平成25年12月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(平木哲朗議員の質疑及び一般質問)
平成25年12月 和歌山県議会定例会会議録
第4号(平木哲朗議員の質疑及び一般質問)
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質疑及び一般質問を続行いたします。
17番平木哲朗君。
〔平木哲朗君、登壇〕(拍手)
○平木哲朗君 久しぶりの登壇でございますが、まず、橋本市の宣伝をせえと言われましたんで、これは知事にもぜひやっていただきたいなと思うこと、実はAKBの「恋するフォーチュンクッキー」橋本市バージョンが完成しました。そして、市長、副市長、市議会の有志の方、市の職員さん、特別参加で振興局の職員さん、市民の皆さんが参加され、踊りながら橋本市の案内をしています。9日にアップされ、現在、3万3500件以上のアクセスがされています。神奈川県、佐賀県でも制作され、知事みずから踊られています。和歌山県でも作成されて、知事も副知事も踊られて、全国へ和歌山県の財産を情報発信していただいたらどうかなあと思いますので、ぜひ御検討をいただきたいと思います。
それでは、議長のお許しをいただきましたんで、一般質問を行います。
まず、国道371号バイパス早期完成に向けた取り組みについてお聞きします。
先月、仮称・新紀見トンネルの事業化に向けて、大阪府と待望の合意がなされたと知事から発表されました。トンネル着工について、仁坂知事の御尽力に改めて感謝を申し上げます。
橋本市、また市議会からも河内長野市、河内長野市議会への強力な働きかけによる連携強化を図り、河内長野市選出の西野府会議員にも連携協力をお願いし、強力な支援をしていただきました。先月には、市長、市議会の皆さんと大阪府庁を訪問し、小河副知事、西野府会議員にもお礼を言ってきました。11月15日には、市長、市議会議員有志の皆さんと、県、府、比例区選出の国会議員、そして国土交通省の道路局長、課長さんを訪問し、今後の予算獲得や協力をお願いに行ってきたところです。
国道371号バイパス早期完成に向けて、今後も西野府会議員との連携を深め、橋本市と河内長野市との連携を強化し、両市議会の議連の設立も計画されていると聞いています。
大阪府側全線の完成年度は平成40年代から平成30年代半ばに短縮されたところと聞いていますが、人間というのは欲が出ます。やはり、命の道である国道371号バイパスの1年でも早い完成を望んでいます。ことしの大阪府の予算は、2億7000万円と聞いています。これでは、トンネルが着工されたとしても厳しい状況です。新紀見トンネルを含む全線の早期完成、予算獲得に向けた大阪府への働きかけと取り組みについて知事にお聞きします。
次に、仮称・新紀見トンネル建設に向けた大阪府との調整など、今後の手続方針について県土整備部長にお聞きします。
一方、和歌山県側については、平成25年度中に一部の地域が暫定2車線であるが開通すると聞いています。行楽シーズンの渋滞緩和、朝夕の通勤渋滞緩和もされますので、市民の皆さんも大変喜んでいます。知事や県当局、用地を協力していただいた皆さん、関係者の皆さんに感謝を申し上げたいと思います。
しかし、現在の工事の進捗状況を見ていると、残り3カ月で本当に供用ができるのかなあという不安になります。また、御幸辻地内では、市の工事区間や御幸辻区の要望も出ており、協議が進められていると聞いています。地元区には丁寧な説明と対応をお願いしたいと思います。県、市、地元区の協議の状況と、今年度の供用開始ができるか、県土整備部長にお聞きします。
次に、紀の川左岸広域農道についてお聞きします。
広域農道沿いの橋本市西畑地内で3月に発生した地すべりの区域内に、3軒の民家があります。この地域の皆さんは、地域おこしのため、紀の川左岸広域農道早期完成に向けて、用地買収やさまざまな問題解決をするために積極的に協力をいただいています。余り口には出しませんが、不安に感じていることは間違いありません。住民の皆さんが安心できる工法であることが重要です。
地すべり対策についてお聞きします。
より安全な工法や設計変更についての住民説明会の開催はいつごろになるか、お聞きします。
次に、清水─九度山間の完成年度とネーミングについてお聞きします。
