平成26年6月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(全文)


平成26年6月 和歌山県議会定例会会議録

第3号(全文)


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平成26年6月
和歌山県議会定例会会議録
第3号
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議事日程 第3号
 平成26年6月18日(水曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第101号から議案第120号まで並びに報第2号(質疑)
 第2 一般質問
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会議に付した事件
 第1 議案第101号から議案第120号まで並びに報第2号(質疑)
 第2 一般質問
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出席議員(40人)
 1番 濱口太史
 2番 鈴木太雄
 3番 尾崎太郎
 4番 藤山将材
 5番 新島 雄
 6番 山下直也
 7番 門 三佐博
 8番 井出益弘
 9番 中本浩精
 10番 上田良治
 11番 服部 一
 12番 山本茂博
 13番 山田正彦
 14番 坂本 登
 15番 宇治田栄蔵
 16番 尾崎要二
 17番 岸本 健
 18番 森 礼子
 19番 前芝雅嗣
 20番 浅井修一郎
 21番 中村裕一
 22番 冨安民浩
 23番 立谷誠一
 24番 中 拓哉
 25番 花田健吉
 26番 角田秀樹
 27番 吉井和視
 28番 向井嘉久藏
 29番 谷口和樹
 30番 多田純一
 31番 片桐章浩
 32番 藤本眞利子
 33番 浦口高典
 34番 大沢広太郎
 35番 谷 洋一
 37番 高田由一
 38番 奥村規子
 40番 松坂英樹
 41番 長坂隆司
 42番 雑賀光夫
欠席議員(なし)
〔備考〕
 36番 欠員
 39番 欠員
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説明のため出席した者
 知事         仁坂吉伸
 副知事        下 宏
 知事室長       和歌哲也
 国体推進監      若宮茂樹
 危機管理監      木村雅人
 総務部長       市川靖之
 企画部長       野田寛芳
 環境生活部長     栗山隆博
 福祉保健部長     中川伸児
 商工観光労働部長   藤本陽司
 農林水産部長     増谷行紀
 県土整備部長     石原康弘
 会計管理者      岩橋良晃
 教育委員会委員    竹山早穂
 教育長        西下博通
 公安委員会委員    溝端莊悟
 警察本部長      下田隆文
 人事委員会委員長   守屋駿二
 代表監査委員     保田栄一
 選挙管理委員会委員長 上山義彦
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長       江川和明
 次長         上坊 晃
 議事課長       糸川 徹
 議事課副課長     中谷政紀
 議事課課長補佐兼議事班長
            尾崎善亮
 議事課主任      中尾祐一
 議事課主任      保田良春
 議事課主任      岸裏真延
 総務課長       谷 巌
 政策調査課長     西原龍也
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  午前10時0分開議
○議長(坂本 登君) これより本日の会議を開きます。
 日程に先立ち、諸般の報告をいたします。
 過日提出のあった議案第103号及び議案第107号は、いずれも職員に関する条例議案でありますので、地方公務員法第5条第2項の規定により人事委員会の意見を徴しましたところ、文書により回答がありました。お手元に配付しておりますので、御了承願います。
 日程第1、議案第101号から議案第120号まで並びに知事専決処分報告報第2号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 35番谷 洋一君。
  〔谷 洋一君、登壇〕(拍手)
○谷 洋一君 おはようございます。
 平成26年6月定例会の一般質問にトップバッターとして質問の機会を与えていただき、感謝申し上げます。
 まず初めに、今月8日、桂宮宜仁親王殿下が薨去されました。殿下におかれましては、農業や林業の振興、また伝統工芸への支援など、本県にとっても大変重要な分野に対し、幅広い御尽力をされてこられました。ここに、県民の皆様とともに心から哀悼の意を表したいと思います。
 また、先月の5月9日、元知事の西口勇さんが87歳にてお亡くなりになりました。西口さんは、知事公室長や副知事などを歴任し、小野知事、大橋知事、仮谷知事といった歴代知事の県政の屋台骨を支える重要な役割を担ってこられました。平成7年には、県民からの大きな支持のもと、知事に就任され、まさに本県の先頭に立ち、さまざまな課題に対し精力的に取り組んでいただきました。
 湯浅御坊道路の開通や国道311号の全線改良、南紀白浜空港のジェット化といった交通基盤の整備、熊野古道とスペイン「サンティアゴへの道」との姉妹道提携、紀南地域を中心に開催された南紀熊野体験博の開催など、観光や産業における新たな展開を推進されました。和歌山県立医科大学の紀三井寺への統合移転などの医療福祉環境の整備にも取り組まれるなど、本県の基盤となる道筋を確立されたことは、その大きな功績かと思います。
 しかしながら、「真の心」を信条にみずから県政の先頭に立ち、その責任の強さから実直に激務に取り組まれ続けたことは、西口さんの健康にとって大きな負担となったことかと思います。西口県政2期目のまさに脂の乗った時期である平成12年7月、その任期の半ばにして後任にバトンを託さざるを得なくなったことは、何よりも苦渋の決断であったかと思います。
 私も、知事とともに、アメリカやメキシコなど、何度か海外への訪問に同行したことがありますが、本当に多忙なスケジュールをこなされているなあというのが印象でした。
 町田議長の時代でありましたが、南加和歌山県人会創立85周年で西口知事と一緒にロサンゼルスを訪問したことがありました。式典会場の隣にとてもきれいなゴルフコースがあり、知事を式典後にお誘いしてみたのですが、「まだ公務が詰まっており、時間がない。次にロサンゼルスに来たときにぜひ行こう」と言われたことが思い出されます。その後、西口知事とともにロサンゼルスの地を訪れることがかなわなかったことは残念であります。
 誰よりもふるさと和歌山を愛し、和歌山の発展に情熱を注いでこられた西口さんに、県民の皆様方とともに心から感謝を申し上げ、御冥福をお祈りしたいと思います。
 それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、一般質問をさせていただきます。
 まず、第1点目、ブラジル訪問についての報告をさせていただきます。
 和歌山県議会では、仁坂知事を団長とするブラジル訪問団の一員として、山田前議長ほか10名の議員が、本年4月23日から5月3日までの日程により、ブラジル連邦共和国を訪問してまいりました。本県では、5年ごとに在伯和歌山県人会との交流を重ねてきておりますが、在伯和歌山県人会連合会創立60周年という節目の年に当たる本年は、行政、議会、民間を合わせて総勢74名と、これまでの最大の訪問団となりました。
 4月24日、私たち訪問団は、サンパウロにおいて県人会連合会の皆様の歓迎を受けた後、すぐに飛行機を乗り継ぎ、南マット・グロッソ州のドラードスに向かいました。ドラードスは、サンパウロ市から1000キロほど内陸に入ったところにある人口約20万人の市で、戦後、本県出身者が中心となって開拓を進めた松原移住地やクルパイ移住地があり、和歌山県出身者約110家族が入植したところであります。ドラードス市とその周辺地域には、現在も本県出身者及びその子弟の皆さん300世帯以上が暮らしており、南マット・グロッソ州和歌山県人会が組織されております。
 私たち訪問団は、ドラードスでムリロ・ザウイッチ市長やイデノール・マシャード市議会議長、谷口史郎代表を初めとする県人会の皆様の心温まる歓迎を受け、また、現在も松原移住地で暮らしておられる方のお宅も訪問させていただきました。
 最終日には、ドラードス日本語モデル校を視察しました。ドラードス日本語モデル校は、南マット・グロッソ州日伯文化連合会がJICA──独立行政法人国際協力機構ですが──の助成を受けて平成元年10月に設立したもので、開校以降、本県出身者の子弟104名が同校で学んでおります。現在の生徒数67名で、うち10名が本県出身者の子弟であります。この学校では、継承語として日本語を教えるだけでなく、忍耐や感謝の心、礼儀正しさなど、ともすると我々自身が忘れがちな日本のよき伝統がしっかり伝えられていることに感動を覚えました。
 今回のブラジル訪問では、県議会として、知事とともにこのドラードスを県政史上初めて公式訪問したことに大きな意義がありました。
 ドラードスで2泊した後、サンパウロに戻り、4月27日に在伯和歌山県人会連合会創立60周年記念式典及び祝賀会に参加しました。式典には、木原好規会長を初めとする本県出身者とその子弟の皆さん、福嶌教輝在サンパウロ日本国総領事ら日本政府関係者、ブラジル日本都道府県人会連合会など現地日系団体役員、ブラジル連邦議員、サンパウロ州議会議員、サンパウロ市議会議員など現地行政関係者ら、総勢600名が出席して盛大に行われ、大いに交歓を深めました。
 その後、私たちは、昭和50年にサンパウロ市のイビラプエラ公園内に建立されたブラジル日本移民開拓先没者慰霊碑を参拝し、ブラジル各地において志半ばで亡くなられた開拓先没者に対して敬意を表し、慰霊をさせていただきました。
 4月28日には、県議会としてサンパウロ州議会を表敬訪問し、羽藤ジョージ副議長らと親交を深めるとともに、州議会に対し、本県からの移住者の存在を強くアピールしてまいりました。州議会では、羽藤ジョージ副議長のお母さんが新宮市出身ということもあり、我々を非常な親近感を持って手厚く迎えてくださいました。そして、ブラジル社会では日系人が尊敬されているが、その理由について、「日本からの移民は、当初は大変な貧困と労役に苦しんだけれども、決して犯罪に手を染めることなく、未来を信じて真面目に働き、子供への教育も怠らなかった。その忍耐と努力と賢明さをブラジル国民の多くが尊敬を持って認めているからである」と説明してくれました。
 私も、全くそのとおりであると思います。我が国からブラジルに渡った人々は、日本人の美点である忍耐、勤勉、努力、正直、相互扶助の精神などを誇りを持って実践したことが成功につながったのであり、そのことに心から敬意を表したいと思います。
 ドラードス市のムリロ・ザウイッチ市長は、私たち訪問団の歓迎式典で、「もしも和歌山県からの移民がいなければ現在のドラードス市の発展はなかった」と述べておられました。本県からの移住者のみならず、我が国からブラジルに渡った移民の多くが、持てる技術と体力と知恵の全てを総動員して未開の土地と格闘し、まさに未来をみずからの手で切り開いていったのであり、その結果として、地域の発展にも大きく寄与したのであります。そして、現在では、日系ブラジル人2世、3世は、高度な教育と勤勉さゆえ、社会の指導的役割を担う職業に多くつき、ブラジルの発展に大きく貢献しております。ブラジルにおける日系人の人口は、約150万人と言われており、国全体の1%にも達しませんが、その存在感は極めて大きく、本県出身者も立派にその一翼を担っていることを我々は和歌山県民として大いに誇るべきであると思います。
 今回の訪問では、いずれの公式行事についても、その実施に当たり、南マット・グロッソ州和歌山県人会の谷口代表、在伯和歌山県人会連合会の木原会長を初め、多くの関係の皆様に大変お世話になりました。この場をおかりし、改めて感謝申し上げます。
 このたびの訪問により、はるかなるブラジルの地に移住後も母県和歌山のことをいつまでも忘れず、故郷の発展を願ってくれる多くの同胞の存在を改めて実感し、我々の故郷であると同時に彼らの故郷である和歌山県のさらなる飛躍のため、邁進する決意を新たにした次第であります。
 以上、私から、ブラジル訪問に係る報告とさせていただきます。
