のことが発生しております。27年前の設計基準と最近の地震や大雨による被害を想定しての設計基準に変わりがあるのか、あれば、どのように対応し対策しているのか、県土整備部長にお尋ねをいたします。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 設計基準についてのお尋ねでございます。
 橋梁や擁壁などの構造物についての耐震設計の基準が、阪神・淡路大震災や東日本大震災などを踏まえて変更されるなど、平成3年度の事業着手以降、随時、設計基準書の改訂が行われてございます。
 構造物等の詳細な設計は、工事の施工を見据えて区間を分割して順次行っているところでございます。設計基準書等の改訂が行われた場合には、設計への適用時期のルールが決められますので、できるだけ最新の基準を使うことを念頭に置きつつ、工事の実施を行ってまいってございます。
○議長(藤山将材君) 堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 これから工事をしていただく予定になっております紀の川フルーツラインは、山間部の中腹に建設されつつあります。地形的な性質上、切土工法や盛り土工法の多い路線です。これから順に作業が行われていく場所は、地すべりの危険性のある地すべり防止地域に入ると思われますけれども、その安全のためにどのような対策をとって作業していくのか、県土整備部長にお尋ねをいたします。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 地すべり防止区域内での工事の安全対策についての御質問でございます。
 地すべり防止区域内では、一般的な現地調査等に加えまして、地すべり地形の判読などに基づく詳細な地質調査や地すべりの安定解析などを行い、個々の構造物の安定性を検討いたしますとともに、施工時の安全性確保にも配慮した設計を行った上で、工事を実施してまいる考えでございます。
○議長(藤山将材君) 堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 御答弁をいただきましたが、西渋田工区は大きな地すべりの防止地域になっております。これは現場を見ていただいて御存じかと思うんですけれども、本当に広範囲な地域が指定されておりますし、その地域には小さな谷が多くあり、コルゲート管で設置をしております。くれぐれも御配慮の上、事故の起こらないような工事にしていただきたいなと、そう思います。よろしくお願いしておきます。
 3つ目の項目に入らしていただきます。
 工事中に亀裂等の地すべりの兆候が発生したときの対応についてお尋ねをいたします。
 過去の工事で切土工事の実施中、その周辺に亀裂が発見され、地すべりの兆候が発生しましたが、地域の皆さんや作業員の方々の安全確保のため、どのような対応をされたのか、県土整備部長にお尋ねをいたします。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 地すべりの兆候が発見された場合の対応についての御質問でございます。
 広域農道紀の川フルーツラインの工事の中では、平成25年に橋本市西畑地区で工事中に地すべりの兆候が発生した事例がございました。
 その際には、まず、地すべりを抑制するため押さえ盛り土で応急対策を行いますとともに、地すべりの動きがあった場合に地域住民の皆様や工事関係者にできるだけ早く周知できるよう、観測機器や警報装置等を設置する安全対策を講じたところでございます。
 また、兆候のあった現地の調査結果等を踏まえ、地すべり対策工を設計し、あわせて随時の状況説明により御理解をいただきながら、地域住民の皆様や作業員の安全を確保して工事を行ったところでございます。
○議長(藤山将材君) 堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 地すべりの兆候が橋本市西畑地区であったと言われておりますけれども、かつらぎ町でもそういう兆候があり、地すべりの発見が早くわかるように、警告灯など設置されておりました。くれぐれも安全対策を確保していただきたいとくどくど言わしていただいておるんですけれども、今度工事にかかるとこはここ以上に地すべりの危険性が高いので、きょう質問の中に入れさしていただきました。
 4番目の項目に入らしていただきます。
 市町への譲渡の条件についてということでお尋ねをいたします。
 紀の川フルーツラインは、県が工事を行い、完成した工区からそれぞれ供用を開始し、供用開始したところから、市町の橋本市、久度山町、かつらぎ町、紀の川市に移管、譲渡されます。譲渡後の維持管理は、受益者である関係市町が行うことになっております。
 市町では、既に多くの道路を管理しており、草刈りや路面の凍結防止など、多額の維持管理費用を負担しております。これらは地方財政措置しているのもわかっておるんですけれども、関係市町の財政は逼迫しているのではないでしょうか。
 土砂崩れや道路の崩壊などが起こらないのか、譲渡する前に調査してもらえるのか、県土整備部長にお尋ねをいたします。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 広域農道を市町へ譲渡する際の手続についての御質問でございます。
 紀の川フルーツラインは広域農道であり、議員からお話ございましたとおり、県が施工し、一定区間が完成した際には、速やかに市町に譲渡し、市町が管理していく事業となってございます。
 そのため、完成した農道を譲渡する場合には、事前に譲渡先の市町とともに路面や構造物に変状がないか現地調査を行い、必要な修繕を行うとともに、譲渡の条件について十分な協議を実施しているところでございます。
○議長(藤山将材君) 堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 御答弁をいただきました。
 それでは、市町へ譲渡後に災害が発生したときの対応についてということでお尋ねをいたします。
 昨年の台風21号で、記録的な豪雨により斜面の崩落が発生しました。ほかの地域で、また地区でも同様な災害が発生する可能性があると考えられます。特に、近年の異常とも思われる気象傾向から、危険度が高まっていると思われます。災害を望みませんけれども、有事のときに県の対応についてお尋ねをいたします。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 市町への譲渡後に広域農道が被災した場合の対応についての御質問でございます。
 譲渡後に発生した農道の災害につきましては、施設を所有、管理する市町が災害復旧事業などにより対応していただくこととなってございます。
 市町が実施する災害復旧事業に対しましては、県として必要に応じ技術的な支援を行うなど、できる限りの対応を行ってまいりたいと、このように考えてございます。
○議長(藤山将材君) 堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 市町へ譲渡の際には、両方が立ち会い、市町で現地調査を行い、必要に応じて修繕等を行っており、その上、十分な協議をして行ってくれているということで、ありがたいことですけれども、引き受けた市町が今度、維持管理に大変な労力と費用がかさんでいくと思いますので、市町への負担ができるだけかからないように要望しておきます。
 3つ目の項目に入らせていただきます。
 国道480号矢立から大門間の整備についてをお尋ねいたします。
 昨年12月もお尋ねしたんですけれども、高野山に通じる主要道路として、国道480号線と国道370号の2本の路線がありますが、台風21号の大雨によって、国道370号線が九度山駅近くの通称・雨の森のところで崩落し、通行どめとなりました。また、南海高野線も上古沢駅で地すべりが発生し、線路が下がってしまい、電車が通ることができなくなりました。
 その地すべりについては、県当局の早い対応で横ボーリングによる水抜き作業のおかげで地すべりもおさまり、翌年の3月31日に電車の開通となりました。その後も、地すべりが起こらないように対応していただいていることはお礼申し上げます。また、国道370号線についても、6月の出水期までと言われておりましたが、県当局並びに工事関係者の皆様の頑張りで、予定より早い4月20日の開通となりました。あわせてお礼を申し上げます。
 高野町の方にお聞きしたんですけれども、電車の開通だけで不通のときより──不通のときというのは電車が通らないときなんですけれども──3割ぐらいの観光客がふえたよと、そう思いますと言っておりました。その後、国道370号線が開通した今、どのくらいふえておるかもしれませんけれども、ふえておるのは間違いないと思います。
 九度山駅から矢立まで2つの国道があったからこの程度で済みましたが、矢立から大門まで国道480号1本に頼らざるを得ません。もし、この間で地すべりや道路の崩落があれば、年間200万人とも言える観光客が来れなくなり、高野山だけでなく、和歌山県の観光産業が大きな打撃を受けるのは間違いないと思われます。また、生活道路でもある住民の生活環境が困難な状況になります。
 こういうことを避けるためにも、災害時に強い道路の整備が必要と思います。現在のその整備状況と今後の整備について、県土整備部長にお尋ねをいたします。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 国道480号高野町矢立から大門間の整備状況と今後の整備についての御質問でございます。
 お尋ねのありました区間につきましては、大型車の対向が困難で、特に交通の支障となる箇所について順次整備を進めてございまして、近年では平成26年度に3カ所計1.4キロが完成してございます。
 現在、3カ所計1.7キロの整備を推進してございまして、そのうち、高野町矢立から大門間の中央付近で整備中の盛り土による道路拡幅工事は、おおむね5割の進捗状況であり、引き続き、周辺で発生する建設残土を有効に利用し、工事を推進してまいります。
