平成25年9月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(向井嘉久藏議員の質疑及び一般質問)
平成25年9月 和歌山県議会定例会会議録
第4号(向井嘉久藏議員の質疑及び一般質問)
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質疑及び一般質問を続行いたします。
28番向井嘉久藏君。
〔向井嘉久藏君、登壇〕(拍手)
○向井嘉久藏君 皆さん、おはようございます。
議長のお許しが出ましたので、質問をさしていただきます。
台風18号が16日の未明、紀伊半島をかすめて大変な被害をもたらしました。それについて、危機管理監、また県土整備部長にお伺いします。
16日未明、激しい雨を伴うた18号台風が、紀伊半島に思いもよらん豪雨をもたらした。被災された方々には、心からお見舞いを申し上げたいと存じます。
恐らく行政は、こんなに大量の雨をもたらす台風とは認識していなかったんではないか、このように思います。といいますのは、後になっていろいろ発表された。そうすると、気象庁から情報がもたらされた、その情報を全然住民に伝えていなかったという自治体がたくさん出てきたんですね。そういう意味でこの18号台風は、行政初めみんなの認識が甘かったんじゃないかなと、こう思う節があるんですね。
私どもの橋本市の地元でもそうでありましたが、紀の川の水量は前日まで、紀の川を長靴履いて渡れるぐらいの水しか流れてなかったんです。ところが、16日、夜が明けますと大変な被害だということがわかりました。私も、紀の川の河川敷内に運動公園が実は幾つも点在しておりますので、またやられたん違うかなと思って行きました。案の定、メーンになっております南馬場グラウンドという、ここは野球場2面、またサッカー場1面を持った12万平方メートルもある敷地なんですが、これ、また流されてしまいました。
実は、このグラウンド、国体のソフトボール会場になっとるんですね。去年も実は流されました。慌てて復旧してくれました。ところが、また流れてしまった。どうするんやということで、関係者が今、知恵を持ち寄ってというんですが、なかなかいい知恵も出てきませんが、この復旧がまた急がれるわけですね。来年の秋にはもうプレ大会が開催されます。そういう意味では、ここの紀の川河川敷内にあるグラウンドが果たして適地なのかということまで、今、討議されてるわけでございます。
また、紀の川の水位が急上昇いたしました。そのために、大谷川という支流がございますが、そこの樋門が閉められました。いつものことですが、樋門が閉められますと、隣接している団地が500戸ほどございますが、そこの住宅が必ず浸水するんですね。大谷川がきれいに竣工したんですが、改修されたのが、ちょっと大谷川からの流水を団地のほうへ流すような格好になっとるんですね。大谷川の氾濫を防ぐために団地の中へ一部流すような設計に現在なってしまっている。そういうことで、団地に大量の水が、濁流が流れ込みまして浸水する家が出ました。
そのときに、伊都振興局でことしから排水ポンプ車が配備されております。慌てまして排水ポンプ車の出動を要請いたしました。白浜ではその排水ポンプ車が活躍したという、この間、お礼をしている同僚議員がおりましたが、私は反対なんですね。出動を要請したら、ポンプ車はどっかへ出かけてしもておれへんだった。「どこへ出かけたんかなあ」といって地元の消防団の人たちに聞きますと、「岩出へ行ったらしいで」と言うんや。そしたら、かつらぎ町からも要請があったらしいんです。橋本からも当然要請しましたが、ポンプ車ないんですね。かつらぎ町からも要請した。かつらぎ町へ行ったポンプ車は海草郡、海南のほうから出かけとるんです。橋本が要請したら「田辺から行かそか」と、こんな話になったらしいんです。
私は、担当しとる配車をした人を責めるつもりはございません。あちこちに排水をしてもらいたいという場所がいつもあるわけですね。にもかかわらず、ポンプ車の絶対量が少ないわけですから。聞きますと、1台5000万円ぐらいするんやと。それをまた維持する経費も大変な。確かにそうですね。ですから、たくさん購入せえとは私はよう言いませんけども、しかし、橋本へ田辺から来て、橋本にあるやつが岩出へ行って、かつらぎへ海南から来ると、こういうやり方って一体ええんやろかというふうには思います。
そういうことで、排水ポンプ車の出動に関しては相当の混乱があったんやろうというふうに思いますが、この辺のことを一遍精査して、どういうふうにしていったらいいかということを今後研究してもらいたいなというふうに思うんですね。