河南地域を振興、売り出すためには、高野山開創1200年に合わせ、平成27年3月の完成が大変重要です。この地域は、村おこしに大変熱心であり、畑ごんぼの生産に取り組み、果樹の栽培や観光資源も豊富にあり、直売所の建設にも取り組んでいます。地すべりが発生し、工事のおくれを大変心配しています。予定どおり完成できるのか、お聞きします。
また、高野山開創1200年には、高野山に多くの観光客が訪れます。紀の川左岸広域農道という名称ではなく、観光客が興味を引く、その地域を連想させれるネーミングを考える必要があると思いますが、県土整備部長の御意見をお聞きします。
○副議長(花田健吉君) ただいまの平木哲朗君の質問に対する答弁を求めます。
知事仁坂吉伸君。
〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 国道371号は、和歌山県北東部と大阪府南部を連絡する府県間道路でありまして、京奈和自動車道と一体となって世界遺産高野山を中心とした広域的な観光ルートを形成するとともに、紀北橋本エコヒルズなどへの企業誘致や、地場産業、農林水産業の振興に大きく寄与する道路であります。
国道371号の府県間部を含めた大阪府側の整備については、これまでも松井知事を初め歴代の大阪府知事に直接強く働きかけてきたところでありますが、このたび事業化に向けて取り組むことで合意し、府県それぞれの事業を1つの整備計画として、既に社会資本整備総合交付金事業の要望を行っているところであり、平成27年度からトンネル本体に着工したいと考えております。このトンネル工事については、和歌山県側が大阪府から委託を受けて両方の部分をやるということでございます。
今後、県としては、新紀見トンネルの早期整備に向けて、必要な予算確保を大阪府と一緒に国に働きかけるとともに、大阪府側の残された区間の整備が促進されるように、機会があるごとに強く働きかけていきたいと思っております。
考えてみますと、大阪府の考えについては、いろいろと言いたいことがたくさんあります。大阪府が東京に伍して双極構造の1つとなるためには、東京をちょっと観察して、欠けたるところはやっぱり補っていかなきゃいけない。例えば東京において、都県間道路において、東京側が不整備で向こうへ行けないと、聞いたことがありません。その結果、発展がとまっているというのも聞いたことがありません。しかし、残念ながら、大阪と和歌山の現状、あるいは大阪と奈良の現状は、皆さん御承知のとおりであります。
立場が立場でなければ、もうちょっと違う口調で言いたいのでありますが、立場が立場でございますので、大阪府に機会があるごとに強く、大阪府の工事もやったらどうでしょうかというふうに働きかけてまいりたいと思っております。
○副議長(花田健吉君) 県土整備部長石原康弘君。
〔石原康弘君、登壇〕
○県土整備部長(石原康弘君) 国道371号仮称・新紀見トンネルの整備につきましては、今ほど知事のほうからもお話ししていただきましたが、和歌山県側から府県境をまたいで一連で施工することを予定しており、平成27年度に本体着工できるよう、今後、府県間の費用負担や役割を定めた基本協定を結ぶとともに、平成26年度には調査設計を行いたいと考えております。
次に、和歌山県側の橋本バイパスの地元御幸辻区からの要望につきましては、現在、県、市、地元自治会役員等による3者会議を組織して協議を行っているところであり、これまでも平成25年10月30日、11月8日及び11月28日の計3回開催しております。この会議で、幾つかの要望項目につきましては御了解を得て、残る項目につきましては現在協議を進めており、今後とも十分な説明、協議を行ってまいります。
また、橋本バイパスの工事の状況ですが、御幸辻から京奈和自動車道橋本インターチェンジ間の1.7キロメートルは4車線で、三石台から御幸辻間の延長1.3キロメートルは暫定2車線で整備を進めております。既に本体工事を概成し、現在、排水工及び縁石工等の工事を進めているところで、今年度末の完成に向け、鋭意努力してまいります。
次に、紀の川左岸広域農道は、橋本市清水からかつらぎ町西渋田までの全長18キロの農道であり、橋本市西畑地内において、本年3月に地すべりが発生しました。県としましては、すぐさま地すべり調査に着手し、応急的な押さえ盛り土を実施しました。その後、水抜きボーリングを行い、8月から鋼管ぐいの対策工事を実施しており、今年度末に完了する予定です。
