平成28年12月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(堀 龍雄議員の質疑及び一般質問)
平成28年12月 和歌山県議会定例会会議録
第3号(堀 龍雄議員の質疑及び一般質問)
汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。
正しい表記は「人名等の正しい表記」をご覧ください。
質疑及び一般質問を続行いたします。
1番堀 龍雄君。
〔堀 龍雄君、登壇〕(拍手)
○堀 龍雄君 4番目ということで、皆様には大変お疲れのところだと思うんですけれども、いましばらくおつき合いをいただきたいなと思います。
それでは、議長にお許しをいただいてありますので、まずネパールの訪問についてということで報告をさせていただきます。
ネパール連邦民主共和国ルンビニとの友好協定調印式及びルンビニ遺跡の視察に行かせていただきました。
平野高野町長を団長とし、高野山大学・奥山直司教授、県から国際担当参事の津井宏之参事、高野町から事務局長の倉本文和局長、企画公室の辻本幸弘室長、岡北修治係長、そして私の7名で、平成28年10月24日から10月29日までネパール国に訪問をさせていただきました。
1日目の10月24日月曜日に、日本時間0時30分関西国際空港より出発し、現地時間で12時30分にカトマンズ空港に到着し、時差は3時間15分ありました。ネパールの人口は約2850万人で、ここカトマンズでは600万人の人口があります。ホテルにすぐチェックインして、カトマンズから車で約20分の古都パタンへ訪問し、世界遺産ダルバール広場にてジャンガナラヤン寺院やクリシュナ寺院、ゴールデン寺院を視察しました。昨年の地震の影響もあり、一部倒壊している寺院も多く見られましたが、修復工事も進んでいるようでした。
カトマンズの交通状況は、車については高年齢の車が多く、新しい車はほとんどありませんでした。スクーターやバイクが非常に多く、ほとんど2人乗りでした。運転する人はヘルメットが必要なんですけれども、後ろに乗る人は荷物と同じでヘルメットの必要がないようです。
また、驚いたのには、信号もなく警察による手信号によるものでした。夕刻の時間帯になると停滞を引き起こしていました。また、砂じんと排気ガスにより大気が汚れていて、私たちの言う、昔で言う光化学スモッグのようにかすんでいました。
資料の1、2、3を見てください。太陽がほんまに曇って見えるのがおわかりかと思います。
2日目、10月25日火曜日10時30分にネパール日本国大使館・小川大使への表敬訪問を行い、ネパールの現地事情の報告や高野町とルンビニのかかわりについて話し合い、説明も受けました。11時からビドヤ・デビ・バンダリネパール大統領への表敬訪問が許されており、小川正史大使、浜田清・一等書記官も同席していただき、大統領と面談を行うことができました。
大統領は、「日本とネパールの国交60周年の記念の年に高野町の方が訪問されたのは大歓迎であります。日本は、我々が危機的な状況になったとき、一番先に援助をしてくれる。また、ネパールの経済発展についても支援してくれている。都市と都市の関係により姉妹提携することになった。これは、ネパールの友好関係にもつながることである。ルンビニは、6つのゾーンがあり、仏教の聖地となっている。ルンビニには有名なマヤデビ寺院があり、そのほかにも釈迦に関する遺跡がたくさん残っています。また、ルンビニに国際空港をつくる計画がある」と、大統領のお話でした。
小川大使は、「釈迦の生誕地ルンビニと金剛峯寺が友好都市になったことは意義深いものであります。昨年、タライ地域で暴動等があり、高野町の方が訪問できなかった。ことしは治安もよくなり、訪問することになりました」と大統領に説明をされました。
高野町長は、「高野山はお釈迦様が誕生していなければ存在しない地域です。提案があります。リオオリンピックにはネパールより7名の方が参加されておりました。2020年東京オリンピックの際に、ネパール代表選手をホストタウンとして高野町に来ていただきたい。町を挙げて歓迎するので、よろしくお願いします」との挨拶がありました。
大統領は、「町長のお話を聞いてうれしく感じる。岸外務副大臣が訪問されたときもそのようなお話があり、日本の国がネパールを応援しているのがうれしく感じる。できる限り多くの選手を出したいと思います」と思いを述べられました。
前の日本ネパール国大使館・バッタライ大使は大統領補佐官となっており、今回の大統領との訪問の調整をしていただき、バッタライ前大使も同席をしていただきました。4番と5番の写真でございます。
