平成29年6月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(多田純一議員の質疑及び一般質問)


平成29年6月 和歌山県議会定例会会議録

第3号(多田純一議員の質疑及び一般質問)


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 質疑及び一般質問を続行いたします。
 30番多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕(拍手)
○多田純一君 おはようございます。
 議長にお許しいただきましたので、早速一般質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、特定複合観光施設区域整備計画について、お伺いをしたいと思います。
 先ほど、山田議員からも御質問がありました。重複する部分は割愛し、特定複合観光施設区域整備計画、いわゆるIRカジノ構想を本県として進めるに当たって外せないと考えている点をお伺いしたいと思います。
 昨年12月、IRカジノ推進法が可決・成立し、12月26日施行、附帯決議には、施行後1年以内をめどに、カジノ規制やギャンブル依存症対策を盛り込んだ実施法の法制上の措置を講じるとされております。IRカジノについては、世界には成功事例も失敗事例もありますし、どこで施設を考えるのかで大きく変わってまいります。党として勉強会を重ねていますが、今の時点では、まだ賛成、反対を言える段階じゃないと思っております。どのようなIRカジノを和歌山でつくろうとしているのか、それを見きわめる必要があります。
 IRは、内容も重要ですが、それとIR施設地元住民や周辺地域の方々の理解と協力、そして、議会の同意がないと進みません。ギャンブル依存症への対応、そして治安が悪くなり、反社会勢力の介入や青少年に悪影響が出る、そういった心配がカジノに対して抱くマイナスのイメージとなっているのも事実です。それを払拭するのも大変なことです。
 昨年の推進法成立を受けて、政府は安倍総理を本部長、各閣僚を副本部長として、特定複合観光施設区域整備推進本部をことし3月に立ち上げ、きのうまで都合5回推進会議が行われ、急ピッチに法案の骨子ができ上がっている感じがいたします。施行後1年以内ですから、早ければ今秋にも予定される臨時国会に法案として上程されるかもしれませんし、遅くとも来年1月の通常国会には法案として審議され、具体的な内容となることは間違いありません。
 現在、和歌山県を初め北海道、神奈川県、大阪府、長崎県など、複数自治体が名乗りを上げているようです。推進法審議の中で、日本全体の国際観光、地域振興、財政に寄与するもので、それなりの規模のものを想定、2つ、3つぐらいからスタートし、その効果を検証しながら、段階的に数をどの程度ふやしていくのかも考えるべきという答弁もございましたし、附帯決議でも厳格に少数に限るとうたわれております。
 知事の構想ではカジノは外国人専用とするとされていますが、未来永劫までそうとは限らないともおっしゃっておられます。また、有識者会議ではカジノ営業を法律であらかじめ制限することも検討されており、今後の方針にも影響するのではないかと思われます。
 スケジュールを考えますと、実施法案の行方次第ですが、今年度末ぐらいまでには県として施設などの規模や観光や地域振興、そして財政効果など、計画の準備をしていかなければなりません。また、何より県民の不安にどのように対処するのか、住民への説明を行わなければなりません。IRカジノを導入するか否かは、最終的には県民がどこまでカジノのメリット、デメリットを正確に把握し、判断を下すかにかかっていると思います。カジノ導入に伴うマイナス面がプラス面よりはるかに大きいと判断した場合には、誘致を進めることは難しいと判断します。どのように県民の理解を進めていくのか、知事のお考えをお聞かせください。
○議長(尾﨑太郎君) ただいまの多田純一君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) IR推進法の附帯決議には、地方公共団体が特定複合観光施設区域の認定申請を行うに当たっては、公営競技の法制に倣い、地元議会の同意を要件とすると書かれておりまして、IRの誘致を円滑に進めるためには県民の理解が必要であるというふうなことは自明であると思います。県民の理解を進めるに当たり大切なことは、そもそもIRとはどういう施設なのかというようなことについて、正確に認識をいただくということが大事だと思います。
 そのため、県では、記者会見や研修会などさまざまな機会を捉えて、IRは単なるカジノではないというのはもちろんのこと、カジノホテルでもなく、会議場、ショッピングモールその他さまざまなエンターテインメント施設等が一体となった複合的な観光・集客施設であるということを発信してきたところでございますし、また、それにかかわる問題点についても、対策も含めて考え方を表明しているところであります。
 ただ、全ての県民にこのような情報が届いているわけではないというふうに思っておりますし、説明をしても耳を傾けず、何が何でも反対をしなければと思い込んでいる人や団体もいるということも事実だろうと思います。
 多くの雇用や、あるいは多額の地元調達を生むなどのメリットや、ギャンブル依存症といったデメリット、またこれを防ぐための対策などの正確な情報を県民に提供することにより、これを共有していただいて、正しい認識をいただくことが必要であると考えております。
