平成25年6月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(岩田弘彦議員の質疑及び一般質問)
平成25年6月 和歌山県議会定例会会議録
第5号(岩田弘彦議員の質疑及び一般質問)
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人名等の正しい表記については「人名等の正しい表記」をご覧ください。
質疑及び一般質問を続行いたします。
10番岩田弘彦君。
〔岩田弘彦君、登壇〕(拍手)
○岩田弘彦君 皆さん、おはようございます。
議長のお許しをいただきましたので、自民党県議団に入って最初の御質問をさしていただきますので、簡潔にわかりやすく心がけてやっていきたいと思いますので、答弁のほうもそのようによろしくお願いいたします。
まず、大項目1番でありますが、連日、議会のほうでも、いじめのことは、もう本当に和歌山県の重要課題であるということで議論されております。
まず1番目に、いじめの現状と今後の取り組みということで、改めて聞かしていただきます。
教育再生実行会議では、一番最初にいじめ問題への対応ということで審議が行われました。いじめに起因して、子供の心身の発達に重大な支障が生じる事案、さらには、とうとい命が絶たれるといった痛ましい事案、いじめを早い段階で発見し、その芽を摘み取り、1人でも多くの子供を救うことが教育再生に向けて避けて通れない緊急課題となっているからであります。
こうした痛ましい事案を断じて繰り返すことなく、いじめは絶対許さない、いじめは卑劣な行為であるとの意識を日本全体で共有し、子供を加害者にも被害者にも傍観者にもしない教育を実現するという、「いじめ問題等への対応について(第1次提言)」を行っております。
学校教育に携わる全ての関係者一人一人が常にこの問題を厳しく受けとめ、いち早くいじめの兆候を把握し、迅速かつ適切に対応し、いじめの問題解決に向け、学校、教育委員会、家庭、地域が連携して情報を共有し、全力を挙げて皆さんで取り組んでいこうではありませんか。
本県の取り組みの状況と、第1次提言を踏まえ、今後の取り組みについて教育長にお伺いいたします。
○議長(山田正彦君) ただいまの岩田弘彦君の質問に対する答弁を求めます。
教育長西下博通君。
〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 議員御指摘のように、いじめ問題というのは本県教育の最大の課題だというふうに受けとめております。いじめ問題の対策としまして、決して子供からの小さなサインを見逃すことのないよう、いじめアンケート調査や面談等を年3回以上実施するとともに、教職員が子供に寄り添った適切な対応ができるよう、「いじめ問題対応マニュアル」等を使った研修の実施を指導しているところでございます。
また、深刻な事案につきましては、警察等関係機関と連携するとともに、知事部局、県教育委員会が総がかりでいじめ問題の解消に向けて全力で取り組んでいるところでございます。
さらに、今年度から、弁護士、臨床心理士、警察関係者、退職教員から成る学校サポートチームを教育委員会内に設置いたしました。いじめや暴力行為等、深刻な問題が発生した学校にメンバーを派遣し、指導・助言を行うなど、学校だけで解消することが困難な事案に迅速かつ適切に対応してまいります。
議員御指摘のとおり、去る2月26日に教育再生実行会議から出された第1次提言「いじめの問題等への対応について」に示されている社会総がかりでいじめに対峙していく基本姿勢を徹底し、子供を加害者にも被害者にも傍観者にもしない教育の実現を目指してまいります。
○議長(山田正彦君) 岩田弘彦君。
〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 教育長、答弁ありがとうございました。
必死になっての取り組みというのはひしひし伝わってきておるんではございますが、私が日ごろから気にしておりますのは、どうしても事後管理的になっているんではないかなというところを非常に心配しております。まあいいますと、子供たちって、生まれます。生まれたら、最初にお母さん、お父さん、そして家族、そして身近な方々、そして幼稚園へ行き、小学校へ行き、中学校へ行く。私は、だんだん大きな社会を経験していってる、それを健全に経験さしていかしてあげるということが大事かな。
それで言いますと、いじめは基本的にいうと、やっぱり学級という1つの単位というか社会の中でまず起こってくるということなんで、事後管理の以前の事前管理の部分について次の2番を質問させていただきます。
