平成29年6月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(全文)
平成29年6月 和歌山県議会定例会会議録
第3号(全文)
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平成29年6月
和歌山県議会定例会会議録
第3号
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議事日程 第3号
平成29年6月21日(水曜日)
午前10時開議
第1 議案第128号から議案第141号まで並びに報第1号から報第5号まで(質疑)
第2 一般質問
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会議に付した事件
第1 議案第128号から議案第141号まで並びに報第1号から報第5号まで(質疑)
第2 一般質問
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出席議員(41人)
1番 中西峰雄
2番 秋月史成
3番 立谷誠一
4番 泉 正徳
5番 前芝雅嗣
6番 花田健吉
7番 井出益弘
8番 宇治田栄蔵
9番 川畑哲哉
10番 玉木久登
11番 濱口太史
12番 鈴木太雄
13番 尾﨑太郎
14番 藤山将材
15番 尾崎要二
16番 中村裕一
17番 岩田弘彦
18番 中本浩精
19番 服部 一
20番 山本茂博
21番 冨安民浩
22番 吉井和視
23番 堀 龍雄
24番 中 拓哉
25番 岸本 健
26番 森 礼子
27番 谷 洋一
28番 新島 雄
29番 岩井弘次
30番 多田純一
31番 片桐章浩
32番 藤本眞利子
33番 浦口高典
34番 山下直也
35番 山田正彦
36番 菅原博之
37番 谷口和樹
38番 奥村規子
39番 雑賀光夫
41番 坂本 登
42番 長坂隆司
欠席議員(なし)
〔備考〕
40番 欠員
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説明のため出席した者
知事 仁坂吉伸
副知事 下 宏
知事室長 宮﨑 泉
危機管理監 藤川 崇
総務部長 浦上哲朗
企画部長 髙瀨一郎
環境生活部長 山田成紀
福祉保健部長 山本等士
商工観光労働部長 山西毅治
農林水産部長 原 康雄
県土整備部長 森戸義貴
会計管理者 野田孝雄
教育長 宮下和己
公安委員会委員長 大桑いく嗣
警察本部長 宮沢忠孝
人事委員会委員長 守屋駿二
代表監査委員 江川和明
選挙管理委員会委員長 小濱孝夫
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職務のため出席した事務局職員
事務局長 田村公一
次長 西原龍也
議事課長 松山 博
議事課副課長 武田 稔
議事課議事班長 岩谷隆哉
議事課主任 保田良春
議事課主任 岸裏真延
総務課長 糸川 徹
政策調査課長 中平 博
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午前10時0分開議
○議長(尾﨑太郎君) これより本日の会議を開きます。
日程に先立ち、諸般の報告をいたします。
過日提出のあった議案第131号及び議案第132号は、いずれも職員に関する条例議案でありますので、地方公務員法第5条第2項の規定により人事委員会の意見を徴しましたところ、文書により回答がありました。お手元に配付しておりますので、御了承願います。
日程第1、議案第128号から議案第141号まで、並びに知事専決処分報告報第1号から報第5号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
35番山田正彦君。
〔山田正彦君、登壇〕(拍手)
○山田正彦君 おはようございます。
6月定例会のこの冒頭に、一般質問のトップバッターとして出ろというお許しをいただきました。同僚・先輩の御配慮に心から感謝申し上げます。ふだんじゃなくて多少緊張しております。そういう意味で脱線のしないように努めたいと思いますので、しばらく御清聴いただきたいと思います。
今年度は、新しい長期総合計画の初年度でありまして、「世界とつながる 愛着ある元気な和歌山」を実現するためのスタートの大事な年であります。
先日発表されました合計特殊出生率の速報値では、本県は1.54が1.50に低下しており、少子化対策や本格的な人口減少社会への対応が待ったなしの状態であります。
地震や津波、土砂災害など大規模自然災害への備えはもちろんのことでありますが、経済、社会のグローバル化や情報通信技術等の急速な進歩に対応した産業振興策の実施など、時代の変化におくれることなく、迅速かつ積極的な政策展開をしていかなければなりません。新長期総合計画は、向こう10年間の我が県の道しるべであり、議会と当局が車の両輪となって何としてもこれを実現し、県民の皆さんが楽しく暮らせる和歌山をつくっていかなければなりません。
長期総合計画では、将来像に向けた取り組みの中、「しごとを創る」でさまざまな分野において現状と課題を分析し、目指す方向を示し、そして実現する主な施策を列挙されているところでありますが、今回は、その中で3つの取り組みを挙げ、質問をさせていただきたいと思います。
まず1つ目は、統合型リゾート、いわゆるIRについての問題であります。
新長期総合計画の中において、新たな観光資源の創出のための方策としてIRの誘致を目指すとされています。ただ、長計では74ページにほんの少し小さく出てるところでありますが、小さく産んで大きく育てていただきたいものだと思います。
皆さん御承知のとおり、超党派の国会議員により提出されました特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律、いわゆるIR推進法が昨年12月に成立いたしました。この法律は、IRを整備することにより国際競争力の高い魅力ある観光地を形成し、地域経済の振興に寄与することを目的とするとともに、適切かつ厳格な国の規制、規則、監督のもとで運営されるカジノの収益をもって財源の改善に資することを目的としたものであります。
現在、国において、IR推進会議を精力的に開催し、IR実施法の制定に向けた準備作業が進められているところとお伺いしております。
このような状況を踏まえ、我々自由民主党県議団IR研究会は、5月10日から12日まで、IRという言葉が生まれた世界の成功例と言われるシンガポールのIRの視察を行ったところであります。
現地では、カジノ専門家による講義を受けるとともに、マリーナベイ・サンズ、リゾート・ワールド・セントーサ、マリーナベイ・サンズというのは3つのビルの上に船が浮かんでいるあのビルのことなんですが、それともう1つの異なるコンセプトのIRを調査してまいりました。
IRとは、単なるカジノ施設だけではなく、カジノ施設に加えて会議場施設、あるいはレクリエーション施設、展示施設、宿泊施設、ショッピング街など、多くの人が楽しめる複合施設であることや、IRの収入は多くの新規雇用を生み出し、多数の外国人観光客獲得につながることなどを学び、実感するとともに、2つのIR施設がシンガポールにもたらした絶大な経済効果について目の当たりにしてきたところであります。
日本が本格的な人口減少時代に突入する中、本県においては全国より速い流れで人口が減っていくことから、交流人口や観光客、とりわけインバウンドなどの外国からの需要を積極的に取り込むことが地域経済にとって必要不可欠であり、新長期総合計画に掲げた「世界とつながる 愛着ある元気な和歌山」を実現するために、そのためにも本県へのIR誘致が有効であると思いを改めて強くしたところであります。
誘致を推進する各自治体の動きが本格化する中、改めて本県のIR誘致に向けた知事の姿勢や、あるいは取り組み方針についてお聞かせいただきたいと思います。
また、国のIR推進会議の議論の中で、IRを構成する中核施設の要件として、国際会議場や展示場が必要とされただけではなく、その施設が国際競争力を有するとともに、全国的な見地から我が国を代表する施設として経済効果を生み出す施設であるべきという方向性が示されました。これらの要件は本県にとって厳しい条件となると思いますが、今後どのように対応していくか、あわせてお聞かせいただきたいと思います。
2つ目として、総務省統計局の移転とデータの利活用であります。
長計の80ページに記載されていることでありますが、東京一極集中の是正と地方創生を目的として実施された政府関係機関地方移転については、県当局が一昨年の8月に総務省統計局及び独立行政法人統計センターの移転を提案して以来、議会としても政府に対し意見書を提出するなど、当局と議会が連携し、移転実現に取り組んできたことを認識しています。
その結果、昨年9月に「政府関係機関の地方移転にかかる今後の取組について」が公表され、統計局、統計センターの一部が本県に移転し、統計ミクロデータ提供等の業務を行うということが決定されました。特に統計局の移転は、京都への文化庁移転、あるいは徳島県への消費者庁移転と並んで全国でも3例しかない中央省庁の移転であり、非常に喜ばしい限りであります。
この決定から9カ月が経過したところでありますが、その間にも、統計やデータは、私たちの生活や経済活動においてさらに重要性を増しているように感じております。
その最たる例が、昨年12月に施行された官民データ活用推進基本法であります。これは、官民データ活用の推進に関する施策を総合的かつ効果的に推進し、もって国民が安全で安心して暮らせる社会及び快適な生活環境の実現に寄与すること、それを目的として、政府や都道府県に官民データ活用に関する基本的な計画を策定することを義務づけているものであります。
そして、この法律に基づいてことし5月に政府が決定した官民データ活用推進基本計画では、データが人を豊かにする社会、官民データ利活用社会の実現を目指すとされておりますが、この中でも統計データのオープン化の推進・高度化が重点的に講ずべき施策として明記されているなど、政府の統計データの提供拡大に対する意気込みが感じられる計画であります。
そのほか、6月9日に決定された骨太の方針、経済財政運営と改革の基本方針2017においても、公共データのオープン化や証拠に基づく政策立案、いわゆるEBPM──エビデンス・ベースド・ポリシー・メーキングということになりますが──を推進することなどがうたわれており、地方公共団体における統計やデータの重要性はますます増していると感じているところであります。
このような状況の中、日本中が統計局の移転と県の取り組みに注目していると言っても過言ではないと思いますが、改めて、統計局移転に期待する効果や移転に向けた準備の状況、予想される移転の規模について、また、それに関連する県のデータ利用活用政策の取り組み状況について、知事の見解をお伺いいたします。
3つ目の問題でありますが、林業・木材産業の振興についてであります。
県内の森林資源は、本格的な利用期にあり──もう前々から言われてることなんですが、林業再生に向けた好機を迎えているとされる一方で、地形が急峻なため林道の整備などがおくれ、他県と比べて生産コストが高くなっていることも現実であります。また、今後の人口減少により住宅建築材料としての木材需要は減少すると見込まれ、新たな販路開拓や新たな利用方策なくしては、林業は衰退する一方ではないかと強く懸念してる次第であります。
長期総合計画においては、森林ゾーニングによる施策の選択と集中の強化、林業・木材産業の成長産業化、多様で健全な森林づくりという3つの取り組みが掲げられており、これらを必ず実行することにより、林業の振興、木材産業の振興を図り、木の国和歌山を実現することを強く強く期待しております。
長期総合計画における林業・木材産業の成長産業化では、低コスト林業の推進や林業・木材産業の効率化を図り、首都圏を初めとする大消費地に販路拡大や海外輸出の促進を図るとされております。また、公共建築物を初め公共工事への木材利用を促進するとされており、県庁挙げて和歌山県の木材産業の振興に取り組む決意のあらわれと受けとめているものであります。
高野・熊野の世界遺産や歴史的なまち、自然公園などは、無機質な鉄製ガードレールよりも木製のほうが景観上もふさわしいと考えるものであり、ぜひとも前向きに取り組んでいただきたいと思います。今申し上げたガードレールはほんの一例でありますが、ほかにもいろいろな利用方法があると思います。コストや強度などの課題ももちろんたくさんあると思いますが、木材産業の振興と観光産業の振興につながる、まさに一石二鳥の取り組みであります。
木材産業の振興に向け、公共工事への木材利用はどのように進めていくつもりなのか、あわせて知事の見解をお伺いし、総合的な質問を終わります。
○議長(尾﨑太郎君) ただいまの山田正彦君の質問に対する答弁を求めます。
知事仁坂吉伸君。
〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、IR・統合型リゾートの誘致に関してでございます。
IRの誘致に関しましては、観光振興に寄与するとともに、経済波及効果や雇用創出効果が期待でき、地域活性化にもつながる有効な手段と考え、IRの議論が始まった当初から、全国に先駆けて行動してまいりました。そうした中、昨年末にIR推進法が成立いたしましたので、誘致に向けた取り組みを本格化しているところでございます。