 今後、県、市及び地元経済界などさまざまな主体が、例えばシンポジウムとか説明会をどんどん開催して、県、市が掲げるリゾート型IRの構想、ギャンブル依存症対策としてのカジノ施設部分への日本人の入場制限などの考え方について、丁寧な説明をそういう場で行えればよいなあというふうに思っております。情報の提供には、ちゅうちょするところは全くありません。
○議長(尾﨑太郎君) 多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 お答えをいただきました。
 たまたま、けさの新聞を見てますと、これは「産経新聞」ですけども、IRのことが1面に取り上げられておりました。大阪府・市で初セミナーと、「IR誘致 関西圏で過熱」、こういう記事でございましたけども、関西圏では、この大阪と、それから和歌山ということになるんでしょうか。それぞれが今進めている状況ですけども、この大阪府ではもう既にセミナーを開催してやってらっしゃるということでございますんで、今も私も質問させていただきましたけども、知事や、また和歌山市の尾花市長がいろいろ記者会見する内容は記事になってまた情報として発信されると思うんですけども、実際に知事や市長も含めて、生のいろんな説明をする状況下に来てるんじゃないかなと思うんですね。そういう意味では、このセミナーにするのか、住民説明会にするのかわかりませんけども、もうそろそろ準備をされて、用意していただいたほうがいいんじゃないかと思うんです。
 この記事によりますと、何回かする中で、大阪の構想もこの秋口からきちっと説明していくと、こういう内容になってました。外国人専用ということでございますけども、実際にそういうことを含めて、知事から具体的に説明会を持っていただきたいと、こういうふうに思いますけども、時期の想定というのはどうなっているんでしょうか、再質問させていただきます。
○議長(尾﨑太郎君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 例えば、いろんな方々が自分たちの、例えば産業界とか、あるいはある大きな団体とか、そういうところで何か聞きたいからというお話があったり、それから、商工会議所を中心とするようなそういう組織もできてますから、そういうようなところでもどんどんそういう話が進めばいいと思うんです。
 県や市も、まだ別に何月何日にそれと決めてるわけじゃございませんが、きょうのようなお話がありましたので、どんどんやったらいいと思っております。何か、こんなものは1回やりゃ終わりという、そういう手続儀礼みたいな話じゃなくて、どんどこやればいいわけですね。というようなことで、関心を持ってる皆さんについては、どんどん言っていただければいいというふうに考えております。
○議長(尾﨑太郎君) 多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 それでは、続いて行財政改革の取り組みについて、お尋ねをします。
 この3月に策定されました中期行財政経営プランは、仁坂知事にとりましては3度目の行財政改革プランとなります。今回は、1年前倒しをして策定した長期総合計画10年と、将来にわたる持続可能な行財政運営を平成29年度から平成33年度までの5年間のプランと位置づけ、車でいう両輪として計画したものと受けとめております。
 地方財政はますます厳しい時代を迎えており、本県も待ったなしの行財政改革を進めていかなければなりません。今回のプランでは財調・県債基金は、この5年間、目標値の150億円を最終年度まで維持し、県債の年度末残高見込みは、平成29年度に比べて181億円増の6795億円と見込んでおられます。
 一方、県の公共施設等総合管理計画で示された内容では、県が平成27年度末時点と同規模の公共建築物を維持した場合、今後30年間の老朽化対策の費用は約3969億円と見積もり、中期計画終了後以降に公共建築物の更新や大規模修繕などで年間100億円以上の規模の経費が20年以上続くという予測です。
 高齢化が既に進展している本県におきましては、65歳以上の高齢者人口は、2030年(平成42年)ごろにピークに達すると見込まれることから、人口減、高齢化対策など、ますます重要になってまいります。
 将来にわたって県民が安心できる行財政運営に向けた行政改革についての知事の御見解を伺います。
○議長(尾﨑太郎君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 県政を進めていくに当たり、本県を取り巻く環境の変化に適切に対応をしつつ、県民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げることができるよう、いついかなるときも行財政改革の取り組みを進めていくことは当然のことであると思います。知事に就任して以来、数次の行財政改革推進プランに基づく取り組みを推進してきたのもこういう考え方からでございます。
 本年3月には新たな長期総合計画を策定するとともに、その長期総合計画の実現と将来にわたる持続的な行財政運営の確保の両立を目指すために、平成29年度からの5年間の行財政運営の方向性を定めた中期行財政経営プランを策定したところでございます。
 まず、このプランに基づきまして、限られた行財政資源の中で、県庁挙げて行財政改革の取り組みを着実に実施していく所存であります。もちろん、プラン終了後も社会情勢の変化に適切に対応できるように、行財政改革の歩みをとめることはすべきではないし、そんなことをできる状況にはないだろうというふうに思ってる次第でございます。