工事は、安全確保のために地すべり観測を行いながら進めており、現在、地すべりの動きは認められておりません。加えて、隣接した工区での道路工事につきましても、地質状況等を詳細に調査、確認し、工法を検討した上で、地元関係者への説明会を12月20日に予定しております。
次に、当該農道のうち、橋本市清水から九度山町間の延長約5キロメートルにつきましては、平成27年3月末の開通を目指して工事を進めているところです。
また、ネーミングにつきましては、地域活性化につながるよう、関係市町及び関係団体と十分協議して決定したいと考えております。
○副議長(花田健吉君) 平木哲朗君。
〔平木哲朗君、登壇〕
○平木哲朗君 はい、ありがとうございました。
本当に間際に来ていろいろな問題が起こっておりますので、ぜひ丁寧な対応をお願いしたいと思います。そして、ぜひそこの道を走りたいなあという、特に左岸農道についてはネーミングをしていただいて、そこへ少しでも観光客が誘致できるようにお願いをしたいと思います。
次に行かしていただきます。
次に、紀の川本川における土砂のしゅんせつと樹木、竹の伐採についてお聞きします。
国道24号や河南道路を車で走っていると、川の中に樹木や竹が生い茂り、河床が上がってきている風景が確認されます。橋本市でも、一昨年の台風12号、ことしの台風18号でも同じ地域で被害が起こっています。住民の皆さんも、台風や大雨が降るたびに心配をされています。
11月には、市長、議長、市議会の有志の皆さんと和歌山河川国道事務所を訪問し、土砂のしゅんせつと樹木、竹の伐採をお願いに行ってきました。平成26年、元気な和歌山の実現に向けて、新政策と予算の編成方針の安心・安全の政策の中にも、「紀の川水系をはじめとする河川流域の総合的な洪水対策を推進するため、河川改修や国営総合農地防災事業を実施」とあります。紀の川本川でも、下流堰から工事が進められているのは認識をしています。しかし、そんなに長く待てないのが住民の思いであり、少しでも改善されることを望んでいます。紀の川本川における土砂のしゅんせつと樹木、竹の伐採について、今後の取り組みをお聞きします。
○副議長(花田健吉君) 県土整備部長。
〔石原康弘君、登壇〕
○県土整備部長(石原康弘君) 紀の川本川につきましては、国土交通省が昨年12月に策定した紀の川水系河川整備計画に基づき、目標とする戦後最大洪水に対して流下能力の不足する狭窄部等の対策を下流から順次実施することとしております。
一方で、抜本的な治水対策には時間が要することから、紀伊半島大水害を踏まえ、緊急的に対策が必要な箇所について、国土交通省は掘削、伐採を実施しており、橋本市の南馬場地内では、昨年に引き続き、今年度も緊急的に約3万6000立方メートルの河道掘削を実施しております。
また、県としましては、内水被害軽減を図るため、伊都振興局管内に排水ポンプ車を配備するとともに、内水対策事業の採択要件緩和を国土交通省に要望しているところです。
今後とも、下流からの抜本的な整備の推進を図るとともに、緊急的な対策が必要な箇所の河道掘削や樹木伐採などについても実施するよう、国土交通省に働きかけてまいります。
○副議長(花田健吉君) 平木哲朗君。
〔平木哲朗君、登壇〕
○平木哲朗君 よろしくお願いしたいと思います。住民が恐怖に感じるという状況が毎年続いていくというのは非常にいいことではありませんので、早急な対応をお願いしたいと思います。
次に、地場産業・観光の振興についてお聞きします。
地場産業を支える企業の減少について商工観光労働部長にお聞きをします。
例えば、地場産業であるパイル織物が製品として出荷できるためには、染色などの周辺企業が不可欠です。しかし、これまでパイル織物産業の一環として高野口周辺に集積していた染色工場については、後継者がいないために廃業が相次いでいます。紀北染色協同組合には、10年前の平成15年には17社が加盟していましたが、現在では5社となっています。地元に染色工場がなくなれば、パイル織物企業は、発注するロットを減らすか、あるいはコストをかけて他地域の業者に発注しなくてはなりません。また、地元の染色工場だから対応できたパイル織物企業からのきめ細かな注文や高度な技術への対応が、染色工場の廃業によってなくなってしまうと、せっかく持っているパイル織物企業のすぐれた技術も、製品にも生かすことができない状況が生まれています。