小川大使との昼食会の後、2時からネパール文化・観光・民間航空大臣への表敬訪問を行い、引き続き小川大使、浜田一等書記官も同席していただき、面談を行いました。
大臣は、「高野町とルンビニ開発委員会の調印は27日にルンビニでします。当初、私がルンビニに行き、調印する予定でしたが、他の公務でインド首相が来訪になるので行けなくなりました」と。大臣はルンビニ委員会のトップであることから、「調印式に行けないのは非常に残念です」とのことでした。
日本とネパール国交樹立が60周年の記念の年となり、1902年にネパールから初めて日本へ留学をした記録もあり、つながりも深い国であります。高速道路やネパールの空港も日本が協力していただいている、また、ネパールにはトンネルがないが、日本の協力を得てトンネルをつくる計画がある、仏陀は平和の象徴であり、国と国、文化と文化、町と町、村と村の提携も大切である。ムスタン郡の村と日本の村が提携していると言っていました。
大使は、高野山のことを紹介され、ルンビニと友好提携を結んでいる昨年の高野町訪問団の中止のことやバンダリ大統領への表敬訪問のこと、ルンビニへの訪問について大臣へ説明され、「日本とネパールの友好に期待している」と言っておられました。
町長は、「高野山は、お釈迦様が生まれていなければ存在しない地域である。提案があります」、またリオオリンピックのことを述べられ、「2020年の東京オリンピックに代表選手をホストタウンとして高野町に来ていただきたい。町を挙げて歓迎するのでよろしくお願いします」と大臣にもお願いをしていました。
大臣は、「私の部署の管轄でないので、閣議で何人オリンピックに出すか決定する必要がある。個人的には支援したいが、ネパール政権が不穏なこともあり、私がその年までここにいないかもわからない」と冗談めいたこともおっしゃっておりました。それが、6番と7番の資料でございます。
午後3時から、カトマンズ市内の世界遺産視察。カトマンズ市内の世界遺産、スワヤンブナート、ダルバール広場、クマリの館、ハヌマンドカを視察しました。8番と9番です。
その夜、小川大使主催による夕食会を開催していただき、大使公邸で大使御夫妻にお出迎えをいただいて、その後、日本料理で歓迎を受けました。
3日目、10月26日、浜田一等書記官もルンビニヘ同行していただきました。カトマンズ空港で当初8時40分に出発する予定だったんですけれども、空港トラブルのため1時間30分ほど足どめになり、大変不安と心配したんですけれども、大きなおくれを出したものの無事出発できて、無事バイラワ空港に到着しました。ルンビニ開発委員会・アジタマン秘書官、ライ事務局長らが歓迎とお出迎えで、その後ルンビニに移動しました。10番と11番の資料でございます。
11時30分から、世界遺産ルンビニ遺跡マヤデビ寺院の視察を行い、ルンビニ開発委員会職員のお出迎えを受け、マヤデビ寺院は仏陀誕生の地であり、重要史跡の1つであります、アショカ石柱の碑文には「ルンビニが仏陀生誕の場所である」と銘記してありました。プスカルニ池は、マヤデビ女王が出産前にここで沐浴したと言われており、史跡として極めて重要な意味を持つ池だそうです。それが12番です。13番が、みんなが行った写真でございます。
ホテルルンビニ笠井にチェックイン後、昼食。このホテルは、日本人の笠井篤信さんが経営しております。2時からルンビニ開発委員会によるプレゼンテーションがあり、ルンビニ開発委員会職員による、ルンビニの歴史、仏陀誕生の経緯、そして1978年に丹下健三氏が作成したルンビニ開発のためのマスタープラン等について説明を受けました。14、15がその状況です。
3時からルンビニ開発マスタープランエリアの視察を行い、世界の宗教書が保存されているので閲覧ができますルンビニ図書館では、和歌山県の南方熊楠全集が1巻から10巻まで、また特1、特2巻まで所有しており、地元の人間として本当に感激をいたしました。マスタープランエリア内にある仏教施設群、王宮タイ寺院やドイツ寺院などが建設されておりますけれども、日本寺が建設途中で中止になっておりました。誰か後押ししてくれる人おりませんかという話があったんですけれども、誰も手を挙げることができませんでした。大きな予算が要るそうです。その後、再度マヤデビ寺院を視察いたしました。16が図書館の風景です。そして、図書館の書棚です。
午後7時からルンビニ開発委員会主催による夕食会が催され、ルンビニ開発委員会職員との意見交換を兼ねた夕食会の歓迎を受けました。
