平成25年9月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(松坂英樹議員の質疑及び一般質問)


平成25年9月 和歌山県議会定例会会議録

第5号(松坂英樹議員の質疑及び一般質問)


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 質疑及び一般質問を続行いたします。
 40番松坂英樹君。
  〔松坂英樹君、登壇〕(拍手)
○松坂英樹君 通告に基づき、以下4つの項目で一般質問をさせていただきます。
 最初に、和歌山県がなくなる道州制についてお尋ねをいたします。
 今、国会では、都道府県を廃止し、自治体の広域化を強制的に進める道州制への動きが大変急となっております。政府・与党は、道州制の導入推進を政権合意文書に盛り込み、道州制推進基本法案をさきの国会へ議員立法で提出しようと進めてきました。
 その一方で、全国町村会や全国知事会など地方6団体を初め、各界から反対、慎重の意見が出たため法案提出は先送りされ、選挙後の次期臨時国会での提出が狙われています。
 道州制については、時の政府、自民党、民主党、維新の会、財界など、さまざまな立場から推進が叫ばれてきました。新しい国づくり、究極の構造改革などとして、国のやるべき仕事を外交、防衛など非常に狭い分野に限定し、医療、介護、教育などの仕事は、権限移譲の名のもとに道州や基礎自治体に押しつける国家の大リストラとも言うべきものです。
 財界は、道州の役割として、行革でひねり出した財源を中心部への産業基盤整備に集中することを露骨に求め、経団連も緊急提言を発表し、道州制基本法成立への取り組み加速を求めています。
 日本共産党県議団は、この道州制推進は、国の責任を放棄し、地方自治を破壊するものだと批判してまいりました。政府・与党の道州制基本法案では道州制への移行スケジュールが示され、基本法成立後に道州制国民会議に諮問を行い、その国民会議は諮問を受けた後3年以内に答申をする、そして答申に基づき2年をめどに法整備をしなければならないなど、合計5年程度で道州制の導入を目指すと。スタートさえすればとんとん拍子に話が進められていきかねない、そういう重大な情勢となってきたわけです。
 これには全国町村会など地方からの反発があり、参議院選挙に配慮して期限を明記しなくなったものの、方向はまさにそこを目指して進んでいるわけです。5年後に道州制となれば、2年後の和歌山国体のときには和歌山県は存在するが、7年後の東京オリンピックのときには和歌山はもうなくなっているのかという、もうすごく近い将来の話でして、えっ、もうそんなことになってるのという話が聞こえてきます。
 この重大問題、国会での動きだというふうに放置せず、県議会としてもしっかりと議論する必要があると考え、以下、仁坂知事に、現在政府が進めている道州制、これへの所見を順次お伺いしてまいります。
 まず第1点目に、道州制と関西広域連合との関係であります。
 関西広域連合については、知事はこれまでの議会答弁でも、府県の存続を前提としている、道州制を前提とするものではないという認識を示されてきました。ところが、政府は、今回、はっきりと都道府県を廃止し、全国の区域を分けて道州を設置すると、こういうふうに明記をした法案を出すわけです。
 この道州制の急展開について、関西広域連合ではどう議論され、知事はこの道州制の動きと関西広域連合の関係、どんなふうに考えておられますか。まずは、この点について答弁を願います。
○議長(山田正彦君) ただいまの松坂英樹君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 関西広域連合は府県との併存を前提としたものであるのに対しまして、道州制は府県の廃止を前提とした組織であります。また、広域連合は地方自治法に基づく組織でありますが、道州制の実現には新たな法律の制定が必要となるなど、設置根拠も異なる組織であります。
 このように、広域連合がそのまま道州に転化しないということは明らかでありまして、関西広域連合設立に際しての前提となっております。また、本県が広域連合への参加の議決をいただいた平成22年9月の県議会においても、その旨の附帯決議をいただいております。
 現在、与党において道州制導入を推進するということになっておりますが、道州制の具体的な制度内容、これは必ずしも明らかではございませんで、関西広域連合においてもいろいろな議論がありますが、私は、ムードとか、あるいは行きがかりとか、あるいは政党間の対立軸とかの理由で大事な地方自治制度が軽率に変わってしまうということについては困るというふうに思いますし、関西広域連合の他の諸君も同じように思っているというふうに思います。
 自民党及び公明党による道州制基本法案、骨子案が発表されておりますが、これは道州制に係る重要事項や制度設計を道州制国民会議に検討をさせるというような内容に今のところとどまっておるということでございますので、したがって、関西広域連合では、制度の根幹について明確にした上で、国民会議での調査審議を行うように自民党及び公明党に対して4月に申し入れを行ったところであります。制度の根幹というのはどんなふうなのがいいと思ってるんだけど検討してくれと、まあこういうことでございますね。
