平成28年2月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(秋月史成議員の質疑及び一般質問)


平成28年2月 和歌山県議会定例会会議録

第4号(秋月史成議員の質疑及び一般質問)


汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。

正しい表記は「人名等の正しい表記」をご覧ください。

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 9番秋月史成君。
  〔秋月史成君、登壇〕(拍手)
○秋月史成君 改めまして、おはようございます。
 議長のお許しをいただきましたので、一般質問に入らせていただきます。
 県議会議員となり、はや4回目の議会となりました。前々回の昨年9月定例議会におきまして人生初の一般質問に立たせていただき、今回、2回目の質問となります。まだまだふなれな点も多々あろうかと思いますが、最後までおつき合いいただきますよう、よろしくお願いいたします。
 まずは、県道白浜久木線改良計画についてお尋ねいたします。
 大正時代、西牟婁郡一帯は県下有数の養蚕地帯へと発展を遂げ、現在の白浜町三舞地域である三舞村において、久木側から庄川に至る街道、現白浜久木線は繭街道と呼ばれ、繭かごを担いだ人たちが盛んに往来した歴史のある道であります。私も、白浜町富田地域に生まれ、祖父と結婚のため旧日置川町に移り住んだ明治生まれの今は亡き祖母から、その時代の様子を子供のころよく聞かされたものでした。
 昭和34年5月、和歌山県東牟婁郡古座川町三尾川を起点に、西牟婁郡白浜町富田に至る道路が県道として認定され、紀南の山村地域を結ぶ主要道路としてその使命を果たしつつ、逐次改良工事が行われ、現在に至っております。
 この道路の通行不能区間について、昭和42年7月に県道改修促進会が発足し、昭和45年2月議会に当時の県道三尾川紀伊富田停車場線、現在の庄川─久木間の改修拡幅について請願を行い、採択されました。このような経緯を踏まえて、昭和51年春に当時の土木部長、県議会建設副委員長・現二階俊博衆議院議員、日置川町長、白浜町長、関係者100名余りが清流日置川側で昼食をとり、昼過ぎに久木を出発し、繭街道の歴史を語りながら歩き、庄川会館に到着したのは夕暮れ迫る時間だったと聞いております。
 当時、この道を歩かれた青年もはや60歳代、働き盛りであった方々も80歳代、90歳代となられております。昭和50年に県議会初当選なされ、一緒に歩かれた二階俊博衆議院議員も、先月2月17日、77歳となられました。今か今かとこの道路の開通を待ち焦がれていた方も、故人になられた方が多数となってしまいました。
 昨年12月12日にお会いした促進協議会の方々からは、「冥途の土産に一度きれいになったあの道を通ってみたい」と、切実な思いを語っておられました。しかし、長きにわたり紆余曲折はありましたが、促進協議会の方々の熱意は決して消えることはなく、懸命に献身的活動を続けてまいりました。
 このような経緯を踏まえる中、一昨年、県当局の御英断により、平成26年8月13日に現地にて事業着工の報告会、11月2日に事業化を祝う会が行われ、平成27年12月には現場で準備工事が発注され、引き続き本体工事も発注され、今、まさに工事が大きく前に一歩進もうとしております。この壇上をおかりいたしまして、御英断を下されました仁坂知事を初め、県当局の皆様、地元関係者の皆様に、そして今は亡き先人の皆様に深く感謝いたしますとともに、その長年の御尽力に敬意を表します。
 この道路が完成することにより、紀南地方有数の河川である富田川、日置川が道路で一直線に結ばれ、また久木側からすさみ町、古座川町へもつながり、利便性の向上、災害時の迂回路確保の面からも期待の持てる道路となり、紀勢自動車道南紀白浜インターチェンジ、日置川インターチェンジを利用した観光客の取り組みについても、非常に期待を持てることとなります。
 また、旧白浜町、日置川町の合併10周年記念式典において、工事の着工を仁坂知事、二階俊博衆議院議員御臨席のもと、地元の皆様と餅まきもし、大変喜んだ次第であります。
 さて、現在の白浜久木線の状況は、県道日置川大塔線から枝分かれする箇所から約4.7キロが交通不可能な区間となっており、その先、庄川までの約3キロも通行困難な状況となっております。平成26年度から、白浜町久木側で地籍調査が完了している区間のうち2.7キロについて事業化がされております。この事業区間の西側、白浜町庄川側については、約2キロの通行不能区間が残ることになっております。つまり、3キロと2キロを足した5キロについて、事業化がされていないことになります。通行不能か通行困難箇所となります。