10月27日8時から、ルンビニ近郊の重要な遺跡の視察を行い、ルンビニの西27キロに位置する、基礎をレンガで補修してきれいに整備されているティラウラコット、ここには、西門、釈尊が愛馬カンタカに乗りこの地を出発したと言われる東門、城壁、堀跡、かつての宮殿跡、井戸、貯水槽が発見されています。また、お釈迦様の子供ラフルが修行したところと言われているクダン、そのほか、ルンビニ近郊のニグリハワ、ゴティハワをルンビニ開発委員会の職員により説明をいただきました。21と22がその説明を受けているところでございます。
12時から高野町とルンビニ委員会の文化・観光・交流相互協定締結式が行われました。当初は文化・観光・民間航空大臣が調印する予定だったんですけれども、他の公務が重なり、ルンビニ開発委員会副会長のシッダールタ氏が調印されました。
シッダールタ副委員長の挨拶が行われ、「ルンビニ代表として特別な日に神聖な場所で調印できることは、お釈迦様に感謝いたします。ルンビニの人にとって日本は誇りで、心から歓迎します。本日、私はイギリスから帰ってきました。本来なら会長である文化・観光・民間航空大臣が調印するところですが、代理で副会長の私が調印させていただきます。ネパールと日本は、強いきずなで世界文化遺産を守り続けています。日本からもネパールのルンビニに来ていただきたく思います。本日、皆様がお越しになられたことはターニングポイントになる。この協定が意義深いもので、世界遺産の保全に全力を尽くしていかなければならない。ルンビニと高野町はつながっている。第2のふるさととなるように」と御挨拶がありました。
高野町長の挨拶は、「このたび、ネパールの地でルンビニ開発委員会と高野町の世界文化遺産を通じた幅広い交流を目的とした友好協定の調印をできますことを大変喜ばしく思います。この調印に2年前からお世話になりました日本国政府、二階幹事長初め和歌山県、その他大勢の機関、関係者の皆様に深く感謝の意を表したいと思います。さて、ネパールに入って深く感じたことは、人々が優しい、そして活気に満ちあふれているなど、日本では味わえない感覚を覚えました。今回の体験したことは、帰国してから広く住民に知らせたい思いです。最後に、この調印が実のあるものになるためには、これからが肝心です。皆様、一緒に育てていこうではありませんか。この2日間、お世話になりました日本国大使館・小川大使、浜田一等書記官初め全ての皆様に深く感謝を申し上げ、ネパール・ルンビニでの調印に際しましての挨拶といたします」と高野町長がおっしゃり、「また日本、高野山で会いましょう」と感激の気持ちを前に出しました。23と24がその資料でございます。
調印式終了後、ルンビニ開発委員会副会長主催による昼食会をしていただき、その後、ルンビニ開発委員会職員がバイラワ空港まで見送りに来てくださり、ルンビニを後にしました。
この調印式での通訳は、国際参事の津井参事にお願いをしてお世話になって話が前に進んでいきました。
10月28日金曜日にカトマンズ空港を出発し、10月29日7時30分に無事関空に到着しました。ネパールに行かしていただき、人の心のよさ、国の活気を目の当たりにして、ネパールとの友好をこれまで以上に交流を密にして、よい関係を続けていきたいなあと思いました。また、世界遺産についても、歴史と文化財の保存に努め、次の世代にこのままの状態で送らなければならないと強く感じました。
以上で、ルンビニの報告をさせていただきます。
次は、対面席から一般質問をさせていただきます。
かつらぎ西部公園の整備についてということで、都市公園事業について、県としての取り組みはという課題で入らしていただきます。
まず、かつらぎ西部公園の整備についての質問の前に、地域的に関連する伊都浄化センター建設に伴う周辺整備事業についての経過報告をさせていただきます。
伊都浄化センターは、和歌山県と橋本市、かつらぎ町、旧高野口町、九度山町とで紀の川流域下水道事業として取り組んできました。
周辺整備については、平成9年1月に、道路関係、コミュニティー施設、処理場内環境整備施設が行われるようになり、県と関連市町との間で覚書を取り交わしております。その中で、平成9年から平成19年で道路関係、集会所施設については順次完了していただきましたが、社会体育文化施設については進まない手つかずの状態でした。そういうことなので、平成19年7月に仁坂知事さんに、地元西部自治区役員、県議会議員、かつらぎ町長ら一行が、社会体育文化施設の早期着工をお願いに行かしてもらってあります。その際、社会体育文化施設の建設は行わないということになりました。
このまま放置しておくわけにはいかないといろんなことを考えられていたところ、人口の減少等、社会情勢の変化により処理場の規模が見直され、その規模が縮小可能なことから、一方でかつらぎ町が都市公園を必要とする思いが合わさったことから、地元、町が知恵を出し合い、現在の公園の計画ができました。
