平成29年6月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(森 礼子議員の質疑及び一般質問)
平成29年6月 和歌山県議会定例会会議録
第5号(森 礼子議員の質疑及び一般質問)
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午後1時0分再開
○副議長(山本茂博君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
質疑及び一般質問を続行いたします。
26番森 礼子さん。
〔森 礼子君、登壇〕(拍手)
○森 礼子君 皆さん、こんにちは。森礼子です。議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、一般質問を始めさせていただきます。
まず初めに、サイクリング王国わかやまを目指して。
私は、平成26年度6月議会の一般質問において、しまなみ海道のサイクリング大会を手本に、サイクリングをインバウンドに活用すべきとの提案をいたしました。それゆえ、今回の新政策において、国内外からサイクリストを誘客するサイクリング王国わかやまが採択されたことは、地域活性化に役立つものと大いに期待しております。
そこで、以下6点、サイクリングについて質問をいたします。
まず1番目は、わかやまサイクリングフェスタ2017の反省点と次回の開催に向けてでございます。
3月26日に開催されたわかやまサイクリングフェスタ2017について、サイクリングフェスタは本県が主催する初めての本格的サイクリング大会でした。高野山など世界遺産をめぐる160キロの超難関コースや、景勝地・和歌浦の自然と和歌山ラーメンなど特産品が満喫できる60キロのグルメコース、ファミリーやサイクリング初心者向けの10キロの3つのコースが設定され、デンマーク大使や堺市長など来賓も駆けつけ、全国から定員いっぱいの600人のサイクリストが集う盛大な大会となりました。私も楽しみにしていましたが、浅井議長とのお別れの式と重なり、参加がかないませんでした。
知事は、今議会の提案説明で、サイクリング大会について大きな評価をいただいたと述べておられますが、報道や参加者からも大変楽しかったという声を伺い、大成功だったと思います。早速、サイクリングフェスタ2018の日程が3月末ごろの予定で進められているとのことですが、サイクリングフェスタ2017には、実は課題や反省点もありました。
例えば、160キロの高野山コースについては、完走がハードな山坂が長く続くことや、交通事故の危険性が高い箇所が含まれており、県内のサイクリング関係者からコースの見直しを指摘する声もあったと聞いていました。残念ながら転倒事故が発生し、20代の男性が負傷したと聞きます。大会1週間前の試走行でも同じ場所で事故があり、スタッフの間では、当日は十分な注意をしていこうとのことでした。
ほかにも自動車との接触事故が起きました。スタッフの到着するまでに救助に当たってくれた参加者は、橋本のくにぎ広場へは行けなかったと聞いています。結果的に、病院に搬送された負傷者は2人になりました。
また、日程の設定についても指摘があり、大会当日の天候は雨が降ったりやんだりの寒い1日でしたが、幸い悪天候ではありませんでした。しかし、3月末の高野山の気候を考えると、降雪の予想があり、道路が凍結する危険性があります。対応に苦慮する日程だったとも思います。
どうか2018大会は、さらにサイクリング協会や有識者の意見も取り入れて、よりすばらしい大会にしていただきたいと願います。次の大会に向けて、県の取り組みを企画部長に伺います。
○副議長(山本茂博君) ただいまの森礼子さんの質問に対する答弁を求めます。
企画部長髙瀨一郎君。
〔髙瀨一郎君、登壇〕
○企画部長(髙瀨一郎君) わかやまサイクリングフェスタ2017につきましては、県サイクリング協会や紀の川サイクリングクラブを初め、多くのサイクリング関係者や関係市町などと組織した実行委員会での協議により、コースや開催日時を決定いたしました。なお、コース設定に当たっては、県警察とも十分協議を行った上で決定したものであります。
また、実施に当たっては、減速を指示する警備員や注意喚起の看板なども配置し、約60名のサイクルリーダーにも参加者の危険回避について指示するよう徹底するとともに、6台の救護車、3台の救護予備車を用意し、総勢300名以上のスタッフで万全の安全対策を講じた上で開催いたしました。