○議長(尾﨑太郎君) 多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 行財政改革の柱は幾つかあると考えます。今回は、その中で職員人員体制、指定管理者制度導入による施設管理について、未利用地の活性化の3点に絞って取り上げたいと思います。
 特別行政部門の職員人員体制では、警察部門で25人増、教育部門ではこの5年間で280人、毎年平均56人の削減となっています。学級編制及び教職員定数の標準に関する法律により、児童生徒数の実態に合わせて教職員数も変わってきます。教職員の多忙化が問題視されてる中、現状の勤務実態に配慮して人員体制を計画してると伺っております。教職員人員体制の中で、現状の教職員の勤務実態とその対応について、教育長にお尋ねをしたいと思います。
○議長(尾﨑太郎君) 教育長宮下和己君。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 教職員の勤務状況につきましては、平成28年度に文部科学省が全国の小中学校を調査したところ、家に持ち帰って行う業務などの時間も含め、1週間当たりの勤務時間が60時間以上となる教諭の割合は、小学校で33.5%、中学校で57.7%でありました。県立中・高等学校、特別支援学校の教職員につきましては、調査の条件や内容が国とは異なりますが、県教育委員会の調査では、勤務時間外における業務が1カ月当たり80時間以上となる教職員の割合は、平成28年度で6.8%となっております。長時間勤務となる主な要因として、生徒指導、保護者対応、部活動の指導等が挙げられております。
 県教育委員会では、これまでも校務支援システムの導入や調査・アンケートの削減など、多忙化の解消に向けた対策を講じてきたところです。ことし3月には、新たに校務の効率化に向けた取組指針を作成し、校務分掌の精選・重点化や会議、打ち合わせの精選・スリム化など、具体的な7つの重点項目を示し、学校長及び教職員みずからが勤務状況をチェックするなど、校務の効率化に徹底して取り組みを指導しているところです。
 また、運動部活動につきましては、週1日は休養日を設けることや、適切な練習時間等を示した和歌山県中学校運動部活動指針が各学校で適切に適用されるよう指導を徹底しているところであり、今後、その定着を確認してまいります。
 さらに、今年度、中学校では顧問の教員の負担軽減と指導体制の充実を図るため、外部指導者と部活動指導員の配置を進めており、現在、7市12町と県立中学校に110名の指導者を配置しているところです。
 今後とも、市町村教育委員会とともに、業務の効率化など多忙化の解消に取り組んでまいります。また、今後、少子化の影響による教職員数の減少が予想される中ではありますが、国に対して教員定数の確保など、これまで以上に強く要望してまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 続いて、指定管理者制度導入について、その成果と課題についてお聞きしたいと思います。
 住民福祉の増進を図るため、公の施設について民間事業者等が有するノウハウを活用することで住民サービスの質の向上と行政効率を上げる目的で、指定管理者制度が平成15年9月スタートしました。本県では、平成17年1月から指定管理者制度が導入され、本年4月1日現在、39施設が指定管理者により運営されております。
 全国都道府県別指定管理者制度導入施設を確認いたしますと、神奈川県が導入率100%、続いて大阪府が96.9%、福島県の92.9%、和歌山県は156施設のうち39施設、導入率25.0%となっております。平均導入率が60%となっていますので、進んでいないのか導入に慎重になっているのか、どうなのでしょうか。
 選択の仕方も、28施設が公募、11施設が非公募ということです。指定管理者期間は一部を除きほとんど3年間となっておりますので、5期目という長期指定管理者にもなってきております。本来の趣旨、目的からすると公募が望ましいはずですが、いまだ11施設、全体の4分の1が非公募になっているのは理由があるのでしょうか。工夫の余地があると言えます。
 また一方で、今も県が直接運営している美術館、博物館、図書館など文教施設の指定管理者制度導入が可能な施設なども検討の余地が残っていると思います。
 平成27年8月、総務省から「地方行政サービス改革の推進に関する留意事項」の通知に指定管理者制度等の活用として、既に指定管理者制度を導入している施設について、その管理のあり方について検証を行い、より効果的、効率的な運営に努めること、また、施設目的等から直営を選択している場合であっても、窓口業務や貸し室業務、施設・設備管理といった業務について、部分的に指定管理者制度を導入する等、幅広い視点からその管理のあり方について検証することとされております。
 現在、指定管理者制度を導入している施設の制度導入後の成果と課題についてお示しください。また、現在直営施設となっている施設について、制度導入の検討を進めてこられたのか、また、制度導入の成果及び直営施設の制度導入の適否を検討する第三者検証委員会等設置についてのお考えを総務部長、お答えください。
○議長(尾﨑太郎君) 総務部長浦上哲朗君。
  〔浦上哲朗君、登壇〕
○総務部長(浦上哲朗君) 指定管理者制度についてでございますけれども、本県では、民間事業者等のノウハウを生かすことで公共サービスの向上を図るとともに、経費の削減が期待できる施設について、平成18年度から本格的に指定管理者制度を導入いたしました。