次、大谷川は紀の川の水位に常に影響されるところでございまして、樋門が閉ざされますと必ず隣接の団地に流れ込みます。確かに改修が終わっておりますが、ちょっとした工夫でそれを解消できるというふうに私は思っております。
といいますのは、大谷川から紀の川の堤防、またその横にちょっと小高い柿畑があるんですが、そこの堤防と柿畑の間が低くなって──低くつくってあるんかもわかりませんね──そこに小さな堤防を築くことによって住宅への流水がとめられるというふうに私は思います。それで、工事費、また工事もそんなに負担をかけないで地域の住民に安心をさしてもらえるんであれば、そんなに高い予算ではないんかなと、こういうふうに思うんですが。
それから、もう1つは、台風で情報が全然住民に届いていなかったという残念なことが起こりました。
これは、橋本市にある国民休暇村やどり温泉というのが、去年、リニューアルオープンしました。多くの宿泊客もおりました。ところが、これは371号線の沿線にございまして、国道371号線と言うたら格好いいんですが、一番狭隘な道路は2メートル半ぐらいしかないです。それが九度山、また橋本から進入できるところなんですが、高野山へ通じとる。高野山へ登るには一番楽な道なんですね。
ところが、このやどり温泉から高野山のほうへ向いてのところが、道路が流失してしまいました。それから、このやどり温泉に橋本から行く途中で岩石等の落下で道路が塞がれた。やどり温泉には多数の宿泊客が取り残されたという状況がありました。これが情報として伝わってこなかったんですね。私ども、知ったのは、やどり温泉から電話連絡いただいて初めて、あ、そういうことになっとるんかということを知ったようなことでございます。
このような情報はできるだけ早く住民に伝えるということが大事でありますが、この辺のところが、ちょっと今回、残念ながら欠落しておったんじゃないかなというふうに思います。
そこで、危機管理監に、情報の把握、翌朝にもうすぐ把握できとるんかというたら、なかなか難しいと思うんですが、情報の把握、また伝達、情報開示はどのようになっているんかということをお聞きしたいと思います。
また、県土整備部長には、排水ポンプ車はどのような配車状況になっているのか。また、出動するための基準というのは決めてあるんかと。早い者勝ちみたいに今はなってしまってある。残念ながらそういうことですね、結果的に。
それから、大谷川の改修について、また排水ポンプ車の増車についてお伺いいたします。
○議長(山田正彦君) ただいまの向井嘉久藏君の質問に対する答弁を求めます。
危機管理監木村雅人君。
〔木村雅人君、登壇〕
○危機管理監(木村雅人君) 災害時の情報の把握、伝達、情報開示の体制については、県内で発生します風水害や地震、津波などに関し、気象庁が発表する注意報や警報に基づき職員の防災体制をとっており、市町村、庁内関係各課室及び振興局を通じて被害等の情報を収集した上で、危機管理局において取りまとめを行っています。
先ほどの道路の通行どめとかいった取りまとめを行った被害状況は、市町村や振興局については危機管理局から直接情報提供するとともに、県ホームページにも掲載しております。また、報道機関については広報課を通じ情報提供を行っております。
以上です。
○議長(山田正彦君) 県土整備部長尾花正啓君。
〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 県では、頻発する都市型水害に機動的に対応するため、平成23年度から昨年度までに4台の排水ポンプ車を導入し、海草、那賀、伊都、西牟婁の各振興局建設部に配備して、広域的な運用を行っております。
出動の基準、指示については、原則として市町村長または振興局建設部長からの要請に基づき、強制排水を行わなければ県管理河川流域に浸水被害が生じるおそれがあるとき、あるいは排水機場が整備されているが排水ポンプ車の出動が必要なとき、または重大な災害が想定されるときなどに行っております。
今回の台風18号出水時は、16日午前1時20分過ぎの紀の川市への出動を最初に、要請のあった白浜町、岩出市、かつらぎ町の順に浸水箇所延べ6カ所の排水作業を実施したところです。
なお、伊都建設部に配備した排水ポンプ車については、同午前3時22分に岩出市長から要請があり、その際は橋本市にも確認した上で出動を命令しました。
次に、御質問の大谷川の改修につきましては、橋本市が24年度に新たに固定式排水ポンプ2基を増設したところですが、今回の出水状況などを踏まえ、今後の対策について市と協議してまいります。
最後に、排水ポンプ車の増設についてですが、県の排水ポンプ車は平成24年度に3回の出動、25年度は今回の出水で初めて出動しました。今後の状況にもよりますが、現時点では排水ポンプ車の増設の予定はありません。今後とも、国土交通省所有の排水ポンプ車とあわせ、機動的な運用に努めてまいります。
