平成25年9月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(角田秀樹議員の質疑及び一般質問)
平成25年9月 和歌山県議会定例会会議録
第5号(角田秀樹議員の質疑及び一般質問)
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午後1時0分再開
○議長(山田正彦君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
質疑及び一般質問を続行いたします。
26番角田秀樹君。
〔角田秀樹君、登壇〕(拍手)
○角田秀樹君 皆さん、こんにちは。
最終日の昼一ということで、よろしく最後まで御清聴をお願い申し上げます。
まず初めに、去る9月15日から16日にかけまして台風18号により被害を受けられた方々には衷心よりお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復興を願うものでございます。また、2年前の台風12号、今でも現地の悲惨な分は覚えておりますが、重ねて当局の御尽力を引き続きよろしくお願いを申し上げるものでございます。
それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさしていただきます。今回は一問一答という方式をさしていただきますので、簡潔なる御答弁を重ねてお願い申し上げます。
まず初めに、動物愛護問題等についてであります。
御承知のとおり、昨年の9月5日に、我が党の主張も数多く反映された議員立法による改正動物愛護管理法が公布され、本年の9月の1日から施行されました。
全国の状況を見ますと、自治体に引き取られる犬や猫の数は、減少傾向にあるとはいえ、2011年度の数字で年間22万匹を超えており、その約8割に当たる17万5000匹が殺処分されているという現状がございます。このような状況を受け、改正法には、自治体の目標として「殺処分がなくなることを目指して」との文言を明記し、飼い主や動物取扱業者にも動物が命を終えるまで面倒を見る終生飼養の努力義務を課した上で自治体が引き取りを拒否できる措置を設けるなど、さまざまな対策が盛り込まれております。
そこで、まず環境生活部長にお伺いします。
本県における犬、猫の殺処分数の推移についてお答えをください。
○議長(山田正彦君) ただいまの角田秀樹君の質問に対する答弁を求めます。
環境生活部長塩崎 望君。
〔塩崎 望君、登壇〕
○環境生活部長(塩崎 望君) 平成19年度に和歌山県動物愛護管理推進計画を策定し、平成20年度から29年度までの10年間で処分頭数を50%減らすことを目標に取り組んできました。
計画から5年後の平成24年度までに30%を減らすことを中間目標としていましたが、既に目標を上回る36.9%と着実に処分頭数を減らしています。平成29年度には、当初の目標の50%は十分に減らすことができるものと考えています。
○議長(山田正彦君) 角田秀樹君。
〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 殺処分をされる犬、猫の数は減少傾向であるという御答弁でございました。しかし、冒頭に述べましたとおり、改正動物愛護管理法の殺処分ゼロという目標から見ると、まだまだ多くの課題が残っているんではないかということも事実であると思います。
そこで、平成20年に策定されました和歌山県動物愛護管理推進計画においても具体的な数値目標等が記述されているところでありますが、改めまして殺処分ゼロに向けた今後の取り組みについて、環境生活部長にお伺いをいたします。
○議長(山田正彦君) 環境生活部長。
〔塩崎 望君、登壇〕
○環境生活部長(塩崎 望君) 県では、安易に飼わない、安易に繁殖させない、飼ったら終生飼養するということを柱とした啓発に努めるとともに、万が一、飼い主と離れ離れになっても無事に飼い主のもとに戻るよう、犬や猫に鑑札や迷子札を装着するよう呼びかけ、返還率の向上に取り組んできました。
また、やむを得ず引き取った犬や猫は、できる限り生存の機会を見出すため、新たな飼い主に譲渡しています。これらの結果が処分頭数の大幅な減少に至っていると考えています。
先般の動物愛護管理法の改正により、国の指針で殺処分率の減少に向けたさらなる取り組みが新たに示されたことから、現計画のままで国の目標値を達成できるかの検証を有識者で構成する動物愛護推進協議会にお願いすることとしています。
○議長(山田正彦君) 角田秀樹君。
〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 次に、狂犬病予防法に基づく犬の登録及び狂犬病の予防注射についてお伺いをさしていただきます。