 制度導入後の成果としましては、サービス面においては、例えば、開館日数を増加させるとか運営上の工夫、それから自主事業の実施などによりまして、利用者が増加するなどの効果があったところであります。また、経費面においては、制度導入前と比べて、単年度ベースで約15億円のコスト削減効果があり、制度導入により施設の効用が高まったところでございます。
 一方、課題としましては、県内においては施設を総合的に管理運営できるノウハウを有する民間事業者が少ないという点が挙げられると思います。直営施設における制度導入の検討につきましては、適宜行ってきたところでございますけれども、今後、直営施設を含めた公共施設等について、本年3月に策定した公共施設等総合管理計画、これに基づきまして、個別の施設について、制度導入の適否も含めてそのあり方を見直すこととしております。その見直し方法についても、議員御提案の第三者による検証なども含め、どのような方法が適切か、ほかの自治体の取り組み等も参考にしながら、各施設の特性に応じて検討してまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 次の質問に移りたいと思います。
 県有未利用地財産、これまでの取り組みについてお尋ねをしたいと思います。
 平成20年のプランでは、平成24年までの処分計画だけで以前の総括がなく、また平成24年の改定ではその概念だけが記されており、以前の総括がありません。また、このたびのプランでも、平成27年度まで売却された歳入の実績は4億1000万ということになっております。県有未利用地財産の全体像とその処分状況及び県における取り組みを総務部長にお聞きします。
○議長(尾﨑太郎君) 総務部長。
  〔浦上哲朗君、登壇〕
○総務部長(浦上哲朗君) 未利用地についてでございますけれども、知事就任後の平成19年3月末時点での一般県有地は約84万9000平方メートルでございましたが、そのうち未利用の状況であった土地は、約60万8000平方メートルでございました。
 県におきましては、新聞広告への掲載、現地での看板設置による売却情報の広報に加えまして、全国に先駆けて公有財産のインターネットオークションを実施しまして、平成19年3月末時点の未利用地のうち約19万7000平方メートル、これを処分したところでございます。
 その結果、一般県有地における未利用地の割合は、平成19年3月末時点で約72%であったものが平成29年3月末時点で約45%に減少しております。
 今後とも、未利用地の有効な活用に努めてまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 未利用地となっている中で、旧六星寮跡地についてお聞きしたいと思います。
 六星寮は、昭和24年、盲学校の福祉的寮として和歌山市湊通丁、今のアバローム紀の国のあたりに建設されました。その後、昭和40年11月、和歌山市府中へ和歌山盲学校及び六星寮が移転を、平成2年に有功が丘学園に併設統合され、六星寮は廃止されております。和歌山県盲学校の福祉目的の六星寮は、発足してから廃止まで約40年間、府中に移転してからでも25年間で役目を終え、幕を閉じたことになります。
 かつて、議会の議事録を読みますと、移転してきた当時、寮生活のさまざまな問題を抱えた寮生活の改善など、先輩議員の質問など、関係者の思いがこもった寮だったこともうかがえます。旧六星寮跡地について今日までの経緯について、福祉保健部長にお聞きしたいと思います。
○議長(尾﨑太郎君) 福祉保健部長山本等士君。
  〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) 児童福祉法に基づく盲児の入所施設であった旧六星寮につきましては、入所児童の減少に伴い平成2年に廃止しております。
 廃止後は、視覚障害者団体を初め関係団体からの要望も踏まえて、同施設の利活用を含めた検討を重ねてまいりましたが、具体的な活用方策を見出せずに、平成22年に当該建物を解体撤去したところです。
 その後は、県の普通財産にして速やかに売却する方針でしたが、当該跡地はもともと排水面で問題があったことから、地元自治会や地元住民との協議の結果、抜本的な排水対策を講じることが必要となったところでございます。
 翌平成23年から、排水対策工事の実施に向けて地元住民と幾度となく話し合いを行い、平成26年にようやく隣接する地権者から同意を得られたものの、工事着工直前になって撤回を申し入れられました。その後も、当該地権者に対する交渉を継続するとともに、他の工法も検討してきたところでございます。
 ことしに入ってからも再度交渉を行いましたが、同意が得られなかったことから、他の工法による排水対策工事の実施に向け、地元自治会や関係住民との話し合いを早期に進めてまいります。
 今後は、できるだけ早く地元の同意を得て、早期に排水対策を講じるなど、当該跡地の売却を着実に進めてまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 早急に進めていくという御答弁でございましたけども、この旧六星寮につきましては、平成2年に六星寮を廃止して、行政財産から普通財産に用途変更するのに20年かかってるんですね。平成22年に建物を取り壊し、以来また7年間かかってるんです。売却準備まで時間がかかってるわけです。広大な南紀白浜空港跡地や山林とか雑木林などと違い、周辺は県営住宅や団地が建ち並ぶ場所です。近くには西脇山口線の工事も進んでおり、便利な地域になるはずです。県の判断として遅過ぎる箇所として指摘せざるを得ません。