こういった地場産業を支える企業の減少は、地場産業そのものの将来にとって大きな課題だと考えますが、県としてこの問題にどう取り組んでいくのかをお聞きします。
次に、地場産業の1つである紀州へら竿の振興についてお聞きします。
本年3月、紀州へら竿が国の伝統的工芸品に指定されました。また、11月には、伝統的工芸品全国大会が本県で初めて開催され、紀州へら竿等を全国に向けて発信することができました。紀州へら竿の産地は、今までにない盛り上がりとともに、今後の期待を抱いているところです。
紀州へら竿については、現在、国指定に伴う振興計画に基づいた後継者を育成する取り組みが始まっており、大変喜ばしいことであると思います。しかしながら、後継者が育っても、自己資金不足等により、つくったものがすぐに売れないなど次の製品につながらず、結果、産業としては衰退してしまうのではないかと危機感を抱いています。
へらざおの市場規模は容易には拡大しないと考えられることから、新商品の開発により、新たな市場を開拓していくことが私は重要であると考えます。新商品開発の補助金を活用して取り組んでいる事例もありますが、このような状況の中、紀州へら竿の振興のため、県としてどのような取り組みをされるのか、商工観光労働部長にお聞きします。
次に、観光も地元の経済を潤す大きな産業であります。和歌山県の観光というと、どうしても白浜や熊野などの紀南地域のイメージが強くなりますが、紀北地域にも世界遺産高野山を初め、根来寺、粉河寺、丹生都比売神社、慈尊院、隅田八幡神社など歴史ある社寺、それに戦国武将真田昌幸・幸村親子が隠棲した九度山、また白浜のパンダにも負けない人気のある和歌山電鐵貴志駅のたま駅長、そして特産品では全国有数の産地である桃、柿などの果樹といった観光資源がたくさんあります。
ただ、高野山やたま駅長の全国的な知名度に比べて、ほとんどの観光資源の知名度は低く、単独では情報発信力やお客様の訪問の動機づけに弱く、その魅力ほどお客様に来ていただいていないと思っています。
平成26年には世界遺産10周年、平成27年には高野山が空海によって開かれた1200年というような、高野山がクローズアップされる機会があり、既に県では、これらに向けて多くのお客様を高野山に呼び込むための準備をしていると思います。高野山に来られるお客様をそこだけで帰してしまうのではいかにももったいなく、先ほどの社寺など観光資源に誘導し、地域での周遊と滞在、そして消費を促すべきだと考えます。
和歌山市内と高野山の宿坊を除き、多くのお客様を受け入れる宿泊施設がないと言われる紀北地域においても、高野山、国体、それにビジネスのお客様を見越して、来年4月、橋本市にホテルルートイン橋本が開業を予定しております。
つまり、こういった宿泊施設と周辺の観光素材を線で結ぶような施策が必要と考えますが、紀北地方の今後の観光施策について商工観光労働部長にお聞きします。
○副議長(花田健吉君) 商工観光労働部長藤本陽司君。
〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) まず、地場産業の振興についてでございます。
本県の地場産業は高い技術力を持っていますが、下請として他社からの受注に頼っている場合が多く、海外からの低価格製品の流入や生活様式、消費構造の変化などにより、厳しい状況に置かれています。
その結果、例えば、高野口のパイル織物を支える染色や縫製など、地場産業には欠かせない企業もより一層厳しい状況に置かれていると認識しております。
こういった状況を改善するためには、下請という他社からの受注に依存するのではなく、みずから企画提案し、新たな製品を開発していくことも重要です。パイル織物の企業の中には、その高い技術力を生かし、液晶パネルの研磨用クロスやコピー機などで用いられる電子写真用ブラシ等、新しい分野に取り組んでいる企業も多数ございます。