IRというのは、民設民営によって成立する事業でありまして、和歌山に投資をする意向のある民間事業者の存在が前提となるため、これまで国内、国外を問わず30社近くの事業者と接触し、意見交換を行ってまいりました。
意見交換に当たっては、我々の選択肢ないしは案として、和歌山マリーナシティ、コスモパーク加太、旧南紀白浜空港跡地という3カ所の候補地を示しまして、それぞれの候補地の状況を詳細に説明し、現地に御案内するなどをずっと行ってきたわけでございます。
その結果、事業者の意向、関心が和歌山マリーナシティに集中し、現段階では他の2カ所に関心を示す事業者が存在しませんので、これはそろそろアピールをするためには1つに絞ったほうがいいと思いまして、第1候補地を和歌山マリーナシティとしたところであります。
また、5月10日、11日に、日本での事業展開を目指す海外のIR関連事業者を初め、国会議員、有識者等が集まり、日本へのIR導入に向けた議論を交わすフォーラム、ジャパン・ゲーミング・コングレスが東京で開かれました。
世界中のIR事業者に対し和歌山をPRできるまたとない機会であるために、和歌山マリーナシティが関西国際空港から最も近い県都に位置すること、すぐにでも開発可能な場所であること、海に面した抜群のロケーションであること、和歌山にはマリンレジャーを初めアウトドアスポーツが満喫できるスポットがあること、世界遺産やジオパークに指定された海岸線、日本最古の温泉など、豊富な海岸線があること、また、京都や奈良といった関西の中心的な観光スポットにもそう遠くないということなどアピールをしてきたところであります。
その結果、前々から強い関心を示していた企業に加えて、相当の企業が興味を持ってくれていると思います。
その一方で、重視しなければならないことは、ギャンブル依存症であると私は思います。知事として県民に責任を持たないといけませんので、本県が誘致するIRで県民のギャンブル依存症を助長するような可能性があるのならば、その可能性を排除しなきゃならない、そういう思いで、国民が納得できる依存症対策が確立されるまでは、和歌山県民、それが技術的に難しければ日本人についてはゲーミングルーム、すなわちカジノルームですが、ここに限り入場させないという方針を発表したところであります。
もちろん、日本人の方に入場を遠慮いただくのはこのカジノルームあるいはゲーミングルームだけでありまして、他の施設、例えばホテル、会議場、アリーナ、アミューズメント等の施設などについては大いに歓迎ということであります。
このような方針に対し、主として日本人をゲーミングの対象としている企業は、採算が合わなくなるのでしょうか、ちょっとネガティブになる一方、和歌山県のコンセプトを理解し、一緒に事業を組み立てていこうと考える企業もございます。このような企業を中心に今後協議を進め、和歌山でIR事業を行う意欲のある事業者を確保すべく精力的に取り組んでいきたいと思っております。
もう1つの御質問ですが、IR推進法ないしは政府の今の推進会議で議論されている内容でございます。
このIR推進法では、基本理念としてもう既に法定されてるわけですが、IR区域の整備の推進は、地方の創意工夫を実現し、地域経済の振興に寄与するとされております。しかし、現在、国のIR推進会議において示されている施設要件──事務局原案というような感じなんですが──そういうものや、あるいは認定数を厳格に少数に限るといった基本方針──これもまだ原案段階ですが──そういうものについては和歌山を含む地方都市においては実現が極めて困難となるような要素がありまして、本県の目指すリゾート型IRの設置も可能となるように、この辺は国にちゃんと直してくれというような要望活動を実施しているところでございます。
IRのような新しい産業は、国が細部まで要件を定めるのではなくて、地方の独創性と民間事業者の創意工夫を生かせる柔軟な制度であるべきだと私は思います。したがって、国は、地方公共団体から提出された計画の良否でもってIRを設置する自治体を選定すればいいんじゃないかというふうに私は考えております。
本県においては、アジア有数の巨大な展示場とか、あるいは会議施設というのはなかなか難しいかなあと。反面、ショーとか演奏会、講演会を開ける施設とか、世界的なエクセレントカンパニーの取締役会とか、あるいは国際的な学会とか、そういうようなもので使われる規模の会議場や講演会場、MICE施設、そういうものを設置するのは割と採算がうまく合うかなあというように思うんであります。
さらには、リゾート型IRに親和性のあるスポーツあるいはミュージックイベントの開催が可能な多目的アリーナ、バーチャルリアリティー技術を活用したアミューズメント施設などが併設されるとおもしろいものができるなあというふうに考えております。
次に、統計局の問題を一括してお答え申し上げたいと思います。
近年、データの価値や重要性がますます高まっている中で、統計ミクロデータの提供を初めとする統計データの利活用業務は、非常に注目され、今後大きく伸びていく可能性を秘めた分野であり、統計局の移転が決定して以降、県内でも統計やデータの利活用に対する関心が非常に高まっていると感じております。
例えば、教育現場では、昨年度から実施している小中学校向けの統計に関する出前授業は非常に好評で、今年度は既に昨年度の実績を上回る申し込みをいただいている状況でありまして、将来のデータサイエンス人材の育成につながるものと、これは高く期待をしております。
今後、県が中心となりまして統計局と連携してデータの利活用を推進することにより、産業界においても新たな商品開発や企業経営にデータを積極的に活用し、民間企業が活性化することが期待されるほか、関西圏を初め幅広い地域から多くの研究者を集めるなど、交流人口の増加にもつなげていけばいいなというふうに思っております。
移転に向けた準備の状況につきましては、去る4月3日、統計局と南海電気鉄道株式会社との間で賃貸借契約が締結されまして、本県において統計ミクロデータ提供等の業務を実施する統計データ利活用センターの開所に向けた準備を、南海和歌山市駅ビルにおいて開始することが発表されました。平成30年4月の開所に向け、着実に準備が整えられているところであると考えております。
移転の規模については、統計局、統計センター合わせて、当初は10数名程度と伺っております。その一方で、ニーズの拡大等による陣容の整備も考えられるということも伺っておりまして、県としては、将来的な移転拡大につなげられるよう、国のセンターを精いっぱいサポートしてまいりたいと思います。
このため、県としても、平成30年4月に設置する和歌山県データ利活用推進センターを国のセンターと同じ南海和歌山市駅ビルに開所することを決定したところでありまして、両センターが多くの研究者や企業関係者でにぎわい、日本のデータ利活用拠点となることを目指して、今年度から開所に向けた準備やシンポジウムの開催、コンベンションの実施などの先進的な施策に統計局と連携して取り組んでまいりたいと思っております。
次に、林業・木材産業の振興について、とりわけ公共工事への木材利用をどのように進めていくかという点でございます。
和歌山県の林業・木材産業振興のためには、公共工事での紀州材の利用推進が不可欠でありまして、そのためには、県が率先して紀州材を積極的に使う姿勢を示さなければならないと考えております。
県では、公共建築物等木材利用促進法、これはもう既にできておりますので、これに基づきまして平成24年2月に和歌山県木材利用方針を策定しておりまして、公共建築物については、低層の建築物においては原則として無垢の紀州材で木造化を図るということにしておりまして、木造化が困難であっても内装等に使用するように配慮をしております。加えて、設計段階において、設計業者による意匠──デザインですね──や木材利用の考え方を評価できるような新たな制度の検討も、現在行っているところでございます。
さらに、平成26年6月には、公共土木工事における木材利用推進指針を策定するとともに、有効かつ積極的な木材利用を図るため、木製構造物の設計や施工に関する事項を定めた公共土木工事木材利用マニュアルを策定し、あわせて公共工事での紀州材の優先利用に努めております。
これまでも、秋葉山公園県民水泳場、和歌山県土砂災害啓発センター等において、紀州材を構造材あるいは内外装材として積極的に利用してまいりました。また、本年度は、高野町内において木製ガードレールの施工にも取り組んでおります。
なお、市町村に対しても、紀州材の利用促進を図るため、県の補助事業により支援しておるところでございます。田辺市においては、本年1月に田辺市立新庄小学校が木造校舎として新たに建てかえられ、地域のシンボルとして親しまれております。
今後も、公共工事における紀州材の利用拡大を一層積極的に推進していくとともに、県内市町村に対しても働きかけていきたいと思っております。
○議長(尾﨑太郎君) 答弁漏れはありませんか。
〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○議長(尾﨑太郎君) 再質問を許します。
山田正彦君。
〔山田正彦君、登壇〕
○山田正彦君 いろいろな質問に対しての御見解を承りました。あと、私自身の持論も含めて、答えにくいこともあろうかと思いますので、要望になるかどうかわかりませんが、感想を申し上げたいと思います。
IR推進法というのは前々からありまして、通称カジノ法とこう言われてまして、私たち自民党県議団の有志も、前知事時代からこういうことを研究しようということで、多分全国でも数件だったと思うんですけど、名乗りを上げたという経緯があります。
ただ、私は個人的に、IR推進法ができる前に、限りなくギャンブルに近いパチンコを正式に公営ギャンブルとして認めて法制化されるん違うかなと思ってたんです。私と同じ名前の何とか正彦さんというベテランの国会議員さんも同じようなことを申されてたんですけど、残念ながらパチンコのことはちょっと横へ置かれてるような状況でありますんで、大変残念であります。
私、パチンコのことを言い出すと時間がとても足りませんのでほどほどにしますけど、残念でありますが、とにかくIR推進法ができたんですから、和歌山県としてはやっぱり千載一遇のチャンスとして捉まえて、積極的にアクションを起こしていただくことを期待すると同時に、私たち和歌山県議会自民党有志も全面的にサポート、支援したいな、そう思いますので、よろしくお願い申し上げます。
それで、段々の話の中にありましたが、中核施設の要件というのが出ました。何かよう聞いてると、今盛んにテレビで放映されてる何とか学園の何とか学部のように、後出し条件を言うてきたような気がしてなりません。もともと地方創生という大きな御旗があるもんですから、やっぱりこれもそれぞれ地方の独自性を生かした方法でやってくれるべきで、大枠はいいとして、細かいことまでとやかく言うなというような思いを国にもぶつけないといけないんではないかな、そういうふうに思います。
それと、二言目には裏表のごとく、カジノをするとギャンブル依存症の話が出ます。これも何か、ひょっとしたらピントがぼけてるんではないかな。
実は、きのう、おとといあたり、私のところへも、県会議員・山田正彦に、ある団体から、そういうギャンブル依存症になるような、心配するようなことはすべきではないから反対だということなんですけど、これももう何年か前から、私、パチンコのことについて申し上げてたんですけど、皆さん御記憶あるかどうかわかりませんが、私の知る限り、ちょっと資料は古いかもしれませんが、現在の我が国の公営ギャンブル、ボート、競輪、競馬、それと宝くじも含めるとしても、せいぜい4兆円から4兆5000億ぐらいではないかな。宝くじも1兆円を切ったというふうな話を聞きましたが。それと、あのカジノのメッカと言われるラスベガスでの純粋なカジノの売り上げというのは、日本円で7000億ぐらいだと、そういうふうに報道されている面がありますし、例の東洋のギャンブル場と言われるマカオですら年間4兆円って、この前、講師先生にお伺いしました。4兆円ぐらい。
パチンコ、どんだけあると思いますか。パチンコは、少なくとも「30兆円の闇」という小説を書いたごとく、30兆円近い、これは娯楽でしょうかね。パチンコ屋さんのトイレに行きますと、「パチンコは適当に遊ぶゲームです」と、こう書いてるんですよ。
今、私の知る限り、日本全国、パチンカーと言われる人が1500万人あると言われてます。そのうちでパチンコ依存症と言われる人が400万人から500万人いるんですと、データでもあります。私も、その500万分の1かもしれません。ということなんですが、これには全く──警察本部長もいらっしゃいますが、警察も何の疑いもなく、ギャンブルではなくて娯楽ということで通ってる。こんなすばらしい日本ってあるのかなと、こう思うんですよね。嫌みですけど。
そういう方々は、二言目には、今言うカジノをしたら依存症どうするのよと言うけど、そんな比べ物にならないほどの今パチンコ業界だと、そう思うんです。こんな話をしますと、「山田、月夜の晩ばっかりではないぞ」というようなおどしもかかるんですけど、そんなのは気にはしてませんが。
そういうことで、知事、全く雑音には耳をかす必要はないと思います。だから、堂々と、もちろん依存症のことについては語らんといけないですけど、そう神経質になる必要は全くないんではないかなと僕は思ってます。
それから、統計局の話は聞きました。よろしくお願い申し上げておきます。