 それでは、引き続き質問に入らせていただきます。
 2点目の紀伊半島一周の高速道路整備についてお尋ねいたします。
 本年3月28日に、近畿自動車道紀勢線のすさみ─串本間の新規事業化が決定されました。紀伊半島一周高速道路の実現に向けた大きな前進であり、地元関係者として心から喜んでいる次第であります。知事を先頭に、これまで懸命に取り組んでこられた県土整備部を初めとする県当局の皆様方にお礼を申し上げますとともに、本県選出の与党国会議員のお力添えと地元関係者の方々の熱心な御協力に心から感謝を申し上げたいと思います。
 本県の道路整備は、いよいよ来年に迫った国体開催という目標に向け、これまで積極的な推進が図られてきたところであります。しかしながら、紀伊半島一周高速道路の実現には、まだ事業化されていない残された区間があります。発生が懸念される南海トラフ巨大地震や豪雨災害など、大規模災害から県民の命を守るには、この一周道路を早期に完成させることが何より重要かと考えます。紀南に暮らす我々にとって、この紀伊半島一周高速道路は、まさに命と暮らしを守る希望の道となるものであります。
 紀伊半島一周高速道路の実現は、紀南地域に暮らす者にとって、これまでなかなか実感が持てない遠い話のようなものでありました。さきの民主党政権時代にはいわれのない予算凍結なども行われ、足踏み状態の時代もありました。しかし、政権の交代とともに真に必要な道路としてきちんと評価されることとなり、政府の国土強靱化の方針のもと、現在、近畿自動車道紀勢線の工事は着実に南へと進んでおります。田辺─すさみ間を車で走っていても、その進捗は日ごとに目に見えるように進んでおり、ようやく半島一周道路実現への実感を抱くことができるようになってまいりました。今ここで、半島一周道路を完成することとなる残る区間の事業化が実現すれば、県民にとって何よりの大きな安心になるものと思います。
 さきの2月定例会において、知事は、3期目県政に向けた熱い思いを表明されました。ぜひとも知事には、引き続き先頭に立っていただき、今後もさらなる積極的な取り組みを展開していただきたいと願っております。
 そこで、知事に、紀伊半島一周の高速道路の実現に向けた今後の取り組みをどう考えておられるのか、御所見をお伺いしたいと思います。
 次に、国体開催までの整備進捗についてお尋ねします。
 来年9月に迫る国体の開催に向け、現在、近畿自動車道紀勢線、京奈和自動車道、第二阪和国道など、県下各地での道路整備が加速してきております。特に紀伊半島一周高速道路の実現に資する田辺─すさみ間の整備は、各所で目に見えて進んでいるように思います。また、これまでの要望活動等による関係各位の取り組みの成果もあり、国のほうでもしっかりと予算の確保がされているかと思います。
 いよいよ国体の開会まで1年3カ月余りとなってまいりました。全国から多くの方々をお迎えし、競技会場や宿舎、あるいは観光スポットなど、県内のさまざまな場所を移動していただくこととなります。お越しになる方々に「和歌山はよかった」と実感していただくためにも、可能な限りの整備を進め、快適に移動していただけるような環境を整えていただきたいと思うところであります。
 そこで、近畿自動車道紀勢線の田辺─すさみ間及び那智勝浦道路における国体開催までの整備進捗の見通しはどのようになっているのか、県土整備部長にお尋ねいたします。
○議長(坂本 登君) ただいまの谷洋一君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 紀伊半島一周高速道路は、企業立地や観光、農林水産業等の振興など、県民のチャンスを保障するため、また南海トラフの巨大地震や風水害などの大規模災害に備えて迅速な救助・救援活動を可能にする命の道として、その実現は不可欠かつ急務であり、県の重要課題の1つとして、これまでもさまざまな機会を捉えて早期整備を強く求めてきたところでございます。
 今般、昨年の新宮紀宝道路に続いて、すさみ串本道路の新規事業化が決定されました。また、田辺─すさみ間を平成27年紀の国わかやま国体に合わせて開通する見通しであると発表がありました。これらの成果は、県選出国会議員や県議会議員、関係市町村長を初め、多くの皆様の御尽力のおかげであり、心から感謝を申し上げております。
 ただ、完成して初めて意味を持つものでございますので、一刻も早く完成をさせなければいけないと思います。さらに、残る串本─太地間、新宮─熊野間の早期実現、事業化も図らないといけないと思います。そこで、今後とも皆様の御協力を得ながら、引き続き国や関係機関に働きかけてまいりたいと思います。
○議長(坂本 登君) 県土整備部長石原康弘君。
  〔石原康弘君、登壇〕
○県土整備部長(石原康弘君) 近畿自動車道紀勢線田辺─すさみ間の約38キロメートルにつきましては、必要な用地は全て取得し、全線で工事が展開されており、その中で、延長の約5割を占める22本のトンネルのうち、既に12本は貫通、8本が掘削中、残り2本についても既に契約を終えております。また、橋梁につきましては、44橋のうち、既に10橋が完成、残る34橋が工事中となっており、先般、国土交通省より、平成27年紀の国わかやま国体に合わせて開通する見通しとの発表があったところです。
 また、那智勝浦道路の約6キロメートルにつきましても、必要な用地は全て取得し、全線で工事が展開されており、その約6割を占める8本のトンネルのうち、3本が貫通、残る5本が掘削中となっております。また、橋梁につきましては、7橋のうち、1橋が完成し、残る6橋についても工事中となっております。
 県としましては、田辺─すさみ間と同様、那智勝浦道路につきましても、国体開催までに開通できるよう、引き続き強く国に働きかけてまいります。
○議長(坂本 登君) 谷 洋一君。
  〔谷 洋一君、登壇〕
○谷 洋一君 御答弁いただきました。
 県議会でも、これまで議員連盟での要望活動などを通じて、高速道路の整備促進については積極的な取り組みを行ってきたところであります。
 和歌山県の高速道路は、半島地域であるがゆえ、これまで取り残されてきたところであり、その中でも紀伊半島の南部は、いまだに残された状況になっております。東日本大震災でのあの津波を見たとき、この現状の国道42号では、救命活動や救援物資の搬送は行えるのかということを痛切に感じました。
 平成23年の紀伊半島大水害の際にも紀南の道路網は寸断され、本県や三重県においても物流に支障を来したことがありました。紀伊半島南端の東牟婁郡選出の議員として私は、県民の安全・安心を考えた場合に、何よりもまずは紀伊半島一周高速道路の完成が重要であると考えております。ぜひともこの実現に向け、知事を初め県当局各位には、引き続き熱心な取り組みを期待しているところであります。御協力のほど、よろしくお願いしたいと思います。
 それと、残されておりますすさみ─太地間は、国道42号の中でも一番海岸線を走って、またウオーターレベルの一番低いところでございます。津波が押し寄せたら、すぐに波が乗っていくというところであります。そういうことで、今回のすさみ─串本間につきましては一日も早く工事を完了していただき、残った串本から太地間につきましては、これも一日も早く事業化をしていただき完成していただくようにお願いして、要望といたします。
 続いて、3点目の漁業振興についてお尋ねいたします。
 昨年の6月定例会において、私は、漁業における燃油の高騰問題についての質問をさせていただきました。国に対して燃油高騰対策の要望を行っていただくなど積極的な取り組みをしていただいた結果、国により緊急特別対策が実施されることとなったというものでありました。この緊急特別対策については、多くの漁業者がその制度を利用し、安定した漁業経営の継続につながっているということで、大変好評であるという声を聞いております。改めて、県当局、そして国の積極的な支援に感謝申し上げます。
 さて、ことしは、全国的にカツオが歴史的な不漁を迎えており、本県においても例外ではありません。この問題だけでなく、漁獲量の減少や後継者不足の問題など、ほかにも漁業は多くの課題を抱えている状況にあります。
 自然豊かな本県にとって、漁業は重要な基幹産業の1つであり、他のさまざまな産業とともに本県の大切な産業として末長く守っていくべきものと考えておりますが、本県の漁業振興に対する知事の御所見をお伺いしたいと思います。
 次に、カツオの不漁についてお尋ねします。
 さきにも触れましたが、本年は、カツオが経験したことのない歴史的な不漁となっております。市場に揚がる本数も大幅に少なくなり、価格も例年の何倍にも高騰しております。すさみ町では、例年開催しているケンケンかつお祭りが中止を余儀なくされたと聞いております。また、和歌山のカツオの味覚を楽しみに訪れる県内や県外からの観光客をも落胆させているということも耳にしております。
 漁師の方からも、「出漁してもほとんど釣れない」、「出漁しないことも多くある」という声を聞きますし、実際、漁港を見ても、カツオ漁の漁船が漁に出ず、並んで停泊している姿を目にします。
 カツオは、季節を感じる魚であり、何よりも市場に活気を与えるものであります。カツオの不漁は、まさに漁業全体の死活問題でもあります。この原因を究明し、対応していくことが必要ではないかと思っております。
 また、このようにカツオが少なくなっている、カツオの群れがなかなか見当たらないとされる中、いかに的確に漁場を捉えることができるかということが重要となってきます。折しも燃油の高騰が続いている状況でもありますので、漁業の効率性を高めていくということがまさに強く求められております。
 そのような中、串本の水産試験場では、人工衛星データを活用したカツオの漁場探索が行われており、またその精度の向上も図られていると聞いております。
 そこで、農林水産部長にお尋ねします。
 このカツオの不漁の原因について、どのように考えておられますか。また、このようにカツオがとれないような状況の中、衛星を活用した効率的なカツオ漁への支援が有効と考えますが、その取り組み状況はどうなっているのか。あわせてお尋ねします。
○議長(坂本 登君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 本県の水産業の一番の問題は長年にわたり続く漁獲量の減少であり、その原因の1つとして、限られた資源をとり過ぎたということがあると思います。したがって、対策としては、資源管理のさらなる推進があると思っております。
 資源を回復させるためには、対象魚種のきちんとした資源調査を行いまして、どれだけとればよいのかを検討し、資源を減らさないように管理しながら漁獲していくということが重要であります。しかし、こういうことは、1漁業組合、あるいは1県だけでやりますと、ほかの人にとられてしまうということにもなりかねませんで、みんなが守らないといかんわけであります。
 そこで、先日も国に対して、総枠規制を強化すること、特により厳しい資源管理方法である個別割り当て方式、いわゆるIQへの取り組みも含めて、ぜひ検討願いたいというふうに要望をしたところでございます。
 もう1つは、いそ根漁業の回復であります。小規模漁家にとって安定収入を得られるいそ根資源は、非常に重要でございますけれども、いそ焼けにより漁獲量が減少しております。
 この対策といたしましては、県水産試験場では、原因とされる高水温に対応できる海藻の開発に取り組んでおります。また、海藻の移植や外敵生物の駆除等、それぞれの地域に応じた対策への技術指導や補助による支援を行っております。これらの対策を強力に進めることによりまして、水産業の復活を推進してまいりたいと考えております。
○議長(坂本 登君) 農林水産部長増谷行紀君。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 今春のカツオ漁は全国的に大変な不漁となっており、本県におけるカツオの水揚げ量も、昨年の4分の1程度と激減しております。日本近海の海水温が例年になく低目で推移していること、太平洋熱帯域でのまき網によるカツオの漁獲量が急増していることが日本近海へのカツオの来遊に影響を与えている原因と考えられています。
 このような状況を受け、県といたしましては、先日、カツオの資源調査や国際的な規制について、政府に対して要望活動を行ったところであります。
 水産試験場では、平成9年度から、カツオ漁が効率的に行われるように、人工衛星画像をもとにした晴天時の海水温情報を漁業者に提供してまいりました。当初は海水温情報のみでしたが、平成18年度に海面の植物プランクトン情報を追加するとともに、カツオ漁場探索マップも提供を開始いたしました。