同法には、犬の登録と年に1度の予防注射を受けさせることを犬の所有者に義務づける規定があります。しかし、実情を見ますと、必ずしも全ての犬の所有者がこれを守っているとは言えないのが現状ではないかというふうに思っております。動物の終生飼養を行う上において、飼い主等がルールを守って適正に飼養することは非常に大切なことであり、それがまた殺処分ゼロにもつながっていくものと考えるところであります。
そこで、飼い主の未登録や予防注射の未接種対策について、環境生活部長の御意見をお聞かせください。
○議長(山田正彦君) 環境生活部長。
〔塩崎 望君、登壇〕
○環境生活部長(塩崎 望君) 狂犬病予防法では、万が一の狂犬病の発生に備えて、犬の分布を確実に把握するための登録と狂犬病予防ワクチンの接種が飼い主に義務づけられています。未実施犬をなくすため、市町村に回覧板や町内放送等による広報を初めとし、休日の集合注射会場の設営や動物病院での登録事務の代行など飼い主の利便性向上のための取り組みや、飼養実態調査など未実施犬の掘り起こしのための取り組みに努めていただいています。
今後も、市町村や獣医師会と連携を図りながら、一層の取り組みに努めてまいります。
○議長(山田正彦君) 角田秀樹君。
〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 先般、動物愛護センターのほうへ寄していただいていろいろ御意見を聞かしていただく中、約半分ぐらいが未登録であり、また接種をしていないんじゃないかというふうな、そういうお話も聞かしていただきました。今後とも、飼い主に対する未登録の、また予防注射の推進を強力に各市町村の保健所等々を通じてやっていただきたいというふうに思っております。
次に、和歌山県動物愛護センターにおいて実施されております「わうくらす」についてお伺いします。
「わうくらす」につきましては、平成16年の12月議会におきましても、私自身、一度こちらのほうで質問をさしていただいたところでありますが、いじめ問題等が頻繁に発生する近年において、子供たちの情操教育を行う上においても非常に意義のある事業であると考えております。
ここで、改めて御質問をさしていただきます。
この「わうくらす」の実施目的について、環境生活部長に御説明をお願いします。
○議長(山田正彦君) 環境生活部長。
〔塩崎 望君、登壇〕
○環境生活部長(塩崎 望君) 「わうくらす」は、人と動物の触れ合いを通じ、命の大切さや思いやりの心を育み、児童に愛護の精神を育てていくことを目的に、平成14年度から実施しています。
具体的には、動物の生理や習性、動物から人への感染症等について学んでいただき、実際に動物に触れて心音を聞いたり、給餌や散歩などの飼養体験をしていただく総合的な愛護教室です。
○議長(山田正彦君) 角田秀樹君。
〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 それでは、次に、その最近の実施状況について御説明をください。
○議長(山田正彦君) 環境生活部長。
〔塩崎 望君、登壇〕
○環境生活部長(塩崎 望君) 開始から数年間は数校程度の実施でありましたけれども、その後は年々増加し、今では県内で104校に上る小学校で実施されています。
県といたしましては、県内の全ての児童にこの「わうくらす」を体験していただくことを目標に取り組んでまいります。
○議長(山田正彦君) 角田秀樹君。
〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 いわゆるかわいいからという理由で動物を飼い始めて、大きくなってかわいくなくなったからとか鳴き声がうるさいからといって引き取りを求めるケースがあると。飼い主の方が命の大切さを十分に認識していないという、こういう裏づけではないかというふうに思っております。
「わうくらす」を通じて、児童やその保護者の方に、動物を飼うことに対する正しい知識、そして動物たちの命もまた自分たちの命と同じ大切な命なんだという認識を持っていただくことにより、先ほども御質問さしていただきましたが、最終的には殺処分ゼロにもつながっていくのではないでしょうか。そして、さらには動物と人間との関係に限らず、このような機会に行われる情操教育が、現代社会に影を落とすいじめ問題等への大きな解決への糸口にもつながっていくのではないかというふうに考えております。
そこで、私は、これらの事業をさらに幅広く周知し、実施していくべきだと考えますが、「わうくらす」に関するPRについて、環境生活部長の御所見をお聞かせください。
○議長(山田正彦君) 環境生活部長。
〔塩崎 望君、登壇〕
○環境生活部長(塩崎 望君) 県内の全ての小学校に直接、動物愛護センターへの遠足や「わうくらす」の出張教室の利用を案内するとともに、この事業を拡大するため、教育現場での講師を育成するための講習会を開催するなど、普及のための人材の確保を図っています。