3つ目に質問いたしました林業・木材産業の振興、活性化には、やっぱり木材産業を取り巻くイノベーションがぜひ必要だと思うんです。
先ほど知事のお話にもありました高野のあのガードレール、あれももとをただせば長野県産のはずです。長野県産ということは、余り僕も好きじゃなかったんですけど、前の田中さんという知事が力こぶを入れてつくった長野県のブランドとして全国に通用してる、そういうことなんですね。だから、今までも誰も、たくさんの県会議員さんやらが木材産業の振興について語られましたけど、かけ声だけではいっこも進まない、前へ。その知事のイノベーションに対する理解、強い決断力がなかったら、1歩前へも、2歩も3歩も進まん。言う者は言いっ放し、聞く者は聞きっ放しということになって、何十年もこの木材産業の問題について新しい進展がないんではないかなと思います。
幸い、和歌山県にも、私も資料をいただいてますが、先進的に間伐材あるいは木材の利用に対する研究開発をされて、和歌山県の公共土木工事木材利用マニュアルにまで載せていただいてるケースもあります。
また、もう1つは、紀州材というのはブランドとしての本来のブランドは無垢だと、そういうようなお話もいただきました。田辺の新庄もつくりました。そのためのまたイノベーションも必要だと思うんですけど、研究する人々、ブランドとして生産する人々、大きな産業を和歌山県がつくり出すことができるんですね。そういう意味で、知事、これ記憶をたどったら平成16年だったというふうに教えてもらったんですけど、知事の官舎、プレハブですね。これ、あの当時、私が色も申し立てたんですけど、そのときの執行部の返事では、シロアリにやられてて、いつ地震が来たときに知事がぺちゃんこになるかわからんから、緊急避難的にプレハブでこらえてくれと──こらえてくれと言ったら表現悪いですけど──いう話だったんです。でもね、紀州木の国の殿さんの住んでもらう、いわば館にプレハブって、そんな貧弱な発想しかないんかってその当時の担当者に言ったら、山田は前知事のときに知事の問題にクレームつけてきたのどういうことなってある使者が来まして、それで言ったんですよ。そんな貧弱な僕は発想はしてません、紀州木の国の殿さんが、モデルとなる無垢の立派な館へ住んでもらって、それをPR材料に使ったらいいんじゃないですかと言ったんですけど、知事はどういうふうに御感想をお持ちですか。
いろんなことを含めて1番、2番、3番の質問しましたけど、要は知事がやる気あるかないかということなんです。私もいつも言いますけど、熱い思いで取り組んでいただきたい。それと同時に、知事に今返事いただいた、回答いただいたんですけど、もう一歩前へ出て、生きた、その思いというのが残念ながら私の胸を打ちません。ぜひ、県民の皆さんの心に響くような、そういう強い意志で何事についても取り組んでいただくことを切に切に要望して、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(尾﨑太郎君) 山田議員にお尋ねします。知事の答弁を求めますか。
〔「あればお願いしたい」と呼ぶ者あり〕
○議長(尾﨑太郎君) 知事。
〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、ギャンブルに対する国の動きというところなんですけれども、国の方々ともよく議論をしているんです。ちょっと彼らにとって制約要因になってるのは、実は、法律では地方振興と書いてあるんだけど、一方では、附帯決議とかいろいろ国会の議論のときの経緯というのがありまして、国の役人って結構国会の議論の経緯を重んじるんですね。何か「あのとき言うたのに」と言われたらかなわんというのがあると思うんです。
それで、そのときのギャンブルに対する抵抗感というのはやっぱり推進法のときにございまして、特に、その可決の直前ぐらいに、数を限定して限定的にやれということを強く言うたグループもいらっしゃるんですね。そういうことが附帯決議なんかになってるんで、そういうこともあって、ちょっとあっちのほうへ走ってるなという感じはあるんです。
だけど、私に言わせると法律の条文のほうがはるかに大事なんで、国会の議論というのは、もう1回、次に実施法をやるときにみんなで冷静に話し合ってもらったらいいんじゃないかなというふうに思っとるんですけど、それはまた我々も運動せないかんし、議員の皆さんもぜひそういう声を上げてほしいと思います。
それから、ギャンブル依存症の話といたしましては、実は、ギャンブル依存症の対策法をIRの実施法、これに先立ってつくろうという動きが、これは政府の中にあります。それをちょっと、まだ原案もできてないんですけど、原案の中の議論なんかもちょっとフォローしてると、ギャンブルというふうに定義をされてる公営ギャンブル、それからIRもそうだと思いますが、それに加えて「等」というのがあって、ひょっとしたらパチンコなんかもその対象になる可能性もあると思います。
ただ、現在の条文なんかを見ておりますと、いかにも何となく言うだけみたいなところがあって、もっと例えば地方公共団体その他がぎりぎりぎりっと規制をするというようなことにはなってないなあというような感じはありまして、この行方も慎重に見きわめていきたいというふうに思ってるわけでございます。
それから、雑音に耳を傾ける必要はないというお話がありましたが、何が雑音かってなかなか難しいんでございますね。聞く耳持たぬと言ったらやっぱり大事な情報もどこかへ行ってしまう可能性もあるんで、いろいろ何でも耳は傾けていきたいと思いますが。
県民がギャンブル依存症にならないようにするには、最も、やり過ぎかもしれませんが、強烈なやり方は、県民の皆さんは入ってもらっては困るということにするのが一番だと思って、今はその方針で行こうとしてるんですけども、そうすると反対する理由はないなあと思っていたら、やっぱりそれでも反対だと言う人がいて、その人たちの紙を見ると、そういうことをすると経営が成り立たないから反対だと言って、一体この方々は誰の味方かというのがよくわからんと。とにかく反対だから反対だと言って、初めから決めてるから何やっても反対だというふうに思ってるのかなと、論理が何かおかしいなあというふうに思うようなところもあります。
木材については、情熱を込めて一生懸命やりたいと思います。知事公舎の件につきましては、今そのチャンスがあったら私は絶対に木造にするなというふうに、多少高くても皆さんに説明してそういうふうに思うし、シロアリなんてのは、そんなもの対策をすれば別に何ということはないわけですから、そう思いますが、しかし、建ってしまった後、もう一発すぐ建てますと言う勇気がちょっとないなあと。だから、将来は必ずそうしたいということを私が言うておったということは、ぜひ御記憶にとどめていただきたい。情熱を持ってやっていきたいと思っております。
○議長(尾﨑太郎君) 答弁漏れはありませんか。
〔「終わります」と呼ぶ者あり〕
○議長(尾﨑太郎君) 以上で、山田正彦君の質問が終了いたしました。(拍手)
質疑及び一般質問を続行いたします。
30番多田純一君。
〔多田純一君、登壇〕(拍手)
○多田純一君 おはようございます。
議長にお許しいただきましたので、早速一般質問をさせていただきたいと思います。
まず最初に、特定複合観光施設区域整備計画について、お伺いをしたいと思います。
先ほど、山田議員からも御質問がありました。重複する部分は割愛し、特定複合観光施設区域整備計画、いわゆるIRカジノ構想を本県として進めるに当たって外せないと考えている点をお伺いしたいと思います。
昨年12月、IRカジノ推進法が可決・成立し、12月26日施行、附帯決議には、施行後1年以内をめどに、カジノ規制やギャンブル依存症対策を盛り込んだ実施法の法制上の措置を講じるとされております。IRカジノについては、世界には成功事例も失敗事例もありますし、どこで施設を考えるのかで大きく変わってまいります。党として勉強会を重ねていますが、今の時点では、まだ賛成、反対を言える段階じゃないと思っております。どのようなIRカジノを和歌山でつくろうとしているのか、それを見きわめる必要があります。
IRは、内容も重要ですが、それとIR施設地元住民や周辺地域の方々の理解と協力、そして、議会の同意がないと進みません。ギャンブル依存症への対応、そして治安が悪くなり、反社会勢力の介入や青少年に悪影響が出る、そういった心配がカジノに対して抱くマイナスのイメージとなっているのも事実です。それを払拭するのも大変なことです。
昨年の推進法成立を受けて、政府は安倍総理を本部長、各閣僚を副本部長として、特定複合観光施設区域整備推進本部をことし3月に立ち上げ、きのうまで都合5回推進会議が行われ、急ピッチに法案の骨子ができ上がっている感じがいたします。施行後1年以内ですから、早ければ今秋にも予定される臨時国会に法案として上程されるかもしれませんし、遅くとも来年1月の通常国会には法案として審議され、具体的な内容となることは間違いありません。
現在、和歌山県を初め北海道、神奈川県、大阪府、長崎県など、複数自治体が名乗りを上げているようです。推進法審議の中で、日本全体の国際観光、地域振興、財政に寄与するもので、それなりの規模のものを想定、2つ、3つぐらいからスタートし、その効果を検証しながら、段階的に数をどの程度ふやしていくのかも考えるべきという答弁もございましたし、附帯決議でも厳格に少数に限るとうたわれております。
知事の構想ではカジノは外国人専用とするとされていますが、未来永劫までそうとは限らないともおっしゃっておられます。また、有識者会議ではカジノ営業を法律であらかじめ制限することも検討されており、今後の方針にも影響するのではないかと思われます。
スケジュールを考えますと、実施法案の行方次第ですが、今年度末ぐらいまでには県として施設などの規模や観光や地域振興、そして財政効果など、計画の準備をしていかなければなりません。また、何より県民の不安にどのように対処するのか、住民への説明を行わなければなりません。IRカジノを導入するか否かは、最終的には県民がどこまでカジノのメリット、デメリットを正確に把握し、判断を下すかにかかっていると思います。カジノ導入に伴うマイナス面がプラス面よりはるかに大きいと判断した場合には、誘致を進めることは難しいと判断します。どのように県民の理解を進めていくのか、知事のお考えをお聞かせください。
○議長(尾﨑太郎君) ただいまの多田純一君の質問に対する答弁を求めます。
知事仁坂吉伸君。
〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) IR推進法の附帯決議には、地方公共団体が特定複合観光施設区域の認定申請を行うに当たっては、公営競技の法制に倣い、地元議会の同意を要件とすると書かれておりまして、IRの誘致を円滑に進めるためには県民の理解が必要であるというふうなことは自明であると思います。県民の理解を進めるに当たり大切なことは、そもそもIRとはどういう施設なのかというようなことについて、正確に認識をいただくということが大事だと思います。
そのため、県では、記者会見や研修会などさまざまな機会を捉えて、IRは単なるカジノではないというのはもちろんのこと、カジノホテルでもなく、会議場、ショッピングモールその他さまざまなエンターテインメント施設等が一体となった複合的な観光・集客施設であるということを発信してきたところでございますし、また、それにかかわる問題点についても、対策も含めて考え方を表明しているところであります。
ただ、全ての県民にこのような情報が届いているわけではないというふうに思っておりますし、説明をしても耳を傾けず、何が何でも反対をしなければと思い込んでいる人や団体もいるということも事実だろうと思います。
多くの雇用や、あるいは多額の地元調達を生むなどのメリットや、ギャンブル依存症といったデメリット、またこれを防ぐための対策などの正確な情報を県民に提供することにより、これを共有していただいて、正しい認識をいただくことが必要であると考えております。
今後、県、市及び地元経済界などさまざまな主体が、例えばシンポジウムとか説明会をどんどん開催して、県、市が掲げるリゾート型IRの構想、ギャンブル依存症対策としてのカジノ施設部分への日本人の入場制限などの考え方について、丁寧な説明をそういう場で行えればよいなあというふうに思っております。情報の提供には、ちゅうちょするところは全くありません。
○議長(尾﨑太郎君) 多田純一君。
〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 お答えをいただきました。
たまたま、けさの新聞を見てますと、これは「産経新聞」ですけども、IRのことが1面に取り上げられておりました。大阪府・市で初セミナーと、「IR誘致 関西圏で過熱」、こういう記事でございましたけども、関西圏では、この大阪と、それから和歌山ということになるんでしょうか。それぞれが今進めている状況ですけども、この大阪府ではもう既にセミナーを開催してやってらっしゃるということでございますんで、今も私も質問させていただきましたけども、知事や、また和歌山市の尾花市長がいろいろ記者会見する内容は記事になってまた情報として発信されると思うんですけども、実際に知事や市長も含めて、生のいろんな説明をする状況下に来てるんじゃないかなと思うんですね。そういう意味では、このセミナーにするのか、住民説明会にするのかわかりませんけども、もうそろそろ準備をされて、用意していただいたほうがいいんじゃないかと思うんです。
