平成25年6月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(高田由一議員の質疑及び一般質問)
平成25年6月 和歌山県議会定例会会議録
第4号(高田由一議員の質疑及び一般質問)
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午後1時1分再開
○副議長(花田健吉君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
質疑及び一般質問を続行いたします。
37番高田由一君。
〔高田由一君、登壇〕(拍手)
○高田由一君 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、一般質問をさせていただきます。
まず最初に、介護保険制度について伺います。
今、政府の財政制度等審議会では、医療費の70から74歳の窓口負担を2倍に引き上げるとか、風邪薬、湿布薬などを保険から外す、年金は支給開始年齢を68から70歳に先延ばしする、介護保険ではサービスの保険適用を要介護3以上の重度者に限定するなどの改悪が検討課題に上げられております。
社会保障制度改革国民会議の議論でも、要支援1、2の方への給付を介護保険の対象から除外するということも検討するという議論が出ております。これまでは、少なくとも消費税増税を決めるに当たり、社会保障については看板だけは充実が掲げられておりました。しかし、安倍内閣ではもう増税は決まっているというばかりに、手当たり次第に給付を削る社会保障改革が議論されている状況があります。
このたびの和歌山県の政府提案・要望にもあるように、介護保険料は現在月平均5501円のものが、このままでいけば、5年後の平成30年には月8600円にもなるという試算が出ております。だからといって、介護給付そのものを削ることは、介護保険制度そのものへの信頼性をなくすことになると私は思います。介護保険は、介護の社会化というのがうたい文句であったのであり、それに見合った長期の見通しのもとに制度設計がされてきたはずです。今になって、給付額が増加していることをさも予想外のように言われておりますが、そんなことはもともとわかっていたことではないでしょうか。一旦つくった土俵を時の政府の都合で変えようというのは、制度の信頼を損ないます。
ちまたの声では、介護が使いたいときが来ても自己負担が高いし、十分使えんのやったら、もう保険料を引かんといてほしいという切実な訴えをされることもあります。
ですから、保険料については、県の提案、要望にあるように、国の負担を上げることこそ求められていると思います。このことについては、私たち日本共産党が介護保険の政策に掲げている点と一致をしております。
その中で、要支援1、2などの軽度者を介護保険から外すという動きですが、その理由を見ますと、過剰なサービスが自立を妨げているとか、自己負担が1割だけだからモラルハザードが起きている、あるいは訪問介護については生活援助サービスが大半を占め、中でも掃除がその半分以上を占めているということなどが議論の中で言われています。
利用者は、簡単なことでさえヘルパーにやらせて、安易に介護保険を利用しているとでもいうのでしょうか。専門家からは、ヘルパーは、ただ単に洗濯をしたり家事援助をしているのではない、利用者の残存能力を見きわめて、本人ができるところはやってもらい、生活意欲を引き出すことが重要だとの意見も出されています。単なる家事手伝いとは根本的に違うわけです。私は、軽度の方への支援こそ重度化を防ぎ、ひいては保険財政をも助けることになると考えます。
そこで、質問ですが、介護保険のうち要支援などの軽度者を保険から外すような動きについて、知事の御所見を伺いたいと思います。
1問目は終わります。
○副議長(花田健吉君) ただいまの高田由一君の質問に対する答弁を求めます。
知事仁坂吉伸君。
〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 介護保険制度については、介護を必要とする高齢者の増加が見込まれる中、国の責任において、制度を将来にわたり持続可能なものとすべきであると思います。
国においては、昨年、社会保障制度改革推進法が制定され、社会保障の機能の充実と給付の重点化、効率化を行い、負担の増大を抑制しつつ持続可能な制度を実現するという基本的な考え方が定められたところであります。
しかし、給付の重点化、効率化を進める中で、介護保険の軽度者向けサービスが見直されたとしても、今まで利用していた人がサービスを利用できなくなるようなことは困るわけでありますし、また、介護保険事業に係る受け皿整備の負担を財政力の弱い地方に押しつけないような制度を構築すべきだと、そういうふうに思います。