 平成19年度には、人工衛星画像が利用できない曇天時にも対応できるように調査船きのくにや海上ブイなどの水温実測値を活用するソフトを開発したところで、漁業者からは、漁場を効率的に見つけることができると高い評価をいただいております。
 今後も引き続き、利用できるさまざまな情報を活用して提供頻度をふやすなどの改良に取り組み、より精度の高い漁場情報の提供に努めてまいります。
○議長(坂本 登君) 谷 洋一君。
  〔谷 洋一君、登壇〕
○谷 洋一君 今の和歌山県──これは和歌山県だけじゃなしに全国なんですが、漁業関係者は非常に厳しい状況に置かれているというのは、もう御承知のとおりであります。
 知事が答弁していただきましたように、いろんな方面で支援していただいてるんです。そういうことで感謝しますけれども、やはりカツオ漁なんかというのは、今まで和歌山県では、不漁の時期というのは、黒潮の蛇行で沖へ黒潮がはじけてしもうて釣れなんだというのはもう何回もありますけれども、今回のようなことは初めてなんです。
 そういうことで、部長に答弁していただいたように、太平洋沖のまき網のことやとか、あるいは水温の上昇やとか、いろんな原因があると思いますけれども、しかし、普通の漁も何でも大事なんですが、特にカツオやとかサンマというのは、そこの市場に活気を与えるといいますか、それが釣れただけで、皆、漁師が──値の高い安いは関係なしに市場が活気づく漁獲物であります。
 そういうことで、ぜひもとの姿に返れるように、より一層の御支援をしていただいたらというふうに思いますし、議会にも水産部会というのもございますんで、我々も水産庁やとか、いろんな働きかけ等で応援できたらと思っておりますので、大沢会長を初め皆さんと相談して頑張っていきたいと思いますんで、どうかよろしくお願いしたいと思います。
 最後に、4点目の福祉意識についてお尋ねします。
 日本は、経済的にも文化的にも先進国であると言われておりますが、福祉に対する意識については、残念に思うことがよくあります。障害のある方や高齢者などに対しては、譲り合いの配慮など、お互い助け合えるような社会づくりが大切だと考えます。そして、国民、県民一人一人がそういった心を持った社会であるべきだと思います。
 しかしながら、公共施設やスーパーなど、さまざまな場所に出かけた際に、そこに設けられている障害者用駐車区画に健常者と思われる方が駐車していることをよく見かけます。どういった意識かはわかりませんが、モラルなきその行動にがっかりさせられることがあります。また、若い方々のそのような行動を見かけることもあります。
 私は、アメリカを初め海外を何度か訪れておりますが、そこでは福祉に対する意識が高く、障害者用駐車区画の利用などについては、その趣旨の徹底がしっかりとされているように感じます。実際、施設などに設置されている駐車区画は、障害者などのためにきちんとあけられていることがほとんどのように思います。
 本県においても、全ての県民が安心して暮らせるようにするには、お互いの助け合い、譲り合いなど、福祉の意識の醸成を深めていくことが必要かと思います。来年は、国民体育大会とともに、全国障害者スポーツ大会が本県で開催されます。多くの来県者をお迎えする上でも、この機会に私たちの福祉への意識がしっかりと深まっていってほしいと思うところであります。
 このことについて、県としてどのように取り組みを行っているのか、福祉保健部長にお尋ねいたします。
○議長(坂本 登君) 福祉保健部長中川伸児君。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 障害のある人もない人も、ともに支え合って暮らす社会を目指すことは非常に重要であると考えています。そのために、県では、和歌山県福祉のまちづくり条例に基づき、誰もが暮らしやすいまちづくりを進めています。
 障害者用駐車区画の適正利用につきましては、これまでも、子供たちに理解を深めてもらうため、教育委員会と連携し教員に向けた研修や、ショッピングセンターにおいて障害者用駐車区画の趣旨を理解してもらうための店内放送の実施依頼、「県民の友」などの広報媒体を使った啓発活動を行ってきました。
 今後とも、県民一人一人に理解を深めていただくため、関係機関とも連携しながら、さらに取り組みを進めてまいります。
○議長(坂本 登君) 谷 洋一君。
  〔谷 洋一君、登壇〕
○谷 洋一君 ただいま部長から答弁いただきました。御答弁にもありましたけれども、やはりいろんなメディアとか、そういうことで、こうしてくださいよと。やっぱりこれは、福祉の、ハンディキャップの方たちのためなんですよということがわかってない方も、僕、結構おられるんじゃないかなあというふうに思います。そういうことで、そういうことをしていただきたい。
 特にあそこのスペースというのは、目に見えた福祉なんですよ。福祉というのは、大体自分の心の中にあるもんが多いんですが。だから、そこはきっちりやっぱりできるという、せないかんという、そういう意識を持っていただくのが僕は重要かと思うんで、今後ともそういうことで取り組んでいただきますようにお願いして、私の一般質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
○議長(坂本 登君) 以上で、谷洋一君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 38番奥村規子さん。
  〔奥村規子君、登壇〕(拍手)
○奥村規子君 おはようございます。
 議長のお許しを得ましたので、4つの点について質問をさせていただきます。
 まず第1点目は、中小企業支援についてお聞きいたします。
 和歌山県は、御存じのように小規模業者の割合が全国一高く、この小規模事業者が元気になることこそ地域経済の活性化の道であると考えます。しかし、小規模事業者にとっては、アベノミクスの効果どころか、円安による燃料、電気料金、原材料の高騰など、厳しい状況が続いています。事業所数は、3年間で7%減りました。特に小規模事業者の減少が目立っています。
 昨年12月、中小企業振興条例が制定されました。このほど、知事より中小企業の振興に関する施策の実施状況が報告されました。振興条例ができた大きな成果だと考えています。しかし、振興条例第13条、基本方針(5)にある資金供給の円滑化という点での報告が少ないような気がいたしました。県民からは、なかなか金融機関から融資を受けられないといった声も聞かれます。
 また、報告書では、政府のデフレからの早期脱却と経済再生の実現に向けた取り組みが功を奏しつつあり、景気が緩やかに回復してきているとしていますが、本県の中小零細企業の置かれている状況は、本当にそうでしょうか。年金や生活保護費の切り下げ、医療・介護の負担増、消費税の増税などで需要が落ち込み、本県の中小企業は極めて厳しい状況にあると考えます。
 そこで、最初に知事にお尋ねをいたします。中小企業の置かれている状況をどのように考えておられますか、お答えください。
○議長(坂本 登君) ただいまの奥村規子さんの質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 安倍政権発足以来の経済政策により我が国の経済情勢は輸出型企業を中心に持ち直してきており、本県についても、昨年度末を中心に回復に向けた動きも見られるところでございます。
 しかし、本県は輸出関連企業が少なく中小企業が多いため、地域経済全体の回復はおくれているというふうに思います。個々のケースでは、そういう中小企業者とお話ししてても、例えば「かなり発注が出てきました」など、経済が回り始めた面もあると思います。しかし、データ的には全国よりもおくれているということは否めないと思っております。また、消費税引き上げに伴う駆け込み需要の反動等による影響も見られます。
 直接、輸出採算がよくなるというわけではない中小企業の多い本県では、そこで経済の好循環を招くためには、採算が向上した企業に対して、それぞれの事情が許す限り、従業員の給料はもちろんのこと、協力企業への発注について景気回復のメリットを広く均てんしてもらうよう、採算が好転していそうな企業に、私自身も含めて要請活動をしてきたところであります。
 加えて、恒常的な対策といたしまして、本県では従来から、頑張る中小企業の育成や経営力の強化に向けた各種施策に取り組むとともに、事業活動に必要な資金需要に対応するための融資も実施しております。
 加えて、県内産業育成のため、県産品利活用についても、物品の購入においてけんさんぴん登録制度を設け、登録県産品の優先調達に努めることや、その他の役務の調達において業務実施時に県産品資材活用の推奨を定めるなど、さまざまな工夫を講じてまいりましたが、これについては、県議会でお決めいただいた条例に従っているというところでございます。
 今後とも、県内中小企業を取り巻く経営環境の改善に取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(坂本 登君) 奥村規子さん。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 私の近所で、もう365日御商売されて頑張っている方がいらっしゃったんですけども、やはり閉店に追い込まれるとか、そういった状況というのは、まだまだたくさんあるかと思うんです。そういった意味で、やはり私自身思うのには、普通に働いて、普通に御商売されて、それで生活が成り立っていく、このことが非常に大事ではないかなあと思っています。
 そういった点で、先ほど中小企業への支援をまた行っていくという御答弁をしていただいたので、ぜひよろしくお願いしたいなあと思います。
 なぜこんなにまで地域経済が衰退してしまったのか、そのことをやはり考える必要があるんじゃないかなあと思うんですけども、経済のグローバル化と構造改革政策にあるのではないでしょうか。
 これまで大型店の立地規制の緩和がなされ、大型店の郊外展開と過当競争が進みました。その結果、地域経済の根幹を担っていた農業や地場製造業、地域小売業の急速な衰退が進行したということではないかと思います。
 私は、これからは、地域に住む一人一人の住民生活が向上して、元気に住み続けられるということが大事だと考えます。そのためには、地域内に投資決定の主体があるわけですから、それを中心に、繰り返し再投資する活動を量的にも質的にも強化していく、そういった取り組みが必要だと思います。地域内再投資力をつくる上での地方自治体の役割がとても大きいものではないでしょうか。
 こういった中で、先ほども申し上げましたが、昨年の12月の中小企業振興条例に基づいて、全ての事業者を対象にしたきめ細かい振興策づくりを強力に進めていただきたいと、これは要望をさせていただきます。
 次に、県の中小企業融資制度の今年度方針についてお伺いします。
 資料1をごらんくださいませ。10年間の年度別融資実績の状況です。平成20年がリーマンショックで戦後最大規模の深刻な経済危機に陥った年で、件数、金額とも最高となっています。そのほかは、年によっては増減がありますが、この中小企業融資制度というのは、中小企業にとって、設備や、また営業の運用面でも非常に大切なネックとなるものではないかと思います。
 そういった点で、平成26年度の方針はどうなっているか、商工観光労働部長にお尋ねいたします。
○議長(坂本 登君) 商工観光労働部長藤本陽司君。
  〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 平成26年度の和歌山県中小企業融資制度においては、新規融資枠900億円を確保し、県内中小企業者の経営の安定化と事業の活性化を支援してまいります。
 借り入れ返済の負担を軽減する資金繰り安定資金や運転資金の調達を支援する経営支援資金など、利用の多い資金を継続するとともに、創業や新事業へのチャレンジ、事業の再生、大規模施設の耐震化など、中小企業者の資金需要の状況変化に適切に対応した資金の新設、拡充を行っております。
○議長(坂本 登君) 奥村規子さん。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 この融資制度で、お聞きしたところ900億円の枠取りをされているということですが、この一覧表を見ても、20年以外は半分ぐらいしか活用されていません。景気の影響とか、そういったこととかもいろいろとあるかと思いますが、そういった意味では、もっと使いやすいものにぜひ御検討をしていっていただきたいなあと思います。要望です。