この記事によりますと、何回かする中で、大阪の構想もこの秋口からきちっと説明していくと、こういう内容になってました。外国人専用ということでございますけども、実際にそういうことを含めて、知事から具体的に説明会を持っていただきたいと、こういうふうに思いますけども、時期の想定というのはどうなっているんでしょうか、再質問させていただきます。
○議長(尾﨑太郎君) 知事。
〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 例えば、いろんな方々が自分たちの、例えば産業界とか、あるいはある大きな団体とか、そういうところで何か聞きたいからというお話があったり、それから、商工会議所を中心とするようなそういう組織もできてますから、そういうようなところでもどんどんそういう話が進めばいいと思うんです。
県や市も、まだ別に何月何日にそれと決めてるわけじゃございませんが、きょうのようなお話がありましたので、どんどんやったらいいと思っております。何か、こんなものは1回やりゃ終わりという、そういう手続儀礼みたいな話じゃなくて、どんどこやればいいわけですね。というようなことで、関心を持ってる皆さんについては、どんどん言っていただければいいというふうに考えております。
○議長(尾﨑太郎君) 多田純一君。
〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 それでは、続いて行財政改革の取り組みについて、お尋ねをします。
この3月に策定されました中期行財政経営プランは、仁坂知事にとりましては3度目の行財政改革プランとなります。今回は、1年前倒しをして策定した長期総合計画10年と、将来にわたる持続可能な行財政運営を平成29年度から平成33年度までの5年間のプランと位置づけ、車でいう両輪として計画したものと受けとめております。
地方財政はますます厳しい時代を迎えており、本県も待ったなしの行財政改革を進めていかなければなりません。今回のプランでは財調・県債基金は、この5年間、目標値の150億円を最終年度まで維持し、県債の年度末残高見込みは、平成29年度に比べて181億円増の6795億円と見込んでおられます。
一方、県の公共施設等総合管理計画で示された内容では、県が平成27年度末時点と同規模の公共建築物を維持した場合、今後30年間の老朽化対策の費用は約3969億円と見積もり、中期計画終了後以降に公共建築物の更新や大規模修繕などで年間100億円以上の規模の経費が20年以上続くという予測です。
高齢化が既に進展している本県におきましては、65歳以上の高齢者人口は、2030年(平成42年)ごろにピークに達すると見込まれることから、人口減、高齢化対策など、ますます重要になってまいります。
将来にわたって県民が安心できる行財政運営に向けた行政改革についての知事の御見解を伺います。
○議長(尾﨑太郎君) 知事。
〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 県政を進めていくに当たり、本県を取り巻く環境の変化に適切に対応をしつつ、県民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げることができるよう、いついかなるときも行財政改革の取り組みを進めていくことは当然のことであると思います。知事に就任して以来、数次の行財政改革推進プランに基づく取り組みを推進してきたのもこういう考え方からでございます。
本年3月には新たな長期総合計画を策定するとともに、その長期総合計画の実現と将来にわたる持続的な行財政運営の確保の両立を目指すために、平成29年度からの5年間の行財政運営の方向性を定めた中期行財政経営プランを策定したところでございます。
まず、このプランに基づきまして、限られた行財政資源の中で、県庁挙げて行財政改革の取り組みを着実に実施していく所存であります。もちろん、プラン終了後も社会情勢の変化に適切に対応できるように、行財政改革の歩みをとめることはすべきではないし、そんなことをできる状況にはないだろうというふうに思ってる次第でございます。
○議長(尾﨑太郎君) 多田純一君。
〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 行財政改革の柱は幾つかあると考えます。今回は、その中で職員人員体制、指定管理者制度導入による施設管理について、未利用地の活性化の3点に絞って取り上げたいと思います。
特別行政部門の職員人員体制では、警察部門で25人増、教育部門ではこの5年間で280人、毎年平均56人の削減となっています。学級編制及び教職員定数の標準に関する法律により、児童生徒数の実態に合わせて教職員数も変わってきます。教職員の多忙化が問題視されてる中、現状の勤務実態に配慮して人員体制を計画してると伺っております。教職員人員体制の中で、現状の教職員の勤務実態とその対応について、教育長にお尋ねをしたいと思います。
○議長(尾﨑太郎君) 教育長宮下和己君。
〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 教職員の勤務状況につきましては、平成28年度に文部科学省が全国の小中学校を調査したところ、家に持ち帰って行う業務などの時間も含め、1週間当たりの勤務時間が60時間以上となる教諭の割合は、小学校で33.5%、中学校で57.7%でありました。県立中・高等学校、特別支援学校の教職員につきましては、調査の条件や内容が国とは異なりますが、県教育委員会の調査では、勤務時間外における業務が1カ月当たり80時間以上となる教職員の割合は、平成28年度で6.8%となっております。長時間勤務となる主な要因として、生徒指導、保護者対応、部活動の指導等が挙げられております。
県教育委員会では、これまでも校務支援システムの導入や調査・アンケートの削減など、多忙化の解消に向けた対策を講じてきたところです。ことし3月には、新たに校務の効率化に向けた取組指針を作成し、校務分掌の精選・重点化や会議、打ち合わせの精選・スリム化など、具体的な7つの重点項目を示し、学校長及び教職員みずからが勤務状況をチェックするなど、校務の効率化に徹底して取り組みを指導しているところです。
また、運動部活動につきましては、週1日は休養日を設けることや、適切な練習時間等を示した和歌山県中学校運動部活動指針が各学校で適切に適用されるよう指導を徹底しているところであり、今後、その定着を確認してまいります。
さらに、今年度、中学校では顧問の教員の負担軽減と指導体制の充実を図るため、外部指導者と部活動指導員の配置を進めており、現在、7市12町と県立中学校に110名の指導者を配置しているところです。
今後とも、市町村教育委員会とともに、業務の効率化など多忙化の解消に取り組んでまいります。また、今後、少子化の影響による教職員数の減少が予想される中ではありますが、国に対して教員定数の確保など、これまで以上に強く要望してまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 多田純一君。
〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 続いて、指定管理者制度導入について、その成果と課題についてお聞きしたいと思います。
住民福祉の増進を図るため、公の施設について民間事業者等が有するノウハウを活用することで住民サービスの質の向上と行政効率を上げる目的で、指定管理者制度が平成15年9月スタートしました。本県では、平成17年1月から指定管理者制度が導入され、本年4月1日現在、39施設が指定管理者により運営されております。
全国都道府県別指定管理者制度導入施設を確認いたしますと、神奈川県が導入率100%、続いて大阪府が96.9%、福島県の92.9%、和歌山県は156施設のうち39施設、導入率25.0%となっております。平均導入率が60%となっていますので、進んでいないのか導入に慎重になっているのか、どうなのでしょうか。
選択の仕方も、28施設が公募、11施設が非公募ということです。指定管理者期間は一部を除きほとんど3年間となっておりますので、5期目という長期指定管理者にもなってきております。本来の趣旨、目的からすると公募が望ましいはずですが、いまだ11施設、全体の4分の1が非公募になっているのは理由があるのでしょうか。工夫の余地があると言えます。
また一方で、今も県が直接運営している美術館、博物館、図書館など文教施設の指定管理者制度導入が可能な施設なども検討の余地が残っていると思います。
平成27年8月、総務省から「地方行政サービス改革の推進に関する留意事項」の通知に指定管理者制度等の活用として、既に指定管理者制度を導入している施設について、その管理のあり方について検証を行い、より効果的、効率的な運営に努めること、また、施設目的等から直営を選択している場合であっても、窓口業務や貸し室業務、施設・設備管理といった業務について、部分的に指定管理者制度を導入する等、幅広い視点からその管理のあり方について検証することとされております。
現在、指定管理者制度を導入している施設の制度導入後の成果と課題についてお示しください。また、現在直営施設となっている施設について、制度導入の検討を進めてこられたのか、また、制度導入の成果及び直営施設の制度導入の適否を検討する第三者検証委員会等設置についてのお考えを総務部長、お答えください。
○議長(尾﨑太郎君) 総務部長浦上哲朗君。
〔浦上哲朗君、登壇〕
○総務部長(浦上哲朗君) 指定管理者制度についてでございますけれども、本県では、民間事業者等のノウハウを生かすことで公共サービスの向上を図るとともに、経費の削減が期待できる施設について、平成18年度から本格的に指定管理者制度を導入いたしました。
制度導入後の成果としましては、サービス面においては、例えば、開館日数を増加させるとか運営上の工夫、それから自主事業の実施などによりまして、利用者が増加するなどの効果があったところであります。また、経費面においては、制度導入前と比べて、単年度ベースで約15億円のコスト削減効果があり、制度導入により施設の効用が高まったところでございます。
一方、課題としましては、県内においては施設を総合的に管理運営できるノウハウを有する民間事業者が少ないという点が挙げられると思います。直営施設における制度導入の検討につきましては、適宜行ってきたところでございますけれども、今後、直営施設を含めた公共施設等について、本年3月に策定した公共施設等総合管理計画、これに基づきまして、個別の施設について、制度導入の適否も含めてそのあり方を見直すこととしております。その見直し方法についても、議員御提案の第三者による検証なども含め、どのような方法が適切か、ほかの自治体の取り組み等も参考にしながら、各施設の特性に応じて検討してまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 多田純一君。
〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 次の質問に移りたいと思います。
県有未利用地財産、これまでの取り組みについてお尋ねをしたいと思います。
平成20年のプランでは、平成24年までの処分計画だけで以前の総括がなく、また平成24年の改定ではその概念だけが記されており、以前の総括がありません。また、このたびのプランでも、平成27年度まで売却された歳入の実績は4億1000万ということになっております。県有未利用地財産の全体像とその処分状況及び県における取り組みを総務部長にお聞きします。
○議長(尾﨑太郎君) 総務部長。
〔浦上哲朗君、登壇〕
○総務部長(浦上哲朗君) 未利用地についてでございますけれども、知事就任後の平成19年3月末時点での一般県有地は約84万9000平方メートルでございましたが、そのうち未利用の状況であった土地は、約60万8000平方メートルでございました。
県におきましては、新聞広告への掲載、現地での看板設置による売却情報の広報に加えまして、全国に先駆けて公有財産のインターネットオークションを実施しまして、平成19年3月末時点の未利用地のうち約19万7000平方メートル、これを処分したところでございます。
その結果、一般県有地における未利用地の割合は、平成19年3月末時点で約72%であったものが平成29年3月末時点で約45%に減少しております。
今後とも、未利用地の有効な活用に努めてまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 多田純一君。
〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 未利用地となっている中で、旧六星寮跡地についてお聞きしたいと思います。
六星寮は、昭和24年、盲学校の福祉的寮として和歌山市湊通丁、今のアバローム紀の国のあたりに建設されました。その後、昭和40年11月、和歌山市府中へ和歌山盲学校及び六星寮が移転を、平成2年に有功が丘学園に併設統合され、六星寮は廃止されております。和歌山県盲学校の福祉目的の六星寮は、発足してから廃止まで約40年間、府中に移転してからでも25年間で役目を終え、幕を閉じたことになります。
