平成25年12月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(大沢広太郎議員の質疑及び一般質問)
平成25年12月 和歌山県議会定例会会議録
第3号(大沢広太郎議員の質疑及び一般質問)
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午前10時0分開議
○議長(山田正彦君) これより本日の会議を開きます。
日程第1、議案第136号から議案第162号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
34番大沢広太郎君。
〔大沢広太郎君、登壇〕(拍手)
○大沢広太郎君 おはようございます。
議長のお許しを得ましたので、一般質問を行います。
今回は、2年後の紀の国国体に向けての道路整備についてや旧南紀白浜空港の跡地利用対策、また軽自動車税の引き上げなどについての3項目についてお伺いをいたしたいと思います。
2015紀の国わかやま国体と全国障害者スポーツ大会が、2年後の9月26日から開催をされます。県や市町村では、この国体に向け、ハード、そしてソフト面での事業整備を加速化させています。県では、近畿自動車道紀勢線や京奈和道といった高速道路を初め、幹線道路のネットワーク強化など、公共インフラの整備に全力を挙げています。
その中でも主なものを取り上げてみますと、民主党政権下ではすっとこ進まなかった近畿道紀勢線の有田─南紀田辺間の4車線化が事業着手されたほか、南紀田辺─すさみ間が、国体開催までの供用に向けて事業が進められています。このほか、すさみ─太地間と新宮─大泊間での現地調査がスタートしています。これは、紀伊半島一周道路が現実のものとなりつつあります。
また、京奈和道も、現在、県内で供用中の橋本─かつらぎ間に続いて、かつらぎ─打田間が今年度末の供用に向けて急ピッチで工事が進められています。
私も、去る7月、建設委員会のメンバーとともに、京奈和道の紀の川インターチェンジやかつらぎ西インターチェンジなどの整備事業の視察に訪れ、工事の進捗ぶりを目の当たりにいたしました。この京奈和道の紀北西道路とされる打田─和歌山ジャンクション間は、国体に向けての供用開始を目指しているということでありますが、道だけに「未知数」の部分があるということであります。このほか一般国道では、第二阪和道の和歌山岬道路も、国体開催までの供用に向けて整備推進をされているとのことであります。
2年後の国体の競技会場は、開会式の行われる和歌山市やその周辺の市や町、それに田辺・西牟婁地方にほぼ集中をしています。これは、ホテルやビジネスホテルが数多くある和歌山市や白浜、田辺にスポットが当てられたものだと思われるわけであります。
ここで、市町村の一般道での道路事情について触れてみたいと思います。
私の地元田辺市では、田鶴交差点を中心に土日祝日には大きな交通渋滞が生じています。国体までには、すさみまで高速が延伸をされ白浜インターチェンジが設けられると、田鶴交差点周辺での渋滞は緩和されると見られていますが、私がさきの本会議で提唱した田鶴交差点から白浜道路にかけての片側2車線の道路拡幅整備事業や、白浜インターから空港やアドベンチャーワールドに通じる通称「フラワーロード」の整備促進にも力を注いでいただきたい次第であります。
もう1つの懸念は、開会式を初め多くの競技が開催をされる和歌山市での道路事情であります。
私は、田辺市から和歌山市に来る場合、ほとんど海南インターでおりて県庁へと向かっています。なぜなら、和歌山インターでおりると、24号バイパスの栗栖から田中町にかけての渋滞が頻繁に起きているためであります。この付近での渋滞緩和策の1つとして、先月末には県道和歌山橋本線のバイパス1.3キロが開通をいたしました。
このほか、和歌山インターのそばを走る市駅小倉線の整備事業で、県が事業主体となった栗栖地区など道路が拡幅され、片側2車線で供用されることになりました。しかしながら、国道から西側部分の整備ですが、この部分は和歌山市が事業を担当していますが、用地買収のおくれなどから、新しい道路の姿、形はありません。このため、新しい交差点も、少し変わったT字路交差点として運用されています。