 現場の工事の状況を考えますと、白浜町久木側の日置川沿いからこの工事現場予定地を見る限り、私も土木技術、土木作業の素人ながら、かなりの難工事であると推測できます。
 道路は、つながってこそ初めてその効果が発揮されるものであります。道路をつなぐために、その残りの通行区間の事業化がぜひ必要ではないでしょうか。現在の工事区間を含め約7.7キロ、通常ならばかなりの歳月を要する工事になると思われますが、早期開通に向け、現在の白浜町久木側からの工事とあわせ、白浜町庄川側からも工事を進めていくことが必要ではないでしょうか。
 現在、地籍調査が進められている庄川側の区間については、平成29年度に地籍調査が完了いたします。現在の2.7キロの改良工事の後に続けて2キロの改良をするのであれば、先ほど述べたとおり工事も大変だと思われますので、久木側からの片側工事では道路がつながるのがいつになるのかわかりません。ぜひ地籍が終える平成29年度から、白浜町庄川側からも事業化ができないものかと思います。
 残された工事延長を考えたときに、両側からの工事着工をすることが必要だと考えますが、県当局の御英断をお願いしたいと、私も、地域住民、また先人の方々も願っていますが、県当局の御所見をお願いいたします。
○議長(前芝雅嗣君) ただいまの秋月史成君の質問に対する答弁を求めます。
 県土整備部長野尻邦彦君。
  〔野尻邦彦君、登壇〕
○県土整備部長(野尻邦彦君) 県道白浜久木線につきましては、地元がその整備を長年待ち望んでおられ、また、旧白浜町と旧日置川町が合併して誕生した新しい白浜町が1つの町として一体的に発展するために欠かせない道路だと認識しています。
 県としましては、庄川地区住民からの訴訟問題が解決したのを機に、平成26年度に通行不能区間4.7キロメートルのうち地籍調査が完了した久木側の約2.7キロメートルの区間について事業化し、今年度、用地取得ができた久木橋付近の工事に着手したところでございます。
 今後、この事業中区間の用地取得や工事を精力的に進めるとともに、残る通行不能区間についても、地籍調査が完了し次第、事業に着手できるよう準備を進め、全体としての早期完成に向けて取り組んでまいります。
○議長(前芝雅嗣君) 秋月史成君。
  〔秋月史成君、登壇〕
○秋月史成君 大変前向きな御答弁、本当にありがとうございます。
 先人の方々も、促進協議会の方々も、地元住民の方々も、今の県土整備部長の御答弁で大変喜ばれたのではないかと思います。遠く離れた西牟婁郡から喜びの声が議場まで届いているような錯覚さえ起こしてしまいます。今後、一日も早い開通を望むところではあります。県当局といたしましては、今後も格段の御配慮をよろしくお願いいたします。
 次の質問に入ります。
 続きまして、私が昨年9月定例県議会に、県議会最初の質問の際にお聞きいたしました白浜久木線の久木側で接続する県道日置川大塔線について、再度の質問に移らせていただきます。
 9月の定例議会では、野尻県土整備部長より「残る未改良区間につきましては、今後、紀勢自動車道の供用により交通の流れが変化し、当該路線の果たす役割も変化することが予測されるため、狭隘箇所の現状や周辺道路の整備状況などを十分勘案した上で、その整備のあり方について検討してまいります」と、私にとりましても、日置川流域の住民にとりましても、非常に前向きな御答弁をいただいたわけであります。
 その後、危険箇所の整備も小規模ながら県当局の格段の御配慮により事業化が決まり、幾分か前に進んでおります。まことにありがとうございます。
 先般、高速道路の開通後の知事の記者会見の際、知事は「あえて言うなら」と前置きした上で、白浜町の日置川流域やすさみ町の施設などへの影響のおそれを指摘いただきました。仁坂知事も日置川流域の今後の問題を気にかけていただいていると、私も日置川流域の住民も大変うれしく思った次第であります。
 過疎化が急激に進む日置川流域地域住民の方々の懸命の御努力により、民泊・体験型観光のお客様が増加していると聞いております。また、JR西日本様の御厚意により、JR紀伊日置駅に特急電車が臨時停車し、250名ほど大阪からの子供たちが、すばらしい日置川の自然あふれる田舎体験学習をし、帰路についたと聞いております。大変ありがたいことではあります。