いじめ未然防止対策への学級集団アセスメントの活用ということで、教師には、子供たちの悩みやストレスのサインを見逃さず、的確に把握して対応する力、そして学級全体の問題として投げかけ、解決に導く力、これを身につけることが大切やと私は思います。
しかし、子供たちが抱える問題が、現在複雑で多様化して、そのあらわれ方も多岐にわたるものですから、一人一人の教師の観察力、これだけでは把握し切れない部分が多く今出てきているんではないかなと、そのように思っております。
1つ提言さしていただきたいのが、質問紙による心理検査を活用いたしまして、個々の児童生徒の実態、学級集団が今どのような状況にあるか、これをアセスメント、まあいえば客観的に評価する、そして、教師自身が気づかなかった子供たち同士の関係、課題、学級への適応感、これが確認できて望ましい学級集団づくりに大きく貢献しているのがこの学級集団アセスメントという手法であります。これが、今、全国的に広がっていると。県内でも、学級集団アセスメントを活用している学校はあると思います。
私の同級生の、今大体教頭先生ぐらいになる年なんですが、その皆さんに聞いても活用されている人もいてるということで、その皆さんに「どうですか」ということで評価を聞かしていただきました。そしたら、不登校になる可能性の高い児童の早期発見、そしていじめの発生、深刻化の予防、いじめ被害に遭っている児童の発見、学級崩壊の予防、指導効果の評価改善、よりよい学級集団づくりなどに活用できるということで、非常に高い評価を私は聞いております。
いろいろな種類があるようでございますが、鳥取県教育委員会、岡山県教育委員会などで活用されているのが学級集団アセスメント「ハイパーQU」というものだそうですので、それで説明しますと、学級満足度尺度、そして学校生活意欲尺度、ソーシャルスキル尺度、これを把握する心理検査ハイパーQUを実施しましてコンピューター診断により豊富なデータが得られる、そして、それらを総合して学級の状態や今後の指導指針についてのコメントがまとめられている、児童生徒の状況を事前に把握して適切な対応をするための先生方の判断材料の1つとして活用されている、そういう状況であります。
利点としては、検査は20分程度の短期で実施することができますので、あとはコンピューターが分析する、その中で、学級集団と個人の状況について標準化されたデータで客観的な分析として返却されますので、教職員の新たな負担を最小限に抑えられるというところもあると思うんです。そして、もう1点、検査結果がグラフであらわされますので、学級の中で支援を必要とする児童生徒が一目でわかり、優先的な対応が可能となる。もう1点は、検査結果について、学年または学校全体で検討することにより、いじめの未然防止につながり、集団づくりや授業改善に学校全体で取り組むことができる。
これは何かと言いますと、先生方は必死で子供たちを見てくださっているんですが、クラスを見てるのは、何ぼソーシャルワーカーの先生がいても、そのクラスはそのクラスの担任の先生が一生懸命見らなあかん。じゃ、担任の先生1人の感性だけでいきますと、やっぱり学校全体で取り組むときに、ある程度標準的なデータのもとに皆さんで話をしないと、基本的なたたき台がない状態で、どういう状況なのか、ああいう状況なのかということになるので、ある程度標準化したデータのもとにクラスを見てる学校の先生自身の感覚とかとあわせて検討していくというのが一番学校全体で取り組めると、そういうものであるみたいです。
昨年9月に、鳥取県教育委員会では、モデル10校区34小学校でありますが、ハイパーQUを実施して、いじめの未然防止に全県的に取り組むという方向のモデル的なことをやってたんですが、そんな中で9月に補正予算を組みまして、当初予算で多分モデル的な取り組みをやってたと思うんですが、それをもう全県に、補正予算を組んででもこれはいく必要があるという御判断をされてやってるみたいであります。
岡山県の教育委員会の事例を見てみますと、もう岡山県の場合ははっきりしてて、不登校やいじめの兆候を早期に把握するために、児童生徒の不安感や疎外感を調べるのにハイパーQUを2013年から導入しています。それで、公立校の小学校5年生と中学校1年生を対象に全県的に実施するそうであります。
全県的にいじめの未然防止と早期発見、早期対応の強化に取り組むためには、この学級集団アセスメントの活用を私は考えたらどうかなと思うんですが、教育長の御意見をお伺いしたい。よろしくお願いします。
○議長(山田正彦君) 教育長。
〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 今、御紹介いただきましたハイパーQUテスト等の学級集団アセスメントは、もう既に御指摘いただいたように、県内の幾つかの市町村や県立学校においても取り入れられております。これらの学校からは、児童生徒一人一人や学級集団の状態を把握することができるため、望ましい人間関係づくりを進める上で有効であることや、不登校やいじめの未然防止につながることができる方法であるとの報告を受けております。