聞くところによりますと、このほか、和歌山市内では、整備予定の主要幹線道路では、用地買収のおくれから整備計画が国体までに間に合わない路線が幾つも生じるとのことであります。
このほど退任表明をした大橋市長に対して仁坂知事は、記者会見で、「任期満了が来年8月末まであるのに退任表明の時期が早かったのでは。レームダック、いわゆる死に体に余り早くならないほうがよい」と述べています。また、私の知り合いの市役所OBは、政治空白が生じるのは間違いないが、道路整備のおくれなどから見ても、退任表明以前からレームダック状態にあるとも指摘をしています。
そこで、国体に向けての高速道などの整備推進についてや、国体での宿泊客が集中をする和歌山市や田辺、白浜での道路整備についての取り組みを知事にお伺いをいたします。
○議長(山田正彦君) ただいまの大沢広太郎君の質問に対する答弁を求めます。
知事仁坂吉伸君。
〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 平成27年9月から開催される紀の国わかやま国体・わかやま大会に向けての県内の高速道路を初めとした幹線道路の整備については、議員御指摘のように、まず近畿自動車道紀勢線田辺─すさみ間、京奈和自動車道紀北西道路のほか、那智勝浦道路、和歌山岬道路など、事業中区間の国体開催までの供用を国に働きかけております。
27年度いっぱいということで結構予算化はしてくれているんですけれども、27年度いっぱいでぎりぎり間に合うということは、28年3月になるわけですから、それでは困るので、これをスピードアップするように一生懸命働きかけをしたり、あるいは県でいろいろ協力できることがあったら全力を挙げてやって障害を除去するというような形で努力をしてるところでございます。
また、和歌山市内では、御指摘のように、これは都市計画道路が随分長い間未整備で放置されておりましたが、この都市計画道路は県と市でそれぞれ分担をしております。国体までには、これは県の部分でございますけれども、松島本渡線とか南港山東線、西脇山口線などの幹線道路において、都市部の渋滞回避を図るための整備に取り組んでおりまして、国体までに目標を決めて、今これまた全力を挙げているところでございます。
市役所の話がございましたが、市役所の部分がおくれることによって全体意味をなさないということになっては困りますので、市役所に一生懸命働きかけをいたしまして、それである程度めどをつけつつあると──一部ですね──そういう形でございます。
一方、田辺・白浜地方では、国道42号田鶴交差点の改良事業が、これは政権交代で1回頓挫をしてしまったんですけれども、また復活をいたしまして、現在鋭意工事中でございます。
それから、白浜インターチェンジと、それから南紀白浜空港を接続する白浜空港フラワーラインの整備についても、これは国体まで最低限のところはやってしまわないといけないということで、そこはもう必ず整備をするということで、現在取り組んでいるところでございます。
県といたしましては、700日を切った国体の開催に向けて、高速道路の整備を初め、国体に密接に関連する区間の整備、これには必ず国体までに仕上げるということで、全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(山田正彦君) 大沢広太郎君。
〔大沢広太郎君、登壇〕
○大沢広太郎君 道路整備については、知事の力強い答弁をいただきましてありがとうございました。
続きまして、知事がいつも提唱する府県間道路、そして川筋ネットワーク道路の整備について質問を続けます。
先月、県は、橋本市と大阪・河内長野市を結ぶ府県間道路、国道371号バイパスの未着手だった部分、新紀見トンネルの着工に向けて取り組むと発表をいたしました。仁坂知事は、「大阪府側が資金難を理由に計画がとまってしまっていたが、やっと事業化にこぎつけられることができた」と話しています。しかしながら、この371号バイパス、着工から5年もかかるとのことであります。
また、泉佐野岩出線では、本県側がほぼ整備されているものの、大阪側の整備がおくれている状態であるとのことであります。
このほか、整備が進んでいない泉佐野打田線や、かつらぎ町と和泉市を結ぶ国道480号も整備促進が急がれています。