参加者へは事前の案内や走行前の安全注意事項説明などで何度も下りでの減速を含め危険回避を周知しておりましたが、残念ながら2件の事故が発生してしまいました。その事故のうちの1件の交通事故は相手方の軽自動車がセンターラインをオーバーしてきた事故であり、こういった偶発的な交通事故の可能性を全く排除するとすれば、公道でのサイクリングイベントはできないということになります。他府県での事故の割合と比較しても多いという結果ではありませんが、事故が発生しないことがベストでありますので、さらに安全対策を徹底してまいります。
県としましては、サイクリストへの和歌山県の知名度を向上させ、サイクリング王国わかやまを定着させていくため、大規模イベントの継続は必要であると考えており、次回も開催してまいりたいと思っております。
参加者募集では、60キロコースは2週間で、ハードなコースであることを公表して募集した160キロコースは1カ月余りで定員に達し、千葉県から鹿児島県まで26都府県から参加があり、大変好評でした。
また、参加者へのアンケートでは、議員御指摘の160キロコースのコース評価で、58%が大変満足、35%が満足ということで、93%の方が満足であるという回答をいただいているところであり、ハードなコースがかえって評価されたと考えております。
60キロのコースにつきましては、インドネシアからの日本担当特使を初めとする参加者も含め、和歌山のグルメを堪能していただきましたが、和歌山ラーメンやイチゴなど、大変好評でした。次回は、さらに和歌山の魅力を味わっていただけるように内容の充実を考えております。
10キロのコースでは、デンマーク大使御夫妻も御参加され、紀の川の景色を楽しみながらサイクリングロードを走行いただきました。タンデム車の走行体験などもあり、視覚障害者の皆さんにも川辺の風を感じていただき、喜んでいただけたと聞いております。
アンケートの全体評価でも、3コース合わせて9割の方が大変満足もしくは満足との回答であり、わかやまサイクリングフェスタが高い評価をいただけたものと考えているところでございます。
次回開催に向けて、4月からサイクリング関係者や関係市町と反省会を開き、エイドで提供する飲食物の内容や出展等の充実、走行の安全性向上等について関係者と協議し、動き始めているところでございます。
今後とも参加者により満足していただける内容となるよう、県サイクリング協会を初め関係者と協力して準備を進めてまいります。
○副議長(山本茂博君) 森 礼子さん。
〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 本当にサイクリングフェスタは、走る前からとても評判が高くて、また終わってからも「すごく楽しかった」というふうに私も声を聞きました。私も一緒に行く予定だったので、たくさんの友達に声をかけてたんですが、そういう方からは「ぜひ次は一緒に走ろう」というふうに声をかけてもらってるんですけれども、より満足していただける内容になるようにということなので、アンケート調査などを参考にしながら、一つ一つ丁寧に改善していただきたいと思います。
また、県が開設したフェイスブックにも参加者からはたくさんの喜びの声と改善点が寄せられていますので、残念ながら何もコメント等がされてないので、今からでもフェイスブックをもう一度見て、回答したりとか、1つずつ改善につなげていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
続いて、質問さしてもらいます。
続いては、ブルーラインの設定など安全な自転車道の整備についてです。
現在、県内のサイクリング推奨コースは、至るところにブルーラインが設定されています。現状から推察すると、自動車の交通量が少ない場所に引き、交通量が多い場所には点線が敷かれているように感じます。
ブルーラインはどういう意図を持って引いているのでしょうか。道標にしては、迷いやすい交差点などにサインがありません。事故の危険性が高い交差点内に自転車が安全に渡れるようサポートする標示を引き、車に自転車の存在を注意喚起する標示が必要です。また、ブラインドコーナーが続く細い道などは、より一層の安全を守る工夫をすべきではないでしょうか。
サイクリングに力を入れている埼玉、栃木、東京、神奈川等の市町村では、観光だけでなく、自転車に乗る県民のためにも、国土交通省と警察庁が示した安全で快適な自転車利用環境創出ガイドラインに基づいた走行環境の整備や啓発を進めています。本県ではいかがでしょうか。サイクリング王国を目指すなら、和歌山にお越しいただいたサイクリングをする方々と自転車に乗る県民の安全を守り、走りやすい環境を整えていくべきだと考えます。
サイクリングロードにおけるブルーラインの設定など、安全に自転車を利用できる環境整備の現状と今後の取り組みについて、県土整備部長に伺います。
○副議長(山本茂博君) 県土整備部長森戸義貴君。
〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) サイクリングロードを示すブルーラインについてお尋ねを頂戴いたしました。
和歌山県が推進しております川、山、海の3つのサイクリングロードにつきましては、極力専用道路として整備を進めるとともに、交通量を考慮した上で、自動車が通行する道路を利用して県内全長約800キロメートルの整備を進めることとしてございます。
そのルートの選定に当たりましては、県が国及び市町村、関係機関の御意見を踏まえ、世界遺産や観光地などをめぐる、できる限り安全で快適なルートとなるよう選定をしてございます。
ブルーラインにつきましては、利用者の案内や誘導、自動車ドライバーへの注意喚起を図るために設置しているものでございまして、専用道路においては連続的に、交通量が比較的少ない自動車が通行する道路の区間では、ルートの連続性を認識できる距離として、100メートルごとに長さ5メートルのブルーラインを設置することを基本としてございます。なお、交差点部などについては、100メートル間隔にかかわらずブルーラインを設置し、あわせてルートの方向を示す矢印の路面標示を設置することとしてございます。
引き続き、議員から御紹介のございました安全で快適な自転車利用環境創出ガイドラインなどを参考に交差点部の路面標示の設置を検討いたしますとともに、見通しの悪いカーブなどについては地形の状況に応じた対応を図るなどの検討を行う必要があると考えており、関係機関の御意見をお伺いしながら、一層の安全確保に努めてまいりたいと考えてございます。あわせて、より快適な自転車利用環境の整備のため、案内看板、路面標示等を充実してまいります。
○副議長(山本茂博君) 森 礼子さん。
〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 では、どうぞよろしくお願いいたします。
次は、サイクリストお迎えポイントの整備について。
本年3月8日、自民党県議団でサイクルナビゲーターの絹代さんをお招きし、サイクリングの現状と本県とのかかわりについてお話を伺いました。
現在、世界中でサイクリストが自転車を持参して、旅先でサイクリングを楽しんでいます。これを輪行──輪っかが行くと書きますが、この輪行するサイクリストを迎えるため、さまざまな受け入れ準備が進められています。
本県では、サイクリストが来県する方法として、自動車、電車、飛行機、フェリーが考えられます。私は、本県にサイクリストを迎えるためには、どのような交通手段で来ても、サイクリストが到着後すぐにサイクリングができる環境整備が大切だと思います。
車で来県する人には駐車場が必要です。ある和歌山市内のスーパー銭湯は、サイクリストに入湯を条件に駐車場を開放するサービスを行っています。電車や飛行機で輪行してきた方には、駅構内や駅周辺、空港内に自転車を組み立てるスペースの提供や、基本工具や空気を抜いて運んできた自転車に空気を入れられるフロアポンプの貸し出し、また、バイクラック、簡単な修理工具や自転車に乗るには持ち歩けない輪行袋や手荷物を預けるサービス、コインロッカーなどがあれば、非常に喜ばれるおもてなしだと思います。
また、南紀白浜空港においては、空港で自転車の受け取りが可能なら、自転車を組み立て、直ちに空港からサイクリングを楽しむことができます。関空、神戸、伊丹ではできません。サイクリングコースの中にある白浜空港だからこそ、空港からサイクリングを楽しむことができます。白浜空港での自転車宅配受け取りシステムができれば、サイクリストという新たな観光客を呼び込む白浜空港の利用促進にもつながると思います。
こういったサイクリストのお迎えポイントを整備することはサイクリストの受け入れ体制向上につながると考えますが、企画部長に伺います。
○副議長(山本茂博君) 企画部長。
〔髙瀨一郎君、登壇〕
○企画部長(髙瀨一郎君) 和歌山県の場合、電車や飛行機など、どの交通手段で訪れていただいても、ほとんどの駅は混雑しておりませんし、白浜空港も駐車場など近くに十分なスペースがありますので、そこで自転車を組み立てることができることから、県として組み立てスペースを整備する考えはございません。
しかし、さまざまなサイクリング関係者の意見をお聞きしたところ、一番皆さんに喜んでいただけるのは、サイクルステーションの充実であります。県では、当初、サイクルステーション整備促進のため市町村補助を行い、既に68カ所設置できておりますが、今後は空気入れや修理工具の貸し出し、バイクラックの設置、荷物を預けるサービスや自転車の宅配受け取りサービスといった、サイクリストのおもてなしに協力いただけるコンビニを初めとする民間事業者等をサイクルステーションとして登録し、マップやサイトでPRすることにより集客支援するという方法で、全県で拡充していく予定でございます。