 この六星寮につきましては、県議会としてもたびたび指摘がありました。そして、監査委員からも未利用地として次への活用を求める内容になっていることもたびたびございました。でも、なかなか動かなかったのも事実です。旧六星寮周辺の住民は、県有未利用地について、そんなに時間がかかるなら地元で活用させてもらいたいという希望まで寄せていただいておりました。ぜひ未利用地活用の教訓にしていただきたいと思いますので、強く申し上げたいと思います。
 質問を続けてまいります。県立図書館の役割と読書習慣の向上についてお聞きしたいと思います。
 日本人の読書離れ、活字離れが問題になって久しい感があります。文化庁の国語に関する世論調査では、全国の16歳以上の男女3000人を対象に、電子書籍を含む読書量の変化などについてアンケートを行っています。それによると、漫画や雑誌を除く1カ月の読書量は「1~2冊」と回答したのが34.5%、「3~4冊」は10.9%、「5~6冊」は3.4%、「7冊以上」が3.6%だったのに対し、「読まない」との回答も多く、47.5%に上っています。前回の調査に比べ、1冊も読まない割合は1.4ポイント増加し、日本人の読書離れが進んでいるとの結果でございました。かつて県議会での一般質問で、山本茂博副議長がテレビ番組「ケンミンSHOW」を取り上げ、雑誌、図書の購入費が一番少ない和歌山県と紹介していました。まだ記憶に新しいところです。
 和歌山県は読書習慣が低い、そういう汚名を返上するためにも、県民の読書推進における図書館の役割は大きいと考えます。
 日本図書館協会のホームページを確認しますと、都道府県立図書館数は全国で59館、市区町村立は3210館、県内では、県立図書館は2館、市立図書館は8市全てに設置されて全部で14館、町立としては9館になっています。設置されていない町村もあります。図書館はなくても、公民館などで図書室を設置して、住民に読書の機会を提供しているところもあるようです。
 県立図書館は、和歌山市にある本館と田辺市学びの丘にある紀南図書館が知の拠点として県民の役割を担っております。その拡充に努め、住民に対して適切な図書館サービスを行うとともに、図書館未設置の町村が多く存在することを踏まえ、県内の図書館サービスの全体的な進展を図る責務を担っております。
 それと、子供から大人まで書物などを通して、生涯学習の機会、知識を深め充実した日常生活を送る、そんな期待も持っております。
 県立図書館の役割について、改めて教育長にお尋ねいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 県立図書館の役割は、県の中核図書館として、市町村立図書館や学校図書館等と連携、支援を行い、県民の方々の読書環境の充実に努めるとともに、本県の貴重な資料の保存、管理を行うことであります。
 市町村立図書館では資料を計画的に廃棄するのに対し、県立図書館におきましては、有用な資料を永久保存することで、平成29年4月1日現在で、紀南図書館と合わせて99万5000冊余りを所蔵し、県内最大の資料保存拠点となっております。また、郷土資料につきましても県内全域の資料を収集し、保存、提供しております。
 これらの資料につきましては、蔵書検索システムやネット予約等、インターネットの活用による情報発信を行うと同時に、市町村立図書館への協力貸し出し、団体貸し出しを行うことで、来館者のみならず全県的に利用が可能となっております。
 さらに、専門的知識のある図書館司書により、これらの幅広い分野の蔵書を活用した調査相談サービスを行い、利用者の読書ニーズへの対応に努めております。
 加えて、県内の学校関係者を初め、読書活動の推進にかかわる方々に対し、研修や出張講座を実施することにより、指導者の資質向上にも努めております。
○議長(尾﨑太郎君) 多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 続いて、県立図書館の利便性向上について、お尋ねをします。
 県立図書館は直営で行っております。この10年間、開館日、職員の人数はほとんど変わってません。毎年およそ80日間ぐらい図書館が利用できない日があります。10年間の推移を確認しますと、入館者数、新規登録者数は減ってきております。図書館も努力はしていただいております。例えば、本館では、2階で文化情報センターに視聴覚資料を利用した学習の提供やメディアアートホールを開設し、コンサートや講演などを行って好評を博しております。
 図書の貸し出しも平成25年から5冊から10冊に改め、今年度から開館時間も10時から9時に改善しております。しかし、全国的に同じ傾向にあるとはいえ、入館者数や新規登録者、つまり利用者が人口減以上に目減りしている状況です。貸し出し人数や1日当たりの貸し出し冊数も、児童書も同様ですが、和歌山市民図書館と比べるとちょっと物足りない感じがいたします。
 駐車場や開館日の拡充、自習コーナーの拡充など、県立図書館の利便性向上について、教育長のお考えをお聞かせください。
○議長(尾﨑太郎君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 県立図書館の利便性の向上についてお答えいたします。
 開館日、開館時間につきましては、平成19年度から祝日を開館日とし、平成27年度からは、児童室の閉館時間を2時間延長しております。さらに、今年度から開館時間を1時間早め9時からとするなど、業務の効率化を図りながら拡充に努めてまいりました。
 かばんや持参の書物を持ち込めるスペースとして、平成16年度に自習室を設置し、その後、新たにエントランスにも拡充して増設してまいりました。パソコンにつきましては、申請手続をした上で閲覧室に持ち込んで使用いただくことは可能となっております。