この大阪府との大きなパイプとなる道路整備は、阪和道や京奈和道の補完道路となり、広域観光ルートの形成や企業誘致、農産物搬送の競争力強化にも大きく貢献することは間違いありません。大阪府側は、維新の会の知事が2代続けて務めるなど、本県との府県間道路予算が少ないとして未整備区間が目立っているとのことであります。
そこで、府県間道路の整備推進に向けての取り組みについて、県土整備部長の答弁をお願いいたします。
○議長(山田正彦君) 県土整備部長石原康弘君。
〔石原康弘君、登壇〕
○県土整備部長(石原康弘君) 和歌山県北部地域と大阪府南部地域を放射状に結ぶ府県間道路を関西大環状道路の一部として構成する京奈和自動車道と一体として整備することは、地域の活性化はもとより、国体開催時の円滑な交通確保のためにも不可欠であると考えております。
このため、国道371号につきましては、今年度末には橋本バイパスを暫定供用するとともに、仮称・新紀見トンネルにつきまして、来年度から事業着手することで大阪府と調整が整いました。
また、国道480号の鍋谷峠道路につきましては、国体開催や高野山開創1200年までの供用に向けた事業推進を国に働きかけているところです。
さらに、県道泉佐野打田線や泉佐野岩出線につきましては、県側の整備は完了しており、泉佐野岩出線の残る大阪府側の未整備区間につきましても、今年度中に2車線で供用できるよう整備を進めていると聞いております。
県としましては、今後とも、さらなる整備推進を国や大阪府に粘り強く働きかけてまいります。
○議長(山田正彦君) 大沢広太郎君。
〔大沢広太郎君、登壇〕
○大沢広太郎君 続きまして、川筋道路の整備についてであります。
まず、私の地元田辺市を横断する富田川沿いの国道311号は、紀南地方の幹線道路の代表格として毎年整備が進められていますが、中辺路や本宮町内を初め、急カーブや急な下り坂、それに道幅が狭いところなど、あちこち点在をしており、整備が見込まれる箇所が数多くあります。
また、和歌山市を流れる紀の川流域では、近年、和歌山北インターの整備により、周辺道路も拡幅などが進められています。しかしながら、交通渋滞は各地で生じています。
そこで、和歌山北インターから紀の川河口大橋までの整備推進であります。
北島橋と紀の川大橋を結ぶ道路は、道幅が極めて狭く、県道にはなっていません。この区間の整備を進めれば、和歌山北インターから和歌山港や和歌山製鉄所への貨物の物流がスムーズになるほか、さきに述べました国道24号の渋滞も緩和されるのは間違いありません。県としては川筋道路の整備にどう取り組むのか、県土整備部長にお伺いをいたします。
○議長(山田正彦君) 県土整備部長。
〔石原康弘君、登壇〕
○県土整備部長(石原康弘君) 川筋ネットワーク道路は、高速道路の整備効果を県内全域へ波及させるため、X軸ネットワーク道路とあわせて整備することで幹線道路のネットワーク化が図られるものと考えております。
富田川沿いの国道311号につきましては既に2車線改良済みでありますが、現在、上富田町市ノ瀬地内及び田辺市中辺路町栗栖川地内におきまして、歩道整備などを進めているところであります。
また、紀の川沿いの和歌山北インターチェンジから紀の川河口大橋までのうち、議員御指摘の北島橋から紀の川大橋間につきましては、和歌山市の要望を受けて、平成24年度に都市計画事業として県が事業化し、現在、道路詳細設計や関係機関協議等を進めているところです。
また、県道芳養清川線の田辺市上芳養からみなべ町清川間の仮称・面谷トンネルにつきましても、平成26年度の着工に向けて準備を進めております。
県としましては、川筋ネットワーク道路の整備につきまして、平成29年度概成を目標に取り組んでまいります。
○議長(山田正彦君) 大沢広太郎君。
〔大沢広太郎君、登壇〕
○大沢広太郎君 次に、旧南紀白浜空港の跡地利用についてお伺いをいたします。
かつての南紀白浜空港は、プロペラ機のYS11が首都圏と南紀白浜間を飛行して、多くの観光客を運んできました。時代の流れとともにジェット化され、そして切りかわり、新南紀白浜空港が平成8年にオープンをいたしました。それに伴い、旧空港は閉鎖され、跡地の恒久的利用について調査検討が行われました。