かつて、議会の議事録を読みますと、移転してきた当時、寮生活のさまざまな問題を抱えた寮生活の改善など、先輩議員の質問など、関係者の思いがこもった寮だったこともうかがえます。旧六星寮跡地について今日までの経緯について、福祉保健部長にお聞きしたいと思います。
○議長(尾﨑太郎君) 福祉保健部長山本等士君。
〔山本等士君、登壇〕
○福祉保健部長(山本等士君) 児童福祉法に基づく盲児の入所施設であった旧六星寮につきましては、入所児童の減少に伴い平成2年に廃止しております。
廃止後は、視覚障害者団体を初め関係団体からの要望も踏まえて、同施設の利活用を含めた検討を重ねてまいりましたが、具体的な活用方策を見出せずに、平成22年に当該建物を解体撤去したところです。
その後は、県の普通財産にして速やかに売却する方針でしたが、当該跡地はもともと排水面で問題があったことから、地元自治会や地元住民との協議の結果、抜本的な排水対策を講じることが必要となったところでございます。
翌平成23年から、排水対策工事の実施に向けて地元住民と幾度となく話し合いを行い、平成26年にようやく隣接する地権者から同意を得られたものの、工事着工直前になって撤回を申し入れられました。その後も、当該地権者に対する交渉を継続するとともに、他の工法も検討してきたところでございます。
ことしに入ってからも再度交渉を行いましたが、同意が得られなかったことから、他の工法による排水対策工事の実施に向け、地元自治会や関係住民との話し合いを早期に進めてまいります。
今後は、できるだけ早く地元の同意を得て、早期に排水対策を講じるなど、当該跡地の売却を着実に進めてまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 多田純一君。
〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 早急に進めていくという御答弁でございましたけども、この旧六星寮につきましては、平成2年に六星寮を廃止して、行政財産から普通財産に用途変更するのに20年かかってるんですね。平成22年に建物を取り壊し、以来また7年間かかってるんです。売却準備まで時間がかかってるわけです。広大な南紀白浜空港跡地や山林とか雑木林などと違い、周辺は県営住宅や団地が建ち並ぶ場所です。近くには西脇山口線の工事も進んでおり、便利な地域になるはずです。県の判断として遅過ぎる箇所として指摘せざるを得ません。
この六星寮につきましては、県議会としてもたびたび指摘がありました。そして、監査委員からも未利用地として次への活用を求める内容になっていることもたびたびございました。でも、なかなか動かなかったのも事実です。旧六星寮周辺の住民は、県有未利用地について、そんなに時間がかかるなら地元で活用させてもらいたいという希望まで寄せていただいておりました。ぜひ未利用地活用の教訓にしていただきたいと思いますので、強く申し上げたいと思います。
質問を続けてまいります。県立図書館の役割と読書習慣の向上についてお聞きしたいと思います。
日本人の読書離れ、活字離れが問題になって久しい感があります。文化庁の国語に関する世論調査では、全国の16歳以上の男女3000人を対象に、電子書籍を含む読書量の変化などについてアンケートを行っています。それによると、漫画や雑誌を除く1カ月の読書量は「1~2冊」と回答したのが34.5%、「3~4冊」は10.9%、「5~6冊」は3.4%、「7冊以上」が3.6%だったのに対し、「読まない」との回答も多く、47.5%に上っています。前回の調査に比べ、1冊も読まない割合は1.4ポイント増加し、日本人の読書離れが進んでいるとの結果でございました。かつて県議会での一般質問で、山本茂博副議長がテレビ番組「ケンミンSHOW」を取り上げ、雑誌、図書の購入費が一番少ない和歌山県と紹介していました。まだ記憶に新しいところです。
和歌山県は読書習慣が低い、そういう汚名を返上するためにも、県民の読書推進における図書館の役割は大きいと考えます。
日本図書館協会のホームページを確認しますと、都道府県立図書館数は全国で59館、市区町村立は3210館、県内では、県立図書館は2館、市立図書館は8市全てに設置されて全部で14館、町立としては9館になっています。設置されていない町村もあります。図書館はなくても、公民館などで図書室を設置して、住民に読書の機会を提供しているところもあるようです。
県立図書館は、和歌山市にある本館と田辺市学びの丘にある紀南図書館が知の拠点として県民の役割を担っております。その拡充に努め、住民に対して適切な図書館サービスを行うとともに、図書館未設置の町村が多く存在することを踏まえ、県内の図書館サービスの全体的な進展を図る責務を担っております。
それと、子供から大人まで書物などを通して、生涯学習の機会、知識を深め充実した日常生活を送る、そんな期待も持っております。
県立図書館の役割について、改めて教育長にお尋ねいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 教育長。
〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 県立図書館の役割は、県の中核図書館として、市町村立図書館や学校図書館等と連携、支援を行い、県民の方々の読書環境の充実に努めるとともに、本県の貴重な資料の保存、管理を行うことであります。
市町村立図書館では資料を計画的に廃棄するのに対し、県立図書館におきましては、有用な資料を永久保存することで、平成29年4月1日現在で、紀南図書館と合わせて99万5000冊余りを所蔵し、県内最大の資料保存拠点となっております。また、郷土資料につきましても県内全域の資料を収集し、保存、提供しております。
これらの資料につきましては、蔵書検索システムやネット予約等、インターネットの活用による情報発信を行うと同時に、市町村立図書館への協力貸し出し、団体貸し出しを行うことで、来館者のみならず全県的に利用が可能となっております。
さらに、専門的知識のある図書館司書により、これらの幅広い分野の蔵書を活用した調査相談サービスを行い、利用者の読書ニーズへの対応に努めております。
加えて、県内の学校関係者を初め、読書活動の推進にかかわる方々に対し、研修や出張講座を実施することにより、指導者の資質向上にも努めております。
○議長(尾﨑太郎君) 多田純一君。
〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 続いて、県立図書館の利便性向上について、お尋ねをします。
県立図書館は直営で行っております。この10年間、開館日、職員の人数はほとんど変わってません。毎年およそ80日間ぐらい図書館が利用できない日があります。10年間の推移を確認しますと、入館者数、新規登録者数は減ってきております。図書館も努力はしていただいております。例えば、本館では、2階で文化情報センターに視聴覚資料を利用した学習の提供やメディアアートホールを開設し、コンサートや講演などを行って好評を博しております。
図書の貸し出しも平成25年から5冊から10冊に改め、今年度から開館時間も10時から9時に改善しております。しかし、全国的に同じ傾向にあるとはいえ、入館者数や新規登録者、つまり利用者が人口減以上に目減りしている状況です。貸し出し人数や1日当たりの貸し出し冊数も、児童書も同様ですが、和歌山市民図書館と比べるとちょっと物足りない感じがいたします。
駐車場や開館日の拡充、自習コーナーの拡充など、県立図書館の利便性向上について、教育長のお考えをお聞かせください。
○議長(尾﨑太郎君) 教育長。
〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 県立図書館の利便性の向上についてお答えいたします。
開館日、開館時間につきましては、平成19年度から祝日を開館日とし、平成27年度からは、児童室の閉館時間を2時間延長しております。さらに、今年度から開館時間を1時間早め9時からとするなど、業務の効率化を図りながら拡充に努めてまいりました。
かばんや持参の書物を持ち込めるスペースとして、平成16年度に自習室を設置し、その後、新たにエントランスにも拡充して増設してまいりました。パソコンにつきましては、申請手続をした上で閲覧室に持ち込んで使用いただくことは可能となっております。
また、かねてから御要望のありました貸出票の改善につきましては、今年度の資料点検期間中にシステム改修を行い、この6月17日から現在借りている本を確認できるようにいたしました。
駐車場につきましては、これまでも可能な限り増設に努めており、開館当時55台であった駐車可能台数が現在77台になっております。しかしながら、週末は満車状態であり、課題であることを認識してございます。
今後も県民の方々のさまざまな要望を踏まえ、さらに改善すべき課題を検討しながら、県立図書館としてのサービスの向上に努めてまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 多田純一君。
〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。
読書習慣の向上について、お尋ねしたいと思います。
配付させていただいている図は、読書習慣の状況として、小学生、中学生、そして高校生の本県と全国を比較した実態です。
1日当たり全く読書をしないとする答えは、平成19年には和歌山県では24.1%、全国平均は21.2%、平成24年には和歌山県は28.2%、全国は22.5%、そして、平成28年には和歌山県は22.0%、全国平均は20.6%、いずれも全国平均より読書をしない小学生が和歌山県では高い状況です。また、中学生でも1日当たり全く読書をしない比率が平成19年、平成24年、平成28年と全国平均と比べると6%ほど差が出ております。小学生より中学生のほうが読書をしない割合が高くなっているという状況です。また、一斉読書習慣でも、小学生では平成19年、平成24年、平成28年と比べると全国平均より低い状況です。それは、中学校でもここ10年間比較しても同じ状況が続いております。
この表からわかることをまとめますと、1日当たり全く読書をしないとする小学生、中学生は、全国平均と比べるとその差は埋まってませんし、中学生になるとその差は大きくなっております。一斉読書習慣も、小学生・中学生ともに全国平均に追いついていない10年間です。高校生では公共図書館との連携が進んでいますので、読書習慣につながることを期待します。
学力との相関関係も感じます。授業が始まる前、また、午後から授業開始前でも時間を割いて、一斉読書習慣を高める工夫が必要と考えます。
国立青少年教育振興機構が2013年、子どもの読書活動の実態とその影響・効果に関する調査研究報告書をまとめております。調査は成人調査と青少年調査に分かれておりますが、子供のころに読書活動が多い成人・青少年ともに、未来志向、社会性、自己肯定、意欲・関心、文化的作法・教養、市民性、論理的思考の全てにおいて意識、能力が高い。特に、就学前から小学校低学年までの家族から昔話を聞いたこと、本や絵本の読み聞かせをしてもらったこと、絵本を読んだことといった読書活動は、現在における社会性、文化的作法・教養との関係が強い。就学前から中学時代までの読書活動と体験活動の両方が多い高校生・中学生ほど、現在の意識、能力が高いと報告されております。子供のころの読書習慣は大人になってどう影響するか、大切な示唆と受けとめていきたいと思います。
県民の読書習慣向上を考える上で、県立図書館の役割は大きいと考えます。どのように教育長はお考えでしょうか、お答えください。
○議長(尾﨑太郎君) 教育長。
〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 議員御指摘のとおり、学校において一斉読書することや子供のころから読書習慣を身につけることは、大変重要であると考えてございます。
県教育委員会では、今年度の新政策として「さぁ 本を読もう 図書館へ行こう」を合い言葉に、学校図書館担当教員や学校司書等を対象に研修会を行うとともに、ボランティアの協力も得ながら、本に触れる機会の充実や子供の読書習慣の向上につながるよう努めているところです。
県立図書館の役割といたしましては、子供の読書習慣の向上を図るため、手づくり紙芝居コンクールや中高生がお勧めの本を紹介するPOPコンクール、ビブリオバトル等の取り組みを行っておりますが、さらに県内に広め、充実させてまいりたいと思ってございます。
県立図書館司書が選んだ小中学生にお勧めの本の紹介や日本の伝統行事、生活に関連した季節展示等を行い、読書に親しむ機会の充実も図ってまいります。
また、学校の授業における本の活用や読書活動が活性化するよう、協力貸し出しや団体貸し出し等の支援を行っているところです。
さらに、図書館司書が本の選び方や本の紹介、読み聞かせに関する講話や実演などを行う出張講座を実施し、子供が本と豊かな出会いができるよう支援を行っております。
今後も、県民の方々の幅広いニーズに対応し、読書習慣の向上に貢献できるよう県立図書館の充実に努めてまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 多田純一君。
〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 最近、海南市下津図書館に行かせていただきました。子どもの読書活動優秀実践図書館として、下津図書館が文部科学大臣表彰に選ばれ、どんな工夫をされているのか、話を伺ってまいりました。