 次、3番目に、本県の中小企業の資金供給の円滑化という点での状況はいかがですか。
○議長(坂本 登君) 商工観光労働部長。
  〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 県といたしましては、県融資制度を低利、固定、長期の資金として提供し、あわせて中小企業者の資金ニーズに対応した融資制度とすることにより、県内中小企業の資金供給の円滑化を図っているところです。
 全国的な不況業種として国が指定するセーフティネット保証5号については、危機的な状況から回復に伴って徐々に縮小が行われてきましたが、平成26年4月からは206業種に縮小されております。指定から外れた業種の中小企業の皆さんには、県融資制度の他の資金の利用を促しており、特段の困難は生じていないと認識しております。
○議長(坂本 登君) 奥村規子さん。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 4つ目に、条例では「金融機関の役割」とありますけども、金融機関や保証協会に対してどのような要請や要望を県として行っているのか、お答えください。
○議長(坂本 登君) 商工観光労働部長。
  〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 県では、県内金融機関と連携協定を結び、産業施策及び金融施策における両者の特性を生かしつつ、県の中小企業振興施策の周知や国内の大規模商談会への出展協力などに協働して取り組むことにより、県内産業の振興を図っているところです。
 また、県では、金融機関や県信用保証協会との意見交換など、常日ごろからさまざまな機会を捉えて資金供給の円滑化について協力を求めているところです。特にリーマンショックや台風12号など、多数の県内企業が経営危機に直面した際には、金融機関、県信用保証協会を直接訪問するなどし、県内中小企業の経営の安定化に向け、柔軟かつ積極的な対応を要請し、協力を得てまいりました。
 今般、中小企業振興条例が制定されたことを契機として、より一層積極的に取り組んでいただくよう、引き続き協力を求めてまいります。
○議長(坂本 登君) 奥村規子さん。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 金融機関の融資をなかなか受けにくいというような相談にも、県がぜひそういったレベルでの相談にも積極的に乗っていただいて支援をできるような取り組みをぜひしていただきたいなあというふうに思いますので、これも要望させていただきます。
 5番目の、本県の金融機関の県内からの預金状況を踏まえ、それに対して県内企業にどれだけ資金供給をしているのでしょうか。商工観光労働部長、お答えいただけますでしょうか。
○議長(坂本 登君) 商工観光労働部長。
  〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 和歌山財務事務所のデータによりますと、和歌山県内の金融機関における平成26年4月末の預金残高合計は、4兆6830億円となっております。一方、貸出金残高合計は、1兆9064億円となっております。
 ただし、この金額は、個人に対する住宅ローンや大企業への貸出金を含めた数字であるため、県内の預金がどれだけ県内中小企業者に資金供給されているかにつきましては把握できておりません。
○議長(坂本 登君) 奥村規子さん。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 資金供給の円滑化という上で、各金融機関はどれだけ地域のためにそういった再投資をしているか、そういったことをまた把握する必要があると思うんですけども、そういった点でいかがでしょうか。再度、商工観光労働部長、お願いします。
○議長(坂本 登君) 商工観光労働部長。
  〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 資金供給の円滑化の観点におきましては、資金調達の方法いかんにかかわらず、金融機関が県内中小企業に対し、十分な資金供給を行っていただければよいと考えております。
○議長(坂本 登君) 奥村規子さん。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 最後に、金融機関の地域への再投資の状況に応じて、県財政、基金などの預託や預金、借り入れを行うなど総合的な取り組みが必要だと考えますが、この点でいかがでしょうか。商工観光労働部長、お願いします。
○議長(坂本 登君) 商工観光労働部長。
  〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 基金の運用等に当たっては、利回り、安全性など、さまざまな観点から総合的に判断の上、実施されるものでありますが、県の融資制度における預託額については、取り扱い実績に応じて金融機関ごとに算定する仕組みとなってございます。
○議長(坂本 登君) 奥村規子さん。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 最後に御要望を申し上げたいんですけども、中小企業、零細企業といいますか、大変厳しい経営状況に置かれてて、資金供給の円滑化が非常に大事ではないかなあと思います。県当局におかれましても、地域再生投資の観点から、金融機関と協力して資金供給の円滑化に協力をしていただきたい。そういった点で要望を申し上げます。
 また、中小企業の振興条例ができたその機会に、やはり総合的に、全面的にこれをどう中小業者さんの活性化に結びつけていくかという点では、体制やいろんな点も含めて、ぜひ積極的な取り組みをよろしくお願いしたいと思います。
 2点目は、産廃行政についてお尋ねをいたします。
 最初に、1つ目として、紀ノ川産業産廃処分場の事業停止命令に至る県の指導と対応の経過について、御説明をよろしくお願いします。環境生活部長、よろしくお願いします。
○議長(坂本 登君) 環境生活部長栗山隆博君。
  〔栗山隆博君、登壇〕
○環境生活部長(栗山隆博君) 使用停止及び改善を命ずるに至りました経過について御説明をさせていただきます。
 当該事業者は、処分場の使用停止に至る以前から、許可を受けていない種類の廃棄物──紙くずであるとか木くずなどを混入させるなど、たびたび不適正な処理を行っており、県は立入検査を頻繁に行うなど監視を特に強化をし、問題を発見すれば、その都度厳しく、搬入停止であるとか改善の指導を行ってきたところでございます。
 その中で、平成22年5月、当該処分場において、処理能力を超えて廃棄物を搬入しているおそれが発覚をいたしました。そのため、県といたしましては、即座に新たな搬入を停止させ、現地調査を実施し、改善計画の提出等の指導を行ったところでございます。
 しかしながら、その後、事業者のほうで十分な対応が見られなかったということで、まことに遺憾ではございますが、平成22年10月4日付で、処分場の改善と、改善がなされるまで処分場の使用停止を命じたところでございます。
○議長(坂本 登君) 奥村規子さん。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 次に、2011年6月本会議では、廃プラ野ざらしの現状を回復すべく、業者に能力がない場合、県当局に代執行も含めた対応を求めましたが、県はどのように対応されたのでしょうか。この点についても、環境生活部長、お答えください。
○議長(坂本 登君) 環境生活部長。
  〔栗山隆博君、登壇〕
○環境生活部長(栗山隆博君) 原状回復に向けての県の対応をお答えいたします。
 本事案につきまして、県は、事業者並びに不法投棄実行者等の責任を問うべきであると、当然のことながらそう判断をいたしました。廃棄物処理法第19条の5に基づきます措置命令を行うことといたしてございます。
 命令に当たりましては、対象者の範囲、措置命令の内容についても検討をいたしまして、その後、法令の定めるところにより手続を経て、関係者の弁明の機会を付与する手続等を経まして、平成24年2月20日付で事業者等に対し措置命令を発出したところでございます。
 その内容につきましては、京奈和自動車道路敷地内に事業者が不法投棄した廃棄物の撤去、最終処分場における廃棄物の飛散流出等の防止及び水質の改善でございます。
 なお、この間におきましても、最終処分場については、県は水質検査を継続的に行ってございまして、あわせて処分場については職員が継続的に監視を行ってまいったところでございます。
○議長(坂本 登君) 奥村規子さん。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 次、3つ目に、事業停止後、紀ノ川産業産廃処分場の跡地を視察いたしました。廃プラ野ざらしの産廃処分場は、土で埋められておりましたが、この土で覆う事業について、県当局は、いつ、どのような判断で、どの予算をどれだけ使っているのか、お答えください。また、今度、いつまでに、どのように対応する計画であるか、その点についても環境生活部長にお尋ねいたします。
○議長(坂本 登君) 環境生活部長。
  〔栗山隆博君、登壇〕
○環境生活部長(栗山隆博君) 覆土の行為について、県のかかわり、今後どうするかということでございますが、今回行われましたこの廃棄物の覆土につきましては、県が実施したものではございません。
 平成24年の2月、県が発出いたしました措置命令を受けて、当該事業者が、その年、平成24年11月から年末12月にかけて、不法投棄した廃棄物を一部撤去、最終処分場の整地を行った上で、不完全ながら廃棄物の覆土を行った事実がございます。
 ただし、この事業者が施工いたしました覆土につきましては、不十分なものでございました。そのため、翌年、平成25年の1月に、県から国土交通省の和歌山河川国道事務所に対しまして、京奈和自動車道路の工事に伴いまして発生いたします建設残土の提供の協力のお願いをいたしました。そういうものでございます。
 また、県では、この最終処分場から出る浸透水につきましては、平成21年10月から毎月水質調査を実施して周辺環境に影響がないか等も継続的に監視をしてまいってございますが、直近では、本年5月に行った水質検査結果におきましても基準値内という形になってございます。引き続き、当分の間、この監視とともに水質調査は継続して実施をしていきたいと、そのように考えてございます。
 また、今後の対応の分でございますが、このような事案が万一発生するような事態になった場合──ならないように努めるのが我々の務めだと思いますが──そういうふうになった場合、今後ともちゅうちょなく断固たる措置をとってまいりたいと思います。事業者の責任を追及することはもとよりでございますけれども、廃棄物の種類、また規模、それに何よりも周辺の生活環境への影響を十分に踏まえた上で、国から示されております指針も参考にいたしまして、関係機関とともに最も適切かつ迅速な措置を講じてまいりたいと、そのように考えてございます。
 以上でございます。
○議長(坂本 登君) 奥村規子さん。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 結局、覆土を業者にさせて、十分でなかったので、覆土を完全にするためにということで、どうしたかというのは、県はやっていないということですから、県はお金を出していない。そういうことからいえば、これは業者さんに厳しく責任を追及するということにはならないんじゃないかなあ。これは誰が──そしたら、県は国に対して依頼をして、国がやったということでよろしいんでしょうか。再度、環境生活部長、お願いします。
○議長(坂本 登君) 環境生活部長。
  〔栗山隆博君、登壇〕
○環境生活部長(栗山隆博君) 確かに、最初の覆土の行為は県が行ったものではございませんし、最終の今の現状になった、原状回復ができた部分は、事業者が行ったものでもございません。ただ、県としては、今、原状回復ができた、この覆土の行為ができたことは、現状において、県がそのときの現場の状況なり、いろんな周辺の環境に配慮して勘案をした上で、関係者の御協力を得て、最も適切な対応がとられたものだと、そのように考えている次第でございます。