この跡地、新空港に隣接した広大な土地を有効活用しようと航空工学系の大学の設置構想が持ち上がり、平成11年度に当時の西口知事が和歌山工科大学の整備事業を立ち上げました。このため、地元は、時代にマッチした画期的な事業だ、多くの学生らで周辺地帯は大変潤うなどと大きな期待の声が寄せられました。しかし、翌年度には、新しく就任した木村知事は、新規の地方大学では学生の確保が難しく経営が成り立たない、財政的にも厳しいとして、この事業の凍結を決めました。
その後、跡地の一般利用が始まりましたが、何分にも土地が広過ぎます。総面積は約47ヘクタールで、甲子園球場のおよそ9個分もあり、このうち整地部分では県有地が約6割を占め、残りは白浜町有地となっています。
この土地、利用計画はいまだに立っておらず、これまでには警察や自衛隊などによる防災訓練、ソーラーカーの走行実験、また白浜町はパーク・アンド・ライドの駐車場として使用してきましたが、廃港当時の目的である恒久的利用には至っていません。
近年、県は、この跡地を広域防災拠点に指定し、大規模災害時には、日高、西牟婁、東牟婁地域の支援の拠点とするほか、自衛隊、警察などの応援要員の一時集結地やベースキャンプなどとして利用するとしています。さらに、国の広域医療搬送の拠点としても指定をされています。
また、一昨年の台風12号の際には、自衛隊の活動拠点として使われました。しかしながら、この広大な跡地は、訓練やイベントなどで年に20回程度しか使われていないのが現状であります。
そこで、この土地のさらなる有効利用について県としてどう取り組むのか、企画部長にお伺いをいたします。
○議長(山田正彦君) 企画部長野田寛芳君。
〔野田寛芳君、登壇〕
○企画部長(野田寛芳君) 旧南紀白浜空港の跡地利用についてでございますが、ここは整地部分だけでも20ヘクタール余りありまして、県内でも数少ない広大な土地で、特に紀南地方の活性化のためには貴重な土地であると認識してございます。
敷地内では、限定的ではありますが、白浜消防署が平成21年度に、それから白浜警察署が平成22年度に移転整備されております。また、訓練や各種イベントなどに年間大体50日から90日間程度使われているほか、議員御指摘のとおり、一昨年の台風12号の際には自衛隊の活動拠点などに活用されました。
この土地につきましては、このように災害時の広域防災拠点としての大切な役割を担っていると同時に、日本有数の観光地である白浜温泉の真ん中に位置するという利点を生かしまして、にぎわいがあり、雇用が生まれ、誘客が図れる施設による有効利用がふさわしいと考えております。
高速道路の南伸により、空港周辺の道路整備が促進されるのを好機と捉えまして、新たな訪問の動機づけとなるような集客能力の高い商業施設を目標にいたしまして、東京事務所や商工観光労働部とともに、今、誘致活動をしているところでございます。
今後も、用地の一部を所有する白浜町と連携しながら、紀南地方全体の活性化につながる利活用に取り組んでまいります。
○議長(山田正彦君) 大沢広太郎君。
〔大沢広太郎君、登壇〕
○大沢広太郎君 この広い土地、遊休地状態にしておくのは、もったいない次第であります。そこで、幾つか提案をさせていただきます。
一月に2回ぐらいしか訓練会場として利用しないのではなく、消防や警察、行政機関などが一体となって活動できる西日本最大級の大規模な総合防災訓練場の設置であります。
この訓練場、1年を通じていつでも訓練ができる常設の拠点施設であります。訓練場には、大災害の本番時を想定した土砂崩れ、そして現場での人命救助訓練現場や、倒れた電柱などの撤去活動や、水道、ガスなどのライフライン復旧訓練場、各地から大量に送られてくる救援物資などの区分け作業がスムーズにできる訓練場、また、簡易式仮設住宅がいち早く設置できる建設訓練場などであります。
さらに、防災・減災の啓発教育センターを設置すれば、白浜温泉や紀南地方への小中学生や老人クラブのお年寄りの誘致にもなり、観光と防災をコラボさせた一大イベントにもつながるわけであります。このほか、何百棟もの組み立て式の簡易仮設住宅や大量の食料品や衣料品などを、空港を利用してどこの被災地にも運べる大規模防災備蓄基地づくりに取り組まれてはいかがでしょうか。
これは、関西や四国、東海など広域にわたる地域への支援活動にもつながることから、国の強力な支援が必要不可欠であります。したがって、このような大規模施設づくりに向けて国に強く働きかけてはいかがでしょうか。この取り組みについて、危機管理監にお伺いをいたします。