○副議長(花田健吉君) 高田由一君。
〔高田由一君、登壇〕
○高田由一君 答弁をいただきました。
やはり、国の負担をふやしていただきたいという要望をこのたびも上げていただいております。ですから、私は、引き続き県民の福祉の充実という点から、ためにならないようなことについては、しっかり県政としても声を上げていっていただきたいというふうに思います。これは要望をしておきたいと思います。
次に移ります。2つ目の旅館、ホテルなどの耐震改修について伺いたいと思います。
このたび耐震改修促進法が改正をされ、学校や病院、劇場、百貨店、老人ホームや旅館、ホテルなどで一定規模以上のものは、特定建築物ということで耐震診断が義務化をされました。しかも、法律では、それを今後3年以内に実施せよという内容になっており、その後、耐震診断結果の公表をするようになっています。
これに対して、旅館業界からは、地域資本である老舗旅館への廃業宣言だとの厳しい批判も出ております。関係者も、もちろん旅館やホテルなどを耐震化することに反対してるのではありません。しかし、県も政府要望で出しているように、診断未実施の施設を公表するとか急に言われても混乱をするばかりです。
数百万円と言われる耐震診断の費用や、少なくとも数千万円から数億円かかると言われる耐震改修の費用の見通しもないままに、法改正だけが先行されたことを憂慮する声が上がるのも当然であります。全国では、約600軒の旅館、ホテルが対象になると言われております。私の地元白浜町でも、指折り数えましたら10軒ぐらいがこの対象になるんじゃないかと思います。
そこで、幾つか質問をさせていただきます。
最初に、今回の法改正以前も、特定建築物については耐震診断の努力義務がありましたが、それに基づいて行政は指導及び助言や指示ができるというふうに法ではなっておりました。これまで県としてどのような取り組みをされたのか、県土整備部長の御答弁をお願いしたいと思います。
○副議長(花田健吉君) 県土整備部長尾花正啓君。
〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 耐震改修促進法に基づき、県では、平成19年に耐震化促進計画を策定し、特定建築物の耐震化の目標等を定めた上で、県政おはなし講座や耐震説明会の実施、所有者及び事業者向けパンフレットの作成、配布を行うことで、耐震化を推進しております。
また、建築基準法により、不特定多数の方が利用する建築物に対して定期報告が義務づけられており、平成19年からは、報告のあった建築物のうち、耐震診断または耐震改修の未実施の所有者に対して、文書指導を行っております。
○副議長(花田健吉君) 高田由一君。
〔高田由一君、登壇〕
○高田由一君 答弁をいただきました。
今、答弁を伺いますと、パンフレットの作成や配布、それから定期的な報告のときの文書指導ということを挙げられましたが、これまでは努力義務だったんで、そんなに行政のほうもやいやい言わんと、たまに指導していたというところだったと思うんですが、それが今回、この法律でいきなり耐震診断義務化ですから、ハードルが急に上がったなという感じを皆さん持っておられるというふうに思います。
次の質問に移ります。
新しく義務化の対象となる建物の軒数は、県内でどれくらいあるかと聞こうと思ったんですが、昨日答弁がありまして、県全体で60棟、うち旅館やホテルが30棟ということでございましたので、その部分は省略をさせていただきたいと思います。
それで、私の質問としては、今回、法改正によって新たに耐震診断が義務化される建築物の要件ですね、この要件は何かということを答弁いただきたいと思います。
○副議長(花田健吉君) 県土整備部長。
〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 今回の法改正により耐震診断が義務化される建築物は、3種類に分類することができます。1つ目は、ホテル、旅館、病院、店舗等の不特定多数の方が利用する建築物等のうち大規模なもの。2つ目は、地方公共団体が指定する緊急輸送道路等の避難路沿道建築物。3つ目は、県が指定する庁舎、避難所等の防災拠点建築物となっております。
なお、対象となる建築物の要件や規模等については、今後、政令及び省令で示されることになります。
○副議長(花田健吉君) 高田由一君。
〔高田由一君、登壇〕
○高田由一君 今、お答えの中に緊急輸送道路等の避難路沿道建築物についても耐震診断の義務化が求められているというふうにお答えがございましたが、この避難路沿道建築物については、県のほうでその報告期限を指定することになっておりますけれども、和歌山県として、その報告期限をいつだというふうにお考えでしょうか。