○議長(山田正彦君) 向井嘉久藏君。
〔向井嘉久藏君、登壇〕
○向井嘉久藏君 答弁いただいたんですが、何か起こったらホームページ見れと言われたようにお聞きしたんです。台風なんか来て災害が起こって大変なときにホームページを見るような余裕が果たしてあるんかなと。事前にずうっといつも見とれよというふうに聞こえました。そやから、何か住民に知らす方法を研究していただきたいなあというふうに思います。
また、ポンプ車につきましては、私も、増車せえというのは──1台買うのは5000万円で済みますが、1年間を維持管理する──人件費だって運転手だけでは済まんやろと、それを1年間ずうっと維持していくのは大変だと思います。そういう意味では、今なかなか将来的にまだ考えておりませんということでございますが、そうすると固定したポンプをつけなさいよというても、今例に出しました大谷川、通常は川幅が8メートルほどの川なんですね。流れてるときはそんな大した川じゃないです。この間の16日の増水を見ますと、川幅が15メートルぐらいになっとるんですね。深さがもう5メートルぐらいありますよ。それだけの水を排水するのは、ポンプ車が何台来たってとても無理でしょう。
そういうことから考えたら、もうちょっと住宅へ水が流れないようにだけ、ひとつ工夫をしていただきたいなというふうに思います。
続いて、次の質問に入らしていただきます。
次は、知事、危機管理監にお伺いしたいと思います。地震、津波、台風等、天災による災害情報の住民への伝達についてということでお伺いします。
今までは、NHKを初めとして、民放、また大きなラジオ局を通じていろんな情報が伝わってきておりますが、その地域地域に合ったような情報ではないわけですね。そういうことで、コミュニティーFM局の活用方法についてお伺いしたいと思うんです。
災害、緊急の情報等を速やかに県民に伝える方法は、災害の起こる前には準備万端、怠ってはならないということは当然のことであります。情報の伝達方法はいろいろと考えておられることと思いますが、本日はコミュニティーFM局に絞ってお伺いします。
神戸大震災、東北大震災等が起こり、災害が起こるたびにコミュニティーFM局の有効性が認識され、特に東北大震災では多くの臨時コミュニティーFM局が立ち上げられ、災害地での細かい、地域に特化した情報、ニュースを放送して、今も活躍しています。中には、臨時FM局から正規のFM局に衣がえをして放送を続けているところもございます。
所管する総務省も、最近になってコミュニティーFM局の必要性を認識して、自治体とFM局との災害協定の締結を促し、そこに発生する経費については総務省が負担するとの通達もございました。今、コミュニティーFMに対する環境が大きく変わりつつございます。
そこで、知事にお伺いします。
県下には今5局のコミュニティーFM局がございますが、このFM局に対する御認識についてお伺いいたします。
続いて、危機管理監にはコミュニティーFM局の活用方法についてお伺いしたいと思います。よろしく。
○議長(山田正彦君) 3番目。
○向井嘉久藏君 ちょっと漏れたようでございますんで。
知事の答弁の中でいただきたいのは、FM局の認識とあわせて、この5局あるFM局と災害協定等々も考えておられるかということをお伺いしたいと思います。
以上です。
○議長(山田正彦君) 知事仁坂吉伸君。
〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) コミュニティーFM局は、放送エリアが限られておりますが、地域の特色を生かした番組や住民参加の番組等を提供することによりまして、地域情報の発信拠点として豊かで安全なまちづくりに貢献できる放送局と認識しております。
とりわけ、今議論にあります災害時でございますけれども、情報伝達に大変役に立つというふうに思います。
災害時においては、コミュニティーFM局が、いろいろな市町村からの災害情報とか、あるいは避難情報とか、そういうものを出してもらうということを大いに期待したいと思っておるんですが、そのためには事前に市町村とよく相談をして段取りを打ち合わせをしておく必要があると思います。
それから、あんまり考えたくもないことなんですが、災害の状況によっては、実は情報を出すべき市町村が機能不全になるということもあると思います。そのときにFM局が、機能が生きていたら、県当局と直接その情報伝達において、市町村を代替するような形で情報が発信できるんじゃないかというふうに思います。