こうしたことから、議員御提案の県内全ての学校でハイパーQUテスト等の学級集団アセスメントの実施につきましては、他県での取り組みや県内で実施した学校での成果や課題を踏まえながら、実施に向けて検討してまいります。
○議長(山田正彦君) 岩田弘彦君。
〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 実施に向けて取り組んでいただけるということで、ありがとうございます。
ちなみに、ここにそのハイパーQUがあるんですが、これを開発された方が早稲田大学の河村茂雄さんという方なんですが、この方の、まあいえばお弟子さんという表現が確かなんかな、正しいんかどうかわかりませんけども、この人のもとで一緒に仕事をしてた優秀な方が和歌山県にいらっしゃるということをお聞きしておりますので、和歌山県流のやり方というのも大切かと思いますので、その辺も検討していただいて、いち早く実施していただきますようによろしくお願いいたします。
それでは、続きまして大項目の2番、環境保全型養鶏について質問いたします。
環境保全型養鶏ということで、私、岐阜県のほうに行ってまいりまして、そこはEM菌というものを使いまして、餌からもう変えていくというやり方をしておりまして、においは少なくて、できた堆肥は、橋本養鶏組合の皆さんも一緒に行きましたので、その皆さんに聞きますと、大体できた堆肥が橋本養鶏組合では100円、そこの堆肥は300円で売れているということがございました。
EMがどうこうという話ではなくて、やっぱり一番思ったのが、和歌山県は100円なんですが、向こうは300円でも価値があるという堆肥ができていると言う。もう1点、ちょっとショックやったんですが、この300円の堆肥、誰が買ってますか、どこへ売ってますかというのが気になりましたんで、聞かしていただきますと、「和歌山県の梅農家に売ってますよ」というお話でした。私としましたらちょっとショックでした。どっちかいえば、和歌山県でつくった堆肥を300円で買ってもらえるようにしないといけないんではないかな。だから、わざわざ遠くから300円で買わなくても、逆に今度は、私の心の中では、和歌山県でええ堆肥つくって岐阜県に500円で売ったるでみたいな、そのぐらいの気持ちになってしまいましたんで。
まず1番目は、養鶏排せつ物の利用促進についてお聞きいたします。
本県において、畜産経営の大規模化が進展した結果、生産した家畜排せつ物堆肥を自己経営内または地域内でいかに生かしていくかが新たな課題となっています。
このため、平成21年8月に家畜排せつ物の利用の促進を図るための計画を策定して、平成27年度を目標に、県、市、農業関係団体、畜産農家、耕種農家等の関係者が一体となって家畜排せつ物の利用促進を図るための取り組みを推進しているところであります。
県民の環境保全に対する意識が高まる中、地域資源を生かした堆肥等による土づくりを基本に環境保全型農業を推進し、耕畜連携の強化、ニーズに即した堆肥づくり、家畜排せつ物のエネルギーとしての利用、この3つを柱に家畜排せつ物の利用促進が図られていますが、養鶏における現状と今後について農林水産部長にお伺いします。
○議長(山田正彦君) 農林水産部長増谷行紀君。
〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 養鶏排せつ物の利用促進についてですが、本県における年間の鶏ふん発生量は7万8000トンで、県内家畜の排せつ物総量の61%、また窒素量換算による発生量は1506トンで、家畜全体の86%を占めております。
鶏ふん堆肥については、県内では主に野菜や果樹の幼木などに一部利用されてはいるものの、品質が安定していない、散布しにくい、あるいは使用方法がわからないといった問題により利用が進んでいない現状にあります。
堆肥としての利用を促進するためには、農家のニーズに合った良質の堆肥を供給することが重要であり、同時に利用農家に対しては、堆肥に関する使用方法や利用効果などの知識を普及する取り組みが必要であります。
また、エネルギー利用については、鶏ふん処理用に開発された燃焼・発電施設は、日量数百トン規模の処理量で数十億円の設備投資ができる場合に成り立つシステムであり、現状では県内導入は困難と考えております。
今後は、県内外で広く利用されるような良質堆肥を供給することを目標に生産技術の研究を行い、畜産農家への技術指導に努めるとともに、堆肥利用に係る研修会を開催するなど、鶏ふん堆肥の利用促進を図ってまいります。