県では、こういった新たな取り組みを支援するため、企画力やデザイン力など、自社の弱い部分を外部人材で補いながら、技術、経験、ネットワーク等の強みを生かして行う新商品の開発から販路開拓までを最長3年間一貫して支援するわかやま地場産業ブランド力強化支援事業や、地域資源を生かした新商品の開発を支援するわかやま中小企業元気ファンド、先端的な分野での商品開発のための技術を確立する先駆的産業技術研究開発支援事業など、企業のさまざまな目的に応じて活用いただける支援策を設けています。
また、ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金など、国の施策につきましても、産業別担当者などを通じ、それぞれの企業に適した施策が活用できるよう周知に努めているところでございます。
地場産業の中心となる企業に活力が生まれてくれば、それが関連企業にも波及していくことから、まずは新たな取り組みにチャレンジする企業の成長を後押しする政策にしっかりと取り組み、地場産業全体の活性化につなげてまいりたいと考えております。
次に、紀州へら竿の振興についてでございます。
ことし平成25年は、本県の伝統工芸品産業にとって非常に意義深い年でありました。まず、3月の紀州へら竿の経済産業大臣の指定は、本県において、紀州漆器、紀州箪笥に続く、実に26年ぶりの指定であり、また、11月に本県において初めて開催した伝統的工芸品月間国民会議全国大会には、県内外から1万5000人を超える多くの方に御来場いただき、本県の誇る伝統工芸品を広くPRすることができました。
御質問の紀州へら竿を初めとする伝統工芸品産業の振興のためには、後継者の育成、新商品の開発、販路開拓という3つの面からの支援が重要であると考えています。
大臣指定を受けた紀州へら竿については、国の支援を受けるための振興計画が7月に認定され、先般、多くのマスコミに取り上げられた後継者育成所「匠工房」の開設等、既に振興計画に基づいた事業が始まっております。また、従前より設けている県の支援策、後継者育成補助制度を現在も活用いただいており、後継者育成のための国、県双方の支援策が有効に生かされているところです。
また、新商品の開発や販路開拓については、各種の補助制度や融資制度等を組み合わせ、活用いただくことで、それらの一助になると考えています。県内には、伝統的な抄造技術を用いた自動車のエンジン用歯車の開発に県が支援を行った実績があり、伝統工芸の技法を現代技術に適用する可能性を開いた事例として注目されています。
今後も、こういった取り組みを積極的に支援していくとともに、国、市町村等と連携を図りながら、なお一層、県内の伝統工芸品産業の振興を図ってまいります。
次に、紀北地域の観光振興についてでございます。
紀北地域の観光振興につきましては、平成26年の世界遺産登録10周年を契機とした和歌山デスティネーションキャンペーンや、平成27年の高野山開創1200年を控え、現在、おもてなしや周遊観光のシステムづくりなどの受け地整備を地域や交通機関と協働で進めているところです。
その取り組みの一環として、高野山を含む紀北地方の12社寺が中心となって、JR西日本、和歌山電鐵、南海電鉄、県関係市町村で協議会を組織し、ことし9月14日から12月13日までの期間で「いのりとみのりの旅」和歌山紀北キャンペーンを実施しております。このキャンペーンは、ことしで3年目となりますが、和歌山市から高野山までの紀北地方の社寺を中心に周遊を促進する内容となっており、特別企画の実施や来訪特典の付与に加えて、期間中の臨時アクセスバスの運行や協賛飲食店の情報提供などの要素も取り入れております。
県では、来年の和歌山デスティネーションキャンペーン、再来年の高野山開創1200年においては、このキャンペーンにおける取り組みを軸にして内容の充実を図るとともに、周辺の宿泊施設、観光施設や体験プログラム、ウオーキング、地域特産品の購入などを合わせた周遊ルートを情報発信し、紀北地域への誘客と滞在を促進してまいります。
○副議長(花田健吉君) 平木哲朗君。
〔平木哲朗君、登壇〕
○平木哲朗君 はい、ありがとうございます。
まず、ここのところで本当は質問したかったことが1つありまして、公共施設に地場産品を使ってほしいなあという思いを非常に強く持っておりまして、これどこに聞いたら──どこが担当になるのかよくわからなかったんで、今回ちょっと要望としてお伝えしたいなと思ってます。