昨年、サイクルステーションの情報を掲載し作成したサイクリスト向けマップが大変好評となっているところですが、情報の更新がすぐに反映されるよう、今後、登録いただいたサイクルステーションにつきましては、今年度作成するサイクリスト向けの情報サイトに掲載し、積極的に広報してまいります。
○副議長(山本茂博君) 森 礼子さん。
〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 お手元に資料を配付させていただいてるんですけれども、全国的に人気のあるところの、サイクリングに取り組んでいる都道府県では、例えばJRの土浦駅の東口にあるところはすごくすばらしい施設ができているというふうにも聞いておりますし、フェリーに対しても、空港に対しても、来てすぐに発進できるようなおもてなしがあってこそ、そこが拠点になって広がっていくというふうに聞いておりますので、いろんなところとタッグを組みながら、考えていないということではなくて、一生懸命取り組んでいただきたいとお願いします。
では、次に移ります。次は、サイクリングによる健康増進について伺います。
自転車は、環境に優しく健康的な乗り物です。本県でも多くの県民が自転車で通勤・通学しています。絹代さんのお話では、ヨーロッパでは国家が自転車を推奨するのは、環境や渋滞対策だけではなく、医療費削減というのも一般的な理由だそうです。例えば、本県と御縁のあるデンマークでは、首都コペンハーゲンの自転車通勤率を35%から50%に引き上げるために、国家がサイクリング振興策をとっています。その経費は、4年間で2000万クローネ、日本円で約3億4000万円かかりましたが、保険医療費は3300万クローネ、日本円で約5億6000万円減少したと言われています。
近年、我が国では、人工透析患者は30万人を突破しました。人工透析にかかる医療費は年間500~600万円もかかり、合計で約1兆5000億円も費やされています。この人工透析の原因の第1位は糖尿病で、糖尿病に有効なサイクリングの普及が大きく医療費を削減することは明白です。本県でも、花王が通勤に自転車利用を推奨しており、健康増進に大きな成果を上げていると聞きます。
そこで、花王のように自転車を活用した健康づくりに取り組んでいる企業や学校、団体を顕彰するとともに、自転車協定を結び、ネットワークを広げるなど、オール和歌山で取り組めば、サイクリング王国わかやまの1つの柱になると思いますが、福祉保健部長の所見をお伺いいたします。
○副議長(山本茂博君) 福祉保健部長山本等士君。
〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) サイクリングなど適度な運動を習慣的に実施することは、生活習慣病の予防に効果的であることから、県では本年10月から、運動習慣が地域ぐるみで楽しみながら定着するように、「みんなで実践!健康づくり運動ポイント事業」を実施することとしています。この事業は、ポイントを多く獲得した自治会や個人を表彰する仕組みとなっており、県民みんなが参加できるよう積極的に取り組んでまいります。
さらに、県といたしましては、サイクリングを初めとする運動や野菜を多くとることを習慣づけるなど、健康づくりに総合的に取り組むことが重要であると認識しておりまして、今後、企業や団体等と連携し、健康づくりのネットワークを広げてまいりたいと考えております。
○副議長(山本茂博君) 森 礼子さん。
〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 次、自転車活用推進計画の策定について。
今や自転車活用は世界的潮流で、そのための法律や制度、施設、サービスが急速に整備されつつあります。我が国でも、本年5月1日、自転車活用推進法が施行され、自転車の利用を促進するためのハード、ソフトの対策が講じられることとなりました。まさにサイクリング王国わかやまは、世界的時流に乗ったすばらしい政策であると思います。
幸い、同法の第10条には都道府県の自転車活用推進計画が規定されておりますが、私は、今後サイクリングフェスタを継続していくに当たっても、サイクリング王国わかやまを築いていくに当たっても、ぜひとも自転車活用推進計画を策定することが大切だと思います。
そこで、自転車活用推進計画の策定について、県土整備部長に伺います。
○副議長(山本茂博君) 県土整備部長。
〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 自転車活用推進計画の策定について御質問を頂戴いたしました。