そのころ、県のおかげでインフラの整備も行われ、府県間トンネルである鍋谷峠トンネルも平成28年供用開始と聞いており、工事のほうも着実に進んでいるように見受けられ、また、京奈和自動車道路もかつらぎ管内は平成27年、28年で上下線のパーキングエリアの完成により物産店やレストランも建築され、魅力のあるようになり、本当にありがとうございました。便利になれば大勢の方が来ていただけると考えられております。
また、県も同じ考えですが、かつらぎ町も健康寿命日本一を目指しており、また、宣言もしております。子供からお年寄りまで、余り激しくなく歩いて遊べる健康によいスポーツ、そのことからパークゴルフ場を中心とした公園にしようということで、仮称ではありますが「かつらぎ西部公園」の名称で進んできました。
また、東日本大震災や、ことし大きな被害を受けた熊本地震などが発生しました。和歌山県も、いつ起こってもおかしくないと言われている東南海・南海地震や南海トラフによる大地震による災害から被害を少なくするように、防災計画も立てて県民の安全を確保するように努めてくれております。かつらぎ町の真ん中を横断する中央構造線が通っており、熊本の地震のように直下型の地震になれば被害も大きいと言われております。そのことから、この公園を派遣自衛隊の宿営地や住民の仮設住宅に有効利用できると思っております。
お手元の配付の資料をごらんください。ゴルフ場については仮設の住宅、また炊事棟など、いろいろな形で利用できるように考えてあります。このようなことから、目的達成のために25年にかつらぎ町が単独で基本構想を実施し、この年の12月に西部公園基本構想の説明を地元自治区役員にも説明会を開催し、了解を得てあります。その後、1市2町の了解もいただいて、平成27年度から公園事業が開始されております。市町が一丸となって取り組んでいる事業です。
そこで、お尋ねをいたします。
都市公園に対する県としてのお取り組みはどのようなものか、県土整備部長にお願をいたします。
○副議長(服部 一君) ただいまの堀龍雄君の質問に対する答弁を求めます。
県土整備部長森戸義貴君。
〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 都市公園事業に対する県の取り組みについて御質問を頂戴いたしました。
都市公園は、人々のレクリエーションの空間となるほか、良好な都市景観の形成、都市環境の改善、都市の防災性の向上など、多様な機能を有する都市の根幹的な施設であると認識しております。
このため、県が設置・管理する紀三井寺公園、和歌公園、河西緩衝緑地などの都市公園においては、老朽施設の更新などの整備を推進することにより、利用者の安全・安心の確保、利便性の向上等に努めているところでございます。
また、市町村が都市公園を整備する際に、県は、当該公園が安全性を備えつつ適切な規模、配置となるよう必要な助言を行っているほか、都市計画決定に係る同意や事業認可、国の社会資本整備総合交付金の活用に係る指導、監督等を通じて、市町村の公園整備が円滑に進められるよう支援させていただいているところでございます。
○副議長(服部 一君) 堀 龍雄君。
〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 2つ目の項目に入らしていただきます。
早期実現のために県としての取り組みはということで、平成27年4月、かつらぎ町都市計画が決定され、かつらぎ西部公園となり、かつらぎ西部公園の基本設計を町単独で行い、公園実施計画を交付金で行っていただきました。当初の計画では、平成27年から31年までの5年間計画での完成を目的とした都市公園スケジュールを組んで取り組んでおりました。
平成28年度で、公園内に残っていた用地の買収とパークゴルフ場整備、ボーリング調査などが計画内容でしたが、要望していただけおりてきませんでした。理由は、オリンピックやラグビーのワールドカップ整備などがあり、市町村の公園整備についてはなかなか配分がないとのことでした。長年の懸案であった整備がやっと動き出したと喜んでいたのに、大変悲しいことです。
そこで、お尋ねをいたします。
西部公園の早期実現のために県としてどのようなお取り組みをしていただけるのか、県土整備部長にお願いを申し上げます。
○副議長(服部 一君) 県土整備部長。
〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) かつらぎ町が実施される公園整備の早期実現のための県の取り組みについて、御質問を頂戴いたしました。
御質問の仮称・かつらぎ西部公園につきましては、かつらぎ町が橋本市及び九度山町と連携しつつ、当該地域における住民の健康増進、防災機能の向上並びに地域振興を目的として整備を進められているものと認識をしてございます。
当該公園では、パークゴルフ場を初めとする各種施設を計画し、国の社会資本整備総合交付金を活用しながら整備が進められているところですが、オリンピックやラグビーワールドカップ等の国家的関連事業の開催に向けた都市公園の整備等に関する事業に予算が重点配分されていることなどから、平成28年度においては、かつらぎ町の要望額に対し、必ずしも十分な配分がなされない結果となったものと承知をしてございます。
全国で数多くの要望がある中で、今後、当該公園の整備に係る必要な予算を確保していくためには、公園整備の必要性について関係機関の理解が得られるよう努めていくことはもちろんですが、まずは社会資本整備総合交付金に係る国全体の予算額の増額も必要であると考えてございます。
県といたしましては、国に対し、社会資本整備に必要な予算を確保するよう要望するとともに、町の要望額に対し十分な予算配分がなされるよう、かつらぎ町と連携しつつ国に働きかけていく所存でございます。
○副議長(服部 一君) 堀 龍雄君。
〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 長年の願いの公園化を一日も早く完成していただいて、健康寿命日本一の確立や災害時の心の安心のためにも、御努力いただきますようによろしくお願いをいたします。
3つ目の項目に入らしていただきます。
主要地方道高野天川線の整備についてです。高野天川線の整備状況についてという項目で質問をさせていただきます。
主要地方道高野天川線は、高野町から奈良県野迫川村、五條市大塔町を経て天川に至る紀伊半島中央部を東西に結ぶルートであります。古くは、高野七口の1つである大峰口とも言われ、高野山と大峰山の2大霊場を結ぶ高野大峰街道・すずかけの道として多くの巡礼者が行き来した歴史上名高い道です。平成16年に「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録されました。
現在では、吉野・大峰方面は日帰りの観光客がほとんどですが、高野、熊野、吉野・大峰の3大霊場を往来する最短ルートである高野天川線を大型バスの通行が可能になる道路に改良することにより、各観光地が一体化し、和歌山県側に誘致、また奈良県側にも誘致できることから、紀伊山地の霊場と参詣道が一本化して一大観光地となり、大きな観光資源となると考えられております。
仁坂知事さんも、12月議会の説明要旨の冒頭に、「引き続き世界遺産の保全に努めるとともに、世界遺産ブランドを最大限に活用し、本県の持つさまざまな魅力と組み合わせることにより、多彩かつ戦略的なプロモーションを展開し、さらなる観光客の誘致に努めてまいります」と述べられております。
また、高野山に大型自動車が通行できる道路は370号線と480号線の2本があります。この2本は、花坂矢立で合流して1本になり、480号線のみが高野山に至っております。ほかのコースでは、龍神スカイラインからの道路です。このスカイラインは、冬になると積雪や凍結のため通行どめになり、通行可能なのがさきに述べました480号の1本になり、高野山は紀の川沿いに沿っている中央構造線の南側に位置している関係で、熊本地震のような直下型地震が起きる可能性が高いと言われております。また、山間部ですのでゲリラ豪雨のような大雨の可能性も考えられます。これらの理由に、480号が寸断されれば、高野町までの大型の通行が困難となります。
このことを解決するために、主要地方道高野天川線整備促進協議会を平成9年に天川村を会長とし、高野町が副会長となり、五條市、野迫川村で設立して道路の整備を強力に促進するために、道路財源の確保、道路予算の拡大について、国や奈良県に対し積極的な行動をとってきております。
そこで、お尋ねをいたします。
高野天川線のこれまでの整備について、県土整備部長にお尋ねをいたします。
○副議長(服部 一君) 県土整備部長。
〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 高野天川線のこれまでの整備状況について、御質問を頂戴いたしました。