 しかし、地元の方々、民泊関係の方々からのお話を聞きますと、日置川インターから上流の日置川大塔線は、大型バスと普通車が対向できない箇所、また路肩が弱く、大型バスの運転手が非常に注意を要する箇所も多くございます。また、以前改修されておりますのり面も老朽化が進み、危険箇所が多く存在いたします。9月の質問のとおりでございます。質問以降も、何度も何度も何度も、私みずから車を走らせ、タイヤをすり減らし、また、靴底をすり減らしながら、細部にわたり実情をさらに一層掌握してまいりました。
 田野井地域を上流に上った箇所からは部分的改修はされているものの、よい状態が非常に少ないと言っても過言ではないと言えます。また、地域住民の方々の怒りに近い切実な願いも聞いてまいりました。紀伊半島災害の際には交通路が寸断され、迂回路は確保されたものの大型バスは通行どめとなり、民泊・体験型観光のお客様は現場で小型車に乗りかえ、お送りしたこともありました。また、大雨の際、殿山ダムの放水量がふえますと、県道が冠水し、通行どめを余儀なくされる箇所も数カ所あります。県道白浜久木線の事業とともに、この事業計画につきましても格段の御配慮をお願いし、白浜久木線が開通の暁には、日置川筋の交通難所の箇所が解消していることを切に願う思いではあります。
 この地域周辺の道路の整備状況を見ますと、上富田町生馬で国道311号線から枝分かれする県道上富田すさみ線は、生馬川に沿って上富田町と旧日置川町の境界を越え、白浜町玉伝まで2車線改良がなされております。この県道上富田すさみ線と紀勢自動車道日置川インター、県道白浜久木線を通じ、紀勢自動車道南紀白浜インターをつなぐ道路が、まさしく県道日置川大塔線であります。この県道日置川大塔線が改良されれば、これらをつなぐ道路網が形成されることになります。上富田町の富田川流域、日置川流域、白浜海岸部をつなぐ連携道路として、地域の周遊観光や災害時の代替交通道路として大いに期待されるものであります。
 平成28年度に、2級河川日置川水系河川整備計画がまとまります。先日の自民党県議団への重点施策説明において、川筋ネットワーク整備は平成29年度に概成すると聞いております。日置川大塔線は、日置川流域住民の生活にはなくてはならない道路です。次の川筋として整備してほしいと切に願うものです。それに向けて、9月の答弁でもあったとおり、高速道路開通があり、交通の流れの変化や白浜久木線の本格的着工を踏まえて、日置川大塔線の整備のあり方について、平成29年度までにどのような検討をしていただけるか、県土整備部長にお尋ねいたします。
○議長(前芝雅嗣君) 県土整備部長。
  〔野尻邦彦君、登壇〕
○県土整備部長(野尻邦彦君) 県道日置川大塔線につきましては、これまで沿道の主な集落から田辺市方面へ直接アクセスする別の路線を重点的に整備してきたことから、未整備区間が多く残っている状況にあります。現在、基本的生活に必要不可欠な道路として、白浜町口ケ谷地内での狭隘区間の拡幅や日置川インターチェンジ周辺での歩道整備などを進めているところでございます。
 現在、県としましては、内陸部骨格道路として川筋ネットワーク道路を重点的に整備しておりますが、これが平成29年度に概成するため、今後、それに続く重点的に整備する路線の検討を行う必要があると考えてございます。
 そのような中、当該路線につきましても、その検討に資する準備として、高速道路供用後の交通状況を把握するとともに、地域の課題などを踏まえて、広域的なネットワークの中での位置づけやその果たす役割などの検討を進めてまいります。
○議長(前芝雅嗣君) 秋月史成君。
  〔秋月史成君、登壇〕
○秋月史成君 これもまた大変前向きな御答弁、ありがとうございます。
 日置川流域住民の皆様にとりましても、日置川大塔線の問題は本当に切実な問題であります。今後は、日置川大塔線の問題の一日も早い解決を賜りますよう、引き続き御尽力、切にお願い申し上げます。
 次の質問に移ります。
 政治家となり、はや1年になろうとしております。日々、住民の相談や御要望事を聞かせていただき、政治活動に奔走している毎日ですが、政治家というのは本当に悩み多い職責だと現在痛感しております。