 また、大門付近では、世界遺産登録された町石道と近接することから、関係機関との協議を踏まえ、設計を進めてまいります。矢立交差点付近につきましては、昨年度より設計を進めており、今年度より用地取得に着手してまいりたいと考えてございます。
○議長(藤山将材君) 堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 残っている部分については、早期の着工を期待しております。
 それでは、2つ目の問題に入らしていただきます。
 国道480号矢立から大門間の間に、急峻で狭隘な箇所については拡幅工事や、屈曲部については線形の改良などの工事が行われると考えられますし、台風やそれ以外でもまとまった季節外れの大雨により、工事箇所の崩落や地すべり等の危険性も考えられます。
 それに対しての対応についてはどうなされておるのか、お尋ねをいたします。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 国道480号矢立─大門間で実施しております切り土工部や盛り土工部の対策についての御質問でございます。
 一般的に、道路設計を行う場合には、現地踏査や地質調査を実施し、地すべりやのり面崩壊の有無など、地形の現況について確認をいたします。また、工事に起因する周辺への影響や豪雨等の自然災害を誘発する危険性についても検討した上で、必要な安全対策を計画し、設計を行い、現地着手する、このような段取りとなってございます。
 国道480号の高野町矢立から大門間の事業箇所についても、現地踏査や地質調査などの検討を踏まえ、設計を行ってございます。具体的な対策として、盛り土部については安全な勾配を確保した上で排水対策やのり面保護を施工し、構造物の安定性を確保してございます。また、切り土部についても段階的に切り土を行うなど、のり面の変状の有無を確認しながら、工事中の安全も確保してございます。
○議長(藤山将材君) 堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 安全には十二分に注意を行い、工事中の安全性を確保しているという御答弁をいただいておりますけれども、あの盛り土の現場というのは非常に深くて高いものです。
 部長も御存じかと思うんですけれども、今ちょうど半分ぐらいですか、工事が終わっとると思うんですけども、まだ深くて大変な工事だと思いますけれども、いろんな面での調査を行い、設計もしていただいて、丈夫で立派な、崩れないように強い盛り土の工事をしていっていただきたいなと、そう思います。よろしくお願いをいたします。
 3つ目の災害時の代替ルートということで、3つ目の質問に入らせていただきます。
 県当局も十分把握されていると思いますけれども、例えば、京奈和自動車道路の紀北かつらぎインターから国道480号を経由した場合、矢立から大門間の主要国道はこの道路1本となっております。万が一、災害でこの区間が通行不能となったとき、観光バスが通行できる将来的な代替ルートはどこに考えられておるのか。また、その代替ルートにおける事業の状況について、県土整備部長にお尋ねをいたします。
○議長(藤山将材君) 県土整備部長。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 国道480号の高野町矢立から大門までの区間の代替ルートについて御質問を頂戴いたしました。
 お尋ねのありました区間が災害等により通行不能となった場合の代替ルートとしては、現時点では、国道370号と分岐する高野町矢立から紀美野町長谷宮の区間は国道370号を利用し、県道花園美里線を経由して、かつらぎ町花園梁瀬から国道480号で高野山内へ至るルートを考えてございます。
 これらの区間につきましては、現在、国道480号のかつらぎ町花園梁瀬から高野町相ノ浦までの区間及び県道花園美里線において、観光バスの通行が可能となるよう、順次整備を進めているところでございます。
 国道480号につきましては、かつらぎ町花園梁瀬から花園北寺地内の3カ所、計0.4キロメートルの区間及びかつらぎ町花園久木地内の1.6キロメートルの区間の事業を実施してございます。
 また、県道花園美里線についても、紀美野町長谷宮地内及びかつらぎ町花園梁瀬地内において3.1キロメートルの区間を事業中であり、早期完成に向けて推進をしてまいりたいと考えてございます。
○議長(藤山将材君) 堀 龍雄君。
  〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 本当に前向きな計画を立てていただいていることの御答弁をいただきました。ありがとうございます。
 このルートが早く観光バスの通行が可能になるように願っております。と申しますのも、この地域が高野・有田川地域、日本農業遺産に登録していただくように申請をしております。この日本農業遺産は、有田川の清水を利用して、棚田での農作物やいろんなものの栽培をして、きれいな場所でありますし、非常にとうといものであります。
 また、高野山の真言密教にはなくてはならないコウヤマキの栽培をされております。それを含めての日本農業遺産です。皆様の協力を得て達成したいと願っております。この日本遺産登録してから道路の整備というのは、後になろうかと思います。手おくれとなろうかと思います。やはり、日本農業遺産に登録される前に道路の整備をしていただいて、観光客、お客様が本当に来やすいまちづくり、そして、初めから終わりまで、みんなでよかったよと言ってもらえる日本農業遺産にしていただきたいと思いますし、また、地域の方々が住みやすい生活環境になりますようにお願いを申し上げまして、私の一般質問を終わらせていただきます。本当にありがとうございました。(拍手)
○議長(藤山将材君) 以上で、堀龍雄君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩します。
  午前11時43分休憩
────────────────────
  午後1時0分再開
○副議長(岸本 健君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 39番雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕(拍手)
○雑賀光夫君 議長のお許しを得ましたので、早速、質問に入らせていただきます。
 第1の柱は、働き方改革と教員の長時間労働についてであります。
 教員の長時間労働を中心に据えてお伺いしたのは、5年前のことでした。当時、県教育委員会は、小中学校の勤務実態はつかんでいませんでした。あれから5年、教員の長時間労働は、もはや一刻も放置できない問題になっています。文部科学省も、昨年12月に働き方改革についての総合的な方策について中間まとめを発表し、県教育委員会も本年5月、教職員等の働き方改革推進プランなるものを発表されました。
 そこで第1に、教員の長時間労働の実態をどう把握しておられるのか、教育長にお伺いいたします。
○副議長(岸本 健君) ただいまの雑賀光夫君の質問に対する答弁を求めます。
 教育長宮下和己君。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 教員の勤務実態の把握についてお答えいたします。
 県教育委員会では、県立学校教員を対象に、平成23年度から教員の勤務実態調査を実施しております。また、文部科学省が平成28年度に小中学校の教員を対象に抽出調査を行ったことを受けて、平成29年度に全ての公立学校教員を対象に勤務実態調査を実施いたしました。
 全国調査と県調査では実施年度や時期が異なりますが、1週間の時間外勤務の平均は、小学校教員は全国が約19時間に対し、県は約12時間で、中学校教員は全国が約25時間に対し、県は約20時間となっております。
 また、過労死と関連が強いとされる時間外勤務時間が月約80時間を超えている教員の割合は、小学校では全国が33.5%に対して、県は7.2%、中学校では全国が57.6%に対して、県は20.6%でございました。高等学校、特別支援学校については、全国調査は行われておらず、県では15.6%でした。
 今回の調査で小中学校とも全国平均を下回っておりますのは、本県がこれまで取り組んできたことが1つの要因としては考えられますが、教員の長時間勤務の改善は本県においても重要な課題でございます。
○副議長(岸本 健君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 ありがとうございました。
 全国ほどひどくないということですが、しかしそれでも、中学校でいうと週平均20時間の超過勤務が続いています。平均です。毎日平均4時間、そしてその大部分が不払い労働。民間企業でいえば違法な労働実態になっている。民間企業であれば労働基準法から改善命令が出る、そういう実態にあるわけです。
 小中学校教員の勤務実態を初めて県教育委員会が調査されたようで、そのことは大変結構です。私は、この質問に先立って調査の全体像を教えてほしいと言ったんですが、もう少し待ってくださいということで、この質問までにはいただけませんでした。できるだけ早く、その全体像を公表していただきたいと思います。
 これまでも教員の長時間労働をなくすために努力すると表明されてきたにもかかわらず、やっぱり長時間労働が続いている。教育長はどう考えておられるでしょうか。
○副議長(岸本 健君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 教職員等の多忙化を解消することは、子供と向き合う時間の確保につながるとともに、教職員等がやりがいを持って働き、心身の健康保持やワーク・ライフ・バランスを実現するためにも大切なことだと考えております。