○議長(坂本 登君) 奥村規子さん。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 周辺の皆さんに、環境、生活上、害のないようにというようなことの配慮やいろんなことを考えられて、覆土の件についてはいろいろ知恵を出して県としても取り組まれたというようなことはよくわかるんですけども、この産廃事業者の責任というのはどんなふうになるのかというのがちょっとわからないです。事業者には、その部分の費用負担を結果的に求めないということになるんではないかということを指摘して、産廃行政については、しっかりと県民の不安に応える対応をしていただきたいと思います。要望で終わります。
 3点目、看護職員不足問題について、福祉保健部長にお尋ねいたします。
 平成25年版の「厚生労働白書」では、次のように述べられています。「我が国の看護を取り巻く状況は、少子化による養成数の減少、今後の医療ニーズの増大・高度化など、大きく変化しており、今後も患者本位の質の高い医療サービスを実現するため、看護職員を質・量ともに確保することが求められている」と述べられています。
 和歌山県では、今年度から日高看護専門学校が、地元の皆さん初め関係者の皆さんの御努力で開校されました。住民の皆さんや看護現場で働く皆さんにとって、大きな喜びになっていることと思います。
 毎年、看護学校を510名の方が卒業しますが、依然として看護職員不足が続いています。働き続けられる勤務環境が急務の課題になっています。
 国は、医療従事者の勤務環境の改善に向けた取り組みとして、医療機関の労務管理担当者の研修会や都道府県労働局に配置する医療労働専門相談員による医療機関の労務管理に関する相談支援など、ワンストップの支援体制の整備、新たな勤務環境改善のためのマネジメントシステムの具体化に向けた調査研究を行うなど、医療従事者の勤務環境の改善に向けた幅広い施策を医療行政、労働行政が一体となって推進することとしています。
 そこで、福祉保健部長にお尋ねいたします。
 1つ、第七次看護職員需給見通しではどのようになっていますか。2つ目、看護労働の実態把握と県の取り組みについてお聞かせください。福祉保健部長、よろしくお願いします。
○議長(坂本 登君) 福祉保健部長中川伸児君。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 第七次看護職員需給見通しについてでございますが、国の看護職員業務従事者届によりますと、平成24年末の県内で就業している看護職員は1万2029人で、平成22年の調査から298人増加しています。しかしながら、第七次看護職員需給見通しでは平成27年に256人が不足すると推計しており、看護職員の確保対策は喫緊の課題であると考えております。
 県といたしましては、日高看護専門学校新設への支援を行うとともに、県外の看護学生等のUターン・Iターン推進や潜在看護職員の臨床実務研修など、再就業支援に取り組んでいるところです。
 次に、看護労働の実態把握と取り組みについては、毎年の病院立入検査にあわせて行っている看護実施状況調査等において、平成25年7月の1人平均夜勤時間は、県内の86病院中、16病院で72時間を超えていました。また、「看護職員が不足している」、「業務量が増加している」、「夜勤や超過勤務が多く、心身に疲労がある」などの意見がありました。
 県におきましては、これらのことを踏まえ、ナースステーションの拡充など働きやすい病棟づくりへの支援、子供を持つ職員が安心して働けるよう病院内保育所の設置促進等に取り組んでいます。
 また、平成24年度から、多様な勤務形態の導入に取り組む病院に対し、和歌山労働局と連携し、ワーク・ライフ・バランスに関する調査を行い、アドバイザーの派遣による助言などにより環境改善を促進しています。
 さらに、医療機関の勤務環境改善に係るワンストップ相談支援体制の整備に向け、取り組んでいるところです。
 今後とも、看護職員の充足状況や看護実態の把握に努め、養成力確保、就業促進、離職防止、資質向上を4本柱に、看護職員の確保対策に取り組んでまいります。
○議長(坂本 登君) 奥村規子さん。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 まだまだ看護現場は非常に厳しいという認識を持っていただいているということがわかったんですが、そういう中で、看護師確保対策という中で今後実態を把握していくということでの答弁をいただいて、それに関連して、県としては、各病院に対して独自の看護実施状況調査というのをされているとお聞きしています。そういった中からも見られることがあるかと思いますが、さらに労働実態を、そこで実際に働く人の立場からもぜひ把握していただきたいというお願いをしておきたいと思います。
 というのも、いろいろとお聞きしてる中で、せっかく若い人が出産してその後も働きたいと思っても、やはり正職員でなかなか3交代ができない。出産後すぐは3交代はなかなかできません。そういった中では、正規職員になれないとか、一旦退職しないといけないとか、そんな状況があったりすることとか、また、病院内保育所を利用したいと思ってもなかなか十分な体制でなくて利用がかなわないとか、そういう状況も聞いています。
 先ほどの労働時間の超過勤務状況の把握とかいうことですが、その超過勤務についても、前残業というような、仕事に入る前にまず早く出勤して残業して、それで仕事に入るという、そんな勤務をされてる職場もお聞きするんです。残業で前残業って何かちょっと理解しにくいかと思うんですけど、そんな実態とか含めて、まだまだそういう実際の勤務時間とか、3交代して夜勤はどれぐらいの回数やってるかとか、そういうようなことも含めて総合的な把握をこの看護現場の実施状況とあわせてしっかり取り組んでいただきたいなあというふうに思いますので、ぜひよろしくお願いします。これは要望です。
 次、4点目は、医療の供給体制について福祉保健部長にお尋ねいたします。
 今、国会において、地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案──以後、「医療・介護総合法案」と呼ばせていただきますが──この法案が検討されています。政府は、高齢化のピークとされる2025年までに入院用ベッドを抜本的に再編、削減することを計画して、特に看護師の配置が厚い7対1病床──入院患者さん7人に看護師1人──については、2014年から15年の2年間で9万床を減らそうとしています。
 法案には、病床機能報告制度を設けて、都道府県に各病院の病床を再編するような計画をつくらせ、都道府県主導でベッド削減を推し進める仕組みが盛り込まれていると思います。病院に病床削減や増床中止を勧告する権限を知事に与えて、従わない場合はペナルティーまで科していこうというものです。
 政府は、14年度の診療報酬改定にも、急性期患者の入院日数の制限や在宅化の実績が低い病院に対する報酬削減など、入院の短期化に向けた制度改変を盛り込みました。法制度と診療報酬の両面から患者さんを病院から一層追い出すということになります。県民にとって、ますます入院ができない、入院できてもすぐ退院ということになり、不安が広がっています。
 そこで、お尋ねいたします。
 1、第二期和歌山県医療費適正化計画の目的は何ですか。2、第六次保健医療計画における病床数の考え方についてはどういったものですか。3、県民が安心して医療を受けられるように今後の医療供給体制の取り組みについて、福祉保健部長にお尋ねいたします。
○議長(坂本 登君) 福祉保健部長。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 第二期和歌山県医療費適正化計画の目的でございますが、この計画は、和歌山県保健医療計画、和歌山県健康増進計画、わかやま長寿プランの取り組みと整合性を図りながら、国民皆保険制度を将来にわたって維持するため、生活習慣病の予防など県民の健康の保持・増進と、医療機関の機能分化、連携による効率的な医療の提供により医療費の伸びを抑制し、誰もが安心して良質かつ適切な医療サービスを受けられる体制の確保を目的としております。
 次に、第六次保健医療計画における病床数の考え方ですが、本計画では、2次保健医療圏ごとに基準病床数を定めております。既存病床数が基準病床数を上回っている圏域においては、原則として病床の新設または増加が制限されますが、上回っていることを理由に病床削減の義務が課されるものではありません。
 次に、安心の医療供給体制についてですが、病床機能報告制度に基づく地域医療ビジョンの策定は、各医療機関の医療機能が不明確である現状を踏まえ、病床を急性期、回復期といった機能別に区分し、実情に見合ったバランスのよい病床配置など、本県の医療提供体制の構築に資するものであり、大変重要な取り組みであると認識しております。このような医療提供体制を構築するには、医療機関の御理解を初め、地域の医療需要の把握や将来推計なども重要であると考えております。
 国は、医療法等改正法案を今通常国会に提出しておりますが、それが成立すれば速やかに地域医療ビジョンの具体的なガイドラインの検討に入るとしておりますので、引き続き国の動向の把握に努めるとともに、必要に応じ他府県とも連携しながら、地域の実情に応じた制度となるよう働きかけてまいります。
○議長(坂本 登君) 奥村規子さん。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 今、国会で審議されている医療・介護総合法案は、入院患者さんを強引に在宅に押し戻す一方、要支援者、軽度者への在宅サービスを後退させて施設にも入所させないというものになっていると思います。給付費削減のため、公的保険で医療・介護を受けられる人を限定する内容です。これでは、県民の安心は得られないのではないでしょうか。県としても、しっかりと国に対して安心の医療体制を求めていただきたいと思います。
 これを要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(坂本 登君) 以上で、奥村規子さんの質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時28分休憩
────────────────────
  午後1時0分再開
○副議長(尾崎太郎君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 5番新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕(拍手)
○新島 雄君 議員の皆さんにはお尻を向けること、失礼をいたします。
 議長のお許しをいただきました。質問を始めさせていただきます。
 きのう、「毎日新聞」に和歌山トライアンズのバスケットボールのことがちょっと書かれておりました。それから、先日の知事の記者会見のときにも記者から質問があったというふうにお聞きしております。
 初日でありますし、きょうは3人目の質問です。お疲れのことと思いますが、少しの間、御辛抱いただいて御清聴をお願いしたいと思います。
 前にも話ししましたが、実は私、毎日日めくりをめくります。きょうはどんな日かなと思ってめくってきました。毎月18日、頭髪の日──当てつけかいと思いながら、きょうはやってきました。
 そんな中で、めげずに頑張っていこうと思いますが、実は和歌山県には、プロスポーツの団体が3つあったことがあります。1つは紀州レンジャーズ、野球です。もう1つはアルテリーヴォ、サッカーです。そして和歌山トライアンズ。
 全国を見渡してみても、プロのスポーツ集団が3種類もある都道府県はそうありませんでした。何とスポーツに熱心な地域かなということで、スポーツをやってきた私としては、大変うれしい思いをしていたのですが、紀州レンジャーズが休部ということを発表し、またアルテリーヴォのほうも、ちょっと盛り上がってきたなと思ったら、その壁をぶち破れずにいる。そこへもってきて、この和歌山トライアンズ、1年目からいい結果を残していただいて、次のシーズンに随分と楽しみを残してくれたなと思っておりました。
 ちょうど4月の末ごろだったと思います。けさの谷議員の報告にもありましたように、ブラジルを訪問している折に和歌山からメールをいただきました。「和歌山トライアンズ、優勝したで」というメールでありました。そのメールを、私は、喜び勇んで、60周年のブラジルの式典の最中でありましたが、知事に「トライアンズ、優勝したで」と言いました。覚えてますかね。