 さらに、政府が進める道州制について、その課題、問題点を指摘していくために、関西広域連合の中でも道州制のあり方研究会を立ち上げて独自に検討を行っているところであります。
 道州制をめぐって、関西広域連合の委員の中の議論もちょっと御紹介いたしますと、県が道州に統合されて、その道州が国の出先機関となってしまっては困ると、これをいわば悪口的に中央集権型道州制とこう言うんですけれども、それは困るというような議論があります。
 一方では、その割には出先機関を移譲せよという意見が強くて、それをぱっとうまく利用されるとそういうことになるなあというところについては懸念があるということであります。
 ある委員は連邦制がよろしいというようなことを言うておられますが、何でも別々の制度をつくれば世界の中の日本の地盤沈下が起こると、私なんかは思います。そうでなくても、世界は今、統合化に向けて結構動いているんで、大丈夫かなあと。
 このように、我々の中でも議論が収れんしておりませんし、ましてや日本全体ではそういう状態だと思います。まずは、ムードだけではなくて、しっかりとした設計が必要なので、したがって、道州制基本法案の国会の提出時期については余り我々もよくわかっておりませんけれども、中身の議論をしっかりしようということを、タイミングを失することなく、我々としても指摘を行っていくべきではないかと、そんなふうに思っております。
○議長(山田正彦君) 松坂英樹君。
  〔松坂英樹君、登壇〕
○松坂英樹君 広域連合の議論の中でも、国主導で一気に進むことを懸念しておられるという中身だったと思います。課題や疑問点、問題点も指摘していくというお話でした。
 知事は、本県議会での広域連合はそのまま道州に転化するものではないという附帯決議にも触れられましたけれども、そういう経過からしても、このまま進んでいくのはちょっと待ったという内容であるということだと思います。
 では、今度は角度を変えて、大阪のことだと考えていたら大阪だけではおさまらなくなってきている大阪都構想との関係です。
 ただいま選挙が行われている堺市長選挙でも、この大阪都構想が大争点となっています。維新の会と大阪府・市が強硬に進めようとしている大阪都構想は、当初、二重行政の解消等を掲げていたわけですが、大阪市と堺市だけでなく周辺10市ぐらいを合併し、尼崎や西宮を越えて神戸まで特別区にしたいと。こんなふうに近隣府県の自治体も大阪都に組み込む構想を示し、道州制に至るプロセスの中に大阪都構想があると。こうして都構想は関西州への地ならしであり、道州制へと突き進む姿勢であることがあらわになってきております。
 このような新たな状況が見えてくる中で、知事は、道州制と大阪都構想との関係、これについてはどうお考えですか。御所見をお示しください。
○議長(山田正彦君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 一言で言うと、何の関係もないというのが答えなんでございますが。大阪府と大阪市は、大阪市を廃止して5から7の特別区に再編する大阪都構想を具体的に設計して、それを公表しているわけです。これは報道でありますけれども、府市議会の議決とか住民投票を経て、早ければ平成27年4月からの移行を目指すというふうにしているようであります。
 一般に政令市とか政令指定都市と言うんですけど、それから中核市というような制度がたくさんありまして、先ほどの道州制の観点から言うと、もうちょっと統合しようという議論が一方である中で、実はその47もある都道府県の権限をさらにそこだけ移すというようなことが制度としてあるわけであります。すなわち、これは分割の思想だなあというふうに思います。
 しかし、どうしても一部だけ権限を移すということで、じゃ手を引いてしまうわけにはいきませんので、二重行政になりがちだし、税源の偏りが大変あります。大阪都構想は、大阪府と大阪市のそういった意味での不都合の解消を目指すというようなものだったと私は理解しておりまして、大阪府の中の話であります。
 道州制は、現行の都道府県の区域を越えるより広域的な自治体を設置するものだと理解しておりますが、そういうことであれば、実は両者には何の関係もありません。したがって、論理的には何の影響もあり得ないと私は思います。
○議長(山田正彦君) 松坂英樹君。
  〔松坂英樹君、登壇〕
○松坂英樹君 知事は、現時点でも道州制と大阪都構想は何の関係もないと、別のものだという考えのようです。知事が引き合いに出された大阪府と大阪市との話し合いの中身というのはそうであっても、この維新の会としての方向はそういうところにおさまらずに、メッキが剥げてきて、はっきりしてきてるというふうに思うんです。中の話だと、どうぞ大阪でやってくださいという話ではないというふうに指摘をしなければなりません。
 それでは、今お話をした道州制と関西広域連合、そして道州制と大阪都構想の関係をお尋ねしたんですが、その中での答弁も踏まえまして、現在政府が進めている道州制そのもの、和歌山県がなくなる道州制について、これは3点目ですが、知事に質問をさせていただきます。