 教育委員会では、本年5月に教職員等の働き方改革推進プランを策定いたしました。この中では、校務の効率化に向けた点検シートについての達成目標を設定しております。また、部活動の休業日、活動時間の設定や、教員の事務作業が課題となっている小学校へのスクール・サポート・スタッフの配置等についても取り組みを進めているところです。
 さらに、教職員の校務を効率化する校務支援システムについては、高等学校では平成23年から導入しており、小中学校は昨年度、県が主導して共同調達に取り組み、今年度末には18市町に整備される予定となっております。
 今年度スタートした第3期教育振興基本計画において教職員の勤務環境の整備を掲げているところであり、今後も教職員等の働き方改革に全力で取り組んでまいります。
○副議長(岸本 健君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 いろいろ努力もしておられるわけですが、私は、根本的な問題は教職員定数の改善が進んでいないこと、もう1つの問題は、教育のためにはあれも必要だ、これも必要だということで、学校現場に押しつけてきたことにあると思います。教育長の答弁には、その観点は抜けているように思います。
 何よりも必要なのは、教職員定数の改善、教員配置の増員であります。何度も申し上げた問題ですが、小学校2年生から3年生になるときに学級が減らされているというケース、今年度は幾つあったのでしょうか。少し教員をふやすだけで解決できる問題です。
 また、一般の小中学校に設置されている特別支援学級という少人数学級があります。この学級で多学年の子供たちが学んでいる場合がある。こんな場合は、学級を分けるようにすべきだと思うんです。
 せめてこうした問題を教員配置の改善で解決してほしいと思いますが、教育長、いかがでしょうか。
○副議長(岸本 健君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 議員御質問の小学校3年生に進級した際に学級数が減った学校は、本年度12校ございました。そのうち課題のある学校には、当該の市町村教育委員会と連携し、チームティーチング等に当たる加配教員や学習及び生徒指導等の充実を図るための非常勤講師を配置するなど、それぞれの学校の課題に応じた対策がとれるよう配慮してございます。
 また、特別支援学級においても、個々の障害の状態や発達の段階に応じ、きめ細かな指導ができるよう、1学級6人以上の学級または1学級5人で3学年以上にわたる児童がいる学級には非常勤講師を追加して配置しております。
 なお、小学校の学級編制につきましては、第3学年以上が国の基準では40人学級となっているところ、本県では、国の加配措置で一定の条件により35人学級または38人学級と定めており、これまでも配慮してきたところです。
 県教育委員会といたしましては、学級編制に配慮しつつ、学校及び児童の課題や状況等に応じた適切な支援を行うことが重要であると考えておりますので、今後も引き続き市町村教育委員会と協力しながら、こうした支援の充実に取り組んでまいります。
○副議長(岸本 健君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 せめてこんなことぐらいはと思う例を2つ挙げてお伺いしたんですが、教職員をふやすことということは十分には進まない。ただ、いろいろやりくりして苦労しておられることはわかりました。これだけ教員の長時間労働が社会問題になっている中ですから、クラスサイズを30人以下にする問題、国の基準を超えて県単独負担の教員を配置する問題など、抜本的な施策を要望しておきたいと思います。
 次に、忙しさの大きな原因になっている部活動の問題です。特に気になる運動部ですが、どういう指導をしていらっしゃいますか。その実は上がっているのでしょうか。
 高校の運動部の場合には、レベルが高くなるだけに、専門技術を持っていない教員が担当することの苦痛は、中学校の場合以上だと思います。どういう声があり、どういう対策をされておられるんでしょうか。
○副議長(岸本 健君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 運動部活動は、スポーツに興味と関心を持つ生徒が交流する中で、技術、能力の向上と責任感、連帯感の涵養に資するなど、大変意義のある教育活動です。しかしながら、少子化が進展する中、これまでと同様の運営・指導体制では維持が難しい学校もございます。
 このような中で、昨年度、県教育委員会では、市町村教育委員会や中学校体育連盟等と協議し、策定した和歌山県中学校運動部活動指針に基づき、発達の段階に応じた望ましい活動が行われるよう指導してまいりました。その結果、9割を超える運動部が休業日や練習時間を適切に設定するなど、効果的、効率的な運営を実践してございます。
 また、中学校に104名の部活動指導員等を配置し、専門的な指導力を確保することにより顧問教員の負担軽減、安全性の向上など、改善に努めてございます。
 本県では、ことし3月、スポーツ庁が示した運動部活動の指導の在り方に関する総合的なガイドラインを受け、県の指針を改正し、活動方針の策定やその公表などを盛り込んだ和歌山県運動部活動指針を改めて4月に策定したところです。
 高等学校の運動部活動については、中学生より心身が発達していること、中学校での取り組みを基礎に多様な活動が行われていることなどから、競技の特性や学校の状況等に応じて本指針を適用することとしてございます。また、高等学校にはエクセレントコーチや外部指導者の配置、実技指導の方法等を学ぶ指導者研修会の開催など、専門技能を持たない顧問教員を支援する手だてを講じてございます。
 今後とも、関係機関と連携し、このような取り組みを一層進めるとともに、各学校が保護者や地域の方々の御意見もいただきながら、持続可能な運営体制を整えるよう指導してまいります。
○副議長(岸本 健君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 休養日の設定など順調に進んでいるという答弁ですが、実態に合わないという声も聞くことがあります。運動部については、関係者がスポーツ医学の立場に立って子供の心身の発達にプラスになる部活動が充実するように期待をしております。
 最後に、教員を多忙に追い込んでいる問題として挙げたいのが、学力テストであります。
 せめて、県独自の学力テストは来年からやめませんか。いかがでしょう。
○副議長(岸本 健君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 全国学力・学習状況調査は、小中学校の最終学年である6年生と3年生を対象に、前学年までの学習内容や生活習慣等について調査し、その結果から各学校の取り組みの成果や課題を分析し、教科指導の充実や生活習慣等の改善に役立てるために実施してございます。また、教育委員会では、施策の成果と課題の検証にも活用してございます。
 県教育委員会が実施している学習到達度調査は、小学校4年生、5年生、中学校1年生、2年生を対象に、主に当該学年の学習内容について調査し、担当している教員が子供たち一人一人の学力の定着状況をきめ細かく把握することで、個々の課題に合わせた指導を行い、各学年段階のつまずきをなくし、学習内容を確実に身につけさせるために実施してございます。
 この2つの調査にあわせて実施することで、課題とその改善状況を把握しながら基礎・基本の定着などに取り組むことができ、子供たちの確かな学力の向上につながっていると考えてございます。
 今後とも、本県独自の学習到達度調査を初め、学力向上に向けた取り組みを計画的、継続的に進めてまいります。
○副議長(岸本 健君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 この点は意見が違いますが、きょうはここまでにしておきたいと思います。
 第2の柱は、自然エネルギーと自然破壊にかかわる問題です。
 私ども共産党県議団は、ここ何回かの県議会で、自然エネルギー開発のもとに自然破壊をするメガソーラー、大型風力発電の問題を取り上げてきました。また、企業倫理ということを問題にしてきました。
 このたび、共産党国会議員団のお世話で、5月16日、経産省近畿経済産業局への申し入れ、要望活動を行いました。一連の経過を議場にお配りした配付資料1で紹介しております。ただ、配付資料の中で、大型風力発電の計画が72カ所から72基に縮小とありますが、73基の誤りでありますので、おわびして訂正しておきたいと思います。
 風力発電会社が住民の口封じをする覚書の問題、参議院経済産業委員会で取り上げることになりました。こうした問題は、お金が出されても表面に出ないことが多いんです。このたび、覚書の問題というのは、問題を表面に引き出したというところに地域の民主主義が生きているということのあかしがあると私は思っています。知事は、この問題を厳しく批判されました。大変立派な答弁で、岩渕参議院議員の委員会の質問でも紹介されております。その質問を裏側に──これは未定稿ですので多少不正確な誤字もありますが、紹介しておりますので、またごらんいただきたいと思います。
 さて、その上での質問です。
 第1は、超大型風力発電の事業を認可するかどうかの問題。このたび方法書が発表され、有識者の皆さんで審議されています。そこには住民の皆さんからたくさんの意見が寄せられていますが、圧倒的に反対意見です。紀美野町議会でも紀美野町の区長会でも、全会一致で反対が決議されたとお聞きしています。
 こうした中で、手続さえ踏めばどんどん進んでいくということにしてはいけないと思います。環境影響評価の手続は、どんなぐあいに進んでいくのでしょうか。環境生活部長から御説明いただきたいと思います。
○副議長(岸本 健君) 環境生活部長山田成紀君。
  〔山田成紀君、登壇〕
○環境生活部長(山田成紀君) 御質問の風力発電事業に係る環境影響評価につきましては、今後、事業者から提出された方法書に対する知事意見を住民、関係自治体及び和歌山県環境影響評価審査会の意見を踏まえて作成し、経済産業大臣に提出することとなります。