小さな子供を持つ親が図書館に来やすくなるように、毎週曜日を決めて赤ちゃんタイムとして赤ちゃん向けの話会を開いたり、利用者が本に帯を巻き、読んだ人が感想を書いていく伝書バトン、職員による読み聞かせチーム「おたまじゃくし」と「どんぐり」を結成し、おはなし会を実施、さまざまなイベントを通じ、1人でも多く図書館に来てもらいたいと語っておられました。平成28年には、前年比で入館者は約1000人ふえたそうです。
また、下津図書館では、県内ほかの市町村の方にも貸し出しを行っているそうです。まだ一部地域だけですが、広域で双方向の貸し出しの機運が高まってきています。広がっていくよう、県立図書館が中心となって進めてほしいと要望させていただきます。
また、読書推進を進める上で、紀の国読書手帳というようなものの導入についてもぜひ検討していただきたい、これも要望させていただきたいと思います。
続いて、4点目の質問に入ります。通学路の交通安全対策についてお尋ねします。
昨年の通学路における事故状況についてお聞きしたいと思います。
通学路において事故や事件が目立っております。昨年、和歌山市神前の県道交差点で、横断歩道を渡っていた登校中の小学生2人が軽乗用車にはねられる事故がありました。また、全国でも、昨年10月に神奈川県横浜市で小学生の列に自動車が突入、児童1人が死亡、8人が重軽傷。同じく11月には、千葉県八街市で同じく児童の列にトラックが突っ込み4人が重軽傷。ことし1月には、島根県益田市で横断歩道を渡っていた児童の列に軽トラックが突っ込み、73歳のボランティアの方が死亡し、児童1人が軽傷の事故がありました。ことしの3月の千葉県松戸市での誘拐・殺害事件などは、まだ真相究明中のものもあり、児童生徒の安全確保の問題として気を抜けない状況となっております。
ことし4月12日には、警察当局で通学路における全国一斉の取り締まりを行い、通行禁止違反や最高速度違反、信号無視など1万1355件を検挙したと報道されております。県内でも、通学時間帯に合わせて午前7時30分から1時間、通学路周辺を中心に14カ所で交通取り締まりを行い、合わせて185件を検挙したということです。
1日、それも1時間ほどの一斉取り締まりでこういう状況です。先月には、大阪府門真市の通学路で下校中の中学生らが逃げ惑う様子を撮影した動画がインターネット上に投稿され、「小中学生らが広がって歩いて邪魔だったので、思い知らせようとスピードを出した」と供述しております。インターネット上に投稿された映像は、約20秒間、クラクションとともに「のけ、こら、おまえら」などと歩いている生徒らを威嚇する男の声も入っていました。大事故につながる危険な行為として、許されない行為です。
本県における昨年1年間の登下校時での交通事故の件数、その状況について警察本部長にお尋ねします。
○議長(尾﨑太郎君) 警察本部長宮沢忠孝君。
〔宮沢忠孝君、登壇〕
○警察本部長(宮沢忠孝君) 昨年の登下校時における交通事故の発生状況についてでありますが、昨年は、11人の小学生と18人の中学生が交通事故により負傷しております。
なお、子供が被害者となる死亡事故は2件発生しておりますが、登下校中の子供の死亡事故は、平成25年以降の発生はありません。
過去10年間の推移を見ますと、小中学生の交通事故は減少傾向にあり、10年前の約3分の1にまで減少している状況にあります。
○議長(尾﨑太郎君) 多田純一君。
〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 昨年は、小学生が11人、中学生が18人というお話をいただきました。まだまだなくならない、そういう状況下でもあります。平成24年以降の対策強化と現状についてお聞きしたいと思います。
平成24年、亀岡市の通学路における事故以来、公立小学校及び公立特別支援学校小学部の通学路において、交通安全の確保に向けた緊急合同点検が全国で実施され、文部科学省、国土交通省、警察庁など関係機関等が連携し、通学路の安全対策を実施してきました。これを受けて、各自治体では、地域ごとに取り組みの基本方針を策定するとともに、対策を継続して推進するための協議会が設置されております。
この5年間の対策強化とその現状について、教育長、警察本部長、県土整備部長、それぞれお答えください。
○議長(尾﨑太郎君) 教育長。
〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 平成24年度以降の通学路における交通安全対策と現状についてですが、平成24年に京都府等で通学児童が被害者となる重大事故が連続発生したことを受け、教育委員会、道路管理者、警察により、通学路における交通安全の確保に向け、通学路の緊急合同点検を実施いたしました。この結果、教育委員会が対策を講じなければならない箇所は155カ所で、平成26年度には通学路の変更等の対策は全て終えてございます。
また、国においては、各市町村で定期的な合同点検の実施や対策に取り組むため、通学路交通安全プログラムを策定することとされたことから、各市町では、このプログラムを策定し、啓発看板の設置等、地域の実情に応じた対策を進めております。
さらに、県独自の取り組みとして、道路交通法の改正や道路の整備等に伴う新たな危険箇所を把握するため、平成26年度に、小学校に加え中学校の通学路も対象に、道路管理者及び警察と連携して合同点検を実施いたしました。教育委員会所管分の182カ所のうち180カ所については、市町村教育委員会で自転車の通学路の変更等の対策を完了し、残り2カ所についても対応を検討しているところです。
また、ほとんどの学校では、保護者、地域の方々やボランティアの方々による登下校時の見守り活動等に取り組んでいただいております。
県教育委員会といたしましては、引き続き交通安全教育の徹底を図るとともに、通学路の安全確保に向け、道路管理者及び警察と連携し、市町村教育委員会とともに定期的に状況を把握しながら対策を進めてまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 警察本部長。
〔宮沢忠孝君、登壇〕
○警察本部長(宮沢忠孝君) 教育長から答弁のありました平成24年度の緊急合同点検結果でございますが、警察が対応すべき安全対策として、信号機や横断歩道の設置、最高速度、一時停止、一方通行、車両通行どめ等の各種規制の実施及び道路標示の補修等、130カ所185対策を抽出いたしました。
また、平成26年度にも同様の合同点検を実施し、新たに62カ所71対策を抽出し、これらの点検により抽出した対策を順次講じてきたものであります。
そして、平成29年5月末現在、点検結果を踏まえた警察が実施すべき対策につきましては、かつらぎ警察署管内の信号交差点に歩行者用灯器を増設する対策を残すのみとなっているものですが、この対策につきましては、信号柱の設置場所を確保でき次第実施することとしております。
警察といたしましては、今後も教育委員会、学校、道路管理者と緊密に連携し、通学路における交通安全の確保に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(尾﨑太郎君) 県土整備部長森戸義貴君。
〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 平成24年度以降の通学路の安全対策について、道路管理者としてお答えをいたします。
平成24年度の緊急合同点検におきまして、国、県、市町の道路管理者が対策を実施する必要のあるとされました箇所は395カ所であり、平成28年3月までに約9割の359カ所の対策が完了しております。このうち、県管理道路では、対策が必要とされました152カ所のうち151カ所が完了しておりまして、残る1カ所も今年度内に完了する予定となっております。
緊急合同点検後の取り組みといたしましては、平成26年度にも同様の合同点検を実施するとともに、以降も定期的に合同点検を行いまして、これに基づき、市町が通学路交通安全プログラムを策定しております。また、点検の結果を踏まえまして、対策を追加するなどによりプログラムを随時更新し、このプログラムに基づき、それぞれの道路管理者が対策を進めてございます。
このうち、県管理道路につきましては、緊急合同点検に基づく対策箇所と一部重複をいたしますが、対策を実施する必要のある箇所は153カ所あり、これまでに約4割の62カ所が完了しております。残る箇所につきましても、歩道の設置や歩行スペースの確保等、状況に応じた交通安全対策を進めてございます。
さらに、県では、子供や高齢者が安心して生活できるよう、歩道整備の加速化を図る今年度から5年間で実施する計画を策定し、その推進に取り組んでいるところでございます。中でも、通学路交通安全プログラムに位置づけられた箇所につきましては、早期整備に努めることとしてございます。
今後も引き続き、通学路の安全確保に向け、教育委員会や警察などの関係機関と連携しながら、交通安全対策に取り組んでまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 多田純一君。
〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 対策強化を進めていただいてるところですけども、今、県土整備部長からも御説明いただきましたが、先ほど私が取り上げました和歌山市神前での通学路の問題でございますけど、事故後、カーブミラーの設置とか、また、赤いポールを立てていただき注意喚起していただきました。狭い道路から県道を渡って学校に通う小学生にとって、通らなければならない通学路となっております。小さな交差点です。車道からは歩行者は見落としがちな構造となっているため、昨年以前にもたびたび交通事故が起こっている箇所となっております。通学路とわかりやすくするためにも、交差点をカラー舗装するなど、改めて検討を要望していきたいと思います。
最後の質問になります。通学路の交通安全プログラムの策定と、その情報公開についてお聞きしたいと思います。
地域ごとに通学路の交通安全の確保に向けた取り組みの基本的方針を策定するとともに、関係者で構成する協議会を設置し、推進体制の構築や課題解決に向けたプログラムを作成し、適宜公開することになっております。県内30市町村における取り組み状況について、教育長にお尋ねをいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 教育長。
〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 通学路交通安全プログラムにつきましては、全ての市町で策定しております。なお、北山村につきましても、本年度策定される予定でございます。
その公表につきましては、ホームページによるものが16市町、学校便りや広報紙等によるものが7市町となっております。残りの6市町につきましては、保護者や見守り隊などの学校関係者や地元警察署、道路管理者等で情報共有されております。
子供たちの安全・安心な通学路を確保するためには、保護者を初め地域住民やボランティアなど、多くの方々の協力が重要なことから、今後とも通学路の安全確保の趣旨に鑑み、適切に情報提供するよう市町村に働きかけてまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 多田純一君。
〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 いろいろお答えをいただきました。ぜひ、よろしくお願いをしたいと思います。
子供たちの大切な命を守るためにも、通学路の安全対策を重ねてお願いし、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(尾﨑太郎君) 以上で、多田純一君の質問が終了いたしました。
これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
この際、暫時休憩いたします。
午前11時43分休憩
────────────────────
午後1時0分再開
○議長(尾﨑太郎君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
質疑及び一般質問を続行いたします。
18番中本浩精君。
〔中本浩精君、登壇〕(拍手)
○中本浩精君 皆さん、こんにちは。
本日3番目に登壇させていただきます中本です。よろしくお願いいたします。
それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
質問に入らせていただく前に、台湾現地調査について報告いたします。お手元に本日の記事を配付させていただいております。御参考いただければありがたく思います。よろしくお願いいたします。
去る6月7日から9日、仁坂知事とともに、尾崎要二議員、宇治田栄蔵議員、山下直也議員、岸本健議員、そして私、中本浩精の5名が台湾台北市を訪問しました。訪問の主な目的は、県産品の販路拡大と観光客誘致のためのトップセールスです。仁坂知事らとともに私たちも和歌山県の産品や観光資源のPRを行いました。