なお、梅干しの加工段階で生じた梅調味廃液を堆肥製造時の消臭資材として使用し、得られた鶏ふん堆肥を梅農家で活用する地域循環型農業の実践に向けたモデル実証試験を今年度から実施する予定でございます。
○議長(山田正彦君) 岩田弘彦君。
〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 エネルギーのほうはちょっと厳しいかなというお話で、なかなかその設備投資というのも難しいかなと思いますので。
27年度を目標にということで計画になっておりますので、先ほど言わしていただいたように県外に堆肥を付加価値をつけて売れるようになってくれたら一番いいなと思っておりますので、そっちの方向を向いて頑張っていただけるように。できましたら、私は、一番最初に岐阜県に営業に行ってまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、2番であります。周辺環境の都市化、企業誘致の進展に伴う臭気等の対策についてであります。
和歌山県家畜排せつ物の利用の促進を図るための計画にもあるように、紀北地域は、周辺環境が都市化しているものの、酪農、肉用牛経営及び養鶏経営が盛んであります。処理施設は、堆肥舎のほか、強制発酵処理施設の整備等、臭気等の発生予防に配慮した施設整備が進んでいる地域であると計画書にはなっております。
特に、橋本市の北東部には、養鶏場──採卵のほうでありますが──集積しております。本県の卵生産の約50%をこの橋本市にあります養鶏組合さんが担っております。知事もう御存じやと思うんですが、この養鶏組合さんは、常に県とともに積極的な投資をされまして、かなり先進的な取り組みを行ってきたところやと私は思います。さらに、6次産業化にも積極的に投資をされまして──もちろん県、国の支援をたくさんいただいての話でございますが──取り組んでやっている有名な地域であります。
しかし、この地域は、紀北エコヒルズなど企業誘致による大きな開発が進んでおりまして、都市化が進み、周辺環境が急激に変化しているところでもあります。
最近、地元では臭気問題が大きく取り上げられておりまして、このままでは住環境、または本県が誇れる地場産業、企業誘致に悪影響を及ぼすんではないかと、私はかなり心配をしております。早急な臭気等の対策が必要と考えますが、農林水産部長にお伺いします。
○議長(山田正彦君) 農林水産部長。
〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 家畜排せつ物の処理については、家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律、いわゆる家畜排せつ物法において、畜産業を営む者が適切に管理するとともに、堆肥化処理による利用促進を図ることとなっております。本県においては、家畜排せつ物の処理に必要な施設整備に係る費用の一部を補助し、農家の環境保全対策を支援してきたところでございます。
橋本市の養鶏施設については、家畜排せつ物法に基づく適正な管理及び堆肥化が行われており、法的には問題のない施設ですが、議員お話しのように、企業用地等の開発や都市化の進展といった環境変化により、悪臭に関して苦情が出ていることは承知しております。
鶏ふんの堆肥化処理過程で発生するアンモニア等が主な原因となっており、対策としては、堆肥施設の密閉化と脱臭装置の導入、あるいは消臭資材や微生物資材の利活用による臭気の抑制などが考えられますが、費用対効果等さまざまな検討課題がございますので、事業者及び橋本市と早急に対応を協議してまいりたいと考えております。
○議長(山田正彦君) 岩田弘彦君。
〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 早急な対応を協議していただけるということで。ただ、私は、これにつきましてはちょっと悩ましいのが、やっぱり基本的に、産業でございますので、本人さん主体で頑張っていただくと。それもよくわかるんです。ただ、この養鶏組合さんは、先ほどもお話しさしていただきましたが、常に県とともに積極的な取り組みに、補助はあるものの、やっぱり投資をしていってるという現状があります。
そんな中で、今、円安の影響ということで飼料のほうも高騰してるであろうし、そしてもう1点あるのが、私はもともと市場の仲買人でございまして競り人でもありますので、じゃ製造のときに積極的に投資した部分を卵に転嫁できるかといえば、工業製品のようになかなか転嫁できないと思うんです。相場で決まりますので。どうしても相場が上がらない限り、努力した分で転嫁できないというのが基本的にあると思うんです。付加価値をつけて新しい卵をつくっていくということをすれば、それはそれでとっていけるとは思うんですが、この辺、やっぱりちょっと厳しいのかなと。