○副議長(岸本 健君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 ありがとうございました。
 第2は、この事業を進める上で、林地開発の認可の問題です。林地開発の規模はどの程度になるのでしょうか。そのための地元同意となりますと大変広範囲になると思うんですが、どういう範囲がこの場合地元とみなされるんでしょうか。
○副議長(岸本 健君) 農林水産部長原 康雄君。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) 御質問の風力発電事業については、林地開発の手続が行われていないことから、林地開発の規模や地元同意の範囲については、現在、判断できないところであります。
○副議長(岸本 健君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 ただいま御答弁があったように、大規模な風力発電の問題、地域では心配の声がたくさん広がっているんですが、しかし、その声を上げても手続だけがどんどん進んでいくように見える。やはり、これは最後はそれをとめなくてはならないと思うんですが、住民の声をしっかりと各部署で受けとめていただきたいというふうに思います。
 そこで、第2の問題は、重根の旭メガソーラーの問題です。
 お手元に資料2として、重根メガソーラーを考える会が配布したニュースをお配りしています。
 この事業者は、なかなか事前協議書を出してこなかったので、私たちは近接自治会関係者から相談を受けて、事業者が考えていることを知るという状態が続いてきました。
 近隣の皆さんは、森林が伐採されると山が崩れるおそれがあるのではないかと心配しています。また、そうなると日方川が氾濫し、下流の日方、大野地域でも心配ですが、住民の皆さんには計画が知らされていません。
 重根メガソーラーを考える会の皆さんの要望書がその裏側に、海南市に対する要望、それから県に対する要望もついてると思います。それから、業者に対する要望書がそれぞれついております。特に業者に対して、日方川下流の住民の皆さんにも計画を知らせる説明会を行うこと、開発を行う現地での現地説明会を行うことを、旭メガソーラー海南発電株式会社に要望するということにしております。
 こうした要望に応えるように業者を指導していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○副議長(岸本 健君) 環境生活部長。
  〔山田成紀君、登壇〕
○環境生活部長(山田成紀君) 御質問の太陽光発電事業につきましては、和歌山県太陽光発電事業の実施に関する条例に基づき、事業計画の案の作成のため、事業者と県、関係市町村との協議が開始されたところであり、本条例に基づく説明会につきましては、事業計画の案が作成された段階で実施されることとなっております。
 なお、説明会の対象範囲については、事業計画の案が作成された段階で明らかになるものと考えており、事業実施により環境の保全上及び災害の防止上、影響を及ぼすと認められる地域において適切に実施するよう事業者を指導してまいります。
○副議長(岸本 健君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 ただいま部長から、環境保全上及び災害の防止上、影響を及ぼすと認められる範囲とお答えいただきましたので、ですから山崩れの影響があるところだけでなくて、日方川が氾濫した場合に心配だという日方川流域、そういうところにも説明をする、考える会の皆さんが要望していることに応えていただけるものと理解をいたしました。
 なお、この会では、県に対してもこの問題の懇談の申し入れをしておりますので、またよろしくお願いをしたいと思います。
 そして、第4に、和歌山県太陽光発電事業の実施に関する条例にかかわって気になることがあります。この条例は、メガソーラーへの住民の不安を取り除くためにつくられたもので、許可条件に住民の意見が反映されるものだと理解しておりました。ところが、昨日、奥村県議が指摘したように、同意書の扱いがどうもわかりにくいことになっている。
 この地元同意の問題ですが、和歌山県の住民運動の歴史で、地元同意というものは大変重いものです。私は、紀伊半島に原発を許さなかったというその経緯を思い起こします。当時、和歌山県は、原発の認可条件として、適地性、安全性、地元同意を挙げていました。電力会社は適地性、安全性は大丈夫だと断言をしました。福島の原発事故以前、後に原子力村と呼ばれるようになった学者、専門家が、原発は四重、五重にセキュリティーがあるから事故などはあり得ないんだと主張しておりました。しかし、そんな話は信用できないと、和歌山県の漁師さん初め多くの皆さんが頑張ったわけでございます。
 専門家の言うことを信用しない人たちは、何と頑迷な人たちだろうと非難されたことでしょう。しかし、福島原発事故は、頑迷と思われていた人たちこそが賢明、賢かったことを証明したわけであります。こうしたことを振り返ると、専門家の意見を聞いてということで地元同意にかえることは許されないと思います。
 その地元意見が太陽光条例の手続の中で大切に取り扱われることになる、林地開発制度取扱要領に規定する利害関係者の中の同意書と同様の意味を持つ、決して林地開発許可に当たってのハードルを低くしたわけじゃないということを、もう一度、農林水産部長からはっきりと言明していただきたいと思います。
○副議長(岸本 健君) 農林水産部長。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) 昨日の奥村議員の質問でもお答えしたとおり、林地開発許可申請書に添付が必要な開発に対する利害関係者の同意書については、金銭により強引に同意を得るといった不合理な面も考えられます。
 一方、新しく制定した太陽光条例では、利害関係者の意見や、その意見に対する事業者の見解を踏まえるとともに、必要に応じて専門家の意見を聞くなど手続を制度化したため、透明性、客観性、理論性を備えた科学的な仕組みが整えられたところです。
 以上のことから、同条例に規定する住民の意見を反映するため、必要な措置を講じたことを証する書面をもって同意書にかえることができるとしただけでありまして、決して林地開発許可処分のハードルを下げたわけではございません。
○副議長(岸本 健君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 ハードルを下げたわけではないというのは結構なんですが、そして専門家の意見で検討するのも結構なんですが、ただ、地元同意というものを他の手続でかえることができるというただし書きは削除すべきではないかということを改めて申し上げておきたいと思います。
 最後に要望なんですが、既設の風力発電被害者の救済の問題です。参議院の委員会で質問にかかわって、国会議員のヒアリングで、ユーラスエナジーの有田川ウインドファームは、大窪地域に迷惑をかけていることは認めているわけです。被害を訴える方との間で、すぐに因果関係を求めて賠償というわけにはいかないとしても、まずはお見舞いぐらいあってしかるべきじゃないかと思います。
 経済産業大臣がおっしゃるコミュニケーションの1つです。被害者が話し合いに応じるかどうかわかりませんが、被害者との間で話を進めるよう、県として取り持っていただいてはいかがかと思います。要望といたします。
 最後に、第3の柱として、和歌山県IR基本構想についてお伺いいたします。
 IR、カジノとギャンブル依存症等の心配について、私は昨年2月県議会で取り上げました。その際、知事は、「ギャンブル依存症については、物すごく重視しております。だから、少なくともその懸念がなくなるまでは、和歌山県民ないし日本人をカジノに入場できないようにしたい」とお答えになりました。ただし、知事の発言は、「少なくともその懸念がなくなるまでは」というただし書きがついておりましたので、どうせどこかの時点で懸念がなくなったと言って、県民の入場を認めることになるだろうと思っておりました。
 あに図らんや、和歌山県IR基本構想では、和歌山県民の入場を認めるということを打ち出しておられます。誰もがどうせと思っていたことですから、誰もびっくりした人はいないんではないかと私は思います。
 その一方で、尾花和歌山市長は、条件抜きで外国人専用ということを打ち出しておられます。
 まず質問ですが、ギャンブル依存症の問題です。心配するのなら、まずその実態をつかまなくてはならないのですが、一昨年、私が質問したときも、ギャンブル依存症の実態はつかめていませんでした。福祉保健部長にまたお伺いするんですが、パチンコ、競艇なども含めたギャンブル依存症の問題、実態は、少しは把握できるようになってきているんでしょうか。
○副議長(岸本 健君) 福祉保健部長山本等士君。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) ギャンブル依存症は、医療機関を受診することにより疾病と診断されますが、患者自身に病識がなく、患者本人や家族が相談や医療につながりにくいという特徴があるため、国においては実態の把握は困難であるとされており、県におきましても同様に困難であると考えております。
 なお、県では、精神保健福祉センターや保健所においてギャンブル依存症の相談を行っており、本人や家族からの電話や来所による相談延べ件数は、平成28年度で24件、平成29年度は30件という状況でございます。
○副議長(岸本 健君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 やっぱりギャンブル依存症の実態がつかめていない。そして、カジノというものは、誰が見ても、そうした今でも問題になってるギャンブル依存症の要因をふやすものになることは、誰もが否定できないと思います。ところが、その実態もつかめないままに、国はカジノ解禁を進めようとしている。
 それでは、国のほうでは、ギャンブル依存症への歯どめはIR法案ではどうなっているんでしょうか。企画部長からお答えください。