今後も、教育委員会と連携しながら「わうくらす」の推進に努めてまいります。
○議長(山田正彦君) 角田秀樹君。
〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 「わうくらす」につきましては、もう1点、今度は教育長にお伺いしたいと思います。
先ほど、環境生活部長から「わうくらす」の実施状況につきまして御説明いただきましたが、学校教育の場において「わうくらす」を積極的に活用することによって、児童生徒の情操教育につながり、いじめの防止等に関しても効果が期待できるというふうに考えております。この点につきまして、教育長の御所見をお聞かせください。
○議長(山田正彦君) 教育長西下博通君。
〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 議員御指摘のように、生きた動物との触れ合いを通してさまざまなことを学べる「わうくらす」は、命の大切さや他者への思いやりを育むなど、児童の道徳性を培う上でも効果があり、いじめ防止にもつながることが期待される事業と考えております。
県教育委員会におきましては、これまでも毎年4月に市町村教育委員会の担当者会議におきまして「わうくらす」の利用促進について案内してまいりました。今後も、動物愛護センターと連携をして、各小学校が出張授業や遠足などの機会などを利用してこの事業を活用するように働きかけてまいります。
○議長(山田正彦君) 角田秀樹君。
〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 ありがとうございます。
和歌山県のこの動物愛護センターに他の自治体からたくさんの視察が見えられてるということもお聞きいたしました。特に奈良県では、和歌山県の大変先進的なそういう取り組みを参考にしながら、教育委員会とタイアップしながら、これを一生懸命、今現在取り組んでおるという、そういうふうなお話も聞かしていただいておりますので、どうか教育委員会との連携を密にしながら、今度とも活用していただきたいというふうに思います。
続きまして、学校におけるいじめ及び体罰問題についてお伺いをさせていただきたいと思います。
本年の6月28日にいじめ防止対策推進法が公布され、今月の28日から施行されます。同法は、いじめが、いじめを受けた児童等の教育を受ける権利が侵害され、その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず、生命等にも重大な危険を生じさせるおそれがあることに鑑み、いじめの防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進するために制定されたものでありますが、同法の第14条にいじめ問題対策連絡協議会の設置に関する規定が置かれています。
同条の規定は協議会の設置を義務づけるものではありませんが、昨今のいじめ問題の現況に鑑み、このような協議機関の設置は必要であり、県がその中心的な役割を果たすべきであると私は考えます。
そこで、いじめ問題対策連絡協議会の設置に関する教育長のお考えをお聞かせください。
○議長(山田正彦君) 教育長。
〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) いじめ問題の解決のためには、学校のみならず、教育委員会や児童相談所、警察等との関係機関が積極的に連携することは大変重要であると認識しております。議員御提案の連絡協議会の設置につきましては、県教育委員会としましても、いじめ防止対策推進法の内容を十分踏まえ、関係部局とも協議しながら前向きに検討してまいります。
私は、いじめ問題の解決のためには、こうした組織をつくることだけでなくて、教職員が何よりもいじめは人間として絶対に許されないという強い認識のもと、日々の学校生活の中で児童生徒の発する小さなサインを見逃すことなく、苦しみやつらさ、悩みなどをしっかりと受けとめて、迅速かつ丁寧に一人一人の心に届く温かな指導を継続していくことが重要だと考えております。
今後、市町村教育委員会に対しましても、さまざまな機会を捉えて、こうした県としての考え方を周知してまいります。
○議長(山田正彦君) 角田秀樹君。
〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 いじめ防止対策推進法施行を前にして、教育評論家の武田さち子さんという方が「毎日新聞」紙上でこういうふうに述べられておりました。「法律だけでいじめがなくなるわけではありません。でも、法律制定をきっかけにみんながいじめの問題に関心を持ち、真剣に取り組めば、少なくとも相手を死に追いやるほどのいじめはなくせると信じています」というふうな文面がございました。