 数年後にも和歌山県をなくそうとしている道州制推進基本法案は、和歌山の地方自治や県民の暮らしを大きく変える問題であるにもかかわらず、知事も触れられたように、道州制の形も中身も国民会議への諮問に委ねられていて、全く明らかではありません。都道府県の廃止だけははっきり書いていて、肝心の中身は国民会議にいわば丸投げなんですね。
 また、拙速な国会での駆け引きとは対照的に、和歌山県民には知らされていないし、議論もほとんどされていないと、こういう状況だというふうに思います。
 県内でも全国的にも、道州制の具体的な姿も財源も債務の扱いも明らかでないとか、さらなる市町村合併が前提ではないかとか、道州制ありきのまま進めていってもいいのか、こういう声が出されていますが、これらの問題点、知事はどうお考えですか。政府が進める道州制とその方向性について、知事の御所見をお示しください。
○議長(山田正彦君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 先ほどの道州制と、それから大阪都構想なんですけれども、維新という政党をそんなに知りませんが、外から見ておりますと少なくとも2つ主張があって、それで1つは大阪都であり、それは多分ほかのところにも広げようということかもしれませんが、もう1つは道州制で、こっちだからこうだというようなことは私は寡聞にして知らないわけで、論理的にも別物だというふうに思います。
 次に、道州制そのものをどう思うかということですが、たびたびこの議会でも私は申し上げておりまして、考え方はあんまり変わっておりません。
 明治時代に設定された現行の都道府県の区域は、現在の時間距離とか、あるいは科学技術の発達あるいは専門化、そういうことを考えると、どうも狭くなっているのは明らかだなあというふうに思います。日本全体のことを考えると、行政の効率とか人々の幸せとかいろいろ考えると、道州制の導入は長い目で見て不可避ではないかなあというふうに思う次第であります。
 しかしながら、道州制は、地方分権を推進するためのものでなければならないと考えておるわけであります。それは何かというと、そもそも地方分権とは、これは地方と国がそれぞれ責任を持って、自分で自分のことを決められるということだと思います。そのためには、まず国が責任をとるべき事務、これは国が統一のためにやらないかんと、あとは地方で任すからどうぞと、そこは自分で責任をとってやってくださいということを整理した上で、地方が責任を負う事務については国から関与を受けることなく、財源も保障されるということが必要であります。
 また、道州制のもとで資源配分が、現在和歌山県に居住する住民にとって現状よりもえらい不利になるというようなことでは困ります。有益な制度となるように、うまく我々としては運動していかないといけません。
 具体的には、そのためには、これも何度も申し上げておりますが、道州間の財政調整とか道州内の財政調整とか、そういうものもきちんと整理しておいて、同時に決定していかないといけないんじゃないか、そんなふうに思いますが、その詳細な制度設計が不分明でありますし、主導される方の中からも、そういうことについてこうしようという話が余りないというのが私の感想であります。
 したがって、その導入をするかどうかということは、そういうのを一体となってきちんと考えないといけないんで、今のところ、なかなかイエスとかノーとか難しいんじゃないかなというふうなのが私の意見です。
 道州間の調整、例えばこれがあんまり議論されないで、エイッとやってしまいますと、多分東京を中心とする州のひとり勝ちになってしまうというようなこともあると思います。道州制を現在唱えているオピニオンリーダーみたいな方がいます。そういう方の本などをよく読むと、私が今必要だと思ってたことは精緻に考えられている感じがあんまりなくて、それでやっぱり現状が今すごい閉塞状況で気に入らない。だから、この際、ガラガラポンすればバラ色の未来が待ってるというような主張が主流だなという感じがするわけで、制度の設計というのはそれだけじゃいけないというふうに私は思います。
○議長(山田正彦君) 松坂英樹君。
  〔松坂英樹君、登壇〕
○松坂英樹君 知事からは、長い目で見れば道州制が不可避だと考えるということや、道州間の調整、道州内の調整の機能、資源配分がしっかりしないと、和歌山県民は、言いかえれば大打撃を受けかねないという認識であったかと思います。
 それで、私から知事に引き続き質問をさしてもらうんですが、最初の答弁でお答えいただいたように、今進めようとされているこの道州制の動きというのは、都道府県を廃止するという結論だけあって、中身丸投げの移行を進めていると、これはぐあいが悪いということははっきりしてると思うんですね。そして、地方分権にプラスでなければ意味がないというのに、その保障がない。
 だからこそ、全国知事会だとか関西広域連合では、知事おっしゃったように意見はいろいろあって、ばらばらですから、問題を提起するというように最大公約数的な態度になるんでしょうけども、和歌山県知事としては、道州制というのはイエス、ノー難しいと、こういうことじゃなくて、はっきり態度表明できると思うんです。今の進め方の問題点を指摘するというだけでは不十分ではないでしょうか。国が進めている今のやり方、中身から議論するというんじゃなくて、道州制ありきで結論だけ決めてとりあえずスタートするというのでは賛同できないというふうに、はっきり物を申すべきではないでしょうか。その点はいかがでしょうか。