そうなると、県とも事前にきちんと打ち合わせをしとかないといけないというふうに思いまして、県には既にもう5局もFM局がございますので、こういう方々とあらかじめいろいろ相談をしといて、それで防災情報発信をやってもらうことにして、それで防災情報発信はほかにもありますから、それをますます多重化していくということをやっていったらいいと私は思っております。
そういう意味で、コミュニティーFM局各事業者との災害時における放送要請協定に向けて、実は取り組みを始めているところでございまして、速やかにこれを達成したいと思っております。
○議長(山田正彦君) 危機管理監。
〔木村雅人君、登壇〕
○危機管理監(木村雅人君) コミュニティーFMの活用をどう考えているかとの御質問ですが、防災情報の伝達については、防災行政無線での伝達が全てであるとは考えておりません。
情報伝達の確実性を高めるためには多様な手段を用いた情報伝達手段の多重化が重要であり、県でも、防災わかやまメール配信サービス、エリアメール、緊急速報メールの配信、防災情報の地上デジタルデータ放送などを行っているところです。
市町村防災行政無線等とコミュニティーFMを接続するのは、情報伝達手段の多重化としては有効な方法の1つであると考えております。市町村から相談を受けた場合には、その趣旨に沿った指導を行っているところです。
○議長(山田正彦君) もう一遍、再度質問してくれませんか。
向井嘉久藏君。
〔向井嘉久藏君、登壇〕
○向井嘉久藏君 知事にちょっと先に、知事室長の分、答えていただきましたんで、どないしようかなと思ったんですが、やっぱり直接の担当の室長でございます。具体的にちょっとお話を聞きたいと思います。
県とFM局との災害協定についてということで、改めてお聞きしたいと思います。
コミュニティーFM局の土壌として、できるだけ住民にきめ細かい情報を伝えたいという使命感を私どもも持っております。それがコミュニティーFM局の使命でもあり、存在意義だというふうに思っております。
南海・東南海地震の発生確率が年々高くなっている今、一朝事があるときは、全ての県民、企業、団体等が力を合わせて難局に対処しなければなりません。
そのような事態を予想して、和歌山県下のFM局4局、FMはしもと、エフエム和歌山、FMTANABE、FM白浜――残念ながら、湯浅のほうは話をかけたんですが、私とこ、ようしませんということやったんで――4局で人的、資材の支援を被災したFM局に対し協力する災害協力協定を締結いたしました。また、本年3月には、県下コミュニティーFM局4局とNHK和歌山放送局との間で、災害情報の提供と使用に関する協定を締結いたしました。
コミュニティーFM局の使命は、できるだけきめの細かい正確な情報を伝えるということでございます。しかし、コミュニティーFM局には住民に伝える情報の絶対量がございません。情報の集中する自治体との連携は欠かすことができません。
残念ながら、まだ和歌山県との災害協定は、どのFM局も締結しておりません。今、お話を聞きますと準備していただいてるということでございますから、早急に締結できますようにお願いしたいと思います。
そこで、知事室長に、和歌山県とコミュニティーFM局との災害協定についてお伺いします。
○議長(山田正彦君) 知事室長和歌哲也君。
〔和歌哲也君、登壇〕
○知事室長(和歌哲也君) 災害時の放送要請協定についてでございます。
先ほど知事も申しましたように、コミュニティーFM局につきましては、地域に密着したさまざまな情報を発信する、そういうふうな機動性を十分持っておられるというふうに認識しております。
そういうふうな中で、あらゆる広報手段を使って情報を伝達する、いわゆる防災情報発信の多重化に取り組んでおるところですけれども、コミュニティーFM局各事業者、先ほど4局と言われましたけれども、今、入られていない局も含めて、改めて我々としては地域の情報をしっかり伝えていただくということで、災害時における放送要請協定に向けて取り組んでまいりたいというふうに思います。
○議長(山田正彦君) 向井嘉久藏君。
〔向井嘉久藏君、登壇〕
○向井嘉久藏君 続いて、同じく知事室長にお伺いします。
コミュニティーFM局を使った県の広報についてお伺いします。
県下5コミュニティーFM局のエリアの人口をトータルしますと、60万人になるんですね。和歌山県の大体60%をカバーすることになります。
従来の広報は県域――大きな局ですね――県域の放送局、例えばテレビ和歌山、和歌山放送を利用した大きなくくりの広報であったようにも思うんです。御存じのように、コミュニティーFM局は出力が最大20ワットと規制されております。したがって、地域に特化した放送をせざるを得ないような局でございます。