自転車活用推進計画の策定につきましては、本年5月に施行されました自転車活用推進法において、国、都道府県及び市区町村の推進計画についてそれぞれ規定がされてございます。
国の定める推進計画につきましては、同法の基本方針に即して閣議決定をもって定めなければならないと規定されており、おおむね1年後を目途に策定することとなってございます。
一方、各都道府県、市区町村は、区域の実情に応じた自転車活用推進計画を定めるよう努めることと規定されており、和歌山県としましても、国の推進計画策定に係る動向に注視し、同推進計画の策定について庁内でその検討を進める必要があると考えてございます。
今後とも、自転車施策の推進のため、庁内各課や市町村、関係機関や民間団体と連携の上、自転車の活用を総合的かつ計画的に推進してまいります。
○副議長(山本茂博君) 森 礼子さん。
〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 次は、サイクリング王国にかける知事の思いについて。
自転車は、環境に優しく健康的な乗り物として、世界中に普及しています。欧米の先進国では、自転車道の整備など自転車中心の都市政策が進んでいます。サイクリングは世界的ブームとなり、国内はもとより海外にまで愛車を持ち込んでサイクリングを楽しんでいますので、さらにたくさんのお客様にお越しいただくには、国内外に向けた情報発信が大事だと考えます。
また、私は地元でサイクリングを楽しんでいますが、来てもらったお客様にとって親切なサービスなどの充実も大切ではないでしょうか。
「サイクリング王国わかやまを目指して」の質問に、今回大きく5つの答弁をいただきましたが、それらを踏まえ、サイクリング王国わかやまを新政策として強力に推し進めていく知事のサイクリングに対する思いをお伺いいたします。
○副議長(山本茂博君) 知事仁坂吉伸君。
〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 現在、県で整備している約800キロメートルの川、山、海のサイクリングロードにつきましては、豊かな自然を生かしてつくられた起伏の激しい変化に富んだコースとなっております。紀の川については起伏はあんまりないんですけど、残りのところはそういう感じもあります。そういう意味では、サイクリストにとっては魅力的なものであるということでございます。
この魅力的なサイクリングロードに国内外からたくさんのお客様にお越しいただきたいと考えておりまして、サイクリングを楽しむ愛好者や初心者等の幅広いターゲットにそれぞれ届くような情報発信を行うことで、サイクリングと組み合わせた旅の楽しみ方を提案してまいりたい、そんなふうに思っております。
また、お越しいただいたお客様の目線に立った受け入れ環境を整備することも重要でございまして、サイクリストに優しい宿泊施設やサイクルステーションの拡充、サイクリストが手軽に情報を入手できるウエブの充実等を進めてまいりたいと思います。
こうした取り組みを積極的に進め、県内にお客様にお越しいただくことによって、サイクリングで県の力を高めるというようなことをやっていきたいと思います。
○副議長(山本茂博君) 森 礼子さん。
〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 ぜひ、サイクリング王国わかやまを推進していって、サイクリングといえば和歌山だというふうに、全国で広まっていくように頑張っていただきたいと思います。せっかくいい新政策なので、中途半端に終わらないように願っております。
では、このまま次の質問に。次は、インフルエンザ流行時の対応について質問させていただきます。
私は、常に「女性目線で」を議員活動の基本姿勢に取り組んでおります。仕事と育児の両立を掲げ、女性が活躍できる和歌山を築きたいと思っています。
和歌山で必要性の高い病児・病後児保育に関しては、平成22年度には5圏域7施設だったのが、平成28年度には7圏域13施設へとふやすことができ、働くお母様方からは本当にありがたいというふうにお言葉をいただいています。しかし、和歌山市においては、質、量ともに十分足りているとは言えないので、県民の声をよく聞いて、さらに充実させていきたいと思っています。
そんな中、最近聞くのが、インフルエンザ流行時の2つの課題です。
1つ目は、夜間・休日における救急診療についてです。
インフルエンザ流行時の夜間・休日の診療体制については、10月にもなるとインフルエンザ予防接種が始まり、高齢者、子供を中心に多くの人が予防接種を受けます。にもかかわらず、冬の訪れとともにインフルエンザ患者は増加し、年が明けたころにはピークを迎え、学級閉鎖や学年閉鎖の報道がされます。そのころの患者数は平素の何十倍にもふえ、病院での混雑が目に見えて想像ができます。