○議長(山田正彦君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 松坂議員の御指摘ではありますが、私は、例えば手続を先に決めるということが絶対間違っていると思いません。それを提起していくということを主張するということも1つのやり方だと思います。
 だから、その時点で不十分だから、全部そろってないから反対だというのは、これまた言い過ぎということではないかと私は思いますので、私が今考えてること、それから主張すべきことは、先ほどの答弁で全部申し上げました。(「わからんな」と呼ぶ者あり)
○議長(山田正彦君) 松坂英樹君。
  〔松坂英樹君、登壇〕
○松坂英樹君 わからんという声がありましたけど、どうもはっきりしないんですね。
 広域連合の姿勢もそうなんですけども、問題点は指摘しつつも全体として国の動きについていってしまうと、そういう弱点があるということを指摘しなければなりません。
 そこで、もう1つ突っ込んで質問しますけども、道州制への移行はさらなる市町村合併を押しつけて地方の衰退を招くと、こんなふうに全国町村会や町村議長会も一丸となって痛烈に批判をしております。県内でも、もちろん全国でも、この9月議会に、議会からの道州制反対の意見書が続々と上がっています。昨日までにも、有田郡内3町でも全ての議会で意見書が上がったと聞いております。
 私は、知事への質問で、今の道州制はさらなる市町村合併が前提ではないかというふうに危惧をされていると、これはどうなんだという質問に、その点で知事の答弁は、地方分権を進めるものでなけりゃならんというふうな、いわば一般的なお答えしかなかったと思っております。
 県内の市町村に知事としてどういう姿勢を示すんでしょうか。いや、これは大変な問題なんだと、法案には市町村じゃなくて基礎自治体としか書いてなくて、何を押しつけられるかわからないんだと、御一緒に今のやり方にはストップかけましょうと言うべきところではないんでしょうか。知事は、国の側に立つんですか、それとも市町村と一緒に地方の立場に立つんですか。この点で道州制の所見を再度お示しください。
○議長(山田正彦君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 松坂議員は、どうしても私に絶対反対と申し上げさせたいというような感じがあると思うんですが、私は、何度も言っておりますように、先ほど申し上げましたとおりの考えでいるんです。
 例えば、市町村の懸念はわかります。だけど、その懸念が絶対にそうなるんだと、つまり全国で、例えばどこかの方が言っておられたように300しか市町村はもう認めないことにして、そのぐらいでないと、小さいやつはもうだめだというようなことを言ってるかというと、そうでもないわけですよね。
 ですから、それはやっぱり自分のところの市町村の広さ、それをどういうふうにして設計していくか、それは住民の方々がむしろお決めになることなんで。それを強制的にやるという案が出てきたら私は反対ですけれども、しかし、そうなると、必ずそうなるに相違ないと思って全部反対と言ってたら全ての議論が封じられてしまうと、そんなふうにも思います。
○議長(山田正彦君) 松坂英樹君。
  〔松坂英樹君、登壇〕
○松坂英樹君 御答弁をいただきました。
 私は私なりの考え方をお示しして、知事の姿勢をただしているわけでございます。おつき合いをいただきましたが、知事のお考えはお聞きいたしました。きょうのやりとりはこれぐらいにして、以下は私の要望とさせていただきます。
 私、都道府県の固まりというのは、政治や経済だけじゃなくて、やはり歴史や文化、スポーツなど、県民生活のあらゆる分野で一体感があるわけなんですね。だから、何とかケンミンSHOWとかもテレビで人気があるわけです。
 今議会の論戦でも、和歌山の子供は和歌山で育てるんだというようなことですとか、また、立派なプールができて、これまで優秀な選手が県外へ流出していたのが地元県内で強化できるとか、こういう和歌山をどうするという話が一生懸命されている。これはすばらしいことだと思うんですが、こういった熱い思いは和歌山県がなくなるとどうなってしまうんでしょうか。甲子園の全国高校野球大会が道州制になって、8つの道州対抗でやると盛り上がるでしょうか。各州代表の5チームずつが出場なんてなると、大阪の学校ばっかりになるんじゃないでしょうか。
 また、県の仕事というのは、県庁は市町村と呼吸を合わせながら、いろいろ相談しながら進めてきました。ワクチン接種を一緒にやろうとか、鳥獣害対策をやろうとかですね。国全体ではまだだけども、大事なことだから自分たちから始めようと、誇れることを県内市町村とやってきました。これが関西州2000万人の規模になると、一緒に頑張ろうとなるでしょうか。一つ一つの特徴ある、きらっと光る基礎的自治体のよさが生かされるでしょうかと私は思います。