○副議長(岸本 健君) 企画部長田嶋久嗣君。
  〔田嶋久嗣君、登壇〕
○企画部長(田嶋久嗣君) IR整備法案によりますと、日本人の入場回数については7日で3回、28日で10回に制限し、入場料として1回当たり6000円を徴収するとともに、その際の本人確認手段としてマイナンバーカードを使用するものとされております。さらに、本人や家族からの申告による入場制限の措置や現金のみの利用など、重層的で多段階的な対策が盛り込まれているところです。
○副議長(岸本 健君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 国でそういう歯どめをしているという、週に3日あるいは1カ月に10日カジノに通うとすれば、これはもう立派なギャンブル依存症ではないでしょうか。カジノというのは、入場すると居続けすることもできる。そして、ギャンブル依存症だと本人、家族から申告があれば、こんな申告は大変な事態です。入場させないなどというのは深刻なギャンブル依存症が起こることを予測したものではないかと思うわけでございます。
 それでは次に、和歌山ではもっと厳しい規制を設けるから大丈夫だとおっしゃりたいようですが、和歌山ではどうやってギャンブル依存症を防ぐのか。企画部長から御説明ください。
○副議長(岸本 健君) 企画部長。
  〔田嶋久嗣君、登壇〕
○企画部長(田嶋久嗣君) 本県では、国によるギャンブル依存症対策に加え、県独自の取り組みといたしまして、民間事業者に対しましては、カジノ施設での使用上限額を設定して現金をチャージするIRカードの導入や、かけごとに熱くなっている人に休憩や退場を促す依存症対策専門員の配置、また、カジノ施設が非日常空間である心理的ハードルを設けるために──入場を抑止するという意味ですが──例えばジャケット着用などといった簡易な服装規程であるドレスコードの設定などを求めてまいります。
 県といたしましては、これらの運用を行っていただける民間事業者がいるのであれば、論理的に考えてギャンブル依存症や破産リスクはなくなるであろうと考えているところです。
○副議長(岸本 健君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 ドレスコードという聞きなれない言葉が出てきたんですが、そこではジャケットと書いてますが、こちらの基本構想ではサンダル、短パン姿では入れませんという、これがドレスコードなんだそうですね。そういう高級レストランのようにぱりっとした格好でないと行けないという、こんなことを県として言うのがどうなんかと首もかしげるんですが、こういうことでギャンブル依存症が防げるんかと首もかしげるんですが、その使い過ぎを防ぐとしてIRカードを導入するというふうに言って、使える額の上限を設定するということなんですが、この金額は誰が決め、どんな金額になるんでしょうか。これも企画部長にお伺いします。
○副議長(岸本 健君) 企画部長。
  〔田嶋久嗣君、登壇〕
○企画部長(田嶋久嗣君) IRカードにつきましては、入場者が所持する金額の範囲内で、その日実際に使用する額を入場の際に事業者と入場者が相談をしてチャージしていただくことによって使い過ぎを抑制しようと、そういう考えのものです。
○副議長(岸本 健君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 私はこれを初め見たときに、100万円なり1000万円なり、その上限を決めて、それだけしかIRカードは入れられないということかと思っていましたが、違うみたいですね。業者とその入る人が相談をして、あなたは富豪だから1億円まではいいでしょう、こんなふうに人によって決めるのがIRカードのようでございます。こういうことを考えてることだけはわかりました。
 そこで次なんですが、IR基本構想では、カジノ施設の売上高1401億円、県への納入金210億円、入場料金34億円などときめ細かく試算されています。この試算はどこでやられるんでしょうか。また、ここまで試算されるのなら、日本人あるいは和歌山県民がどれだけ売り上げに貢献するか──売り上げに貢献するというのはかけ金を払うということですが──そういうことも試算されているんだろうと思いますが、どうなんでしょう。企画部長からお願いします。
○副議長(岸本 健君) 企画部長。
  〔田嶋久嗣君、登壇〕
○企画部長(田嶋久嗣君) IR基本構想でお示ししたカジノ施設の売上高等の試算につきましては、有限責任監査法人トーマツに委託して算出したものです。
 カジノ施設の売上高は約1401億円と試算しておりますが、その内訳といたしましては、日本人が約381億円、外国人が約1020億円と見込んでおります。
 なお、日本人売上高に占める和歌山県民の割合につきましては、試算はしておりません。
○副議長(岸本 健君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 日本人381億円、外国人1020億円という試算が、これトーマツという監査法人によるものだそうです。昨日の奥村県議への答弁でも、IR入場者400万人について、同社が独自のノウハウ──同社というのはトーマツの話ですが、独自のノウハウと知見を用いて推定を行い試算したというふうにお答えになりました。
 つまり、そのノウハウや知見というのはトーマツだけの手のうちにある。もうちょっと打ち合わせで聞いたら、企業秘密でそんなもの教えてくれないという話なんですが、つまり監査法人トーマツ任せで、その根拠もよくわからないままに、試算が堂々と県のパンフレットで登場をしてくる。IR基本構想そのものが、監査法人トーマツやカジノ資本の試算にお任せの産物ではないかという思いがいたします。この感想だけ述べておきます。
 さらに、県への納付金210億円と言われますが、このお金の行方はどうなるとお考えになるかもお聞かせください。
○副議長(岸本 健君) 企画部長。
  〔田嶋久嗣君、登壇〕
○企画部長(田嶋久嗣君) IR整備法案において、カジノ事業者からの納付金につきましては、観光の振興、地域経済の振興、社会福祉の増進及び文化芸術の振興に関する施策などに必要な経費に充てることとされており、その具体的な使途につきましては、区域整備計画において定めることとなっております。
 なお、納付金は立地市町村とその他関係地方公共団体へ交付することができますが、その場合にも、具体的な内容につきましては区域整備計画において定めると、そういうふうに規定されております。
○副議長(岸本 健君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 福祉や文化やというふうに耳ざわりのいい言葉を使うんですが、どう使うのかはまだよくわからないようです。
 それから、和歌山県がIR誘致に熱心になっている中で、カジノ資本の期待が集まっていると思います。国内資本もあるんでしょうが、海外資本が多いんでしょうか。どうした資本から引き合いがあるのでしょうか。これも企画部長、お願いします。
○副議長(岸本 健君) 企画部長。
  〔田嶋久嗣君、登壇〕
○企画部長(田嶋久嗣君) 議員御質問の本県に興味を示しているカジノ運営事業者につきましては、これまで10社以上と意見交換を行っているところです。そのほとんどが海外の事業者ですが、国内の事業者も含まれております。
○副議長(岸本 健君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 10社以上あるけれども、会社の名前は言えない、言うたら信義に反するということなんでしょうね。
 例えば、外国資本というのは、これはカジノではありませんけども、風力発電の会社にしても、海外の資本が入ってきて和歌山の自然を荒らして去っていくんではないかと、こんな心配も皆さんするわけですけども、どこの資本がやってくるのか、それもよくわからない。そのままに和歌山は、県民にはそういうことについては明らかにしないままで進めるのはどうかと思います。
 次に、カジノ、IRについてさまざまな試算では、お客さんの70%から80%が日本人だとされているわけです。ですから、カジノ資本は、日本人客を狙って、日本のカジノ解禁を期待しています。つまり、日本人の懐を当てにして外国のカジノ資本が日本のカジノ解禁を進めている、こういうことだと思うんですが、知事は日本人の入場をさせないカジノということを言われたんだけども、本当に、本当に正直なこと言うてほしいんですが、そんなことができるというふうに考えていらっしゃったんでしょうか。知事にお伺いします。
○副議長(岸本 健君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 先ほど本件に関しまして、雑賀議員から私の議会答弁に関しまして、私の人格を否定するような発言がありましたが、その扱いを私が、議会のことですから、どうこうできませんので、ただいまの御質問だけにお答えいたします。
 これまでの議会答弁においても、パチンコ依存症などから類推して、ギャンブル依存症を心配する県民の気持ちというのは結構あるだろうなあというふうに思いまして、実効性のある対策が講じられるまでは、心配でしょうから、日本人についてはカジノルームに限り入場させないという方針を示してきたところであります。
 驚くべきことに、それでも反対という人も少しいて、そういう人は本当に依存症の心配をしているのか、ただ政争の道具にしているだけなのか、大変疑問に思われます。
 全てのカジノの運営業者ではございませんが、何社か有力なカジノ運営業者が外国人専用でもコミットをしてくれていました。また、海外には外国人専用のIRはたくさんあるんでございます。成功する可能性はあると思ってるから、私はそういうふうに言うておったわけであります。人格を否定されては困ります。
 そこで、実はそういう考えを可能とするような制度をつくってくれるように政府にずっとお願いに行っていました。しかし、そこは大変ネガティブであったというふうな結果でした。しかし、カジノ規制は、実は私が当初考えてたよりも、予想よりもはるかに厳しいものになって現在の法案になっています。