○議長(山田正彦君) 危機管理監木村雅人君。
〔木村雅人君、登壇〕
○危機管理監(木村雅人君) 大規模災害時には、自衛隊、海上保安庁を初め、防災関係機関の多くのヘリコプターが全国から集まってくることになっております。平成23年9月の紀伊半島大水害では、1日最大15機ものヘリコプターが、広域防災拠点である旧南紀白浜空港跡地を使って救助・救援活動を行いました。
南海トラフ地震を想定した場合、現在のところ、さらに多くのヘリコプターが南紀白浜空港及び旧空港の全域を利用して活動することが想定されており、その中で、少しでも多くのスペースを確保する必要があります。常設の大規模な総合防災訓練場等につきましては、ヘリコプターの活動に支障を生じさせるものでありますので、旧南紀白浜空港跡地に設置をすることは適当ではないと考えております。
以上です。
○議長(山田正彦君) 大沢広太郎君。
〔大沢広太郎君、登壇〕
○大沢広太郎君 あの跡地、不適当でないというような答弁でありました。(「適当でない」と呼ぶ者あり)違うんか。
○議長(山田正彦君) 「適当でない」。
○大沢広太郎君 「適当で」か。適当でないということだそうでありますが、適当であるかないかは別として、災害の来ないのは、これは大変ありがたいことであるし、結構なことだと思うんですが、例えば、災害が来たときのために、この20ヘクタールもある平地をいつまでも──来たらそらもう活用するのは間違いありません。便利もええし、飛行機もヘリコプターもすぐ発着ができる、空港も横にあるし、これはもう一番便利なという場所は我々もよくわかってます。しかし、災害が来なんだらいいんですけれども、来ないからいうて、20年も30年も災害が来なんだら、20年も30年も跡地をこのままほっとくんですか。その辺のとこをもう一遍ちょっと答弁してください。
○議長(山田正彦君) 危機管理監。
〔木村雅人君、登壇〕
○危機管理監(木村雅人君) 現在、先ほども企画部長の答弁にもありましたように、跡地を利用して商業施設の誘致を図っているということを聞いております。
危機管理局としては、その辺の動向を見ながら、現在、南海トラフ等の大規模災害が参ったときには、本当に多くの航空機、ヘリコプターの利用が想像されますので、できる限り確保したいという気持ちは十分にございます。
ただ、大沢議員がおっしゃいましたように、20年、30年ほっとくのかということでございますけれども、これにつきましては、やはりそのときそのときの時代の流れもありますので、その時代に合った使い方をしていくのが適当かと思います。とりあえず今のところ、危機管理局としては、有効に大規模災害に備えて全域を使いたいというふうな考えを持っております。
以上です。
○議長(山田正彦君) 大沢広太郎君。
〔大沢広太郎君、登壇〕
○大沢広太郎君 広大な土地を有効利用するためには、大規模防災施設の設置など、もっと積極的な行政活動を展開していただくよう要望をいたします。
さらに、いざ大災害が発生した際を見据えた上で質問を続けます。
在日米軍の最新鋭輸送機オスプレイを旧南紀白浜空港に誘致して訓練を展開していただき、災害本番時にも対応できるように取り組まれてはいかがでしょうか。
仁坂知事は、3月初め、オスプレイの飛行ルートが和歌山・四国ルートに変更された際、全然説明がないとして不快感を示しました。しかし、知事は、「日米安保には反対ではなく、訓練していけないとは言わない」と述べていました。高知や静岡では、沖縄県民の悲願でもある米軍基地の負担軽減を進めようと、オスプレイを配備したアメリカ海兵隊を誘致する動きが水面下で活発化していると聞いております。
このオスプレイ、アメリカ大統領を運ぶマリーンワンと呼ばれる専用機として利用をされています。また、従来のヘリコプターより事故発生率は低いほか、時速519キロの最高速度を誇り、従来のヘリに比べて騒音は低いほか、2倍の速度、約3倍の荷物が搭載できたり、何といっても飛行距離が4倍に上っています。このほか、機内への収容人員は24人と多く、12床分のけが人を収容するベッドが配置できるなど、すぐれた最新鋭の機能が備えられており、去る10月には高知県での防災訓練に参加する予定でしたが、台風接近のため中止になったとのことであります。