 最近、私の頭を悩ませていますことは、本年6月19日以降に行われる参議院選挙のことであります。国政における我が自由民主党の議席の動向を心配しているのかと思われるかもしれませんが、私が頭を悩ませているのが、参議院選挙から始まる18歳からの選挙権であります。私も、昨年4月に県議会議員選挙で西牟婁郡の皆様に選んでいただいたこともあり、次回の県議会議員選挙で選挙権が2歳低年齢化になったことが自分の選挙にどのような影響を及ぼすか、気にならないと言ったらうそになりますが、私が最も頭を悩ませていますのが、学校教育現場における政治教育、主権者教育であります。
 選挙は、民主政治の基盤をなすものであり、その健全な発展を期するためには、公明で適正な選挙が不可欠となります。選挙は、国民一人一人が政治に参加する重要な機会であります。しかしながら、近年、国政選挙、地方選挙とも、投票率は全般的に低下の傾向を続け、特に若い世代の投票率は他の世代に比べて低く、若者世代の政治参加が重要な課題となっております。
 そんな中、平成27年6月17日に公職選挙法が一部改正する法律が成立し、6月19日に公布されました。法律の改正に伴い、選挙権を有する者の年齢が18歳以上にと2歳引き下げられ、本年6月19日以降に行われる国政選挙の公示日以後に公示・告示される選挙から、すなわち7月の参議院選挙から満18歳以上の者が選挙権を有することになります。
 今回の法律改正により、高等学校に在学する生徒が在学中に満18歳を迎え、選挙権を得ることとなります。生徒の中に満18歳以上の選挙権を有する者と、満18歳未満の選挙権を有さない者とが混在します。参議院選挙前には、教室の中でざっと3分の1が18歳以上の有権者、3分の2は18歳未満で投票できないということになります。生徒の意識が異なる中、どう教えていけばいいのか、教育現場にもかなりの混乱がもたらされる可能性が予測されます。
 教育基本法第14条1項には、「良識ある公民として必要な政治的教養は、教育上尊重されなければならない」とされております。国家、社会の形成者として、国民として資質を養うことを目標とする学校教育において、当然要請される課題でもあります。
 今回、公職選挙法が改正され、学校においては政治的教養を育む教育をより一層推進することが求められていますが、そんな際、教育基本法第14条2項「法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない」に基づき、学校の政治的中立を確保し、現実の具体的な政治事象、政治課題も取り扱い、生徒が有権者としてみずからの判断で権利を行使できるよう、実践的な教育指導を行うことが望まれることと考えます。
 しかしながら、教育現場に立つ教師も人間です。自由な思想信条を持つことは自由権の1つであり、日本国憲法第19条にも規定のある権利でもあり、その自由な権利を私は決して否定するものではありません。
 私、現在大学1年生の娘がおりまして、昨年まで和歌山県内の県立高校に通っておりました。夕食を家族で一緒にとりながら、その日の学校の様子、友人との人間関係、授業中の様子、教師の発言など、さまざまなことをよく話してくれる娘でした。その中には、教育現場における、私の感覚では政治的中立を欠く教師の発言も多数含まれておりました。
 生徒から一段高い位置に立ち、教室で授業するときに教師の立つ壇を「教壇に立つ」という言葉が現在もよく使われております。教師になることを例える言葉に、教えるに鞭と書いて「教鞭をとる」と表現されたりもします。生徒より一段高い位置に立ち、生徒とは教室において1人だけ違った方向を向いている教師は、生徒に比べ絶対的、精神的優位に立つことは、かなり変化は生じたとはいえ、今も昔も変わらないことと思われます。
 そんな生徒と教師の師弟関係にも近い関係の中から、また、社会を十分知らない18歳の生徒にとりましては、教師の発言は大変重いことになることと思われます。教師の発言いかんによっては、投票行動に影響を及ぼすことになる可能性もあります。教室という密室の中で政治的中立が保たれるか否か、心配でなりません。政治的中立とは、人それぞれ千差万別と私は考えます。共通の物差しがなければ、教育現場に立つ教師の皆様も混乱を招くと思われます。
 まずは、県当局の政治的中立とはどのようなものかお尋ねいたします。
○議長(前芝雅嗣君) 教育長宮下和己君。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 学校における政治的中立につきましては、教育基本法第14条2項に「法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治活動をしてはならない」と規定されており、それが基本となります。