 そこで、県独自の運営上の工夫とあわせれば弊害は完全に除去できると思っているので、現在はそういう方向で話を持っていこうと思っているわけであります。
 なお、外国人専用のカジノとする計画は、IR整備法案の趣旨に合致しない。すなわち、IR整備法案というのは大きな投資を求めたい、だからIRにするんだというような考え方でございますから、多分合致しない。さらには、他への波及もあると思われますので、政府が認定してくれないだろう、そんなふうに思っているところであります。
○副議長(岸本 健君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 私は、多分知事は日本人も入れるものに変えるだろうというふうに思ったというふうに、私が思ったことを申し上げただけであって、決して知事の人格を否定するわけではございません。そして、知事の名誉のために、そういうふうに思ったということを言うと同時に、知事が本当にそう思ったんですかと言うて、ここで発言する機会を差し上げたわけでございますので、悪く思わないでいただきたいと思います。
 次に、地元自治体の同意の問題です。
 これは、きのうは奥村県議からの質問で、和歌山市との関係についてはお答えがあって、これはどうかなという気もいたしますが、同じことをもう1回聞こうと思いません。
 2年前に質問したときに申し上げたんですが、海南市はマリーナシティと目と鼻の先にあります。マリーナシティに行く観光客は、車で来る場合は和歌山インターでおりるよりも2つの海南インターでおりるわけでございます。こういう海南市の意見というものは聞いていただけるんでしょうか。知事、お願いします。
○副議長(岸本 健君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) IR整備法案では、区域整備計画の認定申請に当たり、立地市町村の同意は必要とされておりますが、隣接市町村の同意は必要とされておりません。
 しかしながら、手続を進めていく上ではさまざまな事案が想定されますので、その際には必要に応じて隣接市町村、今海南市というお話がありましたが、そういう関係のところにも相談をしてまいる所存であります。
○副議長(岸本 健君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 この問題は、和歌山市の場合もそうでしょうけども、情報はやるから、交換するから県についてこいでは困るなと思っております。
 これで予定した質問は終わりなんですが、3日ばかり前に和歌山市の女性から電話がありまして、「母がギャンブル依存症で悩んでいる。和歌山県で専門的な治療を受けられるか県に問い合わせたら、公共病院にはないと返事された。『県民の友』に載っている病院にも聞いたが、そういう取り組みはしていないと言われた。大阪、奈良に入院施設があるが、年に10万円から20万円かかる。ギャンブル依存症を考える会の代表・田中紀子さんにも会い、山梨の開業医を紹介されたが、年20万かかる。カジノを誘致している和歌山だが、今、ギャンブル依存症で困っている人に対して、公的機関として対策をとっていない。共産党にも目を向けてほしい」という要望の電話がありました。これからさらに議論になっていくだろうと思います。
 きょうはいろいろお伺いしたんですが、ギャンブル依存症の心配は払拭されていません。カジノ、賭博というものは何の価値も生み出すものではなくて、多くの人の不幸で一部の人が喜ぶ、もともと犯罪であったものですから、こんなことで観光客を呼び込もうという考えは間違いではないかと思います。このことを申し上げまして、私の質問を終わります。どうもありがとうございました。(拍手)
○副議長(岸本 健君) 以上で、雑賀光夫君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 36番菅原博之君。
  〔菅原博之君、登壇〕(拍手)
○菅原博之君 本日最終になりました。あともう少しでございますんで、おつき合いいただくようにお願い申し上げます。
 では、議長のお許しをいただきましたので、早速入らしていただきます。
 私は、今回の質問を準備するに当たって、大変暗い鎮痛な気持ちを抱いて行わなければなりませんでした。
 本県でも、過去に痛恨の出来事として、児童への虐待を防ぐことができず、児童が死に至りました。大変な社会問題として記憶に新しいところでございますが、他府県とはいえ、またこのような痛ましい犯罪が香川県から東京に転居した家族で起きてしまいました。しかも、早くから通報もあり、行政も十分認識し動いていたにもかかわらず、虐待を防ぐことができず、また死に至ってしまった。
 本県では、過去の厳しい反省、それこそ猛省に立って、現在は十分有効な対応をとられているのでしょうか。
 報道によれば、今回の東京目黒区の事件では、児童の死亡という最悪の結果に行き着くまでに、転居前にも後にも幾つかの重要な、決して行政側が見逃してはならない兆しが幾つもあったと言わざるを得ません。その兆しをつかんでいながら、こういう結果になってしまったのは、犯罪者の言葉を自分たちの都合で解釈し、事なかれ主義で面倒なことには踏み込まない、そういったにおいを強く感じる、まさに負のイメージのお役所仕事が挙げられるのではないでしょうか。
 本県では、こういった最悪の結果はもう二度と起こさない、全ての児童虐待を未然に防ぐという決意で防止策を講じていただいていると信じておりますが、組織というのは人がかわれば記憶も薄れ、マニュアルとルールを遵守するだけの日常になっていくおそれが高いものでございます。
 ここで、本県における過去の反省を踏まえた児童虐待防止の現在の取り組みを福祉保健部長にお尋ねいたします。
○副議長(岸本 健君) ただいまの菅原博之君の質問に対する答弁を求めます。
 福祉保健部長山本等士君。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) 県におきましては、平成25年に発生した事案を受けて立ち上げた弁護士や学識経験者などで構成する検証委員会からの提言を踏まえ、県と市町村の役割分担の明確化、組織体制や相談支援機能の強化を図ってきたところです。
 まず、県と市町村の役割分担の明確化につきましては、児童相談所や市町村に寄せられた虐待情報を初期の段階で情報共有した上で、一時保護や措置が必要とされる事案は専門的知識及び技術を有する児童相談所が対応し、在宅支援が可能な事案や一時保護、措置を解除された事案については市町村が対応するなど役割分担を周知徹底し、さらなる児童の安全確保に努めてきたところです。
 現在、児童虐待に対する地域での相談支援体制を一層強化するため、県と市町村におけるそれぞれの役割を明示した協定の締結を進めているところです。
 次に、組織体制の強化につきましては、法的な判断や対応が求められる事案に迅速かつ的確に対応するため、児童相談所に先駆的に専任弁護士を配置するとともに、虐待の初動対応や家族支援などで中核的な役割を担う児童福祉司の増員を図っているところです。
 最後に、相談支援機能の強化につきましては、いち早く初動体制に取りかかるため、児童相談所と警察との間で児童虐待事案における情報共有に関する協定書を締結し、さまざまな情報共有を行うことにより、速やかな児童虐待への対応を図っているところです。
 また、児童相談所が措置を行った児童の家庭復帰を決定する際には、社会福祉審議会に設置された民生・児童委員や学識経験者などで構成する措置専門部会の意見を聞くことで、より慎重な判断をすることとしております。
 さらに、虐待をした保護者に対しては、子供に対する感情を制御し、臨機応変に対応できる支援プログラムを実施するとともに、一般家庭を対象とする虐待の未然防止の啓発にも努めているところです。
 県といたしましては、引き続き虐待への早期対応、再発防止から家族再統合に至るまでの切れ目のない施策の推進により一層取り組んでまいります。
○副議長(岸本 健君) 菅原博之君。
  〔菅原博之君、登壇〕
○菅原博之君 ありがとうございます。
 答弁をお聞きして、対応がかなり進んだのだと思います。しかし、これからも社会が複雑になり、家族のあり方も多種多様になってまいります。安心するのは禁物です。虐待をする者はこういう児童に対するガードの仕組みの目をごまかそうと知恵を働かせるものでありますから、この問題の対応は常に点検が必要だと思っております。
 今回の事例でも、子供を部屋に閉じ込めるという親の行動が見られます。こういった場合は、近所の通報を期待しているというのでは対応は不十分と言わざるを得ません。私は、幼稚園や保育園に未入園の児童に対して、保健所の義務的な乳幼児健診を終了した3歳過ぎから就学までの間、行政のほうから児童にアプローチすることが大切だと思っております。
 来年、平成31年10月からは、国の方針として幼稚園、保育園の原則無償化が行われることが決まっておりますので、つまり県内では待機児童を解消し続けていただいて、全ての児童が経済的には幼稚園や保育園に入園できるようになる中で、未入園児童は本県ではまれなケースと捉える必要があります。人数も限られてくるわけですから、未入園児童や入園していても一定期間欠席している3歳過ぎから5歳児に対しては、必ず行政から子供に関する知識のある者が定期的に面会に行く、こういうことが大変重要だと思っております。
 福祉保健部長にお尋ねいたします。就学前の幼保未入園児童へ行政のアプローチは、現在どうなっているのでしょうか。
○副議長(岸本 健君) 福祉保健部長。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) 保育所や幼稚園に入所している児童に対しましては、日常的に保育士などがかかわり、学童の状況を把握し、児童虐待を発見した場合には市町村や児童相談所などの関係機関に通告しているところです。