本県の地場産業では、毛布やカーテン、じゅうたん等の繊維製品から、椅子や机といった家具を初め、さまざまな製品がつくられています。一方、県では、業務を行う上で、庁舎内の備品や消耗品など、年間かなりの予算を使って調達をしています。例えば、災害時に備え、県でも備蓄用毛布を保管していると思いますが、備蓄用毛布として活用できるすぐれた製品を県内で製造することもできると思います。価格面で高くなると思われるかもしれませんが、一般的な価格でつくる技術も持っているので、そんなに割高にはならないのかなあと思っています。
そこで、県がみずから物品を購入する場合、県内で製造された製品を率先して購入していく取り組みが必要ではないでしょうか。そうすると、地場産業の製造が下支えされ、雇用の維持、安定につながっていくと思いますし、県外への販路拡大にもつながると弾みがつくと思います。予算の適正な執行ということには配慮しつつも、ぜひ県内で製造された製品を活用していくための取り組み方針や調達方法を御検討いただきたく、これは要望としますが、知事、よろしくお願いしたいと思います。
次に、紀州へら竿につきましては、先日もちょっと製竿組合の方とお話ししたんですけども、今、問屋さんでも、へらざおを取り扱ってくれる問屋さんが減ってきてる。韓国でも減ってきてるというような状況の中で、非常に厳しい現状があります。そして、国の補助金というのも二分一、三分一のものが多く、そして立て払いをせなあかんということで、1つの製竿組合が事業を行うには非常に重過ぎるというような問題もあります。そういう面を含めて、一度もっと県、市で製竿組合と協議をしていただいて、もっと事業がしやすくなるような仕組みを考えていただきたいと思います。
これは、原材料の問題なんですけども、実は、高野竹が枯れ始めているというような現象が全国で起きています。これについてはぜひ調査をしていただいて、早急な対応をお願いしたいと思います。よろしくお願いをしたいと思います。
そして、紀北地区に多くの観光客が来ていただくことが私たちにとっても大きなメリットになります。橋本市を売り出すという部分でも非常に大事になりますので、ぜひこれを成功させたいと思いますので、御協力のほどお願いをします。
次に移ります。
次に、合併団体における財政運営についてということで、合併特例終了後の合併団体の財政運営についてお聞きをします。
合併算定がえ制度は、合併前の団体が存続するものとして算定した額を経過的に10年間保証し、その後の5年間で段階的に削減されます。みなべ町では平成27年度から、他の団体では平成28年度から段階的に削減されます。
合併団体では、職員数の削減、公共施設の統廃合等、合併算定がえの終了を見据え、行財政改革に取り組んできました。しかし、広域化による市街地、集落の点在化に伴う制度設計時に想定していなかった新たな財政需要が発生しており、適切な交付税措置が必要と考えます。
次の2点について質問します。
合併団体の合併算定がえ終了による地方交付税の減少額と影響及び県の対応についてお聞きします。
合併団体に対する今後の支援の取り組みについてお聞きします。
旧市、旧町の一体性がまだ達成されていないと思います。合併してよかったという声も余り聞こえてきません。地域が一体となれるようなソフト面の支援も必要ではないかと考えます。総務部長の御見解をお聞きします。
○副議長(花田健吉君) 総務部長市川靖之君。
〔市川靖之君、登壇〕
○総務部長(市川靖之君) まず、合併団体の合併算定がえ終了による地方交付税の減少額と影響及び県の対応についてであります。
本県の合併団体における合併算定がえと通常算定との地方交付税の差額は、平成25年度算定に基づきますと約121億円と、標準財政規模の約9.5%に相当する額となります。
合併算定がえの終了につきましては、合併による経費削減効果によるものでありますが、一方で、支所や消防署等の維持に係る経費など、合併による面積の拡大、集落の点在化等に伴って、議員御指摘のとおり、制度設計時には想定されていなかった財政需要が生じているところであります。
こうした財政需要につきましては、適切に交付税措置がなされる必要があると考えており、県では、合併団体からの意見を取りまとめ、国に対しまして交付税算定の見直しを行うよう提案し、現在、国において制度改正が検討されているところであります。
県としましては、国の制度改正の動向を注視するとともに、国に対しまして、引き続き合併団体の行政需要に対し、適切な財政上の措置が講じられるよう働きかけてまいります。