 これまでも、政治的中立について、各学校に対して教職員の選挙運動の禁止等に関する通知等を行ってきました。
 さらに、今般の公職選挙法の改正を受け、県立学校長会や教頭会において、学校における政治的中立の確保について、重ねて指導を徹底したところでございます。
○議長(前芝雅嗣君) 秋月史成君。
  〔秋月史成君、登壇〕
○秋月史成君 県当局の政治的中立に対する明確な物差しが現在の御答弁で示されたわけでありますが、教育基本法第14条2項で、「法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない」と以前から明記されております。今まで、教育現場では政治的中立が確立されていると言いがたい事象が多く発生していることは、皆様も承知の事実かと思います。法律上の「学校は」と規定されていますが、学校の構成員である教師は学校の教育活動に従って教育を行うのであり、その学校教育活動の中で教師個人が党派的政治教育を行うことも当然禁止されることと考えます。
 例えば、教師が授業で子供に対し特定政党のイデオロギーに基づく教育を行うことはもちろん、このような教育を校外で行われることも許される行為ではないと考えます。教師自身が自制しても、教師に大きな影響力を持つ外部勢力がそのような教育を実施させようとする場合には、教育の政治的中立の確保は困難になることと思われます。教師に強い影響力を持つ職員団体等を通じ、外部から教唆、扇動しようとする者を排除する必要もあると考えます。
 埼玉県春日部市立中学、教師が政党の機関紙のコピーを配布し、言語道断で非常識と埼玉県上田知事が激怒した事例もあります。
 和歌山市内では、教師が召集令状に見立てた赤紙のコピーを児童に配ったこともあるそうでございます。また、選挙の際には特定の候補者の後援会申込書が職員室で回されたり、表沙汰にはなっていませんが、多く同じような事象が私の耳にも報告されております。また、教室と、ある意味密室で政治的中立を欠く教師の発言も、私みずから娘から聞かされました。私も、義務教育課程で、多く教師の政治的中立を欠く発言をこの耳でじかに聞いた経験も持っております。
 この夏の参議院選挙から高等学校の生徒の一部が投票権を得ることから、罰則規定により以前より増して厳格で迅速な罰則が望まれることかと思いますが、政治的中立が確保できなかった事象や発言がなされたとき、迅速で厳格な対応をなされるのか、政治的中立を欠く事象が学校教育現場で起こった際の罰則等の対応について、県当局にお尋ねいたします。
○議長(前芝雅嗣君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) これまでも、先ほど申し上げましたが、教職員における政治的中立は大変大切であり、また指導を徹底してまいりました。
 政治的中立が損なわれるような事態が発生した場合は、該当教員を厳しく指導するなど、速やかな対応が必要であると考えます。また、該当教員の行為が法令等に違反した場合は、処分を含め、厳正に対処してまいります。
○議長(前芝雅嗣君) 秋月史成君。
  〔秋月史成君、登壇〕
○秋月史成君 力強い御答弁でしたが、子供たちの教科書制作会社から和歌山県内の教職員25名に対して1万円から数万円贈った事件、発覚してかなりたちますが、和歌山県教育委員会はいつまで放っておくのかと、県民のお声が私の耳にも入っております。
 まあ、和歌山県教育委員会は、このまま放っておくことは決してないとは思っておりますが、県民目線から見れば迅速で厳正な対応を望んでいるわけであります。今後は選挙権が2歳低年齢化するということもあり、以前に比べ、より一層、迅速に厳正に対応をお願いしたいと思いますし、今後は政治的中立の確保が万全でなくてはなりません。起こってからでは、指導や処罰が幾ら迅速で厳正であろうと、後の祭りになることもあります。
 教師が教えるのは学問だけではないと思います。倫理観や社会のルール、道徳等々、教育公務員の立場をわきまえ行動するように、指導を徹底的に行っていただきたく強く要望いたします。
 次の質問へ移りたいと思います。
 弥生3月、少し春の兆しも見えてまいりましたが、まだまだ肌寒い日々が続いております。常春の国・和歌山ですが、12月から先月の2月までは大変寒い日々を過ごしておりました。寒い日々を送っていますとき、ふっと目を閉じ思い出すのは、南紀支援学校に通う児童生徒のことであります。建物と建物をつなぐあの渡り廊下を、肢体不自由の子供が毛布にくるまれ、学校職員がかじかむ手に息を吹きかけ、車椅子を押して移動する光景を想像するだけで、目頭が熱くなり、万感胸に迫るものがあるのは私1人だけではないと思います。