 また、かねてから御要望のありました貸出票の改善につきましては、今年度の資料点検期間中にシステム改修を行い、この6月17日から現在借りている本を確認できるようにいたしました。
 駐車場につきましては、これまでも可能な限り増設に努めており、開館当時55台であった駐車可能台数が現在77台になっております。しかしながら、週末は満車状態であり、課題であることを認識してございます。
 今後も県民の方々のさまざまな要望を踏まえ、さらに改善すべき課題を検討しながら、県立図書館としてのサービスの向上に努めてまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。
 読書習慣の向上について、お尋ねしたいと思います。
 配付させていただいている図は、読書習慣の状況として、小学生、中学生、そして高校生の本県と全国を比較した実態です。
 1日当たり全く読書をしないとする答えは、平成19年には和歌山県では24.1%、全国平均は21.2%、平成24年には和歌山県は28.2%、全国は22.5%、そして、平成28年には和歌山県は22.0%、全国平均は20.6%、いずれも全国平均より読書をしない小学生が和歌山県では高い状況です。また、中学生でも1日当たり全く読書をしない比率が平成19年、平成24年、平成28年と全国平均と比べると6%ほど差が出ております。小学生より中学生のほうが読書をしない割合が高くなっているという状況です。また、一斉読書習慣でも、小学生では平成19年、平成24年、平成28年と比べると全国平均より低い状況です。それは、中学校でもここ10年間比較しても同じ状況が続いております。
 この表からわかることをまとめますと、1日当たり全く読書をしないとする小学生、中学生は、全国平均と比べるとその差は埋まってませんし、中学生になるとその差は大きくなっております。一斉読書習慣も、小学生・中学生ともに全国平均に追いついていない10年間です。高校生では公共図書館との連携が進んでいますので、読書習慣につながることを期待します。
 学力との相関関係も感じます。授業が始まる前、また、午後から授業開始前でも時間を割いて、一斉読書習慣を高める工夫が必要と考えます。
 国立青少年教育振興機構が2013年、子どもの読書活動の実態とその影響・効果に関する調査研究報告書をまとめております。調査は成人調査と青少年調査に分かれておりますが、子供のころに読書活動が多い成人・青少年ともに、未来志向、社会性、自己肯定、意欲・関心、文化的作法・教養、市民性、論理的思考の全てにおいて意識、能力が高い。特に、就学前から小学校低学年までの家族から昔話を聞いたこと、本や絵本の読み聞かせをしてもらったこと、絵本を読んだことといった読書活動は、現在における社会性、文化的作法・教養との関係が強い。就学前から中学時代までの読書活動と体験活動の両方が多い高校生・中学生ほど、現在の意識、能力が高いと報告されております。子供のころの読書習慣は大人になってどう影響するか、大切な示唆と受けとめていきたいと思います。
 県民の読書習慣向上を考える上で、県立図書館の役割は大きいと考えます。どのように教育長はお考えでしょうか、お答えください。
○議長(尾﨑太郎君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 議員御指摘のとおり、学校において一斉読書することや子供のころから読書習慣を身につけることは、大変重要であると考えてございます。
 県教育委員会では、今年度の新政策として「さぁ 本を読もう 図書館へ行こう」を合い言葉に、学校図書館担当教員や学校司書等を対象に研修会を行うとともに、ボランティアの協力も得ながら、本に触れる機会の充実や子供の読書習慣の向上につながるよう努めているところです。
 県立図書館の役割といたしましては、子供の読書習慣の向上を図るため、手づくり紙芝居コンクールや中高生がお勧めの本を紹介するPOPコンクール、ビブリオバトル等の取り組みを行っておりますが、さらに県内に広め、充実させてまいりたいと思ってございます。
 県立図書館司書が選んだ小中学生にお勧めの本の紹介や日本の伝統行事、生活に関連した季節展示等を行い、読書に親しむ機会の充実も図ってまいります。
 また、学校の授業における本の活用や読書活動が活性化するよう、協力貸し出しや団体貸し出し等の支援を行っているところです。
 さらに、図書館司書が本の選び方や本の紹介、読み聞かせに関する講話や実演などを行う出張講座を実施し、子供が本と豊かな出会いができるよう支援を行っております。
 今後も、県民の方々の幅広いニーズに対応し、読書習慣の向上に貢献できるよう県立図書館の充実に努めてまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 最近、海南市下津図書館に行かせていただきました。子どもの読書活動優秀実践図書館として、下津図書館が文部科学大臣表彰に選ばれ、どんな工夫をされているのか、話を伺ってまいりました。
 小さな子供を持つ親が図書館に来やすくなるように、毎週曜日を決めて赤ちゃんタイムとして赤ちゃん向けの話会を開いたり、利用者が本に帯を巻き、読んだ人が感想を書いていく伝書バトン、職員による読み聞かせチーム「おたまじゃくし」と「どんぐり」を結成し、おはなし会を実施、さまざまなイベントを通じ、1人でも多く図書館に来てもらいたいと語っておられました。平成28年には、前年比で入館者は約1000人ふえたそうです。