 私は、道州制ありきで都道府県を廃止するようなやり方ではなくて、削られてきた交付税を戻すなど、もっともっと地方の財源や役割を保障し、地方自治の回復、強化をすることこそが必要だと訴え、和歌山県としても、自然豊かな県土と県民の暮らしを守るよう強く要望しておきたいと思います。
 次に、質問の第2項目めの教育問題に移らせていただきます。
 1点目は、高校授業料無償化への所得制限についてです。
 政府は、来年度から高等学校の授業料無償化に所得制限を導入し、無償化の流れを後戻りさせようとしています。政権交代による政策変更の象徴的なものとして位置づけられているようですが、これは長年の父母、教育関係者を初めとする国民の願いに逆行するものです。また、世界的に見ても、義務教育の無償化はもちろん、中等教育の無償化は世界の流れであり、これにも逆行するものです。
 日本政府はこれまで、高校や大学の段階的な無償化を定めた国際人権A規約13条の適用を留保してきましたが、昨年の9月に政府自身がこの留保を撤回しました。世界に向けて態度表明したように、国内政策もこの無償化の方向に向かって一歩一歩進んでいくべきです。
 長崎県議会からも、7月に、「公立学校の授業料無償制の堅持と給付型奨学金制度の創設を求める意見書」が可決されたと聞いております。県教育委員会としてこの問題をどう考えるのか、お示しください。
 次に、少人数学級の充実についてです。
 文部科学省の来年度概算要求によりますと、36人以上学級の解消など少人数学級の拡充について一定の前進が見込まれることになっています。ところが、この措置は1学級が20人以下になる場合は除くと、こんなふうな注意書きがされているんですね。
 本県の小学校を見ると小規模校が多く、児童数減少も進んでいます。以前は1学年に2学級、3学級とあった学校でも、今や1学級になってしまっているという学校が多く見られます。
 今、和歌山県では、1学年が1学級という規模の学校が、県内250校のうち約3分の2を占めるに至っているんですね。よって、この文科省の方針どおりに進むと、その影響を受ける学校も出てくるということが強く心配をされます。
 県教育委員会として、少人数学級の充実についてどう考え、この問題にどう対処しようとしているのか、お示しください。
 以上2点、教育長より御答弁を願います。
○議長(山田正彦君) 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 教育問題2点にかかわってお答えします。
 高校授業料無償化について、授業料の負担が可能な一定所得以上の世帯への所得制限の導入は、やむを得ないものと考えております。
 なお、国では、所得制限導入で生まれた財源を活用し、低所得者支援のための給付型奨学金の創設等を検討しており、今後、国の動向を注視しながら適切に対応してまいりたいと考えております。
 2点目の少人数学級にかかわってお答えします。
 議員御指摘のとおり、文部科学省の概算要求における少人数学級の推進では、1学級が20人以下になる場合が除かれております。
 本県では、これまでも少人数学級に必要な教職員定数を確保してきたところです。小学校1~2年生と中学校では35人以下の学級、小学校3年生から6年生についても35人以下の学級を基本としながらも、学年において1ないし2学級の場合は38人以下の学級を実現してきたところです。
 今後もこれを堅持するとともに、国の動向も注視しながら適切に対応してまいりたいと考えております。
○議長(山田正彦君) 松坂英樹君。
  〔松坂英樹君、登壇〕
○松坂英樹君 教育長の授業料無償化への所得制限はやむなしと考えると、こういう答弁は大変残念な答弁だったと言わざるを得ません。
 次の少人数学級の充実については、適切に対処していきたいと決意が述べられました。これらの問題は今後具体的に動いていく問題ですから、引き続き論議していきたいとだけ申し上げておきたいと思います。
 続きまして、第3項目めのミカン対策についての質問に移らせていただきます。
 本年産のミカンの状況を地元でお伺いいたしますと、夏の雨不足により、昨年に続きかん水に大変苦労し、皮の日やけも発生したり、小玉傾向だったが、この間の雨で果実の大きさも回復し、例年に比べてもおいしいミカンが期待できるということです。
 まず、本県の2013年産ミカンの生育状況と課題、対応について答弁を願います。
 次に、機能性成分に注目した販売促進と品種開発についてお尋ねをいたします。
 体によい和歌山県産食材をしっかりとアピールしようと、昨年の東京に引き続き、「おいしい!健康わかやま」機能性フォーラムが和歌山市で開催され、私も参加して勉強させていただきました。
 基調講演で愛知学院大学の大澤先生が強調しておられたフィトケミカルと呼ばれる植物由来の栄養成分のお話は、今回も興味深く聞かせていただきました。フィトケミカルはビタミンや食物繊維などに続く第7の栄養素として着目され、ミカンのベータクリプトキサンチンのような色、香り、苦味というような植物由来の成分が果たす抗酸化作用、健康増進や病気予防などの機能性が注目されています。