○副議長(花田健吉君) 県土整備部長。
〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 緊急輸送道路等の避難路については、その沿道建築物の耐震診断を義務化する路線と、従来どおり努力義務にとどめる路線を定める必要がございます。今後、早期に路線の選定作業に着手し、診断結果の報告期限についても関係市町村や関係部局と協議を行い、適切な期限を検討してまいります。
○副議長(花田健吉君) 高田由一君。
〔高田由一君、登壇〕
○高田由一君 御答弁いただきましたが、特定の大規模な建築物以外でも、県が指定をした避難路の沿道の建物は、大規模な建築物以外であっても耐震診断義務化の対象になってくるというふうに思います。その期限は、県自身が定めなければならないということですから、今答弁にもあったように、県民の意見もしっかり聞いていただきながら議論を深めていっていただきたいというふうに思います。
次の質問に移りたいと思います。補助制度について伺います。
国のほうも今回の制度改正に合わせて新たな補助制度をつくってくれましたが、その内容を教えていただきたいと思います。また、その補助制度は今後も継続してずっと続いていくのかどうか、そのあたりの見通しもお答えいただければというふうに思います。お願いします。
○副議長(花田健吉君) 県土整備部長。
〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 今回の法改正に伴い新たに創設された耐震対策緊急促進事業は、建築物の耐震診断や耐震改修を実施する民間事業者に対して、国が直接補助するものと、地方公共団体に補助制度がある場合いにはさらに国費を上乗せする補助制度の2種類がございます。
新たな事業の実施期間については、国に対し延長を強く要望しておりますが、現状では平成27年度までの事業となっておりますので、事業者の皆様方には、できる限り早期の耐震化に取り組んでいただけるよう働きかけてまいります。
また、議員におかれましても、この事業の周知について、地元白浜町の関係者の皆様に対して働きかけをお願いいたします。
○副議長(花田健吉君) 高田由一君。
〔高田由一君、登壇〕
○高田由一君 答弁をいただきました。
地元の議員としてもしっかり仕事をせえという励ましであったと思いますので、私もそういう役割を果たしたいというふうに思います。
ただ、27年度までの今の補助事業の枠組みだということでございます。法律で義務化をして、やれ報告だ、改修せよということで、それがたったあと2~3年の間にやってしまえというのは、これはいささか本当に乱暴な気がします。やはり、この事業の継続ということもしっかり要望をしていただきたいというふうに思います。
次の質問です。
今御答弁をいただきましたこの国の補助制度ですが、地方自治体が同時に補助するか否かで補助率に大きな違いがございます。お配りしている資料の表の面に、これは私が作成しました補助率の表でございますが、上の段がこれまでの補助制度、下の段が新しくできた補助制度でございます。耐震診断につきましては、地方自治体が補助をすれば、最大10分の10と書いてございます。100%の補助が出るようになりました。
それから、耐震改修についても、地方自治体の補助があればということで、最大3分の2が改修の折にも出るという枠組みなんですが、この地方の補助があるなしでふえる部分というのは、丸々地方が持つわけではなくて、国の補助制度の補助率のかさ上げというところも含めての数なんですが、こういうことになっております。ですから、大変大きな補助率の違いが、地方の補助あるなしで決まってくるわけです。
私は、県としての補助を考えていただきたいというふうに思いますが、その際、やはり大きな旅館やホテルなどが対象になります。大きな金額の補助になるのは間違いありません。県民の税金から補助を出して、業として民間が営んでいる施設が立派になるわけですから、やはりそれに見合った公共的な責任、例えば地域防災の拠点になるとか、避難所に指定をするとか、あるいはまちづくりの核になるとか、そうした公共性を持ってもらうこととセットでそういうことも考えていかないと、県民の補助への理解が得られにくいんじゃないかということも考えます。県の補助についての知事のお考えをお示しいただければと思います。
○副議長(花田健吉君) 知事。
〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 昨日、冨安議員にお答え申し上げましたとおり、今回の法律改正は、古くからの観光立県である和歌山県にとって、耐震基準を満たさないホテルとか旅館も数多くあるため、非常に影響の大きい内容であると認識しております。
そのため、地域経済に多大な影響があるホテル、旅館などについては、国に対して、診断結果の公表時期とか方法の柔軟な対応、国の補助制度の期間延長などの要望を行いました。すなわち、対策も進んでいない時期に診断結果のみを公表してしまうのはどうかと、それから経営も大変苦しいので、事業者負担の軽減を図ってほしいというような内容であります。
その結果、国土交通大臣からは、公表の方法や時期については地方の判断を尊重すると、それからまた、国も助けるから県も助けてやってほしいという意見をいただきました。
今後は、ホテル、旅館などの施設の所有者からいただいたさまざまな意見も踏まえ、議員の御提案も踏まえ、国の制度を活用しつつ、県としても積極的に支援していきたいと思っております。
○副議長(花田健吉君) 高田由一君。
〔高田由一君、登壇〕
○高田由一君 答弁をいただきました。ぜひよろしくお願いしたいと思います。
実際に、大規模なホテルや旅館を改修しようとすれば、いろいろと問題が出てくると思います。実際、相当期間、営業できなくなる部分が出てくると思います。また、学校みたいに、窓の外にこんなバツの字の鉄骨を入れるわけにもいきませんから、耐震工法も割高になるというような問題も出てくると思います。こうした問題について、ぜひ業界の皆さんとしっかり意見交換をしながら、この問題に取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
次の質問に移ります。商店街の街路灯改修への支援について伺います。
県内各地で商店街が整備してきた街路灯が老朽化をしている問題があります。白浜町内の状況で申し上げますと、私のいる温泉街のほうでは10個の商店街があり、それぞれ街路灯が整備をされております。潮風が大変よく当たりますから、老朽化が進んでいるところもございます。商店街の街路灯は、地域では防犯灯の役割や夜の観光地の景観づくりという点でも、また最近では、バッテリーのバックアップをつけて災害対応型のものを設置しているところもあります。
このように、半ば公共的な役割を担っている街路灯が、その維持管理や修繕という点では個々の商店街任せになっています。かつての景気のいいときでございますれば、その負担もできると思うんですが、しかし、今はこのような状況です。また、南海地震等が心配される中で、防災面での役割も一層期待をされております。
県内では、国の平成24年度補正で緊急経済対策として盛り込まれた商店街まちづくり事業という補助金を使って整備をした商店街もございますが、この補助金も今年度限りということです。ほかに商店街に対するこうした使い勝手のよいハード事業は少なく、これでは、申請に間に合わないところは修繕が難しくなってまいります。
そこで、伺いたいと思います。
期限の限られた国の補助事業をしっかり周知して、県内でも市町と連携をして活用できるようにしていただきたいというふうに思いますが、今後の取り組みについてどのようにお考えなのか、商工観光労働部長の御答弁をお願いしたいと思います。
○副議長(花田健吉君) 商工観光労働部長藤本陽司君。
〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 県では、国の平成24年度補正事業である商店街まちづくり事業について、事業概要や応募手続などの情報を各商店街に積極的に提供し働きかけた結果、5つの商店街が応募し、全て採択されることになりました。
この事業は、早ければ今月末にも2次募集が開始されると聞いておりますので、県といたしましては、引き続き情報収集に努めるとともに、各商店街に対し、当該事業を初め、その他国、県の商店街振興施策について、積極的に情報提供を行ってまいります。
また、地元市町に対しましても、各商店街にこれらの支援制度を広く周知するよう働きかけてまいります。
○副議長(花田健吉君) 高田由一君。
〔高田由一君、登壇〕
○高田由一君 よろしくお願いします。
次に、国の事業が終了した後も、私は重要性は変わりないと思うんですが、県と市町が連携をしてこの修繕や維持管理への支援ができないものかどうかということをお尋ねしたいと思います。
○副議長(花田健吉君) 商工観光労働部長。
〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 商店街の街路灯に係る修繕、維持管理につきましては、所有者である商店街が行うべきものであると考えてございます。