特に問題であるのは、夜間・休日の診療体制です。診療施設が限られているため患者が集中し、病院内はインフルエンザ患者でごった返し、診察してもらうまで長い時間待ちという状態です。大人の場合、患者数の多さと長い待ち時間、子供の泣く声やぐったりしている様子を見て、診察を断念して帰ることもあるそうです。しかし、高齢者や子供はそういうわけにはいきません。
なぜ診察時間内に受診をしないで、夜間・休日にふえていくのだろうかと考えましたが、理由は簡単で、昼間とかウイークデーは働いているので、その時間は子供に我慢をさせたり自分も我慢したりして、勤務時間外の夜間や休日に診察を受けるという流れになっていると考えられます。
インフルエンザにかかったときの対応は、できるだけ早く受診をし、抗インフルエンザ薬を投与してもらうことが体調を悪化させない対処だと考えられています。インフルエンザは、1つ間違えば重篤になる恐ろしい病気です。報道はされていませんが、多くの人がインフルエンザで亡くなっています。
毎年流行するインフルエンザの夜間・休日の診療体制をぜひ改善していただきたいと願いますが、どのように取り組むのか、福祉保健部長に伺います。
○副議長(山本茂博君) 森礼子議員に申し上げます。分割質問方式でしたので。続けてお願いします。
○森 礼子君 済みません。続けて読みます。
続いて、病児・病後児保育における対応について。
インフルエンザ流行時の状況は言うまでもなく、保育人数のキャパが足りず、多くの働く女性が困っているのが現状です。
病児・病後児保育は一度に預けられる人数に限りがある上、さらにインフルエンザの子供と普通の風邪の子供は部屋を別にする必要があり、事態は深刻です。特に平成28年の冬は、インフルエンザが猛威を振るい、感染者が異常に多く、学級閉鎖が拡大し、働く女性を悩ませました。インフルエンザは毎年流行します。私の知り合いからも、毎年の当たり前のことだから何も対策はしてくれないのかと多くの声が届いています。
今この時期にインフルエンザは時期外れと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、今からでも年末の対応には時間が足りないかもしれません。前回12月の答弁に、「インフルエンザ流行時には十分な対応ができず足りていない」とありました。おかげさまで病児・病後児保育の受け皿は徐々にふえております。さらに常時の受け皿体制をふやすことができればいいのですが、まずはインフルエンザの流行時の対策はできないでしょうか。インフルエンザ流行時の病児・病後児保育の改善についてどのような対策をとられるのか、福祉保健部長に伺います。
○副議長(山本茂博君) 福祉保健部長。
〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) まず初めに、インフルエンザ流行時の夜間・休日の救急診療についてお答えします。
県のインフルエンザ対策として、予防接種による重症化予防やかかりつけ医への早目の受診の啓発に努めているところでございます。また、圏域ごとの夜間・休日診療体制の整備に取り組んでおり、特に人口の密集する和歌山市では、和歌山市夜間・休日応急診療センターにおいて、平成29年度から予約番号案内システムを導入し、診療センター内での待ち時間縮減を図るとともに、流行時に小児科を2診体制にふやすこととし、診療体制の充実を図っております。
次に、病児・病後児保育における対応についてお答えします。
インフルエンザ流行時に病児・病後児保育のニーズが高くなることは事実でありまして、医療機関の受け入れ体制の充実を図る必要があることは十分認識しております。しかしながら、インフルエンザ流行時は医療機関としても必然的に需要が高まる状況にありまして、病児・病後児保育の受け入れを拡大しようとすれば、看護師や保育士などの専門職を一時的に確保し、また、保育スペースとして既存施設を拡充することが必要となるため、臨時的な対応は難しい状況にあります。
そのため、県といたしましては、まずは常時の受け入れ対応が可能な医療機関がふえるよう、次に、既に実施している医療機関等の定員枠が拡大するよう、実施主体である市町村に働きかけてまいりました。その結果、今秋には和歌山市の1医療機関が新たに開設する予定となっております。
今後とも、病児・病後児保育の充実に向け、市町村に対して積極的に働きかけてまいります。
○副議長(山本茂博君) 森 礼子さん。
〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 以上で、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(山本茂博君) 以上で、森礼子さんの質問が終了いたしました。