 講演の中で紹介されていたんですが、紀伊国屋文左衛門が江戸にミカンを船で運んだときに、ミカンを積んだ船の底のほうの部分に積んでいった舟床ミカンというのがあって、これを積んでおくことが、ミカンが腐りにくく、またネズミなどの害にも侵されないという役割を果たしていた。それで舟床ミカンという名前がついたんですが、実はそれにふさわしい機能性成分を多く含んでいたんですと、こんなお話だったんですが、これは科学的に見ても、また物語としても非常にいいお話だと思って聞かせていただきました。
 そして、その講演の中で紹介された舟床ミカンが、県の果樹試験場で機能性向上を目指すかんきつ品種改良の研究材料となっているというので、改めて試験場の実験園も視察をさせていただきました。
 きょう議場に配付しております資料、これは果樹試験場が進めている機能性成分に着目したかんきつ新品種の開発研究の資料の一部であります。大変興味深く説明を聞かせていただきました。また御参考にしてください。
 私は、県のこうした機能性成分に着目した販売促進と品種開発などの取り組みに大いに注目をしておりますが、実りの秋のシーズン、この本番を迎えて、今後の取り組みの展開についてお示しいただきたいと思います。
 3つ目は、ジュースなど加工食品の強化方向についての質問です。
 ジュースやゼリーなどの加工食品は、果物摂取の裾野を広げる意味でも、また、通年出荷、県内加工産業の強化という面でも、今日的に大変重要な位置づけが必要だと常々考えているところです。
 今議会の補正予算には、JAジュース工場の機械設備更新への補助が計上されています。また、最近では、何とか農園のジュースというようなプライベートブランドの特徴ある商品も数多く店頭で見受けられるようになり、和歌山県産ミカン加工品の魅力的な商品バリエーションが広がるよう期待しているところです。
 県として、ジュースを初めとする加工食品の魅力を高めるためにどう取り組んでいこうとしておられますか。
 輸入自由化による外国産果汁に押された価格の低迷というのもありまして、ミカンの果汁向け原料は20年前の4割に激減しております。生果自体もぐんと減ってるわけですから、それに連動してジュース用の原料もうんと減ってるわけですね。ジュースは、若い世代も含め人気が高いにもかかわらず、これからふやしていきたいと思っている、そういうものであるにもかかわらず、原料不足により生産が実はかえって減少しているというふうな報道もありました。これは、何とかしなければならないんじゃないかなというふうに感じたわけです。
 もっとおいしい魅力的な加工食品、こういった付加価値を上げて加工用ミカンの買い上げ価格を引き上げていく、また一方で、生産されたミカンの中において、加工用ミカンに回す比率を上げることで市場出荷するミカンの品質を高めて単価アップしていくと、そして農家収入を上げていく、こんなふうに進んだらいいのになというふうに思っております。
 良質な加工用果実の安定供給という点からも、また市場流通する生果の品質向上という点でも、県として、生産から加工、販売を幅広く見通した政策強化が必要だと考えますが、いかがでしょうか。
 以上3点、農林水産部長より御答弁を願います。
○議長(山田正彦君) 農林水産部長増谷行紀君。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) ミカン対策についてお答え申し上げます。
 本年産ミカンは表年に当たりますが、5月下旬から6月中旬にかけての高温により生理落下が多かったため、現時点での本県の生産量は、対前年比104%の16万9000トン程度を見込んでおります。
 果実の肥大は、夏季の干ばつの影響があったものの、8月下旬以降の降雨により回復し、糖度は平年に比べ高く、酸はやや低く、食味のよい果実に仕上がってきているところです。
 全国の生産量は対前年比102%の86万3000トン程度となる見込みで、農林水産省が6月に示した適正生産量93万トンを下回っています。しかしながら、ミカンの1世帯当たりの年間購入数量は10年前に比べて60%の約12キログラムに減少しており、消費者が味を重視する傾向にある中で、産地間競争に打ち勝つためには、品質の高いミカンの供給が重要であると認識しております。
 今後も、JAグループと連携して、マルチ被覆や樹上での選別などの管理を徹底するとともに、農家自身による選別や光センサー選果機による厳選出荷を推進してまいる所存でございます。
 次に、ミカンの機能性成分に注目した販売促進と品種開発についてですが、県では、全国の消費者に県産農産物等の機能性をアピールするため、「おいしい!健康わかやま」をキャッチフレーズとした広報活動を展開しており、健康、美容、元気のシンボルとして、体操の田中3きょうだいに「おいしい!健康わかやま産品応援隊」に御就任いただいたところです。
 また、啓発冊子「和歌山県産食材機能性ガイド」を作成して各種イベントで活用するほか、全国の流通関係者等に機会あるごとに配付しております。
 9月5日に和歌山市で開催したミカンなど県産果実の機能性を紹介するフォーラムには、200人を超える方々に御参加いただきました。首都圏でも、11月に著名人を招聘してフォーラムを開催する予定です。
 機能性にすぐれたかんきつの新品種につきましては、ジャバラとダイダイや、議員お話しの舟床などとの交雑による品種開発に取り組んでいるところです。