 また、下津図書館では、県内ほかの市町村の方にも貸し出しを行っているそうです。まだ一部地域だけですが、広域で双方向の貸し出しの機運が高まってきています。広がっていくよう、県立図書館が中心となって進めてほしいと要望させていただきます。
 また、読書推進を進める上で、紀の国読書手帳というようなものの導入についてもぜひ検討していただきたい、これも要望させていただきたいと思います。
 続いて、4点目の質問に入ります。通学路の交通安全対策についてお尋ねします。
 昨年の通学路における事故状況についてお聞きしたいと思います。
 通学路において事故や事件が目立っております。昨年、和歌山市神前の県道交差点で、横断歩道を渡っていた登校中の小学生2人が軽乗用車にはねられる事故がありました。また、全国でも、昨年10月に神奈川県横浜市で小学生の列に自動車が突入、児童1人が死亡、8人が重軽傷。同じく11月には、千葉県八街市で同じく児童の列にトラックが突っ込み4人が重軽傷。ことし1月には、島根県益田市で横断歩道を渡っていた児童の列に軽トラックが突っ込み、73歳のボランティアの方が死亡し、児童1人が軽傷の事故がありました。ことしの3月の千葉県松戸市での誘拐・殺害事件などは、まだ真相究明中のものもあり、児童生徒の安全確保の問題として気を抜けない状況となっております。
 ことし4月12日には、警察当局で通学路における全国一斉の取り締まりを行い、通行禁止違反や最高速度違反、信号無視など1万1355件を検挙したと報道されております。県内でも、通学時間帯に合わせて午前7時30分から1時間、通学路周辺を中心に14カ所で交通取り締まりを行い、合わせて185件を検挙したということです。
 1日、それも1時間ほどの一斉取り締まりでこういう状況です。先月には、大阪府門真市の通学路で下校中の中学生らが逃げ惑う様子を撮影した動画がインターネット上に投稿され、「小中学生らが広がって歩いて邪魔だったので、思い知らせようとスピードを出した」と供述しております。インターネット上に投稿された映像は、約20秒間、クラクションとともに「のけ、こら、おまえら」などと歩いている生徒らを威嚇する男の声も入っていました。大事故につながる危険な行為として、許されない行為です。
 本県における昨年1年間の登下校時での交通事故の件数、その状況について警察本部長にお尋ねします。
○議長(尾﨑太郎君) 警察本部長宮沢忠孝君。
  〔宮沢忠孝君、登壇〕
○警察本部長(宮沢忠孝君) 昨年の登下校時における交通事故の発生状況についてでありますが、昨年は、11人の小学生と18人の中学生が交通事故により負傷しております。
 なお、子供が被害者となる死亡事故は2件発生しておりますが、登下校中の子供の死亡事故は、平成25年以降の発生はありません。
 過去10年間の推移を見ますと、小中学生の交通事故は減少傾向にあり、10年前の約3分の1にまで減少している状況にあります。
○議長(尾﨑太郎君) 多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 昨年は、小学生が11人、中学生が18人というお話をいただきました。まだまだなくならない、そういう状況下でもあります。平成24年以降の対策強化と現状についてお聞きしたいと思います。
 平成24年、亀岡市の通学路における事故以来、公立小学校及び公立特別支援学校小学部の通学路において、交通安全の確保に向けた緊急合同点検が全国で実施され、文部科学省、国土交通省、警察庁など関係機関等が連携し、通学路の安全対策を実施してきました。これを受けて、各自治体では、地域ごとに取り組みの基本方針を策定するとともに、対策を継続して推進するための協議会が設置されております。
 この5年間の対策強化とその現状について、教育長、警察本部長、県土整備部長、それぞれお答えください。
○議長(尾﨑太郎君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 平成24年度以降の通学路における交通安全対策と現状についてですが、平成24年に京都府等で通学児童が被害者となる重大事故が連続発生したことを受け、教育委員会、道路管理者、警察により、通学路における交通安全の確保に向け、通学路の緊急合同点検を実施いたしました。この結果、教育委員会が対策を講じなければならない箇所は155カ所で、平成26年度には通学路の変更等の対策は全て終えてございます。
 また、国においては、各市町村で定期的な合同点検の実施や対策に取り組むため、通学路交通安全プログラムを策定することとされたことから、各市町では、このプログラムを策定し、啓発看板の設置等、地域の実情に応じた対策を進めております。
 さらに、県独自の取り組みとして、道路交通法の改正や道路の整備等に伴う新たな危険箇所を把握するため、平成26年度に、小学校に加え中学校の通学路も対象に、道路管理者及び警察と連携して合同点検を実施いたしました。教育委員会所管分の182カ所のうち180カ所については、市町村教育委員会で自転車の通学路の変更等の対策を完了し、残り2カ所についても対応を検討しているところです。
 また、ほとんどの学校では、保護者、地域の方々やボランティアの方々による登下校時の見守り活動等に取り組んでいただいております。
 県教育委員会といたしましては、引き続き交通安全教育の徹底を図るとともに、通学路の安全確保に向け、道路管理者及び警察と連携し、市町村教育委員会とともに定期的に状況を把握しながら対策を進めてまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 警察本部長。
  〔宮沢忠孝君、登壇〕