 反対に──いただいたのでトライアンズの人に「おめでとう」というメールを送ったら、「本当に観客が一体となってトライアンズを応援してくれた。この優勝は観客が優勝さしてくれたんや」というメールが返ってきました。本当に、「ああ、スポーツというのはそんな要素も大きくあるよな」と思いました。だからといって、この間、負けた日本代表のサッカーチームは応援が足りなかったわけではないとは思いますが、後押しというのは、随分とスポーツの力以上のことをさせるんだなあという思いもしておりました。
 知事も、聞くところによると、何回かこの試合を見に行っているということも聞いてますし、県の職員の方には、熱心に応援をなさっている方もいてるというふうに聞いてます。私も、試合を見に行って、プレーする場所と観客席との近さ、そしてこの観客席の人らを飽きさせないチアガールの動きとか応援グッズ。そうなんです。それと、何よりも頑張ってほしいなと思うのは、強いということです。強かったら、ファンは必ず応援をしてくれます。
 そのチームが、ちょっと今、何か騒動があるようでありますが、まず最初に、知事も何度か見に行っていただいてるので、知事としての和歌山トライアンズというプロバスケットチームに寄せる思い、感想など、これから期待することも含めてお答えをいただけたら、そのように思います。
 今、ちょっと騒動と言いました。どんなことが起こっているのかは、私、大変気がかりであります。プロスポーツの世界、経営の世界でありますから、いろんな状況があると思います。でも、成績を残したチームにしては、14人のうち10人を解雇する、また、チームのスタッフなんかも解雇する、監督も解雇というような、何か大なたを振るうような出来事が、この大会が──大会というかリーグ戦が終わってから続いています。何があったのか、本当に一ファンとして知りたい。担当部署といいますか環境生活部、本当に担当部署というのとはちょっと違うかもわかりませんが、窓口をしていただいてるということで、部長もいろんなことを聞いてくれてると思いますので、その辺を御説明いただきたいということであります。
 せっかくいい成績を出して、このプロチームが和歌山に根づこうとしています。根づこうとしているんですから、何とか県民の1人としては応援もしたいし、もっともっと試合も見に行きたい。私も、見に行って、家内と2人で「また来うな」と言うたぐらいにおもしろくて、楽しくて、もっと行きたいなという気にさしてくれました。
 今、いろんな問題があると思うんですが、それを乗り越えて、何としてでもこの日本の1、2を争うチームがもっともっと強くなってやっていってほしいということで、今後、このチームはどないなっていくんかなということを聞きたいと思います。
 これも、僕も、聞いた話というか、新聞紙上とかラジオで聞いたとか、そういう部分だけなんで詳しくわからないんですが、オーナーは東京の方だというふうに聞いてます。ひょっとしたら和歌山から出ていってしまうんかということも大変危惧します。そんなことも含めて、成績もよかったんで、何としてでも日本一を目指して頑張ってほしいなと思うんで、今後、どないなっていくかということもお答えをいただきたいと、そのように思います。
○副議長(尾崎太郎君) ただいまの新島雄君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 和歌山トライアンズは、パナソニックトライアンズを引き継いだ伝統と輝かしい実績を誇るチームでありまして、和歌山にこのような全国的に名実ともに通用するプロスポーツチームができたことを心から喜び、県を挙げて応援しようと思っておりました。そのためには、頑張れよと言ってるだけでは口先だけになってしまうので、もっと現実に動かないといけない。チームはどうしても寄附に頼ろうとするんですけれども、一番大事なのは、実際に観戦に行く市民、県民がたくさんいないといかんということで、そうやって初めて盛り上がってくるし、収入もふえるということだと思います。
 そこで、仕事としてやってくれということで、お客さんを集めることを環境生活部に頼みました。私も、「ホームゲームには、仕事があるとき以外はみんな行くぞ」といって宣言をいたしまして、それでもなかなか行けないんですけれども、都合4回、試合の観戦に行くことができまして、行きますとなかなかおもしろくて、夢中になって応援をしていたわけでございます。特に、レギュラーシーズン終盤、ライバルチームを激しく追い上げまして、最終戦で見事、逆転優勝をしたことに感動をいたしました。
 その後、チームは、プレーオフでも西地区で勝ち上がり、残念ながらNBLの初代チャンピオンの座は逃したんでございますけれども、1年目にして西地区優勝というすばらしい成績を残したと思います。西地区優勝と言って喜んでいたところ、「社長辞任」、「監督解雇」、「主力を含む選手10名 自由契約」という報道が立て続けに参りまして、私も大変驚いた次第であります。
 すぐに新役員の方にお話をお伺いしたんですが、会社の経営が持ちこたえられないということでございましたので、それはそういうことかと思いましたが、それにしても、応援してくれるファンの方、あるいは企業の方、こういう方々に理解を求めなきゃいけませんねと。それからまた、解雇はいいんですけども、新採用をして優勝を狙えるような立派な布陣を早く決めて、そしてまた経営を安定させて、よい成績をとってやっていってもらいたいというふうにお願いをしたところです。「和歌山のチームとして頑張ってくれる限りは、応援する気持ちは変わりないよ」というふうにも言っておきました。
 振り返りますと、1年目からの大活躍は、「トライアンズ、和歌山にあり」という情報が広まり、和歌山のことを全国的にPRできるいい機会をつくっていただいたと思います。また、バスケットボールファンのみならず、応援をしてくださった県民みんなに郷土愛を呼び起こして、希望と誇りを与えたと思います。県民が和歌山トライアンズに愛着を持って応援していく限り県も全力で応援していきますので、来期も引き続き頑張って、経営と、それから成績ですね、これもやっていただきたい、そんなふうに思っております。
○副議長(尾崎太郎君) 環境生活部長栗山隆博君。
  〔栗山隆博君、登壇〕
○環境生活部長(栗山隆博君) トライアンズの実情と今後どうなっていくかという御質問に対して御答弁さしていただきます。
 東西両地区のプレーオフの終了直後でございました。先ほど知事からもありましたけれども、役員の辞任や監督の解雇、選手の自由契約など、次々といろんな情報が耳に入ってまいりました。ウエスタン・カンファレンスで、本当にもう最後の最後で、それを勝ち抜いて優勝という大変すばらしい出来事の直後だっただけに、県民の皆さんも、当然、驚いたと思いますが、私も、もう大変びっくりをいたしました。むしろそのとき、1年目で地区優勝のお祝いをどうするかという打ち合わせをしているというようなこともまた聞いてございましたので、そういう面から、その状況を、事実を自分の耳で確かめたいという形で情報収集に努めたところでございます。
 いろんなところからいろんなお話をお伺いしましたけれども、新しい会社の体制の役員の方からいただいた説明が一番正しいのかなというふうに、私は今思ってございます。
 そうした中で、今季の準優勝したシーズンの監督、選手の体制では運営会社であるトライアンズ株式会社が経営的に持ちこたえられないということで、役員やチームの編成を見直すんだと、その上で経営の安定化を図る取り組みを進めていくと。
 よく言われますけれども、内紛であるとかお家騒動だとか、そういうふうなものでは絶対にない、純粋なチームの体制強化を図る、その上で和歌山の地域に根差したプロのチームとして存続していくために、県民の支持を得て入場者もふやし、より多くのスポンサーにお願いをする、そういう努力をしていくと、そういうことでございました。
 具体的な内容としては、まず和歌山にバスケットボールを根づかせると。スポーツということではありますけれども、全体が総合的なエンターテインメント、そういうふうな観点からやっていくということで、バスケットボールを和歌山に根づかせるという形で、運営会社の名前を和歌山バスケットボール株式会社に変更する。その上で、子供のバスケットボール教室もやっていく。
 それから、私ども、試合を見に行ったときに、やはりああいうスポーツで応援というのがすごくその場の雰囲気を盛り上げたことを実感いたしましたが、そのチアダンス教室。チアのグループを育てていく、何かをみんなで一生懸命応援するような、そういうことをつくっていくチアダンス教室もやっていきたいと。それから、専用のアリーナを持っている球団ということもあって、そのアリーナを利用した収益事業も実施をしていきたいと、そういうふうなことを考えていると、そういうお話でございました。経営については、そういう形で何とか今後やっていきたいということでございます。
 チームの選手でございますけれども、いろんなスタッフが要りますけれども、まず今月、6月中にスタッフを決定して、その上で、10月から新しいシーズンが始まりますけれども、7月中には新たに選手10人体制のチームを編成して、次のシーズンに今まで以上の成績を残せるように頑張っていくんだと、そういうことの御説明をいただいたところでございます。
 ただ、こちらのほうからは、去年、昨シーズン、県民の皆さんから大きな応援をいただけたのは、やっぱりチームが強かったからだ、だから、プロのチームとして強くて応援しがいのあるチームでなければ、みんながそれを望んでいるんだというようなことを申し上げて、そういう努力をしてくださいということを重ねてお願いをしたところでございます。
 知事も申し上げましたけれども、すばらしい成績を上げて、県民みんなが感動したチーム──新島先生の言葉で言えば、大なたを振るった変更をしたわけでございます。しっかりとした取り組みを覚悟を決めて進めていただいて、和歌山のチームとして、成績も経営も立派で県民の皆さんから愛されるチームになっていただくことを期待しているところでございます。そういう意味で、和歌山のチームである限り、今後も応援、協力をしてまいりたいと考えているところでございます。
 以上でございます。
○副議長(尾崎太郎君) 新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕
○新島 雄君 大変、プロのスポーツを運営する難しさといいますか、厳しさといいますか、それを痛切に今思っているわけでありますが、何か祝賀会やパレードなんかの計画もちょっとしてたというふうにも聞いてたもんですから、何かこう、がっかりしたという思いはどうしても否めません。何としてでもいい成績を残して、今度は堂々と和歌山でパレード、祝賀会をしてほしいなあと願っておりますので、私も、また試合を見に行けたら行くようにしたいと思っています。
 では、2番目の質問に入らせていただきます。在宅医療についてということであります。
 昔に、私が今思っているのは、私のおじいちゃんやおばあちゃんは、お医者さんへ行くんではなしにお医者さんが来てくれてたなと、ふと思いました。私のおやじも、そういえば、いつも来てくれるお医者さんが息子さんとかわっても来てもうてたなあと。たまには医者へも行ってたんやろうけども、何か自分のところへ往診に来てもうてたなあという思いがありました。
 これは何なのかなということを考えると、かかりつけ医──あの人のところに私のデータがありますよ、病歴は全部ありますよという、1人のお医者さんに、どんなことであっても──今、ちょっと細分化がされておるんですが──ちょっと熱が出たよ、おなかが痛いよ、頭が痛いよといったときにそこへ行って診てもらうということが昔はあったようですが、近ごろ、このかかりつけ医というのが随分と少ななっているのかどうか、ちょっとわからないんですが、僕は、これがいい制度だったんだなあということを思ってます。
 在宅医療を進める中で、今、国会に提出をされている病床機能報告制度と地域医療構想の策定というのとか、医療・介護サービスの提供体制改革のための新たな財政支援制度──もうすぐ国会を通るんだろうと思います──その中でも、在宅医療の推進ということが随分と必要になってくるように感じます。この基本は、私は、かかりつけ医だと思います。
 この在宅医療を推進することが随分大事になるんですが、在宅医療を進めるに当たって、福祉保健部長にお尋ねをいたしますが、患者にとってどんなメリットがあるのかをお答えいただきたいと思います。
○副議長(尾崎太郎君) 福祉保健部長中川伸児君。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 患者にとってのメリットでございますが、内閣府が実施した高齢者の健康に関する意識調査では、「自宅で最期を迎えたい」、「必要があるまで、できるだけ自宅で療養したい」と希望する人の割合は6割となっており、このような方にとって在宅で質の高い医療を受けられるということは、生活の質の向上につながり、メリットがあるものと考えられます。