いじめ問題に関しましては、各関係機関や関係者が連携して取り組んでいかなければならない問題でありますので、ぜひとも今後、より積極的な御検討をお願いいたします。
続きまして、体罰問題について御質問をさしていただきます。
昨年12月に大阪市立桜宮高等学校のバスケットボール部のキャプテンであった男子生徒が体罰を苦にして自殺した事件の初公判が、今月5日に行われました。成績評価や進路について影響力が強く、生徒から見れば支配的立場にある教諭の一方的な力関係にある人間関係の上でなされた一方的な暴力ゆえの悪質な行為であったとして、公開審理となったものであります。その法定では、体罰の実態が映し出されたビデオ映像も公開されたということでありました。
まず初めに、この事件についてどのようにお感じになっていたのか、教育長にお伺いをさしていただきます。
○議長(山田正彦君) 教育長。
〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 桜宮高校での体罰事件につきまして、当事者の声が詳細に報道されておりますが、子供を亡くされた御家族の言葉の1つ1つにかけがえのない命を奪われた無念さを感じ、本当にいたたまれない思いがいたします。
また、加害者である教員の反省の声を読むと、なぜもっと早く気づけなかったのか、指導の名のもとに暴力がまかり通り、それをとめるすべもなく裁判に委ねられるまでになった、そうしたことはまことに遺憾に思っております。
和歌山県の教育の責任者として、このようなことは決してあってはならないし、このような事象が起こらないよう努めてまいりたいと決意を新たにいたしているところでございます。
○議長(山田正彦君) 角田秀樹君。
〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 新聞報道であのやりとりを見る限り、お母さんがその教諭に対して、あなたの子供にやったらそういうことはできるかというふうな問いがあったときに、御本人は「できません」というふうな、そんな記事もあったように思います。じゃあ自分の子供と他人の子供は違うのかな、学校の先生というのはそうであって果たしていいのかな、自分の生徒は自分の子供のように思って、そして育んでいくというのが本来の教師の姿勢ではなかったかなというふうに思えてならなかった一文を思い出しました。
次に、本年8月9日に、体罰の実態把握について第2次報告が文部科学省から公表されております。この報告は、全国の国公私立の小・中・高等学校等において平成24年度に発生した体罰の状況に関するものであります。
そこで、この報告に係る本県における体罰の発生状況とその対応について、教育長にお伺いをいたします。
○議長(山田正彦君) 教育長。
〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 本県の公立学校においては、小学校31人、中学校57人、高等学校36人、特別支援学校4人、合計78校で128人の教員が体罰を行っており、このことは大変遺憾であると受けとめております。
この結果を真摯に受けとめ、体罰防止のため新たに作成した「不祥事防止マニュアル」や「部活動指導の手引き」を各市町村教育委員会及び各県立学校等に配布し、研修等で活用することとしました。また、来月には、中学校、高等学校の教員及び外部指導者を対象に、運動部活動に関する研修会を開催する予定です。
今後も、教員が情熱を失うことなく、体罰に頼らない教育を進めていくよう指導してまいります。
○議長(山田正彦君) 角田秀樹君。
〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 引き続き、体罰の現状等を分析することにより、適切な対応をお願いいたします。
実は最近、私のところにクラブの顧問と生徒の関係で御相談をいただきました。その中で、教師の方からこういう発言が実はあったんですね。1年、2年、そして3年という中でいろいろと社会的な体罰という大きな問題がクローズアップされる中、この顧問の先生は殴るということについてはやってません。
しかし、本人がおっしゃってるらしいですね。「殴ると体罰や」と。だから「グラウンドを回ってこい」と。「これやったら要するにトレーニングというふうにできるから体罰じゃないんや」と、こういった何かへ理屈のようなお話もしたようですが、私が一番問題にしてるところは、いろいろ文言はあるんですが、「俺は、親に言おうが教育委員会に言おうが、いつでもやめる覚悟はできている」。