僕もいろいろ話を聞きまして、ここの養鶏組合は、次の世代が結構頑張ってるんですよね。だから、次の世代が頑張りがいのあるようにというふうにならないとという部分が非常に心配でありまして、そこへもってきて、これ、外的要因がかなり影響した中で迫られているというところもあると思うんです。いわば、住環境もよくしてほしいし、企業誘致──せっかくこんだけ頑張って、特にエコヒルズ、今回は新たに南海用地に知事の御判断で南海さんを説得していただいて新たな投資もしていただいてる、その地域に集積しておることもありますので。
どうか、県の積極的な取り組みで、僕から言いますと、どないか橋本を助けてやってほしいというのが現実の話でございますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、大きな3番。
これは、皆さんに参考資料で地図のほうを配らしてもうてあると思うんですが、それを見ながらお聞きいただけたらと思います。関西都市圏の拡大に向けた道路ネットワークについてであります。
日ごろ知事もおっしゃっておりますが、関東平野に比べて大阪平野というのはざっと6分の1ぐらいしかないと。だから、山がなかったもんのようにやっぱり関西の都市圏の拡大をしていかないと、仮に首都機能を移転していただいてもうまくいかないんではないかなと私は思っております。だから、関西都市圏の拡大というのは重要な話で、和泉山脈、生駒山脈等ありますが、紀の川筋と奈良盆地あたりは、もうほんまに一体感を持っているという、そういうふうなネットワークを築かないと、なかなか頑張っていけないんではないかなと私は思っております。
そういうふうに関西都市圏の拡大に向けたネットワークが十分発揮できるように、2点ほど質問さしていただきます。
平成24年までは国土交通省の重点整備計画というのがありましたが、25年からの重点整備計画というのは、今取り組んでいるんではないかなと思っております。
まず第1番は、関西大環状道路の整備についてであります。
皆さん、見ていただきますと、赤い大きな一番外の枠になると思いますが、関西大環状を担う重要な京奈和自動車道の和歌山県エリアは、仁坂知事の頑張りもありまして、皆さんの御協力もございまして、おかげさまで大体国体をめどに完成するんではないかなと私は思っております。
しかし、全線が開通してこそ、やっぱり関西全体並びに和歌山県の発展に大きな力をもたらすと思いますので、県外の進捗状況、そして多分奈良県がおくれておると思いますので奈良県と、関西広域連合とともにスピードアップを求めてはどうでしょうか。
また、紀淡海峡を渡り淡路島、地図で言いますと神戸淡路鳴門自動車道──これ、自動車専用道路でありますが──につながってこそ関西大環状道路と思いますので、このことについて県当局のお考えを県土整備部長にお伺いします。
○議長(山田正彦君) 県土整備部長尾花正啓君。
〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 関西都市圏を拡大し、地域の活性化を図るため、関西大環状道路を形成する京奈和自動車道の整備が不可欠であり、和歌山県内の全線は、平成27年国体開催までに供用するよう、国に強く働きかけているところでございます。
一方、主に西名阪自動車道から和歌山県までの奈良県側の進捗状況でございますが、一般部のみの区間も含めると、西名阪とのジャンクションがある大和郡山から御所インター間が供用されており、続く御所インターから御所南インター間については平成26年度供用予定とされております。しかしながら、残る御所南インターから五條北インター間につきましては、これまでも早期整備を、できれば平成27年国体までの供用を国や奈良県に強く働きかけてきたところでございますが、現時点では明確な供用予定は示されておりません。
県としては、今後とも、関西広域連合や奈良県とも連携し、京奈和自動車道の早期整備はもとより、関西都市圏を拡大する広域道路ネットワークの形成に積極的に取り組んでまいります。
また、紀淡連絡道路につきましては、関西大環状道路のかなめをなす道路であり、リダンダンシーを確保した国土の強靭化を図るため、平成26年度政府提案において、調査の再開と地域高規格道路の計画路線への格上げを要望したところです。
今後とも、大変厳しい状況ではありますが、この道路の具体化に向け、国に働きかけてまいります。
○議長(山田正彦君) 岩田弘彦君。
〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 これにつきましては、先輩議員方が以前より紀淡海峡のほうにつきましては一生懸命訴えていただいておりますので、国に働きかけていただきまして、関西大環状が一日も早くできますようによろしくお願いいたします。