県としましては、商店街が本来のにぎわいを取り戻せるよう、平成22年度から商店街のコミュニティ機能強化支援事業を実施し、商店街の空き店舗を活用した集客力が期待できる公益的事業に対し補助を行っているところです。あわせて、担当者が頻繁に商店街に赴き、地元関係者と膝を突き合わせながら、商店街の活性化に向け、ともに知恵を出して考え、実行する等の活動に取り組んでおります。このような取り組みを通して商店街振興が図れるよう、地元市町と連携のもと支援してまいります。
○副議長(花田健吉君) 高田由一君。
〔高田由一君、登壇〕
○高田由一君 今、御答弁をいただきましたが、商店街の街路灯の修繕や維持管理は、本来、所有者である商店街が行うべきものであると、それは全くそのとおりだと思うんですけれども、やはり私が強調したいのは、防災面やそうしたほかの役割も含めた中で、今考えていくときが来ているんじゃないかというふうに思います。特に、防災面での機能を持たせた街路灯や防犯灯の整備には支援ができないものか、これは、ぜひほかの部局の皆様も含めて検討をいただきたいというふうに思うんです。
今回、地元の白浜町でも、それぞれの避難所があるんですが、そのそれぞれの避難所に災害対応型の避難誘導灯が1本ずつつくことになりました。避難所に1本ずつです。それはそれで大変評価をするんですけれども、やはり避難誘導灯というのは、避難場所まで連続して光っていって初めて、私はいざというとき機能するというふうに思うんです。私は、わざわざ避難誘導灯という別のものをそこへつけていくということではなくても、商店街の街路灯や町内会の防犯灯などを一部バッテリーでバックアップすれば、これは立派な、いざというときの誘導灯になるわけですから、この面での支援について、ぜひ具体的に検討をいただきたいというふうに思います。
全国の自治体の中には、改修への補助をしたり、電気代への補助をしているところも少なからずあります。県内の自治体では少ないと聞いております。県と市町が連携して、このような街路灯や防犯灯の整備に取り組んでいただくということを要望して、次の質問に移りたいというふうに思います。
次に、ウメ輪紋ウイルス対策について伺います。
5月23日に、和歌山市内で、感染した梅の木が発見をされました。県の調査で発見されたことは大変驚きではあったものの、県独自の体制と予算をつけてこの事業に取り組んだことによって、極めて早期に発見できたことは、最大の成果であると思います。関係者の御努力に敬意を表したいと思います。
このことについては、さきの2月議会で条例に関連して質問をさせていただきましたが、県内農家に不安が広がっておりますので、再度今回伺います。
まず、これまで明らかになった発生状況について、農林水産部長の御答弁をお願いします。
○副議長(花田健吉君) 農林水産部長増谷行紀君。
〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) ウメ輪紋ウイルスの発生状況についてですが、県では、梅、桃、スモモの果実生産の安全を図るため、5月8日から県内全域を対象にウイルスの感染確認調査に取り組んでまいりました。この調査の中で、5月23日に、和歌山市東部の梅栽培園地において感染を疑う木が発見され、翌日の検定で感染が確認されました。速やかに県では感染事実の公表を行うとともに、直ちに国と連携して発生状況等の現地調査に着手いたしました。
最初に感染が確認された木を中心に、目視やサンプル採取により、半径1キロメートル圏内での悉皆調査と、同じく4キロメートル四方圏内で感染範囲特定調査を実施しているところですが、現時点におきましては、発生範囲は隣接する6園地で、小規模、局所的であります。
○副議長(花田健吉君) 高田由一君。
〔高田由一君、登壇〕
○高田由一君 答弁をいただきました。
大変規模は小さいと思います。ほかの県の事例ですと、小さな規模のところでは、もう封じ込めてしまったというところもありましたけれども、今御答弁をいただいたような規模なら、限定された発生に封じ込められる可能性は十分あるというふうに思いますが、部長、いかがでしょうか。
○副議長(花田健吉君) 農林水産部長。
〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) さきの2月議会で御承認いただいた和歌山県ウメ輪紋ウイルスの侵入及びまん延の防止に関する条例第7条第2項の規定に基づき、梅や桃など特定サクラ属等の植物の移動制限区域として和歌山市を告示いたしました。7月7日から、和歌山市から他市町村への移動が制限されます。
感染地域周辺での調査はまだ終了しておらず、断言はできませんが、現在の状況であれば、ウメ輪紋ウイルスの広範な拡大はないものと考えております。