行政は、できる限り県民に情報を伝えるのが務めだというふうに思います。和歌山県の各部に、県民に伝えるべく多くの情報が集まっておると思うんです。県民だよりに載っているのは、その中のごく一部だというふうに私は理解しております。その県民だよりに載らない情報も、県民が本当は知り得なければならない、また知りたいという情報がたくさんあると思うんです。ですから、県の各部、または教育委員会等もありますが、そういう情報を、しっかりと地域に密着したコミュニティーFMを使うことで住民に情報が伝わっていくんじゃないか、こういうふうに思うわけでございます。
そこで、知事室長に、和歌山県の地域性あるニュース、情報はコミュニティーFM局を使ってみませんかということで質問さしていただきたいと思います。よろしく。
○議長(山田正彦君) 知事室長。
〔和歌哲也君、登壇〕
○知事室長(和歌哲也君) コミュニティーFM局を活用した広報についてですが、県の広報手段としては、広報紙「県民の友」、「きのくに21」など県域テレビやラジオを活用した広報番組、そしてホームページ、メールマガジンなど、新たな情報伝達手段を用いながら、県の施策や魅力を広く積極的に発信しておるところです。
そうした中、県の地域性のあるニュース、情報をより広く発信するためには、その伝えたい内容、伝えたい対象に適した媒体を活用することが大切だと認識しております。コミュニティーFM局も含め、より効果的な情報発信に今後とも努めてまいりたいと思います。
○議長(山田正彦君) 向井嘉久藏君。
〔向井嘉久藏君、登壇〕
○向井嘉久藏君 最後になりますが、知事、国体推進監、また県土整備部長にお伺いします。
県立スポーツ施設についてお伺いします。
県立スポーツ施設は、本当にたくさんございます。しかし、私、全部が全部、現場へ行って見てきたわけでもございません。私の知る範囲、すなわち紀三井寺野球場、また先日竣工いたしました秋葉山公園県民水泳場についてお伺いしたいと思うんです。
まず、県土整備部長にお伺いします。紀三井寺野球場のことです。
プロ野球の公式ゲームがナイターで観戦できるような球場が実は欲しかったんですね。現在の照明ルクスでは、プロ野球機構が定める明るさ――ピッチャープレートからホームまでの間の明るさが、最低2500ルクスでなければならんというふうに決めております。東京ドームは3000ルクスあるんですね。ほかのプロ野球が公式戦をナイターゲームでできる球場は、全て2500ございます。
そんな中で、残念ながら紀三井寺球場は照明をしたいきさつがちょっと違うんですね。プロ野球の公式戦がナイターで見れるような球場をつくりたいと思ってつくった照明じゃないんですね。そういう意味で、照明がちょっと暗い。まあ軟式野球するのにはちょうどの明るさです。
実は、ことし群馬県で都道府県議員野球大会が開かれました。その前にちょっと練習も兼ねて野球の試合しようよということで県庁の方々と野球したわけでございますが、その中でいろんなことが目につきました。
まず、照明が軟式ではいいんですが、硬式ではとても無理やろなと。もう1つは、照明塔がえらい低いんです。キャッチャーからピッチャーへ返ってくる返球のボールが、照明の中へ入ります。私は一々首を、頭を横にしてボールを受け取っておったんですが、非常に見にくい。プレーヤーからすれば、ボールが照明の中へ入って見づらい。プレーのしづらい球場になっております。せっかくリニューアルしたのに残念なことでございます。おんなじするんやったら、プロ野球の公式戦がナイターで観戦できるような照明にしてほしかったなあという思いでいっぱいでございます。
それで、この間、その練習試合を兼ねて球場へ行ったんですが、隣の陸上競技場に照明がついとるんですね。去年ついてなかったように思うんやけど。えらい塔が高いんです。せめてあのくらいの高さやったらよかったのになあと、できたんと違うん、こういうふうに思ったんですが、もうちょっと照明の高さも研究してほしかったなあという思いでございます。
そこで、県土整備部長にお伺いします。
手直しは無理やなあと思います。今さらあんな巨額の費用をかけてね。それやったら初めからなかったほうがよっぽどよかった。新たにええのつくってもらえた。ところが、できてしまったやつを撤去して、ちゃんとこうしてくれってなかなか言いにくい。言いにくいけど、手直しは可能ですか。まあ無理やろなあと。今からやり直すのは困難だと思いますが、照明もこれからもリニューアルしていかないかん。
そしたら、ちょっと照明塔が台風のかげんで横向いとるやつ、余計なところを照らしとる電気もあるんですよ。それから、ことしはよう勘定しませんでしたが、球の切れとるやつが、去年、実は勘定しました。15ありました。少ない照明器具で15も切れとったら、大分暗かったんやろうなあと思います。細かいこと言うて、副知事、笑うとるけどね、そやけど、ほんまにするほうとしたら、できるだけええようにしてほしいなあって思うのが人情と違いますかね。