私は、先月25日、当議会の同僚ら22人とともに、沖縄と南方の地域で本県の戦没者約2万柱を祭る紀乃國之塔の追悼式に参列した後、普天間基地の視察に訪れました。そこで、在日米軍の日本の防衛への取り組みや沖縄を初めとする地域貢献活動、それにオスプレイの高性能ぶりについて説明を受けました。
また、今月3日、我が自由民主党県議団の招きで講演に来ていただいたアメリカ海兵隊政務外交部のエルドリッジ次長は、「トモダチ作戦とその後」というテーマで、しかも流暢な日本語で、日米関係の重要性や高性能のオスプレイの意義、それに東日本大震災での支援・協力活動で生まれた人と人とのきずなの大切さなどについて、時折涙を交えながら熱く語ってくれた次第であります。
そこで、仁坂知事にお伺いをいたします。
紀伊半島を中心に広域での大災害が発生した場合、自衛隊や消防だけでは対応できないケースも想定されます。旧南紀白浜空港でのオスプレイの訓練の誘致に向けてどう取り組まれるのかについて、答弁をお願いいたします。
○議長(山田正彦君) 知事。
〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 米軍と自衛隊の軍事訓練、これは政府が米国との調整の上、実施するものでございまして、これは県がかかわるものではないと考えております。
一方、もう1つの活動でございます防災活動あるいは災害対策活動、こういうものについては、県が行う防災訓練につきましては県民の命を守るためにさまざまな防災関係機関に訓練参加を要請しているところでございまして、自衛隊に対しては、そのように「いつも参加してください」と言って要請をしております。ただ、国の仕組み上、米軍には直接要請することはなくて、これは自衛隊がいろいろなアレンジをしてくださるということではないかと思います。
東日本大震災における米軍のトモダチ作戦による支援活動は、被災地にとって大変有効であったと思いますし、被災地の方々も大変感謝をしている。日本人の一員としても、そういうふうに私も思っております。
大規模災害時には、1人でも多くの県民の命を助けるということが一番大事でございまして、そのためには、あらゆる機関からその持てる資源を総動員して支援していただくということが必要であると認識しております。
○議長(山田正彦君) 大沢広太郎君。
〔大沢広太郎君、登壇〕
○大沢広太郎君 オスプレイの答弁についてですが、つい最近になって日米両政府は、東日本大震災での当時の民主党政権での対応のまずさを踏まえて、これまで有事に限った防衛協力の枠組みを超えて大災害時にも広げるとして、日米防衛協力のガイドラインにも盛り込む方向で調整に入ったということであります。
このような大災害に備えての日米間の動きも見据えた上で、本県の防災対策の強い取り組みについて国に強く働きかけるとともに、県民、国民の安心・安全の確保に向けて取り組んでいただきますよう、強く要望いたしたいと思います。
続きまして、過疎問題で深刻な本県にあって、再び浮上してきた軽自動車税の引き上げ、つまり消費者目線で実質の値上げについてであります。
この問題、私は、3年前の12月議会で取り上げました。そこで、強く引き上げ反対を訴えた次第であります。紀南や紀北の山間部を中心に公共交通の空白地帯が多い地方の住民は、軽自動車や乗用車を一家に何台も所有し、電車やバスにかわる交通手段として利用しています。
先日の新聞報道によりますと、税金が安く、燃料のよい軽自動車が人気を呼び、ことしの新車の販売台数が過去最高の210万台前後になるとのことであります。本県では軽自動車の保有台数は37万台で、私が質問した後、軽自動車は普通自動車の数を初めて上回り、現在に至っています。これは、地方の田舎に住む人たちは、税額が年7200円と安い軽自動車に頼って生活をしているからであります。
この税の引き上げ、消費税アップに伴い自動車取得税がなくなると地方税が減少するとして、見直しが行われているとのことであります。先週、総務省が打ち出した案では、軽自動車税は現行の1.5倍の年1万800円、2倍になると年1万4400円の2つの案が浮上し、与党幹部に提示したと報道をされています。この値上げの影響で地方の住民の負担は大きく、利便性の低下が必至となるのは間違いありません。
そこで、仁坂知事におかれましては、地方の住民の足でもある軽自動車の利便性を維持するためにも、過疎問題を抱える道府県の知事とも連携をとりながら政府などに働きかけ、軽自動車税の引き上げ反対に向けて取り組んでいただきたい次第であります。知事の答弁をお願いいたします。