主要地方道高野天川線は、高野町から県境をまたぎ、奈良県天川村に至る延長約44キロの道路でございます。そのうち、和歌山県側の3.8キロにつきましては、起点の国道371号との交差点から0.5キロの区間が2車線で整備済みとなっております。残る県境までの3.3キロにつきましても、すれ違いが困難であるなど特に通行の支障となる狭隘な箇所や見通しの悪い箇所の整備を順次進めてきておりまして、これまでに8カ所が完了し、現在1カ所の整備を進めているところでございます。
一方、奈良県側につきましては、約40キロのうち約10キロの区間が2車線で整備済みとなっており、残る区間につきましては、和歌山県内と同様に、すれ違いが困難であるなど、狭隘な箇所や見通しの悪い箇所の整備を進めている状況であると聞いてございます。
○副議長(服部 一君) 堀 龍雄君。
〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 2つ目の質問に入らしていただきます。大変有効なトンネルについてです。
資料をごらんください。赤線で引かしていただいてもうてあるのが2.5キロのトンネルにしていただけないかなという要望でございます。この地点に行くのに、高野町からC地点に行くのに普通でいけば12.5キロで、道幅が狭いため30分がかかります。直線にしていただいてトンネルにしていただければ3分で行けるという地図でございますので、資料を参考にしてください。
大きな災害が発生すれば、1本しかない大型自動車が通行できる道路が寸断されます。それを解消するには陣ヶ峰を抜けるトンネルをつくることにより、災害に対して和歌山県だけでなく、奈良県側から援助を速やかに受けることができるとともに、五條市では自衛隊誘致を活発に行っていることから、災害時には非常に有効な道路になると考えられます。
また、季節に関係なく利用できる道路となり、冬場、通行が困難な高野龍神スカイライン経由の熊野に行くルートの迂回路となり、冬場の高野・熊野ルートとして利用いただけることになると思います。大変便利な道になります。
お尋ねをいたします。
今後の整備については、トンネルによるバイパスが大変有効だと考えるんですけども、当局のお考えを聞かせてください。県土整備部長にお伺いいたします。
○副議長(服部 一君) 県土整備部長。
〔森戸義貴君、登壇〕
○県土整備部長(森戸義貴君) 高野天川線のトンネル整備に対する考え方について、御質問を頂戴いたしました。
まず、高野山内へ通じる幹線道路についてでございますが、災害への備えといたしまして、第1次緊急輸送道路である国道480号のかつらぎ町笠田から高野町花坂に至る区間が既に整備済みであり、現在、高野町花坂から大門までの区間において、狭隘箇所の解消とともに、のり面対策による防災面でのさらなる強化を図っているところでございます。
さらに、第2次緊急輸送道路である国道370号の高野町花坂から九度山町九度山までの区間や国道371号及び国道480号の高野町相ノ浦から有田川町に至るまでの区間につきましても、順次、整備を推進しているところでございます。
また、高野山から吉野、熊野地域への観光ルートについてでございますが、国道370号を経由し、京奈和自動車道や国道168号などを利用することにより、安全かつ快適に広域的な移動ができると考えております。
こうした周辺道路の整備状況や奈良県側を含む高野天川線の状況を踏まえますと、議員御提案の高野天川線のトンネルは、多額の事業費が必要となることなどからも現時点でその整備は困難と考えており、引き続き、すれ違いが困難であるなど特に通行の支障となる狭隘な箇所や見通しの悪い箇所の整備を順次進めていくこととしております。
○副議長(服部 一君) 堀 龍雄君。
〔堀 龍雄君、登壇〕
○堀 龍雄君 トンネルについては、現時点では困難であると厳しい答弁をいただきました。
が、いつ災害が起こるか誰もわかりません。その災害が発生すれば、スムーズな救助作業や援助作業ができるようにお願いをしたいなあと思いますし、新たな観光ルートの面でも、吉野、天川、高野山といった新しいルートをつくることができると考えております。そのためにも、トンネルや道路の改修が必要となってきます。目標達成のために協議会とともに粘り強く活動を重ねてまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げまして私の一般質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。(拍手)
○副議長(服部 一君) 以上で、堀龍雄君の質問が終了いたしました。
これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後2時24分散会