 現在、育成段階にある系統について果実分析を行って、ジャバラに含まれるナリルチンに加え、抗酸化作用や抗アレルギー作用のある成分を確認しており、今後、生育特性や加工適性について調査研究を行う予定でございます。
 最後に、ジュースなど加工食品の強化方向と、生産から加工、販売を見通した政策の強化についてですが、農産物の加工は、収益性の高い農業づくりを進める上で不可欠であることから、県長期総合計画に基づき、加工を核としたアグリビジネスの構築を推進しております。
 加工食品の魅力を高めるために、本年度の新政策である6次産業化ネットワーク事業、農商工連携ファンド、中小企業元気ファンド等の活用により、素材のよさを生かした高品質で特色のあるミカンジュースやゼリーなどの開発への支援とともに、技術的なことについては工業技術センターが相談を行っているところでございます。
 いずれにいたしましても、おいしいミカンづくりが基本であり、生産から加工、販売を見通した政策として、厳選出荷による生果、いわゆるそのままのミカンですけれども、生果の市場価格の安定化と同時に、加工用果実の確保につながる仕組みづくりを引き続き検討してまいります。
 今後とも、生産、加工、流通、販売、それぞれの段階での施策を通じて、本県農業の基幹品目であるミカンの振興を図ってまいる所存でございます。
○議長(山田正彦君) 松坂英樹君。
  〔松坂英樹君、登壇〕
○松坂英樹君 答弁いただきました。
 これまではジュースなどの加工用ミカンについては、ジュースに落とさんなんようなミカンをつくんなと、見ばえのええ立派なええミカンをつくるにはどうするんかと、こういう発想であったかというふうに思うんですね。
 形や見ばえの立派さを競う時代から、味と機能性を重んじる時代になってきております。味の濃い、食味のいいミカンを追求していけば、かなり小さいミカンも出てくる。それをジュースやゼリーに加工しておいしくいただくというのも実際に始まっていて、商品の評価も高いようです。
 このように和歌山県の果実を初めとする県産品の持つすばらしい素材を生かす、その加工の分野にこれからも一層知恵と力を注いでいただくよう要望をしておきたいと思います。
 では最後、4項目めの質問、有害鳥獣対策について伺います。
 この間、県の有害鳥獣対策は、県民の切実な声に応えて、取り組みも予算も抜本的に強化をされてまいりました。しかし、そうした対策が進められたにもかかわらず被害がなかなか減らないという、これがまた本県でも、また全国でもジレンマとなっている問題です。
 最初に、本県の被害状況の推移と現状についてお示しいただきたいと思います。
 次に、鹿の管理捕獲の効果と課題についてです。
 ことしは、鹿の管理捕獲5年計画の3年目として取り組まれました。猟友会初め関係者の皆さんの御協力により、1年目、2年目よりも引き上げた目標を持って取り組んだわけですが、ほぼ目標どおりの捕獲実績を上げられているようであり、関係者の皆さんに感謝を申し上げるものです。
 しかし、住民の皆さんからお聞きする声としては、鹿がふえてふえて困ってると、鹿にはお手上げだと、鹿被害の声が続々と出されているという現実があります。
 先日も、NHKのテレビで湯浅町のミカン園での鹿被害の様子が報道をされておりました。鹿の背の届くところまでは、きれいにミカンも葉っぱも、それから木の皮もきれいに皮がむかれておって、木の上にしかミカンが残ってない、そういう実態が映されていて、「そうなんよ。鹿で大変なんよ」と地域でも話題になっております。
 私は、現在取り組んでいる鹿の管理捕獲の効果が早く出てくるのを期待したいというのと同時に、この事業の折り返し地点に立ち、取り組みが十分かどうかを吟味する必要があるのではないかとも考えております。
 5年間の事業終了後に総括をし、次の方向を出すのはもちろんですが、途中経過もよく見て着地点を目指す必要があると思うんです。計画スタート時には生息数はこれぐらいだという調査のもとに、毎年これぐらい捕獲して、最終的にこれぐらいに抑えるという計画だったんだけども、生息頭数の把握は実際に即して正確であるか、また捕獲量に地域的強弱がないかなど、再点検、検証をしつつ事業を進めていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 捕獲エリアの一定の強弱というのは、これはまあやむを得ないとしても、たくさんとれるところ、とりやすいところだけ伸びて、そうでないところが残るとなったら、これは期待していた効果が出ないかもしれません。そこら辺を検証、目配りをしながら今後の計画推進に生かしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
 3点目に、捕獲対策の方向性ということでお伺いをします。
 有害鳥獣の捕獲方法は、一昔前は主に銃器に頼っていたものが、被害を受けた農家などが銃やわなの免許を取り、捕獲に立ち上がったことなどから、箱わななどでの捕獲も普及してまいりました。箱わなでの捕獲は比較的安全ではあるものの、しかし、獣種や地理的条件によっては銃器による駆除に依拠せざるを得ない、そういう実態があります。
 そこで、お伺いをいたします。