この言葉は、開き直るというよりも、俺が最高であり、そういう深層心理の中で、俺の言うことを聞かんかったら、おまえらいつでも、首にするとは言いませんけれども、虫けらのように扱ってるんじゃないかなという、この言葉の部分が非常に見え隠れしてならないし、学校現場において、教師たるもの、こういう言葉は絶対に言ってはいけないというふうに感じました。
この方から、校長と、教頭と、そして御父兄のいろんな1時間57分におけるそのテープも拝聴をさしていただいて、きょうはこの件について御質問をさしていただいております。
こういう開き直りに近い発言、私は、このような問題に直面したとき、改めて教師と生徒の信頼関係を構築することの大切さというものに気づきました。教師のほうが生徒との信頼関係ができ上がっていると逆に思っているんであれば、その指導そのものが一方的な思い上がりであるというふうに断言をしたいと思います。そして、生徒の側からすると行き過ぎた指導、そういったものもクローズアップした場面でもあったと思います。
学校教育において、日ごろから教師と生徒との信頼関係というものをどう築いていくかというこの取り組み、これが非常に重要であるというふうに考えますので、この点について教育長はどのようにお感じになったのでしょうか。御所見をお聞かせください。
○議長(山田正彦君) 教育長。
〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 教員と児童生徒の信頼関係は、教育の根幹であるものと考えております。この信頼関係を築くためには、教員は、児童生徒が心から納得し、共感できる指導を行うことが肝要であり、どこまでも児童生徒を信じ、一人一人の可能性を信じ、最後までかかわっていくことが大切であると考えます。
今後もこうした信頼関係を大切にし、豊かに心の通い合う教育活動に取り組んでまいります。
○議長(山田正彦君) 角田秀樹君。
〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 今、その事実関係云々というような言葉をちらっと聞きましたんで、お話をしときたいと思いますが、この生徒の親が、「子供に言ってはいけない言葉を連発して子供の心を傷つけてるんじゃないですか」というふうにその先生に対しておっしゃいました。その先生は、かっとなって怒って、何を言ったか覚えていないというふうにおっしゃってました。また、その御主人は、「現場にいて全部聞いてたんや。覚えてないでは通用せんやろ」という、このようなやりとりが実はあるんですね。
だから、自分が言ったことすらわからないという、そういう顧問がいてるというのは、やっぱり、教育長、非常に厳しいもんがあるというふうに私は思っております。どうぞ今後の処置について、適切な処置をよろしく重ねてお願い申し上げます。
次に、教員の人事交流についてでありますが、聞くところによりますと、平成24年度の数字で、同じ県立学校に10年以上勤務する教諭等が高校で全体の約20.2%に当たる322人、特別支援学校では全体の約36.3%に当たる262人おられたということであります。その中には、20年を超えられる方もおられるというふうにお聞きいたしました。
これにつきましては、いろいろと事情もあるでしょうし、一概によし悪しを論じることはできないかもしれませんけれども、一方、教育委員会が策定されております教職員の人事異動方針には、「学校や地域の活性化を図るため、同一校及び同一地域に永年勤続している者について、校内体制を十分勘案しながら積極的な人事異動に努める」という一文が見られます。
私の意見としましては、指導面で秀でた長所がある先生であるならばなおさら、いろいろな学校へ異動していただいて、多くの児童生徒に教え伝えていただきたいというふうに考えるものであります。そういう人事交流を行うことによって、学校も活性化していくのではないでしょうか。この点について、教育長の御所見をお聞かせください。
○議長(山田正彦君) 教育長。
〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 議員御指摘のとおり、県教育委員会では、学校や地域の活性化を図るため、同一校に永年勤続してる職員について、積極的な人事異動に努めることを教職員人事異動方針に位置づけて人事異動を行っているところです。
今後もこの方針を踏まえ、校内体制を十分勘案しながら、児童生徒のより豊かな成長を目指し、適切かつ積極的な人事異動を行い、県民の信頼や期待に応えられる学校づくりに努めてまいります。
○議長(山田正彦君) 角田秀樹君。
〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 これは要望なんですが、できましたら積極的な人事異動、適切な人事異動をよろしくお願いしたいと思います。