 昨年9月議会におきまして、南紀支援学校の建てかえ問題について質問させていただき、宮下教育長の御答弁にもありましたとおり、27年度内に一定の方向を取りまとめるために、現在最終の段階に庁内では入り、御尽力いただいていることかと思います。その方向性を今か今かと待ち焦がれている保護者、私自身もその方向性の発表を待ち望んでおります。
 教育長のお示しいただきました期日まであと27日。その方向性は今回の質問ではあえて聞かないことといたしますが、私にとりまして少し気になる事象が現在発生しております。
 先般、知的障害を持つ児童生徒が通うはまゆう支援学校の保護者、南紀支援学校の保護者、それに南紀支援学校の教職員、紀北支援学校の教職員、さくら支援学校の教職員も交えまして意見交換を行いました。その方々の中には、教育長が示される方向性について明るい期待を持ちつつ、今後の方向性について御不安をお抱えの様子でした。当然のことと私も考えております。合格発表を待つ受験生の心境のように思います。
 意見交換終了後、保護者、教職員の方々に詰め寄られ、「県教育委員会は、方向が決まったら私たちの意見や要望は何も聞いてくれないのではないか」と御不安の様子を訴えておりました。私は、昨年の9月議会での宮下教育長の御答弁を信じております。大多数の県民の皆様も、教育長の御答弁を信じていただいていることとは思います。一定の方向を取りまとめた後、学校関係者や保護者、地域の皆様から御意見をいただくとの御答弁でしたが、不安感を募らせ、その不安感がいっぱいになっている現実があります。
 このたびの質問で、あえて聞かせていただきます。一定の方向がまとまった暁には、丁寧に保護者、教職員、地域の皆様の意見を賜り、不安感を払拭する姿勢を持っていただけるのか、また、保護者、教職員、地域住民の最大公約数の皆様に納得していただける施設構想をお示しいただけるのか、県教育長の決意と自信をお尋ねいたします。
○議長(前芝雅嗣君) 教育長。
  〔宮下和己君、登壇〕
○教育長(宮下和己君) 南紀支援学校の施設整備につきましては重要な課題であると認識しており、一人一人の障害特性に応じた十分な教育が展開できる学校とするため、年度内に県教育委員会としての方向性を決めてまいります。
 この後、速やかに学校関係者や保護者、地域の皆様の不安を取り除くため、丁寧な説明をするとともに、関係の皆様の意見をいただき、関係部局と協議し、具体的な実施計画を早期に策定してまいります。
○議長(前芝雅嗣君) 秋月史成君。
  〔秋月史成君、登壇〕
○秋月史成君 昨年9月議会の御答弁より、若干、ほんの少し前に向いた御答弁であったという印象ですが、保護者や教職員の皆様からの御意見では、先ほどの質問でもありましたように、「私たちの意見を聞いてくれないのではないか。方向が決まったら、あとは説得だけになる」という訴えもあります。また、「本当に新たな学校建設がなされるのか」、「県は新たな学校建設をする気があるのか」、「新たな学校建設なんかしないでしょう」などの意見も寄せられております。
 県民である保護者や教職員の皆様から、県教育委員会に信頼を置いていないのではないかという印象さえ持ってしまいます。しかし、この本会議で直接、宮下教育長の御答弁を聞かせていただいている私は、信じたいと思っております。信じてはおりますが、対応の遅さ、仕事の遅さにいら立ちを隠せません。
 先日も、支援学校関係者のお話では、トイレが故障し、使用不可能となったそうでございます。また、寄宿舎のエレベーター設備も故障し、修理も不可能となっているそうでございます。待ったなしの施設であることは、当局も御認識いただいているわけではあります。
 あと27日で一定の方向が示されることでしょう。丁寧で迅速な、保護者、学校関係者、地域住民の方々の不安と不信感を取り除くために説明が行われることと思います。その後、迅速に施設整備構想計画を取りまとめ、早期施設建設を強く強く要望いたします。
 これで、質問を終わらせていただきます。最後までおつき合いいただきまして、ありがとうございました。(拍手)
○議長(前芝雅嗣君) 以上で、秋月史成君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時30分休憩
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