それでは、2番に行きます。
関西4環状とともに重要な放射状幹線道路についてであります。
地図を見ていただきますと、赤い大きな外周道路の横に青い筋が入ってると思うんです。その青い筋は、全て自動車専用道路であります。それを見ていただきながら聞いていただけたらと思います。
関西中央環状道路──近畿自動車道であります──と関西大環状道路、京奈和自動車道をつなぐ放射状自動車専用道路、それを京奈和自動車道沿線で見てみました。本来、ネットワークというのは、ハブ・アンド・スポークと言われるぐらい、環状があって放射状道路がつながってネットワークがいいということやと思いますので、それで見ますと、京都府には名神高速道路、第二京阪道路があります。奈良県内には、奈良市へは第二阪奈道路、大和郡山市へは西名阪自動車道、橿原市へは南阪奈道路があります。これ、全て自動車専用道路であります。
しかし、和歌山県の北東部に向けてありません。関西都市圏の拡大に向けた道路ネットワークの構築のためには、奈良県のように主な都市へ放射状幹線道路──一番いいのは自動車専用道路──一定の間隔で整備することが私は必要不可欠と思います。
和歌山県の北東部に向けましては、重要な放射状幹線道路に位置づけられておりますのが、地域高規格大阪橋本道路であります。このままでは、企業誘致においても、お隣の奈良県のほうが──私の選挙区は奈良県の隣でございますので、頑張って頑張ってしても、私は奈良県のほうが圧倒的に有利になってしまうんかなと、その辺を心配しております。
現在、地域高規格大阪橋本道路の整備が進められていますが、奈良県の事例を見ますと、近畿自動車道と京奈和自動車道を、大阪府の府県境部を南阪奈道路──自動車専用道路──で、奈良県側を高田バイパスでつないでおります。同じように、和歌山県側の橋本バイパスから府県間部を経て、規格の高い道路で、関西大環状道路(京奈和自動車道)と関西中央環状道路(近畿自動車道)をつなぐべきであると思います。
この道路は、和歌山県、大阪府だけの問題ではなくて、関西全体で考えるべきものであります。この大阪橋本道路につきましては、もう毎回、宿命のように質問させていただいております。もう事情もわかっております。24年度の予算を見てみますと、和歌山県側は補正も入れまして約41億円と聞いております。大阪府側は、両方合わして約3億円程度かなというふうなお話を聞いておりますので、余りにも温度差があるんで。私は、もう京奈和自動車道ができたら、京都へ行くときは大阪は通りません。そのぐらいの思いで思っておりますので、県当局はどのように考えているのか、県土整備部長にお伺いします。
○議長(山田正彦君) 県土整備部長。
〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 関西大環状道路を初めとする環状道路と大阪を中心とした放射状道路を一体的に整備することは、関西都市圏を拡大し、関西経済の活性化のために重要であると考えております。そのため、県では、京奈和自動車道はもとより、放射状幹線道路である第二阪和国道などの整備促進、さらに国道371号府県間部については、直轄権限代行事業に向けた直轄道路調査の着手を国に働きかけているところです。
そうした中、議員御指摘の地域高規格道路大阪橋本道路につきましては、近畿ブロック知事会策定の広域インフラグランドデザインや関西広域連合の広域インフラマップにも位置づけられております。
県としましては、この大阪橋本道路の重要な区間である国道371号府県間部の早期整備について、和歌山県、大阪府のみならず、関西全体でも取り組んでもらえるよう働きかけてまいります。
○議長(山田正彦君) 岩田弘彦君。
〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 自分とこの地域ではないところの答弁ですので、なかなか難しかったかなあと思う中で、積極的な答弁いただきましてありがとうございます。
ただ、1つ思うことがございまして、先日来、沖縄の方が負担で困ってるんで、沖縄の方の軽減をせなあかんということで、八尾空港はどうですかという提案をされております。和歌山の人は、もっと困っております。その辺も御理解いただき──道に関してでございます──困っておりますので、やっぱりお互いさんということをわかっていただきますように、私といたしましては、大阪府に対してそういう思いを祈り、次の質問に行かしていただきます。
大きな4番、緊急経済対策、中小企業ものづくり補助金についてであります。
県内事業者の状況と今後の取り組みについてでありますが、日本経済再生に向けた緊急経済対策補正予算における中小企業、小規模事業者向け「ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金」は、1次公募における採択事業者が決定し、現在、2次公募を行っていると聞いております。この制度は、私は、応募者もかなり多く、経済波及効果も大きいんではないかと考えております。