先ほどの事例を挙げさしていただきました。当初、校長先生に御相談に行ったんですね。校長は、私はまだ4月に着任して間がないんでようわからんという話なんです。これは、実際の話だと思うんですよ。その先生はもう何十年といてる。その顧問は何十年かのベテランやから、その学校の隅々まで知ってるんやという、この過信が怖いんですね。だから、もう一度教育の原点というものに立ち返っていただいて、教育行政の根幹に係るもんであるというふうに私は思いますので、どうかよろしくお願いをしたいと思います。
釈迦に説法でございますけれども、吉田松陰のことをちょっと引用さしていただいて要望にかえさしていただきます。
吉田松陰は、心底人間の可能性を信じ抜く人であったと。松下村塾のみならず、野山獄にあったときもその姿勢は一貫していた。彼は囚人一人一人の長所を認め、心からたたえた。君は書がうまい、あなたは俳句ができる。そして、みずから生徒となって学びもした。松陰には信念があった。「人間は皆何ほどかの純金を持って生まれている。聖人の純金も我々の純金も変わりはない」というふうに、吉田松陰は、野山塾でありますから――囚人が放り込まれてるところに幽閉されてあったんでしょうね――その心で囚人をも教師に変えた。札つきの悪人さえ見事に改心させていった。
また、御書には、「余りに人の我をほむるときは如何様にもなりたき意の出来し候なり」──自分の長所を認められてうれしくない人はいない。褒められれば心が弾む、元気が出る、力が湧く。当然の心理であります。
また、ある生花店を営んでる方がこういうふうにも語っております。「植物も優しく話しかけてやることが肥料になるんですよ。人間にとって温かい励ましがどれほど大切か」というふうな文もありました。
こういう先人の故事に従って、どうぞ教育改革に、ひとつこういう事案が起こらないように不断の努力をお願い申し上げる次第でございます。
続きまして、「和歌山おもてなしトイレ大作戦」について御質問をさしていただきます。
今議会の開会日の知事の説明の中で、和歌山おもてなしトイレ大作戦のお話がございました。私は、非常にこれは本当にありがたいなというふうにも考えております。これから3年連続で大きなイベントが続き、多くの方に本県にお越しいただくチャンスとなります。そんなときにお使いいただくトイレが使い勝手がよく不快感を与えないものであることが観光客の方によいイメージを与え、また来たいなというふうに思っていただくための大きな要因になるはずであります。ぜひ積極的に進めていっていただきたいと思います。
そこでまず、商工観光労働部長にお伺いいたします。
和歌山おもてなしトイレ大作戦は、平成25年度、そして26年度の2カ年で行うということでございますけれども、対象となる県有施設及び市町村管理施設はどれくらいあるのでしょうか。また、具体的にはどのような形で整備を行うのでしょうか。
○議長(山田正彦君) 商工観光労働部長藤本陽司君。
〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 紀の国わかやま国体、紀の国わかやま大会の開催を初め、本県に来訪される方々に快適な時間を過ごしていただくため、和歌山おもてなしトイレ大作戦を展開しているところです。
本年度からの2カ年で整備を予定している箇所数は、現在、県有施設については160カ所、市町村と協議が調った施設については、平成25年度171カ所、平成26年度128カ所の合計299カ所となっています。
なお、市町村とは、さらなる整備につきまして引き続き協議しております。
具体的な整備内容については、全ての小便器に洗浄機能をセンサー化することや、最低1器は温水洗浄便座つき洋式トイレの設置をすることなどでございます。
○議長(山田正彦君) 角田秀樹君。
〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 じゃ、よろしくお願い申し上げます。
皆さんのお手元に資料配付をさしていただきましたが、この夏、高野龍神国定公園護摩壇山園地公衆便所、小便器3つあるんですが、2つテープをつけて使うたらあかんというんですよ。真ん中の1つしか使われないという。たまたまこの日に寄せてもうたときに、車2台とツーリングの単車が全部で10台ほどございました。大体13名ぐらいの観光客がこちらのほうに見えられとったわけでございますが、こういうのが自然公園、その国定公園の中で朽ち果ててるなという部分もございましたけれども、今、御答弁をいただきまして非常に期待をしているところでございます。
次に、個別のトイレについて。
今、お写真を提示さしていただきましたが、多目的トイレというのは洋式便器でありましたが、このように写真のとおり、男性用、女性用トイレとも和式便器が設置されております。もうこの写真のとおりでございますので、多くの観光客が訪問するごまさんスカイタワーの前の設置、高齢者やお体の不自由な方も本当にすがすがしく利用をできるように、今後の当局の対応についてよろしくお願い申し上げたいと思いますので、もう一度、環境生活部長にお願いさしていただきます。