そやから、整備に当たっては、今ついとる照明の器具は恐らく寿命5年ぐらいやと思います。もう既に切れとるのがあるんやからね。そやから、LEDにかえるとか。つけかえるだけでも大変な費用要りますわ。そやから、長い間、寿命のあるLEDに切りかえていくとかね。取りかえるたびにそういうふうにしていただく。
それから、LEDにしたら電気が、消費電力が非常に少なくて済むと。そういう意味から、整備に当たっては配慮していただきたいなという思いで県土整備部長にお聞きします。ちょっと長なりましたけど、お願いします。
○議長(山田正彦君) 分割ですから、3項目ともお聞きください。
○向井嘉久藏君 はい、わかりました。
続いて、知事と国体推進監にお伺いしたいと思います。
県立の秋葉山公園水泳場でございます。
これ、県立秋葉山公園水泳場と言うのもちょっと長いんで、もうちょっと何か愛称を決めたらええん違うんかなあというふうに思います。これ、余計なことですが。
選手の強化につながる設備の充実をお願いしたいと、こういうふうに思います。
巨額の経費をかけて完成した県立秋葉山公園水泳場は、和歌山県で初めての屋内50メートルプールということでございまして、先日竣工し、竣工式が開催されました。施設を見学さしていただきました。大会を開催するという観点に立てば、まさに立派な施設で、何ら申すことはございませんが、選手強化という観点から見ますと、いささか残念ながら、素人の私にも、もうちょっとここしてくれたらよかったのになあという思いがございます。
説明を受けますと、立派なマシンが並んでるんで、ここで選手強化をしますということでございますが、本当にアスリートの強化につながるとは思えないんですね。立派なマシンがそろえられてありましたが、それは市内のいろんなところのトレーニングジムに見られるものと全く同じでございました。アスリートの競技力アップにつながるとは思えないんですね。私の思い過ごしでしょうか。
また、競泳選手が一番大事なスピードを身につけることのできると言われております流水プール――回流水槽と言うらしいんですが――設置されていないのは残念なことです。
この回流水槽は、10メートル程度のプールで、選手の能力に応じて水の速さを変えることができる。また、選手の体にデータをとるためのケーブルを取りつけてコンピューター処理をして、選手個々の情報を得ることもできる。また、プールで泳ぐ選手の上から、横から、下から、360度から泳ぎをチェックできて、水泳選手の強化だけではなく、カヤックの選手強化にも使用が可能というすぐれもんでございます。
せっかく立派にできた秋葉山公園水泳場です。このプールからすばらしい選手が輩出されることを祈っております。
そういう意味で、まず国体推進監に、流水プール、回流水槽の設置についてお伺いします。
また、知事に、あわせて秋葉山公園水泳場が水泳競技アスリート養成拠点になるためのスタッフ、設備──設備の中には回流水槽もございますが──これを含めてお答えいただけたらありがたいと思います。
たまたま竣工式のときに、知事と隣り合わせで座らしてもらいました。そのときに話して、「知事、こんなんあるんやで」と言ったら「そらええなあ」と言うてくれとった。一縷の望みをかけて御答弁をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
以上です。
○議長(山田正彦君) 知事。
〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 秋葉山公園県民水泳場の整備につきましては、議員御指摘のとおり、水泳競技のアスリート養成拠点となるように整備を進めてまいりました。このため、水泳競技の選手強化に最も重要である絶対的な泳量を確保するために、50メータープールなどを屋内プール化いたしまして年間を通じた泳ぎ込みを可能といたしました。
また、御指摘がありますように、さらにこの拠点を活用して強化練習を重ねるとともに、最新の強化方法を研究しないといけないと思いますし、また、指導者や医科学面からのサポートスタッフについても充実を図らないといけないと、そういうふうに思っております。
回流水槽は、向井県議にお聞きして、なかなかよいなあと思いまして、そのように申し上げました。秋葉山はつくってしまいましたので、今さら大改造してこれを組み込むというのはもう無理だと思います。だけど、どこかに置いて使うということであれば、それは可能ではあるということだと思います。