 一方、未入園児のいる家庭につきましては、市町村の保健師などが定期的に訪問し、児童の状況を確認の上、養育に関する助言等を行い、児童虐待の未然防止を図るとともに、児童虐待を発見した際には関係機関に通知するなどの対応を行っているところです。
○副議長(岸本 健君) 菅原博之君。
  〔菅原博之君、登壇〕
○菅原博之君 ありがとうございます。
 今の部長の御答弁を聞いて、県民の皆さんも安心しているんではないでしょうか。今お聞きして、私は大変にうれしく思います。こういう対応は、市町村に規則として義務づけられていない対応だと思います。特に求められてはいないが、これは重要だという県内の市町村みずからの判断で行われている、あるいは県も含めてそういう会議の場で、そういう意思統一を図られるように、過去、県の行政もきっとしていただいたんだと思うわけであります。
 こういう大変評価すべきことを、どうか県としても、市町村の幼保未入園、長期欠席児童への面会事業をきめ細かくこれからもお支えいただいて、お互いに情報共有されることを要望さしていただきます。
 次に、これまではこの問題を犯罪という視点で取り上げてまいりました。しかし、一方では、育児にストレスを感じ、ついつい子供につらく当たってしまうというケースも考えをめぐらせる必要がございます。この場合は、育児の負担をどう和らげるか、行政としての制度が機能しているのか、これで十分かということであります。
 現在の夫婦共稼ぎが当然の世代で、子育ての負担は大変な重荷で、保育施設の重要性は言うまでもありません。
 子育てにおける両親の負担を軽減するための取り組みの強化について、福祉保健部長にお尋ねいたします。
○副議長(岸本 健君) 福祉保健部長。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) 児童虐待を防止するためには、孤立しがちな子育て家庭の悩みや不安が深刻化する前に早期対応することが極めて重要であります。
 こうしたことから、県におきましては、児童相談ダイヤル189を開設し、365日24時間、相談員が対応しているほか、住民に身近な相談窓口である市町村への妊娠前から子育て期におけるさまざまな相談にワンストップで対応する子育て世代包括支援センターの設置を促進するため、市町村に対し、設置費用や運営費等を助成するとともに、先進的な取り組みを紹介する講演会や相談支援に必要な知識や技術を習得する専門研修会を開催しているところです。
 現在、子育て世代包括支援センターは15市町で運営されており、県といたしましては、平成31年度末までの全市町村の設置を目指し、積極的に支援しているところです。
 なお、市町村においては、地域の中で行政サービスを提供する橋渡しをしたり、自身の妊娠や子育て経験を通じて助言を行う母子保健推進員等を配置し、相談支援体制の充実を図っているところです。
○副議長(岸本 健君) 菅原博之君。
  〔菅原博之君、登壇〕
○菅原博之君 ありがとうございます。いろいろ努力していただいてると評価しております。ただ、これはひとえに保育行政が親の育児負担軽減にさらに踏み込まなければ、育児虐待はなくならないとも言えるのではないでしょうか。
 私は、議員になる前のことでありますが、和歌山市内に勤務しておりました際、あることで県の担当部署に朝、お伺いしたことがございます。そのときの光景がいまだに思い出されますが、事務机と事務机の間の通路の部分に寝袋に入って寝ている女性がおられました。私は、そのことに気づかずにその部署に入り、職員の方に挨拶を始めたものですから、その女性が起き上がり、どこかにすごすごと姿を消されました。後から事情を聞くと、家庭でパートナーから暴力を受け逃げてきた女性を保護しているということでございました。保護が深夜であったものですから、すぐに受け入れられる施設がなく、やむを得ずこの部署で職員の寝袋をお貸しし、一晩過ごしていただいた、こういうことはちょくちょくあるというお話でございました。
 その女性のことを思い出すたび、これが幼子も一緒ならどうだっただろうと思わずにはいられません。女性は、幼児がいることで行動が縛られてしまいます。
 人口減少に見舞われる中で、女性の社会進出がなければ社会も回っていかない、それは今後ますます顕著になってまいります。子育て世代が安心して子育てできる環境を整えなければ、人口減少の危機を乗り切ることはできません。そればかりか、両親の育児ストレスが子供に向かう事例は嫌というほどあるわけです。
 病児保育は、県内一部の地域で始まりましたが、軽度の体調不良に対応する保育所内の保健室設置を都市部にももっと強く働きかけるべきです。また、一時保育の施設をふやし、24時間、年中無休対応に近づけるなどの取り組みが行政側の努力として必要です。これは児童虐待のみならず、2人目、3人目の出産を検討してもらえるかどうか、本県の将来にも大きくかかわるポイントであると考えますので、このことも強く要望して、次の質問に移らしていただきます。
 さて、多種の対応を検討してまいりましたが、ここで最悪のケースを想定した場合、つまり子供を両親から引き離し、一時保護所や児童養護施設に入れざるを得ない場合に、誰がいつ判断するかなど、行政の意思決定の仕組みと具体的処置はどうなっているかということを取り上げます。これが子供に対する最後のとりでとなるわけであります。
 子供にとって、親とともに暮らせるならそれが一番よいという判断と、一方で、まともな親なら何度も虐待など繰り返さないわけですから、どこかで引き離しを判断しなければならない。しかし、行政としてちゅうちょするわけであります。ちゅうちょして最悪の結果を招くことが、現実に今回も他県で起きているわけでございます。
 子供を両親から引き離し、一時保護施設や児童養護施設に入れる必要があるかどうかの判断は、誰がいつするのか。行政の意思決定の仕組みと具体的処置はどうなっているのかお尋ねいたしますので、福祉保健部長に、本県では判断は大丈夫だとしっかりお答えいただきたいと思います。
○副議長(岸本 健君) 福祉保健部長。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) 児童相談所や市町村に寄せられた虐待事案につきましては、お互いに情報共有を図った上で、児童相談所が、現状の生活では児童の安全が確保されない状況にあり、即座に親子分離が必要と判断した場合は、速やかに児童の一時保護を行っているところです。その際、保護者の抵抗により一時保護が困難となることが予想される事案につきましては、あらかじめ警察に援助要請を行い対応しているところです。
 さらに、一時保護された家庭への対応としましては、保護を行った児童への心身のケアはもちろんのこと、虐待を行った保護者に対しても子育ての方法や親自身のストレス管理の学習、児童福祉司による家庭への助言、指導などの支援を行い、親子分離した家族の再統合に向けた取り組みを進めているところです。
 しかしながら、いまだ児童の安全が確保される状況ではなく、家庭への復帰が困難であると判断される場合には、保護者の同意を得た上で施設入所等の措置をとっているところです。ただし、保護者の同意を得られない場合においては、社会福祉審議会の措置専門部会の意見を聞いた上で、家庭裁判所の承認を得て施設入所等の措置をとっているところです。
 いずれにいたしましても、一時保護から施設入所等まで迅速に行い、児童の安全確保を最優先にした対応を行ってまいります。
○副議長(岸本 健君) 菅原博之君。
  〔菅原博之君、登壇〕
○菅原博之君 ありがとうございます。県民の皆様や市町村の最前線の現場で取り組んでいただいてる方たちにも十分に今の御答弁が心に響いたことを願って、次の質問に入らせていただきます。
 さて、次は本県の農業政策についてお伺いいたします。
 昨年、私は、6月議会で国へのAIやロボット農業についてビジョンを持って要望するべきだと質問させていただきました。昨年は、そういう先端農業の本県にマッチした取り組みを国に要望するということで質問させていただき、部長もそういう御趣旨の答弁をいただいたと理解しております。
 私は、本県農業の将来を考えたときに、将来ビジョンを具体的に絞り、その実現のために県みずから国に働きかけることが非常に重要だと考えております。その意味で、今議会の会期前に配付された国の施策及び予算に関する和歌山県の提案・要望には、そういったビジョンに基づく要望と思われる内容が乏しいと言わざるを得ません。
 しかし、こういうことは表面化していない部分での働きかけもあるのは承知しておりますので、そういう働きかけはどうなっているのか。本県農業の目指す将来ビジョンに応じた、特に先進のIT農業について、昨年6月議会で私の質問以降の国への働きかけの状況について、農林水産部長にお尋ねいたします。
○副議長(岸本 健君) 農林水産部長原 康雄君。
  〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) 県では、長期総合計画の中で農業の目指す方向として収益性の高い農業の実現を掲げ、その手段の1つとして、生産性向上のため、ICTやロボット等の革新的技術の活用によるスマート農業の推進を図っています。
 議員御質問の昨年6月議会以降の状況については、昨年5月の政府提案活動に引き続き、7月に再度、農林水産省を訪問し、本県の状況を説明するとともに、国の公募型研究における傾斜地を対象とした研究テーマの設定と予算の確保を要望しました。さらに、国の研究機関である農研機構にも同研究への主体的な参加を働きかけたところであります。
 その結果、傾斜地果樹でのドローン活用技術が平成30年度の公募型研究の課題として設定されるとともに、本年3月には農研機構を中心に本県を含む複数の公設試験場、機械やITのメーカーとともに公募型研究に応募し、6月に採択が決定いたしました。本県の働きかけにより、これまでほとんど進んでいなかった果樹でのドローン活用の技術開発が全国レベルで本格的に取り組まれることとなったものです。
 今後も、県としては、国、大学や機器開発メーカーと連携を強化し、本県農業に役立つ研究開発や先進技術の導入に積極的に取り組むとともに、国に対しても具体的な提案を行っていく所存であります。