○議長(山田正彦君) 知事。
〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 平成25年度税制改正において、消費税10%段階での自動車取得税の廃止の方向性が示されましたので、現在、与党税制調査会において、地方の代替財源確保のさまざまな方策の1つとして軽自動車税の見直しが議論されているところであります。
これは、そもそも消費税を取って──消費税というのは取得段階でかかりますので、消費税を取りながら自動車取得税をさらに存続させるというのは、ダブル課税であって理にかなわないというところから発生している問題でございます。
一方、その取得税は、県税であったり、あるいは軽については市町村税の部分が多いもんですから、市町村を中心として──県もそうですが──税収が減ってしまうということがございます。税収が減られたら困るということで、これをどうしようかという議論があったわけでございます。
ことし、総務省などから出てきた案は、取得税はやめるけれども、かわりに保有税を増税すると、その際、かねて問題が指摘されておりました普通車に対して軽自動車税が安過ぎると、これを調整したほうがよろしいということが背景にあって、それで、普通車に対する取得税も見直すんですけれども、軽自動車税の額をかなり上げて、それでもって取得税による収入の減を解消しようと、こういうような案が出てきているわけでございます。
自治体サイド及び総務省としては、税収が確保されればそれでよろしいということで、むしろ全国市長会とか、あるいは全国町村会からは、自動車税との負担の均衡を考慮した軽自動車税の税率の見直し、すなわち引き上げてもよろしいと、あるいは引き上げておくべきだというような議論が言われているわけでございます。
私は、これは何とも情けない話だというふうに思っております。というのは、市町村にしても、もちろん県もそうですが、経営体としての市町村の経営、税収、そういうことはございます。しかし、その税収があれば、その住んでいる住民が重課されてもいいのかということについて、我々はそれ以上に、自分の経営体としての収入以上に思いをいたさなきゃいけないと私は思うのであります。
特に、実は軽自動車の保有割合は、地方において圧倒的に多いわけでございます。例えば東京などは、普通車が多くて軽が少ない。しかし、和歌山県を初め地方に存在する、地方部にある県は、軽自動車が圧倒的に多い。さすれば、軽自動車税を上げるということは、実は地方住民からたくさん取り上げて、それで結果的には、東京都の住民なんかは取得税がなくなった分だけまあよろしいということになる。これは、地方、田舎から都会への所得移転ではないかというふうに私は思います。
そもそも、消費税を上げたときに、消費税収が国も上がるわけですから、取得税をやめて、その消費税収の一部を収入が減る地方に回すべきであったと私は思います。そういうことを回さないで、地方のこの自動車関係の税収の中で調整しようとしているのがおかしいというふうに思っておりまして、それならば交付税の一部を市町村に回せばいいじゃないかと。たまたま、これは一般的な税収で回してもいいんですが、自動車関係でいえば重量税というのは、国と地方がそれぞれシェアをしてるわけでございますが、自動車重量税なんかでそのシェアの割合を変えればいいじゃないかというふうに思いまして、実は少し前から、かなり熱心にそういうような案をつくりまして、税調の関係委員とか、あるいは和歌山県選出の国会議員とか、そういう方のところにお願いに回っているところでございます。
また、行政体としての市町村に対しても、県のほうから、住民のことは考えないでいいんですかというような注意は──これは命令をするわけにはいきませんが、そういう注意を喚起しているところでございます。
そういう考え方で私は活動してまいったわけでございますが、例えば知事会の他のメンバーなんかにもいろいろ働きかけをいたしましたが、どうも経営体としての収入のことばっかり考えてるところがございまして、はっきり言うと、私の行動が今のところ余り力にはなっておりません。ただ、1つの意見として、影響は少しは与えているんじゃないかというふうにも思っております。