ことしの予算委員会のほうでも質問させていただきまして、そのときの答弁では、「積極的な情報提供や個別相談を実施することにより、今回の大型補正予算をできる限り県内企業が活用できるように全力で支援してまいります」ということでした。県内事業者における今回の応募状況、採択状況はどうでしたか。また、その結果、どのように評価していますか。
2次募集中では、再チャレンジもできると聞いております。仮に、「同じ事業計画を実施する場所を東京、大阪、和歌山、好きなところを選びなさい」と事業者の方に言ったときに、果たして「和歌山県」と言うてもらえるかなという。だから、「同じ事業を同じ条件で、東京でしますか、大阪でしますか、和歌山でしますか、それはあなたが選びなさい」と言われたときに、私はやっぱり東京を選ぶという方が多いんではないかな、大阪を選ぶという方が多いんではないかなと思います。
日ごろから思っておるんですが、スタートラインにおいて、やっぱり都会と田舎の格差があるのが現実ではないでしょうか。そんな状況でも新たな挑戦をしようとしている、この頑張る県内事業者のために今後どのように取り組みますか、商工観光労働部長にお伺いします。
○議長(山田正彦君) 商工観光労働部長藤本陽司君。
〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 国の緊急経済対策である平成24年度補正予算につきましては、議員御指摘のものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金などの事業を県内事業者に可能な限り活用していただくよう、近畿府県の自治体では最も早く事業者向け説明会を開催したほか、産業別担当者による県内企業への情報提供や、わかやま産業振興財団のメールマガジンの活用等、さまざまな周知活動を積極的に実施しているところです。
平成25年3月15日より1次公募が開始されました本事業について、県は、関係機関と一丸となって、希望する事業者に対するサポートなどを行ってまいりました。その結果、現在では138件の申請を数え、本来のミカンの食感を損なわない加熱処理を施した有田みかんゼリーの開発など56件の事業計画が採択されました。採択状況については、ほぼ全国並みであり、一定の採択水準を達成できたものと認識してございます。
県としましては、1次公募で採択されなかった企業に対し、その要因を分析し──(「もうちょっとゆっくり答弁せえよ」と呼ぶ者あり)はい──改善を助言するなど、2次公募での採択に向けてきめ細かく支援しているところです。また、新たな企業を掘り起こすため、先般、2次公募に向けての説明会を開催するとともに、工業技術センターの職員等が個々の企業に申請の働きかけを行っているところです。さらに、県内事業者が意欲を出しているこの機会を捉え、国のものづくり補助金のみならず、県独自の提案公募型の施策も総動員し、県内企業のチャレンジを支援するなど、活力あふれる元気な和歌山経済の創造を目指してまいります。
○議長(山田正彦君) 岩田弘彦君。
〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 一生懸命取り組んでいただいてるというのは、十分わかりました。結果といたしましては、136でしたかね、かなりの方が挑戦してくれた。それは大いに皆さんが頑張ってくれたなというのがあると思います。
ただ、採択されてるのが全国並みということでございますので、和歌山県の方向性、これはもう仁坂知事がずっと言うてますから、ここは和歌山県の特徴やと思うんで、やっぱりそれだけの対策も打ってますし、それだけの組織も持ってると思うんで、厳しい言い方かわかりませんけども、結果、やっぱり平均より上と、そうなってほしいというのが私の本音でございます。
今回は、たまたま計画ですので、初めて出す人、一生懸命計画を出したところで、これやっぱりテクニックというのが要ると思うんですよ。自分の思いを申請書に載せていくというときのテクニックであるとか、甘い計画をきちんとした計画に書きかえていくとか、そういう部分になってくると、やっぱり和歌山県で誰が一番そういう能力を持っているか。私は、県の職員さんが一番それを持ってると思うんですよ。これは国に審査してもらうやつなんで、県はどんどんどんどん支援したっていただいて、今この時期に136もほんまにやる気になってくれたと僕は思うんですよ。厳しい中で挑戦しようかという気になった。気になったその思いを火消してしまうと、もう和歌山県にとって、今度は起こすの大変かなという気もしますので。先ほど、県の制度も動員してということでございますんで、くれぐれもその思いを消さないように、県内事業者の思いを消さないように頑張っていただきたいと思います。