○警察本部長(宮沢忠孝君) 教育長から答弁のありました平成24年度の緊急合同点検結果でございますが、警察が対応すべき安全対策として、信号機や横断歩道の設置、最高速度、一時停止、一方通行、車両通行どめ等の各種規制の実施及び道路標示の補修等、130カ所185対策を抽出いたしました。
 また、平成26年度にも同様の合同点検を実施し、新たに62カ所71対策を抽出し、これらの点検により抽出した対策を順次講じてきたものであります。
 そして、平成29年5月末現在、点検結果を踏まえた警察が実施すべき対策につきましては、かつらぎ警察署管内の信号交差点に歩行者用灯器を増設する対策を残すのみとなっているものですが、この対策につきましては、信号柱の設置場所を確保でき次第実施することとしております。
 警察といたしましては、今後も教育委員会、学校、道路管理者と緊密に連携し、通学路における交通安全の確保に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(尾﨑太郎君) 県土整備部長森戸義貴君。
  〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 平成24年度以降の通学路の安全対策について、道路管理者としてお答えをいたします。
 平成24年度の緊急合同点検におきまして、国、県、市町の道路管理者が対策を実施する必要のあるとされました箇所は395カ所であり、平成28年3月までに約9割の359カ所の対策が完了しております。このうち、県管理道路では、対策が必要とされました152カ所のうち151カ所が完了しておりまして、残る1カ所も今年度内に完了する予定となっております。
 緊急合同点検後の取り組みといたしましては、平成26年度にも同様の合同点検を実施するとともに、以降も定期的に合同点検を行いまして、これに基づき、市町が通学路交通安全プログラムを策定しております。また、点検の結果を踏まえまして、対策を追加するなどによりプログラムを随時更新し、このプログラムに基づき、それぞれの道路管理者が対策を進めてございます。
 このうち、県管理道路につきましては、緊急合同点検に基づく対策箇所と一部重複をいたしますが、対策を実施する必要のある箇所は153カ所あり、これまでに約4割の62カ所が完了しております。残る箇所につきましても、歩道の設置や歩行スペースの確保等、状況に応じた交通安全対策を進めてございます。
 さらに、県では、子供や高齢者が安心して生活できるよう、歩道整備の加速化を図る今年度から5年間で実施する計画を策定し、その推進に取り組んでいるところでございます。中でも、通学路交通安全プログラムに位置づけられた箇所につきましては、早期整備に努めることとしてございます。
 今後も引き続き、通学路の安全確保に向け、教育委員会や警察などの関係機関と連携しながら、交通安全対策に取り組んでまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 対策強化を進めていただいてるところですけども、今、県土整備部長からも御説明いただきましたが、先ほど私が取り上げました和歌山市神前での通学路の問題でございますけど、事故後、カーブミラーの設置とか、また、赤いポールを立てていただき注意喚起していただきました。狭い道路から県道を渡って学校に通う小学生にとって、通らなければならない通学路となっております。小さな交差点です。車道からは歩行者は見落としがちな構造となっているため、昨年以前にもたびたび交通事故が起こっている箇所となっております。通学路とわかりやすくするためにも、交差点をカラー舗装するなど、改めて検討を要望していきたいと思います。
 最後の質問になります。通学路の交通安全プログラムの策定と、その情報公開についてお聞きしたいと思います。
 地域ごとに通学路の交通安全の確保に向けた取り組みの基本的方針を策定するとともに、関係者で構成する協議会を設置し、推進体制の構築や課題解決に向けたプログラムを作成し、適宜公開することになっております。県内30市町村における取り組み状況について、教育長にお尋ねをいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 通学路交通安全プログラムにつきましては、全ての市町で策定しております。なお、北山村につきましても、本年度策定される予定でございます。
 その公表につきましては、ホームページによるものが16市町、学校便りや広報紙等によるものが7市町となっております。残りの6市町につきましては、保護者や見守り隊などの学校関係者や地元警察署、道路管理者等で情報共有されております。
 子供たちの安全・安心な通学路を確保するためには、保護者を初め地域住民やボランティアなど、多くの方々の協力が重要なことから、今後とも通学路の安全確保の趣旨に鑑み、適切に情報提供するよう市町村に働きかけてまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 いろいろお答えをいただきました。ぜひ、よろしくお願いをしたいと思います。
 子供たちの大切な命を守るためにも、通学路の安全対策を重ねてお願いし、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(尾﨑太郎君) 以上で、多田純一君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時43分休憩
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