○副議長(花田健吉君) 高田由一君。
〔高田由一君、登壇〕
○高田由一君 御答弁ありがとうございました。
最後に、これまで和歌山県は、ウイルス感染があるかないかを主体にした検査を行ってまいりましたが、今後どのような対策を行っていくのか。また、2月議会でも問題提起しましたように、伐採をした木への損失補償が大きな課題となってまいります。
例えば、東京都青梅市では、全体の10%以上が感染している園地では、園地内の全ての感染可能性のある植物を伐採処分するという内容になっております。そのため、感染した木の数よりも処分する木の数のほうが圧倒的に多いという状況です。
この伐採樹への補償について、今後どのように対処をされていこうとされているのか、答弁をお願いしたいと思います。
○副議長(花田健吉君) 農林水産部長。
〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 今後の対策についてですが、調査終了後も、引き続きウイルスを媒介するアブラムシの防除や感染地域からの移動制限等を通じて、ウイルスの根絶に向けた取り組みを進めてまいります。
次に、栽培農家への補償についてですが、ウイルス根絶のためには、感染樹及び隣接する感染の可能性がある対象樹もあわせて伐採、抜根、焼却処分する必要があり、こうした処分に要する経費及び処分した樹木の損失補償の費用を国が負担することになっております。
当該区域が緊急防除区域に指定された場合は、植物防疫法第20条に基づき、国が、生産者、学識経験者、農業団体等による評価会での検討を経て補償額を決定し、損失補償を行います。
緊急防除区域に指定されない場合には、植物防疫法第29条に基づき、国と協議しながら県が必要な取り組みを行い、その取り組みに要した費用は、国から交付金という形で費用を受け取ることになっております。
○副議長(花田健吉君) 高田由一君。
〔高田由一君、登壇〕
○高田由一君 答弁をいただきました。
大変大規模な梅産地を控える和歌山県にとって、これへの対策は本当に重要な課題です。この間、調査や試験で、県職員の皆さんも、農協や農家の皆さんと一緒になって大変奮闘されたと、現場へ行って伺いました。ぜひこの取り組みを強めていっていただきたいということを要望して、この質問を終わりたいと思います。
次の質問です。熊野古道、大辺路へのトイレ整備について伺います。
観光地のトイレを快適に使うということで、おもてなしトイレ大作戦の予算が充実されております。今、西牟婁郡でも、国体などで来てくださった選手団や関係者に焦点を当てた観光メニューの開発に各町で取り組んでくれております。例えば、熊野古道、大辺路を語り部とともに歩いてもらうことなども考えておられますけれども、ただ、ネックになっているのは、やはりトイレの問題だと伺いました。
大辺路にバスで来てくださる団体の皆さんに伺いました。田辺市を出発して世界遺産のコアゾーンに至る白浜町富田の草堂寺までは、比較的民家も多くてトイレの心配もなく、案内するほうも安心して歩けております。しかし、肝心のコアゾーンを含む富田坂を越えて旧日置川町の安居に至る大辺路では、途中にトイレがなく、4時間以上はかかると思われる行程の中で、ゆっくり休憩できる場所がないことが大きな問題になっております。その先のすさみ町に至る仏坂のほうも同じような状況がございます。
資料につけました写真の上側は、白浜町安居のところにございます役場で管理をしていただいてるトイレなんですが、ガイドブックを見ましても、このトイレについては載せてはないんですけれども、やっぱり緊急に要るということの判断の中でつけてくれておりますが、大変掃除も中はちゃんとしてくれておりますけれども、こういう状況でございます。
そこで、質問に移ります。
今後、観光トイレ整備事業で、世界遺産に登録されている部分の熊野古道・大辺路周辺では、どれくらいトイレの整備が進む予定でしょうか。また、新たに設置される箇所はあるでしょうか。加えて、先ほど申し上げた富田坂や仏坂は、特にトイレの必要性が高く、地元町と協力をしてトイレ新設に向けて取り組んでいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。商工観光労働部長の御答弁をお願いします。
○副議長(花田健吉君) 商工観光労働部長。
〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 観光地の公衆トイレの整備につきましては、かねてより、市町村からの補助要望に対し優先的に採択するなど積極的に取り組んでおり、特に平成25年度から平成26年度にかけましては、和歌山おもてなしトイレ大作戦を展開し、市町村等に対し、さらなる整備の促進を強く働きかけているところでございます。