県産品の販路拡大については、台湾の高級百貨店に太い販路を持つ日本食品輸入卸の商田實業と高級小売店シティ・スーパーの本社を訪問しました。両者のトップに対し、県産品の継続的な取り扱いについてお礼を述べるとともに、さらなる取り扱いの拡大や和歌山フェアの開催などについて意見交換を行いました。
観光客誘致については、和歌山県への豊富な送客実績がある喜鴻旅行社を訪問するとともに、和歌山県にゆかりのある文化施設紀州庵で開催された観光セミナーに参加しました。岡本章九度山町長や県内の観光事業者も参加し、台湾の旅行会社やメディアなど関係者に対して、和歌山県の豊かな観光資源や体験型プログラムなどを紹介しました。
そのほかにも、和歌山県と関係のある施設を訪問しました。
南方熊楠と交流があったことで知られる世界的なかんきつ分類学者、田中長三郎氏が戦前に初代図書館長を務められた国立台湾大学の図書館には、和歌山県にゆかりのある貴重な書籍など約4000冊が田中長三郎文庫として保存されています。
文庫を見学した後、陳光華図書館長や研究者らと来年秋に計画されている展示会について意見交換を行いました。再来年には和歌山県内での開催も希望されており、今後、南方熊楠や和歌山県に関する情報発信が期待されるところです。
続いて、建国の父・孫文の記念堂、国立国父記念館を訪問しました。御存じのとおり、南方熊楠は、ロンドンでの留学時代に孫文と出会い、帰国後も和歌山で再会するなど親交を深めました。ことし4月、台湾から孫文の研究団体である中山学術文化基金会の許水徳董事長らが来県し、南方熊楠記念館と顕彰館を視察されたことが契機となり、国父記念館の展示室に熊楠に関する展示を新たに加えていただけることになりました。国父記念館は台湾やアジア各地から大勢の観光客が訪れる名所です。今後、ことし11月に開催される国際学会には県内からも熊楠の研究者らが招待されることになっており、南方熊楠や和歌山県について情報発信を行う絶好の機会になるものと期待しております。
最後に、今回の訪問では、仁坂知事を初め岡本九度山町長、観光プロモーション及びビジネスミッションに参加された県内関係者の方々とともに、オール和歌山でトップセールスを行いました。私たちの意気込みと和歌山県の魅力を台湾の方々に伝えることができたものと考えております。県職員の皆様もそれぞれの分野で熱心に取り組まれている様子を拝見し、大変頼もしく思いました。台湾との交流が今後ますます促進されますことを期待いたします。
以上で報告を終わらせていただき、質問に入らせていただきます。
まず初めに、農作物の鳥獣害対策についてお尋ねいたします。
農村地域の過疎化や耕作放棄地の増加等により野生鳥獣の生息域が拡大し、最近では農作物被害だけではなく、集落内にも出没し、住民生活への影響も見られるなど、全国的に深刻な問題となっています。本県も同様で、中山間地域では耕作放棄地が増加し、野生鳥獣のすみかが集落周辺まで拡大し、防護柵などの被害対策を行わず、その結果、農業や林業のみならずお年寄りの家庭菜園までが被害に遭う状況となっています。
鳥獣害対策は抜本的な対策が見出せない中、県では過去には有害捕獲や防護柵の設置への支援など基本的な取り組みのみでしたが、数年前から捕獲や狩猟者の確保などの対策を充実させ、予算額も年々増加している状況であり、県の意気込みが感じられます。さらに近年は、全国に先駆けて夜間銃猟にも取り組まれるなど、捕獲に重点を置いた対策により、捕獲数は年々増加していると聞いております。
しかし、県の懸命な取り組みにもかかわらず、これらの対策が被害の軽減に直結せず、一部の地域では被害が少なくなったとの声を聞くことができるものの、全県的には被害がおさまらない状況であると思われます。
そこで、現在の被害の状況と、今後の被害対策をどのように進められるのか、農林水産部長にお伺いします。
○議長(尾﨑太郎君) ただいまの中本浩精君の質問に対する答弁を求めます。
農林水産部長原 康雄君。
〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) 野生鳥獣による農作物の被害額は、平成27年度で約3億4000万円と、6年連続して3億円を上回る依然として深刻な問題であると考えております。被害の内訳は、果樹が約76%と大半を占め、イノシシによる被害が最も多く、次いで鹿、猿の順となっております。
県では、有害捕獲、管理捕獲、夜間銃猟などの捕獲対策を初め、防護柵の設置や狩猟者の確保に加え、獣肉処理施設の整備や集落ぐるみの取り組みへの支援など、市町村、猟友会と連携しながら、総合的な鳥獣害対策に取り組んでいるところです。
しかしながら、野生鳥獣の生息数の増加に捕獲が追いつかない状況であることから、本年3月に策定した今後5年間の指針となる第二種特定鳥獣管理計画に基づき、イノシシ、鹿それぞれ1万7000頭以上、猿で1500頭以上の現状を上回る捕獲を目標として、農作物の被害軽減を図ることとしております。
○議長(尾﨑太郎君) 中本浩精君。
〔中本浩精君、登壇〕
○中本浩精君 次の質問に入らせていただきます。
今後も被害対策について前向きに取り組んでいただき、それぞれの対策を通して被害の軽減につなげていただきたいと願っておりますが、一方で、実際に現場で活動される狩猟者を見たとき、年々狩猟者の高齢化が進む中、特に銃猟者は大幅に減少してきており、今後の捕獲活動に深刻な影響が出るものと危惧するところです。今後、これまで以上の捕獲を図り、被害額を減少に転じさせるためには、その前提として狩猟者の育成、確保を図るとともに、初心者を一人前の狩猟者として早期に育成することが大切です。県単独の施策も実施されているようですが、一層の対策が必要と考えます。
そこで、さらなる捕獲を目指すために、狩猟者の確保と免許取得後の捕獲技術向上対策をどのように進められるのか、農林水産部長にお伺いします。
○議長(尾﨑太郎君) 農林水産部長。
〔原 康雄君、登壇〕
○農林水産部長(原 康雄君) わな猟免許所持者は10年間で大幅に増加しているものの、第一種銃猟免許の所持者は半減し、全体として狩猟者が減少傾向にある中、銃猟免許者の確保、育成が喫緊の課題であると考えております。
このため、狩猟免許取得への支援や熟練した狩猟者による技術指導のほか、特に銃猟者の確保対策として、狩猟の魅力を広くPRする研修会の開催や銃所持許可に係る射撃教習への支援に加え、昨年度より実施している実際の狩猟現場を体験する研修により免許取得を促進するとともに、狩猟前の射撃訓練への支援により免許取得者の定着と捕獲技術向上を図っております。
こうした取り組みにより、捕獲活動に従事している県猟友会の会員数は平成27年度から増加に転じ、現在2497名となっております。
今後も、市町村や猟友会と連携しながら、狩猟者の確保、育成に積極的に取り組んでまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 中本浩精君。
〔中本浩精君、登壇〕
○中本浩精君 今、部長から、今後も市町村や猟友会と連携を図りながら、狩猟者の確保、育成に積極的に取り組むと答弁いただきましたが、第二種特定鳥獣管理計画の達成を図るためには、特に銃猟初心者の技術向上が重要であると考えます。
県では、狩猟前の射撃訓練に対し支援していただいておりますが、現在、その対象者は有害捕獲従事者に限定されていることから、免許取得1年目の初心者の方は対象になっていないと聞いております。初心者の方ほどしっかり訓練し、技術を身につけていただき、安全・安心な狩猟をしていただく必要があると思いますので、支援対象に加えていただくなど対策のさらなる充実と、捕獲を担う猟友会との連携を一層深めていただきますようお願いします。これは要望といたします。
続いて、地方創生についてお尋ねいたします。
平成26年5月、民間シンクタンクである日本創成会議の人口減少問題検討分科会が、消滅可能性都市896自治体を公表しました。消滅可能性都市とは、平成22年から平成52年の30年間に、人口の再生産力を示す二十から39歳の女性の人口が5割以下に減少し、出生率が上がった場合でも存続できなくなるおそれが高い地域をあらわしたものであります。具体的な自治体名を挙げていることから世論の反響はすさまじく、この公表以降、国、地方を問わず、一気に地方創生が最大かつ最優先の課題として掲げられました。
地方創生の具体的な方針として、国は平成26年9月に、まち・ひと・しごと創生本部を設置、同年12月には、まち・ひと・しごと創生法の制定、さらに国のまち・ひと・しごと創生総合戦略が閣議決定されており、平成28年12月には、まち・ひと・しごと創生総合戦略2016改訂版が示されるなど、国としても必要な見直しを行っています。
また、地方自治体にも、地方版のまち・ひと・しごと創生総合戦略策定を努力義務として策定を促しており、平成28年3月末現在で、ほぼ全ての地方公共団体で策定がなされております。和歌山県においては、平成27年6月に、全国に先駆けて和歌山県まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定されました。
県の策定した創生総合戦略では、全国よりも先行して高齢化が進み、当面の人口減少は避けられない状況のもとで、創生総合戦略と時期を一にして策定された和歌山県長期人口ビジョンで示した2060年の人口を70万人とする目標を達成するために、「安定した雇用を創出する」「和歌山県への新しい『人の流れ』を創造する」「少子化をくい止める」「安全・安心な暮らしを実現する」「時代に合った地域をつくる」の5つの基本目標を設定して、戦略的な取り組みを進められております。
また、本格的な人口減少社会の到来に加えて、急速な高齢化の進展、相次ぐ大規模災害の発生、経済・社会のグローバル化の進展、情報通信技術等の急速な進歩など、本県を取り巻く状況が大きく変動する中、本年3月に策定された新しい和歌山県長期総合計画においても、さまざまな施策を体系的に盛り込んでおられますことも承知しております。
このような状況の中、和歌山県まち・ひと・しごと創生総合戦略については策定後2年が経過したわけですが、計画の進捗状況をどのように検証しているのか、また、検証の結果、十分な効果が上がっていない場合にどうするのかについて、企画部長にお伺いします。
○議長(尾﨑太郎君) 企画部長髙瀨一郎君。
〔髙瀨一郎君、登壇〕
○企画部長(髙瀨一郎君) 本県の総合戦略につきましては、計画完了年度に達成を目指す数値目標をあらわす進捗管理目標を設定するとともに、本県独自の手法として、その進捗管理目標を達成するために必要となる県の取り組みを示した行動指標を設定し、その双方の目標を明確に分けて定めているところでございます。
その意図としては、進捗管理目標の達成状況を検証するために、まずはその達成手段となる行動指標の取り組み状況を把握した上で分析を行うことが重要であると考えたからでございます。
このため、計画に定めた行動指標の実績と効果を毎年度分析し、その取り組みが成果につながっているかを検証しているところでございます。
その検証の結果、目標達成に向けた取り組みが十分な成果につながっていないと判断する場合には、新政策プロセスの中で議論を行うことで、より効果的な施策を構築し実施してまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 中本浩精君。
〔中本浩精君、登壇〕
○中本浩精君 次の質問に入らせていただきます。
国も、地方創生に向けて積極的な予算編成を行っています。昨年末発表された平成29年度地方創生関連予算には、約1兆7700億円を計上しており、地方版総合戦略を推進する予算としては、平成28年度に引き続き、地方創生推進交付金を1000億円計上しています。この交付金については、使い勝手が悪いといった意見が全国知事会などを通じて多く出されていましたが、1事業当たりの上限額や施設整備に対する充当割合などについて、地方側の要望に配慮した改善がなされています。
そこで質問です。お伺いするのは2点。
まず1点目、地方創生推進交付金は2年目となるが、県としてはどのような考え方でこの交付金を活用し、また、1年目と比べ、どのような工夫をしているのか。
2点目、国の地方創生関連予算では、地方創生推進交付金以外にも、地域少子化対策重点推進交付金や地域女性活躍推進交付金など、地方の創意工夫ある取り組みに対し支援するメニューも多く見受けられます。本県では、今後どういった事業に活用していくのか。
以上2点について、企画部長にお尋ねいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 企画部長。
〔髙瀨一郎君、登壇〕
○企画部長(髙瀨一郎君) 議員御質問の地方創生推進交付金につきましては、まず、先ほど申し上げました新政策プロセスを通じて、毎年度、本県の地方創生に資する施策体系を構築し、その中で当該交付金の趣旨である先駆性に富む事業等について、いろいろ工夫して活用しているところでございます。
1年目としては、安定した雇用と本県への新たな人の流れをつくり出すため、産業政策や観光振興、移住定住に関する施策に活用してきたところでありますが、2年目となる今年度につきましては、これらの施策に加え、高齢者や女性がそれぞれのライフスタイルに応じて活躍できる社会を実現する必要があることから、就労や社会貢献活動に意欲のある高齢者と企業・団体をマッチングさせるわかやま元気シニア生きがいバンク事業や、結婚、出産等で離職した女性など、再就職を希望する方々が就活しやすい仕組みを企業と協働で構築する就活サイクルプロジェクト事業等に活用してまいります。