○副議長(岸本 健君) 菅原博之君。
  〔菅原博之君、登壇〕
○菅原博之君 ありがとうございます。素早く要望に動いていただいて、成果を出していただいてると思います。本当にありがとうございます。
 昨年も質問の際に訴えさしていただきましたが、国は過去にも、先進農業に取り組む際には、地域を選定し、実証に取り組んだこともございましたし、東北や北陸では巨大なサイロや大規模な機械設備、施設を土地以外の全てを地元の負担にせずに、国が巨額を投入し、先進農業を普及させてきたという例もございます。つまり、当時の先進米作農業を普及させることが国の政策になっていて、そのとおり国が巨額を投じて東北や北陸各地に投資を行っていたことになります。
 本県農業の将来ビジョンを具体的に踏まえた国への要望を今後も続けていただき、要望でございますが、AIやロボットなど先進農業の研究施設をぜひ県内に誘致していただけるような国への働きかけを農林水産部にお願いいたします。これは、本県農業にとって大変重要なことだと思っております。
 では、次の質問に移らしていただきます。
 次に、県民の健康長寿への取り組みについてお尋ねいたします。
 去る4月18日、和歌山県立医科大学臨床講堂において、弘前大学センター・オブ・イノベーション拠点長、中路重之特任教授による「地域の健康づくりは可能なのか・青森の短命県返上活動より」という御講演が行われました。私も仄聞し、参加させていただいたのでありますが、その講演の内容は非常に斬新な考えに基づく活動と、息の長い地道な地道な活動を継続していくという部分がございました。
 まず、非常に斬新な考えに基づく活動の部分では、岩木健康増進プロジェクトと呼ばれる研究活動であります。岩木ビッグデータでは、1人の人間の分子生物学的データから社会環境データまでを全て関連づけた網羅的解析が可能になると見込まれております。つまり、人間の人生においてどの複数の要因がどれだけ作用すればどういうふうに体調が変化するのかを科学的に解明されると言える研究であります。まさに、病気や体の不調の根源を探る研究とも言えます。
 この取り組みのことを県も御存じでしょうか、福祉保健部長にお尋ねいたします。
○副議長(岸本 健君) 福祉保健部長。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) 弘前大学が進める岩木健康増進プロジェクトは、過去の生活習慣が健康にどう関係しているかを長期にわたって分析し、予防法を開発する研究です。
 このプロジェクトは、弘前市岩木地区の住民健診によって得た食生活、喫煙、運動などの生活習慣や病歴、血圧、血液検査、さらには遺伝子解析、腸内細菌と2000項目にわたる延べ2万人以上の健康ビッグデータを蓄積するなど、多くの住民から多項目のデータを13年間の長きにわたり追跡調査しており、検査項目数において日本では類を見ない研究と承知しています。
 なお、今年度から和歌山県立医科大学がこのプロジェクトに参加し、7月からは、これまで県内5町村で取り組んできた研究に、新たに腸内細菌などの検査項目を加え取り組んでいくと聞いております。
○副議長(岸本 健君) 菅原博之君。
  〔菅原博之君、登壇〕
○菅原博之君 ありがとうございます。県当局も御存じいただいているということで話が早いんですが、これはDNAなどの分子環境データ、また診療データや体内にすみついている共生細菌など、生理・生化学データ、あと個人生活活動データ、社会環境的データの4分野について収集されたビッグデータをもとに、疾患の予兆に関する研究と聞いております。
 さらに、青森県の短命県返上活動では、長寿県との寿命の違いが何歳ごろからあらわれるのかに着目した結果、早ければ40歳代から長寿の長野県との間で死亡率の差が徐々に、しかしはっきりとあらわれ始めることがデータとして得られたというお話でありました。
 そして、その現象の結論として、これは医療機関の差というよりは健康知識の差と言うほかはなく、ということは、生活習慣が要因の病気の場合は30年ぐらいかかって発現すると見られていることから、小学生や中学生から健康に関する知識を教えていかなければ容易に死亡年齢を上げることはできないという結論に至り、現在は医師による学校での健康講座に注力されているということでありました。将来は、その教育の中にも岩木健康増進プロジェクトの研究成果が生かされることになります。
 この取り組みに関して本県はどう評価されているのか、福祉保健部長にお尋ねいたします。
○副議長(岸本 健君) 福祉保健部長。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) 平成27年の青森県の平均寿命は男性78.67歳、女性85.93歳であり、全国最下位となっています。このため、青森県では、平成26年度から短命県返上を掲げて、県や市町村、事業所、学校など産官学民連携による積極的な取り組みを行っています。
 中でも、弘前大学は主導的な役割を担い、岩木健康増進プロジェクトを初め学校での健康教育に特に力を入れています。具体的には、小中学校100校に出向き、青森県の健康指標や生活習慣病の予防、運動プログラムなど年間を通じて6回にわたる授業を実施しています。その授業では、みずから開発した生活習慣病予防の動画や健康診断ゲームなどの教材を活用するなど、適正な生活習慣を実践できる健康教育に取り組んでいます。
 子供のころからの健康教育は重要であることから、本県におきましても今後の取り組みの参考にしたいと考えております。
○副議長(岸本 健君) 菅原博之君。
  〔菅原博之君、登壇〕
○菅原博之君 ありがとうございます。
 一方、この青森県の短命県の返上活動は県民活動として取り組まれており、それこそ青森県内37自治体による市長、町長による健康宣言や職域での健康経営認定事業の開始、現在100の企業が認定されているとのことでありますが、それらが学校での健康教育と三位一体となって活動が行われております。
 そして、私としては大変ショッキングと言うべきか、やはりそうだったのかと言うべきかという心境ですが、この御講演中に中路教授からある御意見がございました。
 それは、健康診断についてであります。人間ドックなど、今の健康診断に対する疑問が医学界の中から出ているというお話でございます。なぜならば、健康診断の受診率が上がっても、必ずしも死亡率の減少につながっていないという御指摘で、そうなるとこれはもう壮大な無駄遣いということになるという中路教授の御意見でございました。
 つまり、人間ドックや健康診断で診断結果を判定されても、その判定の意味するところや今後の健康に対する医学的知識を持たせないと健診の効果が上がらないということであります。そういう意味で、健康診断受診時の健康教育も大切な手法であるという御趣旨のお話もございました。
 また、岩木健康増進プロジェクトで目指す主な医学上の成果としては、ビッグデータを用いた疾患予兆法の開発、予兆因子に基づいた予兆法の開発、認知症サポートシステムの開発などであります。
 したがって、本県でも将来的にこの研究成果を含めることを念頭に、現状は健康教育の推進という考えで本県の保健衛生の取り組み、とりわけ青森県で行われているような学校での年間6回に及ぶ健康知識の講座や健康診断受診時の健康知識普及を推進すべきと考えております。
 このことについて、知事の御所見をお伺いいたします。
○副議長(岸本 健君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 本県においても、平均寿命、健康寿命ともに全国で低位にございますので、本年3月に第3次和歌山県健康増進計画の中間見直しを行い、1日の歩数が少ないことや喫煙率の低下が鈍化していることなど、健康課題を明示したところであります。
 その課題解決のために、従来から健康推進員の養成とか、最近は個人や地域間のウオーキング、運動した際のポイント制度とか、いろいろとこれまでの取り組みに加えて、今年度は市町村の取り組み発表やウオーキングイベントなど内容を充実し、参加団体もふやしてわかやま健康と食のフェスタを開催することにいたしました。
 また、全国健康保険協会和歌山支部と協力して、新たに健康事業所の認定制度を設け、健康づくりに積極的に取り組む事業所をふやしていくようにしたいと思います。
 健康教育についても、これまで小・中・高等学校において、保健体育の授業を中心に医師会や保健所の医師、保健師、管理栄養士による出前教室を実施してまいりました。今年度は、乳幼児の保護者や小・中・高校生を対象として、食生活、運動、たばこの害などの項目別に漫画を取り入れたわかりやすい教材を作成し、出前教室での活用はもちろんのこと、小・中・高等学校の授業等にも活用していくつもりでございます。
 また、特定健康診査受診時の健康教育にも積極的に活用してもらい、子供から大人までの生涯を通じた健康教育を充実さしていくつもりでございます。
 県としては、今後とも市町村、事業所、学校、健康ボランティアと一体となり、県民の皆さんが生涯を通じて心身ともに健康で長生きできるように取り組んでまいりたいと思います。
○副議長(岸本 健君) 菅原博之君。
  〔菅原博之君、登壇〕
○菅原博之君 ありがとうございます。
 ぜひ、学校での早いうちからの健康教育というのに注力していただきたいと思っております。どうか今後ともよろしくお願いいたします。
 これで、終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(岸本 健君) 以上で、菅原博之君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 次会は6月25日定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時34分散会

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