そういう観点から、この税制調査会、もう与党でいろんな議論が行われていて、大詰めに来ていると思っておりますが、心配をしながら注意深く見守っているところでございます。
○議長(山田正彦君) 大沢広太郎君。
〔大沢広太郎君、登壇〕
○大沢広太郎君 答弁いただきました。
近いうちに税調が開かれるということでありますので、一層早急な取り組みをお願いして、要望といたします。
それで、最後の質問に移ります。高速道路料金の値上げについてであります。
これは、来年3月で料金割引の国の財源が終了することから、高速道路会社のETC搭載車に適用されている平日昼間3割引きをなくしたり、深夜0時から午前6時までの割引料金を半額から3割引きにするなど、料金体系の見直しを打ち出しました。
この値上げは、高速道路利用者には大きな負担が強いられます。こうなりますと、観光立県、観光推進県を唱える本県にとって、マイカーを利用する観光客の減少や、農林水産物を都市圏へ運んでいる紀南地方を初めとする本県の運送業者らにとって、ガソリンや軽油の値上がりとともに輸送コストの大幅引き上げとなり、特に中小の運送業者には死活問題となるのは必至であります。
そこで、知事におかれましては、地方の高速道路の料金引き上げを見直すように強く国に働きかけていただきたい次第であります。知事の答弁をお願いいたします。
○議長(山田正彦君) 知事。
〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 高速道路料金割引につきましては、平成20年度から国の緊急経済対策として実施されておりまして、県民の負担軽減や誘客効果があったというふうに考えております。一般的に言えば、一国民としては料金が低いほうがいいし、それからまた御指摘のように、なかなかコストを合わすのが大変なんですね。採算を合わすのが大変な運送業者の方とか産業界の方なんかは、なかなか切実な問題として意識しておられるというふうにも感じております。
一方、実は、よくよく中身を分析してまいりますと、休日上限1000円割引であっても、これがございましたときに、別料金の大都市近郊区間を通過せざるを得ない本県は、他の地域に比べて2.5倍以上の負担を強いられたという現実もあったんです。
また、休日の5割引でも、より遠方への利用のほうが割安感が大きくなるということで、特に京阪神から紀南にというような方々が主力である和歌山の高速道路については、観光という観点からいえば、和歌山県の観光地よりも他の観光地を選択するというインセンティブが働きまして、相対的には少なくともデメリットもあったというところもあるわけであります。
また、全国料金プール制というのが、いろいろ議論はあるんですけども、原則として残っておりますので、NEXCOの収入が減るということは建設費用が減るということになります。我が県の高速道路の整備率は48.3%と、実は現在、47都道府県で最下位という実情にありまして、これが影響しないかなあというような心配もございます。
我が県としては、今は、最も大切なことは紀伊半島一周高速道路を初めとした高速道路ネットワークの整備の推進であると私は思っておりまして、これに必要な予算の確保等について、一番、国や関係機関に働きかけていきたいと思います。ということは、逆にその収入が、予算の確保ができないじゃないかと言われたときになかなかつらいものがあるなあというのが実は私の立場でございます。
○議長(山田正彦君) 大沢広太郎君。
〔大沢広太郎君、登壇〕
○大沢広太郎君 知事の答弁を聞きますと、なるほど難しいなあということを僕も感じるわけですが、だからいうて、私が言うたように料金を下げてほしいということばかり主張しても、なるほど財源がなくなったら紀伊半島一周、特に有田─田辺間の4車線化ということがせっかく事業化が決まっておるわけでありますから、それがまた1年延び、2年延びすることのほうも、これもまたつらいなというようなことにもなりますんで、まあひとつ知事さんのほうで一生懸命にええ判断をしていただいて、両方とも立つようなことでひとつよろしくお願いをして、一般質問を終了したいと思います。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(山田正彦君) 以上で、大沢広太郎君の質問が終了いたしました。