○副議長(尾崎太郎君) 新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕
○新島 雄君 確かに、質の高い医療を受けられるということとか、生活の場が変わらないということで大変メリットがあるんやとは思うんですが、でも、今6割なんですね。私、もっとあるんじゃないかなとは思ったんですが、なかなかこの数字は、調査で出てきた数字なんで認めていくんですが、在宅で医療を受けるための仕掛けといいますか、システムといいますか、それができないとなかなか浸透していかないんじゃないかなあという思いがちょっとあるんです。
 年齢を重ねれば重ねるほど、「今さらこの場所を動きたくないよな」という思いがだんだんだんだん強くなってくるようにも僕は思うんです。そうなると、在宅医療ということが充実していかなければまずいと思うんで、なぜもっと進まんのかなあというところなんですよ。部長、わかってればちょっとお答えをいただきたいと思うんですが。
○副議長(尾崎太郎君) 福祉保健部長。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 在宅医療が進まない要因としましては、自宅で最期を迎えたい、できるだけ自宅で療養したいと希望する人がいる一方、家族に過大な負担をかけたくないという患者本人の思いや、必要なときに往診や入院などの医療サービスが受けられるのかという家族の不安が挙げられます。
 また、医療提供側には24時間365日の患者対応が求められますが、診療所の主治医だけでは限界があり、主治医をサポートする看護師、薬剤師など他職種との連携や、緊急時に患者を受け入れる病院との連携体制が十分とれていないことなどが挙げられます。
○副議長(尾崎太郎君) 新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕
○新島 雄君 確かに在宅では、大きな病院と設備も違いますし、今、部長の答弁にもあったように、「家族に迷惑をかけたくない」、これは多いと思います。
 ちょっと話は違うかもしれませんが、私も家内も、子供には「延命治療はするな」というようなことは言ってるんです。「もう判断を下せよ。無理にせんでもいいよ」と。ちょっと話は違うかもわかりませんけども。
 まあまあそういうことも1つあって、やっぱり周りに迷惑かけたくないという、年とってきて足手まといになるのも嫌やなあというような思いがあるんやろうなあと思うんですが、それにはやっぱりそれなりの──もしもぎりぎりまで家におったとします。ぎりぎりまで家におって、これ以上は無理やとなったときに、今度は受け入れられるかどうかということが問題にもなってくると思うんです。だから、在宅医療を推進していく一方で、そのシステムをどうつくっていくかということをちょっとお答えいただきたいと思います。
○副議長(尾崎太郎君) 福祉保健部長。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 現在、国において、病床の機能分化と連携を進めることで、これまでの病院だけで完結する医療から、在宅で患者が望む質の高い医療を受けられる制度の整備が進められているところです。
 このような中、県では、在宅医療を推進するため、主治医をサポートする人材の育成が必要と考えており、医師、歯科医師、看護師、薬剤師など、多職種がそれぞれの立場を理解し、在宅でチーム医療を実践するための研修を行っているところです。
 また、24時間365日の患者対応が可能となる体制を構築するため、2次保健医療圏ごとに関係機関と協議し、患者等から相談を受ける窓口の設置や病診連携などネットワークの構築に取り組んでいるところです。
○副議長(尾崎太郎君) 新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕
○新島 雄君 今の答弁のように、早く体制をつくってほしいと。そしたら、在宅医療はふえていくんだろうなあとは思います。
 ところが、これはもうあくまでも要望なんですが、在宅医療を受けている患者数というのは、アバウトも数字に出てこないという部分があります。保険の扱いで数をチェックすればわかるのかなあとか思ったりするんですが、そのシステムをつくっていこうとすれば、いろんなその部署、その部署での、利権ではないんですが力関係、それを捨てて、大きな目標のためには知恵を出して、そこへ向かって汗をかいていかんとなかなかできていかないと思いますんで。
 できれば、これはあくまでも、言い過ぎかもわかりませんけれども、和歌山モデルを考えて全国に発信をするぐらいの意気込みを持っていただいて。そしたら公的な財政支援の900億以上あるやつもとりやすなるというような、ちょっとうがった見方もしてしまうんですが。そんなことも含めて、よりよい医療体制が一日も早くできるように──これは公だけではなしに、民間の病院関係やとか医師会やとかにも随分頑張ってもらわないかんことなんで、できれば早いことやってほしいなあと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 最後の質問に入らせていただきます。
 「地方型IR」ということを書いています。実は、カジノ・エンターテインメントという話であります。
 私は、この場でも、カジノについて質問も何度かさしていただきました。ほかの議員さんも質問があったかと思います。随分前から和歌山県はこのカジノのことに積極的に取り組んできておるんですが、実はことしの2月の25日、市内のホテルで「ヨーロッパ型カジノと観光振興」という会合が持たれています。私は、案内もされていませんし、そのような会合があるのも知りませんでした。だから、お尋ねをいたします。
 私の感覚です。突如としてこのような会合を開いたのはなぜなんでしょうか、お答えをいただきたいと思います。
○副議長(尾崎太郎君) 企画部長野田寛芳君。
  〔野田寛芳君、登壇〕
○企画部長(野田寛芳君) カジノ勉強会についてでございますけれども、県は、従前から、県内11市町5経済団体で構成する和歌山県カジノ・エンターテイメント研究会を設立し、シンポジウムの開催や調査を行うとともに、神奈川県、沖縄県とともにカジノ・エンターテイメント研究会を立ち上げ、カジノに関する研究、情報交換をしてまいりました。
 県といたしましては、あらゆる機会を捉まえてカジノについて勉強し、カジノ構想の検討に生かしてまいりたいと考えており、カジノ関連事業者などからの申し出があれば積極的に対応してまいりたいと考えているところでございます。
 そのような中、昨年の12月に、モナコ公国が主要株主であるモンテカルロSBM社から、和歌山の経済人を対象としたカジノの運営に関する勉強会を開きたいとの打診が県にありまして、我々県職員も一緒に勉強したいとの思いから勉強会を企画し、2月に開催したところでございます。
○副議長(尾崎太郎君) 新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕
○新島 雄君 今の説明の中で、和歌山県カジノ・エンターテイメント研究会を設立し、シンポジウムの開催や調査を行うと。今までどのような活動をしてきたか、お答えをいただきたいと思います。
○副議長(尾崎太郎君) 企画部長。
  〔野田寛芳君、登壇〕
○企画部長(野田寛芳君) 和歌山県カジノ・エンターテイメント研究会でございますが、平成19年以降、シンポジウム1回、講演会4回、調査研究会を11回行っております。
 カジノ・エンターテイメント研究会では、平成22年以降、カジノに関する研究、情報交換を延べ16回にわたり行い、平成24年度にはIRのリーフレットを作成いたしました。
○副議長(尾崎太郎君) 新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕
○新島 雄君 同じく、「神奈川県、沖縄県とともにカジノ・エンターテイメント研究会を立ち上げ」とお答えをいただきました。これは、今までどのようなことをやってきておりますか。
○副議長(尾崎太郎君) 企画部長。
  〔野田寛芳君、登壇〕
○企画部長(野田寛芳君) 神奈川県、沖縄県とは、平成22年以降になりますけれども、カジノに関する研究とか情報交換、これを延べ16回にわたって行いまして、それからリーフレット等も作成いたしております。
○副議長(尾崎太郎君) 新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕
○新島 雄君 随分と数をやっているから、これからどんどん質問をしていくことには軽く答えていただけるものと大変期待をいたしております。
 じゃ、2月の25日、この会合について、何名ほど参加したんですか。
○副議長(尾崎太郎君) 企画部長。
  〔野田寛芳君、登壇〕
○企画部長(野田寛芳君) この勉強会でございますけれども、経営者協会、それから商工会議所、旅館ホテル生活衛生同業組合、観光連盟、日本旅行業協会和歌山地区会の5団体、それから金融機関にも御案内を申し上げました。結果、出席者は14名でございました。
○副議長(尾崎太郎君) 新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕
○新島 雄君 どれぐらいの人数を目標にしていたんでしょうか。
○副議長(尾崎太郎君) 企画部長。
  〔野田寛芳君、登壇〕
○企画部長(野田寛芳君) 人数につきましては、当初から、別に何人という形では企画はしておりませんでした。
○副議長(尾崎太郎君) 新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕
○新島 雄君 その割には会場も設営せんなんし、大体これぐらいの数やろうなあという読みがあってホテルの部屋をとり、会場設営をするんだろうと思うんですが、まあいいでしょう。
 案内をした基準は何なんですか。
○副議長(尾崎太郎君) 企画部長。
  〔野田寛芳君、登壇〕
○企画部長(野田寛芳君) この勉強会につきましては、特に事前に基準というのは決めておりませんで、モンテカルロSBM社からは、和歌山の経済人を対象にという話でございましたので、先ほど申し上げました県内の経済団体、金融機関にお声かけをさせていただきました。
○副議長(尾崎太郎君) 新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕
○新島 雄君 ということは、お願いすれば、どんな人でも会合をやっていただけるということで理解してよろしいですか。
○副議長(尾崎太郎君) 企画部長。
  〔野田寛芳君、登壇〕
○企画部長(野田寛芳君) カジノ関連業者といいましてもいろいろあると思いますので、100%誰でもというわけではございませんけれども、ちゃんと事業をされているところであれば基本的には積極的に対応してまいりたい、このように考えております。
○副議長(尾崎太郎君) 新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕
○新島 雄君 この勉強会で講師をした人は何という方で、誰の紹介で来たんですか。
○副議長(尾崎太郎君) 企画部長。
  〔野田寛芳君、登壇〕
○企画部長(野田寛芳君) 講演につきましては、モンテカルロSBM社アジア統括責任者、ブノア・バデュフル氏という方が講演されました。
 紹介につきましては、我々のカジノについて非常に見識があって、以前からIR推進法案等の動向などのいろんな情報をいただいております、アドバイスをいただいております方で、「カジノの文化誌」という本を書かれております大川潤氏という方から御案内いただいております。
○副議長(尾崎太郎君) 新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕
○新島 雄君 その内容を簡単に教えてください。
○副議長(尾崎太郎君) 企画部長。
  〔野田寛芳君、登壇〕
○企画部長(野田寛芳君) 勉強会の内容、講演の内容でございますけれども、モナコ公国やモンテカルロSBM社の歴史とか、それからホテル経営とか、カジノなどの事業内容、こういった内容でございました。
○副議長(尾崎太郎君) 新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕
○新島 雄君 そこまで聞いていくと、モンテカルロSBM社のコマーシャルだったんですか。
○副議長(尾崎太郎君) 企画部長。
  〔野田寛芳君、登壇〕
○企画部長(野田寛芳君) 講演の内容につきましては、いわゆるヨーロッパ型カジノの運営方法というものでありました。
 例えば、カジノのみではなくて、ホテルとか、それからスパとかレストラン、会議場など、古くから近隣にある施設と連携してイベントをたくさん開催すると、そのための努力とか方法についての説明がありました。カジノが地域と一体となって発展する姿を知ることができたと考えております。
○副議長(尾崎太郎君) 新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕
○新島 雄君 いろいろと聞いてきたんですが、(資料を示す)この中にドイツのバーデン・バーデンのことが書かれてます。私は行ったことないんですが。バーデン・バーデンのことを随分と取り上げて、和歌山はこんなんをしたいなあというようなことをにおわせながら書いてあるんですが、部長は行ったことがあるんでしょうか。
 それと、庁内には何名ぐらいの方が──僕も行きたいなあと思ってますんで、何名ぐらいの方が──まあいいんですよ、単なる遊びでいいんです。調査とか見学に行ったというんであればなおええんですけども、全くプライベートで遊びに行ったよというんでもいいんで、何名ぐらいおるんか。
 それと、もう1つは、部長が世界の中のカジノ・エンターテインメントのどんなところを見てきたか、ちょっとお答えをいただきたい。
○副議長(尾崎太郎君) 企画部長。
  〔野田寛芳君、登壇〕
○企画部長(野田寛芳君) ドイツのバーデン・バーデンにつきましては、残念ながら、私、行ったことはございません。
 先ほど、県庁内で何人行ったことがあるかという話だったと思うんですけれども、きっと何人かは視察に行ったり、もしくはプライベートで行ってると思うんですけれども、その人数については残念ながら把握してございません。
 それと、私が行ったカジノ・エンターテインメントはどこかという御質問でございますが、私、個人的には、ラスベガスとか、それからマカオに行ったことがございます。
○副議長(尾崎太郎君) 新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕
○新島 雄君 できればそのときの感想を。
○副議長(尾崎太郎君) 企画部長。
  〔野田寛芳君、登壇〕
○企画部長(野田寛芳君) 大変残念ながら、私、ギャンブルが得意ではありませんので、ちょっとのぞいて、見学程度でございましたので、ギャンブルについての感想というのは難しいんですけれども、ラスベガス、マカオですので、その規模に驚きました。
○副議長(尾崎太郎君) 新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕
○新島 雄君 いや、勘違いしないでください。勝ったか負けたかを聞いてるのと違います。見に行って、その場で肌で感じること、空気を吸うこと、これは、インターネットで見る、写真を見る、人の話を聞くよりも随分とすばらしいことなんで、その感想を聞いたんです。だから、施設の大きさ、そこへ集う人の顔色、笑顔、そんなことを見てどう思ったか、これは何なのかということを考えたのかということを聞いてるんでありますから。勝った人はこの議場にもたくさんおるんです。負けた人もおりますけれども。そうではないわけですから、そこの部分はもう別の話なんで、お間違えにならないようにしてください。
 あんまり長なっても何なんですが、(資料を示す)この中の最後に、和歌山県の提案というのが出てくるんですよね。初めて僕もこの資料をもうたときに、どこで、誰が、どのように考えて、どんなんにつくったんやろうなあという思いがあって、「ああ、これは和歌山県の提案として全国に出ていくんか」という思いですわ。それだけのもんを書いてあるんで、これは揺るぎない和歌山県の考えとして捉まえてええのかどうか、そこらを答えていただきたいと思います。
○副議長(尾崎太郎君) 企画部長。
  〔野田寛芳君、登壇〕
○企画部長(野田寛芳君) 本県は、美しい海、世界遺産、温泉など観光資源に恵まれていることから、カジノ構想を検討する過程において、地域の実情に合ったカジノの形態も必要と思い、そのためには法的な整備が要るという考えでそういう提案という形になったものでございます。本県のすばらしい観光資源を生かすためには、それが必要だと考えておりますので、そのとおりだと考えております。
○副議長(尾崎太郎君) 新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕
○新島 雄君 これが和歌山県の全てであれば、ちょっとまだまだ、もっともっと情報を入れた上でやっていかないかんの違うかなあと余計思いますんで。
 私も、経済効果や、いろんな意味で、あったらいいと思ってます。必要だと思うんですが、私は前にも申し上げたけれども、「もっともっとやろらよ」ということを言うたと思います。それには、ちょっと歯がゆい面があり過ぎるので、今回、こんな質問になってるんです。
 ここから、知事にお尋ねをしたいと思います。
 今回、「27年度国の施策及び予算に関する和歌山県の提案・要望」という部分に初めて出てきました。これは、私、うれしいんです。うれしいんですが、何か突如として出てきたと思ってしまうんです。いろんな意見もあろうかと思うんですが、この中で知事は、今、提案されている法案を──提案してるのかな──それを大都市型という捉まえ方をして、これは地方型のIRやというようなことを言っておられるんで、その違いを1回説明をいただけますか。
○副議長(尾崎太郎君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 名称は便宜的にいたしましたので、何も大都市型とそこで言ってるやつが大都市でなきゃいかんと言ってるわけじゃなくて、地方と言ってるやつが地方でなきゃいかんと言ってるわけではないのであります。
 しかし、現在、なぜそういうことを言って、それで私どもが言っとる地方型というものをもう一度見直してくださいと言ってるかというと、実は、現在、IR法が提案されています。もう法案の形になって議会に出されていて、この議会で通るかもしれないというような状況であります。そこもまだよくわかりません。その条文を見ますと、どうもIRで言っておるところのカジノ──かけの場ですね──それから国際会議場とか、宿泊施設とか、エンターテインメントとか、全部まとめて一からつくらないといけないように見える、そういう定義なんですね。そういたしますと、ちょっと莫大な投資が多分要ってくる。それから、和歌山のような、あるいは日本にたくさんあるような地方都市なんかは、既に歴史的な観光資源がたくさんありますけれども、そういうものと一体となって売り出すというのはなかなか難しいかなあというところもあります。
 したがって、選択肢を広げるという意味で、現在の法律でどうもそうだと推定されるようなものだけじゃなくて、そこで言っております地方型、すなわちカジノという要素を入れて、一体となって、今まで頑張っておられた観光業者の方とともに地域の総合リゾートをつくっていくという方式も認めてほしいなあというようなことを要求しているわけでございます。
○副議長(尾崎太郎君) 新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕
○新島 雄君 言わんとすることはよくわかるんですが、私は、今の法案で和歌山に置きかえても大丈夫だと思います。できていこうかと思いますし、大きな投資が要るという話も、県や行政がどこまで投資をするかという話なんですが、それはほとんど投資をしなくてもいいだろうし、土地を提供するとか、そんなことが必要であって、業者はどんどんどんどんやってくるように私は思っています。
 今回、このヨーロッパ型カジノの話を聞くにつけて、知事はヨーロッパ型をやりたいんかなと思ってしまうわけです。どうなんですか。
○副議長(尾崎太郎君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 私は、県発展のための政策をやっとるんでありまして、何々をやりたいとか、そういうことで好みでやってるわけではありません。ただ、県発展のために私はカジノの要素もあってもいいと思っとるんですけれども、ただそのときは、多分、既存のいろんな要素と調整していかないかん、あるいはうまく規制をして、それで悪影響を除去しながらやっていかないといけないということは当然だと思います。
 問題は、やりたいという人がどんどん出てくればそれでいいわけです。しかし、やりたいという人のほうの立場に立っていろいろ分析をするということも大事でありまして、そのときに、大規模投資をしようとする人は、きっと近くの大人口とか土地の大きさとか、そんなものをいろいろ考えるだろうなあと。過去の例からいうと、まさにそうなんです。
 したがって、一か八かで神頼みというわけにもいかんので、せっかくある和歌山の要素を利用できるようなものも選択肢として考えといてもらったら、そしたらもっと業者さんもたくさん寄ってくるん違うかというふうに思うわけです。
 歴史的にいうと、実はカジノというのは、その資料で言っておりますヨーロッパにたくさんあるような、そういうものとして発展してまいりました。それを、あのラスベガス、あれは荒野のというか、砂漠の真ん中に人工的につくったまちですから、そこに、1人の人じゃないんですが、たくさんの人が大投資をしてああいうものをつくった。それから今度は、シンガポールは、政府のお声がかりで、いろんな要素を物すごいどんと入れて巨大なものをつくったわけでございますね。
 そういうところにだけ可能性があるとすると、今言ってるように一か八かになってしまうんで、いろんな選択肢を広げておいてもらったほうが和歌山のためになるんじゃないかなあということで、今、いろいろ運動してるところでございます。
○副議長(尾崎太郎君) 新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕
○新島 雄君 思ったより時間がかかってしまいまして申しわけなく思っていますが。
 シンガポールのカジノは、地上へは絶対出してません。これは、国の法律が地下だということで、ベイ・サンズの地下に潜らしました。もう1カ所認めたところは、セントーサ島のUSS──ユニバーサル・スタジオ・シンガポール──の遊園地の中の、これも地下です。ここは、国として表に出すなということで、地下なら許そうということで地下へ潜らしました。
 マカオについては、これは1人の人が握ってたわけです。この1人の人が握って権利を使ってたもんで、それじゃだめだということで開放して、ベネチアンが入ってきて、1つの企業がどんと3500億という投資をして、まちを変えてしまったというような経緯があります。
 ですから、1つの企業ででも、それぐらいやっていく企業がこのカジノ・エンターテインメントの裏側にはあるんだということは、私は、これを何とかして利用したいと思うものであります。
 ですから、その立地に適したところはどこかといえば、私は、大きな土地がある場所が和歌山市内にあるんではないか、そのように思うわけであります。
 そのためには、大きな花火をこれから打ち上げていかなければ、和歌山はやる気があるぞということでできれば1500万か2000万ぐらいの予算をつければ、そこらの代表者を呼び、またゲーミングの教授をアメリカから呼び、いろんなサミット、観光サミット的な大きな仕掛けが和歌山でできる可能性もあるので、そんなことも参考に、これからの和歌山の経済を引っ張っていける何かをつくりたい、そのように思うところがあります。
 まだまだ十分勉強もできておりませんけれども、もっともっと勉強して、それが県民に役立つのであれば、いろんなものを乗り越えてでもやっていかねばならん、そのように思う次第であります。
 私も勉強しますが、部長、もっとしっかり勉強してください。よろしくお願いを申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
○副議長(尾崎太郎君) 以上で、新島雄君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時0分散会

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