 銃器やわななど捕獲方法別には、捕獲頭数の推移はどうなっておりますか。
 また、これまで捕獲対策として、報奨金とか免許取得時の経費補助など、支援を強めてきたわけですが、被害拡大の状況や銃やわなの免許取得状況の推移などのこの今の状況を踏まえ、今後はどういった捕獲支援策が必要なのかというのを常に検討して改善していく必要があると考えますが、今後の方向性についてどう考えておられますか。
 以上、有害鳥獣対策の3点について農林水産部長より御答弁を願います。
○議長(山田正彦君) 農林水産部長。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 野生鳥獣による農作物被害金額は、平成24年度で3億5300万円と依然深刻な状況が続いております。内訳は、イノシシが最も多く54%を占め、次いで猿、鹿、アライグマの順。また、作物別では、果樹が2億7500万円で最も多く78%、特に最近では鹿によるかんきつ類の食害が増加しており、次いで野菜、水稲の順序となっております。過去5年間の被害額は3億円前後で推移しており、防護柵を設置していない農地に被害が発生しております。
 次に、鹿の管理捕獲の効果と課題についてですが、平成23年度から実施している鹿の管理捕獲については、被害が少なかった平成6年度当時の8700頭まで生息数を下げることを目標に取り組んでおり、3カ年で4563頭を捕獲いたしました。今年度中に鹿の生息数を調査し、3年間実施した管理捕獲の結果を検証して今後の対策に生かしてまいります。
 次に、捕獲対策の方向性についてお答え申し上げます。
 イノシシ、鹿、猿の有害捕獲頭数は、平成20年で4911頭、平成24年で1万7349頭と増加しておりますが、そのうちわなによる捕獲の割合は、平成20年の33%に対し、平成24年は48%と高くなってきております。
 県は、鳥獣害対策の1つとして、狩猟者の育成、確保に努めてきましたが、銃猟免許者の減少、高齢化は深刻な課題であります。このため、本年初めての試みとして、田辺市で「ハンターになりませんかミーティング」を開催し、女性ハンターの講演や射撃場の見学を通じて銃猟の魅力をPRいたしました。
 有害捕獲を進める上で、大型の個体の捕獲やとめ刺し等に銃は必要不可欠ですので、引き続き銃所持者の確保に努めるとともに、銃所持者の技術向上と事故防止のため、今後も狩猟前訓練や安全講習会を開催してまいります。
 一方、わな捕獲については、県下全域において捕獲技術研修を実施しているところですが、捕獲におけるわなの割合が高まっている中、捕獲効率を高める大型囲いわな設置の推進やセンサーを利用した新捕獲技術の導入などを進めてまいります。
○議長(山田正彦君) 松坂英樹君。
  〔松坂英樹君、登壇〕
○松坂英樹君 御答弁いただきました。
 鹿の管理捕獲では、3年間の結果を検証して今後に生かされたいとの表明をされました。ぜひよろしくお願いをしたいと思います。
 また、捕獲対策の方向性についても今後の取り組み方向が示されました。
 最後に、この点で2点要望を申し上げて終わりたいと思っております。
 先週、日高川町議会で、議会の求めに対して町長が、報奨金については銃器と箱わなを統一していきたいと、経費の余計にかかる銃については別途その経費支援を考えたい、これらを県と相談していくというふうに表明されたと報道をされております。これもまた1つの考え方だと思います。
 今後とも、こういったこれからどう進めていくべきかという方向性を探るさまざまな立場からの提案も出てくると思います。ぜひ現場の声、県民の声をよく聞いて研究を続けていただきたいと思います。
 もう1点は、せっかく取った銃やわな免許を継続して生かすための支援です。
 県の支援は免許取得時にあるんですが、これを毎年毎年更新していく費用というのは、実は大変な負担なんですね。先日も「もうわなの免許やめとこか」とおっしゃる住民の方のお話を聞きました。「免許を取って箱わなを置いた当初はよう入ったんやが、ここ1~2年はさっぱりとれやん」と、「あいつらも賢うなってるし、こっちも場所変えるんに、分解して運んだり餌変えたりと、こんなこともうなかなかできやん」と言うんですね。それかといって被害が減っているのかと言えばそうじゃない。被害は引き続きあるわけなんですね。
 これからも免許取得者をふやしていこうというときに、せっかく免許を持っていただいている方々がだんだんと離れていっていくというのではだめだと思うんです。ですから、保護対策、捕獲対策に引き続き取り組むことを励ますさまざまな支援、また免許更新のための支援など、せっかく取っていただいた免許を有効に生かす支援策、これ、ぜひ検討していただきたい。
 以上、県民と力を合わせて取り組みや制度を発展させていただきますよう要望いたしまして、私の一般質問を終了させていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(山田正彦君) 以上で、松坂英樹君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時42分休憩
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