次に、地域が一体となれるようなソフト面での支援についてでございます。
合併団体におきましては、合併に際して策定した市町村建設計画に基づき合併後のまちづくりに取り組んでおり、道路整備やコミュニティーバスの運行など、こういった基盤整備のほか、旧市町村の住民の交流を促すための地域イベントの開催など、地域の実情に応じて施策が実施され、一体的なまちづくりが進められておるところでございます。
これらの施策の実施のため、県としましても、市町村合併支援特例交付金の交付などを通じまして支援を行ってきたところでございます。
議員から御指摘のありました地域の一体感や合併メリットの実感、こういったものにつきましては継続的な取り組みが必要であると考えられ、そのための財源として合併特例債による基金の積み立てが認められており、今後も県としましては、基金の活用を含めて、合併団体の取り組みに対する助言を行ってまいります。
○副議長(花田健吉君) 平木哲朗君。
〔平木哲朗君、登壇〕
○平木哲朗君 はい、ありがとうございます。
ただ、消費税が来年から5%から8%に上がって、地方消費税の税収は上がりますが、地方交付税も減るということで、あんまりプラスにはならんと思うんです。
逆に不交付団体というのは、その分、収入がふえますから、要は都市と地方の格差がさらに広がるというような状況にもなってくると思いますんで、今、東京都や愛知県、大都市から召し上げているお金をやっぱり引き続き、また同じような形でこういう地方に入れていただいて、地方の財源を確保するということにぜひ取り組んでいただきたいと思います。また、国とも連携をしながらお願いをしたいと思いますので、知事、よろしくお願いをします。
次に、和歌山県におけるPM2.5対策についてお聞きします。
これは、私も、来月から花粉症が始まりますが、花粉症に黄砂にPM2.5となったら、どうなるんかなという不安を非常に感じています。
PM2.5という言葉を初めて聞いたのは、ことしの2月ごろだったかと思いますが、中国では、石炭や化石燃料による暖房、自動車排気ガス、工場からのばい煙など、複合的要素により発生する非常に粒の小さいすすなどの大気汚染物質の影響で、北京などの大都市では空がかすんで前がよく見えない状況で、市民は皆マスクをしている状況です。その粒の非常に小さい微小粒子状物質をPM2.5といい、その粒の小ささが影響して人間の肺や気管支など呼吸器に悪影響を及ぼすこと、またそれが偏西風に乗って黄砂などとともに日本に飛来してくるということでした。
ことしの3月ごろ、環境省が国民に注意喚起をするための暫定指針値を大急ぎでつくって、各都道府県もそれに従った指針値をつくったと報道がありましたが、日本の一部地域でも、PM2.5の濃度がその指針値を超えたとも聞いております。その後、夏になって以降、しばらくPM2.5対策については騒がれなくなったと思ってました。
今また、中国では石炭による暖房を使う時期になって、北京や上海では、青空が見えないどころか、10メートル先もよく見えない、市民もマスクをして、車は昼間でもライトをつけている、学校は臨時休校になり、市民の中にも、せきがとまらないと病院に駆け込む人もふえていると報道されています。
暖房のため化石燃料の使用が急増し、また冬から春にかけて偏西風が強くなって黄砂が飛来する時期が近づいてくると、日本も対岸の出来事と言っていられないのではないでしょうか。つい先日も、韓国のソウルや日本の福岡でも、PM2.5の影響で白いもやがかかった状態であると報道されております。ということは、中国のPM2.5の影響が次第次第に東に進んでいるということのあらわれでもあり、和歌山県において、じゃ大丈夫なのかと、不安を感じる県民の方も多いと思います。こうした状況から、県において、きちんとPM2.5の濃度を測定して、県民に情報を提供し、県民の健康を守らなければならないと思います。
そこで、環境生活部長に質問ですが、まず、和歌山県においてPM2.5の監視測定局はどの地域にどれだけ設置されているのか、また、その測定局におけるPM2.5の濃度の状況はどうなっているのか、お答えください。
○副議長(花田健吉君) 環境生活部長塩崎 望君。
〔塩崎 望君、登壇〕