○議長(山田正彦君) 環境生活部長。
〔塩崎 望君、登壇〕
○環境生活部長(塩崎 望君) 議員御質問の高野龍神国定公園護摩壇山園地の公衆便所につきましても、先ほど商工観光労働部長の答弁にありました和歌山おもてなしトイレ大作戦の方針に基づき整備を行ってまいります。
具体的に申し上げますと、平成25年度中に男性用小便器のふぐあいを改修することはもちろんのこと、男性用では1器、女性用では2器の便器を温水洗浄用便座つき洋式に、多目的便所については、温水洗浄機能つきにすることとあわせて、オストメイト対応設備を持たせるよう改修を行うこととしております。
○議長(山田正彦君) 角田秀樹君。
〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 1点だけ注文をさしてもらいたいんですが、大のほうなんです。
できたら手すりもつけてもらいたいと。和式のところ、できれば手すりをつけていただいたら非常にありがたいなと。変な話になりましたが、どうかよろしく、これは要望でございますので、お願い申し上げます。
次に、その資料の右端のところなんですが、もう1カ所、南海和歌山市駅におけるトイレ整備なんですね。
先般、大きく報道でJR西口のところに4000万かけてトイレ整備がという話がクローズアップで出ておりましたけれども、現在、南海和歌山市駅ビルの1階には一般の方が使用できるトイレがございません。2階の改札口の内側のトイレ、またはその南海市駅ビルの地下に設置されているトイレを利用するということであります。今、非常に不便な状況なんです。例えば、1度改札口から出た鉄道利用者が、トイレを利用するためだけに再び改札の内側に戻らなければならないということもあり得るわけであります。
南海和歌山市駅は、和歌山市の西の玄関口であり、乗降客数も県下でJR和歌山駅に次いで2番目に多い駅であります。2年後の紀の国わかやま国体の開催時には、さらに多くのお客様をお迎えすることになるというふうに予想されます。このような和歌山市駅の動線が利用者に不便を強いるようなものであってはならないのではないでしょうか。
そこで、南海和歌山市駅の1階に安全で利用しやすいトイレを設置するべきであると考えますが、事業者への働きかけ等について企画部長の御所見をお伺いいたします。
○議長(山田正彦君) 企画部長野田寛芳君。
〔野田寛芳君、登壇〕
○企画部長(野田寛芳君) 南海和歌山市駅におけるトイレ整備についてでございますが、鉄道駅は観光客を初め多くの乗客等が利用する施設であり、そのトイレが美しく整備されていることは、本県を訪れる方々へのおもてなし向上のためにも大変重要であります。このため、県が進める和歌山おもてなしトイレ大作戦として、駅トイレの美化・整備について各鉄道事業者に対し要請を行っておりまして、現在、南海電鉄においても、具体的な整備方針の検討を進めていただいているところでございます。
議員御質問の南海和歌山市駅は、県外との結節拠点の1つとして乗降客が多い県内有数の重要な駅でありますので、県といたしましては、和歌山市駅1階のトイレの整備について引き続き働きかけてまいります。
○議長(山田正彦君) 角田秀樹君。
〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 よろしくお願いを申し上げます。
以前にも、こちらのほうでプラットホームの中のエレベーター設置を要望さしていただいて、当局の御努力で、おかげさまで今現在、エレベーターは設置されました。車椅子の利用者の方、また高齢者、また旅行者等々、非常に利便性が高い駅に変わったわけでございますので、どうか引き続きこのトイレにつきましても、観光客動線の中で見やすいところで、また安全の担保ができるような、そういうもので、関係の事業者ももちろんではございますが、和歌山市ということの観点もひとつあわせて御努力をお願いしたいと思います。これは要望にかえさしていただきます。
最後に、道路及び県管理橋の整備等についてお伺いをいたします。
まず、道路についてでございますが、和歌山市にある北島橋の南詰を紀の川に沿って南海電鉄の鉄橋のほうに向けて東進する道路については、非常に幅が狭く、自動車同士が対向するのに非常に危険な箇所がございます。また、当該道路では、原動機付の自転車や、また普通の自転車での通行者も多く、事故の発生リスクも非常に多いように思われます。この箇所について、拡幅等の何らかの措置はとれないものでしょうか。県土整備部長にお伺いいたします。
○議長(山田正彦君) 県土整備部長尾花正啓君。
〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 北島橋周辺の紀の川左岸道路につきましては、青岸から北島橋の間が港湾の臨港道路で、議員御指摘の北島橋から南海電鉄踏切付近の間が紀の川の河川管理用通路となっております。また、その先は市道となっております。
この河川管理用通路について、紀の川を管理する国土交通省に確認したところ、河川管理上支障を来していないことから、拡幅の予定はないとのことです。また、市道としての整備につきましては、和歌山市から、南海電鉄との交差を初め拡幅には多額の事業費が必要となるため、他の路線の進捗状況や財政状況から、現時点での事業化は困難な状況であると聞いております。
県としましては、周辺では右岸堤防である市道を県道と交換し、都市計画道路北島湊線として県が整備しており、北島橋南詰付近の交通量の減少も期待されているところで、今後、こうした一連のネットワーク効果による交通の状況も勘案しながら市に働きかけてまいります。
○議長(山田正彦君) 角田秀樹君。
〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 どうぞ和歌山市にもしっかりと働きかけていただいて、あの一面の道路整備の完成を期待さしていただきたいというふうに思います。
この道路につきましては、県が運営してる和歌山競輪場の駐車場への進入路にも面してるわけであります。その安全管理の面からも、ぜひとも積極的に働きかけを行ってください。先般も競輪の関係の皆さんにもお集まりいただきまして、お話を聞かしていただきました。特にダービー、場外発券ですか、それ以外に、そこでの競輪の開催時に、この河川敷のところを仮駐車場ということでやってます。そのときに、やはり結構車が多いように考えます。危なくないようにということで、ひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。
次の2と3につきましては、分割ではございますが、関連しておりますので一括して質問をさしていただきたいと思います。
県管理橋の防護柵の高さについてでございますけれども、転落防止のために昭和61年に国の安全基準が引き上げられ、それまで90センチメートル以上とされていたものが、歩道については110センチメートルに引き上げられました。この点に関してお伺いします。
橋長15メートル以上の県管理橋のうち、歩道の防護柵の高さが110センチメートルに満たないものはどの程度あるのでしょうか。また、現時点で歩道の防護柵の高さが110センチメートルに満たない県管理橋については、どのように今後の対応をしていかれるのでしょうか。県土整備部長にお伺いをさしていただきます。
○議長(山田正彦君) 県土整備部長。
〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 橋梁の歩行者用防護柵の高さにつきましては、昭和31年の鋼道路橋設計示方書では90センチが標準とされ、昭和55年には90センチ以上と改定されました。また、昭和61年には110センチ程度の高さのものが多く設置されていることから、これを標準とする「防護柵設置要綱・資料集」が日本道路協会から出され、これ以降、新しく整備するものについてはこれを適用してきたところです。
議員御質問の防護柵110センチ未満の橋梁数ですが、橋長15メートル以上で歩道が設置されている県管理橋梁は297橋あり、このうち240橋の歩行者用防護柵につきましては高さが110センチ以上で、残る57橋が110センチ未満となっております。
また、対策につきましては、これまでも橋梁の老朽化対策工事の際に新しい基準に適合するよう取りかえているところであり、今後も老朽化の状況等を勘案しながら適切に対応してまいります。
○議長(山田正彦君) 角田秀樹君。
〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 この間、8月の15日に、自治体管理の橋26%が要修繕という、こういう大きな記事が載っておりました。和歌山県も建設してから50年以上というのが167橋ですかね、まだ50年以上の割合が全体の橋の17%を占めてあると。
今後、補修、修繕等々をやっていかなければならないというふうに思いますので、その際には、今申し上げましたように、防護柵については110をめどにひとつよろしく改善をしていただいて――交通安全対策、また歩行者、自転車の皆さんが落橋して落ちないようにということの思いで、恐らく90から110に、そういうふうに変更になったというふうに思っておりますので、どうぞその際にはよろしく改修のほうをお願い申し上げまして、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(山田正彦君) 以上で、角田秀樹君の質問が終了いたしました。