次に聞かしていただいたときには、全国の平均を上回る採択ができましたという報告を期待いたしまして、次の質問に行かしていただきます。よろしくお願いします。
5番でございます。コンテンツの活用による新たな誘客策についてであります。
漫画、ゲーム、アニメの聖地巡礼についてです。これ、「聖地巡礼」と言われても、なかなか皆さんぴんとこないかわからんですけども、近年、アニメや漫画などのコンテンツ、あるいはキャラクターを活用した地域振興が注目されております。
今、若者の間でアニメの聖地巡礼がブームになっております。アニメの主人公あるいは活躍の場所、制作のベースになったロケ地などが聖地とみなされ、多くの若者が訪れる社会現象となっております。
これは、今まで観光地になり得る可能性の少なかった地域や史跡が、アニメに取り上げられることで一躍脚光を浴びることになった現象も起こってきております。
アニメというコンテンツに対し、人々がさまざまな思いを持ち、みずからストーリーをつくりながら聖地をめぐる旅、従来の代表的なツーリズムのあり方とは大きく異なる特徴を持っております。コンテンツツーリズムと呼ばれているそうであります。別名「もえ旅」とかも言うそうでございますが。
全国の地方自治体では、聖地巡礼をまちおこしの起爆剤と捉え、さまざまな取り組みを始めております。何例か挙げますと、例えば京都府では、映画、漫画、アニメに取り上げられた地域のまちおこしを後押しする助成金事業を始めております。別にうちにつくってくださいと言うとる意味ではありません。やっているということです。岐阜県の株式会社十六銀行経営相談室では、アニメ「氷菓」に関する聖地巡礼による岐阜県への経済波及効果、これは岐阜県とともに岐阜県の基本データで測定したらしいんですが、その結果、総合効果21億円と平成24年7月31日に発表をしております。
聖地の掘り起こしや、漫画、ゲーム、アニメを和歌山に活用していただくなど、コンテンツの活用による新たな誘客策、漫画、ゲーム、アニメ聖地巡礼について、商工観光労働部長にお伺いします。
○議長(山田正彦君) 商工観光労働部長。
〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 漫画、ゲーム、アニメの聖地巡礼でございますが、本県におきましても、例えば美浜町などが舞台の一部となったアニメ「AIR」がテレビ番組化されることにより聖地巡礼の場として多くの若者が訪れているという実績や、本県出身の助野嘉昭氏の漫画作品がアニメ化された「貧乏神が!」で、和歌山市の景色が舞台の一部となってございます。
ゲームやコミックを経てアニメになったものが多く、地域のふとした町並みがシーンとなって何度も登場し、モデルとなった地にぜひ行ってみたいという気持ちが聖地となり、ブームとなってきています。
本県では、このほかにもアニメの舞台になった場所がないか情報を取りまとめ、県観光情報サイトにおいて情報発信を行うとともに、本県出身の漫画家等に和歌山県の風景等を作品に取り上げていただくよう働きかけ、聖地巡礼ツアーに発展するよう努めてまいります。また、アニメ系のイメージキャラクターを新たに制作し、各プロモーションで活用してまいります。
○議長(山田正彦君) 岩田弘彦君。
〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 積極的な答弁、ありがとうございました。
ただ、フィルムコミッションで映画のロケ地を引っ張ってきたりということもやられてると思うんですが、これの最大の違いは、フィルムコミッションでしたら、割と来たときのお世話であるとか、コスト的なもんもある程度面倒見らんなんというとこがあるんですが、これの場合は、ほとんど漫画家の皆さんに見てくださいと言うても、そのデータをとりに来るだけですので、その人のお世話をしたとしても余りコストがかからなくてできるんではないかなと思いますので、また積極的に取り上げていただいたらなと思います。
行く行くはコンテンツ産業、和歌山の環境のええとこに来てもうたらええなという、私はその夢も持って第一歩の質問ということで、よろしくお願いいたします。
以上で、一般質問を終わります。(拍手)
○議長(山田正彦君) 以上で、岩田弘彦君の質問が終了いたしました。
これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
この際、暫時休憩いたします。
午前11時41分休憩
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