○環境生活部長(塩崎 望君) 大気汚染物質PM2.5の監視体制につきましては、県が橋本市、海南市及び田辺市の3カ所で、中核市である和歌山市が市内6カ所で測定を実施しているところです。
これまで、県内のPM2.5の状況は、環境省が示す注意喚起に係る暫定指針値である1日の平均値、大気1立方メートル当たり70マイクログラムを超過したことはありません。
なお、先月、環境省において、注意喚起に係る暫定的な指針の運用方法の見直しが行われ、注意喚起を実施するタイミングが、これまでの朝1回から朝と昼の2回に変更されました。これは、1日の平均濃度の予測精度向上を図るもので、本県におきましても12月1日から対応を開始しております。
○副議長(花田健吉君) 平木哲朗君。
〔平木哲朗君、登壇〕
○平木哲朗君 ありがとうございます。
県としては海南市、橋本市、田辺市に測定局を設置し、また中核市である和歌山市も独自の測定局を設置しており、測定しているPM2.5の濃度については暫定指針値を超えたことがないというのは理解できました。
しかし、中国の深刻な大気汚染の状況を見ると、今後、化石燃料の使用がさらに増加し、偏西風が強くなってくると、和歌山県においても、いつその指針値を超えないとも限らないのではないでしょうか。
先ほど、PM2.5の測定局は、和歌山市、海南市、橋本市、田辺市の4市にしか設置していないという答弁でしたが、重化学工業から発生する窒素酸化物や硫黄酸化物など、従来型の大気汚染物質であれば、工場が集中している周辺だけでもいいという考え方はあろうと思うんですが、PM2.5のように大陸から海を越えて飛来する大気汚染物質の場合は、いまだ未設置の地域にも測定局を設置して、県内を網羅する形できめ細かく監視して住民に情報提供をしていかなければならないのではないでしょうか。
そこで、今後のPM2.5の測定局の整備について、どのような方針なのか、環境生活部長にお聞きします。
あわせて、住民に対する測定データの情報提供についてですが、環境省のホームページでも公表されてるようですが、全国単位の表示であり、なかなか一般の県民にはわかりにくいのではないでしょうか。県のホームページでわかりやすく公表するとともに、指針を超える場合は住民に的確に注意喚起して、被害を防ぐ行動をとってもらう工夫が必要かと思います。そういったことを踏まえて、住民への効果的な情報提供の方法についても環境生活部長にあわせてお尋ねします。
○副議長(花田健吉君) 環境生活部長。
〔塩崎 望君、登壇〕
○環境生活部長(塩崎 望君) 県では、平成26年度新政策の中に、「大気中の微小粒子状物質PM2.5の常時監視体制を強化し、測定結果をわかりやすく公表」という政策を掲げております。
今後、その具体化に向け検討を進め、県内を網羅する形でのPM2.5測定局の設置や、測定データを日ごろからわかりやすくお知らせできるよう大気汚染常時監視システムの改良にも取り組み、県民の大気汚染に対する不安解消につなげられるよう取り組んでまいりたいと考えております。
なお、PM2.5の濃度が上昇し、注意喚起を要する事態となった場合には、ホームページ上での情報提供に加え、テレビ、ラジオ、防災わかやまメール、さらには市町村や関係団体を通じるなど、さまざまな手段を用いて、広く県民に対し迅速かつ確実に情報を伝え、外出を控えるなどの自己防衛に努めていただくよう呼びかけてまいります。
○副議長(花田健吉君) 平木哲朗君。
〔平木哲朗君、登壇〕
○平木哲朗君 最初にも言いましたように、私も花粉症で苦しんでる1人でありますし、やっぱり呼吸器とか、赤ちゃんであるとか、高齢者の方にも非常に大きな影響を与える。私も、花粉症で鼻が詰まり、喉がかゆくなり、声が出なくなり、目がしょぼしょぼするという経験をずうっと──これは来月から始まりますが、これは本当に苦しい、つらい。なってみないとわからないもんでありますので、さらにPM2.5によってその被害が拡大することのないように十分注意喚起に努めていただきたいと思います。
これで、最後の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(花田健吉君) 以上で、平木哲朗君の質問が終了いたしました。
これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後2時42分散会