あとは、競技団体がぜひこれを使って強化をしたいということであれば、私は考えたらいいと思いますけれども、もし現状で間に合ってますということであれば、ちょっと無駄というか、そういうことになると思うんです。そういうことをこれから検討すればいいというか、意見をよく聞けばいいというふうに思います。
さらに、国体開催を契機といたしまして、国体で全て終わりというわけではありませんので、オリンピック等でも活躍できるような選手の育成を目指して、中央競技団体など関係団体の意見を聞きながら、さらなる選手強化を図ってまいる所存であります。
団体の方にお聞きしたら、今までこういうプールがなかったので、物すごい素質のある有望なごく若い若者が県外にすぐ行って、それでそこで強化されるというようなことが多かったんだけど、これで県内にとどまって、それで一流の選手になれるという手段ができたということでございますので、これから、国体はもちろんですが、オリンピックなども目指して立派な和歌山選手を育てていきたいと思っております。
○議長(山田正彦君) 国体推進監若宮茂樹君。
〔若宮茂樹君、登壇〕
○国体推進監(若宮茂樹君) 議員御提言の回流水槽いわゆる流水プールについては、水泳競技の強豪校である筑波大学や鹿屋体育大学などが導入し、フォームの分析や泳力トレーニングに活用されており、有効な設備であると認識しております。
現在の秋葉山公園県民水泳場では、選手の水中動作を撮影し、多方向からのフォーム分析やターン動作の技術評価が行える水中観察窓や、泳速度の分析並びに泳力トレーニングに有効な水中ペースメーカーを整備し、選手個々の能力や適性に応じた指導を行っており、回流水槽と同等の効果が得られるものと考えております。
今後、これらの設備を最大限活用するとともに、先ほど知事が申し上げましたとおり、回流水槽の必要性ということを研究しながら、より効果的な強化策も取り入れ、紀の国わかやま国体に向けた競技力の向上を図ってまいります。
○議長(山田正彦君) 県土整備部長。
〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 紀三井寺公園野球場は、全国高等学校野球選手権の和歌山大会などに利用されてきましたが、日没再試合により大会運営に支障を来していたことから、これを解消することを目的に、平成17年度に照明設備を整備いたしました。
整備に当たりましては、日没近くまで試合が行われる日は年間を通じてそれほど多くないことから、硬式野球の公式競技のJIS推奨基準で定められている照明器具の高さ及び照度を満足する範囲内で、最も低い高さで計画したところです。
今後も、電球の交換時に電球のクリーニングやルーバーの調整など、照明器具の機器調整を行うことにより、その能力を十分発揮できるよう取り組んでまいります。
○議長(山田正彦君) 向井嘉久藏君。
〔向井嘉久藏君、登壇〕
○向井嘉久藏君 今、答弁をいただいたんですが、せっかく経費を投入してするのに、最もレベルの低い設備をしましたって答弁、正直といや正直ですが、しかし残念なんですね。こんな言葉ありますね、「帯に短したすきに長し」って。中途半端なのは一番使いようがない。そやから、するんやったらええのを、全てを賄えるようなものをつくってもらいたい。これ、紀三井寺野球場のことだけと違います。いろんな県の施策の中で、全て満足できるようなものにしていかないと、せっかくしたのに、これ使い道ないなあということでありましょう。
それで、高校野球、今まで1日の日程が3試合だった。何でか。日没再試合というのが再三あるから3試合に組んどるんです。本当に照明を使ってナイターゲームできるんだったら4試合しますよ。4試合に組みかえますよ。しかし、今のままではできない。今、説明ありましたように、万が一延長になっても、何とかその延長戦をできる最低限のものはしてありますということでございますから、責めるつもりはございませんが、私どもがもうちょっと意見を言うたらよかったんやろうけども、塔の高さまでちょっとわからなんだ。そういうことで申し上げときます。本当に、「帯に短したすきに長し」にならんように、ひとつよろしくお願いしたいと。
これで、私の質問を終わらしていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(山田正彦君) 以上で、向井嘉久藏君の質問が終了いたしました。
これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
この際、暫時休憩いたします。
午前11時39分休憩
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