2点目の御質問である国の地方創生関連予算の活用についてでございますが、議員御指摘の地域少子化重点推進交付金や地域女性活躍推進交付金につきましては、社会全体で子育てを支援するとともに、女性の多様な働き方を実現していくためには、行政だけでなく企業等を巻き込んで社会構造の変革に結びつく仕掛けづくりが必要となることから、社員の結婚、子育てへの応援や女性が活躍できる環境づくりを行う企業・団体を、一定の要件を設けて組織化する結婚・子育て応援企業同盟、女性活躍企業同盟事業等に活用してまいります。
今後も、本県として人口減少の抑制に向けた取り組みと、人口減少時代に適応した地域づくりを戦略的に実行していくに当たり、国の動向を常に把握し、地方創生関連予算を効果的に活用するとともに、必要に応じ、地方の実情に応じた制度改正について提案してまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 中本浩精君。
〔中本浩精君、登壇〕
○中本浩精君 地方創生推進交付金等を活用した県の取り組みについて、御答弁を今、部長からいただきました。引き続き、効果検証等をしっかり行いながら、目標達成に向けて施策を展開していただきたいと思います。
地方創生は、国、県、市町村がともに頑張ってこそ実現されるものと考えます。和歌山県をさらに元気にするためには、市町村の行う地方創生への取り組みに対しても期待するところであり、県と市町村との情報共有や連携協力を期待します。地方創生関連予算を効果的に活用していただくことをお願いしまして、次の質問に入らせていただきます。
本日最後の質問に入らせていただきます。2020年東京オリンピック・パラリンピック等に向けてについてお尋ねいたします。
自民党のホームページに、2020年オリンピック・パラリンピック東京大会実施本部の「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を活用した地域活性化に向けて」の提言書が紹介されています。それによりますと、「東京のみならず、大会の効果を日本全国に行き渡らせることにより、地域活性化につなげることは大会の大きな目標のひとつであり、(中略)東京2020大会は、世界の関心が日本に集まることから、単なる大規模スポーツイベントとして捉えるのではなく、日本の地域の魅力を世界に発信し、我が国の経済・産業ポテンシャルを最大限引き出す絶好の機会である。(中略)次世代に誇れる有形・無形の経済的・文化的レガシーを全国に創出し、同大会を地域活性化の大きな起爆剤として最大限に活用すべきである」との提言がなされております。
一昨年、本県では、2015紀の国わかやま国体・わかやま大会を成功裏に終わることができました。スポーツを起点とする多くのレガシーを得ることができました。オリンピック・パラリンピックの前後には、ラグビーワールドカップ、ワールドマスターズゲームズ関西も開催されます。3年連続の世界的なスポーツの祭典ということで、さまざまな期待が高まります。
そういう状況の中、2015年のレガシーの継続とさらなる発展を目指した取り組みが重要であると考えます。そして、提言書にもありますように、地域活性化の起爆剤として最大限活用していくべきであると私は思います。
私は、昨年の6月議会において、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、橋本市が取り組んでいます前畑秀子NHK朝ドラ誘致活動にかかわっての質問をさせていただきました。私の質問に対しまして、宮﨑室長から県が全面的に支援するとのありがたい御答弁をいただき、大変心強く、うれしく思っております。おかげさまで誘致活動も順調に進んでおり、署名活動については、5月8日現在で21万8241名の方から賛同を得られました。
橋本市では、この活動をより強力に推進すべく、この4月に市役所内に朝ドラ誘致室を設置するとともに、前畑秀子さんと御縁のある名古屋市、岐阜市とも連携を深めて、朝ドラ実現に向けて取り組んでおります。この朝ドラ誘致活動からは、市民のスポーツに対するさらなる関心の高まりとスポーツ参加人口の拡大とともに、東京オリンピック・パラリンピック大会の成功に寄与したいとの熱い思いが伝わってきます。
さて、先日、御坊市が前回1964年(昭和39年)の東京オリンピック準備委員会委員をされた和田勇さんの功績をたたえ、さまざまな顕彰事業を予定されておられるとのことを新聞報道で知りました。
和田氏は、日本に五輪を招致すべく、中南米諸国を私費でめぐり、支持を求めて奔走され、昭和39年の東京開催に大きく貢献された方であります。また、フジヤマのトビウオと称された水泳界の巨星・古橋広之進さんを陰で支えてこられた方でもあります。
顕彰事業として、講演会及びシンポジウムの開催、クリアファイル・ピンバッジなどのグッズ製作、資料館の改装、2019年のNHK大河ドラマに決まった「いだてん~東京オリムピック噺~」に和田氏をドラマに登場させてもらうべく、NHKへのPR活動を進め、全国へ和田氏の業績を情報発信していくそうです。
このように、ゴールドメダリストの前畑秀子さんや、前回の東京オリンピック開催に大変御尽力なされた和田勇さんのすばらしい功績を多くの国民の皆様に知っていただき、そして、本県出身の郷土の偉人を育んだ橋本市、御坊市、和歌山県のよさをより多くの人々に知っていただくことは、大変意義のあることだと思います。
これからも引き続き、橋本市と御坊市の取り組みに絶大なる御支援をお願いしたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。
それでは、質問に入らせていただきます。
世界が注目するスポーツの祭典である2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催まであと3年と迫ってまいりました。オリンピックは、皆さん御存じのとおり、4年に1度のビッグイベントです。この2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を初め、これから国際競技大会が相次いで開催されます。
国が平成29年3月に策定した第2期スポーツ基本計画には、「2020年東京大会に向けた取組を計画的・戦略的に展開し、全ての人々がスポーツの力で輝き、活力ある社会と絆の強い世界を創るという『一億総スポーツ社会』を実現することが、大会レガシーとなる。そのためには、スポーツを『する』人を増やしつつ、これに加え、『みる』『ささえる』人を含めて『スポーツ参画人口』として捉え、これまでスポーツに無関心であった人々や、したくてもできなかった人々も含め、全ての人がスポーツに関われるようにしていくことが重要である」と記されております。
また、和歌山県長期総合計画には、「健康で心豊かにすごせる社会づくり」のめざす方向として、「生涯にわたる健康づくりや、誰もがそれぞれの体力や年齢、技能、興味、目的に応じて、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツに親しむことができる環境づくりを推進する」と示されています。
2015年紀の国わかやま国体・紀の国わかやま大会を開催し、大成功をおさめた本県が、2020年のオリンピック・パラリンピック競技大会を迎える状況の中、今後、県民のスポーツに対する意識をさらに醸成し、スポーツ参画人口の拡大に向けて、どのような取り組みを進めていこうと考えておられるのか、これまでの取り組み状況も含めて教育長にお尋ねいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 教育長宮下和己君。
〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 本県のスポーツ参画人口拡大の取り組みについてお答えいたします。
紀の国わかやま国体・紀の国わかやま大会は、これまでスポーツに関心がなかった県民が、スポーツを見たり、ボランティアとして支える機会となり、本県のスポーツ参画人口の拡大につながったものと考えています。さらに、国体・大会後は、そのレガシーを生かし、国内外のナショナルチーム等の合宿誘致にも積極的に取り組んできたところです。これらに加え、今後は、スポーツをする楽しさを感じていただくことにより、日ごろスポーツをしない人のスポーツ参加を一層促してまいりたいと考えております。
そのため、県といたしましては、今年度から誰もが手軽に参加することができるリレーマラソンや、スポーツ体験会を開催する「さぁ スポーツだ!プロジェクト」を実施してまいります。また、2019年には、ねんりんピックを開催いたします。さらに、2020年東京オリンピック・パラリンピックの翌年には、世界最高峰の生涯スポーツの祭典、ワールドマスターズゲームズ2021関西を開催し、本県では5競技7種目を実施いたします。県といたしましては、これらの大会により多くの皆さんが参加できるように取り組んでまいります。
今後も、和歌山県長期総合計画で目指す県民のスポーツに対する機運の醸成や、誰もがスポーツに親しむことができる環境づくりの推進に向け、市町村や各競技団体と一緒になって積極的に取り組んでまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 中本浩精君。
〔中本浩精君、登壇〕
○中本浩精君 教育長、ぜひよろしくお願いいたします。
議長、次の質問に入らせていただきます。
次に、世界的スポーツイベント開催が持つもう1つの側面について質問させていただきます。
2020年東京オリンピック・パラリンピック、2019年ラグビーワールドカップ、これらのスポーツの祭典には、世界中から選手、観客やメディアが日本に集まってきます。スポーツのイベントではありますが、世界中から人が集まるということは、和歌山県の特産品や観光資源の持つ魅力を世界中に発信する機会でもあります。私は、和歌山に来ていただければ、和歌山の持つ魅力をより強く感じていただくことができると確信しております。
そこで質問です。
この機に、世界中から日本を訪れる方々をどのようにして和歌山に誘客しようと考えておられるのか。その方策について、商工観光労働部長にお尋ねいたします。
○議長(尾﨑太郎君) 商工観光労働部長山西毅治君。
〔山西毅治君、登壇〕
○商工観光労働部長(山西毅治君) 議員御指摘のとおり、ラグビーワールドカップや東京オリンピック・パラリンピックは、和歌山県の観光資源を世界中に発信していく絶好の機会と考えております。大会期間中は、期間前後も含め、世界中から選手、観戦客等が来日するのみならず、メディアや旅行会社の関心が日本に集まることが予想されます。
ラグビーワールドカップにつきましては、既に外国人観戦客へのチケット販売方法、平均滞在日数、滞在中の動向や国・地域別の嗜好等を分析し、国別のプロモーション活動や旅行会社対策に取り組みを始めているところでございます。
本年4月に、ラグビー強豪国でありますニュージーランドの旅行会社を訪問したことが契機となり、この秋には、旅行会社関係者10数名が来県し、開催地であります花園、神戸、東京との距離感の確認を目的とした視察が実施をされます。
また6月には、日本政府観光局ロンドン事務所が主催するラグビーワールドカップ2019訪日旅行セミナーに職員を参加させ、ロンドンのラグビー関係旅行社に和歌山県の観光プロモーションを行いました。
東京オリンピック・パラリンピック、ワールドマスターズゲームズに向けても、ラグビーワールドカップと同様、国内外の旅行業界、外国人観戦客の動向を調査・分析し、具体的なプロモーション戦略を立てていきます。
このチャンスを逃すことのないよう、大会主催者や政府関係機関とも連携を強め、積極的なプロモーション活動を展開し、和歌山県への誘客に努めてまいります。
○議長(尾﨑太郎君) 中本浩精君。
〔中本浩精君、登壇〕
○中本浩精君 今、商工観光労働部長よりやる気満々の前向きな答弁をいただき、ありがとうございました。ぜひよろしくお願いしたいと思います。
何度も申し上げましたが、ラグビーワールドカップ、東京オリンピック・パラリンピック、ワールドマスターズゲームズ、そして2025年には、大阪万博開催も期待されます。世界的なビッグイベントが続く日本には、世界の関心が集まります。これは、和歌山の魅力を世界に発信する千載一遇のチャンスでもあると考えます。開催時に和歌山を楽しんでいただくだけでなく、ぜひ将来につながる多くのファンの拡大を目指していただきたいと思います。
今回は、観光についての質問でしたが、和歌山ならではの物産、そして人々のおもてなしの心など、魅力あふれる多くのものが和歌山にはあります。これから自治体間の世界に向けたPR競争も激しくなってくることが予想される中、一歩でも早く的確な取り組みを行うことが勝利の鍵です。
「ワン・フォー・オール、オール・フォー・ワン」、日本のラグビーの精神をあらわす言葉です。このチャンスを逃すことのないよう、県、市町村、官民の区別なく、オール和歌山でスクラムを組んで、和歌山の魅力を今以上に発信していただきますことを要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(尾﨑太郎君) 以上で、中本浩精君の質問が終了いたしました。
これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後1時40分散会