今後2カ年におきましては、大辺路の世界遺産登録区間周辺では、白浜町の近畿自然歩道富田公衆トイレを初め5カ所について、洋式化等の改修を予定しております。
現時点では公衆トイレの新設計画はございませんが、議員御指摘の箇所へのトイレの新設につきましては、その必要性を踏まえ、今後、地元町と協議してまいります。
○副議長(花田健吉君) 高田由一君。
〔高田由一君、登壇〕
○高田由一君 答弁をいただきました。
ボランティアのガイドさんたちも、ツアーを企画している会社の方にも伺ったんですが、やはりこの大辺路ということでいえば、トイレの箇所数をふやしていただきたいというのが何よりの願いだということでございました。
それで、観光のゴールデンイヤーということであわせて取り組まれるデスティネーションキャンペーンですが、来年9月14日から12月13日と伺っております。その中で、1万人ウォーク&トレッキングが、毎週県内のどこかで開かれる予定というふうに聞いております。もう来年に迫っております。その中でトイレがこのような状況というのは困りますので、せめてそれに間に合うようにぜひよろしくお願いをしたいというふうに思います。要望です。
それでは、質問の最後に移ります。
国道311号の安全対策について伺います。
田辺市中辺路町滝尻地内の国道311号ですが、この区間では、御承知のように一昨年の12号台風で大規模な土砂崩れが起こり、現在、災害復旧に取り組まれております。関係者のこれまでの御努力に敬意を表したいと思います。
ただ、雨の多い時期を迎えまして心配しているのは、2基の仮橋がかけられているんですけれども、その下流側の橋の路面が鉄のグレーチングでできていて、二輪車の通行帯には一部滑りどめマットが敷かれているものの、雨のときにはスリップ事故が起きているということでございます。
県警のほうから事前に資料をいただきました。仮設道路が開通したのが昨年の10月1日でしたが、その後、これまでの間に、工事現場付近で13件の事故が発生しております。うち2件は、雨のとき、この橋の上でのスリップ事故だと伺っています。
資料の写真の下側がこの311号の滝尻の仮橋なんですが、これは上流側から下流向けに撮ってる写真なんですけども、左岸から右岸を撮ってるんですね。で、見たらわかるように坂になっておるんです。下り坂になっております。
ある方に雨の日に実験をしてもらいました。下り坂なので、時速20キロぐらいでも、軽くブレーキを踏むだけで、ずるうっと滑っていってしまうということです。私も心配したので、ちょうど先週の土曜日、雨が降りましたので、夕方約30分間、この橋の横に立ちまして車の通行状況を観察させてもらいました。その時間の中で、明確にスリップをした車は6台ありました。うち4台は、予想に反して、上る方向で、荷台の軽い貨物のバンや工事用のトラックがアクセルを踏んだ途端に後輪が豪快に滑っておりました。あとの2台は、下り坂の方向でスリップして、これは中型の路線バスと中型の貨物トラックでございました。この2台は、車の重量が重いからだと思いますが、前輪がロックしたまま数メートル滑っておりました。
これらのことから推察するなら、これから雨の多い時期、今まで御努力いただいておることは重々承知をしておるんですが、もう一回りの安全対策をとっていただきたいと思うのですが、県土整備部長の御答弁をお願いします。
○副議長(花田健吉君) 県土整備部長。
〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 国道311号の災害復旧工事中の仮設道路に設置している仮橋のスリップ対策ですが、現地では「徐行」を初め、橋梁手前に「スリップ注意」等の標示板を掲げ、運転者への注意喚起を行っております。また、二輪車のスリップ対策として、滑りどめシートを両サイドに設置しており、劣化した場合は張り直しを行っております。
災害復旧工事が完成するまでの間は、応急的なこの仮設道路での通行となりますが、スリップ事故を防ぐためには、現状では運転者に注意を促して減速していただくことが最も有効と考えており、さらに見やすい標示板の工夫を行うとともに、より確実に安全なスピードまで減速させる対策についても検討していきます。
あわせて、災害復旧工事を急ピッチで進めており、平成26年度末の完成を予定しております。
○副議長(花田健吉君) 高田由一君。
〔高田由一君、登壇〕
○高田由一君 ぜひ対策の推進方、よろしくお願い申し上げます。
以上で終わります。(拍手)
○副議長(花田健吉君) 以上で、高田由一君の質問が終了いたしました。